JP4166541B2 - 工業用織物の継手およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は抄紙用ドライヤーカンバス、カッターマシン用の搬送ベルト等の製紙機械用織物、ベルトプレス脱水機をはじめとする各種汚泥やスラリーの脱水用機械で用いるフィルターベルト、あるいは、一般搬送用ベルト、一般乾燥機用ベルト等の各種工業用織物の継手およびその製造方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、織物を構成する経糸とは別の合成樹脂モノフィラメントもしくは合繊繊維糸条よりなる糸条を用いて織物の両端部に接合用ループ列を形成し、または、それら糸条により形成した接合用部材を織物の両端部に取り付けることにより接合用ループ列を形成し、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成した共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための工業用織物の継手およびその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、工業用織物を無端状に接合するための継手には種々あるが、例えば、図21〜図23に示すように、経糸1と緯糸2(工業用織物の長さ方向,すなわち機械方向の糸を経糸、それと直交する幅方向の糸を緯糸と称する。)とを単層織物、特に平織織物のオープンメッシュに製織されてなる抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、基布両端部に端部の緯糸2を除去することにより延出された延出経糸1の隣接する2本の経糸1の一方を折り返して接合用ループ3を形成し、他方を一方の経糸1の折り返し長さに応じて切断、除去し、この除去により生じた経糸1の欠如部に折り返し経糸1が綴り込まれ、スパイラル線4を上記接合用ループ3に係合させて(図23)、あるいはスパイラル線4を上記接合用ループ3と接合用ループ3に挿通された補助芯線5とに係合させて(図21,図22)継手部とするものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また別の継手として、例えば,図24に示すように、経糸11と緯糸12を平織織物としたオープンメッシュタイプの抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、織物端部から、経糸11,11間に高強力な細い別糸よりなるループ形成糸13が折り返されながら連続的に綴り込まれ、端部の折り返し部分において該ループ形成糸13による接合用ループ14が形成される継手部であって、ループ形成糸13に、経糸11の線径より細い線径のものを用いることにより、該ループ形成糸13はカンバス本体の表裏面よりも沈んだ位置にあり、カンバス走行時には殆ど摩耗を受けることがないものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実開平7-40800号公報(請求項1、図1から図3)
【特許文献2】
実開昭58−128999号公報(P.2からP.4、第1図、第2図)
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された継手においては、工業用織物の使用時に織物の経糸方向に加わる張力が、スパイラル線4を経糸方向に引っ張るように作用するが、これによってスパイラル形状の中央部の厚さで規定されるスパイラルの断面形状の厚さ(図22における厚さb)が減少したとしても、少なくとも接合用芯線(図示していない)の厚さ(c)にスパイラル線4を構成する線材の厚さ(d)の2倍を加えた厚さa(=c+2d)よりも小さくなることはなく、用いるスパイラル線4の線材やスパイラル形状の選択によっては、前記厚さbもしくは厚さaで規定される接合部の厚さが、織物本体の厚さよりも厚いものとなり、湿紙(紙シート)等の搬送物にマークを付すことによる製品品質上の不具合を生ずる危険性がある。
【0007】
さらに、緯糸2のうち最先端の緯糸2aは、平織組織に従って経糸1と交錯しているが、特に、織物の先端側について言えば、経糸1を折り返して形成した接合用ループ3が存在するものの、他の緯糸2と比べると経糸1との交錯による拘束が弱く、最先端の緯糸2aが使用中に先端方向あるいは幅方向に移動ないし抜け出るおそれがある。
【0008】
また、特許文献2に開示された継手では、別糸からなるループ形成糸13による綴り込みと接合用ループ14の形成に多大な手間と時間を要するほかに、特に高温度、高張力の使用条件によっては、長時間の使用の際に、ループ形成糸13の織物側折り返し部分15が経糸11の方向に引っ張られて織り目16において経糸11と緯糸12の交絡部の間を潜って接合用ループ14の側に移動して、ループ形成糸13の綴りが弛むことがある。このループ形成糸13の弛みを防止するために接着剤で止めたり、ループ形成糸13の折返しの方法を、例えば図24の破線(丸囲み部分17参照)で示すように、一方側(図の下側)は緯糸12の上に配し、他方側(図の上側)を緯糸12の下側に配することにより、経糸11と緯糸12との交絡部にたすき掛け状に綴り込むように変更したりすると、接着剤で凸部を生じたり、ループ形成糸13を端部の織組織に沿わせて綴れない箇所(たすき掛け状部分)が生じて凸部となったりする。
【0009】
さらには、織物端部の織組織に加えて別糸によるループ形成糸13を綴り込むため、織り目の空隙を狭め、その部分の通気性を低下させたり、その部分に紙粉その他の汚れ物質が付着、堆積したりし易く、目詰まりの原因となり易いため、特に抄紙機の乾燥工程でドライヤーカンバスとして使用する場合や一般の乾燥工程等では、湿紙(紙シート)等の搬送物に乾燥斑を生じ品質を低下させるおそれがある。また、オープンメッシュのカッターマシン用の搬送ベルト等においては、ループ形成糸13を綴り込んだ部分に生じた目詰まりが原因で、紙シート等の搬送物を搬送ベルトの裏側から吸引する性能の低下に繋がり、紙シート離れが発生するおそれがある。
【0010】
本発明は、以上に述べた従来の工業用織物の継手における欠点に鑑み、織物の両端部それぞれに織物を構成する経糸とは別の糸条を綴り込んで接合用ループ列を形成し、あるいは、別の糸条により形成した接合用ループ列を有する接合用部材を織物の両端部それぞれに取り付けて接合用ループ列を形成し、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成した共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための工業用織物の継手における改良に係るものであって、織物本体に対して等価な継手部、すなわち、寸法的厚さおよび特性を同等に維持し、良好な継手部の表面性と通気性を達成することが可能で、従来の継手における製品品質上の問題点を解消すると共に、従来の継手に比して継手部製作時の手間と人手の大幅な削減が可能な、工業用織物の継手およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下のような構成としたことを特徴とする。なお、以下の説明において、「経糸」および「緯糸」なる用語は、原則として、工業用織物の長さ方向,すなわち機械方向の糸条を経糸、これと直交する幅方向の糸条を緯糸と称するが、一部、継手の製造過程において、継手部織機に織物を仕掛ける際に、織物の長さ方向を継手部織機の機械方向と直交方向に、幅方向を継手部織機の機械方向に仕掛ける場合があり、その場合には、継手部織機の機械方向を基準にして、工業用織物の長さ方向を緯糸、それと直交する幅方向を経糸と称する場合があるが、後者の場合にはそれぞれの個所において、混乱のないように、その旨説明を加えている。
【0012】
本発明は、経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて織成した工業用織物の両端部において、緯糸を織物の端部から内側の所定長にわたって除去することにより、すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、各端部において、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むと共に、織物を構成する経糸とは別の接合用部材形成糸条からなり、多数の接合用ループを有する接合用部材であって、接合用ループ形成芯線、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線の周りを、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向、かつ、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向に捲回させて形成した捲回ループ形状を有する接合用部材を、織物の全幅にわたって、最先端緯糸または最先端の緯糸および最先端から2番目の緯糸に係合して取り付けることにより、織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列であって、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成する共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための接合用ループ列を具備することを特徴とする工業用織物の継手とした(請求項1)。
【0013】
本発明はまた、前記接合用部材が、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線の周りをそれぞれ反対方向に捲回させ、前記本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線に捲回させないで形成した一の捲回ループ形状と、接合用ループ形成芯線、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線の周りを、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向、かつ、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向に捲回させて形成した他の捲回ループ形状とが、交互に混在することを特徴とする請求項1に記載の工業用織物の継手とした(請求項2)。
【0014】
本発明はまた、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、該最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回すると共に、前記接合用部材とも係合させて折り返すことを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物の継手とした(請求項3)。
【0015】
本発明はまた、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、該最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回すると共に、前記接合用部材とも係合させて折り返す部位と、該最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回するだけで、前記接合用部材と係合させずに折り返す部位とが、織物の全幅にわたって、規定の順序ならびに部位数に従って混在するように折り返したことを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物の継手とした(請求項4)。
【0016】
