JP4174873B2 - テープカセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ印字装置に使用される被印字媒体としてのテープを詰め替え可能に収納するテープカセットに関し、特にテープカセット内に収納される被印字媒体としてのテープの走行距離及びそれに関連する情報等を表示することができるテープカセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、文字付テープを作成するため、テープカセットを使用したテープ印字装置が種々提案されている。かかるテープカセットは、一般に、インクリボンを巻回したリボンリール、被印字テープを巻回したテープリール、及び、粘着テープを巻回した粘着テープリールをカセットケース内に備えており、文字付テープの作成時には、各インクリボン及び被印字テープを搬送しつつ、テープ印字装置に付設されたサーマルヘッドによりインクリボンを介して被印字テープ上に文字等の印字を行った後、被印字テープの文字印字面に粘着テープを貼着して文字付テープが作成される。
かかる従来のテープカセットでは、被印字テープ、インクリボン及び粘着テープを使い切った場合に、新たな被印字テープ、インクリボン及び粘着テープをテープカセット内に詰め替えることについては何ら考慮していなかったため、それらを使い切った場合には、例えばテープ送りローラ、テープスプール等のリサイクルできる部品等がまだあるにもかかわらず、テープカセットの利用価値はなくなり、捨てるのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ゴミ問題の関係上、リサイクルの要望が高まり、テープカセットについても、被印字テープ、インクリボン等を新たに詰め替えて、リサイクルするのが望ましい。しかし、リサイクルするといっても、粘着テープからはみ出た粘着材がテープ送りローラに固着したり、テープスプールを装着するカセットボス等が磨耗するので永久的に使用できる訳ではない。そのため使用済みテープカセットを回収して再使用する場合は、このテープカセットの再使用回数を考慮する必要があるが、再使用回数が分からないため、回収したテープカセットについてテープ送りローラ、カセットボス等について、回収の都度詳細に点検する必要があり、再使用の工程作業が煩雑となって、コストアップの原因になる。
【0004】
また、テープカセットの場合、インクリボンの色彩、テープ幅等が多種に亘るため、テープカセット内に一旦装着したインクリボン、テープを最後まで使い切ることなく、インクリボン、テープを詰め直して使用することがある。従って、仮にテープカセットの再使用回数が分かったとしても、テープ送りローラ、カセットボス等について、詳細に点検する必要があり、コストアップになるという問題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、テープカセット内から引き出される被印字媒体としてのテープの走行距離及びそれに関連する情報を容易に知ることが可能となって、利用者がテープカセットの使用の可否を的確に判断することができるテープカセットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、テープ印字装置に使用される被印字媒体としてのテープをテープ支持部に支持して収納するテープカセットであって、前記テープの詰め替え可能なテープカセットにおいて、前記テープカセットの磨耗又は前記テープカセットへの粘着材の固着を検知するため、前記テープカセットから引き出されるテープによって回転させられるテープ送りローラの回転を受けて、テープの累積走行距離を検知する走行距離検知手段を備え、前記走行距離検知手段は、当該走行距離検知手段により検知される累積走行距離あるいは累積走行距離に関連する情報を表示する情報表示手段を備え、前記情報表示手段は、前記テープの累積走行距離あるいは累積走行距離に関連する情報を表示する複数の表示部と、前記複数の表示部を配置し回転可能な表示部材と、前記複数の表示部のいずれかを示唆する指示部とを備え、前記走行距離検知手段は、前記テープ送りローラの回転を受け、前記表示部材の回転を介して、前記複数の表示部のいずれかを前記指示部の位置まで回転させるための回転機構と、前記表示部材を回転停止状態に保持するストッパと、を備えることを特徴とする。
