JP4169750B2 - 球技用バットの形成方法 - Google Patents

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本発明は、球技用バットに関し、詳しくは、打撃部にバット本体の表面が凹設された凹部が形成され、この凹部にゴム系又は合成樹脂系素材からなる弾性層が設けられている球技用バット及びその形成方法に関する。
球技用バットは、硬式野球、軟式野球、ソフトボール等の球技の種別によって、打撃対象である球技ボールの大きさや硬さ等がルール上で異なっているので、夫々に専用のバットが存在している。
そして、これらの球技用バットは、元来が木製で製作されるのが主流であったが、近年においては、木製バットの他に、耐久性があり飛距離も出るアルミニューム等を主体とする金属バットや、この金属バットよりしなりがあるFRP等のカーボンバット等が製作されるようになっており、また、打撃部にバット本体の表面が凹設された凹部が形成され、この凹部に弾性層が設けられた球技用バットも製作されるようになっている。
このような球技用バットにおいて、商標、図柄、装飾等の文字・装飾ディスプレイは、主に、バット本体の打撃部の外表面に集中して印刷され、打撃部の凹部に軟質な弾性層を設けるものでは、その弾性層の外表面に保護層として設ける厚さ0.1mm〜1mmの合成樹脂の透明シート内面にディスプレイを印刷したものがある(特許文献1参照)。
特開2003−19236号公報(第9−10頁、図4)
しかし、上述前者に記載の木製バット、金属バット、カーボンバットにおけるディスプレイ構造では、打撃により傷がつき易く、そのことによりくすみ等が生じやすい傾向があることや、合成樹脂の透明シート自体が破れることもあり、加えて、使用回数が多くなる程、文字・装飾ディスプレイの視認性が低下するといったバットにおける外観劣化をもたらす問題がある。
また、上述後者に記載の球技用バットにおけるディスプレイ構造では、軟質な弾性層と薄肉厚の保護層との境界に位置してディスプレイが存在しているので、薄肉厚の保護層から大きな衝撃力が加わることと、打撃時の衝撃によって弾性層が大きく弾性変形することによって、ディスプレイに変形による損傷を生じやすい問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、長期の使用に亘ってバットにおけるディスプレイ性を保持可能な球技用バット、及び、その球技用バットの形成方法を提供する点にある。
球技用バットにおいて、打撃部にバット本体の表面が凹設された凹部が形成され、この凹部の底面に文字・装飾ディスプレイが施されているとともに、この凹部に透明性を備えたゴム系又は合成樹脂系素材からなる弾性層が設けられ、前記弾性層が、前記凹部の底面に施された文字・装飾ディスプレイをコーティングする状態で凹部の底面に塗設された透明性を有する下地剤を介して凹部に一体接合されていてもよい。
記構成によれば、文字・装飾ディスプレイが硬いバット本体における凹部の底面に施されているので、剥がれ難いディスプレイ構造を形成するとともに、打球時の衝撃が直接に文字・装飾ディスプレイにおよぶことがない肉厚のある弾性層を介して、文字・装飾ディスプレイが凹部の底面に施されているので、文字・装飾ディスプレイが剥げ落ちたりするような表示の劣化を生じることがない。
従って、従来のようにバット打撃部の外表面に文字・装飾ディスプレイが印刷された木製バット、金属バット、カーボンバット、及び、バット打撃部に形成された凹部に設けられ弾性層の外表面に対して、透明で肉厚の薄く内面にディスプレイを印刷した透明で薄肉厚の保護層が被覆された球技用バットに比して、長期の使用に亘って文字・装飾ディスプレイの視認性を確保することができるので、バットにおけるディスプレイ性の向上を図ることができる。
また、前記弾性層の厚さ寸法が、2mm〜8mmであってもよい。
記構成によれば、打球時の衝撃が直接に文字・装飾ディスプレイにおよぶことがない肉厚のある弾性層を形成することができ、底面に施されている文字・装飾ディスプレイが剥げ落ちたりするような表示の劣化を生じることがない保護に十分な肉厚を形成することに加えて、文字・装飾ディスプレイが肉厚のある弾性層を透過して視認することができるといった、レンズ的効果を生じさせることができる。
従って、長期の使用に亘って文字・装飾ディスプレイの視認性を保持することに加えて、レンズ的効果を備えていることによりバット美観上の向上を図ることができる。
また、前記弾性層のゴム硬度(Shore A)が、40度〜90度に設定されていてもよい。