本発明はまた、経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて織成した工業用織物の両端部において、緯糸を織物の端部から内側の所定長にわたって除去することにより、すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、各端部において、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むと共に、織物を構成する経糸とは別の接合用ループ糸条を用い、該接合用ループ糸条を、前記接合用ループ形成芯線、前記最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向、かつ、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む綴り込み態様を有する態様によって綴り込み、前記接合用ループ糸条による接合用ループを織物の全幅にわたって多数形成することにより、織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列であって、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成する共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための接合用ループ列を具備することを特徴とする工業用織物の継手とした(請求項5)。
【0017】
本発明はまた、前記接合用ループ糸条が、前記最先端緯糸の外側に沿って配置した接合用ループ形成芯線および前記最先端緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させ、前記最先端から2番目の緯糸を捲回しないで折り返して綴り込む一の綴り込み態様と、該接合用ループ糸条を、前記接合用ループ形成芯線、前記最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向、かつ、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む他の綴り込み態様とが、織物の全幅にわたって、交互に混在することを特徴とする請求項5に記載の工業用織物の継手とした(請求項6)。
【0018】
本発明はまた、前記接合用ループ糸条を、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸であって、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返した後に織物の織組織に相応する織組織で織り込む経糸の折り返し部分にも絡ませたことを特徴とする請求項5または6に記載の工業用織物の継手とした(請求項7)。
【0019】
本発明はまた、前記接合用ループ糸条を、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸の折り返し部分にも絡ませた部位と、前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すだけで、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸の折り返し部分には絡ませていない部位とが、織物の全幅にわたって、規定の順序ならびに部位数に従って混在することを特徴とする請求項5または6に記載の工業用織物の継手とした(請求項8)。
【0020】
本発明はまた、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、前記最先端緯糸だけに対してその周りを捲回して折り返すことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の工業用織物の継手とした(請求項9)。
【0021】
本発明はまた、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を前記いずれかの緯糸の周りに捲回させて折り返す際に、各々の経糸を前記最先端緯糸の周りと最先端から2番目の緯糸の周りをそれぞれ交互に捲回させて折り返すことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の工業用織物の継手とした(請求項10)。
【0022】
本発明はまた、前記接合用部材形成糸条、または、前記接合用ループ糸条が、織物を構成する経糸モノフィラメントよりも繊度の細い合成樹脂モノフィラメントより成ることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の工業用織物の継手とした(請求項11)。
【0023】
本発明はまた、前記接合用部材形成糸条、または、前記接合用ループ糸条が、織物を構成する経糸モノフィラメントよりも耐熱性および/または耐摩耗性に優れる糸条より成ることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の工業用織物の継手とした(請求項12)。
【0024】
本発明はさらに、経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて織成した工業用織物の両端部に、多数の接合用ループより成る接合用ループ列であって、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成する共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための接合用ループ列を具備する工業用織物の継手を形成するための製造方法であって、該製造方法が、前記工業用織物を、経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて製織し、ヒートセット加工を施し、さらに、必要な長さおよび幅寸法に切断した後、織物の長さ方向両端部において、織物を構成する緯糸をそれぞれの端部から内側の所定長にわたって除去することにより、織物を構成する経糸をすだれ状に延出させる工程と、予め設定してある規定の織組織パターンに従って継手部製織時の緯糸の開口状態を循環的に切り替えることができる開口装置、もしくは、該開口装置を備えた継手部織機を用いることにより、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、各端部において、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むと共に、接合用部材形成糸条からなり、多数の接合用ループを有する接合用部材であって、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線の周りをそれぞれ反対方向に捲回させて形成した一の捲回ループ形状と、接合用ループ形成芯線、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線の周りを、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向、かつ、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向に捲回させて形成した他の捲回ループ形状の、いずれか1種の捲回ループ形状によって、または、前記2種の捲回ループ形状を混在させて形成した接合用部材を、織物の全幅にわたって、最先端緯糸または最先端の緯糸および最先端から2番目の緯糸に係合して取り付けることにより、織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列を形成する工程と、さらに、前記接合用ループ列を形成した後に、継手部製織時に挿通している接合用ループ形成芯線、もしくは、それとは別のヒートセット用のループ形成芯線を代わりに挿入した状態で、織物両端部にヒートセット加工を施す工程とを含むことを特徴とする工業用織物の継手の製造方法とした(請求項13)。
【0025】
本発明はさらに、経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて織成した工業用織物の両端部に、多数の接合用ループより成る接合用ループ列であって、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成する共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための接合用ループ列を具備する工業用織物の継手を形成するための製造方法であって、該製造方法が、前記工業用織物を、経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて製織し、ヒートセット加工を施し、さらに、必要な長さおよび幅寸法に切断した後、織物の長さ方向両端部において、織物を構成する緯糸をそれぞれの端部から内側の所定長にわたって除去することにより、織物を構成する経糸をすだれ状に延出させる工程と、予め設定してある規定の織組織パターンに従って継手部製織時の緯糸の開口状態を循環的に切り替えることができる開口装置、もしくは、該開口装置を備えた継手部織機を用いることにより、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、各端部において、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むと共に、接合用ループ糸条を用い、該接合用ループ糸条を、前記最先端緯糸の外側に沿って配置した接合用ループ形成芯線および前記最先端緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む一の綴り込み態様と、該接合用ループ糸条を、前記接合用ループ形成芯線、前記最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向、かつ、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む他の綴り込み態様の、いずれか1種の綴り込み態様によって、または、前記2種の綴り込み態様を混在させて綴り込み、前記接合用ループ糸条による接合用ループを織物の全幅にわたって多数形成することにより、織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列を形成する工程と、さらに、前記接合用ループ列を形成した後に、継手部製織時に挿通している接合用ループ形成芯線、もしくは、それとは別のヒートセット用のループ形成芯線を代わりに挿入した状態で、織物両端部にヒートセット加工を施す工程とを含むことを特徴とする工業用織物の継手の製造方法とした(請求項14)。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の工業用織物の継手およびその製造方法の各種の実施の形態について、図1から図20に基づき、以下に説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態に係る工業用織物の継手の要部平面図を示し、図2はその製造方法について説明する各ステップにおける図1の経糸方向に沿って切断した断面図を示す。
【0028】
本発明に使用する工業用織物20は、例えば、図3(A)に示すように、経糸26および緯糸27に合成樹脂モノフィラメントを用いて平織織物に製織後、公知、常用の方法でヒートセット加工を施した後、必要な長さおよび幅寸法に切断し、その長手方向の両端部に継手部を形成したものである。
【0029】
すなわち、継手部の製造においては、まず、切断した織物20の長さ方向両端部24において、織物20を構成する緯糸27をそれぞれの端部から内側の所定長だけ抜き取ることにより、織物20を構成する経糸26を、図3(B)に示すように、すだれ状に延出させたものを準備する。
【0030】
この図3(B)のすだれ状に延出させた経糸26を有する織物20を、例えば図4に示すような、ヘルドのメールに挿通した糸条を紋栓カード等に設定してある規定の織組織パターンに従って上下に開口することのできる公知のジャガード装置21を備えた継手部織機22に、先に除去した緯糸27のうち所定本数を継手部織機22で製織する際の経糸23として仕掛け、織物端部24における前記のすだれ状に延出した経糸26を継手部製機22で製織する際の緯糸25として、ジャガード装置21によって開口させた経糸23,…23の開口部に挿通させ、規定の織組織パターンに従って織り込むことにより、継手部の製造を行う。
【0031】
