JP4169997B2 - 光ファイバの線引き方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ用母材を加熱溶融して光ファイバを線引きするために用いられる光ファイバの線引き方法に関し、特に、光ファイバの伝送損失を低減させるとともに、外径変動を小さく抑制しうる光ファイバの線引き方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバは、光ファイバ母材を紡糸炉で加熱溶融し、線引き(紡糸)することにより製造されている。
線引き後の光ファイバが冷たい外気にさらされると、ガラスが急冷され、高温の液体構造が保持されたまま固化することになる。すると、ガラスの密度揺らぎや濃度揺らぎが大きくなり、レーリ散乱に起因する伝送損失が増加するおそれがある。このため、線引き後の光ファイバを徐冷することが行われている。
【0003】
例えば、特開平10−218635号公報には、ガラスの粘度に基づいて決められた温度範囲において、光ファイバを熱処理して徐冷し、レーリ散乱の低減を図る方法が開示されている。
また、特願2001−374320号には、紡糸炉の下部に、該紡糸炉と一体になるように円筒状の炉下部管を設け、線引き後の光ファイバを前記炉下部管内に挿通し、該炉下部管内に温度調整用ガスを流すことによって、前記光ファイバを徐冷するようにした光ファイバの製造装置の提案がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、線引き後の光ファイバを炉下部管を用いて徐冷するようにした場合、得られる光ファイバの外径が、目標外径に対して大きく変動することがあるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、伝送損失が低減され、かつ、外径変動の小さい光ファイバを紡糸することができる光ファイバの線引き方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の光ファイバ素線の製造方法は、炉心管の下端に炉下部管を連設し、光ファイバ母材を炉心管の内側に吊り下げ、前記光ファイバ母材の先端部を加熱溶融することにより縮径させ、この縮径部の下方側が前記炉下部管内にまで達した状態で、該炉下部管内に温度調整用ガスを流すことにより前記縮径部を徐冷しながら線引きする光ファイバの線引き方法であって、前記縮径部が炉下部管内で光ファイバの目標外径に達するように、かつ、温度調整用ガスの流れのレイノルズ数1000以下となるように、線引き条件を変化させることを特徴とする。
【0006】
周知の通り、レイノルズ数は、流れにおける流体の慣性力と粘性力の比を表わす無次元の値である。レイノルズ数が所定の臨界値以下では、流れは層流となって整然と流れ、臨界値を超えると乱流となって乱れやすいということができる。
【0007】
本発明において、炉下部管内に流される温度調整用ガスの流れのレイノルズ数Rは、該炉下部管の内径をd、温度調整用ガスの流速をv、温度調整用ガスの動粘度をηとするとき、R=vd/ηとして表される。
【0008】
そして、縮径部が炉下部管内で光ファイバの目標外径に達するようにし、縮径部から光ファイバの目標外径に達するまでの部分を、温度調整用ガスにて徐冷する。そして、前記温度調整用ガスの流れのレイノルズ数Rを1000以下とする。これにより、光ファイバの徐冷が効果的に行われるようになり、かつ温度調整用ガスの流れが安定するので、光ファイバの伝送損失を低減することができるとともに、外径変動と極めて小さく抑制することができる。
【0009】
前記温度調整用ガスの流れのレイノルズ数を1000以下とするためには、例えば、前記炉下部管として、前記温度調整用ガスの流れのレイノルズ数が1000以下となるようなものを用いる方法、および/または、前記温度調整用ガスとして、少なくとも2種類のガスを用意し、その混合比率と温度とを変化させることにより、温度調整用ガスの流れのレイノルズ数を1000以下となるようにする方法を用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の光ファイバの線引き方法に用いられる装置の一例を示す概略図である。図1において、符号1は紡糸炉本体である。紡糸炉本体1には、炉心管2が貫装されている。炉心管2は一般にカーボンからなる管である。
【0013】
炉心管2の内径は、特に制限されるものではなく、光ファイバ母材10の外径に応じて決定されるが、一般には、例えば、光ファイバ母材10の外径がφ80〜90mmの場合、100〜120mmの範囲内とされる。
また、炉心管2の肉厚は、一般に、1〜10mmとされる。炉心管2の肉厚が1mm未満であると、強度が低下して取扱い性が悪くなるので好ましくない。炉心管2の肉厚の上限値は特に制限するものではないが、必要以上に厚くしても無駄であり不経済であるので、10mm以下とすることが好ましい。
【0014】
炉心管2の外周にはヒータ3が取り付けられており、炉心管2内に吊り下げられた光ファイバ母材10の先端部を加熱溶融させることができるようになっている。
また、紡糸炉本体1の上部には、炉心管2内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給手段4が設けられている。炉心管2内に不活性ガスを供給することにより、炉心管2の酸化による劣化とダストの発生とを抑制していることができるので、好ましい。この炉心管2内に供給される不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素などを用いることができる。
