JP4164128B2 - 脊髄小脳運動失調タイプ6の疾病の大規模遺伝子型表現及び診断テスト - Google Patents

脊髄小脳運動失調タイプ6の疾病の大規模遺伝子型表現及び診断テスト Download PDF

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Description

発明の背景
連邦政府の資金援助について
本発明は一部陸軍省からの資金援助を用いて実施されたものである。従って、本発明に対しては連邦政府が一定の権利を有するものである。
発明の分野
本発明は一般的には分子遺伝学と遺伝子性疾患の診断の分野に関するものである。より具体的には、本発明は疾患の大規模遺伝子表現とそれに関する診断テスト及びキットに関するものである。
関連技術の説明
トリヌクレオチドCAG,CTG,CCGあるいはGAAを含む反復配列の拡張がいくつかの神経性不全の主要な原因であることが示されている。それらの中で、CAG反復の拡大はハンチングトン病2、脊髄延髄性筋肉萎縮、脊髄小脳運動失調タイプi(SACI)4、脊髄小脳運動失調タイプ2(SCA2)5-7、脊髄小脳運動失調タイプ3/マカド−ジョセフ病(SAC3/MJD)8及びdentatorubral-pallidolusianatrophy/ハウ・リバー症候群9を含む一連の神経退化性不全と関連している。これらすべての不全は中枢神経系でのニューロンの退化をもたらす進行性疾患である。それぞれの遺伝子でのCAG反復はヒト集団において長さの多型現像を示し、その長さは通常は40反復を越えない。発症した個体では、拡大された対立遺伝子は36〜121反復を含んでいる10
CAG反復拡張はCGG,CTG及びGAA拡張を有する疾患でしばしば見られるような数百あるいは数千の反復よりはずっと小さい11-14。拡張されたCAG対立遺伝子は生殖系列及び体細胞組織の両方でいろいろな程度の不安定性を示す15,16。CAG反復サイズの世代間変化は特に系統的に伝達された場合、さらなる拡張を伴ない、病変を予想するための分子的基礎を提供してくれることが多い。これらの疾患におけるCAG反復配列は関連する遺伝子のコード領域に位置しており、蛋白質生成物内のポリグルタミントラクトに翻訳される17。ポリグルタミントラクトの拡張は各疾病での蛋白質生成物内で優性遺伝に対応する機能の獲得をもたらすと考えられている。CAG反復拡張によって引き起こされる疾病の比較的均一な特徴に基づいて、同様の臨床的特徴を有する他の神経退化性疾患もCAG反復の拡張を有していることが推測される。実際、Trottler及び同僚らの研究によれば、ポリグルタミントラクトに対する抗体がSCA2又は脊髄小脳運動失調タイプ7(SCA7)を有する患者から取り出した組織内で異常に大きな蛋白質を検出するが、それはSCA2及びSCA7に関与する突然変異がポリグルタミン反復トラクトの拡張であることを示唆している18
先行技術は遺伝子性疾患の大規模な遺伝子表現のための有効な手段及びそうした疾患を診断するための診断テストやキットが存在しない点で不備である。本発明はこの技術分野で長年求められていた必要性と願望を満たすものである。
発明の要約
多型性CAG反復はヒトα1A電圧依存カルシウム・チャンネル・サブユニット内で確認されている。このCAG反復の拡張が遺伝性の退化性運動失調の原因である可能性を実証するために、多数の無関係のコントロール及び運動失調患者間の遺伝子型の決定が行われた。最近発症したばかりの親族でない8人の患者はより多くの(2〜27)数の対立遺伝子を有していたのに対して、475名の運動失調を示していない個人では反復数は4〜16個程度であった。病気の個人の家族での反復長さの分析はその拡張がすべての患者でその表現型をもって分離されることを示した。ヒトα1A電圧依存カルシウム・チャンネル・サブユニットの6つアイソフォームが認められた。CAG反復はこのアイソフォームのうちの3つで読み取り枠内に存在しており、グルタミンをコードすることを表現する。従って、ヒトα1A電圧依存カルシウム・チャンネル・サブユニット内の小さなポリグルタミン拡張は新しく分類される常染色体性優性脊髄小脳運動失調、SCA6の原因である可能性が非常に高い。
本発明のひとつの目的において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチド・プライマーを用いるポリメラーゼ鎖反応によって患者から得たサンプル内のゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を増幅させ;制限酵素を用いて増幅されたゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を制限し;電気泳動によってその制限された増幅ゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を分離してサンプル電気泳動パターンを形成し;そのサンプル内でその増幅されたゲノムDNAトリヌクレオチド配列を検出することができるプローブ内に標識し;その制限された増幅ゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列のサンプルを交雑条件下で上記標記されたプローブの第1のアリコートと交雑させてそのサンプル・ゲノムDNA反復配列のサンプル交雑パターンをつくりだし;病気にかかっていない供給源からの比較対象のゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