JP4164789B2 - 樹脂用充填剤の製造方法 - Google Patents

樹脂用充填剤の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤や塗料などの樹脂組成物の粘度調整用充填剤、または天然ゴムや合成ゴム、エンジニアプラスチックスなどの補強性充填剤、またはポリエチレンやポリエステルなどのフィルムに添加するブロッキング防止用充填剤などに用いる樹脂充填剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物をシランカップリング剤やポリマーなど表面改質処理剤によって表面改質し、その表面水酸基を化学的に変換してより多機能な特性を付与することが知られている。例えば、これらの無機酸化物は表面に水酸基を有するので通常は親水性を示すが、これらの無機酸化物微粉末を適当なカップリング剤やポリマーを用いて表面処理することによって疎水性に変換することが知られている。無機酸化物微粉末を疎水化することによって、これらの無機酸化物微粉末を樹脂、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などに添加した場合、その分散性を高めることができ、また樹脂硬化物の機械強度を向上することができる。さらに樹脂粉末の流動性を向上し、また水分の吸着を妨げるなどの効果が得られる。
【0003】
無機酸化物微粉末の疎水化剤としてアルキルシラン系化合物やシリコーンオイルなどの高分子化合物が一般に広く用いられている。シリコーンオイル系化合物やシリコーンワニス系化合物を用いた例が特開昭62−171913号公報に記載されている。これらの処理剤によればシリカ表面を十分に疎水化することができ、比表面積あたりの炭素含有量も高いものが得られるが、これらの化合物は無機酸化物微粉末表面の水酸基と化学的に十分結合しておらず、物理的吸着あるいは水素結合などの物理的結合によって存在しているため不安定であり、経時的に疎水性を失いやすいと云う欠点がある。
【0004】
また、アミン系化合物を触媒に用いた例も一般に知られているが、アミン系化合物やシリコーンオイル、シリコーンワニスなどは、既に述べたように無機酸化物微粉末表面の水酸基と反応して結合しているわけではなく、物理的な結合で無機酸化物微粉末表面の存在しているため、無機酸化物微粉末表面には未反応の水酸基が多く残存している。これらの水酸基は樹脂に混錬した際に粘度を上昇させたり、経時的に増粘性を高めるなどの現象を引き起こす原因となる。
【0005】
一方、アルキルシラザン系化合物はシリコーンオイルやシリコーンワニスなどの物理的な作用による被覆処理とは異なり、無機酸化物表面の水酸基と化学的に反応するため、残存する未反応の水酸基数が少ない。ただし、このアルキルシラザン系化合物は無機酸化物表面の水酸基と反応する際に副生成物としてアンモニアガスを生じる。通常、このアンモニアガスを完全に除去することは困難であり、表面改賃無機酸化物表面に残存している水酸基に作用して樹脂粘度の経時安定性に影響を及ぽすという問題がある。更に、これらの残存アンモニアはエポキシ樹脂やウレタン樹脂で硬化触媒として作用するため硬化を不安定にする。また、液状シリコーンゴムのルイス酸を触媒とした硬化機構においてアンモニアはルイス酸に作用するため必要触媒量が多くなり、白金触媒を用いた硬化機構ではアンモニアが白金触媒の触媒毒となるため白金触媒が過剰に必要となり、何れもコスト高を招き、また硬化時間のコントロールも困難になると云う問題がある。
【0006】
また、へキサメチルジシラザンに代表されるアルキルシラザン系化合物は無機酸化物表面の水酸基と化学的に結合するが、表面水酸基の数や疎水化基の立体障害などの問題から、これまで知られている処理方法では導入しうる疎水化剤量には限りがある。例えば、特許第2886037号には水蒸気の存在下、150〜250℃の温度で無機酸化物微粉末にヘキサメチルジシラザンを接触させ、粉末表面の水酸基と反応させて疎水化し、反応後は未反応物や副生物を窒素ガスでパージする方法が記載されている。
【0007】
この方法ではぺキサメチルジシラザンと無機酸化物微粉末を接触させる温度はヘキサメチルジシラザンの沸点以上であることが好ましいとし、ヘキサメチルジシラザンと無機酸化物微粉末との接触・混合工程、ヘキサメチルジシラザンと無機酸化物微粉末との反応、脱アンモニア工程を全てヘキサメチルジシラザンの沸点以上で行うことが推奨されている。しかし、このように反応触媒となる水蒸気下でヘキサメチルジシラザンが導入されると直ちに水蒸気と反応して加水分解物を生成し、この加水分解物はこの温度下で気化し、アンモニアや未反応物と共にパージ除去される。従って、無機酸化物微粉末表面に疎水化剤を導入するには効率的でなく、炭素含有量の高いものを得ることはできない。
【0008】
