(1)実施例の構成
(1−1)光ディスク装置の構成
図2は、本発明の実施例1に係る光ディスク装置を示すブロック図である。この光ディスク装置1においては、図示しない撮像手段、音声取得手段により被写体のビデオ信号、オーディオ信号を取得し、このビデオ信号及びオーディオ信号による撮像結果を光ディスク2に記録する。またこの光ディスク2に記録した撮像結果を再生して液晶表示パネルによる表示手段、スピーカによる音声出力手段より出力し、また外部機器に出力する。この光ディスク装置1では、このような撮像結果によるビデオ信号及びオーディオ信号をMPEG(Moving Picture Experts Group)のフォーマットによりストリーミングデータに変換した後、所定のファイル形式により光ディスク2に記録するようになされ、この実施例では、このファイル形式にQuick Time(以下、「QT」と呼ぶ)が適用されるようになされている。
光ディスク装置1では、このようにしてQT形式によるファイルを管理対象にしてなるインデックスファイルを併せて光ディスク2に記録し、このインデックスファイルについてもこのQT形式により作成する。なお後述するようにインデックスファイルには種々のファイル形式を適用することができる。また記録媒体にあっても、光ディスクに限らず、ハードディスク、フラッシュメモリ等、種々の記録媒体を適用することができる。
これにより光ディスク装置1において、ビデオ符号器11は、撮像結果によるビデオ信号をアナログディジタル変換処理してビデオデータを生成し、このビデオデータをMPEGのフォーマットに従って符号化処理し、これによりビデオデータによるエレメンタリストリームを出力する。
またオーディオ符号器12は、撮像結果によるオーディオ信号をアナログディジタル変換処理してオーディオデータを生成し、このオーディオデータをMPEGのフォーマットに従って符号化処理し、これによりオーディオデータによるエレメンタリストリームを出力する。
ファイル生成器15は、記録時、ビデオ符号器11及びオーディオ符号器12から出力されるエレメンタリストリームを多重化処理し、システム制御マイコン19の制御によりQTムービーファイルを作成する。
メモリコントローラ18は、システム制御マイコン19の制御により動作を切り換え、記録時、このファイル生成器15から出力されるQTムービーファイルによるデータ列、システム制御マイコン19から出力される各種データをメモリ17に順次記録して一時保持し、続くエラー訂正符号/復号器21の処理に対応して保持したデータを出力する。また再生時、これとは逆に、エラー訂正符号/復号器21の出力データを一時保持し、ファイル復号器16、システム制御マイコン19に出力する。
エラー訂正符号/復号器21は、システム制御マイコン19の制御により動作を切り換え、記録時、メモリコントローラ18の出力データをメモリ20に一時記録して誤り訂正符号を付加する。またこのようにしてメモリに保持したデータを所定順序により読み出して出力することにより、これらのデータをインターリーブ処理してデータ変復調器23に出力する。またエラー訂正符号/復号器21は、再生時、記録時とは逆に、データ変復調器23から出力されるデータを所定順序によりメモリ20に一時記録してメモリコントローラ18に出力することにより、このデータ変復調器23から出力されるデータをデインターリーブ処理して出力する。またこのとき、記録時に付加した誤り訂正符号により誤り訂正処理する。
データ変復調器23は、システム制御マイコン19の制御により動作を切り換え、記録時、エラー訂正符号/復号器21の出力データをシリアルデータ列に変換した後、変調処理して磁界変調ドライバ24又は光ピックアップ33に出力する。また再生時、光ピックアップ33から出力される再生信号からクロックを再生し、このクロックを基準にして再生信号を2値識別、復調処理することにより、記録時に生成したシリアルデータ列に対応する再生データを得、この再生データをエラー訂正符号/復号器21に出力する。
磁界変調ドライバ24は、光ディスク2が光磁気ディスクの場合に、記録時、システム制御マイコン19の制御により、データ変復調器23の出力信号により磁界ヘッド32を駆動する。ここで磁界ヘッド32は、光ディスク2を間に挟んで光ピックアップ33に対向するように保持され、光ピックアップ33によるレーザービーム照射位置にデータ変復調器23の出力データに応じた変調磁界を印加する。これによりこの光ディスク装置1では、光ディスク2が光磁気ディスクの場合、熱磁気記録の手法により光ディスク2にQTムービーファイル等を記録するようになされている。
かくするにつき光ディスク2は、ディスク状記録媒体であり、この実施例では、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical Disk)、相変化型ディスク等の書き換え可能な光ディスクである。スピンドルモータ31は、この光ディスク2をサーボ回路30の制御により、光ディスク2に応じて線速度一定(CLV:Constant Linear Velocity)、角速度一定(CAV:Constant Angular Velocity)、ゾーンCLV(ZCLV:Zone Constant Linear Velocity )等の条件により光ディスク2を回転駆動する。
サーボ回路30は、光ピックアップ33から出力される各種信号に基づいて、スピンドルモータ31の動作を制御し、これによりスピンドル制御の処理を実行する。またサーボ回路30は、同様にして光ピックアップ33をトラッキング制御、フォーカス制御し、また光ピックアップ33、磁界ヘッド32をシークさせ、さらにはフォーカスサーチ等の処理を実行する。
ドライブ制御マイコン22は、システム制御マイコン19の指示により、これらサーボ回路30におけるシーク等の動作を制御する。
光ピックアップ33は、光ディスク2にレーザービームを照射してその戻り光を所定の受光素子により受光し、その受光結果を演算処理することにより、各種制御用の信号を生成して出力し、また光ディスク2に形成されたピット列、マーク列に応じて信号レベルが変化する再生信号を出力する。また光ピックアップ33は、システム制御マイコン19の制御により動作を切り換え、光ディスク2が光磁気ディスクの場合、記録時、光ディスク2に照射するレーザービームの光量を間欠的に立ち上げる。これによりこの光ディスク装置1では、いわゆるパルストレイン方式により光ディスク2にQTムービーファイル等を記録するようになされている。また光ピックアップ33は、光ディスク2が相変化型ディスク等の場合、データ変復調器23の出力データに応じて光ディスク2に照射するレーザービームの光量を再生時の光量から書き込み時の光量に立ち上げ、これにより熱記録の手法を適用して光ディスク2にQTムービーファイル等を記録するようになされている。
これらによりこの光ディスク装置1では、撮像結果によるビデオ信号及びオーディオ信号をビデオ符号器11、オーディオ符号器12によりデータ圧縮してエレメンタリストリームに変換した後、ファイル生成器15によりQTムービーファイルに変換し、メモリコントローラ18、エラー訂正符号/復号器21、データ変復調器23を順次介して、光ピックアップ33により、又は光ピックアップ33及び磁界ヘッド32によりこのQTムービーファイルのデータ、インデックスファイルのデータ等を光ディスク2に記録するようになされている。