記構成によれば、上記の設定の範囲において、打撃部の弾性層に打球が当り始めた時点から弾性層から反発によって離脱する時点までの間において、ボール側が当りによる衝突による変形状態から復元状態となって弾性層から離脱するボール状態に対して、弾性層側が衝突によるボールの変形を粘弾性で受止めた後、ボールの復元状態と弾性層も弾性復元とが略同期することによって、ボールに対する高反発性と高い飛距離性の実現化が可能となる。
ここで、ゴム硬度が40度以下である場合、弾性層が軟質になり過ぎて使用過程で凹部から弾性層が外れやすくなり、反対にゴム硬度が90度以上である場合、弾性層が硬過ぎて、打撃時の粘弾性の弾性復元力が極端に早くなることと、ボール側が弾性復元しきれない状態で弾性層から離脱することによって、飛距離が押えられしまう傾向となる。
しかも、弾性層のゴム硬度が、40度〜90度に設定されていることによって、弾性層の表面に、土、泥、塵埃等が付着したり傷が付いたりし難く、また、高い透明性を維持することができることが実験によって分かっており、弾性層の透明性を十分に生かした設定になっている。これは、透明性を有する弾性層のゴム硬度が40度以下である場合、土、泥、塵埃等が付着したりしやすく取り去り難く、弾性層のゴム硬度が90度以上である場合、例えば、ウレタン樹脂から弾性層が形成されている場合のように、透明性が低下して白く濁るというように、透明品質の低下を示す傾向がある。
従って、打撃部に弾性層の無い一般的な球技用バットに比べて、例えば、土、泥、塵埃等が付着したりし易い試合中においても、文字・装飾ディスプレイの高い視認性を有し、しかも、飛距離等の点で優れたバット性能を発揮することができる。
また、前記弾性層は、温度が20℃、周波数が100Hzにおける貯蔵弾性率が9〜19Mpaであってもよい。
記構成によれば、特に、打撃部で打球されたボールが、バット軸芯線を僅かに上部に外れて打撃したような場合、適度な摩擦力に加えて大きな貯蔵弾性率が作用することによって、ボールが反発に転じた状態では、飛距離性のよい角度で高い反発力をもって飛球する状態を形成しやすくすることができる。
従って、打撃部で打球されたボールを、バット軸芯線を僅かに外れて打撃したような場合であっても、打球されたボールを、飛距離性のよい角度で高い反発力をもって打撃することができ、打撃性能の向上を図ることができる。
ここで、従来において、弾性層が、温度が20℃、周波数が100Hzにおける貯蔵弾性率が1.4Mpa以下であることによって、打撃性能の向上を図ったものが存在(特開2004−242738)するが、その貯蔵弾性率がこの発明の貯蔵弾性率である9〜19Mpaより低い領域に属していることからして、ゴム硬度等の条件の異なりによって、高い領域にも顕著性が存在する知見を得ている。
また、前記凹部の端部が、底部に向って次第に深くなる湾曲形状に形成され、且つ、少なくとも、この凹部の端部に下地剤を介して弾性層が接合されていてもよい。
上記構成によれば、例えば、凹部の端部が直角な内隅形状であり、このような凹部の端部に打球が対応した場合、直角な内隅形状を介してバット本体に応力集中が加わり、バット本体が変形したり折れたりする問題があるのに比し、凹部の端部が湾曲形状で、且つ、凹部の端部と弾性層が下地剤を介して一体接合されているので、凹部の端部に打球が対応した場合、凹部から弾性層がずれたりして弾性層に損傷を与えるようなことなく、湾曲する端部に一体接合する弾性層を介してバット本体に応力が分散され、バット本体が変形したり折れたりするようなことを阻止することができる。
従って、弾性層の高反発性を維持しながら、打球による集中応力に対してもバット本体の保全を図ることができるので、信頼性の高い球技用バットを形成することができる。
また、球技用バットの形成方法において、バット本体における打撃部表面が全周に亘って凹設された凹部の底面に対して、文字・装飾ディスプレイを施すディスプレイ形成工程と、
文字・装飾ディスプレイが施された打撃部の凹部に下地剤を塗設する下地層形成工程と、
バット中心軸がほぼ垂直となる縦姿勢のバット本体の打撃部に、内周面が打撃部の表面形状に形成された分割金型を包囲状態に設置して金型を形成し、打撃部と金型との間に充填空間を形成する金型設置工程と、
充填空間に対して、空間上端部と連通する注入路を介して、流動状態の透明性を有した弾性材料を流し込みによって、空間下部から上部まで隙間なく充填する弾性層充填工程と、
充填によって弾性材料に混じった気泡を注入路から自然流出させる奪気工程と、
充填された弾性材料の硬化を待って金型からバット本体を離脱して、打撃部に弾性層が一体形成された球技用バットを完成させてもよい。
上記構成によれば、バット本体の打撃部の凹部に、全体が筒状となった弾性層が隙間のない一体化された接合状態となり、且つ、気泡などを排除して全体的に均一な透明性を有する弾性層を形成することができる。