このように、アルキルシラザン系化合物で疎水化処理した無機酸化物微粉において、比表面積あたりの疎水化剤の量が多く、しかもアンモニア残存量が少ないものは従来の方法では満足なものが得られていない。本発明はこのような従来の問題を解決したものであり、比表面積あたり高い炭素含有量を有し、しかも残存アンモニア量が非常に少なく、樹脂に添加したときに粘性を低く維持することができる無機酸化物粉末からなる樹脂用充填剤を提供するものである。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明によれば、以下の樹脂用充填剤の製造方法が提供される。
(1)無機酸化物微粉末100重量部に対してアルキルシラザン系化合物5〜50重量部を添加し、水分の存在下で反応させ、反応温度を室温から300℃まで段階的に高め、この初期段階の時間を長く保持すると共に後期段階の時間を相対的に短くして反応させることにより、比表面積(m2/g)に対する炭素含有量(重量%)の比が0.02以上であって、残留アンモニア量が25ppm以下である疎水化処理された無機酸化物微粉末からなる樹脂用充填剤を製造することを特徴とする方法。
(2)無機酸化物微粉末とアルキルシラザン系化合物との反応温度を室温〜100℃に高めて表面処理反応を行わせ、次いで反応温度を100℃以上〜150℃に昇温して反応を進め、その後、更に170〜300℃まで昇温して残留アンモニアを揮散させる上記(3)の製造方法。
【0010】
本発明によれば、アルキルシラザン系化合物による疎水化処理方法において、無機酸化物微粉末にアルキルシラザン系化合物を導入して水分の存在下で反応させ、この反応温度を段階的に高め、異なる温度領域に所定時間保持して反応させる多段温度制御を行うことにより、比表面積あたり高い炭素含有量を有し、しかも残存アンモニア量が非常に少なく、樹脂に充填したときに低粘性を保つことできる優れた無機酸化物粉末からなる樹脂用充填剤を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
〔樹脂用充填剤〕
本発明の樹脂用充填剤は、アルキルシラザン系化合物で疎水化処理された無機酸化物微粉末からなり、比表面積(m2/g)に対する炭素含有量(重量%)の比が0.02以上であって、残留アンモニア量が25ppm以下、好ましくは15ppm以下であることを特徴とし、好ましくは、シリコーン樹脂に20重量%添加したときの粘度が10Pa・s以下である樹脂用充填剤である。
【0012】
本発明の無機酸化物微粉末としてはシリカ、アルミナ、酸化チタンなどを用いることができ、またアルミナコートシリカ、チタニアコートシリカ、アルミナコートシリカ、シリカーコートチタニアなどのような異種無機酸化物コート無機酸化物、または異種無機酸化物ドープ無機酸化物などを用いることができる。これらから選ばれる複数種でも良い。また、これらの無機酸化物微粉末は湿式法、乾式法いずれの方法で合成されたもので良い。なお、乾式法で合成された無機酸化物については本発明の効果が顕著である。その例としては、ケイ素ハロゲン化合物の火炎加水分解によって生成されたシリカであって、比表面積が窒素吸着法(BET法)で400m2/g未満のいわゆるヒュームドシリカと称されるものが挙げられる。具体的には、AEROSIL50、90G、130、200、300、380、380S(以上、日本アエロジル社製品)、TT600、0×50(以上、デグサヒュルス社製品)などの商品名で市販されているものがある。
【0013】
また、チタン化合物の火炎加水分解により生成した酸化チタン〔商品名:P25(日本アエロジル社製品)〕、同様の製法によるアルミナ〔商品名:AI203−C(デグサヒュルス社製品)〕、アルミナ−シリカ混合物〔商品名:MOX80、MOX170、COK84(以上デグサヒュルス社製品)〕などが挙げられる。また、これらのシリカ、アルミナ、酸化チタンの表面に異種無機酸化物をコーティングしたもの、あるいはドーピングしたものも用いることができる。さらに、これらの複数種の混合物でも良い。以上の無機酸化物微粉末の粒径は限定されない。
【0014】
アルキルシラザン系化合物はケイ素−窒素結合を有する有機ケイ素化合物であれば良い。なお、工業的規模での使用、生産の観点からヘキサメチルジシラザンが一般的である。
【0015】
本発明の樹脂用充填剤はこのアルキルシラザン系化合物で疎水化処理された無機酸化物微粉末であって、比表面積に対する炭素含有量の比〔炭素含有量/比表面積〕が0.02以上のものである。この比(炭素含有量/比表面積)は比表面積あたりの疎水化剤の存在量を示している。アルキルシラザン系化合物は無機酸化物微粉末表面の水酸基と反応するため、比表面積が大きいと水酸基数と反応するアルキルシラザン系化合物の量が多くなり粉末全体の炭素含有量が高くなる。従って、高い疎水性や樹脂に添加した場合のレオロジー特性などを検討する場合、単に炭素含有量のみを考慮しては不十分であり、単位表面積あたりの炭素含有量を検討する必要がある。本発明は〔炭素含有量/比表面積〕を指標とし、この比を0.02以上とすることにより、高い疎水化処理効果を確保している。この比が0.02より低いと樹脂に添加した場合に樹脂との濡れ性が不良であり、樹脂混合物の増粘性が高くなる。また樹脂混合物の粘度の経時安定性が低下する。これは無機酸化物表面の疎水化剤量が少なく、表面の水酸基がアルキルシラザン系化合物によって十分に被覆されていないためと考えられる。
