JP4172253B2 - Coガスセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はCOガスセンサに関する。この発明のCOガスセンサは水素ガスリッチな雰囲気中において微量なCOガス濃度を検出するのに適しており、メタノール、天然ガス、ガソリン等の改質ガスを燃料ガスとして使用する燃料電池等において好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
COガスセンサは検出電極と対向電極とで固体電解質体を挟んでなる検出部と、検出電極と対向電極との間に電圧を印加しかつ該電圧を変化させる電圧印加装置とを備えてなる構成であり、その動作原理を図1〜3に基づいて説明する。
図1に示すように、このCOガスセンサは検出電極1と対向電極2との間に電解質体3を介在させた構成である。センサ制御部5により、検出電極1側に正の電圧を印加する。図2の上段に示すように比較的高いCO酸化電位から比較的低いCO吸着電位まで検出電極に印加する電圧を変化すると、同図下段に示すように、過渡電流(応答電流)が流れる。この応答電流の減少率は被検ガス中のCO濃度に対応している。即ち、CO濃度が高くなるにつれ応答電流の減少率が大きくなる。そこで、図3に示すように、電流減少率とCO濃度との関係を示す検量線を予め求めておき、測定した電流減少率を検量線に対照させることによりCO濃度を特定することができる。
このようなCOガスセンサにおいて、電解質体にはナフィオン(商標名)等の固体高分子膜が用いられていた(特許文献1等参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−41926号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は上記のCOガスセンサを改良すべく検討を重ねてきたところ、下記の課題を見出すに至った。
即ち、COガスセンサの設置場所の環境変化、特に温度・湿度変化にともない、固体高分子膜からなる電解質体が膨潤(湿潤時)・収縮(乾燥時)する。この膨潤と収縮を繰り返すことにより、固体高分子膜の寸法が大きく変化し当該固体高分子電解質体からこれに担持されていた反応層(触媒層)が剥離するおそれがある。反応層が剥離するとCOガスに対する検出感度が低下し、更にはCOガスセンサの寿命が低下することになる。
そこでこの発明は、温度や湿度の変化に対して寸法安定性の高い固体電解質体を提供することを目的とする。
さらに固体電解質体をバルク体の形態で用いると、湿潤−乾燥を繰り返すと亀裂(クラック)が発生することが解った。
そこでこの発明は湿潤−乾燥を繰り返しても亀裂等が発生しない固体電解質体を提供することを他の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、P−SiO系のガラス電解質の細片を結合してポーラスな固体電解質体を構成する。
【0006】
【発明の効果】
このような固体電解質体によれば、乾燥‐湿潤のサイクルが加えられても、ナフィオン等の固体高分子電解質体と比較して寸法変化率が小さくなることにより電解質-反応層間の剥離が防止される。もって、COガスセンサの性能が安定し、その耐久性が向上する。
【0007】
この発明の他の局面によれば、固体電解質体はP−SiO系のガラス電解質の細片を焼結して形成される。
細片を焼結することにより、水によるガラス電解質の破壊が防止される。
またこの発明の他の局面によれば、細片はゾル‐ゲル法で得られたP−SiO系のガラス電解質のバルク体を破砕して得たものである。
このようにして細片を形成することにより、細片を安定してかつ安価に準備することが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のCOガスセンサの構成要素について詳細に説明する。
図4はこの発明のCOガスセンサ10の基本的な構成を示している。以下、各構成要素について説明する。
【0009】
固体電解質体16
固体電解質体16は、少なくともPとSiとを含むガラスであって特にP−SiO系のガラス電解質の細片を結合して薄板状に成形したものである。
−SiO系のガラス電解質においては、COガスセンサの動作条件である室温から100数十℃の温度範囲において十分なプロトン導電性を有するものであればPとSiOとの成分比は特に限定されず、ZrO等の第三成分を含んでいても良い。
