JP4175467B2 - ミキサ内蔵容器及びこの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の被混合材料を混合、抽出するミキサを内蔵したミキサ内蔵容器であって、特に2液性樹脂の反応固化の性質を利用した工業製品の製造過程に好適に用いることができる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
2液型エポキシ系接着剤は主剤と硬化剤とが別々に容易されており、使用時に両者を混合し使用する。従来、この主剤と硬化剤を混合する際には、スタティックミキサを用いたディスペンサー又は専用に設計されたミキサを使用する方法、ナイフ、へら等を用いて手動で混合する方法等が用いられていた。また、材料の収容部を分離して主剤と硬化剤を別々に収容する小分け容器を用いて、使用時に容器内で前記収容部を合流させて、手等で揉んで混合して使用する方法も用いられていた。
【0003】
しかし、従来の混合方法には種々の問題点があった。スタティックミキサを用いて混合を行うと、何人も同様に混合を行うことが可能であり混合具合を一定に保つことができるという長所がある一方、2液型エポキシ系接着剤における主剤と硬化剤の硬化は硬化剤を混合した時から硬化するため、スタティックミキサ内で反応、硬化し、材料が無駄になることがあった。また、小分け容器、ナイフ、へら等を用いて手で混合を行うと、混合の信頼性に不安があるとともに、作業者によって混合具合が異なるという問題があった。さらに、ナイフ、へら等を用いて混合を行うと、材料が露出しているため服等周囲を汚してしまうことがある。これに対して、前記小分け容器を用いると材料が露出していないため周囲が汚れることはなかった。
【0004】
ここで、前記小分け容器の一例を図10に示す。この容器は、一体化した一つの収容部101を有し、この収容部101を治具102を用いて二つに分離し、主剤と硬化剤を各々収容し、使用時に治具102を外し主剤と硬化剤を合流させて、手で揉む等して混合する容器である。この容器は、混合の信頼性に不安があるものの、材料が小分けにされているため空気接触等による品質劣化が生じにくく、更に携帯性に優れるという利点を有する。
【0005】
特に現代工業における生産方式は少量多品種生産に急速にシフトしており、スタティックミキサによる混合では無駄が多く、小分け容器のように携帯性に優れるものが好適である。しかし、工業製品は一定以上の品質が要求されるため、接着剤も誰が混ぜても同じ混合具合になることが望ましく、前記小分け容器ではこのような要求に応じることは出来なかった。すなわち、従来では、少量多品種に対応でき、かつ一定品質に混合可能な技術はこれまで存在しなかった。
【0006】
このような問題を鑑みて、本出願人は、既に、流動性のある複数種類の被混合材料を別々に収容する複数の容器を装着し、前記複数の容器から排出された前記複数種類の被混合材料を混合するためのミキシングチューブを発明した。このミキシングチューブは、被混合材料を収容した容器に装着するための入口と、この入口から注入された複数種類の被混合材料を混合するための混合用通路と、この混合用通路によって混合された前記被混合材料を吐出する出口とを有しており、前記混合用通路を前記入口側から前記吐出口側にかけて連続的に押し潰すことにより、前記入口から注入された前記複数種類の被混合材料が、前記混合用通路を通過して混合され、前記入口から注入された被混合材料が、前記被混合通路を通過して混合され、前記出口から吐出されることを特徴としている。
【0007】
このミキシングチューブによれば、例えば手で入口側から出口側にかけて連続的に押し潰すことにより、内部の被混合材料を十分に混合してほぼ完全に絞り出すことができる。従って、このミキシングチューブに被混合材料を少量毎保管する容器を接続して、容器から必要量の被混合材料をミキシングチューブに注入し、混合を行っていた。
【0008】