従って、凹部と弾性層とを隙間無く一体接合することができ、バット使用において砂塵や雨水等がバット表面に付着するような使用環境にあっても、凹部と弾性層との接合境界にそのような砂塵や雨水等が侵入することは無く、弾性層を通して凹部に表示された文字・装飾ディスプレイを悪環境下においても視認することができると言った表示性能の向上を図ることができる。
本発明の第1番目の球技用バットの形成方法の特徴構成は、
バット本体における打撃部表面が全周に亘って凹設され、且つ、バット先端側とバット基端側の端部が底部に向って次第に深くなる湾曲形状に形成された凹部の底面に対して、文字・装飾ディスプレイを施すディスプレイ形成工程と、
文字・装飾ディスプレイが施された打撃部の凹部に下地剤を塗設する下地層形成工程と、
バット中心軸がほぼ垂直となる縦姿勢のバット本体の打撃部に、内周面が打撃部の表面形状に形成された分割金型を包囲状態に設置して金型を形成し、打撃部と金型との間に環状の充填空間を形成する金型設置工程と、
充填空間に対して、バット本体の凹部の端部に横方向で対向するように充填空間の上端部の外周面に下部注入口を開口連通させる状態で金型に形成した注入路を介して、流動状態の透明性を有する弾性材料を流し込みによって、充填空間の下部から上部まで隙間なく充填する弾性層充填工程と、
充填によって弾性材料に混じった気泡を注入路から自然流出させる奪気工程と、
注入路から気泡を自然流出させた後、金型に設けられたゲートを横方向に沿う内方移動で閉じて前記ゲートで注入路の下部注入口に打撃部の表面形状を形成する形成面を構成する状態で下部注入口を閉塞することによって空間上端部と注入路との連通を遮断する工程と、
空間上端部と注入路との連通を遮断した後、充填された弾性材料の硬化を待って金型からバット本体を離脱して、打撃部に弾性層が一体形成された球技用バットを完成させる金型離脱工程を備える点にある。
本発明の第2番目の球技用バットの形成方法の特徴構成は、
バット本体における打撃部表面が全周に亘って凹設された凹部の底面に対して、文字・装飾ディスプレイを施すディスプレイ形成工程と、
文字・装飾ディスプレイが施された打撃部の凹部に下地剤を塗設する下地層形成工程と、
バット中心軸がほぼ垂直となる縦姿勢のバット本体の打撃部に、内周面が打撃部の表面形状に形成された分割金型を包囲状態に設置して金型を形成し、打撃部と金型との間に環状の充填空間を形成する金型設置工程と、
空間上端部と注入路とが連通するようにバット本体を金型内の上方側に設置した状態において、充填空間に対し前記注入路を介して流動状態の透明性を有する弾性材料を流し込みによって、空間下部から上部まで隙間なく充填する弾性層充填工程と、
充填によって弾性材料に混じった気泡を注入路から自然流出させる奪気工程と、
注入路から気泡を自然流出させた後、バット本体を金型内で下方に押し下げて空間上端部と注入路との連通を遮断する工程と、
空間上端部と注入路との連通を遮断した後、充填された弾性材料の硬化を待って金型からバット本体を離脱して、打撃部に弾性層が一体形成された球技用バットを完成させる金型離脱工程を備える点にある。
以下、本発明を適用した球技用バットを図面に基づいて説明する。
〔実施形態〕
この実施形態は、軟式野球用の球技用バットAに本発明を適用した例を図面に基づいて説明する。
この球技用バットAは、図1(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように、基端のグリップエンドA1から先端に沿ってグリップA2、テーパー部A3、打撃部A4が連続形成されている。
このような球技用バットAの母体となる骨格部分を構成するバット本体1は、FRP(繊維強化プラスチック)から形成されている。
そして、球技用バットAは、打撃部A4の略全長に亘ってバット本体1の表面が凹設された凹部1Aが形成され、この凹部1Aの底面1Bに文字・装飾ディスプレイ2が施されているとともに、この凹部1Aに透明性と高い打球反発性を備えたゴム系又は合成樹脂系素材からなる弾性層3が設けられている。
前記凹部1Aは、打撃部A4の全周に亘って形成され、この凹部1Aにおけるバット先端側とバット基端側の端部1Cは、底部1に向って次第に深くなる湾曲形状に形成され、その他の部分の深さは均一に構成されている。
凹部1Aの底面1Bには、文字・装飾ディスプレイ2が施された上面に、弾性層3を構成する素材と同系統の透明性を有するポリウレタン系下地剤からなる下地剤4で塗設がなされ、この下地剤4を介して弾性層3が凹部1Aに一体接合されている。