このように走行距離検知手段が、テープカセットから引き出されるテープの走行距離を検知し、情報表示手段がこのテープの走行距離あるいは走行距離に関連する情報あるいは走行距離に関連する情報を表示するので、テープカセットのテープの走行距離及びそれに関連する情報を容易に知ることが可能となって、利用者がテープカセットの使用の可否を的確に判断することができる。それにより、再使用回数が少ない場合、テープ送りローラ、カセットボス等について、詳細に点検する作業が不要となって、コストアップを防止できる。
【0007】
【0008】
このようなテープカセットによれば、走行距離検知手段は、引き出されるテープによって回転させられるテープ送りローラの回転を受けて走行距離を検知して、回転機構が表示部材の表示部をその走行距離に対応して前記指示部の位置まで回転させるので、利用者はその指示部が示唆する表示部を容易に視認できる。それにより、テープカセットのテープの走行距離及びそれに関連する情報を容易に知ることが可能となって、利用者がテープカセットの使用の可否を的確に判断することができる。
【0009】
また、請求項2に係るテープカセットによれば、請求項1に記載の発明において、前記表示部材は、前記テープの走行距離が所定走行距離に一致する場合にほぼ一回転することを特徴とする。このように被印字媒体としてのテープの走行距離が所定走行距離(例えば40m)に一致する場合、表示部材がほぼ一回転することにより所定走行距離までの距離を適宜表示できるので、極めて簡単な構成となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施の形態に係るテープカセットが適用されるテープ印字装置について図1に基づき説明する。図1はテープカセット収納部の収納カバーを開けて示すテープ印字装置の平面図である。
図1において、テープ印字装置1には、文字等のキャラクタを複数行に渡って入力し文書データ(コードデータ)からなるテキストを作成するための文字入力キー2、テキストの印字を指令する印字キー3、液晶ディスプレイ7上でカーソルを上下、左右に移動させるカーソルキーC、及び、改行指令や各種処理の実行、選択を指令するリターンキーR等が設けられたキーボード6、キーボード6から入力された文字等を表示する液晶ディスプレイ7及び後述するテープカセットT(図2乃至図4参照)を収納するカセット収納部8が配設されている。かかるカセット収納部8は、テープ印字装置1の後方に回動可能に枢支された収納カバーKにより開閉され、開状態でテープカセットTの交換等が行われる。
【0011】
そのカセット収納部8には、図1に示されるように、テープ送りモータ(図示せず)から適宜の駆動機構を介して回転駆動されるリボン巻取軸9が立設されている。かかるリボン巻取軸9は、従来のテープカセット(すなわち、インクリボンを内蔵し、インクリボンを介してフィルムテープ上に文字等の印字を行なうタイプのテープカセット)を装着した場合に、そのインクリボンを巻取るためのものであるが、本実施の形態に係るテープカセットTではインクリボンを使用することなく文字等の印字が可能な印字テープT1を使用することから、リボン巻取軸9は印字テープT1の送り動作には関与しない。
【0012】
前記カセット収納部8の図1の左斜め前方(キーボード6側)には、テープ送りローラ軸10が立設されており、このテープ送りローラ軸10は、テープ送りモータから適宜の伝達機構を介して回転駆動され、後述するテープ送りローラ26(図2参照)を回動する。更に、カセット収納部8の前方には、印字テープT1上に文字等の印字を行なうサーマルヘッド11が固設されている。また、カセット収納部8の後方には、複数のフォトセンサSを有するテープ幅検出器SKが設けられており、かかるテープ幅検出部SKは、図2に示されるテープカセットTに設けられているテープ判別部材13のテープ特定部14と協働してテープカセットT内に収納されている印字テープT1のテープ幅を検出する。
【0013】
ここに、各フォトセンサSは発光素子と受光素子とを対として有する公知のフォトカプラからなり、各フォトセンサSに対して後述の遮蔽板15が入り込んだかどうかを検出して、そのオン・オフ信号の組み合せにより印字テープT1のテープ幅を検出するものである。尚、前記テープ幅検出器SKは、フォトセンサS以外にマイクロスイッチ等の機械的センサや磁気センサ等を用いても良い。