しかし、前記ミキシングチューブと容器の接続には問題点があった。すなわち、前記ミキシングチューブは、連続的に押し潰し混合するため、軟質な材料が適しており、通常フィルム等を用いて製造されている。一方、被混合材料を少量毎保管する容器としては、製作の容易性等からラミネート製品が大半を占めていた。そのため、ミキシングチューブと材料を保管する容器との接続は、フィルム同士の接続となり、液漏れ等を生じる危険性があった。従って、ミキシングチューブと容器とを接続するために接続用の治具を取り付けなければならず、ラミネート製の容器は安価であるにも関わらず、ミキシングチューブと一体化させると高価なものとなっていた。
【0009】
【特許文献1】
特開2003−001078号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を鑑みて成されたものであり、複数の被混合材料を別々に収容する機能と、この収容された被混合材料を十分に混合し、一定品質の被混合材料を絞り出すことができる機能を一体化したミキサ内蔵容器を提供することを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、断面形状が連続的に変化する複数のエレメントを直列に接続した第一及び第二混合用通路を有し、この第一及び第二混合用通路内に複数種類の被混合材料を通過させ、通過過程において被混合材料に分割、集合を繰り返し作用させるミキシング部と、このミキシング部に連通可能であり前記被混合材料をそれぞれ収容する複数の収容部と、を有するミキサ内蔵容器であって、前記ミキシング部の第一及び第二混合用通路は、前記ミキシング部を分割した第一及び第二外枠部材とその間に介された仕切り部材とから形成されており、前記仕切り部材には、前記被混合材料の混合方向の一定間隔毎に各エレメントの半分の長さの穴部が設けられ、この穴部により第一混合用通路と第二混合用通路とが分岐及び合流を繰り返し、通過する被混合材料に分割及び集合を繰り返し作用させており、前記収容部は、前記ミキシング部に隣接し、前記第一外枠部材と第二外枠部材により形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、前記ミキシング部と収容部が同一部材(第一外枠部材と第二外枠部材)で形成されているため、複数の被混合材料を各々収容する収容部と、前記被混合材料を混合するミキシング部とを一体化させることが可能となる。前記ミキシング部は、第一及び第二混合用通路を有し、通過する被混合材料に分割、集合を繰り返し作用させ十分に混合することができる。前記収容部は、前記ミキシング部に隣接して設けられており、前記ミキシング部と連通可能に形成されている。前記ミキシング部と収容部との間は、必要に応じ連通させても良いし、例えば、第一外枠部材と第二外枠部材とを密着させて連通させないようにしても良い。従って、使用前、使用後は、前記ミキシング部と収容部とを分離しておき、使用時にミキシング部と収容部とを連通させ、収容部に収容されている被混合材料を前記ミキシング部に注入することができる。そして、ミキシング部を通過させることにより、被混合材料を十分に混合することが可能となる。
【0013】
ここで、前記ミキシング部の混合用通路は、被混合材料を通過させつつ混合できるものであれば良く、例えば、被混合材料と同数の経路を有する複数の通路ブロックを直列に接続し、通路ブロックにおける各変形通路の断面形状を連続的に変化させ、前段の通路ブロックからの被混合材料を後段の通路ブロックの入口で分割し、その出口方向で集合するという作用を繰り返すようにした構成を例示できる。
【0014】
また、前述のようにミキシング部の第一混合用通路と第二混合用通路は、ミキシング部を分割した第一外枠部材と第二外枠部材とその間に介された仕切り部材とから形成されているが、このミキシング部の分割の仕方は特に制限されず、ミキサ内蔵容器を製造しやすいように分割することが望ましい。例えば、ミキシング部の長手方向に沿って分割しても良いし、ミキシング部の形状によらず被混合材料の通過方向に沿って分割しても良い。
【0015】
また、前記収容部は、前記ミキシング部を形成する第一及び第二外枠部材とから形成されており、この第一及び第二外枠部材の大きさを変更することで、その容量を容易に調整することが可能である。従って、高性能化、少量多品種化が進む接着業界で、一定混合性能が保証され且つ適宜な容量の容器を安価に提供することが可能となる。