列をその1つ又は複数のオリゴヌクレオチド・プライマーによって増幅させ;その比較対象ゲノムDNAトリヌクオチド反復配列を制限酵素を用いて制限し;その制限された比較対象のゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を電気泳動で分離して比較対象の電気泳動パターンをつくりだし;その制限された比較対象のゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を交雑条件下で上記プローブの第2のアリコートを組み合わせて上記ゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列に対する比較対象の交雑パターンを形成し;上記サンプル・ゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列に関するサンプル交雑パターンを上記比較対象ゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列に対する上記比較対象交雑パターンと比較し;そして、テストされる上記個人がトリヌクレオチド反復配列の不安定性によって引き起こされる疾患を形成する危険性があるかどうかを判定して、上記サンプル・ゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列が比較対象のDNAトリヌクレオチド反復配列より大きな場合は、その個人がトリヌクレオチド反復配列によって引き起こされる疾患を発生する危険性があるとされる、トリヌクレオチド反復配列によって引き起こされる疾患を発生させる危険性がある個人を判別する方法が提供される。
本発明の別の目的においては、トリプレット塩基反復を有するオリゴヌクレオチドでライブラリーをスクリーニングし;上記トリプレット塩基反復を有するクローンを識別し;そのトリプレット塩基反復を側鎖しているヌクレオチドの配列を判定するために上記識別されたクローンの配列決定を行い;上記トリプレット塩基反復を側鎖しているヌクレオチドの上記配列に対して相補的なプライマーを合成し;病気にかかった個人とかかっていない個人の両方を含む多数の個人からDNAを分離し;上記プライマーで分離されたDNAを増幅して増幅されたトリプレット塩基反復領域をつくりだし;上記多数サンプルの個人のそれぞれに関して上記トリプレット塩基反復領域内のトリプレット塩基反復の数を判定して、罹病した個人でトリプレット塩基反復拡張が比較的高い頻度で観察されるが、罹病していない個人では存在しないかあるいは非常に低い頻度でしか発生しないかどうかを判定して、罹病している個人ではトリプレット塩基反復拡張が非常に高い頻度で観察されるが罹病していない個人では存在しないか、あるいは非常に低い頻度でしか発生しない場合には、その病気を引き起こす対立遺伝子がトリヌクレオチド反復配列の不安定性によるものと判定される、病気を引き起こす対立遺伝子がヌクレオチド反復配列の不安定性によるものである遺伝子を識別する方法が提供される。
本発明のその他の、そしてさらなる側面、特徴及び利点は開示の目的で提供される本発明の現段階での好ましい実施の形態に関する以下の説明を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
本発明の上に述べた特徴、利点及び目的が達成される方法がより詳細に理解されるように、添付図面に示すいくつかの実施の形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。これらの図面は明細書の一部を構成する。しかしながら、本発明の好ましい実施の形態を示す添付図面は、本発明の範囲を限定するものではない。
図1はヒトα1A電圧依存カルシウム・チャンネル・サブユニットのアイソフォームを示している。図1Aはこれら異なったアイソフォームのすべてが少なくとも2つの独立cDNAクローンで観察されることを示されている。
Figure 0004164128
の部分は94塩基対変差を、そして
Figure 0004164128
の部分は36塩基対欠失を示している。CGCAG挿入の部位は垂直の線で示し、グルタミントラクト(ポリQ)の位置は
Figure 0004164128
で示してある。これらの変異によって影響を受けるアミノ酸変化を図2に示す。挿入GGCAGを有するアイソフォームだけが拡張された開放読み取りフレームを有している。図1BはヒトCa2+チャンネル・アイソフォームBI−1及びBI−1(GGCAG)のストップ・コドンを側鎖した配列を示している。上と下の文字はその配列でコード表現された対応するアミノ酸を示している。このストップ・コドンはTANヌクレオチドで示される。ヌクレオチド“N”はApplied Biosystem社から提供される色素ターミネータ配列決定剤のFS Taq酵素の特徴である“A”ピークの後の“G”ピークのサイズが誘導した“G”ヌクレオチドである。逆ストランドが配列決定された際に、これが実際に“G”ヌクレオチドであることが確認された。TAG,CTAの相補的配列に下線を付す。
