JP4172113B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ハロゲン系難燃剤を使用した熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、難燃性を有し、耐湿熱特性、滞留安定性に優れ、電線被覆材、成形品用途、例えばコネクター、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビン等の電気・電子機器部品、自動車部品、機械部品に好適な難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどに代表されるポリエステル、あるいはポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、射出成形材料として機械機構部品、電気部品、自動車部品などの幅広い分野に利用されつつある。一方、これら熱可塑性樹脂は本質的に可燃性であるため、工業用材料として使用するには一般の化学的、物理的諸特性のバランス以外に火炎に対する安全性、すなわち難燃性が要求される場合が多い。
【0003】
熱可塑性樹脂に難燃性を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系有機化合物、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物を樹脂にコンパウンドする方法が一般的である。しかしながら、この方法には、燃焼の際の発煙量が多いなどの問題点を有している。
【0004】
そこで、近年これらハロゲン系難燃剤の欠点を克服するためにハロゲンを全く含まない難燃剤を用いることが強く望まれるようになった。
【0005】
これまで、ハロゲン系難燃剤を使わずに熱可塑性樹脂を難燃化する方法としてはポリリン酸アンモニウムを添加する方法が知られている。例えば、特開昭53−108140号公報、特開昭57−96039号公報、特開昭57−100156号公報、特開昭57−100157号公報、特開昭57−115450号公報等にポリリン酸アンモニウムを用いた熱可塑性ポリエステルの難燃化技術が開示されている。
【0006】
射出成形用、特に機械部品、電気・電子部品、自動車部品用としての難燃性熱可塑性樹脂組成物は、成形品の優れた難燃性だけでなく、耐熱性や熱安定性あるいは耐加水分解性が要求される。しかしながら従来の技術であるポリリン酸アンモニウムを熱可塑性樹脂に配合した場合、充分な難燃性が得られず、さらにポリリン酸アンモニウムそのものが熱分解したり、あるいはポリリン酸アンモニウムを配合した樹脂組成物を成形品にした場合、樹脂組成物の熱安定性が低下したり、耐湿熱性が低下するなどの問題点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、非ハロゲン系難燃剤を使用し、熱可塑性樹脂に難燃性を付与すると同時に、耐湿熱特性、滞留安定性に優れた熱可塑性樹脂射出成形品を得ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは以上の状況を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂に前記一般式(1)または(2)で表されるホスホン酸と、アンモニアあるいは前記一般式(3)で表されるトリアジン系化合物とからなるホスホン酸塩1〜100重量部、(C)トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩0.01〜100重量部、およびフッ素系樹脂および/またはシリコーン系化合物0.01〜10重量部を配合することにより、難燃性が得られ、かつ難燃性樹脂組成物の耐湿熱性、滞留安定性に優れること見いだし、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明は、
(A)熱可塑性樹脂100重量部、(B)下記一般式(1)または一般式(2)で表されるホスホン酸と、アンモニアあるいは下記一般式(3)で表されるトリアジン系化合物とからなるホスホン酸塩1〜100重量部、(C)トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩0.01〜100重量部、およびフッ素系樹脂および/またはシリコーン系化合物0.01〜10重量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物、
【0010】
【化4】
【0011】
(ただし上式において、R1、R2は同一または相異なる水素、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基を表す。)
【0012】
【化5】
【0013】
(R3、R4、R5、R6は同一または相異なる水素アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、または−CONH2である。また、R7は上式中の−NR3R4または−NR5R6と同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH2、または−CONH2から選ばれた基である。)
前記ホスホン酸塩の90℃における水に対する溶解度が5%以下である上記記載の難燃性樹脂組成物、
熱可塑性樹脂100重量部に対して、さらに(C)下記一般式(4)で表される燐酸エステル0.1〜30重量部をさらに配合せしめてなる上記記載の難燃性樹脂組成物、
【0014】
【化6】
【0015】
(上記式中、R8〜R15は、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なる芳香族基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された芳香族基を表す。また、Yは直接結合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。またnは0以上の整数である。またk、mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+mは0以上2以下の整数である。)
熱可塑性樹脂100重量部に対して充填剤5〜140重量部をさらに配合してなる上記記載の難燃性樹脂組成物、
熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂およびこれらの共重合体から選ばれる1種または2種以上の混合物である上記記載の難燃性樹脂組成物、
さらに本発明は、