【0016】
加えて、本発明に係るミキサ内蔵容器は、前記第一外枠部材と第二外枠部材と狭持し、この狭持した部分の第一外枠部材と第二外枠部材とを密着させ、前記ミキシング部と収容部を分離させる着脱自在な狭持部材を有していることが望ましい。
【0017】
前述のように、前記ミキシング部と収容部とは使用時以外は分離していることが望ましく、分離させるためには連通部分の第一外枠部材と第二外枠部材とを密着させる等して両者を繋ぐ部分を塞ぐことが要される。また、収容されている全ての被混合材料を一時に使用しない場合等は、複数回にわたって分離、連通を繰り返さなければならない。従って、複数回にわたって分離、連通を繰り返すことが望ましく、着脱自在な狭持部材を設けると好適である。この狭持部材とは、第一外枠部材と第二外枠部材とを挟んで密着させることができる部材であれば良く、例えば、クリップ、ホルダーを例示できる。
【0018】
また、本発明に係るミキサ内蔵容器の材料としては、手等の力で押し潰すことが可能な柔軟性を有する部材で形成されていることが望ましい。柔軟性を有する部材で形成することで、所定の力を加えることによりミキシング部を押し潰して被混合材料を絞り出すことが可能となる。このような部材としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,軟化ポリ塩化ビニル等の合成樹脂、並びにこれらの合成樹脂同士又はこれら合成樹脂にアルミ箔等の金属フィルムを貼り合わせることにより製造するラミネートフィルムを例示できる。
【0019】
さらに、本発明に係るミキサ内蔵容器は、熱可塑性樹脂を材料とすると好適である。熱可塑性樹脂は、超音波溶着、熱溶着等により容易に溶着を行うことができるためである。尚、熱可塑性樹脂とは、加熱すると軟化して溶け、冷却すると硬化する性質を有する物質であり、例えば、スチレン系,アクリル系,セルロース系,ポリエチレン系,ビニル系,ナイロン系,フッ化炭素系の樹脂などが挙げられる。
【0020】
尚、本発明に係るミキサ内蔵容器は、二液性樹脂の反応固化の性質を利用する種々の工業製品の製造過程において用いることが可能であり、例えば、建設,自動車,産業機械,造船,航空機分野等におけるコーキング剤,接着剤、又は、歯科印象剤の混合過程において好適に用いることができる。
【0021】
また、本発明に係るミキサ内蔵容器の製造方法としては、断面形状が連続的に変化する複数のエレメントを直列に接続した第一及び第二混合用通路を有し、この第一及び第二混合用通路内に複数種類の被混合材料を通過させ、通過過程において被混合材料に分割、集合を繰り返し作用させるミキシング部と、このミキシング部に連通可能であり前記被混合材料を収容する収容部とを有し、熱可塑性樹脂製の第一外枠部材、第二外枠部材、及び、前記第一外枠部材と第二外枠部材との間に狭持される仕切り部材とから形成されるミキサ内蔵容器の製造方法であって、前記第一及び第二外枠部材を各々成型するとともに、前記第一及び第二混合用通路の分岐及び合流のため前記仕切り部材に穴部を形成した後に、前記仕切り部材を前記第一及び第二外枠部材で挟みつつ前記仕切り部材と第一及び第二外枠部材を溶着する工程と、前記収容部に被混合材料を収容する工程と、前記第一外枠部材と第二外枠部材の周縁部を溶着し、前記第一外枠部材、第二外枠部材、及び、前記仕切り部材を一体化させ、前記ミキシング部及び収容部を形成する工程とを備える。
【0022】
前記製造方法によれば、被混合材料を混合するミキシング部と被混合材料を収容する収容部とが一体化したミキサ内蔵容器を容易に製造することが可能となる。また、ミキシング部と収容部とを同時に製造することができるため、効率よく製造することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るミキサ内蔵容器の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係るミキサ内蔵容器の平面図であり、図2は、図1に示すミキサ内蔵容器のX−X’断面図である。このミキサ内蔵容器は、流動性のある2種類の被混合材料A,Bを別々に収容する複数の収容部20A,20Bと、これらの収容部20A,20Bから押し出された被混合材料A,Bを混合するためミキシング部10が設けられている。