図2はウサギ(BI−1)とヒトα1電圧依存Ca2+チャンネル・サブユニットとの間の配列比較を示している。部分的なヒトcDNA配列は最大の減少開放読み取りフレームを示す3.6kbの2つの重複クローンの組み合わせである。同じアミノ酸配列は“−”で示し、アリグンメントの空隙は“,”符号で示す。ヒト及びウサギのBI−1cDNAはアイソフォームにおいて90〜94%のアミノ酸同一性を共有している。完全な長さのヒトα1A電圧依存Ca2+チャンネル・サブユニットは決定されていないので、ウサギBI−1配列のアミノ酸ストランドを基準として数えた(GenBankのOCCCB−I)。ウサギBI−1アイソフォーム(アクセス番号No.X57476)内への仮定的挿入はウサギとヒトで同じ場所にストップ・コドンを有する237アミノ酸によってその誘導ペプチド読み取りフレームを拡張した。この推定読み取りフレームで、グルタミン反復にはヒト及びウサギcDNA配列でアミノ酸位置2328から始まって下線を付してある。この挿入がないと、ウサギ及びヒトBI−1アイソフォーム誘導読み取りフレームは文献“☆”(2アリグンメントギャップの誘導のための2275としてここに記載される)に示してあるようにアミノ酸位置2273で停止した。V1,V2,V3変異に対応するアイソフォーム内で変化するアミノ酸とGGCAG挿入部とを線で囲って示してある。V3アイソフォームはポリA+トラクトを有する先端が切断された3′領域を有している。それぞれのアイソフォームの配列はGenBankに委託した(アクセス番号:U79663,U79664,U79665,U79666,U79667及びU70668)。
図3はヒトα1A電圧依存Ca2+・チャンネル・サブユニットのノーザン分析を示している。交雑はS−5 cDNAをプローブとして用いて行われた。85kbのはっきりした帯がこのプローブに特異的な転写パターンと共に脳mRNA内に存在していることが認められ、βアクチン・プローブを用いても検出されなかった。脳から得たmRNA内の転写は種々のスプライシング物、あるいは分解物との交差交雑を反映している可能性はある。
図4は脊髄小脳運動失調患者親族でCAG反復を側鎖したS−5−F1及びS−5−R1プライマーで発生されたPCR−増幅生成物の分析を示している。図4AはINSCA家族に属しているが連動失調患者の家族でない4人の冒された個人(I.2,II.3,II.5及びII.7)からの27反復を有する拡張対立遺伝子を示している。図4BはMS2SCA家族の全部で5名の冒されたメンバー(II.1,II.2,II.3,III.1及びIII.2)で22CAG反復の拡張対立遺伝子が観察されることを示している。図4CはMDSCA家族内で23CAG反復の異常なサイズの対立遺伝子が二人の兄弟(II.1及びII.3)と一人の姉妹(II.2)に存在しており、臨床的な運動失調は認められるがII.1の症状を発していないII.1の娘では認められないことを示している。図4DはSISCA家族を示しており、5回の成熟***イベントで分離された2名の冒されたメンバー(IV.1とIII.7)はその大型対立遺伝子上で同じ数の22CAG反復を共有している。系譜を通じてこの対立遺伝子を追跡していくと、それらの冒された子孫(III.5,II.2,II.4及びI.2)が拡張対立遺伝子を有する可能性が最も高いことを示している。
発明の詳細な説明
本発明はトリヌクレオチド反復配列の不安定性によって引き起こされる病気を発症する可能性がある個人を選抜する方法に向けられたもので、この方法は1つかそれ以上のオリゴヌクレオチド・プライマーを用いてポリメラーゼ鎖反応によってテストされるべき個人から得たサンプルでゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を増幅して、上記サンプル内で増幅されたゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を検出することができるプローブで標識し、上記の増幅されたDNAトリヌクレオチド反復配列を上記標識されたプローブと交雑条件下で結合させて上記サンプル・ゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列に関するサンプル交雑パターンをつくりだし、病気にかかっていない個人起源の比較対象のゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を上記1つか複数のオリゴヌクレオチド・プライマーを用いてポリメラーゼ鎖反応によって増幅させ、上記比較対象のゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列を上記第2のアリコートと上記ゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列に関する比較対象交雑パターンを形成する交雑条件下で結合させる。上記サンプルのゲノムDNAトリヌクレオチド反復配列と上記比較対象ゲノムトリヌクレオチド反復配列に関する上記交雑パターンと比較して、上記テスト対象の個人がトリヌクレオチド反復配列の不安定性によって引き起こされる病気を発症させる可能性があるかどうかを判定し、上記サンプルDNAトリヌクレオチド反復配列が上記比較対象DNAトリヌクレオチド反復配列より大きな場合、その個人がトリヌクレオチド反復配列の不安定性によって引き起こされる病気を発症する可能性があるとみなされるステップで構成されている。