上記樹脂組成物からなる成形品、
上記樹脂組成物からなる電線被覆材、
成形品が機械機構部品、電気電子部品または自動車部品である上記成形品、
成形品がコネクター、コイルボビン、リレーまたはスイッチである上記成形品である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の難燃性樹脂組成物について具体的に説明する。本発明の熱可塑性樹脂(A)とは、加熱すると流動性を示し、これを利用して成形加工できる合成樹脂のことである。その具体例としては、例えば、非液晶ポリエステル樹脂、液晶ポリエステル樹脂などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン系樹脂(例えばポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体など)、プロピレン系樹脂(例えばポリプロピレン、プロピレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/アクリル酸エチル共重合体、プロピレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、プロピレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体など)、ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン、ABSなどのスチレン系樹脂、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられるが、ポリエステル樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂から選ばれる1種または2種以上の混合物が好ましく、さらに好ましくはポリエステル、スチレン系樹脂である。
【0017】
上記熱可塑性樹脂の内、ポリエステル樹脂としては、実質的に、ジカルボン酸とグリコールの重縮合物、環状ラクトンの開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の重縮合物、二塩基酸とグリコールの重縮合物およびこれらの共重合体などが挙げられ、液晶性であっても非液晶性であってもよい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂およびポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボキシレート樹脂などのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート樹脂およびポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレート樹脂などの共重合体や混合物を挙げることができる。特に本発明に好適なポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂を挙げることができ、より好ましくはポリブチレンテレフタレート樹脂である。
【0018】
このようなポリエステル樹脂の分子量は特に制限はないが、通常フェノール/テトラクロロエタン1:1の混合溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.10〜3.00を使用することができるが、好ましくは、0.25〜2.50、特に好ましくは0.40〜2.25である。
【0019】
上記熱可塑性樹脂の内、ポリアミド樹脂としては、例えば、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物、二塩基酸とジアミンとの重縮合物などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシレンアジパミド)(以下MXD・6と略す)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)(以下6Tと略す)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(以下6Iと略す)、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)(以下4Iと略す)、ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド(以下HTNと略す)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)(以下9Tと略す)などの脂肪族−芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体や混合物を挙げることができる。特に本発明に好適なポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66、ナイロン66/6T、ナイロン6T/12、6T/6I/66、6T/6I/12挙げることができる。
【0020】
このようなポリアミド樹脂の分子量は特に制限はないが、98%硫酸中、濃度1%、25度で測定する相対粘度が1.70〜4.50を使用することができるが、好ましくは、2.00〜4.00、特に好ましくは2.00〜3.50である。
【0021】
上記熱可塑性樹脂の内、ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、ゴム変性スチレン系樹脂、ゴム変性スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテルとのポリマーブレンド体などが挙げられる。
【0022】
ここでゴム変性スチレン系樹脂とは、ビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が微粒子状に分散してなるグラフト重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体および必要に応じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、または乳化重合することにより得られる。
【0023】
このようなゴム変性スチレン系樹脂としては、例えば、ゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げられる。
【0024】
このようなゴム変性スチレン系樹脂としてはスチレン単量体を含有する(共)重合体がゴム質重合体にグラフトした構造をとったものと、スチレン単量体を含有する(共)重合体がゴム質重合体に非グラフトした構造をとったもを含むものである。