【0010】
この固体電解質体16は応力緩和の見地から、ポーラスとすることが好ましく、固体電解質体中の細孔は独立していても、連続していてもよい。固体電解質体16が湿潤−乾燥サイクルの雰囲気内にあると当該固体電解質体16に含まれる水分がこれに対して出入りすることとなる。ゾル−ゲル法により形成されたバルク体に細孔が存在していたとしてもその細孔は小さすぎるので、水分が出入りするときに大きな抵抗が生じ、これが固体電解質体16に大きな応力を生じさせると考えられる。この発明のように細片を結合した固体電解質体を形成すると、細片間に比較的大きな細孔ができるので、水分の出入りの際に生じる抵抗が小さくなる。よって、固体電解質体16の破壊が確実に防止されることとなる。
後述する実施例の固体電解質体では、細片を薄板状に固めたときに生じる細片間の隙間が焼結後の固体電解質体中の細孔となった。固体電解質体中に細孔を積極的に形成するため、焼成前の細片へ発泡剤等を混合することも予想される。
【0011】
−SiO系のガラス電解質の細片は、当該P−SiO系のガラス電解質のバルク体をボールミルで粉砕することにより得られる。試験例ではディスク(円盤)状の細片を用いたが、細片の形状は特に限定されるものではない。
粒径は45μm未満、45〜75μm、150μmで実施しており、伝導度の点から見ると平均粒径75μm以下が好適であった。
−SiO系ガラスの成長を制御することにより、粒状の細片を得ることもできる。
このようにして得られた細片の連結方法は、連結体がイオン伝導性を備える状態となるものであれば特に限定されない。実施例では焼結法を採用したが、その他、バインダによる連結等を用いることが予想される。
【0012】
検出電極11
検出電極11は反応層12と集電体13から構成される。
【0013】
反応層12
反応層12は電気化学的に活性な第1の材料を含んでいる。かかる第1の材料表面においてセンサ印加電圧の範囲内でCOの吸着、酸化及びHの酸化が行われている。従って、第1の材料が実質的な電極の働きをしている。
第1の材料はセンサ印加電圧の範囲内でCOの吸着、酸化及びHの酸化という電気化学的に活性な作用を奏するものであればとくに限定されないが、Pt、Au、Cu、Ni、Pd、Ag、Rh、Ruから選ばれる1種以上の金属又は選ばれた1種以上の金属の合金を含んでなるものを使用できる。中でも、白金族の金属が好ましく、特にPtが好ましい。
【0014】
反応層12はCOガス、水素ガスに対して電気化学的に活性な上記第1の材料のみから形成されてもよいし、またCOガス、水素ガスに対して電気化学的に不活性な材料(例えばカーボン等)との混合体であってもよい。
【0015】
反応層の厚さは特に制限されるものではないが、0.3nm〜1cmとすることが好ましい。反応層の厚さが0.3nm未満であると、反応層を構成する第1の材料によっても電気化学的に活性な表面積が充分に得られない。また反応層の厚さが1cmを超えると、反応層内へ被検ガスが充分に拡散しないおそれがある。即ち、CO濃度が変化したときにもその被検ガスが反応層内へ迅速かつ均一に拡散しないおそれがある。反応層の更に好ましい厚さは1nm〜1μmであり、更に更に好ましくは5nm〜10nmである。
【0016】
なお、第1の材料と固体電解質体とが接触する面積と固体電解質体の面積との比率は0.3〜0.001とすることが好ましい。従って、当該面積比が得られるように反応層と固体電解質体との間にマスキング層を介在させることができる。
マスキング層は反応層12と固体電解質体16との間に介在されて、両者の接触面積を制御するものである。マスキング層は空隙部を有し、この空隙部を介して反応層12と固体電解質体16とが接触する。
固体電解質体16における電流密度が均一となるように、空隙部は固体電解質体16に対して均一に分散されていることが好ましい。
これにより、反応層と固体電解質体との接触部分は島状となり、それぞれが独立してかつ実質的に均一に分散されることとなる。勿論、島状の接触部分が相互に連絡することを排除するものではない。
【0017】
マスキング層の材料(マスキング材料)は、COガスセンサの検出作用に影響を及ぼさないもの、即ち水素イオン化反応、CO吸着及び酸化反応に寄与しない材料であれば特に制限のされるものではない。このようなマスキング材料として例えば二酸化ケイ素等の無機材料、フッ化エチレン等の樹脂材料を挙げることができる。