また光ディスク装置1では、光ピックアップ33より得られる再生信号をデータ変復調器23により処理して再生データを得、この再生データをエラー訂正符号/復号器21で処理して、光ディスク2に記録したQTムービーファイル、インデックスファイル等を再生できるようになされ、これらQTムービーファイル、インデックスファイル等をメモリコントローラ18から出力するようになされている。
ファイル復号器16は、メモリコントローラ18から出力されるQTムービーファイルのデータを入力し、このデータをビデオデータ及びオーディオデータのエレメンタリストリームに分解して出力する。ビデオ復号器13は、このビデオデータのエレメンタリストリームをデータ伸長して図示しない表示手段、外部機器に出力する。オーディオ復号器14は、ファイル復号器16から出力されるオーディオデータのエレメンタリストリームをデータ伸長して、図示しない音声出力手段、外部機器に出力する。これによりこの光ディスク装置1では、光ディスク2から再生した撮像結果をモニタし得るようになされている。
なお、光ディスク装置1は、コンピュータ等の外部機器を接続するインターフェースを有し、これにより撮像結果に代えてコンピュータの出力データを光ディスク2に記録し、また光ディスク2に記録したファイルを再生してコンピュータで処理できるようになされている。
操作部26は、この光ディスク装置1の各種操作子、液晶表示パネルに配置されたタッチパネルにより構成され、ユーザーによる各種操作をシステム制御マイコン19に通知する。
システム制御マイコン19は、この光ディスク装置1全体の動作を制御するコンピュータであり、図示しないメモリに事前のインストールにより記録された所定の処理プログラムの実行により、光ディスク2の装填が検出されると、光ピックアップ33を光ディスク2の最内周にシークさせ、光ディスク2に係るファイル管理システムの管理情報を再生する。さらにシステム制御マイコン19は、この再生した管理情報をメモリコントローラ18から取得し、内蔵のメモリに保持する。これによりシステム制御マイコン19は、光ディスク2に記録された各ファイルのアドレス、空き領域を検出するようになされている。
またこのようにして取得した管理情報を検索して、光ディスク2にインデックスファイルが記録されている場合、このインデックスファイルの記録位置に光ピックアップ33をシークさせ、このインデックスファイルを再生する。またメモリコントローラ18よりこの再生したインデックスファイルを取得し、内蔵のメモリに記録して保持する。これによりこの実施例では、このインデックスファイルを利用して光ディスク2に記録されたファイルの処理に関して全体の操作性を向上するようになされている。なお、これによりインデックスファイルにおいては、ユーザーエリアの最内周近傍に記録して立ち上がり時間を短くすることができる。
すなわちシステム制御マイコン19は、ユーザーの操作に応動して、このインデックスファイルによりモニタ用の液晶表示パネルにサムネイル画像等を表示することにより光ディスク2に記録されたQTムービーファイルの内容を紹介し、またこの紹介によりユーザーによるファイルの選択を受け付け、対応する管理情報によりこのユーザーにより選択されたファイルを再生するように全体の動作を制御する。
またユーザーによる撮像結果の記録が指示されると、管理情報により空き領域を検出して光ピックアップ33をこの空き領域にシークさせ、順次得られる撮像結果を光ディスク2に記録する。またこの撮像結果の記録によるQTムービーファイルの記録に対応するように、メモリに保持した管理情報を更新し、光ディスク2の排出時等において、この更新した管理情報により光ディスク2の管理情報を更新する。なおこの管理情報の更新においては、メモリに保持して更新した管理情報をメモリコントローラ18を介してエラー訂正符号/復号器21に出力することにより実行される。
これらの処理において、システム制御マイコン19は、記録に供するQTムービーファイルの生成に必要な各種の情報をファイル生成器15に出力する。またファイル生成器15を介してインデックスファイルの生成に必要な情報を取得し、この取得した情報とファイル生成器15に出力した情報等とにより、新たに光ディスク2に記録するQTムービーファイルについて、メモリに保持したインデックスファイルを更新し、管理情報における更新処理と同様にして、このようにして更新してメモリに保持したインデックスファイルにより光ディスク2に記録されたインデックスファイルを更新する。
またユーザーにより光ディスク2に記録されたファイルの削除、追加等の編集が指示されると、さらにはインデックスファイル自体の編集が指示されると、この編集の処理に対応するように、記録時と同様にして、メモリに保持したインデックスファイル、管理情報を更新し、このメモリに保持したインデックスファイル、管理情報により光ディスク2のインデックスファイル、管理情報を更新する。なお光ディスク2にQTムービーファイルが記録されているにも係わらずインデックスファイルが記録されていない場合、システム制御マイコン19は、ユーザーの指示によりインデックスファイルを作成してメモリに保持すると共に、光ディスク2に記録するようになされ、この処理においては、光ディスク2より各QTムービーファイルの該当箇所を再生して、メモリコントローラ18からインデックスファイルの生成に必要な情報を取得するようになされている。
(1−2)インデックスファイル
この実施例において、インデックスファイルは、QTムービーファイル等の光ディスク2に記録される各種ファイルと同様に、光ディスク2のファイル管理システムにより、記録位置のアドレス、ファイル名、ファイル長等の再生に必要な情報が管理されるファイルであり、光ディスク2に記録された管理対象であるQTムービーファイルの内容を紹介する管理対象ファイルの抜粋情報等により構成される。
これによりこの光ディスク装置1では、このインデックスファイルに基づいて光ディスク2に記録されたQTムービーファイルを選択し、この選択したファイルを光ディスク2のファイル管理システムに基づいて光ディスク2から再生することにより、光ディスク2に多数のQTムービーファイルが記録されている場合でも、所望するファイルを迅速かつ正確に選択できるようになされ、その分、操作性を向上できるようにようになされている。
この実施例において、インデックスファイルは、このQTムービーファイルの内容を紹介する情報にQTムービーファイルに係る情報を抜粋した抜粋情報等を割り当て、これにより各QTムービーファイルの内容を簡易かつ迅速に把握できるようになされている。
インデックスファイルは、例として図7について上述したプロパティエントリ、サムネイル画像エントリ、テキストエントリの3つのファイルに、サウンドエントリを加えた4つのファイルにより形成され、システム制御マイコン19の指示により、光ディスク2とシステム制御マイコン19に内蔵のメモリとの間で読み書きされる。