【0025】
本発明で使用するホスホン酸塩(B)について説明する。
【0026】
本発明のホスホン酸塩とは、下記一般式(1)または(2)で表されるホスホン酸と、アンモニアあるいは下記一般式(3)で表されるトリアジン系化合物とからなるホスホン酸塩であり、かかるホスホン酸塩は、ホスホン酸とアンモニアあるいはトリアジン系化合物との酸−アルカリ反応物である。
【0027】
【化7】
【0028】
(ただし上式においてR1、R2は同一または相異なる水素、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基を表す。)
【0029】
【化8】
【0030】
(ただし上式においてR3、R4、R5、R6は同一または相異なる水素アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、または−CONH2である。また、R7は上式中の−NR3R4または−NR5R6と同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH2、または−CONH2から選ばれた基である。)
本発明のホスホン酸塩の構成成分であるホスホン酸とは、前記式(1)または(2)で表される化合物を表す。
【0031】
前記一般式(1)、(2)においてR1、R2は同一または相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基である。ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては4〜15のものが好ましい。これらの中で特にR1、R2としては水素またはメチル基が好ましい。
【0032】
ホスホン酸塩の構成成分であるトリアジン系化合物とは、前記一般式(3)で表される化合物を表す。
【0033】
前記一般式(3)においてR3、R4、R5、R6は同一または相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、または−CONH2である。ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては4〜15のものが好ましい。また、R7は上式中の−NR3R4または−NR5R6と同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH2、または−CONH2から選ばれた基であり、ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては4〜15のものが好ましい。
【0034】
R3、R4、R5、R6の具体的な例としては水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基、アミド基などが挙げられるが、中でも水素、フェニル基、メチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、アミド基が好ましい。
【0035】
前記一般式(1)で表わされるトリアジン系化合物のうち、特に好ましい例としてはメラミン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、メラム、メレムが挙げられ、とりわけメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンの塩が好ましい。
【0036】
前記ホスホン酸とアンモニアあるいはトリアジン系化合物とからなるホスホン酸塩は、一般式(1)または(2)で表わされるホスホン酸とアンモニアあるいはトリアジン化合物の混合物を水溶液あるいはスラリーとなし、良く混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。この塩は完全に純粋である必要は無く、多少未反応の(1)または(2)式で表わされる化合物あるいはトリアジン系化合物が残存していても良い。
【0037】
しかしホスホン酸塩中にホスホン酸塩の未反応物やアンモニアあるいはトリアジン系化合物などの未反応物が残存すると、樹脂中に配合された場合、樹脂組成物の耐加水分解性の低下や熱安定性の低下、表面ブリードアウトの原因となるためこれら未反応物は少ないほど好ましい。
【0038】
本発明で用いるホスホン酸塩の90℃における水に対する溶解性は5%以下であり、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.1%以下であり、この時下限に制限はなく、0に近いほど好ましい。
【0039】
ここで水に対する溶解性とは、90℃において、水100gに溶解するホスホン酸塩の量A(g)より、(A/100)×100(%)より算出した値を示す。
【0040】
また本発明のホスホン酸塩の形態としては特に制限はないが、できる限り微細な粉末として得られたものを用いるのが、本発明の組成物から得られる成形品の機械的強度や表面性の点から好ましく、樹脂に配合する前の平均粒径が100μm以下のものが特に好ましい。また、上記塩の分散性が悪い場合には、通常公知の分散剤を併用してもかまわない。
【0041】
本発明のホスホン酸塩の配合量は熱可塑性樹脂に対して1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜70重量部である。上記塩の使用量が少なすぎると難燃性の向上効果が認められず、また多すぎると成形品の機械的物性や表面外観が損なわれるため好ましくない。
【0042】
本発明では燐酸エステル(C)をさらに配合することにより、難燃性樹脂組成物の難燃性や流動性のみならず、ホスホン酸塩のブリードアウトを抑制できることがわかった。
【0043】
本発明に使用される燐酸エステル(C)とは、下記式(4)で表されるものである。
【0044】
【化9】
【0045】
(上記式中、R8〜R15は、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なる芳香族基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された芳香族基を表す。また、Yは直接結合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。またnは0以上の整数である。またk、mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+mは0以上2以下の整数である。)
