JP4170005B2 - No2脱硝システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車から発生して拡散する窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去する、道路トンネルの排気空気の浄化、道路トンネル内部の空気浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いるNO脱硝システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
道路トンネルの排気空気中の窒素酸化物の浄化技術としては、特開平7−127400号公報に示される脱硝装置が開示されている。この脱硝装置のトンネルの排ガスの除去は、電気集塵機で粉塵を除去し、同時に粉塵が除去された排ガス中のNO(二酸化窒素)は、NO吸収フィルタで除去を行う。また、NO(一酸化窒素)については、オゾナイザで生成されたオゾンをオゾン供給ノズルから供給し、NOをNOに酸化した後、NO吸収フィルタで除去するという、NOおよびNOの除去技術が開示されている。ここでの実施例において、使用される電気集塵機は負加電方式(負コロナ放電)とされており、電気集塵機で粉塵を除去中にNOをNOに酸化するには、負加電方式の方が正加電方式(正コロナ放電)よりもNOをNOに酸化する能力が高いことも開示されている。このことは、電気集塵機で粉塵を除去中にNOをNOに酸化する度合いを少なくしたい場合には、正加電方式(正コロナ放電)が適しているということが容易に推察できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
NO脱硝システムは、吸収剤の上流側に設けた電気集塵機で粉塵(特にSPM)を除去した後、酸性ガス吸収剤にてNOを除去し、更にNOについては、わずかでも増加しないことが要求されている。ここで、トンネル排ガス中のNO脱硝システムの除去状況について説明する。先ず、トンネル排ガス中の電気集塵機内の帯電部のコロナ放電により発生したオゾン等により、NOの一部がNOに酸化され、その際、NOとNOの一部は電気集塵機の集塵極板に付着した粉塵に吸着される。その後、NO吸収フィルタ(本発明では酸性吸収剤と呼ぶ)を通過する過程において、NOの大部分が吸収除去されると同時にNOの一部も吸収除去される。しかし、この過程では、NOの一部がNO吸収フィルタに含まれる活性炭の作用により、NOに還元されることも有り得る。このように、NO脱硝システムに導かれるトンネル排ガス中のNOは複雑な経過をたどりながら除去されるが、一方では、NO脱硝システムにおいて、NOが使用環境によっては若干ではあるが増加する場合がある。これから、使用環境によっては、NO脱硝システムは、窒素酸化物の主成分であるNOを増加させる場合があるという課題があった。このNOが増加する使用環境は、一義的に単純に決められるものではなく、トンネル排ガスの湿度の高低、NOおよびNO濃度の高低、NOとNOの混在比率、NO吸収フィルタの劣化具合、NO吸収フィルタへの粉塵付着度合い、といった複数の条件が複雑にからみあったものであると考えられている。
【0004】
また、NO脱硝システムに使用する電気集塵機の正コロナ放電方式は、負コロナ放電方式よりNOがNOに酸化される度合いが少ない点と、NO吸収フィルタでNOがNOに還元されることもあり得る点から、NOが増加しやすいという課題があった。
【0005】
また、電気集塵機の帯電部に一定電圧を印加し、正コロナ放電電流を流して粉塵を帯電させ集塵極板で捕集して集塵していたが、粉塵除去率を決定する正コロナ放電電流は、トンネル排ガスの湿度の高低、排ガスの粉塵濃度の高低、電気集塵機の洗浄後からの経過時間といった複数の条件がからみあい印加電圧が一定でも変動する。つまり、電気集塵機の粉塵除去率は常に変動することを意味している。従って電気集塵機の粉塵除去率が目標値を下回らないようにするために、粉塵除去率を安全側に余裕を持たせることを狙い、電気集塵機の帯電部に必要以上に高い初期設定電圧を印加して余分に放電電流を流すことになる為、NO脱硝システム内部で不必要に大きいNOの増加を招き、システムとしてのNO除去率の低下を招くという大きな課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1項記載の本発明のNO脱硝システムは、自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、前記電気集塵機の上流側および下流側の粉塵濃度を計測する粉塵濃度センサと前記粉塵濃度センサによる粉塵濃度差から粉塵除去率を算出する粉塵除去率算出手段と、粉塵除去率の目標基準レベルを設定する粉塵除去率設定手段と、前記粉塵除去率と前記粉塵除去率の目標基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記目標基準レベルへの到達度合を判断する粉塵除去率判断手段と、前記粉塵除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部への出力を変動させる電圧制御手段とを備え、粉塵除去率を一定に保つ機能を有することを可能とすることを特徴とする。
【0007】