【0014】
次に、図2及び図3に基づいて、テープ印字装置1のカセット収納部8に収納されるテープカセットTの構成について説明する。図2はテープカセットTを分解して示すテープカセットTの分解斜視図であり、テープカセットTは、基本的に、テープカセット本体T2と、このテープカセット本体T2に対して着脱可能とされたテープカセット蓋T3とから構成される。図3はテープカセット蓋T3を外した状態のテープカセット本体T2を拡大して示す平面図である。
【0015】
テープカセット本体T2は、図2に示されるように、上側が開放された矩形状のケースからなり、かかるテープカセット本体T2の後壁T2Aの両側位置には一対の係止孔16が穿設されている。これらの各係止孔16には、テープカセット蓋T3の各係止突起T3Aが係止される。
【0016】
また、テープカセット本体T2における前壁T2Bの右側位置には、一対の突起部17が形成されており、これら各突起部17はその間にて係止溝18を形成する。この係止溝18には、テープカセット蓋T3に設けられた弾性係止部材20が係止される。更に、前壁T2Bの左側に連続してテープ案内片21が一体に設けられており、テープ案内片21の後方にはサーマルヘッド案内部材22が設けられている。
【0017】
サーマルヘッド案内部材22は平面視「コ」字状に形成されており、「コ」字状の凹部23にはサーマルヘッド11が配設される。また、凹部23の後壁には係止長孔24が形成され、かかる係止長孔24にはテープカセット蓋T3に形成された係止片25が係止される。更に、サーマルヘッド案内部材22とテープカセット本体T2の左側壁との間には、テープ印字装置1におけるカセット収納部8の底壁から立設され、テープ送りモータにより回転駆動されるテープ送りローラ軸10に係合可能なテープ送りローラ26が配置されている。
【0018】
また、テープカセット本体T2において、図3に示されるように、その左後方位置にはテープユニットUを収納するためのテープユニット収納部27が設けられており、テープユニットUは、かかるテープユニット収納部27内のテープスプール28(図3参照)に回転可能に収納される。このようにテープユニットUのテープスプール28に巻回された印字テープT1を前記サーマルヘッド11まで案内すべく、テープカセット本体T2の底壁からは4個のテープガイドR1、R2、R3、R4(テープガイドR3、R4については図3参照)が設けられている。
【0019】
これにより、テープユニットUのテープスプール28から引き出された印字テープT1は、各テープガイドR1、R2、R3、R4を介してサーマルヘッド11までスムーズに送られる。ここに、印字テープT1は、ベーステープの一面に感熱発色層を形成し、他面には粘着剤層を介して剥離紙を貼付してなる構成を有する。また、印字テープT1は、その感熱発色層を内側にしてテープスプール28に巻回されているので、感熱発色層の変色等が防止され得る。
【0020】
更に、テープスプール28には、テープ判別部材13の一端が回動可能に取り付けられているとともに、かかるテープ判別部材13の他端にはテープスプール28に巻回されている印字テープT1のテープ幅を特定するテープ幅特定部14が形成されている。このテープ幅特定部14の下面からは前記テープ幅検出器SKにおける各フォトセンサSを選択的に遮蔽する遮蔽板15が垂設されている。
【0021】
尚、テープガイドR2の近傍位置において、テープ印字装置1におけるカセット収納部8の底壁から立設されたリボン駆動軸9は、前記したように、従来のテープカセットに収納されているサーマルリボンの巻取り軸として使用されるものであるが、本実施の形態に係るテープカセットTにおいては印字テープT1の送り動作には関与せず、リボン駆動軸9の回動に伴って駆動機構から発生する駆動音を低減させるべく音消しスプールPが嵌合されている。
【0022】
また、テープカセット本体T2において、テープ送りローラ26の近傍にはテープ排出部29が設けられており、このテープ排出部29は、テープカセット本体T2の左側壁前端部とテープカセット本体T2の左側壁から延設された案内片30との間に形成される間隙より構成される。これにより、テープスプール28から引き出された印字テープT1は、各テープガイドR1乃至R4によりサーマルヘッド11まで案内され、サーマルヘッド11を介して印字テープT1の感熱発色層上に文字等が発色印字された後、テープ排出部29からテープカセットTの外方に排出される。