まず前記式(4)で表される難燃剤の構造について説明する。前記式(4)の式中nは0以上の整数であり、好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5である。上限は難燃性の点から40以下が好ましい。
【0046】
またk、mは、それぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+mは、0以上2以下の整数であるが、好ましくはk、mはそれぞれ0以上1以下の整数、特に好ましくはk、mはそれぞれ1である。
【0047】
また前記式(4)の式中、R8〜R15は同一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−イソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、2ーイソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、3−イソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、ネオイソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基などが挙げられるが、水素、メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好ましい。
【0048】
またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なる芳香族基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された芳香族基を表す。かかる芳香族基としては、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、インデン骨格、アントラセン骨格を有する芳香族基が挙げられなかでもベンゼン骨格、あるいはナフタレン骨格を有するものが好ましい。これらはハロゲンを含有しない有機残基(好ましくは炭素数1〜8の有機残基)で置換されていてもよく、置換基の数にも特に制限はないが、1〜3個であることが好ましい。具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基などの芳香族基が挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
【0049】
またYは直接結合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。
【0050】
上記燐酸エステルのなかでも特に好ましいのは下記構造を有するものである。
【0051】
【化10】
【0052】
上記構造単位中、nは0〜5が好ましく、特に1が好ましい。
【0053】
このような燐酸エステルとしては、大八化学社製PX−200、TPPを使用することができる。
【0054】
本発明においては2種以上の燐酸エステルの混合物であってもよい。
【0055】
上記燐酸エステル(C)の使用量は熱可塑性樹脂100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜25重量部、特に好ましくは3〜20重量部である。
【0056】
上記燐酸エステルの使用量が少なすぎると難燃性、耐熱性、成形性、リサイクル性の向上効果が認められず、また多すぎると成形品の機械的物性や耐熱性が損なわれるため好ましくない。
【0057】
本発明の難燃性樹脂組成物は、さらにトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩を添加すると、ホスホン酸塩との相乗効果により難燃性が向上するのみならず、耐湿熱特性も向上することを見いだした。
【0058】
特にトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩を併用すると、ホスホン酸塩配合量を減量しても、安定して難燃性を付与することが可能となることを見いだした。
【0059】
本発明で使用されるトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩とは、シアヌール酸またはイソシアヌール酸とトリアジン系化合物との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、シアヌール酸またはイソシアヌール酸と塩を形成しないものは除外される。
【0060】
上記トリアジン系化合物としては一般式(5)で表される化合物等が挙げられる。
【0061】
【化11】
【0062】
前記一般式(5)においてR16 、R17 、R18 、R19 は同一または相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、または−CONH2 である。ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては炭素数4〜15のものが好ましい。また、R20は上式中の−NR15R16または−NR17R18と同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH2 、または−CONH2から選ばれた基であり、ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては炭素数4〜15のものが好ましい。
【0063】
R16 、R17 、R18 、R19の具体的な例としては水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基、アミド基などが挙げられるが、中でも水素、フェニル基、メチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、アミド基が好ましい。
【0064】
また、R20の具体的な例としてはアミノ基、アミド基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基などが挙げられるが、中でも水素、アミノ基、アミド基、メチル基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニル基、ベンジル基が好ましい。
【0065】
前記一般式(5)で表わされる化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩のうち、特にメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミンの塩が好ましく、とりわけメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンの塩が好ましい。