請求項2項記載の本発明は、請求項1記載のNO脱硝システムにおいて、電気集塵機の上流側および下流側の粉塵濃度を計測するに際し、一対の粉塵濃度センサとしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3項記載の本発明は、自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、前記電気集塵機の上流側および前記酸性ガス吸収剤の下流側のNO濃度を計測するNO濃度センサと、これらのNO濃度センサによるNO濃度測定値の差からNO除去率を算出するNO除去率算出手段と、NO除去率の上限基準レベルを設定するNO除去率設定手段と、前記NO除去率と前記NO除去率の上限基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記上限基準レベルへの到達度合を判断するNO除去率判断手段と、前記NO除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部の出力を変動させる電圧制御手段とを備え、NO を除去し、かつ、システム全体のNO単独の除去率が負の値にならない機能を有することを可能とすることを特徴とする。
【0009】
請求項4項記載の本発明は、請求項3記載のNO脱硝システムにおいて、電気集塵機の上流側および下流側のNO濃度を計測するに際し、一対のNO濃度センサとしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5項記載の本発明は、自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能と負コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、前記電気集塵機の上流側および下流側のNO濃度を計測するNO濃度センサと前記NO濃度センサによるNO濃度差の大きさからNO除去率を算出するNO除去率算出手段と、NO除去率の上限基準レベルを設定するNO除去率設定手段と、前記NO除去率と前記NO除去率の上限基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記上限基準レベルへの到達度合を判断するNO除去率判断手段と、前記NO除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部の出力を変動させる電圧制御手段とを有し、
前記電気集塵機の上流側NO濃度を計測するNO濃度センサからの信号を受けNO濃度値を算出するNO濃度算出手段と、負コロナ放電の使用可能なNO濃度値を設定するNO濃度設定手段と、前記NO濃度値と負コロナ放電の使用可能なNO濃度設定値とを比較演算し、前記NO濃度値が前記負コロナ放電の使用可能領域にあるかどうかを判断する使用可能判断手段と、前記使用可能判断手段からの出力に基づき前記電気集塵機の帯電部に対して正コロナ放電と負コロナ放電の切り替えをおこなう電圧切替手段を備えたことを特徴とすることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態によるNO脱硝システムは、自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、前記電気集塵機の上流側および下流側の粉塵濃度を計測する粉塵濃度センサと前記粉塵濃度センサによる粉塵濃度差から粉塵除去率を算出する粉塵除去率算出手段と、粉塵除去率の目標基準レベルを設定する粉塵除去率設定手段と、前記粉塵除去率と前記粉塵除去率の目標基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記目標基準レベルへの到達度合を判断する粉塵除去率判断手段と、前記粉塵除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部への出力を変動させる電圧制御手段とした構成としている。
【0012】
このように、電気集塵機の粉塵除去率が一定値になるような制御が設けることにより、粉塵除去率を必要最小限の値に保つことができ最低レベルの放電電流で電気集塵機を運用できるので、システム内部で不必要に大きいNOの増加を招くことはなく、システムとして高いNO除去率を達成することができる。
【0013】
本発明の第2の実施の形態によるNO脱硝システムは、請求項1記載のNO脱硝システムにおいて、電気集塵機の上流側および下流側の粉塵濃度を計測するに際し、一対の粉塵濃度センサとした構成としている。このように、一対に設けることにより設置および計測の管理が容易である。
【0014】
本発明の第3の実施の形態によるNO脱硝システムは、自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、前記電気集塵機の上流側および前記酸性ガス吸収剤の下流側のNO濃度を計測するNO濃度センサと、これらのNO濃度センサによるNO濃度測定値の差からNO除去率を算出するNO除去率算出手段と、NO除去率の上限基準レベルを設定するNO除去率設定手段と、前記NO除去率と前記NO除去率の上限基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記上限基準レベルへの到達度合を判断するNO除去率判断手段と、前記NO除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部の出力を変動させる電圧制御手段とを備えた構成としている。
【0015】
このように、NO単独の除去率が負の値にならないようにできる最小限の放電電流制御を設けることにより、システム内部でNOの増加を招く可能性を低減することができ、システムの信頼性を向上させることができる。
【0016】
本発明の第4の実施の形態によるNO脱硝システムは、電気集塵機の上流側および下流側のNO濃度を計測するに際し、一対のNO濃度センサとした構成としている。このように、一対に設けることにより設置および計測の管理が容易である。
【0017】