ここで抜粋情報は、このインデックスファイルによる管理対象ファイルの内容を紹介する管理対象ファイルの一部を抜粋した情報であることにより、管理対象ファイルの種類に応じて変化するものの、この実施例のように、管理対象ファイルがビデオデータ及びオーディオデータによるQTムービーファイルである場合、抜粋情報には、プロパティ、テキスト、サムネイル画像、サウンドの4種類のデータが適用される。なおこれらのうちプロパティは必須であるが、他は場合によって削られたり、あるいはここに上げられていない種類のグループが加えられる。
ここでプロパティは、ディスクタイトル、各管理対象ファイルの属性を示す属性情報である、ディスクタイトル、各管理対象ファイルに設定されたバイナリーデータによる抜粋情報が、他の抜粋情報の管理情報等と共に割り当てられる。テキストは、ディスクタイトル、各管理対象ファイルに係るタイトルの文字列を示すデータにより構成される。
サムネイル画像は、ディスクタイトル、各管理対象ファイルの内容を示す静止画像により構成され、管理対象ファイルのサムネイル画像は、例えば管理対象ファイルの先頭画像が割り当てられる。これに対してディスクタイトルのサムネイル画像等は、ユーザの選択により、例えば特定の管理対象ファイルのサムネイル画像が割り当られる。なお各管理対象ファイルのサムネイル画像は、ユーザーの選択により設定するようにしてもよい。
サウンドは、ディスクタイトル、各管理対象ファイルの内容を示す短時間のオーディオデータである。管理対象ファイルのサウンドは、例えば対応するファイルの再生開始より数秒間(例えば5秒間)のオーディオデータが割り当てられる。これに対してディスクタイトルのサウンド等は、ユーザの選択により、例えば特定の管理対象ファイルのサウンドが割り当られる。なお管理対象ファイルのサウンドにあっても、ユーザーの選択により設定するようにしてもよい。
これによりこの光ディスク装置1において、システム制御マイコン19は、ファイル生成器15よりデータ圧縮されたビデオデータ及びオーディオデータを取得してデコードした後、ビデオデータにおいては、画素の間引きによりサムネイル画像を生成するようになされている。またオーディオデータについては、必要箇所を切り出してサウンドのデータを生成するようになされている。また光ディスク2のファイル管理システムに保持された各管理対象ファイルのファイル情報より、さらにはユーザーの設定により、タイトルのデータを生成するようになされている。これに対してプロパティは、ユーザーの操作に応動してシステム制御マイコン19により作成される。なおこれらサムネイル、サウンドのデータにおいては、必要に応じてデータ圧縮されてインデックスデータアトムに割り当てられる。
インデックスファイルは、実データがそれぞれその抜粋情報の種類毎にグループ化されて各グループ毎にまとめられ、これにより抜粋情報が種類により区分されて複数のグループが形成される。インデックスファイルは、図7に示すように、各グループの先頭にそれぞれヘッダPH〜TXHが設定され、また各グループにおいては、固定長によるスロットに実データが割り当てられる。これによりインデックスファイルは、ヘッダPH〜TXHに続くスロットの連続により各抜粋情報が登録され、これにより図7について上述したプロパティエントリE3、サムネイル画像エントリE2、テキストエントリE1がそれぞれ構成されるようになされている。また1つのスロットに対応する1つのファイル等に係る抜粋情報を割り当てることが困難な場合、複数のスロットに1つの管理対象ファイル等による抜粋情報が割り当てられるようになされている。
各グループの先頭ヘッダには、それぞれのグループのスロットのサイズ、総スロット数等の、そのグループ全体を記述する情報が設定される。またこれらのグループのうち、プロパティのグループのみが必須とされる。
これによりこの光ディスク装置1では、例えばユーザーの指示によりサムネイルを基準にして所望のファイルをサーチする場合には、このサムネイル画像エントリを再生してサムネイル画像のデータを取得し、この取得したサムネイル画像のデータを表示してユーザーの指示を受け付けるようになされている。
(1−3)プロパティによる管理
プロパティエントリは、管理対象ファイルである光ディスク2に記録されたファイルに加えて、光ディスク2のファイル管理システムによる実在するフォルダ、仮想的なフォルダ、この仮想的なフォルダに仮想的に配置された管理対象のファイルに対して、それぞれ抜粋情報が登録される。プロパティエントリにおける各スロットにおいては、図3に示すように、各スロットを特定するスロット番号(エントリ番号)、これら実在するファイル及びフォルダ、仮想的なファイル及びフォルダを識別する識別情報が設定される。なお上述した他のエントリについても、同様に、実在するフォルダ、仮想的なフォルダ、この仮想的なフォルダに仮想的に配置された管理対象のファイルを登録し得るようになされている。これによりインデックスファイルにおいては、光ディスク2のファイル管理システムに対応する階層構造により、またユーザーの設定したお気に入り等による仮想的なフォルダによる階層構造により、管理対象ファイルを管理し得るようになされている。
またプロパティエントリは、他のエントリと同様に、各スロットが固定長により形成され、これによりプロパティに係る抜粋情報を1つのスロットに割り当てることができない場合、1つの管理対象ファイル、フォルダに対して、複数のスロットが割り当てられる。なおプロパティエントリ、他のエントリにおいて、このように1つのファイル、フォルダに対して複数のスロットが割り当てられている場合に、先頭以外のスロットを以下において拡張スロットと呼ぶ。
またプロパティエントリは、何れかの他のエントリにおいて、同様に、1つの管理対象ファイル、スロットに対して複数のスロットを設定する場合には、この他のエントリのスロットに対応するように複数のスロットが割り当てられるようになされている。
これにより例えばテキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリが何れも設定されていないフォルダ等に対しては、プロパティに係る抜粋情報のデータ量に応じて1又は複数のスロットに対応する抜粋情報が割り当てられるようになされている。またテキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリが何れも1つのスロットにより構成されているファイル、フォルダについては、同様に、プロパティに係る抜粋情報のデータ量に応じて1又は複数のスロットに対応する抜粋情報が割り当てられるようになされている。これに対してテキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリの何れかが複数個のスロットにより構成されているファイル、フォルダについては、プロパティに係る抜粋情報のデータ量が十分に小さい場合でも、これらテキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリのうちで最もスロット数の多いエントリに対応するスロット数が設定されるようになされている。
これによりこの実施例では、抜粋情報を割り当ててなるテキストエントリE1、サムネイル画像エントリE2の各スロットにおいては、それぞれプロパティエントリE3に対応するスロットが存在するように設定され、このプロパティエントリE3のスロットより対応するスロットを特定できるようになされている。