継手部の製造においては、別の糸条により形成した接合用ループ列を有する接合用部材を織物20の両端部24それぞれに取り付けて接合用ループ列を形成する(第1実施形態)。あるいは、織物20の両端部24それぞれに織物を構成する経糸26とは別の糸条を綴り込んで接合用ループ列を形成する(第2実施形態)。
【0032】
また、本発明に使用する前記接合用ループ列を有する接合用部材は、連続した合成樹脂モノフィラメントの接合用ループ糸条30を、接合用ループ形成芯線31,最先端緯糸係合用ループ形成芯線32および最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線33に対して、図5ないし図7のいずれかのように捲回して構成する。
【0033】
図5は、連続した合成樹脂モノフィラメントの接合用ループ糸条30を、接合用ループ形成芯線31および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32の周りに、それぞれ反対方向(8の字状)に捲回させて形成した一の捲回ループ形状34aを有する接合用部材34Aの正面図である。
【0034】
図6は、連続した合成樹脂モノフィラメントの接合用ループ糸条30を、接合用ループ形成芯線31、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線33に対して、接合用ループ形成芯線31および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32の周りをそれぞれ反対方向(8の字状)、かつ、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線33の周りをそれぞれ反対方向(8の字状)に捲回させて形成した、他の捲回ループ形状34bを有する接合用部材34Bの正面図である。
【0035】
図7は、前記2種の捲回ループ形状(34a,34b)を混在させて形成した形状34cによるさらに他の接合用部材34Cの斜視図であって、例えば、図示するように、接合用ループ形成芯線31、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線33の3本のループ形成芯線に対して、連続した合成樹脂モノフィラメントより成る接合用ループ糸条30を、交互に巻き方向を変えながら捲回し、捲回した状態で熱処理をすることにより得られる。なお、図7では、前記2種の捲回ループ形状(34a,34b)を交互に混在させて形成した接合用部材34Cの例を示している。上記図5ないし図7のいずれの場合にも、接合用ループ形成芯線31周りに形成した多数の接合用ループより成る接合用ループ列40を有する接合用部材34が形成される。
【0036】
次に、織物の両端部それぞれに、別途作成した前記接合用ループ列40を有する接合用部材34を取り付けて接合用ループ列を形成する例について、以下に、説明する。
【0037】
まず、図3に示すように、経糸26および緯糸27から成り、例えば平織組織に織成された織物20の長さ方向両端部24{図3(A)の状態}において、所定長に亘って緯糸27を除去し、経糸26を織物端部よりすだれ状に延出させた{図3(B)の状態}ものを準備する。
【0038】
図1は、前述の図7に示した2種類の捲回ループ形状(34a,34b)を交互に形成した捲回ループ形状34cを有する接合用部材34Cを織物端部24に取り付けた継手部構造の要部平面図である。図2の1からIVは、図1の継手部の作成手順におけるステップ1からステップIVについて説明する、図1の継手形成後の経糸方向に沿った断面図である。
【0039】
このタイプの継手を作成するには、先ず、織物端部24より除去した緯糸27のうち所定本数を、継手部織機22で製織する際の経糸23として、継手部織機22の開口装置、すなわち例えばジャガード装置21に備わるヘルドのメール(図示省略)に挿通して仕掛ける。さらに、前記経糸26をすだれ状に延出した織物端部24を、前記開口装置のヘルドのメールに挿通して仕掛けた前記緯糸27に隣接させて継手部織機22に仕掛ける。
【0040】
続いて、先に準備した接合用部材34、形成後の継手部で最先端の緯糸28となる継手部織機22における端部から1番目の経糸23a、ならびに、最先端から2番目の緯糸29となる継手部織機22における端部から2番目の経糸23bを一体として、先に仕掛けた前記緯糸27に隣接させて織物端部24と反対側、すなわち継手部の先端側に仕掛ける。継手部織機22における最先端の緯糸28となる(継手部製織時の端部から1番目の経糸)23a、ならびに、最先端から2番目の緯糸29となる(継手部製織時の最先端から2番目の経糸)23bは、前記継手部織機22の開口装置に備わるヘルドのメールに挿通させずに継手部織機22に仕掛ける。また、接合用部材34は、その形成時における本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32の位置に、それに替えて前記継手部織機22における端部から1番目の経糸23aを挿通させ、その形成時における本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線33の位置に、それに替えて前記継手部織機22における端部から2番目の経糸23bを挿通させた状態で仕掛ける。
【0041】
なお、図1および図2では、接合用部材34の形成時における接合用ループ形成芯線31の位置には経糸を挿通させずに継手部織機22に仕掛ける例を示して説明したが、必要によっては、接合用ループ形成芯線31に相当する糸条(図1では破線で示した)を挿通して仕掛けても良い。
【0042】
続いて、以下に説明するステップIからステップIVの要領で、接合用部材34を織物の端部に係止して継手部を形成する。
【0043】
[ステップI]
すなわち、図2のステップIで、継手部織機22で製織する際の経糸23,…23を織物組織に従って図示する開口状態に開口させ、経糸23,…23の開口部(図4参照)を作る。その開口部に、前記織物端部24において、すだれ状に延出した経糸26のうち1本おきの端部を継手部織機22で製織する際の緯糸25(緯糸25a)として挿通させた後、継手部織機22における最先端から2番目の経糸23bの上側から反時計回りに捲回させる。
【0044】
[ステップII]
続いて、ステップIIで、継手部織機22における端部から1番目の経糸23aの下側から前述と反対に時計回りに捲回させると共に接合用部材34とも係合させて後、上方へ引き上げる。すなわち、前記接合用部材34を形成する際に、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32の周りに形成したループであって、前記継手部織機22における端部から1番目の経糸23aに係止されているループに、前記緯糸25aを絡めて係合させると共に、端部から1番目の経糸23aの下側から捲回させた後、上方へ引き上げる(図1では▲1▼の部分に該当)。
【0045】
ステップIIで、経糸23,…23を織物組織に従って図示する開口状態に開口させ、ステップIで引き上げた緯糸25aの端部を、前記継手部織機22における端部から1番目の経糸23aの上側について時計回りに捲回させ、続いて、端部から2番目の経糸23bの下側から反時計回りに捲回させた後、経糸23,…23の開口部に挿通させて織り込み、緯糸25aの糸端を織物表面から引き出した状態で次のステップに進む(図1では▲2▼の部分に該当)。
【0046】
[ステップIII]
ステップIIIで、織物組織に従って図示する開口状態に開口させ、先にステップI、ステップIIで織り込んだ緯糸25aに続く、次の緯糸25bを開口部に挿通させて、緯糸25bの糸端を織物表面から引き出した状態で織り込む。このステップのIIIの開口状態では、経糸23,…23を全て開口させず、経糸23,…23のうち緯糸25bを織り込むのに必要な織物端部24側の一部の経糸だけを開口させる(図1では▲3▼の部分に該当)。
【0047】
[ステップIV]
ステップIVは、一循環した後のステップIと同じである。図1では、先のステップIIで織り込んだ緯糸25aと、ステップIIIで織り込んだ緯糸25bとが、部分的に並列的に引き揃えられた状態で織り込まれているのが判る(図1では▲4▼の部分)。
【0048】
上記のように織物組織に従って開口状態を順次変化させることにより、継手部織機22で製織する際の緯糸25(緯糸25a、緯糸25b)が織物の織組織(本例では平織組織)に相応する織組織で織り込まれることになる。つまり、上記織り込んだ緯糸25aと緯糸25bとが、それぞれの先端の部分同士が引き揃えられた状態で織り込まれている部分(図1では▲4▼の部分)を除いて織物の織組織と同一の織組織(本例では平織組織)で織り込まれる、すなわち織物の織組織に相応する織組織で織り込まれることになる。
【0049】
織物表面から引き出した緯糸25aおよび緯糸25bの端部の余分な部分は、後で、使用時の織物表面から突出しないように長さを調整して切り揃える。
【0050】
上記ステップIIIでは、緯糸25bの糸端を織物表面から引き出す位置が、緯糸25aの糸端を織物表面から引き出す位置よりも織物の端部側(図1および図2で左側)に位置する。
【0051】
上記により、すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25a)を、形成後の継手部で最先端の緯糸28となる継手部織機22における端部から1番目の経糸23aを捲回して折り返した後に、織物の織組織(本例では平織組織)に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの残部の経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25b)であって、前記折り返した経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25a)に隣り合う経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25b)を、前記最先端緯糸から内側の所定位置、すなわち織物の端部から織物本体側の所定位置まで切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むことになる。
【0052】
上記図1および図2による説明では、すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25a)を、形成後の継手部で最先端の緯糸28となる継手部織機22における端部から1番目の経糸23aだけに対してその周りを捲回させて折り返す例を示したが、これに限定されず、例えば、図16および図17に示すように、形成後の継手部で最先端の緯糸28となる継手部織機22における端部から1番目の経糸23aの周りと、最先端から2番目の緯糸29となる継手部織機22における端部から2番目の経糸23bの周りをそれぞれ交互に捲回させて折り返すなど、形成後の継手部で最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すことも可能である。<請求項9、請求項10>
【0053】
また、図2のステップIIおよび/またはステップIIIの開口状態を一部変更することによって、織物表面から引き出した緯糸25aおよび緯糸25bの端部の引き出し位置を分散させて、上記織り込んだ緯糸25aと緯糸25bとが部分的に引き揃えられた状態で織り込まれている部分(図1では▲4▼の部分)を、図1に示すように、織物の幅方向および長さ方向に分散させても良く、それにより、継手部の強力や表面性を良好にすることが可能となり好ましい。
【0054】
さらに、上記織り込んだ緯糸25aと緯糸25bとが部分的に引き揃えられた状態で織り込まれている部分(図1では▲4▼の部分)における、引き揃えられた状態で織り込まれている部分の長さや位置は、適宜好適に選択可能であり、実作業においては、継手部織機22の開口装置、例えばジャガード装置21に織組織パターンを前もって設定しておくことにより開口状態を循環的に切り替えることができ、作業者の都度の手間を必要とせずに製作が可能である。
【0055】