本発明の第5の実施の形態によるNO脱硝システムは、自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能と負コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、前記電気集塵機の上流側および下流側のNO濃度を計測するNO濃度センサと前記NO濃度センサによるNO濃度差の大きさからNO除去率を算出するNO除去率算出手段と、NO除去率の上限基準レベルを設定するNO除去率設定手段と、前記NO除去率と前記NO除去率の上限基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記上限基準レベルへの到達度合を判断するNO除去率判断手段と、前記NO除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部の出力を変動させる電圧制御手段とを有し、
前記電気集塵機の上流側NO濃度を計測するNO濃度センサからの信号を受けNO濃度値を算出するNO濃度算出手段と、負コロナ放電の使用可能なNO濃度値を設定するNO濃度設定手段と、前記NO濃度値と負コロナ放電の使用可能なNO濃度設定値とを比較演算し、前記NO濃度値が前記負コロナ放電の使用可能領域にあるかどうかを判断する使用可能判断手段と、前記使用可能判断手段からの出力に基づき前記電気集塵機の帯電部に対して正コロナ放電と負コロナ放電の切り替えをおこなう電圧切替手段とした構成としている。
【0018】
このように、負コロナ放電への切り替え機能を設けることにより、NO除去率が負の値にならないようにできる最小限の放電電流制御の範囲が正コロナ放電のみの場合と較べて格段に広がるので、システム内部でNOの増加を招く可能性を更に低減することができ、システムの信頼性を飛躍的に向上させることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の第一実施例について図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明の第一実施例によるNO脱硝システムを示す構成図、図2は同NO脱硝システムの正コロナ放電の電流制御機能を備えた高圧発生盤の回路図、図3は同NO脱硝システムの粉塵濃度センサを用いた演算制御回路図である。
【0021】
図1に示すように、道路トンネルの排気空気が、通風路1の流れに沿って、上流側粉塵濃度センサ2、電気集塵機3、下流側粉塵濃度センサ4、酸性ガス吸収剤5、ファン6の順に機器等が設置されている。また通風路1の外には、制御盤S1が設置され、上流側濃度センサ2と下流側濃度センサ4が接続され、高圧発生盤T1に接続されている。高圧発生盤T1から、二段式電気集塵機の電気集塵機3の前段の帯電部7と後段の集塵部8に配線接続して構成されている。帯電部7の電極には、直径0.25mmのタングステン製放電線を使用し、電気集塵機3の集塵部8は、荷電極板と接地極板を交互に風の流れる方向に対して平行に複数配置して構成されるものを使用し、荷電極板と接地極板のクリアランスは6mmとしている。そして、酸性ガス吸収剤5には、活性炭と石膏と結合材を練り上げ、ハニカム状に成型し、焼成した後、アルカリである水酸化カリウム(KOH)を担持させたものとし、酸性ガス吸収剤5の開口率を約50〜75%とした構成としている。
【0022】
次に、動作について図1、図2、図3を用いて説明する。
【0023】
図1に示すように、ファン6により通風路1に引き込まれた道路トンネルの排気空気が電気集塵機3を通過することにより粉塵成分が除去される。高圧発生盤T1から帯電部7の電極に供給される約+11kVの高電圧により帯電部7の電極と帯電部7の接地極の空間に正コロナ放電が発生し、正コロナ放電空間に電流が流れる。このとき、帯電部7を通過した粉塵に正電荷が与えられ粉塵は正側に帯電される。(粉塵は帯電し正電荷を帯びる。)高圧発生盤T1から集塵部8に供給される約+5.5kVの高電圧を荷電極板に印加し高電界空間を形成させている。この並行平板により構成される高電界空間を正電荷を帯びた粉塵が通過するときに、高電界が粉塵の正電荷に作用し、クーロン力により粉塵は接地極板に捕集される。この時の電気集塵機3の通過風速(処理風速)は7m/s、酸性ガス吸収剤5のLV値(通過風速)は約1m/s、SV値(体積速度)は約19000[1/h]としている。電気集塵機3を通過して粉塵が除去されたトンネルの排気空気が、酸性ガス吸収剤5を通過するときにトンネルの排気空気中のNOとごく一部のNOが、酸性ガス吸収剤5に含有される活性炭に吸着する。そして、担持されているアルカリKOHと反応して、KNO、KNO3という中性の個体の塩になり除去される。上流側粉塵濃度センサ2、下流側粉塵濃度センサ4として用いたものは、SPM(浮遊粒子状物質)のうちで粒径が0.3ミクロンメーター近傍の粒子のカウント数を、リアルタイムで計測するのに適した光散乱方式のデジタル粉塵計であり、計測した粉塵濃度(粒子のカウント数)を電気信号で出力する機能を有している。
【0024】
図2の正コロナ放電の電流制御機能を備えた高圧発生盤の回路図に示すように、高圧発生盤T1に低圧電源が供給され、遮断器9、開閉器10を経て、位相制御サイリスタ11に至る。位相制御サイリスタ11は帯電部出力電圧制御回路12から位相制御され位相制御サイリスタ11の出力電圧が制御される。帯電部出力電圧制御回路12は外部からアナログ信号を受け付け、位相制御サイリスタ11の出力電圧を制御し、位相制御サイリスタ11の出力電圧はトランス13で昇圧され整流器14で正電圧に整流され、電気集塵機3の帯電部7に電圧が供給される。そして、整流器14の出力側には電流検出15と電圧検出16ができる機能を有している。
【0025】