【0025】
このミキサ内蔵容器は、所定の力で押し潰すことが可能な柔軟性を有する樹脂から成形された第一外枠部材1、第二外枠部材2、及び、前記ミキシング部10において第一外枠部材1と第二外枠部材2との間に介された仕切り部材3から形成されている。前記第一外枠部材1と第二外枠部材2が、部分的に溶着されていることにより、ミキシング部10と収容部20A,20Bが分離して形成されている。しかし、ミキシング部10と収容部20A,20Bは一部で連通可能となっている。この連通部分は、収容部20A,20Bからミキシング部10へ被混合材料A,Bを注入する時以外は、狭持部材であるクリップ30で第一外枠部材1と第二外枠部材2とを外側から挟まれ密着しており、ミキシング部10と収容部20A,20Bが連通しないようにされている。
【0026】
図面において斜線で示す部分(1a,2a,3a)は、前記第一外枠部材1、第二外枠部材2、仕切り部材3が各々と溶着されている溶着部である。前記第一外枠部材1と第二外枠部材2は、ミキシング部10により混合した被混合材料A,Bを吐出させる吐出口19を除いて、周縁部が溶着されている。また、前記ミキシング部10の両側部も、収容部20A,20Bと分離するように溶着されている。
【0027】
また、前述のようにミキシング部10の注入口18と前記収容部20A,20Bとは連通可能に形成されているが、外側からクリップ30が装着されているため、連通しないようになっている。すなわち、このクリップ30による密着部と前記溶着部に囲われた空間が収容部20A,20Bとなっている。
【0028】
次いで、前記ミキシング部10の詳細について説明する。図3には、ミキシング部を拡大した平面図、図4には、図3のY−Y’断面図が示されている。このミキシング部10は、2種類の第一通路ブロック11及び第二通路ブロック12が交互に且つ直列的に接続されるように形成されている。その一端の第一通路ブロック11には、前記収容部20A,20Bと連通可能であり被混合材料A,Bをミキシング部10へ注入する注入口18が設けられており、他端の第二通路ブロック12には、混合された被混合材料A,Bを吐出する吐出口19が設けられている。
【0029】
前記第一及び第二通路ブロック11,12の内部には、それぞれ混合用の変形通路13,14、及び、16,17が形成されている。これらの変形通路は、第一外枠部材1及び第二外枠部材2と、この間に介された仕切り部材3とにより形成されている。図5は、ミキシング部を前記第一外枠部材1、第二外枠部材2、及び、仕切り部材3の各部材に分解した平面図である。尚、本実施の形態では、仕切り部材3を一枚設けたが、使用状況に応じ複数枚としても良い。
【0030】
第一外枠部材1は、第一通路ブロック11の変形通路13と第二通路ブロック12の変形通路16を形成する中空部を有しており、長手方向の両側端部1aは、仕切り部材3と溶着されている。また、第二外枠部材2は、第一通路ブロック11の変形通路14と第二通路ブロック12の変形通路17を形成する中空部を有しており、長手方向の両側端部2aは、仕切り部材3の両側端部3aと溶着されている。仕切り部材3は、各通路ブロックの半分の大きさの穴部3cが一定間隔で設けられている。
【0031】
また、図6は、ミキシング部の第一及び第二通路ブロックを各変形通路ごと分解した斜視図である。第一通路ブロック11の変形通路13,14は、各々X方向に長い長方形の入口部13b,14bを有し、これらの入口部13b,14bの間には、仕切り部材3が介されている。また、その出口部においては、各々X方向に長い長方形の出口部13e,14eを有している。この出口部において2つの通路の間の仕切り部材3には穴部3cが設けられており、出口部13e,14eを重ねて結合することにより、正方形の出口部を形成している。
【0032】