【0023】
次に、前記テープカセット本体T2に着脱可能なテープカセット蓋T3について説明する。テープカセット蓋T3は、テープカセット本体T2の開放面を上側から被覆するものであり、その後端部には前記テープカセット本体T2に穿設された各係止孔16内に挿嵌される一対の係止突起T3Aが形成されている。また、テープカセット蓋T3の前部における右側位置には凹所31が形成されている。
かかる凹所31には、弾性係止部材20が設けられており、この弾性係止部材20はテープカセット蓋T3の底面から下方に延設された屈曲部33と、この屈曲部33から水平方向に連設された摘み部34とからなり、弾性係止部材20が前記各突起部17間で形成された係止溝18に弾性的に係止される。更に、テープカセット蓋T3の前部における左側位置にはテープカセット蓋T3の底面から係止片25が垂設され、この係止片25は前記サーマルヘッド案内部材22の後壁に形成された係止長孔24内に弾性的に係止される。
【0024】
尚、テープカセット蓋T3の前端左位置に垂設されたテープ案内片35は、テープカセット蓋T3をテープカセット本体T2に取り付けた際に、前記テープカセット本体T2のテープ案内片21と協働して印字テープT1の送り案内を行なうものであり、また、テープカセット蓋T3の左隅に垂設された案内片36は、同様にテープカセット蓋T3をテープカセット本体T2に取り付けた際に、前記カセット本体T2に形成された案内片30と協働してテープ排出部29を構成するものである。
【0025】
更に、図2に示すように、テープカセット蓋T3の後端左方位置には、その底面から下方に向かって、3つのリブ37が延設されている。このリブ37は、テープカセット蓋T3をテープカセット本体T2に取り付けた時に、前記テープ幅特定部14の上面に当接して、テープ幅特定部14の上方への移動を規制する。このことにより、テープ幅特定部14がテープ幅検出器SKから浮き上がって誤検出されることが防止される。
【0026】
次に、テープカセットTから引き出される印字テープT1の走行距離を検知し、その検知された走行距離を表示する方法について説明する。図4は、印字テープT1の走行距離を検出して、その検出値を表示する機構を拡大して示す斜視図であって、走行距離を検出してその検出値を表示する機構が図2のテープカセット蓋体T3の裏側に設けられている。
【0027】
具体的には、テープ送りローラ軸10のテープカセット蓋体T3側には、図2に示されるように、ギヤ部10Aが回動可能に取り付けられており、このギヤ部10Aは、図4に明示されるように、テープカセット蓋体T3の裏面上に回動可能に取り付けられたアイドルギヤIGと歯合している。そして、アイドルギヤIGは、テープカセット蓋体T3の裏面上に回動可能に取り付けられた表示用ギヤHGの周囲ギヤ部HG1と歯合しているので、アイドルギヤIGの回転を受ける表示用ギヤHGはアイドルギヤIGの回転量に対応して回転する。
また、この表示用ギヤHG上のテープカセット蓋体T3の裏面側には、4個の突部TR1〜TR4を90度毎にずらして配置するラッチ部TRが取り付けられている。そのため、表示用ギヤHGと一体的に回転するラッチ部TRは、表示用ギヤHGが所定量だけ回転すると、その回転量に対応して回転して、突部TR1〜TR4のいずれかを所定の位置に配置する。
更に、このラッチ部TR上のテープカセット蓋体T3の裏面側には、ラッチ部TRと一体的に回転するつめ車LTが取り付けられており、このつめ車LTの周囲には、複数の爪部LT1が形成されるとともに、この爪部LT1と係合してつめ車LTの回転を防止するストッパSTが、テープカセット蓋体T3の裏面側に取り付けられているので、つめ車LT及びラッチ部TRは回転停止状態に保持される。
【0028】
そして、ラッチ部TRの側方には、情報表示手段としての回転表示板WHがテープカセット蓋体T3の裏面上に回動可能に取り付けられており、回転表示板WHは、表面側に印字テープT1の走行距離及びそれに関連する情報(例えば走行距離40mを4等分した表示「1」、「2」、「3」、「4」)を表示するとともに、裏面側に4個のフック部WHa〜WHd(フック部WHcは図4のフック部WHaの反対側に配置される)を90度毎にずらして配置する。そして、回転表示板WHの裏側のフック部WHdは回転表示板の表側の表示「1」に対応し、以下同様に、フック部WHaは表示「4」に対応し、フック部WHbは表示「3」に対応し、フック部WHcは表示「2」に対応する。