【0015】
炉心管2の下端には炉下部管5が連設されており、光ファイバ母材10から引き出され、光ファイバ12の目標外径まで縮径する過程にある縮径部11は、炉下部管5内に臨むようになっている。
炉下部管5は概略円筒状であり、その材質としては、カーボン、石英ガラスなどの耐熱性材料が用いられる。その寸法は、後述するように、縮径部11が炉下部管5の下端から突出せず、所望のレイノルズ数が得られるように、適切な値とする必要があるが、一般的な範囲としては、外径は20〜150mmであり、内径は10〜125mmであり、長さは100mm以上とすることが例示される。しかし、炉下部管5の内径は、必ずしも炉心管2の内径に一致させる必要はない。炉下部管5の内径が炉心管2の内径に一致しない場合は、例えば、炉下部管5の一端にテーパ部やフランジ部などを形成し、このテーパ部やフランジ部などを介して炉心管2に連設させるようにすることができる。
炉下部管5は、ネジなどを介して紡糸炉本体1に取り付けるようにし、容易に取り外して交換可能とすることが好ましい。
【0016】
そして、炉下部管5の内部に温度調整用ガスを供給するための、温度調整用ガス供給手段6が設置されている。そしてこの温度調整用ガス供給手段6には、炉下部管5内に供給される温度調整用ガスの温度を制御するための温度制御装置7が取り付けられている。
【0017】
炉下部管5に温度制御された温度調整用ガスを供給して、炉下部管5内に温度調整用ガスの流れを形成することにより、縮径部11および光ファイバ12を徐冷し、冷却速度を調整することができる。また、縮径部11および光ファイバ12へのダストの付着を防止する効果もある。
徐冷効果を高めるため、炉下部管5の周囲に断熱材や加熱装置などを配置して、温度が低下しにくいようにしてもよい。
【0018】
温度調整用ガスとしては、熱伝導率が小さいガス、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素などが使用可能である。また、これらの2種類またはそれ以上を混合して得られるガスを用いてもよい。特に熱伝導率が小さいアルゴンを用いることが好ましい。温度調整用ガスの温度は、所望の冷却速度が得られるように必要に応じて変化させられるが、常温〜1200℃とすることが好ましい。
【0019】
この製造装置には、炉心管2内に供給される不活性ガスや、炉下部管5内に供給される温度調整用ガスを排気するため、排気手段8を設けることが好ましい。排気手段8の取り付け位置は特に制限されず、不活性ガス供給手段4や温度調整用ガス供給手段6の開口位置を考慮に入れ、不活性ガスや温度調整用ガスの流れが乱れにくい適切な位置に設けることが好ましく、例えば、ヒータ3よりも上方に設けることが挙げられる。
【0020】
本実施の形態においては、第一に、炉下部管5の内径や長さを適切に選択し、また、温度調整用ガスの種類や温度を制御することによって、図2(a)に示すように、前記縮径部11が炉下部管5内で光ファイバ12の目標外径に達するようにする。図2(b)に示すように、縮径部11の先端が炉下部管5の下端から突出するようになると、光ファイバ12の目標外径に達する前の部分が外気にさらされて、急冷されるので、外径変動が大きくなり、好ましくない。
【0021】
そして第二に、炉下部管5内を流れる温度調整用ガスの流れのレイノルズ数Rが1000以下になるように線引き条件を変化させて、光ファイバ12を線引きする。前記線引き条件としては、線引き速度、炉下部管5の内径や長さ、または、温度調整用ガスの種類、温度、流量などが挙げられる。
【0022】
本発明においては、炉下部管5内を流れる温度調整用ガスの流れのレイノルズ数Rは、式 R=vd/η により定義される。
ここで、vは温度調整用ガスの流速(m/s)であり、dは炉下部管5の内径(m)であり、ηは温度調整用ガスの動粘度(m2/s)である。
【0023】
温度調整用ガスの流れのレイノルズ数Rを1000以下とすることにより、温度調整用ガスの流れは乱流になりにくくなり安定化するので、光ファイバ12の外径変動が小さく抑制される。レイノルズ数Rは大きくなると、温度調整用ガスの流れが乱れやすくなり、Rが1000を超えると、光ファイバ12の外径変動が大きくなりやすいので、好ましくない。
【0024】
温度調整用ガスの流れのレイノルズ数Rを1000以下とするためには、例えば、以下のようにして、製造条件を変化させる。
まず、一般に、線引き速度を高速化することによって流速vは増加するので、レイノルズ数Rは大きくなる。
これに対しては、例えば、炉下部管5の内径dを細くすることによってレイノルズ数Rを減少させることができる。そこで、線引きを開始する前に、適切な内径dを有する炉下部管5を選択して装置に取り付ける。また、炉下部管5の長さも、縮径部11が炉下部管5内で光ファイバ12の目標外径に達するように、適宜選択する。
【0025】
また、温度調整用ガスの動粘度ηは、該温度調整用ガスの粘度μ(Pa・s)と密度ρ(kg/m3)との比μ/ρから求められる。一般に、気体は温度が高くなると、粘度μは増大し、密度ρは減少することから、動粘度ηは増大する。従って、温度調整用ガスの温度を上げることによっても、レイノルズ数Rを減少させることができる。しかも、温度調整用ガスの温度を上げることにより、縮径部11の冷却速度を低下させ、徐冷効果を高めることができる。従って、温度調整用ガスの温度は、常温〜1200℃まで変化させられるようにすることが好ましい。
【0026】