図1および図2に示した例は、図5に示すように、接合用ループ糸条30を、接合用ループ形成芯線31および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32の周りをそれぞれ反対方向に捲回させて形成した一の捲回ループ形状34aと、図6に示すように、接合用ループ形成芯線31、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線33に対して、接合用ループ形成芯線31および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32の周りをそれぞれ反対方向(8の字状)、かつ、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線33の周りをそれぞれ反対方向(8の字状)に捲回させて形成した他の捲回ループ形状34bとを、図7に示すように、交互に混在させて形成した捲回ループ形状34cを有する構成の接合用部材34Cを用いる工業用織物の継手の例であるが、本発明はこれに限定するものではない。
【0056】
例えば図15に示すように、接合用ループ糸条30を、前述の図5に示す接合用ループ形成芯線31および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線32の周りをそれぞれ反対方向(8の字状)に捲回させて形成した1種類の捲回ループ形状34aだけからなる接合用部材34Aや、また、例えば図16や図17に示すように、前記一の捲回ループ形状34aと前記他の捲回ループ形状34bとが1:1,1:2もしくは1:3比率で順次混在して形成された捲回ループ形状34cを有する接合用部材34Cを用いて工業用織物の継手を構成することも可能である。<請求項2>
【0057】
一方、図1および図2に示した例は、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸を、形成後の継手部における最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、該最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回すると共に、前記接合用部材34の接合用ループ形成芯線(図示破線で示す31)とも係合させて折り返す構成の工業用織物の継手の例であるが、本発明はこれに限定するものではない。
【0058】
例えば図17に示すように、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸を、形成後の継手部における最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、該最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回すると共に、前記接合用部材34Cとも絡ませて折り返す部位36と、該最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回するだけで、前記接合用部材34Cとは絡まさないで折り返す部位37とが、織物の全幅にわたって、規定の順序ならびに部位数に従って、例えば交互に混在するように折り返す構成の工業用織物の継手とすることも可能である。<請求項3、請求項4>
【0059】
次に、織物20の両端部24それぞれに、織物20を構成する経糸とは別の、合成樹脂モノフィラメントもしくは合繊繊維糸条よりなる糸条を綴り込んで接合用ループ列を形成する例について、以下に、説明する。
【0060】
まず、先に説明した例と同じく、図3に示すように、経糸26および緯糸27から成り、例えば平織組織に織成され所定寸法に切断された織物20の両端部24(図3(A)の状態)において、端部から所定長に亘って緯糸27を除去し、経糸26を織物端部よりすだれ状に延出させた(図3(B)の状態)ものを準備する。
【0061】
図8は、織物を構成する経糸とは別の接合用ループ糸条35を用い、該接合用ループ糸条35を、接合用ループ形成芯線41、継手部織機22における端部から2番目の経糸45b(すなわち、形成後の継手部での最先端緯糸28)、および、継手部織機22における端部から3番目の経糸45c(すなわち、形成後の継手部での最先端から2番目の緯糸29)に対して捲回させて、織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列40を形成した継手部構造の概略平面図である。
【0062】
また、図9のI〜VIIは、図8の継手の作成手順におけるステップIからステップVIIについて説明する、図8の継手形成後の経糸方向に沿った断面図である。
【0063】
このタイプの継手を作成するには、先ず、織物端部24から除去した緯糸27のうち所定本数を、図4に示す継手部織機22で製織する際の経糸23として、継手部織機22の開口装置、すなわちジャガード装置21に備わるヘルドのメール(図示省略)に挿通して仕掛ける。さらに、前記織物端部24を先に仕掛けた前記緯糸27に隣接させて継手部織機22に仕掛ける。
【0064】
次に、接合用ループ形成芯線41を、先に仕掛けた前記緯糸に隣接させて織物端部24と反対側、すなわち継手部の先端側にヘルドのメールに通した状態で仕掛ける。これによって、接合用ループ形成芯線41が、継手部織機22における端部から1番目の経糸45aとして、継手部織機22における端部から2番目の経糸45b(すなわち、形成後の継手部で最先端になる緯糸28)の外側に沿って配置される。
【0065】
続いて、以下に説明するステップIからステップVIIの要領で、接合用ループ形成糸条35を、織物端部24に綴り込んで継手部を形成する。
【0066】
[ステップ1]
すなわち、図9のステップIで、接合ループ形成芯線41および継手部織機22における端部から3番目の経糸45cを上に開口し、かつ、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bを下に開口し、接合用ループ糸条35を、接合ループ形成芯線41の周りを反時計回りで捲回させて折り返した後に、この開口部に挿入して綴り込む(図8では▲1▼の部分に該当)。
【0067】
なお、図9では、接合ループ形成芯線41について、ヘルドのメールに挿通されて前記開口により上に引き上げられた部分の断面を上側の円形で表しており、ヘルドのメールに挿通された部分よりも後方の部分の断面を下側の円形で表してあり、また、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bについても同様に、ヘルドのメールに挿通されて前記開口により下に引き下げられた部分の断面を下側の円形で表してある。また、接合用ループ糸条35について、本ステップIで綴り込んだ部分を破線で表し、その前のステップで綴り込んだ部分を実線で表してある(以下のステップでも同様)。
【0068】
[ステップII]
図9のステップIIで、接合ループ形成芯線41および継手部織機22における端部から3番目の経糸45cを下に開口し、かつ、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bを上に開口し、先に綴り込んだ接合用ループ糸条35を、継手部織機22における端部から3番目の経糸45cの周りを反時計回りで捲回させて折り返した後に、この開口部に挿入して綴り込む(図8では▲2▼の部分に該当)。
【0069】
[ステップIII]
図9のステップIIIで、接合ループ形成芯線41、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bおよび端部から3番目の経糸45cの開口状態をステップIIと同じにし、かつ、経糸23,…23を図8に示すように織物組織に従って図示するように開口させた開口部を設ける。その開口部に、織物端部24において前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の1本を継手部織機22における緯糸25aとして挿通し、その端部を織物本体から接合ループ形成芯線41の方向に引き出す。(図8では▲3▼の部分に該当)
【0070】
[ステップIV]
図9のステップIVで、接合ループ形成芯線41および継手部織機22における端部から3番目の経糸45cを上に開口し、かつ、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bを下に開口すると同時に、経糸23,…23を図9に示すように、織物組織に従って先のステップIIIとは反対に下に開口させて開口部を設ける。接合用ループ糸条35を、接合ループ形成芯線41の周りを反時計回りで捲回させて折り返した後に、この開口部に挿入して綴り込む(図8では▲4▼の部分に該当)。図8では、ステップIIIで織り込んだ継手部織機22の緯糸25aを迂回(図8の紙面では向こう側を通る)して綴り込んだ状態を示している。
【0071】
[ステップV]
図9のステップVで、接合ループ形成芯線41、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bおよび端部から3番目の経糸45c、ならびに、経糸23,…23を織組織に従って開口し、先のステップIIIで接合ループ形成芯線41の方向に引き出した継手部織機22における緯糸25aの残部を、継手部織機22における経糸28の周りを時計回りで捲回させて折り返した後に、その開口部に挿通し、その端部を織物本体から上方向に引き出す(図8では▲5▼の部分に該当)。
【0072】
[ステップVI]
図9のステップVIで、経糸23,…23のうち、先の継手部織機22における緯糸25aに続く次の緯糸25bを織り込むのに必要な織物端部24の織物本体側の一部の経糸23だけを、織組織に従う次の開口状態にし、この開口部に、次の緯糸25bを織り込み、その端部を織物本体から上方向に引き出す(図8では▲6▼の部分に該当)。
【0073】
[ステップVII]
図9のステップVIIで、接合ループ形成芯線41および継手部織機22における端部から
3番目の経糸45cを下に開口し、かつ、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bを上に開口し、先に綴り込んだ接合用ループ糸条35を、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bの周りを時計回りで捲回させて折り返した後に、この開口部に挿入して綴り込む(図8では▲7▼の部分に該当)。
【0074】
続いて、先のステップIに一循環して、上記ステップIからステップVIIの織り込み操作
を繰り返す。
【0075】
なお、図8から、ステップVで織り込んだ緯糸25aと、ステップVIで織り込んだ緯糸25bとが、部分的に並列的に引き揃えられた状態で織り込まれているのが判る(図8では▲8▼の部分に該当)。
【0076】
上記のように織物組織に従って開口状態を順次変化させることにより、継手部織機22で製織する際の緯糸25(緯糸25a、緯糸25b)が織物の織組織(本例では平織組織)に相応する織組織で織り込まれることになる。つまり、上記織り込んだ緯糸25aと緯糸25bとが、それぞれの先端の部分同士が並列的に引き揃えられた状態で織り込まれている部分(図8では▲8▼の部分)を除いて織物の織組織と同一の織組織(本例では平織組織)で織り込まれる、すなわち織物の織組織に相応する織組織で織り込まれることになる。
【0077】
織物表面から引き出した緯糸25aおよび緯糸25bの端部の余分な部分は、後で、使用時の織物表面から突出しないように長さを調整して切り揃える。
【0078】
上記ステップIVでは、緯糸25bの糸端を織物表面から引き出す位置が、緯糸25aの糸端を織物表面から引き出す位置よりも、織物の端部側(図8および図9で左方向)に位置する。
【0079】