それにより、アイドルギヤIGの回転を受けて、表示用ギヤHG、ラッチ部TR及びつめ車LTが一体的に回転すると、ラッチ部TRの4個の突部TR1〜TR4のいずれかは、4個のフック部WHa〜WHdのいずれかと係合して、回転表示板WHを90度毎回転させる。具体的には、図4に示されるラッチ部TRの突部TR4はフック部WHbと係合し、その状態からラッチ部TRが更に90度回転すると、ラッチ部TRの突部TR1はフック部WHaと係合する。そして、ギヤ部10A、アイドルギヤIG及び表示用ギヤHGの周囲ギヤ部HG1間のギヤ比は、印字テープT1をテープ送りする走行量に対応してラッチ部TRを所定量だけ回転するようになっており、印字テープT1が10m毎走行する毎に、回転表示板WHが90度だけ回転するようになっている。
【0029】
そのため回転表示板WHは、印字テープT1が所定走行距離(例えば40m)走行すると一回転し、この回転表示板WH上に設けられた走行距離40mを4等分した表示「1」、「2」、「3」、「4」については、印字テープT1が例えば10m走行する毎に、例えば「1」から「2」へ数字が繰り上がるように図4の時計回り方向に90度だけ回転する。そして、テープカセット蓋体T3には、図2に示されるように、窓部TJが設けられており、この窓部TJを介して、利用者は回転表示板WHの表面側の情報(表示「1」、「2」、「3」、「4」のいずれか)を外部から視認できる。
【0030】
このようにアイドルギヤIG等(走行距離検知手段)は、引き出される印字テープT1によって回転させられるテープ送りローラ10の回転を受けて走行距離を検知して、表示用ギヤHG及びつめ車LT等(回転機構)は回転表示板WH(表示部材)の表示部を窓部TJの位置まで回転させるため、印字テープT1の走行距離あるいは走行距離に関連する情報(表示「1」、「2」、「3」、「4」)を表示する表示部を複数配置した回転表示板WH(表示部材)が所定量だけ回転すると、利用者は複数の情報うちのいずれかを窓部TJを介して外部から視認できる。
【0031】
次に、使用済みテープカセットTを回収して、未使用の印字テープT1をテープカセットT内に詰め直してテープカセットTをリサイクルしたり、異なった色または種類等の印字テープT1をテープカセットT内に詰め直して再使用する場合について説明する。
最初にテープカセットTからテープカセット蓋T3を取り外す。そのためには、作業者は、テープカセット蓋T3の係止片25を係止長孔24から外すように押さえ、更に、弾性係止部材20における摘み部34を指にて摘み、上方に引き上げる。かかる引き上げ動作により、屈曲部33と係止溝18との嵌合、及び、係止片25と係止長孔24との嵌合が解除され、テープカセット蓋T3はテープカセット本体T2に対して各係止孔16の回りに回動可能な状態になる。この後、摘み部34を更に上方に引き上げると、テープカセット蓋T3は各係止孔16の回りに上方側に向かって回動され、適当な位置で各係止突起T3Aを各係止孔16から離脱させればテープカセット蓋T3はテープカセット本体T2から取り外される。
【0032】
そして、テープ判別部材13の位置をずらして、テープユニット収納部27内のテープスプール28から使用済みの印字テープT1を取り外し、未使用の印字テープT1または希望の色または種類等の印字テープT1をテープスプール28に装着して、テープ判別部材13を正規の位置にセットする。その際、印字テープT1の走行距離を検出する関係上、表示用ギヤHG、ラッチ部RT、つめ車LT及び回転表示板WH等の位置がずれないように作業する。
【0033】
その後、かかるテープカセット蓋T3をテープカセット本体T2に取り付けてテープカセットTを組み立てるには、先ず、テープカセット蓋T3の各係止突起T3Aをテープカセット本体T2の各係止孔16内に挿嵌する。この後、テープカセット蓋T3を各係止孔16の回りに下方へ回動し、弾性係止部材20の屈曲部33を係止溝18に弾性的に嵌合するとともに、係止片25を係止長孔24内に弾性的に係止する。これにより、テープカセット蓋T3はテープカセット本体T2に対してクリック感を伴って嵌合され、テープカセットTが組み立てられる。
【0034】