これらの変形通路13,14は、その断面形状及び断面積が入口点P1から出口点P5向かって連続的に変化しており、その中間点P3ではそれぞれ小辺の正方形になっている。入口点P1から中間点P3までは、変形通路13,14との間には仕切り部材3が介されており2つの変形通路13,14は分割されているが、中間点P3から出口点P5までは、変形通路13,14との間の仕切り部材3には穴部3cが設けられている。また、中間点P3から出口点P5までの間は、変形通路13,14はX方向においてそれぞれ半分に分割され、一方の変形通路13d,14dは傾斜面を有している。そのため、変形通路13,14の断面積は、P3からP5にかけて徐々に大きくなる。すなわち、中間点P3から出口点P5にかけて2つの変形通路13,14は徐々に合流し、出口部13e,14eでは一個の正方形となる。
【0033】
次いで、第二通路ブロック12は、変形通路16,17を有しており、前記第一通路ブロックの変形通路13,14を逆に配置したものである。そして、第一通路ブロック11と第二通路ブロック12の接続部分では、上流側の第一通路ブロック11における変形通路13,14の出口部13e,14eが、下流側の第二通路ブロックにおける変形通路16,17の入口部16b,17bに連通している。
【0034】
第一通路ブロック11において混合された被混合材料A,Bは第二通路ブロック12の変形通路の入口部16b,17bに半分ずつに分割され、入口点Q1から中間点Q3までは各々の変形通路16,17内で被混合材料A,Bは混合される。また、第二通路ブロック12は、第一通路ブロック11と同様に中間点Q3から出口点Q5の間の仕切り部材3には穴部3cが設けられているとともに、変形通路16,17はX方向において半分に分割され、一方の変形通路16d,17dは傾斜面を有している。そのため、中間点Q3から出口点Q5までの間に各々の変形通路16,17で混合された被混合材料A,Bが合流し混合する。この混合、分割手段を繰り返すことで、被混合材料A,Bは均一に混合される。
【0035】
次いで、このように直列に接続された複数の第一及び第二通路ブロック11,12を被混合材料A,Bが通過する際の混合状態を説明する。図7には、第一通路ブロック11を被混合材料が通過する形態が示されている。なお、図7中の符号P1〜P5は、図6における第一通路ブロック11の材料通過位置に対応しており、それぞれの材料通過位置における入口部からみた断面図である。また、符号A,Bは被混合材料を示している。
【0036】
前記収容部20A,20Bから第一通路ブロック11に注入された被混合材料A,Bは、図5(a)に示すように、その入口点P1ではX方向に長い長方形に二分割される、そして徐々にX方向の長さが小さくなり(b)、中間点P3では、被混合材料A,Bが各々正方形に変化する(c)。その後、上述のように、変形通路13,14の間の仕切り部材3に穴部3cが設けられているため、変形通路13,14が徐々に合流し、被混合材料A,Bは合流する(d)。出口点P5では、変形通路13,14が完全に合流し、被混合材料A,Bは混在している(e)。
【0037】
そして、第一通路ブロック11にて混合された被混合材料A,Bは、第二通路ブロック12の入口部において、X方向に長い長方形に二分割される。このようにして、二種類の被混合材料A,Bが実質的に集合及び分割される。従って、第一及び第二通路ブロック11,12の段数が多くなる程、被混合材料A,Bの分割、集合の回数が多くなるので、その混合度が高くなる。
【0038】
すなわち、このミキシング部10は、2のN乗の理論で層を形成しているため、被混合材料A,Bを十分に混合することができる。また、被混合材料A,Bに対して強力な壁面抵抗から生ずるプラグ流を発生させることにより撹拌効果を生じさせることが可能である。
【0039】
尚、本実施の形態では、第一及び第二通路ブロックの断面積及び断面形状は、いずれも連続的に変化しているが、本発明に係るミキシング部はこれに限られず、断面形状又は断面積のいずれか一方が連続的に変化し、通過する被混合材料に圧縮及び剪断力を作用させる形状であっても良い。
【0040】
次に、本実施の形態に係るミキサ内蔵容器の製造方法を説明する。まず、第一外枠部材1、第二外枠部材2、仕切り部材3をそれぞれ成形する。第一及び第二外枠部材1,2は、各通路ブロック11,12の変形通路13,14,16,17となる中空部と、前記被混合材料A,Bの収容部20A,20Bとなる中空部とを有する形状にエンボス成形により成形する。エンボス成形とは、ロール状に巻かれたフィルム状の材料を金型に押しつけて、くぼみ,突起等を加工する成形方法である。仕切り部材3には、ミキシング部10の各通路ブロック11,12の半分の長さの穴部3cを設ける。