上記により、すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25a)を、各端部において、形成後の継手部で最先端の緯糸28となる継手部織機22における端部から2番目の経糸45bを捲回して折り返し、織物の織組織(本例では平織組織)に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの残部の経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25b)であって、前記折り返した経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25a)に隣り合う経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25b)を、前記最先端緯糸28となる継手部織機22における端部から2番目の経糸45bから内側の所定位置、すなわち織物の端部から織物本体側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むことになる。
【0080】
上記図8および図9による説明では、すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸(すなわち継手部織機22で製織する際の緯糸25a)を、形成後の継手部で最先端の緯糸28となる継手部織機22における端部から2番目の経糸45bだけに対してその周りを捲回させて折り返す例を示したが、これに限定されず、例えば、図19および図20に示すように、形成後の継手部で最先端の緯糸28となる継手部織機22における端部から2番目の経糸45bの周りと、最先端から2番目の緯糸29となる継手部織機22における端部から3番目の経糸45cの周りをそれぞれ交互に捲回させて折り返すなど、形成後の継手部で最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すことも可能である。<請求項9、請求項10>
【0081】
また、図9のステップVおよび/またはステップVIの開口状態を一部変更することによって、織物表面から引き出した緯糸25aおよび緯糸25bの端部の引き出し位置を分散させて、上記織り込んだ緯糸25aと緯糸25bとが部分的に引き揃えられた状態で織り込まれている部分(図8では▲8▼の部分)を織物の幅方向および長さ方向に分散させても良く、それにより、継手部の強力や表面性を良好にすることが可能となり好ましい。さらに、上記織り込んだ緯糸25aと緯糸25bとが部分的に引き揃えられた状態で織り込まれている部分(図8では▲8▼の部分)における、引き揃えられた状態で織り込まれている部分の長さや位置は、適宜好適に選択可能であり、実作業においては、継手部織機22の開口装置、例えばジャガード装置21に織組織パターンを前もって設定しておくことにより、自動的に開口状態を循環的に切り替えることができ、作業者の都度の手間を必要とせずに製作が可能である。
【0082】
本発明の工業用織物の継手は、前記接合用ループ糸条35を、形成後の継手部で最先端の緯糸28の外側に沿って配置した接合用ループ形成芯線41および形成後の継手で最先端の緯糸28に対して、接合用ループ形成芯線41および前記最先端緯糸28の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む一の綴り込み態様34aと、該接合用ループ糸条35を、前記接合用ループ形成芯線41、前記最先端緯糸28、および、最先端から2番目の緯糸29に対して、接合用ループ形成芯線41および前記最先端緯糸28の周りをそれぞれ反対方向、かつ、前記最先端緯糸28および前記最先端から2番目の緯糸29の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む他の綴り込み態様34bの、いずれか1種の綴り込み態様によって、または、前記2種の綴り込み態様34a,34bを混在させた綴り込み態様34cによって、織物の全幅にわたって綴り込む構成とすることを特徴とする。<請求項5、請求項6>
【0083】
図8に示す例は、前記一の綴り込み態様34aと、前記他の綴り込み態様34bとが、織物の全幅にわたって交互に混在する綴り込み態様34cの構成とする例であるが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば図18に示すように、前記接合用ループ糸条35を、形成後の継手部で最先端の緯糸28の外側に沿って配置した接合用ループ形成芯線41および形成後の継手で最先端の緯糸28に対して、接合用ループ形成芯線41および前記最先端緯糸28の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む前記一の綴り込み態様34aだけから成る構成としても良い。また、例えば図19や図20に示すように、前記一の綴り込み態様34aと前記他の綴り込み態様34bとが、1:1,1:2もしくは1:3比率で織物の全幅にわたって混在させた綴り込み態様34cとしても良い。
【0084】
さらに、本発明の工業用織物の継手は、織物の両端部それぞれに織物を構成する経糸とは別の合成樹脂モノフィラメントもしくは合繊繊維糸条よりなる接合用ループ糸条35を綴り込んで接合用ループ列を形成する前述の構成に加えて、前記接合用ループ糸条35を、形成後の継手部で最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸であって、最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返した後に織物の織組織に相応する織組織で織り込む経糸の折り返し部分にも絡ませる構成とすることを特徴とする。<請求項7>
【0085】
図19に示す例は、上記の構成を有する継手の一例である。この図19に示す例は、前記接合用ループ糸条35を最先端緯糸28の周りに捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分にも絡ませる部位38と、前記接合用ループ糸条35を最先端から2番目の緯糸29の周りに捲回して折り返す際に、同時に、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分にも絡ませる部位39とが、織物の全幅にわたって交互に混在する場合の例である。
【0086】
さらに、本発明の工業用織物の継手は、織物の両端部それぞれに織物を構成する経糸とは別の合成樹脂モノフィラメントもしくは合繊繊維糸条よりなる接合用ループ糸条35を綴り込んで接合用ループ列を形成する前述の構成に加えて、前記接合用ループ糸条35を、形成後の継手部で最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分にもからませる部位と、前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すだけで、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分には絡ませない部位とが、織物の全幅にわたって、規定の順序ならびに部位数に従って混在する構成とすることを特徴とする。<請求項8>
【0087】
図8および図20に示す例は、それぞれ上記の構成を有する継手の一例である。
図8に示す例は、前記接合用ループ糸条35を最先端緯糸28の周りに捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分にも絡ませる部位36と、前記接合用ループ糸条35を最先端から2番目の緯糸29の周りに捲回して折り返すだけで、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分には絡ませない部位37とが、織物の全幅にわたって交互に混在する場合の例である。
【0088】
また、図20に示す例は、前記接合用ループ糸条35を最先端緯糸28の周りに捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分にも絡ませる部位38、前記接合用ループ糸条35を最先端から2番目の緯糸29の周りに捲回して折り返すだけで前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分には絡ませない部位37、前記接合用ループ糸条35を最先端から2番目の緯糸29の周りに捲回して折り返すと共に前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分にも絡ませる部位39、ならびに、前記接合用ループ糸条35を最先端から2番目の緯糸29の周りに捲回して折り返すだけで前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸の折り返し部分には絡ませない部位37が、織物の全幅にわたって、それぞれ1つずつの部位数で上記順序に従って織物の全幅にわたって混在する場合の例である。
【0089】
本発明の工業用織物の継手においては、前述したように、織物を構成する経糸とは別の接合用ループ糸条35により形成した接合用ループ列40を有する接合用部材34を織物の両端部それぞれに取り付けて接合用ループ列40を形成する場合、ならびに、織物の両端部それぞれに織物を構成する経糸とは別の合成樹脂モノフィラメントもしくは合繊繊維糸条よりなる接合用ループ糸条35を綴り込んで接合用ループ列40を形成する場合のいずれの接合用ループ列であっても、図10に示すように、接合用部材34が、最先端の緯糸28および最先端から2番目の緯糸29の2本の緯糸に対して捲回し係止した状態で取り付けられるので、例えば図21〜図23に示した従来のスパイラル線4が、補助芯線5だけを捲回した状態で取り付く構成の継手で問題となったような、スパイラル線4の各ループが、図11に示す如く上方向(図示破線で示す)や下方向(図示省略)に向いて、各ループの取り付く方向が一定せず不揃いとなって、織物の両端部のスパイラル線4の各ループ同士を噛み合わせて接合する際、接合作業の妨げとなったり、各ループに対する接合芯線の挿通違いや挿通漏れを引き起こしたりする恐れが無く、接合作業性が著しく向上する上、品質上のトラブル発生が回避出来る。
【0090】
加えて、本発明の工業用織物の継手においては、図12に示すように、接合用部材34あるいは接合用ループ糸条35が、接合用芯線42および最先端緯糸28の周りをそれぞれ反対方向に捲回する構成であるから、図12の紙面直角方向から見ると、例えば接合用ループ糸条35が接合用芯線42と最先端緯糸28との間で8の字状に交叉した状態となるため、工業用織物の使用時に織物の経糸方向に加わる張力によって、接合用ループ糸条35が図12における左右方向に引っ張られると同時に、接合用芯線42および最先端緯糸28が接合用ループ糸条35によって周りから締め付けられ、紙面上下方向の上側および下側から押圧されることになる。
【0091】
同様に、図13に示すように、紙面直角方向から見ると、例えば接合用ループ糸条35が接合用芯線42と最先端緯糸28との間で8の字状に交叉し、かつ、最先端緯糸28と最先端緯糸から2番目の緯糸29との間で8の字状に交叉した状態となるため、工業用織物の使用時に織物の経糸方向に加わる張力によって、接合用ループ糸条35が図13における左右方向に引っ張られると同時に、接合用芯線42、最先端緯糸28および最先端緯糸から2番目の緯糸29が接合用ループ糸条35によって周りから締め付けられ、紙面上下方向の上側および下側から押圧されることになる。
【0092】
したがって、工業用織物の使用時に経糸方向に掛かる張力が、接合用ループ糸条35と最先端緯糸28や最先端緯糸から2番目の緯糸29との交絡部の結合状態をより強固にするように作用すると同時に、接合用ループ糸条35の係止部、あるいは綴り込み部の厚さ寸法、すなわち最先端緯糸28や最先端緯糸から2番目の緯糸29に対して接合用ループ糸条35が捲回した部分での厚さ寸法、もしくは、接合用芯線42で結合された部分での厚さ寸法を減少させるように作用する効果が得られる。
【0093】
そのため、例えば前述の特許文献1に開示された継手において問題であった、用いるスパイラル線4の線材やスパイラル形状の選択によっては、接合部の厚さが織物本体の厚さよりも厚いものとなって、湿紙(紙シート)等の搬送物にマークを付すことによる製品品質上の不具合発生を防止し、また最先端の緯糸が幅方向に移動して抜け出る危険性を回避することが出来る。
【0094】
さらに、最先端緯糸、接合用ループ糸条、接合用芯線の材質、寸法を選択することにより、継手部を薄くして、カンバスがシリンダーを抱き、捲回する時に発生し易い、継手部の僅かな起き上がりによる湿紙への品質的悪影響を抑え、同部の摩耗劣化を防ぐことが出来る。