プロパティエントリは、各スロットに、このようなテキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリにおける対応するスロットの有無を示す有無フラグが、それぞれテキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリ毎に設定される。またこの対応するスロットを指し示す識別情報であるスロット番号がそれぞれテキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリ毎に設定される。またこの対応するスロットに拡張スロットが存在するか否かを示す拡張フラグがそれぞれテキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリに対応してセットされる。これによりプロパティエントリE3の対応するスロットより各エントリの対応するスロットを特定できるようになされている。
またプロパティエントリは、プロパティエントリ自体に続く拡張スロットが存在する場合、この続く拡張スロットを指し示す拡張スロット番号がこれら複数のスロットに設定される。なおこの拡張スロット番号及びスロット番号においては、対応するスロットが存在しない場合、何ら意味を持たない値が設定されるようになされ、これによりこのような複数のスロットの末尾のスロット、1つのエントリに対して1つのスロットが割り当てられている場合、他のエントリにおける対応するスロットの有無等を検出できるようになされている。
またプロパティエントリは、スロットに割り当てられた抜粋情報の有効無効を示す有効無効フラグが各スロットに設定される。なおプロパティエントリは、これらの他に、管理情報として、例えば分割されたファイルに係る参照関係の情報、再生順序の情報等が割り当てられるようになされている。
これによりプロパティエントリにおいては、続く拡張スロットを指し示す拡張スロット番号を順次辿ってプロパティのスロットを検出するにより、1つのファイル又はフォルダの抜粋情報を割り当てたプロパティのスロットを検出することができ、またこのようにして検出したプロパティのスロットに設定された有無フラグ、スロット番号、拡張フラグにより、この1つのファイル又はフォルダの抜粋情報を割り当てた他のエントリのスロットを検出することができ、これによりこれらの情報により、1つのファイル又はフォルダの抜粋情報を割り当てたスロットの組み合わせをプロパティだけで検出できるようになされている。
これらにより例えば3つのファイルをインデックスファイルの管理対象に追加する場合であって、かつこの3つのファイルのプロパティエントリが、それぞれ1つのスロットで足りる場合、図4(A)に示すように、プロパティエントリE3の末尾に3つのスロットPESN、PESN+1、PESN+2を追加した後、これら追加に係る3つのスロットPESN、PESN+1、PESN+2において、それぞれ有効無効フラグを有効に設定し、さらに拡張スロット番号には何ら意味の無い値(いわゆるヌル値であり、以下において、図面においては空により示す)を設定するようになされている。
またこのインデックスファイルに対して、図4(B)に示すように、サムネイル画像エントリE2を登録しない場合には、対応するプロパティのスロットPESNについては、サムネイルの有無フラグを無に設定し、また対応するサムネイルのスロット番号、サムネイルの拡張フラグについては、それぞれ何ら意味の無い値(空)、NOに設定するようになされている。
これに対してサムネイル画像エントリE2にそれぞれ1つのスロットを登録する場合は、対応するプロパティエントリE3のスロットPESN+1、PESN+2については、サムネイルの有無フラグを有に設定し、また対応するサムネイルのスロット番号については、対応するサムネイルにおけるスロットTHEM、THEM+1のスロット番号を設定し、さらにサムネイルの拡張フラグについては、NOを設定されるようになされている。
またこのような登録の削除においては、図4との対比により図5に示すように、プロパティエントリE3の有効無効フラグを無効に設定して実行される。このときスロットPESN+2により示すように、他のエントリに対応するスロットTHEM+1が存在する場合、このスロットTHEM+1については、このスロットTHEM+1を指し示すスロット番号を元のままに保持して、対応する有無フラグを無に設定する。これに対してこの他のスロットTHEM+1に係る抜粋情報のみ登録を削除する場合、このスロットTHEM+1については、このスロットTHEM+1を指し示すスロット番号を元のままに保持して、対応する有無フラグを無に設定する。これによりインデックスファイルにおいては、いわゆるリーク状態であるプロパティエントリに対応付けらていない状態の他のエントリに係るスロットが発生しないようになされている。
これに対してプロパティエントリのスロットに拡張スロットが設定されている場合、この拡張スロットを指し示す拡張スロット番号が空に設定され、これによりプロパティエントリのスロット間については、連結関係が切り離される。しかしてこのようにして連結関係が切り離されてなるプロパティエントリの各スロットにおいては、さらに図5について上述した何ら拡張スロットが設けられていない場合と同様の設定により削除の処理が実行される。
これらによりインデックスファイルは、ファイルを管理対象から除外する場合、プロパティエントリのスロットを単位にして、各エントリのスロットに割り当てられた抜粋情報が無効に設定されるのに対し、各抜粋情報の登録削除においては、対応するエントリのスロットに係る有無フラグにより実行されるようになされている。
これに対してこのようにして抜粋情報が無効に設定されているスロットが存在する場合にあって、インデックスファイルに管理対象ファイルを登録する場合、プロパティエントリにおいて有効無効フラグが無効に設定されてなるスロットが検出され、このスロットに設定されている他のエントリに係るスロット番号による連結関係を利用して、対応する他のエントリに係るスロットが検出され、このようにして検出したスロットに対応する抜粋情報が割り当てられる。このとき何れかの抜粋情報が1つのスロットに納まらない場合、さらに無効に設定されてなるプロパティエントリのスロットが検出され、またこのスロットより他のエントリのスロットが検出され、これらのスロットに抜粋情報が割り当てられる。またこのようにして抜粋情報を割り当てる複数のスロットについては、有効無効フラグが有効に設定され、また他のエントリに係る抜粋情報をスロットに割り当てる場合には、対応するエントリの有無フラグが有に設定される。また拡張スロットが存在する場合には、拡張スロット番号、各種フラグが設定される。
これらによりこの実施例において、各エントリのスロット番号と拡張スロット番号とが、プロパティエントリに対応する他のグループのスロットと、自身のスロットに続く拡張スロットとを指し示す接続情報を構成するようになされ、また有効無効フラグ、有無フラグが、対応する他のグループのスロットとプロパティエントリ自身のスロットとの有効無効をそれぞれ示す有効無効情報を構成するようになされている。またインデックスファイルにおいては、これら接続情報、有効無効情報による管理情報により、1つのファイル又はフォルダの抜粋情報を割り当てたスロットの組み合わせを、プロパティのグループで示すように設定され、この管理情報の変更により、対応するファイル又はフォルダが管理対象から除外されるようになされている。