マスキング層の成形方法も特に制限されるものではないが、固体電解質体に対してマスキング材料を粗くスパッタしてこれを形成することができる。また、固体電解質体上にマスキング材料を稠密に積層し、これをエッチングして空隙部を形成してもよい。何れの場合においても、固体状の電解質材料に同じく固体状のマスキング材料を直接積層しているので両者(マスキング層−固体電解質体)の間に充分な接着力が確保できる。
マスキング層は固体電解質体16に対して積層することもできるが、これを反応層12側へ積層することも可能である。固体電解質体16及び反応層12の何れ側にも積層せずに、両者を貼り合わせるとき両者の間にマスキング層を介在させるようにしてもよい。
【0018】
集電体13
集電体13は導電性でありかつ電気化学的に不活性であれば任意の材料を用いることができる。かかる基材の材料として、金や導電性カーボン等を挙げることができる。電気化学的に不活性とはセンサ印加電圧の範囲内ではCOや水素との間に電荷の授受がないことをいう。
【0019】
対向電極19
対向電極19は導電性のポーラスな集電体(基体)に電気化学的に活性な第2の材料を担持させた構成である。
集電体には検出電極と同じものを使用できる。また、部品の共通化の点から集電体は検出電極と同じもの用いることが好ましい。
第2の材料には、第1の材料と同様に、Pt、Au、Cu、Ni、Pd、Ag、Rh、Ruから選ばれる1種以上の金属又は選ばれた1種以上の金属の合金を用いることができる。かかる第2の材料は触媒状であり集電体の表面に担持されて反応層を形成してもよい、集電体へ全体的に分散しても良い。第2の材料としては特に白金族が好ましい。
【0020】
この第2の材料もその表面において図1に示すように電荷の授受が行われる。従って、第2の材料は実質的な電極の働きをしている。本願発明では第2の材料として触媒状のものを用いるのは、より小さな体積でより大きな電気化学的に活性な面積、即ちHを電気化学的に還元できる面積を得るためである。これにより、高重量でかつ高価な第2の材料の使用量を少なくすることができる。
対向電極に担持される第2の材料はCOを吸着し難いものとすることが好ましい。図1に示すように、水素の還元が行われる対向電極表面にCOが吸着していると、当該還元作用の妨げになるからである。かかる第2の材料としてPt−Ruを用いることができる。
【0021】
第2の材料の担持量は、本発明者らの検討によれば、1ng/cm〜10mg/cmの範囲から任意に選択することができる。第2の材料の担持量が少ないと、応答電流が安定しなくなるおそれがある。そこで、この発明では、第2の材料の担持量(総量)を第1の材料の担持量(総量)との比較でみることとした。
【0022】
対向電極19に担持されるPt−Ru等の第2の材料の総重量:検出電極11の反応層12に担持される第1の材料の総重量=0.1〜100000:1とすることが好ましい。更に好ましくは1〜10000:1であり、更に更に好ましくは10〜1000:1である。
これはまた、対向電極19の電気化学的に有効(活性)な表面積と検出電極11における電気化学的に有効(活性)な表面積との関係でもある。即ち、各電極に担持される触媒の単位重量当たりの表面積が等しいと仮定して、対向電極19の電気化学的に有効な表面積:検出電極11の電気化学的に有効な表面積=0.1〜100000:1とすることが好ましい。更に好ましい面積比は1〜10000:1であり、更に更に好ましくは10〜1000:1である。
【0023】
センサ制御部20
電圧印加装置としてのセンサ制御部20は、直流電源21、電圧変更回路22及び電流計23を備えている。電圧変更回路22は直流電源21の電圧を、例えば図2の上段に示す矩形波パルスのように、変更する。その高電位側がCO酸化電位にあり、その低電位側がCO吸着電位にあればパルス波形は特に制限されない。WO97/40371号公報に示される三角波や正弦波なども採用することができる。かかる電圧変更回路22には周知のパルス波形成回路を用いることができる。電流計23は、電圧がCO酸化電位からCO吸着電位に変化したときに流れる応答電流を検出する。
【0024】