【0095】
加えて、本発明の工業用織物の継手を製作する場合においては、織物の端部ですだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸を、最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返した後に、織物の織組織に相応する織組織で織り込む際に、前述したように、例えばジャガード装置21による開口装置を用いた織り込み方法、もしくは、ジャガード装置21等の開口装置を備えた継手部織機22を用いることにより、予め開口装置に設定してある規定の織組織に従って開口状態を循環的に切り替えることができるため、例えば作業者はスイッチの操作だけで必要な経糸の開口が行え、経糸の開口部に継手製織時の緯糸を挿入するだけで、規定の織組織パターンに従った綴り込みを極めて簡便かつ迅速に行えることになるので、例えば特許文献2に開示された方法など、従来、織物の織り目に綴り込んでいた作業に比べて、継手部製作時の手間と人手を大幅に削減することが可能となる。
【0096】
さらに加えて、本発明の工業用織物の継手によれば、例えば特許文献2に開示された継手で問題となった、高温度、高張力の使用条件で長時間の使用の際に、ループ形成糸の織物側折り返し部分15が織り目16において経糸11と緯糸12の交絡部の間を潜って接合用ループ14の側に移動してループ形成糸13の綴りが弛む危険性や、織物端部の織組織に加えて別糸によるループ形成糸13を綴り込むことによる、通気性の低下、紙粉その他の汚れ物質の付着、堆積と目詰まり発生、およびそれらに起因する紙シート離れ発生の問題などを回避することが可能となる。
【0097】
さらには、例えば特許文献2に開示された継手では、ループ形成糸13を多数の織物端部の配列緯糸12に対して上下に交叉させて綴り込むことに起因する、複数本のループ形成糸13を用いて綴り足しする手間の問題や、ループ形成糸13の切り替え部分における糸端の突き出しに起因する製品品質上の不具合発生の懸念があったが、本発明によれば、織物の全幅あたり1本の連続した糸条から成る接合用部材34あるいは接合用ループ糸条35だけで接合用ループ列を形成することが出来るので、糸条の切り替え部分が無く、それらに起因する問題点も皆無となる。
【0098】
前記本発明における接合用部材34あるいは接合用ループ糸条35を構成する糸条には、織物を構成する経糸26および/または緯糸27と同じ材質、あるいは、異なる材質の合成樹脂モノフィラメントもしくは合繊繊維糸条を用いることが可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレ−ト(PBT)やポリトリメチレンテレフタレート(PTMT)などのポリエステルモノフィラメントが、適当な断面形状に形成しやすい上に、引張強力や引掛強力、寸法安定性等の機械的性能も良好で好ましい。PET、とりわけ公知の耐加水分解性能を向上させた産業資材用PET、特に、抄紙用ドライヤーカンバス用途のPETが好適である。
【0099】
また、本発明の工業織物を抄紙用ドライヤーカンバスとして用いる場合、高温度・高湿度の雰囲気で使用されるため、また、継手部は織物本体に比べてロール等に捲回して走行する際に走行中の屈曲等の応力が集中して本体以上の大きい負荷がかかることがあり、また摩耗も受け易く、この部分から損傷し易い。このため、接合用部材34あるいは接合用ループ糸条35、または、さらに継手先端部付近の緯糸(28,29)には、織物本体を構成する経糸モノフィラメントよりも耐熱性および/または耐摩耗性に優れる糸条を用いることが好ましい。前記耐熱性とは、耐乾熱性能に加えて耐湿熱性能を兼ね備える意である。
【0100】
耐熱性に優れたモノフィラメントとしては、例えばポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)やポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用することが出来る。耐摩耗性に優れたモノフィラメントとしては、前記耐加水分解性能を向上させた産業資材用途のPETの中でも高重合度ポリマーを用いて耐摩耗性を向上させたPETの他、ポリアミド等を使用することが出来る。さらに、モノフィラメント以外には、高強力マルチフィラメントとして入手可能な、例えば芳香族ポリアミド繊維にエポキシ系やポリアミド系の樹脂を塗布・含浸硬化させ、耐摩耗性を向上させた糸条を用いることも出来る。
【0101】
また、前記本発明における接合用部材34あるいは接合用ループ糸条35を構成する糸条の太さ(線径)は、織物本体の経糸26よりも細いものを用いるのが好ましく、それにより、接合用部材34あるいは接合用ループ糸条35が織物表面から厚さ方向外側に出ることが回避され、それにより織物の表面性を損なって不用意な製品品質上のトラブルを防ぐことが可能となる。さらに、厚さ方向に薄い断面形状が扁平、あるいは楕円形の糸条を用いることが出来る。
【0102】
さらには、前記本発明における接合用部材34あるいは接合用ループ糸条35を構成する糸条には、収縮率の大きい高収縮糸を用いるのが好ましく、例えば、織物を構成する緯糸27または経糸26および緯糸27よりも収縮率の大きい高収縮糸を用いるのが好ましい。すなわち、継手部形成後のヒートセット加工温度での収縮率の大きい高収縮糸を用いることにより、接合部形成後のヒートセット加工を施して、接合用ループ形成芯線41、最先端緯糸28や最先端緯糸から2番目の緯糸29の外周に沿っての形成がし易く、継手部の表面性が良好となる上に、織物を無端状に接合するための接合用芯線42を挿入する際の芯線挿入性の良い継手部が形成可能となり好ましい。前記収縮率の大きい高収縮糸としては、例えばPETの場合、前記耐加水分解性能を向上させた産業資材用途のPETの中で、160℃において12%〜26%、180℃において14%〜30%の範囲の乾熱収縮率(フリー収縮)を有するものを用いることが出来る。
【0103】
本発明の実施に好適な織物としては、単層織物、特にオープンメッシュの平織物が好適である。すなわち、本発明の継手は、接合用部材34あるいは接合用ループ糸条35が、接合用芯線42、最先端緯糸28および最先端から2番目の緯糸29の周りをそれぞれ反対方向に捲回する構成であるので、例えば接合用ループ糸条35の屈曲が平織組織の経糸26の屈曲と一致し、際だった凹凸を生じることがないため好適である。ただし、平織以外の単層織物への適用を妨げるものではない。また、例えば特開平9−310291号公報に開示されているような、緯糸に太線径と細線径の糸を混用した単層織物において本発明の継手を適用することも可能である。
【0104】
さらに、本発明の継手の構成は、単層織以外の多層織物にも応用可能である。例えば、図14は、1/3破れ斜文緯2重織の織物において、接合用ループ形成芯線41、継手部中層の最先端緯糸43および継手部中層の最先端から2番目の緯糸44を付加し、それら接合用ループ形成芯線41および付加した継手部中層の緯糸43,44に対して、前記と同様の要領で、接合用ループ糸条35を綴り込んだ継手部の縦断面構造の概念断面図である。
【0105】
前記継手部中層の最先端緯糸43および最先端から2番目の緯糸44には、織物本体の緯糸と異なる材質や太さ(線径)の糸条を用いても良い。また、前記接合用ループ糸条35を綴り込む代わりに、前記接合用部材34を取り付けても良いことは勿論である。
【0106】
本発明の実施においては、織物両端部に接合用部材34を係止して、あるいは接合用ループ糸条35を綴り込んで、接合用ループ列を形成した後に、継手部製織時に挿通している接合用ループ形成芯線41、またはそれとは別のヒートセット用のループ形成芯線を代わりに挿入した状態で織物両端部にヒートセット加工を施して、接合用ループの形状を熱固定させて安定化し、表面性が良好、かつ、実使用での接合芯線の挿入性が良好な継手部とすることができ、好ましい。さらには、織物両端部の接合用ループ列同士を互いに噛み合わせて出来た共通孔に接合用芯線42、またはそれとは別のヒートセット用の接合芯線を挿入し、長さ方向に適当な張力を加えた状態で織物両端部にヒートセット加工を施して、接合用ループの形状を熱固定させて安定化させるのがより好ましい。
【0107】
なお、前述した要領で、織物の両端部において、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸を、形成後の継手部で最先端の緯糸28および最先端から2番目の緯糸29のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸28から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むに際しては、前記すだれ状に延出した経糸26のうちの一部の経糸、ならびに、該経糸に隣り合う前記すだれ状に延出した経糸26のうちの残部の経糸について、織物の織組織と全く同一の織組織で織り込む方法の他、特に、織り込む経糸の先端付近の一部分だけを異なる織組織としその他の部分は全く同一の織組織で織り込んで、織り込んだ経糸が緩んだり、織り込んだ経糸の先端付近が抜け出したりするのを防ぐことが出来る。
【0108】
また、前記折り返した後に織り込む経糸の先端付近の一部分が、該経糸に隣り合う経糸であって前記最先端緯糸28から内側の所定位置までの部分を切断、除去する経糸に対して、該経糸の切断点から織物本体側、すなわち継手部と反対側の必要位置までの間、引き揃えた状態と成るようにして織り込むことにより、織物の使用時の経糸に係る張力による前記折り返した後に織り込む経糸の抜け出しを防止することが出来て好ましい。例えば、前述の図1および図2に示した例は、緯糸4本分、すなわち平織組織の2織り目分の間、引き揃えた例である。
【0109】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0110】
【表1】
Figure 0004166541
【0111】
実施例の工業用織物、すなわちドライヤーカンバスの継手を、表1に示す仕様に基づいて製作した。
【0112】
すなわち、経糸26に、材質が抄紙用ドライヤーカンバス用の原糸として一般に入手可能な耐加水分解性能の良好なPETで、直径寸法0.80mmの断面円形モノフィラメントを用い、緯糸27に、経糸と同じ材質で直径寸法0.90mmの断面円形モノフィラメントを用いて、平織組織により製織し、公知、常用の装置と方法を用いて、ヒートセット加工を施し、経糸密度が12.0本/2.54cm、緯糸密度が12.0本/2.54cmの織物本体を作成した。
【0113】
作成した織物本体を、図3(A)に示すように、所定長さ、幅寸法に切断し、長さ方向の両端部において、図3(B)に示すように、織物20の端部から内側の所定長にわたって緯糸27を除去することにより、経糸26をすだれ状に延出した。
【0114】
この織物本体を、ヘルドのメールに挿通した糸条を紋栓カードに設定してある規定の織組織パターンに従って上下に開口することのできる図4に示すジャガード装置21を備えた継手部織機22に仕掛けた。仕掛ける要領は、図4に示すように、先ず、織物端部より除去した緯糸27のうち継手部の製織に必要な所定本数を、継手部織機22で製織する際の経糸23として、継手部織機22の開口装置、すなわちジャガード装置21に備わるヘルドのメール(図示省略)に挿通して仕掛け、さらに、接合用ループ形成芯線41(図8を参照)を、継手部の先端側に、先に仕掛けた前記継手部織機22で製織する際の経糸23に隣接させて、ヘルドのメールに通した状態で仕掛けた後に、経糸26をすだれ状に延出した前記織物本体20を、先に仕掛けた前記継手部織機22で製織する際の経糸23に隣接させて、前記接合用ループ形成芯線41と反対側に仕掛けた。
【0115】
形成後の継手部で最先端になる緯糸28、すなわち継手部織機22における端部から2番目の経糸45bには、前記織物本体の経糸26と同じ材質で直径寸法0.70mmの断面円形モノフィラメントを用いた。また、接合用ループ形成芯線41、すなわち継手部織機22における最端部の経糸45aには、直径寸法0.60mmの断面円形ステンレス線を用いた。さらに、接合用ループ糸条35としては、織物本体を構成する経糸26とは別の、材質が抄紙用ドライヤーカンバス用の原糸として一般に入手可能な耐加水分解性能の良好なPETで、乾熱収縮率が160℃で12.3%の高収縮性の、直径寸法0.50mmの断面円形モノフィラメントを用いた。