しかして光ディスク装置1のシステム制御マイコン19においては、このインデックスファイルのプロパティに係る管理に従って、光ディスク2へのファイルの記録、削除に対応して内蔵のメモリにロードしてなるインデックスファイルに抜粋情報を登録、削除し、このインデックスファイルを光ディスク2に記録し直す。これによりこのような光ディスク2へのファイル記録、削除を繰り返して、光ディスク2には、抜粋情報の登録に再使用される可能性はあるものの、未使用である空きスロットの断片が多数発生することになり、インデックスファイルに空きスロットが存在するにも係わらず、ファイルを追加記録できない場合が発生する。
(1−4)空き領域の回収処理
システム制御マイコン19は、このため所定のタイミングで、空き領域の回収処理を実行し、インデックスファイルのプロパティエントリに設定されている各スロットの管理情報により、有効無効情報により有効に設定されているスロットがこのインデックスファイルの先頭側より連続するように、インデックスファイルを再構成し、この再構成により更新したインデックスファイルにより光ディスク2に記録されたインデックスファイルを更新する。これによりシステム制御マイコン19は、有効無効情報による有効な抜粋情報が割り当てられていない未使用状態のスロットについて、これらスロットに割り当てられている光ディスク2の領域を記録可能な空き領域に設定し、光ディスク2における情報記録面の利用効率を向上させる。しかしてこれによりインデックスファイルにおいては、この空き領域の回収処理により、これら未使用状態のスロットの分、ファイル長が短くなることになる。
しかしてプロパティエントリ、サムネイル画像エントリ、テキストエントリ、サウンドエントリの各スロットにおいては、サムネイル画像エントリで最もスロット長(割り当て可能なデータ量)が多くなることにより、この実施例においては、空き領域の回収処理において、サムネイル画像エントリの未使用スロットを処理対象に設定してインデックスファイルを更新する。
またこのようなインデックスファイルの更新にあっては、ある程度時間を要することにより、また光ディスク2に十分な空き領域が存在する場合には、不必要な処理であることにより、この実施例では、光ディスク2の空き領域の監視に基づいて実行する。具体的には、光ディスク2の空き領域が所定量以下となった場合に実行する。また時間を要することにより、ユーザーの確認により実行する。
すなわち図6は、この空き領域の回収処理に係る全体の処理手順を示すフローチャートである。システム制御マイコン19は、電源の立ち上げによりこの処理手順を開始し、ステップSP1からステップSP2に移る。ここでシステム制御マイコン19は、光ディスク2のファイル管理システムにより、光ディスク2の空き容量を検出する。さらに続くステップSP3において、この空き容量が所定値以下か否か判断する。なおここでこの判断基準値においては、事前の設定に係る固定値を適用する場合、光ディスク2の容量に応じてシステム制御マイコン19により例えば光ディスク2の容量の所定割合に設定する場合、この光ディスク装置1が過去に連続使用されて記録したデータ量により設定する場合等の光ディスク装置1の使用の履歴に基づいて設定する場合等がある。
ここで光ディスク2に十分な空き領域が存在してこのステップSP3において否定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP3からステップSP4に移り、通常の表示に係る処理を実行する。なおここでこの処理においては、例えば表示手段にメニュー画面を表示する場合等である。
システム制御マイコン19は、続くステップSP5において、このようなメニュー画面におけるユーザーの選択により、またこの光ディスク装置1に設けられた各部の操作子の操作により、ユーザーによる操作を解釈し、続くステップSP6において、このユーザーによる操作が空き領域の回収処理を指示するものか否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP6からステップSP7に移り、ユーザーによる操作に応動した処理を実行する。また続くステップSP8において、このステップSP7における処理が光ディスク2の空き領域を少なくする処理である、光ディスク2へのデータの書き込みに係る処理か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP4に戻るのに対し、肯定結果が得られると、ステップSP2に戻り、改めて光ディスク2の空き容量を検出して一連の処理を実行する。
これらによりシステム制御マイコン19は、光ディスク2の空き容量が所定の判断基準値以下とならない限り、又はユーザーによるメニューの選択により空き領域の回収処理が指示されない限り、ユーザーの操作に応動して光ディスク2に撮像結果を記録し、またこの記録によりインデックスファイルを更新するようになされている。またこのようにして光ディスク2に記録したインデックスファイルを再生してユーザーに提供するようになされ、さらには光ディスク2に記録されたファイルの削除等を実行するようになされている。
これに対して光ディスク2の空き容量が所定の判断基準値以下となると、システム制御マイコン19は、ステップSP3で肯定結果が得られることにより、ステップSP3からステップSP10に移る。ここでシステム制御マイコン19は、空き領域の回収処理を実行するか否かのメッセージを表示してユーザーによる選択を受け付ける。しかして例えば光ディスク2に記録されたファイルの再生をユーザーが望む場合にあっては、このような回収処理を急いで実行して空き領域を確保する必要は無く、例えば夜間等において、改めて回収処理を実行すれば良いことになる。また光ディスク2にファイルを記録する場合にあっても、このファイルのデータ量が少ない場合、すなわち短時間、撮像結果を記録する場合にあっても、空き領域の回収処理を後回しにすることができる。これによりシステム制御マイコン19は、空き領域の回収処理を実行するか否かの判断をユーザーに委ね、その分、使い勝手を向上するようになされている。
システム制御マイコン19は、このステップSP10における表示において、併せて空き領域の回収処理に要する概ねの時間を表示する。これによりシステム制御マイコン19は、このように空き領域の回収処理を実行するか否かの判断基準をユーザーに提供してユーザーによる判断を受け付けるようになされ、ユーザーにおいて空き領域の回収処理を実行するか否かの判断を適切に実行できるようになされている。
またシステム制御マイコン19は、この表示において、この空き領域の回収処理により新たに確保される空き容量をユーザーに通知する。すなわち未使用のスロットが少ない場合にあっては、このような空き領域の回収処理を実行しても、必要量の空き容量を確保できない場合が発生する。この場合、空き領域の回収処理を実行することなく、光ディスク2を未使用のものに交換して、所望するシーンを迅速に記録することができる。これによってもシステム制御マイコン19は、ユーザーにおいて空き領域の回収処理を実行するか否かの判断を適切に実行できるようになされている。