本発明はさらに、病気を引き起こす対立遺伝子がトリヌクレオチド反復配列の不安定性によるものである遺伝子を識別する方法を示し、その方法は、トリプレット塩基反復を有するオリゴヌクレオチドでライブラリーをスクリーニングし、上記トリプレット塩基反復を有するクローンを同定し、そのトリプレット塩基反復を側鎖しているヌクレオチドの配列を判定するために上記識別されたクローンの配列決定を行い、上記トリプレット塩基反復を側鎖しているヌクレオチドの上記配列に対して相補的なプライマーを合成し、病気にかかった個人とかかっていない個人の両方を含む多数の個人からDNAを分離し、上記プライマーで分離されたDNAを増幅して増幅されたトリプレット塩基反復領域をつくりだし、上記多数サンプルの個人のそれぞれに関して上記トリプレット塩基反復領域内のトリプレット塩基反復の数を判定して、罹病した個人でトリプレット塩基反復拡張が比較的高い頻度で観察されるが、罹病していない個人では存在しないかあるいは非常に低い頻度でしか発生しないかどうかについて判定して、罹病している個人ではトリプレット塩基反復拡張が非常に高い頻度で観察されるが罹病していない個人では存在しないか、あるいは非常に低い頻度でしか発生しない場合には、その病気を引き起こす対立遺伝子がトリヌクレオチド反復配列の不安定性によるものと判定されるステップで構成されている。
本発明によれば、当業者に公知の従来の分子生物学、微生物学、及びDNA組換え技術を用いることができる。そうした技術については文献で十分に説明されている。例えば、Maniatis, Fritsch及びSambrook、“Molecular Cloning;A Laboratory Manual”(1982);“DNA Cloning A Practical Approach”、巻I及びII(D. N. Glover編集、1985);“Oligonucleotide Synthesis”(M. J Gait編集、1984);“Nucleic Acid Hybridization”[B. D. Hames及びS. J. Higgins編集(1985)];“Transcription and Translation”[B. D. Hames及びS. J. Higgins編(1984);“Animal Cell Culture”[R. I. Freshney編(1986);“Immobilized Cells and Enzymes”[IRL Press(1986)“;B. Perbal,“A Practical Guide To Molecular Cloning”(1984)などを参照。
従って、ここに使われている以下の用語はそれぞれ以下のように定義されている。
『ベクター』とは、それに対して別のDNAセグメントを取り付けてその取り付けられたセグメントの複製が行われるようにすることができるプラスミド、ファージ、コスミドなどのレプリコンを意味する。ベクターはその投与が哺乳動物受容体によって耐えられる場合には『薬学的に受け入れ可能』とされる。投与された量が生理学的に有意である場合、そうした薬剤は『治療的に有効な量』で投与されたとされる。例えば、レトロウイルス感染の治療においては、その感染の程度あるいはその感染による生理学的損害を減少させることができる組成物は薬学的に有効と考えられる。
『DNA分子』とは単鎖形状あるいは二重鎖ら線形状のデオキシリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミン、あるいはシトシン)のポリマー性形態を意味している。この用語はその分子の一次及び二次構造だけを意味しており、いずれの特有な三次形態に限定されない。従って、この用語は線形DNA分子(例えば、制限フラグメント)、ウイルス、プラスミド、及び染色体などに見られる二重鎖DNAを含んでいる。ここで構造について言及する場合、従来の慣習に従って、DNAの非転写鎖(つまり、mRNAとの相同性を有する鎖)に沿った5′−3′方向の配列だけを意味する。
DNA『コード配列』は適切な調節配列の制御下で置かれた時にイン・ビボでポリペプチドに転写、翻訳される二重鎖DNA配列である。コード配列の境界は5′(アミノ)末端の開始コドンと3′(カルボキシル)末端の翻訳停止コドンによって判定される。コード配列は原核配列、真核mRNAからのcDNA、真核性(例えば哺乳動物の)DNAからのゲノムDNA配列、及び合成DNA配列などを含む。ポリアデニル化信号及び転写終末配列は通常3′からコード配列に位置される。
本発明のプローブに関連してここで使われている『オリゴヌクレオチド』という用語は2つ以上、好ましくは4つ以上のリボヌクレオチドとして定義される。その正確なサイズはオリゴヌクレオチドの最終的な機能と使用に依存する多くの要因に依存している。
ここで用いられている『プライマー』という用語は、制限消化精製の天然性か合成的につくられたものかを問わず、核酸鎖に相補的なプライマー拡張生成物の合成が誘発される条件、つまり、ヌクレオチドとDNAポリメラーゼの存在下、適切な温度とpHとが満たされた状態に置かれた場合に合成の開始ポイントとして機能することができるオリゴヌクレオチドを意味している。このプライマーは単鎖と二重鎖のどちらであってもよく、誘発剤の存在下で望ましい拡張生成物の合成を遂行させるのに十分な長さでなければならない。このプライマーの正確な長さは温度やプライマーの供給源、それに、用いられた方法などを含む多数の要因に依存する。例えば、診断目的の場合、標的配列の複雑さに応じて、オリゴヌクレオチド・プライマーは15〜25あるいはそれ以上のヌクレオチドを含んでいるが、それ以下の場合もある。