また、凹部1Aの端部1Cに対応する弾性層3は、下地剤4によって一体接合されているので、端部1Cに対応する弾性層3でボールを打撃した場合においても、弾性層3が凹部1Aに対してずれ動くことなく打撃を支持することができる。そのため、端部1Cに対応する弾性層3で打撃した時のボールの衝撃力は、端部1Cの湾曲部分で受止められることになるので、打撃による応力がうまく分散されてバット本体1に集中応力が加わることがない接合構造になっている。
前記バット本体1は、例えば、FRP素材からなる肉厚が約4mmの中空な殻体から形成され、全長が約840mmで、先端から手持ち側に150mm〜180mm戻った位置が打撃部A4の中心、所謂、スイートポイントに設定されている。
前記弾性層3は、ゴム硬度(Shore A)が40度〜90度で好ましくは55度〜70度の透明性を有する人口ゴム系素材であるポリウレタン樹脂から構成されている。ポリウレタン樹脂は、反応性に富んでいるので、熱硬化性樹脂としても熱可塑性樹脂にも使用され、この実施形態では、キャスチング・ポリウレタンを用いている。
使用されるポリウレタン樹脂は、比重が1.03程度、ゴム硬度が70度〜72度の範囲に入るものを用い、打撃部A4が形成された凹部1Aの空間に充填される量は、バット総重を越えない重量に設定されている。
この実施形態における打撃部A4の凹部1Aの凹部深さは、約4mmに形成され、これに設けられる弾性層3の厚さ寸法は、同じく約4mmに形成されている。
この実施形態において、弾性層3に高い打球反発性を形成する最少厚さ寸法が約2〜3mmの厚さから高い打球反発性が形成されることがわかっており、凹部1Aとの差分である約2〜1mmは、バット重量の不足分を付加してバット重量の適正化が図られている。
従って、実施形態の球技用バットAにおいては、バット重量が適正な球技用バットAを形成することができながら、打撃部A4の全域で高い反発性を備えた弾性層構造を形成することができる。
また、弾性層3の厚さ寸法が付加されていることによって、より高い打球反発性が形成されるが、弾性層3の厚みをさらに厚くすることで、反発係数を上げて打球飛距離の向上を図ることが可能であるが、それも上限がありこの上限以上に厚くしても反発性に変化がないこともわかっている。そのため、その打球反発性のある範囲で肉厚の異なるバットを形成することによって、使用者に対応する最適な重量のバットを形成することができる。
前記文字・装飾ディスプレイ2は、凹部1Aの底面1Bに商品名や模様等を、例えば、シルクスクリーン印刷、パット印刷、刻印、又は、表面に商品名や模様等を予めに印刷され、裏面に粘着層を設けた貼着シートを貼着したり、水転写シールや熱転シールによって転写したりする等して施されている。
そして、この凹部1Aには、底面1Bに塗設したポリウレタン樹脂系の下地剤4を挟んで弾性層3が一体接合されている。
次に、球技用バットAの形成方法について説明する。
始めに、バット本体1自体は、元来のバット素材である木質素材から形成されているもの、アルミニュームを主体とする金属素材から形成されているもの、FRPから形成されているものが存在する。前記木質素材からなるバット本体の場合は切削によって、打撃部に凹部を形成し、前記金属素材からなるバット本体の場合、絞込み加工によって、打撃部に凹部を形成することができる。
前記FRPからなるバット本体1は、例えば、以下のように形成される。
始めに、バット本体1長さのテーパー棒状の芯型であるマンドレルに、熱硬化性樹脂(エポキシ)を含浸したカーボン繊維とガラス繊維からなるシート状のプリプレグを、全体に均一な層厚さに巻装して、グリップA2からテーパー部A3を経て打撃部A4に至るバット部分に対応する第1仕掛り形成体を形成する。また、同じく図示しないが、バット先端形状に対応する筒状に形成された第2仕掛り形成体と、グリップの形態に対応するリング状に形成された第3仕掛り形成体を用意する。
次いで、打撃部A4の全周に亘る凹部1Aに対応する内周面が形成された2分割の合わせ金型内に、前記第1〜第3仕掛り形成体を対応する位置に収納するとともに、第1仕掛り形成体の端部に形成された孔から内部に、軟質塩ビなどから形成された長尺なチューブを収納する。
次いで、この状態で加熱成型を行う。この成型時にチューブに空気が圧入され、第1〜第3仕掛り形成体を一体接合するとともに、打撃部A4に凹部1Aが形成された図2(イ)に示すような金型に沿った粗バット本体1‘を形成する。
次いで、合わせ金型Cから粗バット本体1‘を取り出して、バリ取りなどを経て、粗バット本体1’から萎ませたチューブを取り去り、グリップエンドにある孔にエポキシ樹脂を充填して塞いだ後、ピンホールを塞ぐ目的等にパテによる表面研磨を行う。
次いで、粗バット本体1‘の表面にプライマー処理した後、ポリウレタン系塗料で下地塗装を行って図2(ロ)に示すようなバット本体1が形成される。
次に、このように形成されたバット本体1に、文字・装飾ディスプレイ2が透視可能な弾性層3を形成する形成方法を説明する。