図3の粉塵濃度センサを用いた演算制御回路図に示すように、電気集塵機3の上流側粉塵センサ2と下流側粉塵センサ4からの電気信号がリアルタイムで制御盤S1に取り込まれ、粉塵除去率算出手段17により、直ちに現時点での粉塵除去率Aが算出される。次に粉塵除去率設定手段18により、制御盤S1に予め粉塵除去率の目標基準レベルを設定する機能として付いている粉塵除去率設定値Bを入力する。そして、粉塵除去率判断手段19により粉塵除去率Aとの差を比較し、A−Bが零未満の時、即ち粉塵除去率Aが粉塵除去率設定値Bを下回っているときは、電圧制御手段20から帯電部出力電圧ΔV上昇指令21により、帯電部7の出力電圧を微小電圧ΔV(30V)だけ上昇させるアナログ信号を、高圧発生盤T1の帯電部出力電圧制御回路12に対して出力し、NO脱硝システムとして最低限必要な粉塵除去率に近づける制御(除去率を一定にする制御)を行う。
【0026】
また、粉塵除去率判断手段19によりA−Bが零を上回っている時、即ち現時点での粉塵除去率Aが粉塵除去率設定値Bを上回っているときは、電圧制御手段20から電気集塵機3の帯電部7で必要以上に正コロナ放電電流が流れ、空気中のNOをNOに余分に酸化して、NO脱硝システムによるNO除去性能の低下を招くことを防止するため、帯電部出力電圧ΔV下降指令22により、帯電部7の出力電圧を微小電圧ΔV(30V)だけ下降させるアナログ信号を高圧発生盤T1の帯電部出力電圧制御回路12に対して出力し、NO脱硝システムとして最低限必要な粉塵除去率に近づける制御を行う。これらにより粉塵除去率を粉塵除去率の目標基準レベル(粉塵除去率一定)に保つ制御をおこなう。
【0027】
ここで、本制御を行った場合と、従来制御の場合のNO脱硝システムのNO除去率の24時間連続計測の結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004170005
【0029】
このように、電気集塵機3の粉塵除去率を一定値にする制御を設けることにより、粉塵除去率を必要最小限の値に保つことができ最小の放電電流で電気集塵機3を運転できるので、システム内部において不必要に高い濃度のNOの増加発生を招くことはなく、システムとして高いNO除去率を達成することができる。
【0030】
尚、図1では、通風路の外に高圧発生盤と制御盤を設置しているが、通風路の内部に設置してもよい。また、通風路は、暗渠であっても、カルバートであっても、ダクトであっても、また他の管路であっても、外気との密閉性が保たれた構造体であれば特に制限はない。また、電気集塵機として二段式電気集塵機を使用しているが、その他の形式の電気集塵機であってもよい。
【0031】
尚、図1では、電気集塵機の帯電部の放電極に放電線を使用したが、その他の形状の放電極であってもよい。また、電気集塵機の帯電部の放電線の線径は、コロナ放電が可能な線径であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の帯電部の電極と帯電部の接地極の間に印加される高電圧は、コロナ放電が可能な電圧であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の集塵部の電圧とクリアランスは、集塵が可能な電圧であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の通過風速は、集塵が可能な風速であれば如何なる値でもよい。
【0032】
尚、酸性ガス吸収剤に担持するアルカリとしてKOHを使用しているが、他のアルカリNaOH、Ca(OH)、Ba(OH)であってもよい。また、酸性ガス吸収剤のLV値、SV値に特に制限はなく、如何なる値でもよい。また、酸性ガス吸収剤は、活性炭を含有する酸性ガス吸収剤を使用しているが、活性炭系の吸着材であってもよい。また、酸性ガス吸収剤の開口率に特に制限はなく、如何なる値でもよい。
【0033】
尚、図1では、ファンは最も下流側に配置しているが、最も上流側に配置してもよいし、電気集塵機と酸性ガス吸収剤の間に配置してもよい。通風できればどの位置でもよい。また、電気集塵機の下流側の粉塵濃度センサの配置位置は電気集塵機の直近の下流側としたが、酸性ガス吸収剤の下流側に配置してもよい。
【0034】
尚、粉塵濃度センサとして光散乱方式のデジタル粉塵計を用いたが、リアルタイムで計測ができるのであればいかなる方式の粉塵濃度センサでもよい。
【0035】
尚、図1では、制御盤と高圧発生盤を設置しているが、制御盤と高圧発生盤の機能を合体した盤を用いてもよい。
【0036】
尚、図2では、高圧発生盤の帯電部の回路のみが記載してあるが、集塵部の回路も同様である。
【0037】
尚、図3では、2台の粉塵濃度センサからの信号の演算処理結果を時間平均する回路を用い、この時間平均処理する時間を1分間としたが、他の値でもよい。また、微小電圧ΔVの値は30Vに限るものではなく、微小電圧ΔVは10V〜100Vの範囲にあれば制御上問題ない。また、帯電部の出力電圧を微小電圧ΔVだけ上昇下降する回路としたが、高圧発生盤における帯電部の電流検出を制御盤にフィードバックさせ、微小電流ΔIだけ上昇下降させる回路としてもよい。
【0038】
次に、図4は本発明の他の第二実施例について図面に基づいて説明する。図4は本発明の第二実施例によるNO脱硝システムを示す構成図、図5は同NO脱硝システムのNO濃度センサを用いた演算制御回路図、図6は同NO脱硝システムの集塵機をマイナスに印加した場合を示す構成図である。尚、上記実施例で説明した部材と同一機能を有する部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0039】