温度調整用ガスの種類に関しては、ヘリウムとアルゴンとを比較する場合、ヘリウムはアルゴンより動粘度が約10倍大きいので、温度調整用ガスの流れのレイノルズ数Rを小さくするためには好ましい。しかしながら、熱伝導率も、ヘリウムはアルゴンより約10倍大きいので、徐冷効果の点ではアルゴンより劣る。
【0027】
温度調整用ガスとして単一のガスを用いれば、装置の構成はより単純になり、操作がより容易になるという利点がある。しかし、より優れた光ファイバを得るためには、所望の伝送損失と、外径変動の度合いとの兼ね合いにより、適宜複数のガスを混合して調製された混合ガスを用いることが好ましい。例えば、ヘリウムとアルゴンを1:5の比率で混合したガスを用いると、熱伝導率が3.73×10-2W・m-1・K-1となり、動粘度が2.71×10-52/sとなる。
【0028】
温度調整用ガスとして混合ガスを用いる場合、例えば、予め所定の比率で混合されたガスを用い、この混合ガスを温度調整用ガス供給手段6を介して炉下部管5に供給する方法を用いることができる。
また、図3に示すように、少なくとも2種類のガスを所定の比率で混合して温度調整用ガスとするガス混合手段21と、前記ガス混合手段によって混合されるガスの混合比率を、前記温度調整用ガスの流れのレイノルズ数が1000以下となるように制御するガス混合比率制御手段22とを有する線引き装置を用い、線引き作業と並行して混合ガスを調製する方法を採用することもできる。
【0029】
この場合、ガス混合比率を制御する方法としては、例えば、コンピュータ等を用いて、混合ガスの動粘度を実験データや近似式等に基づいて算出し、得られた動粘度の値と、炉下部管の寸法、線引き速度の他の線引き条件等から温度調整用ガスの流れのレイノルズ数Rを計算して最適な混合比率を求め、求められた最適値に基づいて、制御弁等を用いて、実際のガスの混合比率を制御するようにする方法をとることができる。
これにより、動粘度と熱伝導率のバランスが優れた温度調整用ガスを常に供給することができるので、伝送損失と外径変動とがともに極めて抑制された光ファイバを線引きすることができる。
【0030】
本発明の製造方法では、気相軸付け法(VAD法)、外付け法(OVD法)、内付け法(CVD法、MCVD法、PCVD法)、ロッドインチューブ法等により得られた光ファイバ母材を用いることができる。本発明は、シングルモード光ファイバ、分散シフト光ファイバ、カットオフシフト光ファイバ、分散補償光ファイバなど、いかなる種類の光ファイバにも適用できる。
【0031】
次に、光ファイバ12を線引きするための手順の一例を説明する。
まず、稼動時の目標線引き速度に応じて、適切な内径と長さを有する炉下部管5を選択し、製造装置に取り付ける。光ファイバ母材10を炉心管2の内側に吊り下げたのち、光ファイバ母材10の先端部を加熱溶融して縮径させる。次いで縮径部11を、炉下部管5内に臨ませ、該炉下部管5内に温度調整用ガスを流すことにより前記縮径部11を徐冷しながら、光ファイバ12の外径になるように、線引きする。
この際、温度調整用ガスの温度や流量などを制御することにより、縮径部11の冷却速度を調節し、前記縮径部が炉下部管内で光ファイバの目標外径に達するようにし、かつ、温度調整用ガスの流れのレイノルズ数が1000以下となるようにする。
このようにして製造された光ファイバは、伝送損失が低減されているとともに、外径変動が極めて小さいものとなる。
【0032】
線引きされた光ファイバは、常法により、ウレタンアクリレート樹脂などを塗布し硬化させて2層の被覆を形成することにより、光ファイバ素線とすることができる。
【0033】
次に、本発明を、試験例によって具体的に説明する。
外径φ60mm、長さ1000mmのシングルモード光ファイバ用の光ファイバ母材10を用いて、目標外径を125μmに設定してシングルモード光ファイバを製造した。そして、得られた光ファイバ12に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂を塗布し、硬化して一次被覆層を形成し、次に同様にして二次被覆層を形成して、一次被覆層のコート径190μm、二次被覆のコート径250μmの光ファイバ素線を製造した。
この際、製造条件を変えることによってレイノルズ数を変化させた。また、外径測定器を用いて、線引き中のそれぞれの光ファイバ12の外径変動を測定した。
【0034】
(試験例1)
紡糸張力を100gfに、紡糸線速を300m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを250mmとし、内径を60mmとした。温度調整用ガスとしてヘリウムを用い、その温度は常温とした。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5内にあった。炉下部管5内のレイノルズ数は約200であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.2μmであった。
【0035】
(試験例2)
紡糸張力を100gfに、紡糸線速を300m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを250mmとし、内径を60mmとした。温度調整用ガスとしてアルゴンを用い、その温度は常温とした。線引き時、冷却速度が遅くなったために、縮径部11の先端は炉下部管5の外に突出していた。炉下部管5内のレイノルズ数は約1800であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.5μmであった。