バット本体1における打撃部A4表面が全周に亘って凹設された凹部1Aに対して、商品名や模様等を表示する文字・装飾ディスプレイ2を、図2(ハ)に示すように、シルクスクリーン印刷、パット印刷、水転写シール、熱転写シール、刻印等によって施す。(ディスプレイ形成工程)
次いで、打撃部A4の凹部1Aをさらにポリウレタン塗装からなる下地剤4を塗設して、文字・装飾ディスプレイ2をコーティングする。(下地層形成工程)
次いで、図3に示すように、バット中心軸が垂直となる縦姿勢のバット本体1の打撃部A4から先端部に亘って、内周面が打撃部A4の外面形状に形成された分割金型CAを包囲状態に設置して金型Cを形成し、打撃部A4と金型Cとの間に充填空間Sを形成する。(金型設置工程)
ここで、金型C内面には離型剤6が塗設されている。
次に、図4(イ)に示すように、充填空間Sに対して、ゲートGを開いた状態で空間上部S1と連通する注入路S2を通して、流動状態の透明性を有したポリウレタン樹脂素材からなる弾性材料3‘を、注入具7を介して注入して、空間下部S3から空間上部S1まで隙間なく充填する。(弾性層充填工程)
ここで、この実施形態における金型Cには、各分割金型CAに対応してゲートGが設けられている。
次に、充填によって弾性材料3‘に混じった気泡を注入路S2、連通路S2aを経由して、充填空間Sから外部に自然流出させる。(奪気工程)
次に、図4(ロ)に示すように、ゲートGを閉じた状態で、金型Cをヒータ等の加熱手段5を介して予備加熱成型した後、金型Cから脱型後、加熱炉等の加熱雰囲気内で弾性材料3‘を硬化させて打撃部に弾性層が一体形成された球技用バットAが形成される。(金型離脱工程)
次に、離型剤をふき取り、バットの種類に応じて、球技用バットAの握り部A2にグリップテープが巻装される。
このような構成の球技用バットAによれば、打撃部A4に弾性層3が存在することによって、文字・装飾ディスプレイ2を視認可能でありながら、弾性層自体が打球に対する高反発性を備えて打球に対応することができる。しかも、打球時の衝撃が直接に文字・装飾ディスプレイ2におよぶことがない肉厚のある弾性層3を形成することができ、底面1Bに施されている文字・装飾ディスプレイ2が剥げ落ちたりするような表示の劣化を生じることがない。
また、気泡のない肉厚のある弾性層3を形成して、弾性層の全体が均一した透明性を形成することができるとともに、保護に十分な肉厚を形成することに加えて、文字・装飾ディスプレイが肉厚のある弾性層を透過して視認することができるといった、レンズ的効果を生じさせることができる。
〔実験例〕
FRP性のバット本体1の打撃部A4に弾性層3が形成された球技用バットAと、金属バット(軟式野球用)との対比実験。
<対比条件>
全長が840mmで、ボールの打撃位置が、バット本体の先端から150mm手前で打撃部A4の中心位置に設定された球技用バットAを用いる。
弾性層3は、比重が1.03程度、ゴム硬度が70〜72度の範囲に入るものを用いた。
弾性層3の動的貯蔵弾性率が、測定温度が20度で周波数が100Hzの周波数分散測定において11〜16.5Mpaで、測定温度が25度で周波数が10Hzの周波数分散測定において10〜15Mpaの範囲に入るものを用いた。ここで、従来において、弾性層が、温度が20℃、周波数が100Hzにおける貯蔵弾性率が1.4Mpa以下であることによって、打撃性能の向上を図ったものが存在(特開2004−242738)するが、その貯蔵弾性率がこの実施形態の貯蔵弾性率である9〜19Mpaより低い領域に属していること、また、従来において、弾性層が、温度が25℃、周波数が10Hzにおける貯蔵弾性率が0.01Mpa〜6Mpaであることによって、打撃性能の向上を図ったものが存在(特開2004−242738)するが、その貯蔵弾性率がこの実施形態の貯蔵弾性率である9〜16Mpaより低い領域に属していることからして、ゴム硬度等の条件の異なりによって、実験条件は同じでも高い領域にも別の顕著性が存在する知見を得ている。
弾性層3の動的損失弾性率が、測定温度が20度で周波数が100Hzの周波数分散測定において0.5〜1Mpa程度で、測定温度が25度で周波数が10Hzの周波数分散測定において0.4〜0.7Mpa程度の範囲に入るものを用いた。
この条件において、バットのバッティング速度(バット速度)と、ボール速度(軟式ボールを使用)を変えて打撃直後のボールの反発速度を繰り返し計測した中の一例を示す。
<第1の実験結果>
金属バットでは、バッティング速度が111.82Km/h、ボール速度が104,29Km/h、ボールの反発速度が112.28Km/hであったのに対して、