【0041】
第一外枠部材1と第二外枠部材2のミキシング部10に前記仕切り部材3を配置し、仕切り部材3を第一外枠部材1と第二外枠部材2で挟みつつ溶着する。このとき同時に、第一外枠部材1と第二外枠部材2の周縁部を一部除いて溶着する。そして、ミキシング部10と収容部20A,20Bを連通させないために、第一外枠部材1と第二外枠部材2をクリップ30で挟み、ミキシング部10と収容部20A,20Bを分離する。次いで、前記周縁部の溶着していない部分から収容部20A,20Bに被混合材料A,Bを注入した後、この注入した部分を溶着する。このようにして、本実施の形態に係るミキサ内蔵容器ができる。
【0042】
次いで、このミキサ内蔵容器の使用方法を説明する。使用前は、クリップ30によりミキシング部10と収容部20A,20Bは分離している。使用時には、まず、クリップ30を外し、ミキシング部10と収容部20A,20Bを連通可能にする。このミキサ内蔵容器は、所定の力で押し潰すことが可能な材料で形成されているため、収容部20A,20Bを手で押し潰し必要な量の被混合材料A,Bを収容部20A,20Bからそれぞれ絞り出す。この絞り出された被混合材料A,Bは、それぞれミキシング部10の注入口18から1段目の第一通路ブロック11の変形通路13,14に注入される。このようにして第一通路ブロック11内に注入された被混合材料A,Bは、ミキシング部10を注入口18から吐出口19にかけて連続的に手で押し潰すことにより、吐出口19から絞り出される。
【0043】
このときには、上述のように第一及び第二通路ブロック11,12の変形通路13,14,16,17によって、被混合材料A,Bの分割と集合が繰り返されると共に、各変形通路13,14,16,17が押し潰されることにより、被混合材料A,Bに局部的に剪断力が作用し、結果として混合が十分に行われる。
【0044】
このように、本実施の形態に係るミキサ内蔵容器は、所定の力で押し潰すことが可能な材料で形成されているので、ミキシング部10を入口側から出口側にかけて連続的に押し潰すことによって、内部の被混合材料A,Bを十分に混合した状態で略完全に絞り出すことができる。なお、本実施の形態では、収容部及びミキシング部を手で押し潰したが、例えば、ミキシング部を両側面から狭持し連続的に押し潰すことができるローラ等の治具を用いると、効率的に被混合材料を混合することが可能となる。
【0045】
尚、本実施の形態では、収容部20A,20Bの間にミキシング部10を配置したが、ミキシング部と収容部を連通可能に配置できれば良く、これに限られない。例えば、図8に示すように、ミキシング部10と収容部20A,20Bを対向するように配置しても良い。このミキサ内蔵容器も軟質な材料で形成することにより、図9に示すように、折り畳み可能となり、コンパクトにすることができる。このように折り畳んだ箇所をクリップ30等把持部材で狭持することにより、ミキシング部10と収容部20A,20Bとを容易に連通させたり、分離させることができる。
【0046】
また、図8に示すミキサ内蔵容器は、二つの収容部20A,20Bが別々にミキシング部の注入口18と連通するように形成されている。そのため、適切な量の被混合材料A,Bをミキシング部10に注入し易くなる。一方、前述した図1に示すミキサ内蔵容器では、被混合材料を合流させた状態でミキシング部10へ注入する。そのため、被混合材料の混合度を高めることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数の被混合材料を別々に収容する機能と、この収容された被混合材料を十分に混合し、一定品質の被混合材料を絞り出すことができる機能とを一体化させることができる。従って、十分に混合を行うことができるミキサを容器の製造過程で内蔵することが可能となる。また、簡易な構成を採用したことにより、効率良く生産することができ、一定の混合性能が保証されたミキサ内蔵容器を安く提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るミキサ内蔵容器の平面図である。