図4に示すように、道路トンネルの排気空気が、通風路1の流れに沿って、上流側NO濃度センサ23、電気集塵機3、下流側NO濃度センサ24、酸性ガス吸収剤5、ファン6の順に機器等が設置されている。また通風路1の外には、制御盤S2が設置され、上流側NO濃度センサ23と下流側NO濃度センサ24が接続されている。その他の高圧盤等の部分については、第一実施例と同様の構成になっている。ここで、NO濃度センサとして用いたものは2台の化学発光方式のセンサであり、空気中のNO濃度をリアルタイムで計測し、この計測値を電気信号で出力する機能を有している。
【0040】
次に、動作について図4、図5を用いて説明する。
【0041】
図5のNO濃度センサを用いた演算制御回路図に示すように、電気集塵機3の上流側NO濃度センサ23と酸性ガス吸収剤5の下流側の下流側NO濃度センサ24からの電気信号がリアルタイムで制御盤S2に取り込まれ、NO除去率算出手段25により、直ちに現時点でのNO除去率Cが算出される。次にNO除去率設定手段26により、制御盤S2に予めNO除去率の目標基準レベルを設定する機能として付いているNO除去率最大値設定Dを入力する。そして、NO除去率判断手段27により、NO除去率Cの値を見て、Cが零未満の時、即ちNOが増加しているときは、電圧制御手段20から、帯電部出力電圧ΔV上昇指令21により、帯電部の出力電圧を微小電圧ΔV(30V)だけ上昇させるアナログ信号を高圧発生盤T1の帯電部出力電圧制御回路12に対して出力し、NO脱硝システムとして最低限守らなければならないNO除去率が零以上となる制御を行う。
【0042】
また、NO除去率判断手段27により、C−Dが零を上回っている時、即ちNO除去率CがNO除去率最大値設定Dを上回っているときは、電気集塵機3の帯電部7において必要以上に正コロナ放電電流が流れ、空気中のNOをNOに余分に酸化して、NO脱硝システムにおけるNO除去性能の低下を招くことになる。これを防止するため、電圧制御手段20から、帯電部出力電圧ΔV下降指令22により、帯電部の出力電圧を微小電圧ΔV(30V)だけ下降させるアナログ信号を高圧発生盤T1の帯電部出力電圧制御回路12に対して出力し、NO脱硝システムとして最低限必要なNO除去率を0〜D%の間に保つ制御を行う。
【0043】
ここで、本制御を行った場合と、従来制御の場合のNO脱硝システムのNO除去率の24時間連続計測の結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0004170005
【0045】
このように、NO脱硝システムにおいて、従来の制御方式によるNO除去率の変動幅は−10.1〜1.9%であったものが、NO除去率を一定値に近づける制御を設けることにより、NO除去率の変動幅が−0.9〜1.0%へと狭まり、90%以上という高いNO除去率を維持しつつ、NO除去率を大幅に改善することができる。
【0046】
尚、図4では、通風路の外に高圧発生盤と制御盤を設置しているが、通風路の内部に設置してもよい。また、通風路は、暗渠であっても、カルバートであっても、ダクトであっても、また他の管路であっても、外気との密閉性が保たれた構造体であれば特に制限はない。また、電気集塵機として二段式電気集塵機を使用しているが、その他の形式の電気集塵機であってもよい。また、電気集塵機の帯電部の放電極に放電線を使用したが、その他の形状の放電極であってもよい。
【0047】
尚、電気集塵機の帯電部の放電線の線径は、コロナ放電が可能な線径であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の帯電部の電極と帯電部の接地極の間に印加される高電圧は、コロナ放電が可能な電圧であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の集塵部の電圧とクリアランスは、集塵が可能な電圧であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の通過風速は、集塵が可能な風速であれば如何なる値でもよい。
【0048】
尚、酸性ガス吸収剤に担持するアルカリとしてKOHを使用しているが、他のアルカリNaOH、Ca(OH)、Ba(OH)であってもよい。また、酸性ガス吸収剤のLV値、SV値に特に制限はなく、如何なる値でもよい。また、酸性ガス吸収剤は、活性炭を含有する酸性ガス吸収剤を使用しているが、活性炭系の吸着材であってもよい。
【0049】
尚、酸性ガス吸収剤の開口率に特に制限はなく、如何なる値でもよい。
【0050】
尚、図4では、ファンは最も下流側に配置しているが、最も上流側に配置してもよいし、電気集塵機と酸性ガス吸収剤の間に配置してもよい。通風できればどの位置でもよい。また、酸性ガス吸収剤の後流側のNO濃度センサの配置位置は酸性ガス吸収剤の直近の後流側としたが、ファンの後流側に配置してもよい。
【0051】
尚、NO濃度センサとして化学発光乱方式のものを用いたが、リアルタイムでNO濃度計測ができるのであればいかなる方式のNO濃度センサでもよい。
【0052】
尚、図4では、制御盤と高圧発生盤を設置しているが、制御盤と高圧発生盤の機能を合体した盤を用いてもよい。
【0053】
尚、図5では、2台のNO濃度センサからの信号の演算処理結果を時間平均する回路を用い、この時間平均処理する時間を1分間としたが、他の値でもよい。また、微小電圧ΔVの値は30Vに限るものではなく、微小電圧ΔVは10V〜100Vの範囲にあれば制御上問題ない。また、帯電部の出力電圧を微小電圧ΔVだけ上昇下降する回路としたが、高圧発生盤における帯電部の電流検出を制御盤にフィードバックさせ、微小電流ΔIだけ上昇下降させる回路としてもよい。
【0054】
図6は本発明の他の第3実施例について説明をおこなう。
【0055】