【0116】
継手部織機22における緯糸として、織物本体を構成する前記すだれ状に延出した経糸26を用いて、前記すだれ状に延出した経糸26の1本ずつを、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bを捲回させて折り返した後、織物本体の平織組織に従って織り込んだ。
【0117】
前記すだれ状に延出した経糸26の1本ずつを継手部織機22における緯糸25として、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bに捲回させて折り返す毎に、接合用ループ糸条35を、接合用ループ形成芯線41の周りに捲回させて接合用ループを形成して後に折り返し、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bの位置まで延ばし、次に継手部織機22における端部から2番目の経糸45bの周りに接合用ループ形成芯線41への捲回方向と反対方向に捲回させると共に、前記すだれ状に延出した経糸26の折り返した部分にも絡ませて折り返した後、接合用ループ形成芯線41の位置まで延ばし、さらに接合用ループ形成芯線41の周りに先と同じ捲回方向に捲回させて接合用ループを形成して後に折り返し、続いて、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bの上側(図1では紙面手前側)で前記接合用ループ形成芯線41への捲回方向と反対方向に捲回させ、さらに継手部織機22における端部から3番目の経糸45cの位置まで延ばし、さらに継手部織機22における端部から3番目の経糸45cの周りを接合用ループ形成芯線41への捲回方向と同じ方向に捲回させて折り返し、続いて、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bの下側(図1では紙面奥側)で前記継手部織機22における端部から3番目の経糸45cへの捲回方向と反対方向に捲回させ、さらに接合用ループ形成芯線41の位置まで延ばし、さらに接合用ループ形成芯線41の周りを先と同じ捲回方向に捲回させて接合用ループを形成して後に折り返した。以上の操作を織物の幅方向にわたって繰り返して、織物の両端部のそれぞれに、接合用ループ糸条35を、接合用ループ形成芯線41、継手部織機22における端部から2番目の経糸45bおよび継手部織機22における端部から3番目の経糸45cに対して綴り込むことによる多数の接合用ループから成る接合用ループ列40を形成した。
【0118】
さらに、接合用ループ糸条35が綴り込まれている部分および接合用ループ列40にヒートセット加工を施して寸法と形状を安定化させた後、接合用ループ形成芯線41を接合用ループ列40から取り外して、工業用織物、すなわちドライヤーカンバスの継手を有する織物を作成した。
【0119】
上記による継手の形成に要した時間は、図24に示した従来の継手、すなわち、織物端部から、経糸11,11間に高強力な細い別糸よりなるループ形成糸13が折り返されながら連続的に綴り込まれ、端部の折り返し部分において該ループ形成糸13による接合用ループ14が形成される継手の形成に要した時間の略1/5の時間であり、継手形成に要する作業時間が大幅に短縮した。
【0120】
この織物を製紙機械のカッターマシンに掛け入れて、織物両端部の接合用ループ列同士を交互に噛み合わせ、噛み合わせて形成した共通孔に接合芯線を挿入し、無端状織物として使用した。接合用ループ列同士の噛み合わせの作業性、ならびに、接合芯線の挿入の作業性は、極めて良好であった。
【0121】
また織物の使用に際して、接合用ループ糸条35を綴り込んだ部分や、織物本体を構成する経糸26を折り返して織物本体の平織組織に従って織り込んだ部分への、紙粉その他の汚れ物質の顕著な付着、堆積は見られず、それに起因した紙シートの吸引性能の低下による操業トラブルは発生しなかった。
【0122】
【発明の効果】
本発明の工業用織物の継手およびその製造方法によれば、織物本体に対して等価な継手部、すなわち、寸法的厚さおよび特性を同等に維持し、良好な継手部の表面性を達成することが可能で、従来の継手における製品品質上の問題点を解消すると共に、従来の継手に比して継手部製作時の手間と人手の大幅な削減が可能な、工業用織物の継手およびその製造方法を実現することができる。
【0123】
また、本発明によれば、例えば抄紙用ドライヤーカンバスのように、製品品質への影響に特に配慮が必要な用途においても好適に使用可能な継手部の表面性を有し、かつ接合部の通気性も織物本体部と同等で湿紙シートへの影響の心配が無い工業用織物の継手が実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る工業用織物の継手の要部平面図である。
【図2】図1に示す工業用織物の継手の製造方法について説明する各ステップの図1の継手形成後の経糸方向に沿った断面図である。
【図3】(A)は本発明における工業用織物の継手の製造に用いる織物端部の要部平面図、(B)は(A)の織物端部から所定寸法までの緯糸を除去した状態の要部平面図である。
【図4】本発明における工業用織物の継手の製造に用いる継手部織機の概略斜視図である。
【図5】本発明の工業用織物の継手における接合用部材の一例の正面図である。
【図6】本発明の工業用織物の継手における接合用部材の異なる例の正面図である。
【図7】本発明の工業用織物の継手における接合用部材のさらに異なる例の斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る工業用織物の継手における要部平面図である。
【図9】図8に示す工業用織物の継手の製造方法について説明する各ステップの図8の経糸方向に沿った断面図である。
【図10】工業用織物の継手の端部における概念断面図である。
【図11】従来の工業用織物の継手の端部における問題点を説明する概念断面図である。
【図12】本発明の工業用織物の継手における無端係合構成例を示す概念断面図である。
【図13】本発明の工業用織物の継手における異なる無端係合構成例を示す概念断面図である。
【図14】本発明の工業用織物の継手におけるさらに異なる構成例を示す概念断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態における工業用織物の継手の要部平面図である。
【図16】本発明の第4実施形態における工業用織物の継手の要部平面図である。
【図17】本発明の第5実施形態における工業用織物の継手の要部平面図である。
【図18】本発明の第6実施形態における工業用織物の継手の要部平面図である。
【図19】本発明の第7実施形態における工業用織物の継手の要部平面図である。
【図20】本発明の第8実施形態における工業用織物の継手の要部平面図である。
【図21】従来の工業用織物の継手における要部平面図である。
【図22】図21に示す従来の工業用織物の継手における要部断面図である。
【図23】従来の異なる工業用織物の継手における要部平面図である。
【図24】従来のさらに異なる工業用織物の継手における要部平面図である。
【符号の説明】
20 工業用織物
21 開口装置(ジャガード装置)
22 継手部織機
23 継手部織機による製織時の経糸
23a 継手部織機による製織時における端部から1番目の経糸
23b 継手部織機による製織時における端部から2番目の経糸
24 織物端部
25 継手部織機による製織時の緯糸
25a すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸
25b すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸
26 織物の経糸
27 織物の緯糸
28 形成後の継手における最先端緯糸
29 形成後の継手における最先端から2番目の緯糸
30 接合用部材形成糸条(接合用ループ糸条)
31 接合用ループ形成芯線
32 本体最先端の緯糸係合用ループ形成芯線
33 本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線
34,34A,34B,34C 接合用部材
34a 一の捲回ループ形状(一の織り込み態様)
34b 他の捲回ループ形状(他の織り込み態様)
34c 一の捲回ループ形状と他の捲回ループ形状とを混在させた捲回ループ形状(一の織り込み態様と他の織り込み態とを混在させた織り込み態様)
35 接合用ループ糸条
36 接合用ループ糸条を最先端緯糸および経糸の折り返し部分に絡ませた部位
37 接合用ループ糸条を最端部から2番目の緯糸にのみ絡ませ、経糸の折り返し部分には絡ませていない部位
38 接合用ループ糸条を最先端緯糸および経糸の折り返し部分に絡ませた部位
39 接合用ループ形成糸条を最端部から2番目の緯糸および経糸の折り返し部分に絡ませた部位
40 接合用ループ列
41 接合用ループ形成芯線
42 接合用芯線
43 継手部中層の最先端緯糸
44 継手部中層の最先端から2番目の緯糸
45a 継手部織機による製織時における端部から1番目の経糸
45b 継手部織機による製織時における端部から2番目の経糸
45c 継手部織機による製織時における端部から3番目の経糸

Claims (14)

  1. 経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて織成した工業用織物の両端部において、
    緯糸を織物の端部から内側の所定長にわたって除去することにより、すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、各端部において、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むと共に、
    織物を構成する経糸とは別の接合用部材形成糸条からなり、多数の接合用ループを有する接合用部材であって、
    接合用ループ形成芯線、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線の周りを、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向、かつ、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向に捲回させて形成した捲回ループ形状を有する接合用部材を、
    織物の全幅にわたって、最先端緯糸または最先端の緯糸および最先端から2番目の緯糸に係合して取り付けることにより、
    織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列であって、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成する共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための接合用ループ列を具備することを特徴とする工業用織物の継手。
  2. 前記接合用部材が、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線の周りをそれぞれ反対方向に捲回させ、前記本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線に捲回させないで形成した一の捲回ループ形状と、
    接合用ループ形成芯線、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線の周りを、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向、かつ、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向に捲回させて形成した他の捲回ループ形状とが、
    交互に混在することを特徴とする請求項1に記載の工業用織物の継手。