打撃部に弾性層を形成するバットでは、バッティング速度が109.53Km/h、ボール速度が104.59Km/h、ボールの反発速度が118.10Km/hであり、金属バットに比べてボールの反発速度に5.18%の上昇が確認された。
<第2の実験結果>
金属バットでは、バッティング速度が103.39Km/h、ボール速度が95.71Km/h、ボールの反発速度が99.0Km/hであったのに対して、
打撃部に弾性層を形成するバット:バッティング速度が98.65Km/h、ボール速度が95.91Km/h、ボールの反発速度が107.17Km/hとなり、金属バットに比べてボールの反発速度に8.24%の上昇が確認された。
<考察>
近似範囲の対比実験でありながら、ボールの反発速度の点で顕著な違いが見られ、ボールの飛距離の向上が裏付けられた。
バットとボールの速度が遅い方が早い方に比べて、ボールの反発速度の上昇度合いが大きい理由として、先に説明したように、早い方が打撃時におけるボール自体の打撃変形量が大きく、ボールを受止める側の弾性層の粘弾性の弾性復元と変形したボールの弾性復元とが同期化が得られやすい傾向があり高い反発力がボールに作用するものと推察される。
また、軟式野球用バットにおいては、ゴム硬度が高硬度領域よりも低硬度領域の方がボールの反発速度が良好な結果が得られ、ゴム硬度が70以上では良好な結果がえられなかったが、打撃部に弾性層を備えるソフトボール用バットとソフトボールとの同様な実験では、高硬度領域のゴム硬度が90度まで良好な結果が得られた。
以上の対比実験をゴム硬度が40度〜90度の間の各数値に対応して実験したが、夫々同様な結果傾向を示し、前記の硬度の範囲内では相関性が認められたが、ゴム硬度が40度以下や90度以上ではボール反発速度に良好な結果が得られなかった。
弾性層のゴム硬度が、40度〜90度の範囲に設定されていることによって、弾性層の表面に、土、泥、塵埃等が付着したり傷が付いたりし難いことが実験によって分かっており、弾性層の透明性を十分に生かした硬度設定になっている。これは、透明性を有する弾性層のゴム硬度が40度以下である場合、土、泥、塵埃等が付着したりしやすく取り去り難く、弾性層のゴム硬度が90度以上である場合、透明に成型するのが難しく、白く濁った弾性層を形成する傾向を示した。
〔別実施形態〕
1) 上記各実施形態における打撃部A4の凹部1Aの深さは、両端を除いて均一深さに構成されているものについて説明したが、本発明はこれに限らず、図5に示すように、打撃部A4の中心付近が最少深さ寸法h1で最も凹部深さが浅く、この中央部分からバット先端側、及び、中央部分からグリップ側に向うに従って凹部深さ寸法h2,h3が深くなるように形成し、これら深さ寸法h1,h2,h3に対応する厚さ寸法で弾性層3を設けた構成であってもよい。
この場合、最少深さ部分に対応する弾性層3の厚さ寸法が高い打球反発性を形成する最少厚さ寸法に設定することによって、打撃部A4の中心でボールを打撃することで、高い反発力がボールに作用して飛距離の高い打撃状態を形成することができることに加えて、例え、打撃部の中心から前後に外れた部分でボールを打撃しても、高反発性を生じる最少深さ寸法より深い弾性層3で打撃されることになり、打撃部A4の中心が外れた打撃でありながら高い反発力をボールに付与することができるので、打撃性能の向上を図ることができる。
2) 上記実施形態では、打撃部A4の略全長、及び、全周に亘っての広い弾性層3を形成する例を説明したが、本発明はこれに限らず、打撃部A4の略全長、及び、全周に亘って広い弾性層3を形成する構成であってもよい。
また、打撃部A4の略全長、及び、全周に亘ることがなく、打撃部A4の中心を含む特定範囲のみに弾性層3を形成する構成であってもよい。
3) 上記実施形態では、バット本体1がFRPをバット素材とする球技用バットを形成する例を説明したが、本発明はこれに限らず、木材をバット素材とする球技用バットに適用しても、金属をバット素材とする球技用バットに適用しても、打撃部分とグリップ部分とが異なるバット素材からなるバットパーツを一体的に組合せて形成されている球技用バットに適用してもよい。
また、上記実施形態では、軟式野球用のバットである球技用バットに本発明を適用した例を説明したが、これに限らず、ソフトボール用バット、硬式野球用バット、ノック用及び打撃練習用バット等に本発明を適用してもよい。
4) 上記実施形態では、打撃部A4の弾性層3が、キャスチング・ポリウレタンからなるポリウレタン素材を熱硬化によって形成されるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、打撃部A4の弾性層3を、ポリウレタン素材を熱可塑によって形成するものであってもよい。