ここで用いられている『制限エンドヌクレアーゼ』及び『制限酵素』という用語は特定のヌクレオチド配列で、あるいはその近くで二重鎖を切断するバクテリア性酵素を指している。
これらの研究で最も一般的に用いられる標識は放射性元素、酵素、紫外線に当てられた場合に蛍光を発する化学物質その他である。多数の蛍光物質が知られており、標識として用いることができる。これらには例えばフルオレスセイン、ローダミン、オウラミン、テキサス・レッド、AMCAブルー及びルシフェール・イエローなどである。特定の検出物質はヤギで作成されイソチオシアネートを通じてフルオレスセインに接合される抗ウサギ抗体である。
以下の実施例は発明の種々の実施の形態を示すためであって、いかなる意味でも本発明の範囲の限定を意図するものではない。
実施例1
S−5 cDNAの単離
S−5 cDNAの単離は放射標識・オリゴヌクレオチド・プローブ(GCT)7によって一次ヒト脳cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって実行される。ヒト脳cDNAはGuber及びHoffman法44とClontech[Palo Alto, Ca]から購入したmRNAを用いて誘導されたオリゴ−d(T)である。cDNAライブラリはZAP IIベクターにクローンするためのNot I制限リンカーによって構成される。このライブラリーは150mm Luriaブロス寒天プレートあたり1000プラークの密度で植え付けされた。150,000一次クローンの全体をスクリーニングした。放射標識・オリゴヌクレオチド・プローブ(GCT)7との交雑は標準水***雑溶液45を用いて55℃の温度で実行された。フィルターは30分毎に55℃の温度下で2×SSCと0.1%SDSによって3回洗浄した。交雑クローンはプラスミド・解放のために精製した。AutoGen740計を用いて、プラスミドDNAを単離し、ABIキット及びABI−373Aシーケンサーに関する手順を用いて配列決定を行った。cDNAの配列決定をトリプレット反復配列の存在を確認するために行った。S−5 cDNAはこの方法を用いて得られた387の独特な遺伝子組換えDNAからの1つである。α1Aカルシウムチャンネルの追加クローンをS−5c DNAをプローブとして用いることで単離した。上のヒト脳cDNAライブラリーに加えて、Strategene(LaJolla, CA)からのEcoクローニング・サイトを有する市販のヒト胎児脳cDNAをスクリーニングし、ライブラリーから確認されたクローンを用いて、Not Iサイトからポリ(A)トラクトまでの3′領域を再構成した。
実施例2
PCR分析
α1Aカルシウム・チャンネル内のCAG長さ多型性の程度について以下のプライマー:S−5−F1(5′−CACGTGTCCTATTCCCCTGTGATCC−3′)(配列識別番号NO:1)及びS−5−R1(5′−TGGGTACCTCCGAGGGCCGCTGGTG−3′)(配列識別番号NO:2)を用いて判定を行ったが、α1Aカルシウム・チャンネル遺伝子の配列に基づくいずれの適切なプライマーでもこの目的のために用いることができる。各反応を調べるために各プライマーの5pmolを0.05単位のポリヌクレオチド・キナーゼを用いて1mCiの[γ−32P]ATPで30分間エンド・標識した。各PCR分析は、0.25単位のTaqポリメラーゼ、125μMのdNTP,10mMのトリスpH8.9,2.5mMのMgCl2,30mMのKCl、及び3.5%(V/V)のグリセロールを含む総体積25ml内に放射標識したS−5−R1とS−5−F1プライマーをそれぞれ5pmolずつ溶かしたものにゲノムDNAを混ぜ合わしたものを20ng含んでいた。これらのサンプルを95℃で3分間変性させてから、変性(94℃で25秒間)、アリーリング(68℃で30秒間)、そして増幅(72℃で2分間)のサイクルを28回繰り返した。15mlのホルムアルデヒド負荷染料をその反応に加えて、混合物を95℃で20分間変性させた。7mlは6%ポリアクリルアミド/8M尿素ゲルを通じて電気泳動させた。対立遺伝子はM13配列決定ラッダーに対する移動を比較することによって判定した。用いられた比較対象のDNAはCEPF家系からの65サンプル、Molecular and Human Genetics社の種々の研究者によって提供された125の無関係な比較対象、糖尿病兄弟姉妹ペアからの160サンプル、41の散発的乳癌症例、パーキンソン氏病症例からの42サンプル、発声障害症例からの24サンプル及び突発性アルツハイマーの18サンプルを含んでいた。
実施例3
ノーザン分析
複数のヒトの組織から得たポリA+RNAを含むノーザン・ブロットをClontech社から購入した。200ngのS−5 cDNA挿入物をPharmacia社からのランダム・標識・キットを用いて[α−32P]cCTPで放射標識した。このプローブをClontech社が推奨するプロトコールに従って65℃で一昼夜交雑させた。フィルターは0.1XSSC、0.1%SDSで30分毎に68℃の温度で3回洗浄してから、その後Xフィルムに露出させた。0.5XSSCと0.1%SDSで68℃で軽く洗浄を繰り返したところ、異なった組織に多数の帯が見られ、他のカルシウム・チャンネル遺伝子との反応が起きたことが示唆された。
実施例4
結合分析
遺伝子型・データを検査したところ、CAG反復の数の増大と運動失調表現型との間に明らかな関連性が認められた。133人の運動失調患者のうち、8人では反復長が20以上で、比較対象の方はいずれも反復長が16以下であった。この関連性を運動失調症例における拡張の存在と比較対象を比較する2×2テーブルを用いて統計的に評価を加えた。有意のレベルはFisherの正確さテストを用いて判定した。