【0016】
本発明の疎水化処理された無機酸化物微粉末は、さらに残留アンモニア量が25ppm以下のものである。アンモニア残量は樹脂に添加した際の増粘性、粘度の経時変化、硬化特性に影響を与える。本発明の疎水化処理した無機酸化物微粉末のアンモニア残量は25ppm以下、好ましくは15ppm以下であり、この範囲であれば上記樹脂特性に実質的な影響を与えない。残存アンモニア量が25ppmより多いと樹脂の増粘性や粘度の経時変化に影響が見られる。
【0017】
また、本発明の無機酸化物微粉末は、好ましくは、シリコーン樹脂に20重量%添加したときの比粘度が4.0以下であり、充填剤を添加した樹脂組成物の粘性を低く維持することができるものである。なお、比粘度は充填剤を添加したときの粘度と充填剤を添加しないもとの樹脂粘度の比である。もとの樹脂粘度が13000csであって充填剤を添加した粘度がN(Pa・s)であるとき、比粘度は〔N/13〕で表される。
【0018】
〔製造方法〕
本発明の疎水化処理された無機酸化物微粉末は、無機酸化物微粉末100重量部に対してアルキルシラザン系化合物5〜50重量部を添加し、水分の存在下で反応させ、反応温度を300℃、好ましくは250℃まで段階的に高め、各段階の温度下に所定時間保持して反応させることによって製造される。
【0019】
アルキルシラザン系化合物の添加量は、無機酸化物微粉末100重量部に対して5〜50重量部が好ましい。アルキルシラザン系化合物が5重量部未満では疎水化処理が不十分になる。一方、この化合物を50重量部より多く用いても、その効果は飽和するので経済的でなく、また生成するアンモニア量も多くなり、アンモニアを除去するのが困難になる。
【0020】
無機酸化物微粉末とアルキルシラザン系化合物とを水の存在下で反応させる。水分を導入せずに反応させるとシリカとアルキルシラザン系化合物との反応性が低いために炭素含有量を高めることが難しい。水分の添加方法は、例えば、シリカ微粉末に水分を直接噴霧し、あるいは水蒸気を導入するなど適宜な方法を用いることができる。アルキルシラザン系化合物と同時に水分を導入してもよいが、より高い炭素含有量を得るためにはアルキルシラザン系化合物を添加する前に水分を導入した方が良い。添加する水分量は特に制限されないが、比表面積当りの炭素含有量が高いものを得るには無機酸化物100重量部に対して0.5重量部以上であることが好ましい。これ以下の添加量でも良いが生産性が低い。
【0021】
無機酸化物微粉末とアルキルシラザン系化合物の反応操作は一般的な方法によることができる。反応装置はバッチ式でも連続式でもく、流動床式でも固定床式でも良い。例えば、ヘンシェルミキサーなどに代表される攪拌手段を備えた容器にシリカ微粉末を入れ、窒素雰囲気下で攪拌し、アルキルシラザン系化合物を噴霧し、あるいは気化したアルキルシラザン系化合物を導入し、シリカ微粉末と混合し、加熱して反応させる、あるいは流動床型反応器にシリカ微粉末を装入し、アルキルシラザン系化合物を気化させてシリカ微粉末と混合した後に加熱し反応させる。
【0022】
無機酸化物微粉末とアルキルシラザン系化合物との反応は反応温度を段階的に高めて行うと良い。具体的には、例えば、反応温度を室温〜100℃に高めて表面処理反応を行わせ、次いで反応温度を100℃以上〜150℃に昇温して表面処理反応を進め、その後、更に170〜300℃、好ましくは250℃まで昇温して残留アンモニアを揮散させる。このようにアルキルシラザン系化合物を無機酸化物微粉末に添加して接触混合する第一段階の温度は100℃以下が良く、第二段階の反応温度は150℃以下が好ましい。こらの温度が上記範囲を超えると炭素含有量を高めることが難しくなる。残留アンモニアを揮散させる第三段階の温度は170〜300℃、好ましくは170〜250℃が適当である。170℃未満ではアンモニアの除去が効率的ではなく、除去時間が大幅にかかり生産性が低くなる。また300℃を超えると導入基の分解が起り始める。また、この段階で窒素やヘリウム等の置換ガスを導入し、アンモニアガスを系外に追い出すのが好ましい。
【0023】