しかしてシステム制御マイコン19は、光ディスク2から再生してメモリに保持してなるインデックスファイルについて、プロパティエントリの各スロットを順次サーチしてサムネイル画像エントリの未使用スロット数を検出し、この未使用スロット数より、回収処理により新たに確保される空き容量を検出する。またこのような未使用スロットの検出にあっては、サムネイル画像エントリのスロットを保持してなる無効に係るプロパティエントリのスロット、有無フラグが無に設定されてなるサムネイル画像エントリのスロットを保持してなるプロパティエントリのスロットをカウントすることにより実行する。なおここでサムネイル画像エントリのスロットを保持しているとは、プロパティエントリのスロットにサムネイル画像エントリに係るスロット番号が登録されている場合を意味するものである。
しかしてシステム制御マイコン19は、このステップSP10における表示を実行すると、ステップSP5に移ってユーザーによる操作を解釈し、この解釈において、ユーザーが空き領域の回収処理を指示した場合、ステップSP6からステップSP11に移り、空き領域の回収処理を実行した後、ステップSP4に戻る。またメニュー画面におけるユーザーの選択により、ユーザーが直接空き領域の回収処理を指示した場合、同様に、ステップSP6からステップSP11に移り、空き領域の回収処理を実行した後、ステップSP4に戻る。なおこのように、ユーザーが直接空き領域の回収処理を指示した場合にあっても、システム制御マイコン19は、ステップSP10において上述したと同様に、処理に要する概ねの時間、処理により確保される空き領域をユーザーに通知し、ユーザーによる確認により、空き領域の回収処理を実行するようになされている。
図1は、この空き領域の回収処理に係るシステム制御マイコン19の処理手順を示すフローチャートである。システム制御マイコン19は、この処理手順を開始すると、ステップSP21からステップSP22に移り、処理基準の変数を初期化することにより、処理対象をプロパティエントリの先頭スロットに設定する。システム制御マイコン19は、続くステップSP23において、メモリに保持してなるインデックスファイルのプロパティエントリについて、この処理対象のスロットの有効無効フラグが有効に設定されているか否か判断することにより、このスロットが有効状態のプロパティエントリか否か判断する。
ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP23からステップSP24に移り、この処理対象のスロットのサムネイル画像エントリの有無フラグが無に設定されているか否か判断する。ここでこのスロットが、使用状態のサムネイル画像エントリに係るスロットを有している場合、ステップSP24で否定結果が得られることにより、システム制御マイコン19は、ステップSP24からステップSP25に移り、ステップSP22で設定した変数をインクリメントすることにより、処理対象のスロットを次のスロットに切り換える。また続くステップSP26において、この変数をインデックスファイルの管理情報により判定することにより、プロパティエントリの末尾のスロットまで処理を完了したか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP23に戻る。
これによりシステム制御マイコン19は、プロパティエントリ及びサムネイル画像エントリの各スロットに有効に抜粋情報が割り当てられている場合には、ステップSP23−SP24−SP25−SP26−SP23の処理手順を繰り返し、順次、ファイル先頭側からプロパティエントリのスロットを検索するようになされている。
これに対してプロパティエントリのスロット自体、有効無効フラグの設定により有効な抜粋情報が割り当てられていない場合、システム制御マイコン19は、ステップSP23で否定結果が得られ、ステップSP23からステップSP27に移る。ここでシステム制御マイコン19は、サムネイル画像エントリインデックスが空に設定されているか否か判断する。ここでサムネイル画像エントリインデックスは、図3について上述したサムネイルのスロット番号である。これによりシステム制御マイコン19は、この場合、有効な抜粋情報が割り当てられていないプロパティエントリのスロットが、サムネイル画像エントリのスロットを保持していないか判断する。しかして上述したように、このようなプロパティエントリのスロットでサムネイルインデックスが有効に登録されている場合、対応するサムネイル画像エントリのスロットにあっては、有効な抜粋情報が割り当てられていない未使用状態のスロットである。
これによりシステム制御マイコン19は、このプロパティエントリのスロットがサムネイル画像エントリのスロットを保持していない場合、ステップSP27からステップSP25に移り、変数のインクリメントにより処理対象のスロットを続くスロットに切り換える。
これによりシステム制御マイコン19は、サムネイル画像エントリのスロットが接続されていないプロパティエントリのスロットであって、このプロパティエントリのスロットが未使用状態の場合、ステップSP23−SP27−SP25−SP26−SP23の処理手順の繰り返しにより、順次、ファイル先頭側からプロパティエントリのスロットを検索するようになされている。
これに対してプロパティエントリのスロット自体、使用状態であるものの、サムネイル画像エントリに係るスロットを有していない場合、又はこのサムネイル画像エントリに係るスロットに有効な抜粋情報が割り当てられていない場合、システム制御マイコン19は、ステップSP24で肯定結果が得られることにより、ステップSP24からステップSP27に移り、ここでサムネイル画像エントリインデックスが空に設定されているか否か判断する。この場合、システム制御マイコン19は、ステップSP24における有無フラグの判定がサムネイル画像エントリに係るスロットを有している場合のものか否か判定し、この場合もサムネイル画像エントリに係るスロットを有していない場合、ステップSP25に移ることになる。
これによりシステム制御マイコン19は、プロパティエントリのスロット自体、使用状態であり、かつこのスロットがサムネイル画像エントリのスロットを有していない場合、ステップSP23−SP24−SP27−SP25−SP26−SP23の処理手順の繰り返しにより、順次、ファイル先頭側からプロパティエントリのスロットを検索するようになされている。
これらによりシステム制御マイコン19は、未使用状態、使用状態であるプロパティエントリのスロットに対して未使用状態のサムネイル画像エントリのスロットが接続されている場合、ステップSP27で否定結果が得られ、ステップSP27からステップSP29に移る。
ここでシステム制御マイコン19は、この未使用状態であるサムネイル画像エントリのインデックス番号(エントリ番号)をメモリに記録する。またプロパティエントリの対応するスロットに設定されているサムネイル画像エントリのスロット番号を、空を意味するコードに設定し、このコードの設定によりこのサムネイル画像エントリの未使用スロットに係るプロパティエントリの記録を削除した後、ステップSP25に移る。
これによりシステム制御マイコン19は、順次、プロパティエントリの先頭スロットからサムネイル画像エントリの未使用スロットを検出し、この未使用スロットに係るプロパティエントリの記録を削除してプロパティエントリのスロットからこの未使用スロットを指し示さないようにしながら、この未使用スロットを指し示す接続情報をメモリに記録するようになされている。