【0066】
トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩は、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の混合物を水スラリーとなし、良く混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。この塩は完全に純粋である必要は無く、多少未反応のトリアジン系化合物ないしシアヌール酸、イソシアヌール酸が残存していても良い。
【0067】
また、樹脂に配合される前の塩の平均粒径は、成形品の難燃性、機械的強度や表面性の点から100〜0.01μmが好ましく、さらに好ましくは80〜10μmである。また、上記塩の分散性が悪い場合には、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの分散剤を併用してもかまわない。
【0068】
上記塩の使用量は熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して通常、0.01〜100重量部、好ましくは0.01〜30重量部、より好ましくは0.1〜25重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部である。
【0069】
本発明の樹脂組成物はさらにフッ素系樹脂および/またはシリコーン系化合物を添加することが重要である。かかるフッ素系樹脂および/またはシリコーン系化合物を添加すると燃焼時の液滴の落下(ドリップ)が抑制され、その難燃性を大幅に改善することができる。そのようなフッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、(ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライド、(ビニリデンフルオライド/エチレン)共重合体などが挙げられるが、中でもポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体が好ましい。
【0070】
また本発明のシリコーン系化合物とは、シリコーン樹脂および/またはシリコーンオイルのことである。
【0071】
本発明に使用されるシリコーン樹脂とは、下記一般式(6)〜(9)で表される単位およびこれらの混合物から選ばれる化学的に結合されたシロキサン単位(ここで、Rはそれぞれ飽和または不飽和一価炭化水素基、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アリール基、ビニルまたはアリル基から選ばれる基を表す。なかでもメチル基および/またはフェニル基であることが好ましい。)からなるポリオルガノシロキサンであり、室温で約200〜300000000センチポイズの粘度のものが好ましいが、上記のシリコーン樹脂である限り、それに限定されるものではない。
【0072】
【化12】
【0073】
本発明に使用されるシリコーンオイルとは、下記一般式(10)で表されるものである(ここで、Rはアルキル基またはフェニル基を表し、なかでもメチル基および/またはフェニル基であることが好ましい。nは1以上の整数である。)。使用するシリコーンオイルは、0.65〜100000センチトークスの粘度のものが好ましいが、上記のシリコーンオイルである限り、それに限定されるものではない。
【0074】
【化13】
【0075】
本発明ではシリコーン系化合物として、シリコーン樹脂および/またはシリコーンオイルを使用することができるが、難燃性、耐熱性、耐ブリードアウト特性、耐接点汚染性、湿熱処理後の電気特性低下の面から、シリコーン樹脂が好ましい。
【0076】
かかるフッ素系樹脂および/またはシリコーン系化合物の添加量は、機械物性、成形性の面から、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが重要であり、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部である。
【0077】
上記フッ素系樹脂およびシリコーン系化合物は、併用添加することも可能であるが、その場合、フッ素系樹脂およびシリコーン系樹脂の合計の添加量は、前記同様に、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して0.01〜10重量部であることが重要であり、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部である。
【0078】
また本発明の難燃性樹脂組成物はさらにヒンダードフェノール系の安定剤を併用すると長期間高温にさらされても極めて良好な耐熱性が維持されることが見いだされた。このような安定剤としては例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビスもしくはトリス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、N,N’−トリメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)などが挙げられる。
【0079】
本発明においては、このようなヒンダードフェノール系安定剤を必要に応じて添加することができるが、その際のヒンダードフェノール系安定剤の添加量は通常、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.01〜3重量部、好ましくは0.01〜1重量部、更に好ましくは0.03〜0.5重量部である。
【0080】
また本発明の樹脂組成物は周期律表II〜V族の金属を中心原子とする金属酸化物や金属水酸化物あるいは金属水酸化物の水和物を配合すると、難燃性を向上させることができる。この様な化合物としては、具体的には水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムの水和物、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム水和物、水酸化亜鉛、水酸化亜鉛水和物、ホウ酸、酸化アンチモン、亜鉛スズ水酸化物、亜鉛スズ水酸化物の水和物、亜鉛スズ酸化物、ハイドロタルサイト、ドーソナイトなどが挙げられる。
【0081】