続いて、テープカセットTをテープ印字装置1のカセット収納部8に収納した状態について図3を参照して説明する。
図3において、テープカセットTをテープ印字装置1のカセット収納部8に収納した場合、カセット収納部8に固設されたサーマルヘッド11がサーマルヘッド案内部材22の凹部23内に配置される。ここに、サーマルヘッド11はテープカセットTの内方に配設されることとなり、サーマルヘッド11に設けられた複数個の各発熱素子は、前記のように印字テープT1がテープスプール28の周囲に感熱発色層を内側に向けて巻回されていることから、印字テープT1の感熱発色層に対向接触されるものである。
【0035】
また、カセット収納部8において、サーマルヘッド11、及び、テープ送りローラ26に対向してローラホルダ(図示せず)が回動可能に配設されている。かかるローラホルダには、プラテンローラ38がサーマルヘッド11に対向して回転可能に支持され、また、テープ送り補助ローラ39がテープ送りローラ26に対向して回転可能に支持されている。そして、テープ印字装置1の作動時において、プラテンローラ38はサーマルヘッド11に当接されるとともに、テープ送り補助ローラ39はテープ送りローラ26と当接される。
【0036】
これにより、テープカセット本体T2内に収納されたテープユニットUから引き出された印字テープT1は、テープ送りローラ26とテープ送り補助ローラ39との協働により、各テープガイドR1乃至R4を介してスムーズに案内されるとともに、サーマルヘッド案内部材22の凹部23においてサーマルヘッド11とプラテンローラ38との協働により、印字テープT1の感熱発色層上に文字等の印字が行なわれる。この後、文字等が印字された印字テープT1は、テープ送りローラ26とテープ送り補助ローラ39との協働により、テープ排出部29からテープ印字装置1の外部に排出される。
その際に、テープ送りローラ26とギヤ部10Aとが一体的に回転し、ギヤ部10Aと歯合するアイドルギヤIG等が、テープカセットTから引き出される印字テープT1の走行距離を検知して、表示用ギヤHG、ラッチ部TR及びつめ車LTを一体的に回転させ、更に、ラッチ部TRと係合する回転表示板WHを所定量だけ回転させるので、利用者はテープカセットTの印字テープT1の走行距離及びそれに関連する情報(表示「1」、「2」、「3」、「4」のいずれか)の表示を容易に知ることが可能となる。
【0037】
以上この実施の形態によれば、テープ印字装置1に使用される被印字媒体としての印字テープT1をテープユニット収納部27内に支持して収納するテープカセットTであって、前記印字テープT1の詰め替え可能なテープカセットTにおいて、テープカセットTから引き出される印字テープT1の走行距離を検知するアイドルギヤIG等と、検知される走行距離あるいは走行距離に関連する情報(表示「1」、「2」、「3」、「4」)を表示する回転表示板WH(情報表示手段)とを設けたので、テープカセットTの印字テープT1の走行距離及びそれに関連する情報を窓部TJを介して容易に知ることが可能となって、利用者がテープカセットTの使用の可否を的確に判断することができる。それにより、このテープカセットTを用いれば、正常な品質の文字付印字テープT1を常に作成できる。そして、印字テープT1の走行距離が所定値(例えば40m)を越えない範囲で、テープカセットT内に印字テープT1を詰め替えてテープカセットTのリサイクルをしたり、異なった色または種類等の印字テープT1をテープカセットT内に詰め直して再使用することになる。
【0038】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えばテープカセットT内に収納される印字テープT1は必ずしも一面に感熱発色層を形成し、他面には粘着剤層を介して剥離紙を貼付してなる構成を有する必要はなく、それ以外のものを用いても良い。
【0039】
具体的には、テープカセットT内にインクリボン、両面粘着テープ及びラミネート用カバーテープを装着したタイプのテープカセットを用い、インクリボン、両面粘着テープ及びラミネート用カバーテープを使い切った場合に、新たなインクリボン、両面粘着テープ及びラミネート用カバーテープを、テープカセットT内に詰めて、テープカセットTをリサイクルするようにしてもよい。
もっとも、テープカセットT内には、必ずしもカバーテープを有する必要がなく、他の実施の形態として、例えば粘着層付きの被印字テープの表面にインクリボンのインクを転写するノンラミネートタイプのテープカセットを用いても良い。