【0036】
(試験例3)
紡糸張力を100gfに、紡糸線速を300m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを500mmとし、内径を60mmとした。温度調整用ガスとしてアルゴンを用い、その温度を温度制御装置7を用いて200℃に制御した。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5内にあった。炉下部管5内のレイノルズ数は約800であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.2μmであった。
【0037】
前記試験例1〜3の結果を、表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004169997
【0039】
(試験例4)
紡糸張力を130gfに、紡糸線速を600m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを250mmとし、内径を60mmとした。温度調整用ガスとしてヘリウムを用い、その温度は常温とした。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5内にあった。炉下部管5内のレイノルズ数は約400であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.2μmであった。
【0040】
(試験例5)
紡糸張力を130gfに、紡糸線速を600m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを500mmとし、内径を60mmとした。温度調整用ガスとしてアルゴンを用い、その温度を温度制御装置7を用いて200℃に制御した。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5外に突出していた。炉下部管5内のレイノルズ数は約1500であった。線引中の光ファイバの外径変動は、±0.8μmであった。
【0041】
(試験例6)
紡糸張力を130gfに、紡糸線速を600m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを1000mmとし、内径を60mmとした。温度調整用ガスとしてアルゴンを用い、その温度を温度制御装置7を用いて200℃に制御した。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5内にあった。炉下部管5内のレイノルズ数は約1500であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.4μmであった。
【0042】
(試験例7)
紡糸張力を130gfに、紡糸線速を600m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを1000mmとし、内径を50mmとした。温度調整用ガスとしてアルゴンを用い、その温度を温度制御装置7を用いて400℃に制御した。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5内にあった。炉下部管5内のレイノルズ数は約600であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.2μmであった。
【0043】
前記試験例4〜7の結果を、表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0004169997
【0045】
(試験例8)
紡糸張力を180gfに、紡糸線速を1200m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを250mmとし、内径を60mmとした。温度調整用ガスとしてヘリウムを用い、その温度は常温とした。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5外に突出していた。炉下部管5内のレイノルズ数は約800であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.5μmであった。
【0046】
(試験例9)
紡糸張力を180gfに、紡糸線速を1200m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを500mmとし、内径を10mmとした。温度調整用ガスとしてヘリウムを用い、その温度は常温とした。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5内にあった。炉下部管5内のレイノルズ数は約30であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.2μmであった。
【0047】
(試験例10)
紡糸張力を180gfに、紡糸線速を1200m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを500mmとし、内径を50mmとした。温度調整用ガスとしてアルゴンを用い、その温度を温度制御装置7を用いて400℃に制御した。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5外に突出していた。炉下部管5内のレイノルズ数は約1200であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±1.0μmであった。