第一段階から第三段階に至る各段階の保持時間は、第一段階の保持時間T1、第二段階の保持時間T2、第三段階の保持時間T3とするとき、T1≧T2>T3であるのが好ましい。第一段階と第二段階はアルキルシラザン系化合物と無機酸化物微粉末との反応を進めるために保持時間は長い方が良い。十分に反応を行えるため単位面積当たりの炭素含有量を多くすることが出来る。第一段階の時間を長く保持する(T1≧T2)ことにより、アルキルシラザン系化合物が十分に混合され、無機酸化物微粉末表面に分散されて反応が進むので、単位面積あたりの炭素含有量を多くすることができる。第三段階の時間は相対的に短くてよい(T2>T3)。これは第二段階でもアンモニアが生成して揮散しているので、第三段階では残存している微量のアンモニアを除去すれば良いからである。第三段階の時間が長いと導入した炭素分が分解して無機酸化物微粉末表面の炭素量が減少する場合がある。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。なお、疎水化無機酸化物微粉末の炭素含有量の測定はホリバ社製装置(EMIA−110)を用いて測定した。比表面積は窒素ガス吸着BET法(1点法)で測定した値である。アンモニアの測定は規格(JIS K7237)を参考にした過塩素酸による電位差滴定法によって行った。この方法は疎水化処理した無機酸化物微粉末を酢酸とクロロホルムの混合溶液に分散し、マグネテックスターラで攪拌しながら、この懸濁液に過塩素酸と酢酸の混合溶液を滴下し、その電位変化から当量点(終点)を求める方法であり、具体的には以下のようにして残留アンモニア量を求めた。
【0025】
疎水化処理したシリカ微粉末10〜20gを酢酸クロロホルム混合溶液(酢酸2:クロロホルム1)400mlに入れ、回転子を入れて攪拌する。電位差自動滴定装置(京都電子工業社製品:AT−310J)を用い、この懸濁液を0.01N過塩素酸と酢酸の混合溶液で滴定し、N(ppm)=[f・L・140]/W の式に従って残留アンモニア量を算出した。ここで、N(ppm)は残留アンモニア量(窒素量換算)、fは0.01N過塩素酸と酢酸の混合溶液の係数、Lは当量点までに要した過塩素酸酢酸混合溶液の量、Wは無機酸化物粉末の量である。
【0026】
表面処理して得た樹脂用充填剤をシリコーン樹脂(両末端OH基ジメチルシリコーン:13000cs)に20重量%添加し、プラネタリーミキサを用い500rpmで30分間真空混錬を行い、混合物の粘度をE型粘度計で測定した。またこの混合物を40℃に保管して経時変化を調べた。さらに、このシリコーン樹脂混合物100重量部にジブチル錫ジラウレート0.1重量部を添加し、プラネタリーミキサを用い500rpmで5分真空混錬を行い、その混練物の硬化性を評価した。
【0027】
〔実施例1〕
比表面積200m2/gの煙霧質シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添加した後、ヘキサメチルジシラザン1.5kgを70℃で噴霧した。次に、100℃まで昇温して5分間保持した。さらに200℃まで昇温してアンモニアや未反応物などを除去して疎水化無機酸化物微粉末Aを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0028】
〔実施例2〕
比表面積300m2/gの煙霧質シリカ5kgを流動床型反応容器に入れ、反応容器下部より窒素を導入して系内を置換した。ここに水蒸気を10分間で100g導入した。この容器内の温度は95℃であった。次に、ヘキサメチルジシラザン2.0kgを気化させて反応容器内に導入した。この反応容器を140℃まで昇温し、10分間保持した。さらに250℃まで昇温してアンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Bを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0029】
〔実施例3〕
比表面積50m2/gの煙霧質シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら系内を窒素で置換した。これに水30gを噴霧して添加した後、ヘキサメチルジシラザン0.25kgを40℃で噴霧した。次に、100℃まで昇温して30分間保持した。さらに200℃まで昇温してアンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Cを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0030】
〔実施例4〕
比表面積200m2/gの煙霧質シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら系内を窒素で置換した。これに水200gを噴霧して添加した後、ヘキサメチルシクロトリシラザン2.5kgを60℃で噴霧した。次に、80℃まで昇温して60分間保持した。さらに250℃まで昇温してアンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Dを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0031】
〔実施例5〕
比表面積100m2/gの煙霧質アルミナ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添加した後、ヘキサメチルジシラザン1.5kgを60℃で噴霧した。次に、100℃まで昇温して20分間保持した。さらに、200℃まで昇温してアンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Eを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0032】