拡張と疾患が一緒に現れることを示すために、ハプロタイプ分析を行った。ひとつの表現型(運動失調)と多型性(拡張)の両方を有するひとりの座の構造をモデル化するために、一方は病気の座で他方は多型性の座である2つの座を完全に結合させ、完全な結合不均衡状態においた。ハプロタイプ頻度を何らかの種類の優性遺伝性運動失調にかかっている全部で133件の症例を想定して計算した。従って、各症例で突然変異を引き起こす1つの病気があるはずである。これらの突然変異(約6%)のうちの8件はCAG反復拡張で起こされたもので、他の94%はこの遺伝子における非拡張性突然変異か他の遺伝子における突然変異など、他の突然変異によって起こされたものであった。ハプロタイプ頻度を計算するのに必要な追加的情報は未知の座での優性運動失調症のポピュレーション頻度である。この頻度の推定値が高ければ高い程、ロッド・スコアは低くなる。遺伝子頻度を1000で1とするこの分析で500を1とする控え目な数を用いた。その場合、4つの単一タイプ頻度を設け、0.999(運動失調も拡張も認められない)、0.0(運動失調は認められないが、拡張は認められる)、0.00094(運動失調は認められるが、拡張はない)、そして0.00006(運動失調と拡張の両方が認められる)とした。これらの多型性頻度を用いてFASTLINKバージョン3.0Pソフトウエア・プログラムを用いて4つの運動失調症の遺伝を有する家族のロッド・スコアを計算した。すべての患者に対して病状と遺伝子型を設定し、病気がなく遺伝子型も調べられていない個人は未知疾病状態及び未知遺伝子型に分類した。
ひとつのCAG反復の拡張によって引き起こされる病気を確認するために、多型性CAG反復と比較的遅く神経退化性疾患を発症させたDNAサンプルを用いて大規模な遺伝子型調査を行った。この調査はウサギα1A電圧依存カルシウム・チャンネルBI−1遺伝子のヒト相同体が常染色体性優性脊髄小脳運動失調と診断された患者の一部で拡張された多型性CAG反復配列を含んでいることを報告している。これらの結果はヒトα1A電圧依存Ca2+チャンネル遺伝子内でポリグルタミンをコード表現する性質を有するCAG反復の拡張が脊髄小脳運動失調症の1つの形態の明らかな原因であることを示している。
実施例5
ヒトα 1A カルシウム・チャンネル・サブユニット内でのCAG反復
トリヌクレオチド反復配列を含む遺伝子を確認するために、増幅されていないヒトの脳cDNAライブラリーを(GCT)7反復オリゴヌクレオチドをプローブとして用いることでスクリーニングした。これらのクローンの反復サイズは4〜21個の範囲であった。dentatorubral-pallidoluysian atrophy/ハウ−リバー9及びマカド−ジョセフ病8遺伝子に対応する部分的cDNAクローンがこのスクリーンで分離された。SCA1,CAS2,及びハンチングトン病遺伝子に対応するcDNAクローンはこのスクリーニングでは分離されなかったが、その理由は、それがオリゴ−d(T)プライミングを用いて発生されたことを考えると、これらの遺伝子のそれぞれにおけるCAG反復が大きな転写の5′領域に存在しており、スクリーンされたcDNAライブラリーが3′cDNA末端に変移されているからである可能性が最も高い。
十分に調べられた第1のクローンはS−5を設計するcDNAで13のCAG反復を含んでいた。この1.2kbのcDNAの推定ペプチド配列はウサギα1A電圧依存Ca2+チャンネル(P/Q−タイプCa2+チャンネルとも言われる)のBI−1アイソフォームに対して90%のアミノ酸同一性を有しており、S−5クローンがヒト相同体の部分的cDNAであることを示唆している19。推定されたヒト・ペプチド配列はラット脳α1ACa2+チャンネル・サブユニットに対しても90%の同一性を有している。ウサギBI−1アミノ酸位置722−1036に対応する部分的ヒトcDNA配列はこれまでに、カルシウム・チャンネルのウサギ及びラットα1Aサブユニットに対してそれぞれ92%及び82%の同一性を有していることが報告されている21。本発明によるcDNAはアミノ酸位置1325で始まるウサギ蛋白質のカルボキシ末端領域に対応するコード配列を含んでいる。これらの配列データは単離されたcDNAがカルシウム・チャンネルのヒトα1Aサブユニットをコードすることを示唆している。
Corriel社製の体細胞ハイブリッドマッピング・パネル#2を用いて、α1ACa2+チャンネルを配列タグ・サイト(STS)マッピングによってヒト・染色体19に局所化した。Dirionnら22はα1ACa2+チャンネル・サブユニットの部分的cDNAクローンを用いてのヒト・染色体19p13へのマッピングについて報告している。この座の遺伝子記号はCACNL1A4を設計していた22。CACNL1A4遺伝子の部分ヒトcDNA(ウサギBI−1ヌクレオチド位置6487−7165)はMargolisら23によって報告されており、染色体19に対してマップイングすることが示されている。ヒトCACNL1A4の完全な配列について述べた報告は最近Ophoffらによって公表されている24