しかしてシステム制御マイコン19は、このようにしてプロパティエントリの末尾のスロットまで未使用スロットを検査すると、ステップSP26で肯定結果が得られることにより、ステップSP26からステップSP30に移る。ここでシステム制御マイコン19は、メモリに収拾した未使用スロットを指し示す接続情報に基づいて、プロパティエントリに設定されたサムネイルのスロット番号を順次更新することにより、未使用スロットを詰めるようにサムネイル画像エントリのスロットを整理する。具体的に、例えばプロパティエントリの各スロットに設定されているサムネイル画像エントリに係るエントリ番号について、番号の大きい側より順次メモリに記録されている未使用スロットのエントリ番号に書き換えることにより、又は番号の小さい側より順次メモリに記録されている未使用スロットのエントリ番号を詰めるようにエントリ番号を書き換えることにより、未使用スロットを整理して、接続情報に係る処理を実行することができる。またこのようにしてそれまで未使用スロットに割り当てられていたサムネイル画像エントリに係る抜粋情報を削除して、必要に応じて接続情報に対応するようにこのサムネイル画像エントリに係る抜粋情報を並べ直すことにより、有効無効情報により有効に設定されているスロットがファイル先頭側より連続するように、サムネイル画像エントリを整理することができる。しかしてエントリ番号を詰めるようにエントリ番号を書き換えた場合には、単にそれまで未使用スロットに割り当てられていたサムネイル画像エントリに係る抜粋情報を削除するだけで、抜粋情報の並べ替えについては省略することができる。なお実際上、システム制御マイコン19は、インデックスファイルに係る各種の情報をメモリに保持してこの情報を適宜更新し、光ディスク2への記録の際にインデックスファイルのフォーマットによりこれらの情報を光ディスク2の記録系に出力することにより、このような未使用スロット分の抜粋情報の削除、並べ替えの処理にあっては、光ディスク2へのインデックスファイルの記録時に実行される。
システム制御マイコン19は、このようにしてサムネイル画像エントリを整理して、未使用スロットの分、インデックスファイルのファイル長を短くし、このインデックスファイルにより光ディスク2に記録されたインデックスファイルを更新し、これらにより無効状態のスロット領域をファイルシステムに返却してインデックスファイルを更新する。これにより光ディスク2のファイル管理システムにおいては、このようにインデックスファイルのファイル長が短くなった分、光ディスク2に空き領域が確保されることになる。しかしてシステム制御マイコン19は、光ディスク2の記録を更新すると、ステップSP30からステップSP31に移って元の処理手順に戻る。
(2)実施例の動作
以上の構成において、この光ディスク装置1では(図1)、撮像手段、音声取得手段で取得したビデオデータ、オーディオデータがそれぞれビデオ符号器11、オーディオ符号器12でエンコードされた後、ファイル生成器15によりQTムービーファイルのデータストリームに変換され、メモリコントローラ18、エラー訂正符号/復号器21、データ変復調器23、磁界変調ドライバ24、光ピックアップ33による記録系を介して光ディスク2に記録される。これによりこの光ディスク装置1では、撮像結果がQTムービーファイルにより光ディスク2に記録される。またこの光ディスク2のファイルの記録に対応するように、システム制御マイコン19の出力データがこの光ディスク装置1の記録系に出力され、これにより光ディスク2のファイル管理システムに係る管理情報がこのQTムービーファイルの記録に対応するように更新される。
またこのようにして記録したQTムービーファイルにおいては、ファイル管理システムによる管理情報に基づいて光ピックアップ33、データ変復調器23、エラー訂正符号/復号器21、メモリコントローラ18を介して順次再生され、ファイル復号器16によりビデオデータ及びオーディオデータのエレメンタリストリームに分解された後、それぞれビデオ復号器13、オーディオ復号器14によりデコードされて出力される。
この光ディスク装置1では、このようなQTムービーファイルの記録時、ファイル生成器15よりサムネイル画像用のデータ、サウンド用のデータがシステム制御マイコン19で取得され、またこのファイルの記録に前後したユーザーの入力等によりタイトルのデータがシステム制御マイコン19で取得される。またファイル管理システムに係るファイル名等の情報が取得され、これらにより光ディスク2に記録するQTムービーファイルの抜粋情報がシステム制御マイコン19で収拾される。光ディスク装置1では、光ディスク2のファイル管理システムに係る管理情報と同様に、システム制御マイコン19に内蔵のメモリにおいて、このようにして取得した抜粋情報によりインデックスファイルが生成され、このインデックスファイルがQTファイルと同様に光ディスク2に記録される。またこのインデックスファイルの記録、削除に対応するようにファイル管理システムの管理情報が更新される。
このシステム制御マイコン19におけるインデックスファイルの生成処理においては、抜粋情報がその抜粋情報の種類毎に分類されてグループ化され、各種類毎に、ファイル化されてプロパティエントリ、テキストエントリ、サムネイル画像エントリ、サウンドエントリによりインデックスファイルが形成される。これによりこの実施例では、このインデックスファイルを有効に利用して所望するファイルを簡易かつ確実に検出できるようになされ、その分操作性を向上し得るようになされている。
このようにして作成されるインデックスファイルにおいては、各エントリにおいて、1つのファイル、フォルダの抜粋情報が固定長によるスロットに割り当てられて登録されることにより、1つのファイル、フォルダの抜粋情報が、そのデータ量に応じて1個又は複数個のスロットに割り当てられて形成される。これによりこの実施例においては、インデックスファイルに係る処理を簡略化し得るようになされている。
このようにして固定長のスロットにより各エントリに対応する抜粋情報を登録するにつき、インデックスファイルにおいては、他のエントリの対応するスロットを有するようにプロパティエントリが形成される。これによりインデックスファイルは、プロパティエントリ以外のエントリにおいては、管理対象であるファイル、フォルダ、さらにはユーザーの設定に応じて、1つのファイル、フォルダに割り当てられるスロットの数が種々に変化するのに対し、プロパティエントリにおいては、他のエントリにおけるスロットに対応するスロットが必ず設けられ、これによりプロパティを基準にして他のエントリのスロットを管理することが可能となる。
またこのようにプロパティエントリにスロットを設定して、プロパティエントリには、他のエントリを管理する管理情報が設定され、このプロパティの各スロットにおいては、この管理情報に、自身のスロットの有効無効を示す有効無効情報である有効無効フラグ、自身のスロットに対応する他のエントリのスロットの有無を示す有効無効情報である有無フラグが設定される。また自身のスロットに続く拡張スロットを指し示す拡張スロット番号、自身のスロットに対応する他のエントリのスロットを指し示すスロット番号が接続情報として登録される。またこの他のエントリの対応するスロットが拡張スロットであるか否かを示す拡張フラグが設定される。これによりインデックスファイルにおいては、これら管理情報により、1つのファイル又はフォルダの抜粋情報を割り当てたスロットの組み合わせを示すことができ、これにより抜粋情報の削除、追加に係る処理を、これらプロパティに設定した管理情報により、簡易かつ確実に実行することができる。