【0040】
また、窓部TJを介して外部から視認できる回転表示板WHを必ずしも設ける必要はなく、他の実施の形態としては、例えば図5に示されるような構成に変更することも可能である。すなわち、テープカセットTの開口T6から引き出される印字テープT1は、サーマルヘッド41とプラテン42との間に挟まれ、更に、一対のテープ送りローラ43、44で挟持されることにより搬送される。そして、テープ送りローラ43、44とそれぞれ一体的に回転するギヤ部43a、44aは相互に歯合して、テープ送りローラ44と一体的に回転するギヤ部44bは、回転表示板WHの周囲ギヤWH1と歯合するので、テープ送りローラ43、44が所定量搬送されると、印字テープT1の走行距離(「10m」、「20m」、「30m」)あるいは走行距離に関連する情報(「終了」)を表示する表示部を複数配置した回転表示板WH(表示部材)を所定量回転させる。そして、テープカセットTの外側には、回転表示板WHの複数の情報からなる表示部(表示「10m」、「20m」、「30m」、「終了」)のいずれかを示唆する指示部FTを備えている。
【0041】
そして、ギヤ部44b及び周囲ギヤWH1間(走行距離検知手段)は、所定のギヤ比であるので、引き出される印字テープT1によって回転させられるテープ送りローラ43、44の回転を受けて走行距離を検知して、回転表示板WH(表示部材)の表示部(表示「10m」、「20m」、「30m」、「終了」)のいずれかを指示部FTの位置まで回転させるため、テープカセットTの印字テープT1の走行距離及びそれに関連する情報を容易に知ることが可能となって、利用者がテープカセットの使用の可否を的確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 テープ詰め替え用治具収納部の収納カバーを開けて示すテープ印字装置の平面図である。
【図2】 その実施形態に係るテープ印字装置に使用されるテープカセットの拡大斜視図であって、テープカセット蓋を外した状態のテープカセット本体の内部を示す。
【図3】 テープカセット蓋を外した状態のテープカセット本体を拡大して示す平面図である。
【図4】 その実施形態に係るテープの走行距離を検出して、その検出値を表示する機構を拡大して示す斜視図である。
【図5】 他の実施形態に係るテープカセット等を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 テープ印字装置
8 カセット収納部
10A ギヤ部
IG アイドルギヤ
11 サーマルヘッド
26 テープ送りローラ
27 テープユニット収納部
T テープカセット
T1 印字用テープ
T2 テープカセット本体
T3 テープカセット蓋
WH 回転表示板
IG アイドルギヤ
HG 表示用ギヤ
TR ラッチ部
LT つめ車
TJ 窓部
FT 指示部
Claims (2)
- テープ印字装置に使用される被印字媒体としてのテープをテープ支持部に支持して収納するテープカセットであって、前記テープの詰め替え可能なテープカセットにおいて、
前記テープカセットの磨耗又は前記テープカセットへの粘着材の固着を検知するため、前記テープカセットから引き出されるテープによって回転させられるテープ送りローラの回転を受けて、テープの累積走行距離を検知する走行距離検知手段を備え、
前記走行距離検知手段は、
当該走行距離検知手段により検知される累積走行距離あるいは累積走行距離に関連する情報を表示する情報表示手段を備え、
前記情報表示手段は、
前記テープの累積走行距離あるいは累積走行距離に関連する情報を表示する複数の表示部と、
前記複数の表示部を配置し回転可能な表示部材と、
前記複数の表示部のいずれかを示唆する指示部とを備え、
前記走行距離検知手段は、
前記テープ送りローラの回転を受け、前記表示部材の回転を介して、前記複数の表示部のいずれかを前記指示部の位置まで回転させるための回転機構と、
前記表示部材を回転停止状態に保持するストッパと、を備えることを特徴とするテープカセット。 - 前記表示部材は、前記テープの走行距離が所定走行距離に一致する場合にほぼ一回転することを特徴とする請求項1に記載のテープカセット。
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