このような金属酸化物や金属水酸化物あるいは金属水酸化物の水和物の添加量は通常、熱可塑性樹脂100重量部に対し1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜70重量部である。
【0082】
また本発明の難燃性樹脂組成物はさらに繊維状および/または粒状の充填材を添加することにより、強度、剛性、耐熱性などを大幅に向上させることができる。
【0083】
このような充填材の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ワラステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンおよび酸化アルミニウムなどが挙げられ、なかでもチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ましく用いられる。
【0084】
これらの添加量は熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して5〜140重量部が好ましく、特に好ましくは5〜100重量部である。
【0085】
また本発明の樹脂組成物に対して本発明の目的を損なわない範囲でリン系、イオウ系などの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
【0086】
なお、特に必須ではないが、本発明組成物に対してさらに繊維状、および/または粒状の充填材を添加することにより、強度、剛性、耐熱性などを大幅に向上させることができる。
【0087】
本発明の樹脂組成物の製造方法には特に制限はない。例えば前記成分、およびその他の成分、樹脂などを単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機のような溶融混練機を用いて溶融混練することによって製造することができる。
【0088】
かくして得られる難燃性樹脂組成物および成形品は通常公知の方法で成形することができ、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、プレス成形、カレンダー成形、発泡成形などの成形品、シート、フィルムなどのあらゆる形状の成形物品とすることができる。なかでも射出成形品用途および電線被覆材に特に好適である。またウエルド部やヒンジ部を有する成形品やインサート成形品など複雑な形状の成形加工品、薄肉成形品にも好適であり、各種機械機構部品、電気電子部品または自動車部品に好適である。
【0089】
例えば、電線ケーブル被覆材、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの各種用途に有用であるが、上記の中で特に本発明の特徴、すなわち難燃性、耐湿熱特性を活かした部品として、コネクター、コイルボビン、リレー、スイッチに好適に用いることができる。
【0090】
【実施例】
以下実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例になんら限定されるものではない。
【0091】
実施例および比較例で述べられている各測定項目は以下の方法に従った。
以下実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ここで部とはすべて重量部をあらわす。各特性の測定方法は以下の通りである。
【0092】
(1)難燃性
射出成形により得た難燃性評価用試験片(1/8”)についてUL94に定められている評価基準に従い難燃性を評価した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。また5本のサンプルの燃焼時間の合計を難燃性の指標とした。
【0093】
(2)耐湿熱特性
燃焼試験片を121℃、湿度100%雰囲気下、50時間でPCT処理を行った(プレッシャークッカー試験)。
【0094】
PCT処理前後の試験片を1cm四方に切り、試験片を真空蒸着装置HUS−5GB(日立)でカーボン蒸着を行った後、SEM−XMA装置を用いて、下記測定条件で燐濃度を測定した。また燐濃度の算出には、既存の燐系の物質として、トリフェニルホスフェート、赤燐、ポリ燐酸アンモニウム(試薬)を用い、検量線を作成した。
【0095】
・SEM:S−2100A(日立)、印加電圧:10kV、倍率100倍
・XMA:エネルギー分散型X線分析装置EXMA−2200(ホリバ)、エネルギーレンジ10keV、カウントした特性X線エネルギー幅:1.92〜2.12keV(燐の吸収ピークに対応)、カウント時間100秒
表面燐ブリード量は、下記式より得られる燐量増加率を指標とした。この値が大きいものほど、湿熱処理による燐系の物質化合物のブリードアウトが大きいことを示す。
【0096】
燐量増加率(%)=[((PCT処理後のサンプルの燐濃度)−(処理前の燐濃度))/(処理前の燐濃度)]×100
(3)滞留安定性
押出により得られた樹脂組成物ペレット(10g)をギヤーオーブン中250℃で1時間加熱し、加熱前後の重量から重量保持率を算出した。またペレットの変色を目視で観察し、変色なし(○)、やや変色がある(△)、黄変した(×)の三段階で判定した。
【0097】
参考例1:ヒドロキシエタンジホスホン酸アンモニウム
ヒドロキシエタンジホスホン酸の60%水溶液343g(日本化学工業社製“デフロックHEDP”EHO6)を水2Lに溶解させた。ヒドロキシエタンホスホン酸に対して、4.1倍モルのアンモニア水溶液を3口フラスコ中に計量し、分液ロートからホスホン酸を少量ずつ滴下した後、約6時間反応させた。析出物を吸引濾過により回収した後、水で5回洗浄し、その後、真空乾燥し、ジホスホン酸アンモニウム塩を得た(収率95%)。90℃における水溶解度=2.0%。
【0098】
参考例2:ヒドロキシエタンジホスホン酸メラミン
ヒドロキシエタンジホスホン酸の60%水溶液343g(日本化学工業社製“デフロックHEDP”EHO6)を水2Lに溶解させた。ヒドロキシエタンホスホン酸に対して、4.1倍モルのメラミンスラリー溶液を3口フラスコ中に計量し、分液ロートからホスホン酸を少量ずつ滴下した後、還流下、約6時間反応させた。析出物を熱時濾過により回収した後、さらに熱水中で5回洗浄し、その後、真空乾燥し、ホスホン酸メラミンを得た(収率90%)。90℃における水溶解度=0.5%。
【0099】
参考例3:ニトリロトリスメチレンホスホン酸メラミン