図6は、NO脱硝システムの集塵機をマイナスに印加した場合を示す構成図、図7は同NO脱硝システムの正コロナ放電と負コロナ放電の切替機能を備えた高圧発生盤の回路図、図8は同NO脱硝システムの正コロナ放電と負コロナ放電の切替え機能を有する演算制御回路図である。尚、上記実施例で説明した部材と同一機能を有する部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0056】
図6および図7に示すように、道路トンネルの排気空気が、通風路1の流れに沿って、上流側NO濃度センサ23、電気集塵機3、下流側NO濃度センサ24、酸性ガス吸収剤5、ファン6の順に機器等が設置されている。
【0057】
また通風路1の外には、制御盤S3が設置され、電気集塵機3の入口側28に設けた上流側NO濃度センサ23と酸性ガス吸収剤5の下流側に設けた下流側NO濃度センサ24が接続され、高圧発生盤T3に接続されている。高圧発生盤T3から、二段式電気集塵機の電気集塵機3の前段の帯電部7と後段の集塵部8に配線接続して構成されている。また、高圧発生盤T3は、位相制御サイリスタ11の出力電圧がトランス13で昇圧され、正コロナ側整流器29と負コロナ側整流器30を備え、正コロナ・負コロナ切替回路31の切替により、電気集塵機3の帯電部7に、正または負の電圧が供給される構成になっている。
【0058】
次に、動作に関する部分ついて図7、図8を用いて説明する。
【0059】
図7のNO脱硝システムの正コロナ放電と負コロナ放電の切替機能を備えた高圧発生盤の回路図に示すように、高圧発生盤T3に低圧電源が供給され、遮断器9、開閉器10を経て、位相制御サイリスタ11に至る。位相制御サイリスタ11は帯電部出力電圧制御回路12から位相制御され位相制御サイリスタ11の出力電圧が制御される。帯電部出力電圧制御回路12は外部からアナログ信号を受け付け、位相制御サイリスタ11の出力電圧を制御する機能を有している。位相制御サイリスタ11の出力電圧はトランスで昇圧され、開閉器(1)側と開閉器(3)側とに分岐される。開閉器(1)開閉器(2)のペア側に切り替えられると、電気集塵機3の正コロナ放電運転を行うため、正側整流器29で正電圧に整流され帯電部7に正の電圧が印加される。また、開閉器(3)開閉器(4)のペア側に切り替えられると、電気集塵機3の負コロナ放電運転を行うため、負側整流器30で負電圧に整流され、電気集塵機3の帯電部7に負の電圧が印加される。また、電流検出15と電圧検出16ができる機能を有している。
【0060】
図8のNO脱硝システムの正コロナ放電と負コロナ放電の切替え機能を有する演算制御回路図に示すように、電気集塵機3の上流側NO濃度センサ23と酸性ガス吸収剤5の下流側NO濃度センサ24からの電気信号がリアルタイムで制御盤S3に取り込まれ、NO除去率算出手段32より、直ちに現時点でのNO除去率Gが演算される。次にNO除去率設定手段33により、制御盤S3に予めNO除去率の目標基準レベルを設定する機能として付いているNO除去率最大値設定Hを入力する。そして、NO除去率判断手段34により、NO除去率Gの値を見て、Gが零未満の時、即ちNOが増加しているときは、電圧制御手段35から、帯電部出力電圧ΔV上昇指令36により、帯電部の出力電圧を微小電圧ΔV(30V)だけ上昇させるアナログ信号を高圧発生盤T3の帯電部出力電圧制御回路12に対して出力し、NO脱硝システムとして最低限守らなければならないNO除去率が零以上となる制御を行う。
【0061】
また、NO除去率判断手段34により、G−Hが零を上回っているの時、即ち現時点でのNO除去率GがNO除去率最大値設定入力Hを上回っているときは、電気集塵機3の帯電部7において必要以上に正または負のコロナ放電電流が流れ、空気中のNOをNOに余分に酸化してしまい、NO脱硝システムにおけるNO除去性能の低下を招くことになる。これを防止するため、電圧制御手段35から、帯電部出力電圧ΔV下降指令37により、帯電部の出力電圧を微小電圧ΔV(30V)だけ下降させるアナログ信号を高圧発生盤T3の帯電部出力電圧制御回路12に対して出力し、NO脱硝システムとして最低限必要なNO除去率を0〜H%の間に保つ制御を行う。
【0062】
一方、前記NO除去率を0〜H%の間に保つ制御をおこなっている中で、電気集塵機3の入口側28のNO濃度に応じた最適な制御を以下に説明する。
【0063】
電気集塵機3の上流側NO濃度センサ23からの電気信号はNO濃度算出手段38より、時間平均回路により10分間の時間平均処理された後に、入口NO濃度Eが決定される。次に、NO濃度設定手段39により、負コロナ放電可能NO濃度下限値設定Fを入力する。そして、使用可能判断手段40により、入口NO濃度Eと予め設定された任意の設定値(例えば1ppm)との差であるE−Fが−0.5ppmより小さい時、即ち、入口NO濃度Eが負コロナ放電可能NO濃度下限値設定Fより0.5ppm小さい場合は、電気集塵機3によって、NOがNOに酸化される量をできるだけ減らす。つまり、トンネルの排気空気が電気集塵機3を通過しても、NOが多く増加しなければ酸性ガス吸収剤5によりNO除去率を高く維持することがより可能となるため、電圧切替手段41にて、電気集塵機3の正コロナ放電用の正電圧を高圧発生盤T3から出力させるべく、正コロナ側切替指令43を高圧発生盤T3の正コロナ・負コロナ切替回路31に対して出力する。
【0064】
また、E−Fが0.5ppmより大きい時、即ち、入口NO濃度Eが負コロナ放電可能NO濃度下限値設定Fより0.5ppm大きい時の制御を以下に述べる。
【0065】