【図2】図1に示すミキサ内蔵容器のX−X’断面図である。
【図3】本実施の形態に係るミキサ内蔵容器のミキシング部を拡大した平面図である。
【図4】図3に示すミキサ内蔵容器のミキシング部のY−Y’断面図である。
【図5】前記ミキシング部を第一外枠部材、第二外枠部材、及び、仕切り部材の各部材に分解した平面図である。
【図6】前記ミキシング部の第一及び第二通路ブロックを示す斜視図である。
【図7】前記ミキシング部の第一通路ブロックの混合状態を説明する図である。
【図8】本実施の形態に係るミキサ内蔵容器の平面図である。
【図9】図8に示すミキサ内蔵容器のミキシング部を折り畳んだ状態の平面図である。
【図10】従来の容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第一外枠部材
2 第二外枠部材
3 仕切り部材
10 ミキシング部
11 第一通路ブロック
12 第二通路ブロック
13,14,16,17 変形通路
18 注入口
19 吐出口
20A,20B 収容部
30 クリップ
A,B 被混合材料

Claims (5)

  1. 断面形状が連続的に変化する複数のエレメントを直列に接続した第一及び第二混合用通路を有し、この第一及び第二混合用通路内に複数種類の被混合材料を通過させ、通過過程において被混合材料に分割、集合を繰り返し作用させるミキシング部と、このミキシング部に連通可能であり前記被混合材料をそれぞれ収容する複数の収容部と、を有するミキサ内蔵容器であって、
    前記ミキシング部の第一及び第二混合用通路は、前記ミキシング部を分割した第一及び第二外枠部材とその間に介された仕切り部材とから形成されており、
    前記仕切り部材には、前記被混合材料の混合方向の一定間隔毎に各エレメントの半分の長さの穴部が設けられ、この穴部により第一混合用通路と第二混合用通路とが分岐及び合流を繰り返し、通過する被混合材料に分割及び集合を繰り返し作用させており、
    前記収容部は、前記ミキシング部に隣接し、前記第一外枠部材と第二外枠部材により形成されていることを特徴とするミキサ内蔵容器。
  2. 前記第一外枠部材と第二外枠部材と狭持し、この狭持した部分の第一外枠部材と第二外枠部材とを密着させ、前記ミキシング部と収容部を分離させる着脱自在な狭持部材を有していることを特徴とする請求項1に記載のミキサ内蔵容器。
  3. 前記第一外枠部材、第二外枠部材、及び、仕切り部材は、手等の力で押し潰すことが可能な柔軟性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミキサ内蔵容器。
  4. 前記第一外枠部材、第二外枠部材、及び、仕切り部材は、軟質な熱可塑性樹脂製であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のミキサ内蔵容器。
  5. 断面形状が連続的に変化する複数のエレメントを直列に接続した第一及び第二混合用通路を有し、この第一及び第二混合用通路内に複数種類の被混合材料を通過させ、通過過程において被混合材料に分割、集合を繰り返し作用させるミキシング部と、このミキシング部に連通可能であり前記被混合材料を収容する収容部とを有し、第一外枠部材、第二外枠部材、及び、前記第一外枠部材と第二外枠部材との間に狭持される仕切り部材とから形成されるミキサ内蔵容器の製造方法であって、
    前記第一及び第二外枠部材を各々成型するとともに、前記第一及び第二混合用通路の分岐及び合流のため前記仕切り部材に穴部を形成した後に、前記仕切り部材を前記第一及び第二外枠部材で挟みつつ前記仕切り部材と第一及び第二外枠部材を溶着する工程と、前記収容部に被混合材料を収容する工程と、前記第一外枠部材と第二外枠部材の周縁部を溶着し、前記第一外枠部材、第二外枠部材、及び、前記仕切り部材を一体化させ、前記ミキシング部及び収容部を形成する工程とを備えることを特徴とするミキサ内蔵容器の製造方法。
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