〔比較例1〕
比表面積200m2/gの煙霧質シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添加した後、ヘキサメチルジシラザン1.5kgを40℃で噴霧した。次に200℃まで昇温して5分保持し、その後アンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Fを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0033】
〔比較例2〕
比表面積200m2/gの煙霧質シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添加した後、ヘキサメチルジシラザン1.5kgを70℃で噴霧した.次に、100℃まで昇温して5分間保持した。さらに、260℃まで昇温してアンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Gを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0034】
〔比較例3〕
比表面積300m2/gの煙霧質シリカ5kgを流動床型反応容器に入れ、反応容器下部より窒素を導入して系内を置換した。反応容器内を200℃に保持し、ここに水蒸気を10分間で100g、ヘキサメチルジシラザンを10分間で2.0kg導入した。アンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Hを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0035】
〔比較例4〕
予めジメチルジクロロシランで処理した比表面積260m2/g、炭素量1.6wt%の煙霧質シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添加した後、ヘキサメチルジシラザン1.0kgを40℃で噴霧した。次に200℃まで昇温して5分間保持した。アンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Iを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0036】
〔比較例5〕
比表面積200m2/gの煙霧質シリカ5kgを流動床型反応容器に入れ、反応容器下部より窒素を導入して系内を置換した。これにジメチルシリコーン(KF96100cs)2.5kgを噴霧し、350℃まで昇温して30分間保持し、疎水化無機酸化物微粉末Jを得た。この粉末について各測定値を表1に示した。
【0037】
【表1】
Figure 0004164789
【0038】
表1の結果に示すように、本発明の無機酸化物微粉末からなる樹脂用充填剤は炭素含有量/比表面積の値が何れも0.02以上であり、残留アンモニア量が24ppm以下、好ましくは15ppm以下(実施例1、3〜5)である。従って、これを添加したシリコーン樹脂の比粘度は4.0以下であり、その経時変化も少ない。またシリコーン樹脂の硬化性も良好である。一方、比較例1、3、4は残留アンモニア量が少ないが、炭素含有量/比表面積の値が小さいためにシリコーン樹脂の粘度が不良である。比較例2は残留アンモニア量が多く、シリコン樹脂の粘度の経時安定性および硬化性が不良である。比較例5は疎水化剤としてジメチルシリコーンを用いており、この無機酸化物微粉末を添加したシリコーン樹脂の粘度の経時安定性および硬化性が著しく劣る。
【0039】
【発明の効果】
本発明の樹脂用充填剤は、疎水化処理された無機酸化物微粉末の〔炭素含有量/比表面積〕の値が大きく、しかも残留アンモニア量が少ない。従って、樹脂に添加した場合、樹脂混合物の粘性を低く保つことができる。また、アルキルシラザン系化合物によって処理されているのでその経時安定性に優れる。

Claims (2)

  1. 無機酸化物微粉末100重量部に対してアルキルシラザン系化合物5〜50重量部を添加し、水分の存在下で反応させ、反応温度を室温から300℃まで段階的に高め、この初期段階の時間を長く保持すると共に後期段階の時間を相対的に短くして反応させることにより、比表面積(m2/g)に対する炭素含有量(重量%)の比が0.02以上であって、残留アンモニア量が25ppm以下である疎水化処理された無機酸化物微粉末からなる樹脂用充填剤を製造することを特徴とする方法。
  2. 無機酸化物微粉末とアルキルシラザン系化合物との反応温度を室温〜100℃に高めて表面処理反応を行わせ、次いで反応温度を100℃以上〜150℃に昇温して反応を進め、その後、更に170〜300℃まで昇温して残留アンモニアを揮散させる請求項1の製造方法。
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