ニトリロトリスメチレンホスホン酸の50%水溶液598g(日本化学工業社製“デフロックNTP”NH05を水2Lに溶解させた。ニトリロトリスメチレンホスホン酸に対して、4.1倍モルのメラミンスラリー溶液を3口フラスコ中に計量し、分液ロートからホスホン酸を少量ずつ滴下した後、還流下、約6時間反応させた。析出物を熱時濾過により回収した後、さらに熱水中で5回洗浄した後、真空乾燥し、ホスホン酸メラミンを得た(収率95%)。90℃における水溶解度=0.7%。
【0100】
本実施例、比較例で使用した添加剤を下記に示す。
・ポリブチレンテレフタレート樹脂(東レPBT1100S(東レ(株)製)(表1中ではPBTと略す)。
・ポリカーボネート樹脂(”ユーピロン”S3000(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)(表1中ではPCと略す)。
・オレフィン系樹脂(エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学製“ボンドファースト−E”)
・スチレン系樹脂(ABS樹脂“トヨラック”T−100(東レ(株)製)(表1中ではABSと略す)。
・ポリ燐酸アンモニウム(“TERRAJU”C60(チッソ(株)製)、90℃水溶解度=8.0%)
・燐酸エステル(大八化学社製(レゾルシン型ビスホスフェート”PX−200”)(表1中ではMC塩と略す)。
・ガラス繊維(日東紡績社製“CS3J948”)(表1中ではGFと略す)。・シアヌール酸塩、メラミンシアヌレート(日産化学社製“MC440”)(表1中では MC塩と略す)。
・フッ素系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(三井デュポンフロロケミカル社製“テフロン6J”)(表1中ではテフロンと略す)。
・シリコーン樹脂、“DC4−7105”(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)(表1ではシリコーンと略す)。
【0101】
なお樹脂組成物中のガラス繊維の配合量は全樹脂組成物100重量%に対して30重量%になるように配合した。
【0102】
実施例1〜5、比較例1〜4
表1に示す配合割合によりスクリュ径30mm、L/D45.5の同方向回転2軸押出機(日本製鋼社製、TEX−30:スクリュは2条ネジで相互の噛み合い3.5mmの2本のスクリュを使用し、L/D=4の45度に傾いた10枚のニーディングディスクからなるスクリュエレメントを順逆の順番で設け、さらに逆フルフライトエレメントを設けた混練力の強いスクリュ形状)を用いて樹脂温度200〜280℃で溶融押出した。
【0103】
得られたペレットを乾燥後、東芝機械製IS55EPN射出成形機を用いて、成形温度200〜270℃、金型温度50〜80℃の条件で、難燃性評価用試験片(1/16”)を調製した。
【0104】
各サンプルの難燃性、PCT処理前後の表面燐量の測定、滞留試験による重量保持率、着色性を評価した。結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
比較例1〜3のものは、PBT樹脂にヒドロキシエタンジホスホン酸アンモニウム(参考例1)、ヒドロキシエタンジホスホン酸メラミン(参考例2)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸メラミン(参考例3)で製造したホスホン酸塩を配合したものであるが、「フッ素系樹脂および/またはシリコーン系化合物」を含有しないので、実施例のもの(V0)に比して、難燃性レベル(V2)が格段に低いことがわかる。
【0107】
一方ポリ燐酸アンモニウムを配合した比較例4では、難燃性が不十分であり、PCT処理による燐量の増加が大きく、また滞留安定性に劣ることがわかる。」
【0108】
実施例1〜3では熱可塑性樹脂として、ABS、ポリオレフィン系樹脂、PC樹脂を使用し、ホスホン酸塩として参考例1で製造したホスホン酸塩を使用し、さらにMC塩、テフロン(登録商標)を配合した。これらの熱可塑性樹脂は、難燃性、耐湿熱特性、滞留安定性に優れることがわかる。
【0109】
実施例4、5では、PBT樹脂に参考例2で製造したホスホン酸塩にさらにMC塩、テフロン(登録商標)またはシリコーン、燐酸エステル、ガラス繊維を配合した。これらの配合剤を加えても本発明の効果が発揮でき、さらに難燃性、滞留安定性が向上することがわかる。
【0110】
【発明の効果】
熱可塑性樹脂にホスホン酸塩を配合した難燃性樹脂組成物は、従来公知のポリ燐酸アンモニウムを含有した樹脂組成物に比べ高い難燃性を有し、耐湿熱特性、滞留安定性を有し、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビン等の電気・電子機器部品、自動車部品、機械部品や電線被覆材に好適な難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
Claims (9)
- (A)熱可塑性樹脂100重量部、(B)下記一般式(1)または一般式(2)で表されるホスホン酸と、アンモニアあるいは下記一般式(3)で表されるトリアジン系化合物とからなるホスホン酸塩1〜100重量部、(C)トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩0.01〜100重量部、およびフッ素系樹脂および/またはシリコーン系化合物0.01〜10重量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物。
- ホスホン酸塩の90℃における水に対する溶解度が5%以下である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
- (A)熱可塑性樹脂100重量部に対して充填剤5〜140重量部をさらに配合してなる請求項1〜3のいずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- (A)熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂およびこれらの共重合体から選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項1〜4のいずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品。
- 請求項1〜5のいずれか記載の難燃性樹脂組成物からなる電線被覆材。
- 成形品が機械機構部品、電気電子部品または自動車部品である請求項6記載の成形品。
- 成形品がコネクター、コイルボビン、リレーまたは、スイッチである請求項6記載の成形品。
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