このようにして得られた応答電流からCO濃度を演算により求める。演算を実行するときの原理としては▲1▼汎用検量線法、▲2▼ラングミュア型CO吸着の検量線法、▲3▼一定の電流減少率に達する時間の逆数とCO濃度の関係による検量線法、▲4▼初期電流減少速度とCO濃度との関係による検量線法などがある。詳しくはWO97/40371号公報を参照されたい。
勿論、サイクリック・ボルタンメトリー法を実行することもできる。この場合は、電圧変更回路22により電圧を所定範囲内で掃引する。
【0025】
得られた応答電流からCO濃度を特定するためのCO濃度演算装置30を図5に示す。CO濃度演算装置30は応答電流減少率演算回路31、CPU33及びメモリ35を備えてなる。応答電流減少率演算回路31は電流計23で検出された応答電流の波形を解析し、その所定時間当たりの減少率を演算する。メモリ35には上記▲1▼〜▲4▼のいずれかの検量線法を実行するために必要な検量線(図3参照)が例えばデータテーブルの形式で保存されている。メモリ35には、CPU33の動作を規定するコントロールプログラムも保存されている。CPU33はメモリ35に保存されている電流減少率−CO濃度のデータテーブルを参照して応答電流減少率演算回路31で演算された電流減少率からCO濃度を特定する。特定されたCO濃度はディスプレイや印刷装置などからなる表示装置37に表示される。また、CO濃度演算装置30が燃料電池装置に組み付けられているときには、得られたCO濃度が当該燃料電池装置の制御部に送られる。
【0026】
図6には、この発明のCOガスセンサ10を燃料電池装置に組み付けた例を示す。図6に示す燃料電池装置では、メタノールタンク41からポンプ43によりメタノールが、一方水タンク40からポンプ46により水がそれぞれ水/メタノールタンク45へ導入され、該タンク45から原料として水/メタノールがポンプ44により改質装置43に導入され、ここでメタノール改質ガス(H2 :75%、CO2 :25%、CO:数100ppm)に改質される。改質ガスはCO選択酸化部47へ送られて当該改質ガス中のCOが選択的に酸化され、燃料電池48へ送られる。CO選択酸化部47から排出された燃料ガスの一部はCOガスセンサ10へ送られてそこで燃料ガス中のCO濃度が測定される。COガスセンサ10で検出された応答電流に基づきCO濃度演算装置30がCO濃度を演算する。得られたCO濃度は燃料電池装置の主制御部49へ送られる。得られたCO濃度に基づき主制御部49はCO選択酸化部47のCO酸化反応条件などを制御する。また、CO濃度が所定の閾値を超えた場合には、燃料電池48への燃料ガスの供給を停止する。
【0027】
【実施例】
次に、この発明のCOガスセンサの好ましい実施例について説明する。
汎用的なゾル‐ゲル法により5P−95SiOのバルクを合成した。このバルクを乾燥し(乾燥条件150℃,24時間)、次にボールミルにて粉砕して(粉砕条件:平均粒径75μm以下)、粉砕試料を酸化条件下で500〜800℃で5時間熱処理を行い、ディスク状の5P−95SiOのガラス細片を得た。
このガラス細片をSPS焼結装置の型(カーボン製)にセットし、焼成温度:500〜800℃、圧力:400kg/cm、雰囲気:真空、保持時間:5分の条件で焼成した。このとき、リン酸の溶出は見られず、また何らバインダは用いなかった。
【0028】
ここに、SPS焼結装置とは放電プラズマ焼結法(SPS法:Spark Plasma Sintering)を用いた焼結装置であって加圧機構を有する焼結機本体と水冷却部内蔵の特殊通電機構、水冷真空チャンバー、雰囲気制御機構、真空排気装置、特殊DCパルス電源、集中操作制御盤などによって構成される。被加工紛体を充填した型をチャンバー内の焼結ステージ上にセットして電極で挟み、上下から加圧しながらパルス通電を行うと急速昇温し、焼結体を得ることができる。
上記において、ガラス細片をバインダでつなぐことも可能であり、また、SPS焼結装置の代わりにホットプレス装置を用いることもできる。
このようにして図7に示す固体電解質体56を形成した。この固体電解質体56の厚さは1mmであり、細孔の割合は40%程度であった。
【0029】
かかる固体電解質体56は従来の固体電解膜と比べて水分による収縮率がはるかに小さい。従って、反応層や集電体が固体電解質体に対して強く接着されておれば、収縮の問題は考慮する必要はない。他方、従来の固体高分子膜には水分に対する収縮が大きいため、これを押え板等で挟持し検出部全体としての機械的安定性を確保していた。その結果部品点数の増大、装置の大型化を引き起こしていた。つまり、かかる押え板が不要になるこの発明では部品点数の削減、装置の小型化を達成できる。