すなわちこのようにインデックスファイルのプロパティエントリに管理情報を設定して、1つのファイル、フォルダの削除等により対応する抜粋情報全体の登録を削除する場合、この実施例においては、管理情報に割り当てられた有効無効フラグを無効に設定し、また拡張スロット番号、有無フラグ、拡張フラグを初期設定である、空、無、NOに設定し、この有効無効フラグに係るスロットに設定された拡張エントリ番号を順次辿って検出されるスロットにおいても、同様の設定により空きスロットが形成される。これによりこの実施例では、簡易かつ確実に抜粋情報を削除することができる(図4)。
また特定のエントリに係る抜粋情報を削除する場合、対応するプロパティエントリのスロットにおいて、またこのスロットに設定された拡張エントリ番号を順次辿って検出されるスロットにおいて、この削除に係るエントリの有無フラグを無に設定することにより、この特定エントリの抜粋情報を記録したスロットを空きスロットに設定することができ、これによっても削除に係るインデックスファイルの処理を簡易かつ確実に実行できる。
またこのようにして有効無効フラグ、有無フラグの設定により空きスロットを作成する場合、この実施例では、他の管理情報のうちの、対応する他のエントリのスロットを指し示すスロット番号については、元のままに維持される。これによりこの実施例では、抜粋情報を記録していたときのスロットの組み合わせにより、空きスロットの組み合わせを把握し得るようになされ、これにより空きスロットの増大を有効に回避し、この空きスロットの組み合わせの利用により抜粋情報を登録する際の利便を図ることができるようになされている。また拡張スロット番号を空に設定することにより、このような空きスロットの組み合わせをプロパティのスロットを単位にして形成するようになされ、これによっても簡易な処理により抜粋情報の削除、登録の処理を実行し得るようになされている。またこれらにより種々の処理を繰り返し実行しても、リーク状態のスロットが発生しないようになされている。
しかしてこのようにして空きスロットに設定されている未使用スロットが、ファイルの追加記録に係る抜粋情報等の登録に割り当てられ、これによりファイルの削除、登録の処理に係るインデックスファイルの処理が簡略化される。
しかしながらこのようにすると、インデックスファイルにおいては、再使用されるものの、未使用スロットが多数断片により存在することになる。またこのような状態で、記録媒体である光ディスク2の空き容量が不足する場合が発生する。これに対してこのような未使用スロットのうち、サムネイル画像に係るサムネイル画像エントリにおいては、1つのスロットに割り当てられるデータ量が比較的大きく、これによりこのようなサムネイル画像エントリの未使用スロットを詰めるようにインデックスファイルを整理すれば、インデックスファイルのデータ量を少なくして、その分、光ディスク2に空き領域を確保することが可能となる。
このためこの実施例では、空き領域の回収処理により、プロパティエントリに設定されている接続情報、有効無効情報による管理情報により、有効無効情報により有効に設定されているサムネイル画像エントリのスロットがファイル先頭側より連続するように、インデックスファイルが再構成され、かつ無効状態のスロット領域がファイルシステムに返却されて、記録媒体に記録されたインデックスファイルがこの再構成されたインデックスファイルにより更新される。これにより光ディスク装置1では、サムネイル画像エントリに係る未使用の空きスロットをインデックスファイルから削除して、このような空きスロットにより占められる記録媒体の領域を記録可能とすることができ、これにより管理対象ファイルの記録、削除の繰り返しによっても、記録媒体の容量を効率良く使用することが可能となる。
またこのような空き領域の回収処理に係る処理対象が1つのスロットのデータ量が大きなサムネイル画像エントリであることにより、効率良く光ディスクの記録可能領域を確保することができる。
またこのような空き領域の回収処理にあっては、それまで未使用スロットを指し示していた接続情報をこのような未使用スロットを指し示さないように、プロパティエントリのスロットとの間の接続関係を絶ち、またさらにこのような未使用スロットに割り当てられたインデックスであるスロット番号を詰めるように接続情報を設定する処理であることにより、ある程度時間を要する。また光ディスク2に空き領域が十分に存在する場合には、不必要な処理であると言える。
これにより光ディスク装置1では、記録媒体における空き領域の監視に基づいて、この空き領域の回収処理を実行することにより、無駄な処理を排し、ユーザーの使い勝手を向上するようになされている。
具体的にこの光ディスク装置1では、記録媒体における空き領域を判定基準値により判定し、該判定結果に基づいて空き領域の回収処理を実行することにより、真に必要な場合にだけこの回収処理を実行することができる。
またユーザーによる確認により空き領域の回収処理を実行することにより、例えば空き領域の回収処理に要する時間が無い場合等にあっては、この処理を実行しないようにすることができ、これによってもユーザーの使い勝手を向上することができる。
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、各エントリに係る抜粋情報を固定長によるスロットに割り当て、プロパティエントリのスロットの管理情報に接続情報と有効無効情報とを設けて管理する場合に、空き領域の回収処理において、管理情報により、有効無効情報により有効に設定されているスロットがファイル先頭側より連続するように、インデックスファイルを再構成して、記録媒体に記録されたインデックスファイルを更新することにより、管理対象ファイルの記録、削除を繰り返した場合でも、記録媒体の容量を効率良く使用することができる。
またこの処理対象がサムネイル画像エントリであることにより、効率良く光ディスクの記録可能領域を確保することができる。
また記録媒体における空き領域の監視に基づいて、この空き領域の回収処理を実行することにより、無駄な処理を排し、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
また記録媒体における空き領域を判定基準値により判定し、該判定結果に基づいて空き領域の回収処理を実行することにより、真に必要な場合にだけこの回収処理を実行することができる。
またユーザーによる確認により空き領域の回収処理を実行することにより、例えば空き領域の回収処理に要する時間が無い場合等にあっては、この処理を実行しないようにすることができ、これによってもユーザーの使い勝手を向上することができる。
1……光ディスク装置、2……光ディスク、11……ビデオ符号器、12……オーディオ符号器、13……ビデオ復号器、14……オーディオ復号器、15……ファイル生成器、16……ファイル復号器、19……システム制御マイコン