  3. 前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、該最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回すると共に、前記接合用部材とも係合させて折り返すことを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物の継手。
  4. 前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、
    該最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回すると共に、前記接合用部材とも係合させて折り返す部位と、
    該最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回するだけで、前記接合用部材と係合させずに折り返す部位とが、
    織物の全幅にわたって、規定の順序ならびに部位数に従って混在するように折り返したことを特徴とする請求項1または2に記載の工業用織物の継手。
  5. 経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて織成した工業用織物の両端部において、
    緯糸を織物の端部から内側の所定長にわたって除去することにより、すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、各端部において、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むと共に、
    織物を構成する経糸とは別の接合用ループ糸条を用い、
    該接合用ループ糸条を、前記接合用ループ形成芯線、前記最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向、かつ、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む綴り込み態様を有する態様によって綴り込み、
    前記接合用ループ糸条による接合用ループを織物の全幅にわたって多数形成することにより、
    織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列であって、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成する共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための接合用ループ列を具備することを特徴とする工業用織物の継手。
  6. 前記接合用ループ糸条が、前記最先端緯糸の外側に沿って配置した接合用ループ形成芯線および前記最先端緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させ、前記最先端から2番目の緯糸を捲回しないで折り返して綴り込む一の綴り込み態様と、
    該接合用ループ糸条を、前記接合用ループ形成芯線、前記最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向、かつ、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む他の綴り込み態様とが、
    織物の全幅にわたって、交互に混在することを特徴とする請求項5に記載の工業用織物の継手。
  7. 前記接合用ループ糸条を、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸であって、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返した後に織物の織組織に相応する織組織で織り込む経糸の折り返し部分にも絡ませたことを特徴とする請求項5または6に記載の工業用織物の継手。
  8. 前記接合用ループ糸条を、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返す際に、
    前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すと共に、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸の折り返し部分にも絡ませた部位と、
    前記いずれかの緯糸の周りを捲回して折り返すだけで、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸の折り返し部分には絡ませていない部位とが、
    織物の全幅にわたって、規定の順序ならびに部位数に従って混在することを特徴とする請求項5または6に記載の工業用織物の継手。
  9. 前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、前記最先端緯糸だけに対してその周りを捲回して折り返すことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の工業用織物の継手。
  10. 前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を前記いずれかの緯糸の周りに捲回させて折り返す際に、各々の経糸を前記最先端緯糸の周りと最先端から2番目の緯糸の周りをそれぞれ交互に捲回させて折り返すことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の工業用織物の継手。
  11. 前記接合用部材形成糸条、または、前記接合用ループ糸条が、織物を構成する経糸モノフィラメントよりも繊度の細い合成樹脂モノフィラメントより成ることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の工業用織物の継手。
  12. 前記接合用部材形成糸条、または、前記接合用ループ糸条が、織物を構成する経糸モノフィラメントよりも耐熱性および/または耐摩耗性に優れる糸条より成ることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の工業用織物の継手。
  13. 経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて織成した工業用織物の両端部に、多数の接合用ループより成る接合用ループ列であって、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成する共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための接合用ループ列を具備する工業用織物の継手を形成するための製造方法であって、該製造方法が、
    前記工業用織物を、経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて製織し、ヒートセット加工を施し、さらに、必要な長さおよび幅寸法に切断した後、織物の長さ方向両端部において、織物を構成する緯糸をそれぞれの端部から内側の所定長にわたって除去することにより、織物を構成する経糸をすだれ状に延出させる工程と、
    予め設定してある規定の織組織パターンに従って継手部製織時の緯糸の開口状態を循環的に切り替えることができる開口装置、もしくは、該開口装置を備えた継手部織機を用いることにより、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、各端部において、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むと共に、
    接合用部材形成糸条からなり、多数の接合用ループを有する接合用部材であって、
    接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線の周りをそれぞれ反対方向に捲回させて形成した一の捲回ループ形状と、
    接合用ループ形成芯線、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線の周りを、接合用ループ形成芯線および本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向、かつ、本体最先端緯糸係合用ループ形成芯線および本体最先端から2番目の緯糸係合用ループ形成芯線に対してそれぞれ反対方向に捲回させて形成した他の捲回ループ形状の、
    いずれか1種の捲回ループ形状によって、または、前記2種の捲回ループ形状を混在させて形成した接合用部材を、
    織物の全幅にわたって、最先端緯糸または最先端の緯糸および最先端から2番目の緯糸に係合して取り付けることにより、織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列を形成する工程と、
    さらに、前記接合用ループ列を形成した後に、継手部製織時に挿通している接合用ループ形成芯線、もしくは、それとは別のヒートセット用のループ形成芯線を代わりに挿入した状態で、織物両端部にヒートセット加工を施す工程とを含むことを特徴とする工業用織物の継手の製造方法。
  14. 経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて織成した工業用織物の両端部に、多数の接合用ループより成る接合用ループ列であって、該接合用ループ列同士を噛み合わせて形成する共通孔に接合用芯線を挿通して織物を無端状に接合するための接合用ループ列を具備する工業用織物の継手を形成するための製造方法であって、該製造方法が、
    前記工業用織物を、経糸および緯糸に合成樹脂モノフィラメントを用いて製織し、ヒートセット加工を施し、さらに、必要な長さおよび幅寸法に切断した後、織物の長さ方向両端部において、織物を構成する緯糸をそれぞれの端部から内側の所定長にわたって除去することにより、織物を構成する経糸をすだれ状に延出させる工程と、
    予め設定してある規定の織組織パターンに従って継手部製織時の緯糸の開口状態を循環的に切り替えることができる開口装置、もしくは、該開口装置を備えた継手部織機を用いることにより、前記すだれ状に延出した経糸のうちの一部の経糸を、各端部において、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸のいずれかの緯糸の周りを捲回して折り返し、織物の織組織に相応する織組織で織り込み、かつ、前記すだれ状に延出した経糸のうちの残部の経糸であって前記折り返した経糸に隣り合う経糸を前記最先端緯糸から内側の所定位置までの部分を切断、除去し、その残部を織物の織組織に相応する織組織で織り込むと共に、
    接合用ループ糸条を用い、
    該接合用ループ糸条を、前記最先端緯糸の外側に沿って配置した接合用ループ形成芯線および前記最先端緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む一の綴り込み態様と、 該接合用ループ糸条を、前記接合用ループ形成芯線、前記最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸に対して、接合用ループ形成芯線および最先端緯糸の周りをそれぞれ反対方向、かつ、最先端緯糸および最先端から2番目の緯糸の周りをそれぞれ反対方向に捲回させつつ、折り返して綴り込む他の綴り込み態様の、
    いずれか1種の綴り込み態様によって、または、前記2種の綴り込み態様を混在させて綴り込み、
    前記接合用ループ糸条による接合用ループを織物の全幅にわたって多数形成することにより、織物の両端部に多数の接合用ループより成る接合用ループ列を形成する工程と、
    さらに、前記接合用ループ列を形成した後に、継手部製織時に挿通している接合用ループ形成芯線、もしくは、それとは別のヒートセット用のループ形成芯線を代わりに挿入した状態で、織物両端部にヒートセット加工を施す工程とを含むことを特徴とする工業用織物の継手の製造方法。
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