5) 上記実施形態の弾性層3は、透明性を有するキャスチング・ポリウレタンからなるポリウレタン素材から形成されるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、透明性を有し、且つ、ゴム硬度が40度〜90度のものが作成可能な、シリコーンゴム、オレフィン系(ポリプロピレン、ポリエチレン等)のエラストマー、ハロゲン系(塩化ビニル)のエラストマー、スチレン系(ポリスチレン等)のエラストマー、又は、これらの複合した複合材等であってもよい。
6) 上記実施形態では、打撃部A4における凹部1Aの底面1Bの全面に塗設された下地剤4を介して、弾性層3が凹部1Aに一体接合された例を説明したが、本発明はこれに限らず、少なくとも凹部の端部に下地剤を介して弾性層が一体接合されたものであってもよい。
7) 上記実施形態において、バット本体1に弾性層3を形成する金型Cでは、各分割金型CAに対応してゲートGが設けられている例を説明したが、図6(イ)、(ロ)に示すように、一方の分割金型CAにゲートGを設ける金型Cを用いても同様の作用効果を生じる。
尚、上記実施形態と同様構成部分には同符号を附してその詳細は省略する。
8) 上記各実施形態の金型Cは、ゲートGを閉じることによって、充填空間Sと注入口S2との連通状態を遮断するとともに、金型C内に充填空間Sを孤立状態にするものについて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図7に示すように、一対の一方の分割金型CAの上部に開放された注入口S2が形成され、両分割金型CAが合わされた状態で、前記注入口S2と充填空間Sとが連通する連通路S2aが他方の分割金型CAに形成されているとともに、注入口S2と打撃部A4の凹部1Aの上端部が連通する設置状態で、バット先端部の下部にバット本体1を下方に移動可能な型内空間8を下部に形成する金型Cであってもよい。
この金型C場合、図7(イ)に示すように、充填空間Sに対して、注入路S2を通して弾性材料3‘を、注入具7を介して注入して、充填空間Sの空間下部S3から注入路S2に至るまで隙間なく充填した後、充填によって弾性材料3‘に混じった気泡を注入路S2、連通路S2aを経由して、充填空間Sから外部に自然流出させる。
そして、図7(ロ)に示すように、金型Cに対してバット本体1を下部の型内空間8に向けて押し下げて、充填空間Sと注入口S2及び連通路S2aとの連通状態を遮断するとともに、金型C内に充填空間Sを孤立状態にして、充填空間S内に充填された弾性材料3‘を予備加熱成型させた後、金型Cから脱型後、加熱炉等の加熱雰囲気内で弾性材料3‘を硬化させて打撃部に弾性層3が一体形成された球技用バットAを形成することができる。ここで、金型C下部の型内空間8内の空気は、バット本体1の押し下げによって、分割金型CA同士の合わせ目から放出される。
このような形成方法によれば、表面品質が良好な弾性層3を形成することができ、しかも、例えば、図4、図6に示すような金型タイプにおいて、充填空間Sに弾性材料3‘を充填する際には注入口S2を開き、充填を終えると注入口S2を閉じる構造あることによって、充填空間Sの上部空間S1にゲートGの閉じ面が対応して、弾性層3表面に僅かな痕跡を残してしまうものに比べて、そのような痕跡を残すことがなく品質の向上を図ることができる。
続いて、この他の金型Cとして、例えば、図8に示すように、一対の一方の分割金型CAの上部に開放された注入口S2が形成され、両分割金型CAが合わされた状態で、前記注入口S2と充填空間SがゲートGを介して連通する連通路S2aが他方の分割金型CAに形成されているとともに、金型上部の注入口と打撃部A4の凹部1Aの上端部が連通する設置状態で、バット先端部の下部にバット本体1を下方に移動可能な型内空間8を形成するものであってもよい。
このような金型Cの場合、図8(イ)に示すように、ゲートGを開けて、充填空間Sに対して注入路S2を通して弾性材料3‘を、注入具7を介して注入して、充填空間Sの空間下部S3から注入路S2に至るまで隙間なく充填した後、充填によって弾性材料3‘に混じった気泡を注入路S2、連通路S2aを経由して、充填空間Sから外部に自然流出させる。
そして、図8(ロ)に示すように、ゲートGを閉じて、充填空間Sと注入口S2及び連通路S2aとの連通状態を遮断するとともに、金型Cに対してバット本体1を下部の型内空間8に向けて押し下げて、金型C内に充填空間Sを孤立状態にして、充填空間S内に充填された弾性材料3‘を予備加熱成型させた後、金型Cから脱型後、加熱炉等の加熱雰囲気内で弾性材料3‘を硬化させて打撃部に弾性層が一体形成された球技用バットAを形成することができる。