この時、入り口のNO濃度も高い値となっており、電気集塵機3で、NOが多少増加しても、システム全体のNO除去率への影響は少ない。むしろ、電気集塵機3の酸化能力を負コロナ放電にすることにより増して、NO濃度を減らした方が、NO除去率を安全側にする(負にしない)ことができる。従って、電圧切替手段41にて、電気集塵機3の負コロナ放電用の負電圧を高圧発生盤T3から出力させるべく、負コロナ側切替指令42を高圧発生盤T3の正コロナ・負コロナ切替回路31に対して出力する。
【0066】
ここで、E−Fが−0.5ppmから0.5ppmの範囲内にある時は、現在使用している正または負のコロナ放電電圧状態を現状維持する制御を行なうものとする。
【0067】
ここで、正コロナ側切替指令または負コロナ側切替指令が発せられた瞬間には、NO除去率Gの時間平均回路をリセットし、この時点よりNO除去率Gを決定するため1分間のタイムラグを設けるものとする。
【0068】
本制御を行った場合と、従来制御の場合の、NO脱硝システムのNO除去率の24時間連続計測の結果を表3に示す。
【0069】
【表3】
Figure 0004170005
【0070】
このように、NO脱硝システムにおいて、従来の制御方式によるNO除去率の変動幅は−13.1〜2.0%であったものが、NO除去率を一定値に近づける制御を設けることにより、NO除去率の変動幅が0.5〜0.9%へと狭まり、90%以上という高いNO除去率を維持しつつ、NO除去率が負の値にならないように大幅な改善を行うことができる。即ち正コロナ放電方式のNO除去率をより大きくすることができるというメリットと、負コロナ放電方式のNOの増加現象抑制効果というメリットとを有効に引き出し、NOを増加させることなく高いNO除去率を維持できる、NO脱硝システムとすることが確認できた。
【0071】
尚、図6では、風路系の外に高圧発生盤と制御盤を設置しているが、風路系の内部に設置してもよい。また、通風路は、暗渠であっても、カルバートであっても、ダクトであっても、また他の管路であっても、外気との密閉性が保たれた構造体であれば特に制限はない。また、電気集塵機として二段式電気集塵機を使用しているが、その他の形式の電気集塵機であってもよい。また、電気集塵機の帯電部の放電極に放電線を使用したが、その他の形状の放電極であってもよい。
【0072】
また、電気集塵機の帯電部の放電線の線径は、コロナ放電が可能な線径であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の帯電部の電極と帯電部の接地極の間に印加される高電圧は、コロナ放電が可能な電圧であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の集塵部の電圧とクリアランスは、集塵が可能な電圧であれば如何なる値でもよい。また、電気集塵機の通過風速は、集塵が可能な風速であれば如何なる値でもよい。
【0073】
尚、酸性ガス吸収剤に担持するアルカリとしてKOHを使用しているが、他のアルカリNaOH、Ca(OH)、Ba(OH)であってもよい。また、酸性ガス吸収剤のLV値、SV値に特に制限はなく、如何なる値でもよい。また、酸性ガス吸収剤は、活性炭を含有する酸性ガス吸収剤を使用しているが、活性炭系の吸着材であってもよい。また、酸性ガス吸収剤の開口率に特に制限はなく、如何なる値でもよい。
【0074】
尚、図6では、ファンは最も下流側に配置しているが、最も上流側に配置してもよいし、電気集塵機と酸性ガス吸収剤の間に配置してもよい。通風できればどの位置でもよい。また、酸性ガス吸収剤の下流側のNO濃度センサの配置位置は酸性ガス吸収剤の直近の下流側としたが、ファンの下流側に配置してもよい。また、NO濃度センサとして化学発光乱方式のものを用いたが、リアルタイムでNO濃度計測ができるのであればいかなる方式のNO濃度センサでもよい。
【0075】
尚、図6では、制御盤と高圧発生盤を設置しているが、制御盤と高圧発生盤の機能を合体した盤を用いてもよい。
【0076】
尚、図8では、2台のNO濃度センサからの信号の演算処理結果を時間平均する回路を用い、この時間平均処理する時間を1分間としたが、他の値でもよい。
【0077】
尚、制御盤の演算制御部に設けた負コロナ放電可能NO濃度下限値設定入力Fに予め設定する値は、1ppmである必要はなく、他の値でもよい。
【0078】
尚、図8では、E−Fの値の判断基準を、−0.5ppmと0.5ppmとにしたが、負コロナ側切替指令正の判断基準の数値が、正コロナ側切替指令正の判断基準の数値より大きい値であれば他の数値でもよい。また、入口NO濃度を求めるための時間平均処理時間は10分間としたが、他の値でもよい。また、微小電圧ΔVの値は30Vに限るものではなく、微小電圧ΔVは10V〜100Vの範囲にあれば制御上問題ない。また、図8では、帯電部の出力電圧を微小電圧ΔVだけ上昇下降する回路としたが、高圧発生盤における帯電部の電流検出を制御盤にフィードバックさせ、微小電流ΔIだけ上昇下降させる回路としてもよい。また、ひとつの高圧発生盤に正コロナ放電用の回路と負コロナ放電用の回路とを設けたが、ひとつの風路系に電気集塵機が複数台設置されていて、高圧発生盤が複数台ある場合は、正コロナ放電専用の高圧発生盤と負コロナ放電専用の高圧発生盤とを別々に設け、制御盤から各高圧発生盤の出力電圧制御を行う方法でもよい。また、ひとつの高圧発生盤に正コロナ放電用の回路と負コロナ放電用の回路とを設けたが、NO濃度が常に高い処理対象となる空気中を処理する場合は、負コロナ放電専用の高圧発生盤を用いてもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明によれば、吸収剤の上流側に設けた電気集塵機の粉塵除去率を排ガス負荷に応じて一定値になるようなフィードバック制御を設けることにより、軽負荷時に高電圧を印加することなく適正な印加電圧で集塵できる等のため、不必要に大きいNOの増加を招くことはなく、高いNO除去率を維持できるNO脱硝システムとすることができる。