ウサギの場合、α1Aカルシウム・チャンネル・サブユニットの2つのアイソフォーム(BI−1及びBI−2)が確認されている19。これらのアイソフォームはカルボキシ末端配列が相互に異なっており、BI−2ではさらに151個のアミノ酸が加わっている。これらのアイソフォームは423個のヌクレオチドの挿入−欠消の結果であると考えられる。BI−1内の423のヌクレオチドの存在は停止コドンを誘導し、より短い2273アミノ酸アイソフォームをもたらす。ラットの脳においては、少なくとも4つのα1ACa2+チャンネル遺伝子が選択的にスプライスされたアイソフォームが観察されたが、唯1つのアイソフォームの配列についてだけ報告されている20
ウサギとヒトの配列を比較したところ、CAG反復が保存され、ウサギα1ACa2+チャンネルBI−1とS−5cDNAの未翻訳領域に位置していることが分かった。ウサギBI−1アイソフォームの3′未翻訳領域と本発明によるヒトS−5クローンとの間に高度の同一性(700個のヌクレオチドで84%同一)が認められたことはさらに追加的なスプライス変異が起きる可能性と、その一部がCAG反復が翻訳されている開放読み取りフレームを含んでいる可能性とを示唆している。このことを検証するために、一次ヒトcDNAライブラリーと市販の胎仔脳cDNAライブラリーとをS−5 cDNAをプローブとして用いて再スクリーニングした。17の追加クローンを分離し、これらのクローンを注意深く配列分析したところ、ヒトα1ACa2+チャンネル(図1A)のカルボキシ末端のいくつかの選択的にスプライスされたアイソフォームが確認できた。特に、これらのcDNAのうちの5つはS−R cDNAのTAG停止コドンの前に5つの塩基対GGCAG)挿入を含んでいる(図1B)。この5塩基対挿入を有するクローンはヒト遺伝子にさらに239のアミノ酸による拡張誘導開放読み取りフレームを有している。この5塩基対配列をウサギBI−1カルシウム・チャンネルのアミノ酸位置2273に試しに挿入してみると、その推定読み取りフレームが237アミノ酸だけ拡張し、このヒト配列に対するペプチド相同物は高い割り合いで保存されたので(80%の同一性)、ウサギの脳でのそうしたアイソフォームの存在が強く示唆される(図2)。このBI−1(GGCAG)アイソフォームでは、CAG反復はヒト及びウサギα1Aカルシウム・チャンネル遺伝子でアミノ酸2328から始まるポリグルタミンをコード表現する。
ヒトα1ACa2+チャンネル遺伝子の別のアイフォソームも他のクローンで観察された。これらのいずれもクローニングによる人工産物からもたらされたものでないことを確かめるために、各アイソフォームに対して少なくとも2つの独立のクローンを単離して配列決定した。全体で、ヒトの場合にもBI−1と呼ばれるウサギBI−1アイソフォームと同じ変種を含む6つの変種が観察された。BI−1(V1)を設計する変異は94塩基対配列を有しており、これはヌクレチド・レベルでBI−1とは異なっているが、アミノ酸レベルでは相同であった。この変種はウサギでも発見されている19。この研究で単離されたBI−1(V1)アイソフォームはOphnoffらが述べた推定ペプチド配列と99.8%の同一性を有していた24。位置1460(Ala−Gly)、1605(Ala−Val)、そして1618(Ala−Val)でのアミノ酸レベルでの3つの違いがある。推定配列内のこれらの位置のアミノ酸は分析されたいくつかのクローンで一貫性があり、ウサギ及びラットα1ACa2+チャンネル・サブユニット推定アミノ酸と同じであった。BI−1及びBI−1(V1)アイソフォームはGGCAG挿入との組み合わせで観察される(それぞれ配列識別番号NO:3及び配列識別番号NO:4)。さらに別のスプライス変異は36ヌクレオチド欠失を有するBI−1(V2)−GGCAG(配列識別番号NO:5)と先端が切断された3′BI−1−(V2,V3)を有する変異などを含んでいる(図1A)。確認されたクローンはこれらの変異の異なった組み合わせと非変異セグメントでの同じ側鎖配列を有しているのでクローニングによって人工的につくりだされたものではない。
複数のアイソフォームの存在と一貫しているが、S−5 cDNAによる高交雑度でのノーザン分析では脳の優勢サイズmRNAの上と下の汚点に重なった8.5kbの単一帯が得られた(図3)。低交雑度では、すべての組織で多くの追加的な帯が観察され、これは他のタイプのカルシウム・チャンネルへの交差交雑が起きた可能性を示唆している(データは示さず)。サイズが1.2〜3.1kbの範囲のヒト脳ライブラリーからのこれらクローンのすべてはヒトα1ACa2+チャンネル・サブユニットのカルボキシル領域だけを示している。単一のヒトmRNA供給源から誘導されたそれぞれの成人脳cDNA内のCAG反復は11か13のいずれかの反復を含んでおり、相同性染色体対から転写された多型性CAG対立遺伝子の表示を示している。
実施例6
拡張CAG反復に関する大規模遺伝子型調査
ヒトのα1ACa2+チャンネル・サブユニットの通常の長さ多様性からは区別がつけられる異常な長さのCAG反復配列を識別する可能性について運動失調患者の大規模遺伝子型調査を行って調べた。この技術は、トリヌクレチド拡張がSCA6に関与しているのであれば、冒された個人で比較的高い頻度で拡張が観察されるが、非疾患対立形質ではまったく存在しないか、あるいは低い頻度で起きるであろうという推測に基づいている。