【0048】
(試験例11)
紡糸張力を180gfに、紡糸線速を1200m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを1500mmとし、内径を45mmとした。温度調整用ガスとしてアルゴンを用い、その温度を温度制御装置7を用いて400℃に制御した。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5内にあった。炉下部管5内のレイノルズ数は約1000であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.2μmであった。
【0049】
(試験例12)
紡糸張力を180gfに、紡糸線速を1200m/分に設定して、光ファイバ12を線引きした。炉下部管5の長さを1000mmとし、内径を20mmとした。温度調整用ガスとしてアルゴンとヘリウムを5:1の比で混合したガスを用い、その温度は常温とした。線引き時、縮径部11の先端は炉下部管5内にあった。炉下部管5内のレイノルズ数は約500であった。線引中の光ファイバ12の外径変動は、±0.2μmであった。
【0050】
前記試験例8〜12の結果を、表3に示す。
【0051】
【表3】
Figure 0004169997
【0052】
表4に、本試験例により得られたレイノルズ数と外径変動との関係を示す。表4において、線引き時に縮径部11の先端が炉下部管5外に突出した場合のレイノルズ数は、縮径部11の先端部周辺の管径が非常に大きくなった場合と考え、無限大であるものとみなした。
【0053】
【表4】
Figure 0004169997
【0054】
表4に示す結果から明らかなように、縮径部11の先端が外気にさらされないように該縮径部11の周囲を炉下部管5により覆い、該炉下部管5内に温度調整用ガスを流し、この温度調整用ガスの流れのレイノルズ数を1000以下とすることによって、光ファイバの線引き速度によらず、光ファイバ12の外径変動を小さく抑制することができることがわかる。
【0055】
また、得られた各光ファイバ素線について、1.55μmにおける伝送損失を測定したところ、線引き時に縮径部11が炉下部管5内で目標外径に達するようにし、かつ温度調整用ガスの流れのレイノルズ数を1000以下とした場合には、いずれの光ファイバ12も伝送損失が0.190dB/km以下となった。従って、本発明の製造方法を用いることにより、縮径部11の徐冷が効果的に行われ、レーリ散乱に起因する伝送損失の増加を抑制できたことがわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバの製造方法は、炉心管の下端に炉下部管を連設した装置を用い、炉心管内に吊り下げられた光ファイバ母材の先端部を加熱溶融することにより縮径させ、この縮径部の下方側が前記炉下部管内にまで達した状態で、温度調整用ガスにより徐冷しながら線引きする際、前記縮径部が炉下部管内で光ファイバの目標外径に達するように、かつ、炉下部管内に流される温度調整用ガスの流れのレイノルズ数1000以下となるように、線引き条件を変化させるものであるから、光ファイバ母材から引き出された縮径部を効果的に徐冷することができ、かつ、温度調整用ガスの乱流が発生しにくくなるので、光ファイバの線引き速度によらず、光ファイバの伝送損失を低減させ、外径変動を小さく抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバの線引き方法に用いられる装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】 光ファイバ母材が光ファイバの外径にまで縮径される状態の一例を説明する図である。
【図3】 本発明の光ファイバの線引き方法に用いられる装置の他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
2…炉心管、3…ヒータ、5…炉下部管、6…温度調整用ガス供給手段、7…温度制御装置、10…光ファイバ母材、11…縮径部、12…光ファイバ、21…ガス混合手段、22…ガス混合比率制御手段。

Claims (3)

  1. 炉心管の下端に炉下部管を連設し、光ファイバ母材を炉心管の内側に吊り下げ、前記光ファイバ母材の先端部を加熱溶融することにより縮径させ、この縮径部の下方側が前記炉下部管内にまで達した状態で、該炉下部管内に温度調整用ガスを流すことにより前記縮径部を徐冷しながら線引きする光ファイバの線引き方法であって、
    前記縮径部が炉下部管内で光ファイバの目標外径に達するように、かつ、温度調整用ガスの流れのレイノルズ数1000以下となるように、線引き条件を変化させることを特徴とする光ファイバの線引き方法。
  2. 前記炉下部管として、前記温度調整用ガスの流れのレイノルズ数が1000以下となるようなものを用いることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの線引き方法。
  3. 前記温度調整用ガスとして、少なくとも2種類のガスを用意し、その混合比率と温度とを変化させることにより、温度調整用ガスの流れのレイノルズ数を1000以下となるようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバの線引き方法。
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