【0080】
また、NO除去率を所定範囲に入る制御を設けることにより、NO除去率が極端に悪くならないNO脱硝システムとすることができる。
【0081】
また、正コロナ放電と負コロナ放電との切り替え機能を設けて、正での能力NO除去率が負の値にすることなく、即ちNOを増加させることなく、高いNO除去率を維持できるNO脱硝システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例によるNO脱硝システムを示す構成図
【図2】 同NO脱硝システムの正コロナ放電の電流制御機能を備えた高圧発生盤の回路図
【図3】同NO脱硝システムの粉塵濃度センサを用いた演算制御回路図
【図4】本発明の第二実施例によるNO脱硝システムを示す構成図
【図5】同NO脱硝システムの濃度センサを用いた演算制御回路図
【図6】同NO脱硝システムの集塵機をマイナスに印加した場合を示す構成図
【図7】同NO脱硝システムの正コロナ放電と負コロナ放電の切替機能を備えた高圧発生盤の回路図
【図8】同NO脱硝システムの正コロナ放電と負コロナ放電の切替え機能を有する演算制御回路図
【符号の説明】
2 上流側粉塵濃度センサ
3 電気集塵機
4 下流側粉塵濃度センサ
5 酸性ガス吸収剤
6 ファン
7 帯電部
17 粉塵除去率算出手段
18 粉塵除去率設定手段
19 粉塵除去率判断手段
20 電圧制御手段
23 上流側NO濃度センサ
24 下流側NO濃度センサ
25 NO除去率算出手段
26 NO除去率設定手段
27 NO除去率判断手段
32 NO除去率算出手段
33 NO除去率設定手段
34 NO除去率判断手段
38 NO濃度算出手段
39 NO濃度設定手段
40 使用可能判断手段
41 電圧切替手段

Claims (5)

  1. 自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、前記電気集塵機の上流側および下流側の粉塵濃度を計測する粉塵濃度センサと前記粉塵濃度センサによる粉塵濃度差から粉塵除去率を算出する粉塵除去率算出手段と、粉塵除去率の目標基準レベルを設定する粉塵除去率設定手段と、前記粉塵除去率と前記粉塵除去率の目標基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記目標基準レベルへの到達度合を判断する粉塵除去率判断手段と、前記粉塵除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部への出力を変動させる電圧制御手段とを備え、粉塵除去率を一定に保つ機能を有することを可能とするNO脱硝システム。
  2. 電気集塵機の上流側および下流側の粉塵濃度を計測するに際し、一対の粉塵濃度センサとしたことを特徴とする請求項1記載のNO脱硝システム。
  3. 自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、
    前記電気集塵機の上流側および前記酸性ガス吸収剤の下流側のNO濃度を計測するNO濃度センサと
    これらのNO濃度センサによるNO濃度測定値の差からNO除去率を算出するNO除去率算出手段と、
    NO除去率の上限基準レベルを設定するNO除去率設定手段と、
    前記NO除去率と前記NO除去率の上限基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記上限基準レベルへの到達度合を判断するNO除去率判断手段と、
    前記NO除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部の出力を変動させる電圧制御手段とを備え、
    NO を除去し、かつ、システム全体のNO単独の除去率が負の値にならない機能を有することを可能とするNO脱硝システム。
  4. 電気集塵機の上流側および下流側のNO濃度を計測するに際し、一対のNO濃度センサとしたことを特徴とする請求項3記載のNO脱硝システム。
  5. 自動車から排出され拡散した窒素酸化物のうち、NOを重点的に除去することができる道路トンネルの排気ガスの浄化、沿道・交差点近傍の空気浄化に用いる電気集塵機と、電気集塵機の後流側に配置した酸性ガス吸収剤と、ファンと、電気集塵機の正コロナ放電の電流制御機能と負コロナ放電の電流制御機能を有する高圧発生装置を備えたNO脱硝システムであって、前記電気集塵機の上流側および下流側のNO濃度を計測するNO濃度センサと前記NO濃度センサによるNO濃度差の大きさからNO除去率を算出するNO除去率算出手段と、NO除去率の上限基準レベルを設定するNO除去率設定手段と、前記NO除去率と前記NO除去率の上限基準レベルとの偏差量を比較演算し、前記上限基準レベルへの到達度合を判断するNO除去率判断手段と、前記NO除去率判断手段からの出力に基づき電気集塵機の帯電部の出力を変動させる電圧制御手段とを有し、前記電気集塵機の上流側NO濃度を計測するNO濃度センサからの信号を受けNO濃度値を算出するNO濃度算出手段と、負コロナ放電の使用可能なNO濃度値を設定するNO濃度設定手段と、前記NO濃度値と負コロナ放電の使用可能なNO濃度設定値とを比較演算し、前記NO濃度値が前記負コロナ放電の使用可能領域にあるかどうかを判断する使用可能判断手段と、前記使用可能判断手段からの出力に基づき前記電気集塵機の帯電部に対して正コロナ放電と負コロナ放電の切り替えをおこなう電圧切替手段を備えたことを特徴とするNO脱硝システム。
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