このような形成方法においても、表面品質が良好な弾性層3を形成することができ、しかも、例えば、図4、図6に示すような金型タイプにおいて、充填空間Sに弾性材料3‘を充填する際には注入口S2を開き、充填を終えると注入口S2を閉じる構造あることによって、充填空間Sの上部空間S1にゲートGの閉じ面が対応して、弾性層3表面に僅かな痕跡を残してしまうものに比べて、そのような痕跡を残すことがなく品質の向上を図ることができる。
尚、上記実施形態と同様構成部分には同符号を附してその詳細は省略する。
本発明を適用した球技用バットの構造を示す説明図(イ)はバットの外観を示す説明図(ロ)は打撃部の弾性層を断面にて示す説明図(ハ)はバット全体を断面にて示す説明図 球技用バットの形成方法を示す説明図(イ)は金型によって打撃部に凹部が形成された粗バット本体を示す説明図(ロ)は打撃部に凹部が形成されたバット本体を示す説明図(ハ)は凹部の底面に文字・装飾ディスプレイを施したバット本体を示す説明図 金型にバット本体の打撃部を設置した状態を示す簡略縦断面図 弾性層の形成方法を示す説明図(イ)は金型内の充填空間に弾性材料を充填した状態を示す説明図(ロ)は予備加熱成型している状態を示す説明図 本発明を適用した球技用バットの要部拡大断面図 本発明を適用した弾性層の形成方法を示す説明図(イ)は金型内の充填空間に弾性材料を充填した状態を示す説明図(ロ)は予備加熱成型している状態を示す説明図 本発明を適用した弾性層の形成方法を示す説明図(イ)は金型内の充填空間に弾性材料を充填した状態を示す説明図(ロ)は予備加熱成型している状態を示す説明図 本発明を適用した弾性層の形成方法を示す説明図(イ)は金型内の充填空間に弾性材料を充填した状態を示す説明図(ロ)は予備加熱成型している状態を示す説明図
符号の説明
A 球技用バット
A4 打撃部
1 バット本体
1A 凹部
1B 底面
1C 端部
2 文字・装飾ディスプレイ
3 弾性層
3‘ 弾性材料

Claims (2)

  1. バット本体における打撃部表面が全周に亘って凹設され、且つ、バット先端側とバット基端側の端部が底部に向って次第に深くなる湾曲形状に形成された凹部の底面に対して、文字・装飾ディスプレイを施すディスプレイ形成工程と、
    文字・装飾ディスプレイが施された打撃部の凹部に下地剤を塗設する下地層形成工程と、
    バット中心軸がほぼ垂直となる縦姿勢のバット本体の打撃部に、内周面が打撃部の表面形状に形成された分割金型を包囲状態に設置して金型を形成し、打撃部と金型との間に環状の充填空間を形成する金型設置工程と、
    充填空間に対して、バット本体の凹部の端部に横方向で対向するように充填空間の上端部の外周面に下部注入口を開口連通させる状態で金型に形成した注入路を介して、流動状態の透明性を有する弾性材料を流し込みによって、充填空間の下部から上部まで隙間なく充填する弾性層充填工程と、
    充填によって弾性材料に混じった気泡を注入路から自然流出させる奪気工程と、
    注入路から気泡を自然流出させた後、金型に設けられたゲートを横方向に沿う内方移動で閉じて前記ゲートで注入路の下部注入口に打撃部の表面形状を形成する形成面を構成する状態で下部注入口を閉塞することによって空間上端部と注入路との連通を遮断する工程と、
    空間上端部と注入路との連通を遮断した後、充填された弾性材料の硬化を待って金型からバット本体を離脱して、打撃部に弾性層が一体形成された球技用バットを完成させる金型離脱工程を備える球技用バットの形成方法。
  2. バット本体における打撃部表面が全周に亘って凹設された凹部の底面に対して、文字・装飾ディスプレイを施すディスプレイ形成工程と、
    文字・装飾ディスプレイが施された打撃部の凹部に下地剤を塗設する下地層形成工程と、
    バット中心軸がほぼ垂直となる縦姿勢のバット本体の打撃部に、内周面が打撃部の表面形状に形成された分割金型を包囲状態に設置して金型を形成し、打撃部と金型との間に環状の充填空間を形成する金型設置工程と、
    空間上端部と注入路とが連通するようにバット本体を金型内の上方側に設置した状態において、充填空間に対し前記注入路を介して流動状態の透明性を有する弾性材料を流し込みによって、空間下部から上部まで隙間なく充填する弾性層充填工程と、
    充填によって弾性材料に混じった気泡を注入路から自然流出させる奪気工程と、
    注入路から気泡を自然流出させた後、バット本体を金型内で下方に押し下げて空間上端部と注入路との連通を遮断する工程と、
    空間上端部と注入路との連通を遮断した後、充填された弾性材料の硬化を待って金型からバット本体を離脱して、打撃部に弾性層が一体形成された球技用バットを完成させる金型離脱工程を備える球技用バットの形成方法。
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