【0030】
図7に示す実施例の固体電解質体56の両面にはそれぞれ白金がスパッタされて反応層52及び反応層57が形成される。更に、金をスパッタして集電体53及び集電体58が形成される。なお、ガスは各スパッタ層を透過する。そして、この集電体53、58にそれぞれ導電性ペースト61、62を介してセンサ制御部のリードが結線される。
【0031】
図8は実施例のCOガスセンサの検量線を示す。
図8の結果は被検ガス中のCO濃度を0〜500ppmに変化させ、センサ出力を測定した。センサ出力の測定はパルス法を用いて行い、CO吸着電位におけるHイオン化電流の時間変化(ΔI/t)をもってセンサ出力とした。なお、実験条件は以下の通りである。
【0032】
被検ガス
組成:H/CO/CO=75/24.99995〜25/0〜0.0005
供給圧力:1.5kgf/cm
供給速度:0.5L/分
測定温度:90℃
水分量:20mol%
検出電極反応層
CO酸化電位:1.0V
CO吸着電位:0.4V
【0033】
図8の結果より、実施例の固体電解質体を用いたセンサによって、COガスの検出が可能であることがわかる。
【0034】
図9は応答電流プロファイルを示す。これはCO濃度を変化したときの電流プロファイルであって、図9において曲線は上側から順次、CO濃度が0ppm、50ppm、500ppmの場合を示す。このプロファイルから電流変化の傾きを計算し、図8の結果を得た。
【0035】
なお、実施例の固体電解質体56の25℃における寸法変化率は0.1%以下であった。他方、ナフィオン(商標名)の寸法変化率は10%以上であった。ここで寸法変化率とは各電解質体の膨潤状態の寸法と乾燥状態の寸法の比である。
本発明の固体電解質体によれば、膨潤時と乾燥時の寸法が殆ど変化しないので、その使用環境において膨潤・乾燥のサイクルが繰り返されたとしても、固体電解質体と反応層との間にストレスが生じなくなり、反応層の剥離を確実に防止できる。
【0036】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はCOガスセンサの動作原理を説明する図である。
【図2】図2はパルス法における印加電圧と応答電流の関係を示す。
【図3】図3はCO濃度と応答電流の減少率との検量線を示す。
【図4】図4はこの発明のCOガスセンサの概略構成図である。
【図5】図5はCO濃度演算装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図6はこの発明のCOガスセンサを組付けた燃料電池装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図7はこの発明の実施例のCOガスセンサの検出部の構造を示す模式図である。
【図8】図8は実施例のCOガスセンサの検量線を示す図である。
【図9】図9はCO導入時の電流プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
1、11 検出電極
2、19 対向電極
3、16、56 電解質体
5、20 センサ制御部
10 COガスセンサ
12、52 検出電極側の反応層
17、57 対向電極側の反応層
30 CO濃度演算装置

Claims (4)

  1. 少なくともPとSiを含むガラス電解質の細片が結合されてなる固体電解質体と、該固体電解質体の両面に形成された反応層と、反応層上に形成された集電体と、を具備し、
    反応層における水素の還元及び酸化により固体電解質体に流れるプロトンの移動を集電対間に流れる電流として検出することによりCOを検出するCOガスセンサ。
  2. 前記細片はP−SiO系の前記ガラス電解質からなる、ことを特徴とする請求項1に記載のCOガスセンサ。
  3. 前記固体電解質体は前記細片を焼結してなり、前記細片間に細孔ができる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のCOガスセンサ。
  4. 前記細片はゾル‐ゲル法で得られた前記P−SiO系のガラス電解質のバルク体を破砕して得たものである、ことを特徴とする請求項2に記載のCOガスセンサ。
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