一般的な集団からの無関係な、そして運動失調症を有していない個人475人から集めたDNAサンプルと進行性脊髄小脳運動失調を有することが知られている無関係なインデックスケースからの133のDNAサンプルの分析を行った。ヒトのα1ACa2+チャンネル・サブユニットのCAG反復配列を側鎖した放射標識合成オリゴヌクレオチド・プライマーの対を用いて、各サンプルのCAG反復領域を増幅させ、CAG反復領域のサイズをゲル電気泳動法で判定した。運動失調グループ・サンプルの反復サイズを一般集団・サンプルのDNAからのものと比較した。
表1は脊髄小脳運動失調を有する133名のインデックス患者のα1ACa2+チャンネル・サブユニット遺伝子におけるCAG反復サイズの分布と、475の運動失調非発症サンプルのα1ACa2+チャンネル・サブユニット遺伝子におけるCAG反復サイズの分布を示している。一般ポピュレーションのコーカシア、アフリカン・アメリカン、ヒスパニック及びアジア系を含む比較対象及び患者集団の人種的背景は4〜16のCAG反復単位範囲の対立形質と71%の異型接合性を示した。脊髄小脳運動失調症患者においては、CAG反復の数は7〜27の範囲で、異型接合性は74%であった。対立形質サイズ分布から分かるように、133の運動失調症インデックスケースのうちの8つの非血縁の患者(6%)は少なくとも21CAG反復単位の大規模対立形質を有していた。拡張は比較的小さいが、運動失調症を発症していない比較対象からの475名の個人ではそれが観察されなかったので、正常な長さの多様性である可能性は非常に低い(Fisherの正確度検定ではP<10-5)。
Figure 0004164128
これら8つのインデックスケースからのゲノムDNAをS−5プライマーで増幅して、サブクローン化してから、配列決定を行った。配列分析から得られたCGA反復単位の数はα1ACa2+チャンネル・サブユニットの純粋なCAG反復単位の数の増大と一貫した傾向を示した。これらの拡張された対立形質におけるCAG反復の数の違いは稀にあるファウンダー対立遺伝子とははっきり対称を示している。運動失調症集団で拡張サイズの異常な対立遺伝子が観察されることと一般ポピレーションでそれが見られないことはこれらの拡張された対立遺伝子が分析された運動失調症患者の一部の突然変異を示している可能性との一貫した傾向性を示す。
大規模遺伝子型表現の方法はα1ACa2+チャンネル・サブユニット遺伝子でのCAG拡張を確認するのに有効であった。従って、こうした考え方はトリプレット反復疾患現象に伴う他の突然変異タイプの研究にも適用できる可能性がある。基本的に、トリヌクレオチド反復拡張は疾病表現系においては高い頻度で現れるが非疾患表現系では存在しないか、低い頻度でしか表現されない対立遺伝子に関連していると人は仮定する。従って、大規模遺伝子型表現は位置クローニング法を含め、他のヒトの疾患遺伝子を確認するために用いられる方法とは異なっている。位置クローニング法では、候補となる疾患遺伝子を単離する前に特定の染色体領域に遺伝子結合を行っておくことが求められる。位置クローニングはハンチングトン病、脊髄延髄運動失調症、脊髄小脳運動失調症タイプ1、脊髄小脳運動失調症タイプ2、脊髄小脳運動失調症タイプ3/マカド−ジョセフ病の遺伝子やフラジャイルX及び萎縮性筋ジストロフィーに関連した遺伝子の識別に用いられている。
本発明の方式はまた、遺伝子の識別で非系統的戦略が用いられるヒトの疾患に対するランダム候補方式とも異なっている。ランダム候補遺伝子方式はdentatorobural-pallidoluysian運動失調症/ハウ−リバー症候群遺伝子の識別に用いられた。本発明の戦略は疾患遺伝子のトリプレット反復配列が長さにおいて多型性を持っており、それがそれらの遺伝子を大規模遺伝子型表現のために用いやすくしているという観察に基づいている。この大規模遺伝子型表現方式は非疾患集団と比較しての病気をもった個人での異常な対立遺伝子サイズを識別する。こうした考え方に基づく戦略は位置クローニングでの最初のステップで用いられるような家系における特定の遺伝子関係(結合)の特定というこれまでの必要性をなくすものである。本発明による大規模遺伝子型表現戦略は直接的遺伝子対疾病状態表現方式である。
本発明の別の目的においては、トリプレット塩基反復を有するオリゴヌクレオチドでライブラリーをスクリーニングし;上記トリプレット塩基反復を有するクローンを識別し;そのトリプレット塩基反復を側鎖しているヌクレオチドの配列を判定するために上記識別されたクローンの配列決定を行い;上記トリプレット塩基反復を側鎖しているヌクレオチドの上記配列に対して相補的なプライマーを合成し;病気にかかった個人とかかっていない個人の両方を含む多数の個人からDNAを分離し;上記プライマーで分離されたDNAを増幅して増幅されたトリプレット塩基反復領域をつくりだし;上記多数サンプルの個人のそれぞれに関して上記トリプレット塩基反復領域内のトリプレット塩基反復の数を判定して、罹病した個人でトリプレット塩基反復拡張が比較的高い頻度で観察されるが、罹病していない個人では存在しないかあるいは非常に低い頻度でしか発生しないかどうかを判定して、罹病している個人ではトリプレット塩基反復拡張が非常に高い頻度で観察されるが罹病していない個人では存在しないか、あるいは非常に低い頻度でしか発生しない場合には、その病気を引き起こす対立遺伝子がトリヌクレオチド反復配列の不安定性によるものと判定される、病気を引き起こす対立遺伝子がヌクレオチド反復配列の不安定性によるものである遺伝子を識別する方法が提供される。
実施例7
運動失調症患者における拡張対立遺伝子の遺伝
インデックスケースのうちの4つはさらに別の冒されたメンバーについて臨床的に評価を行い、遺伝子型分析のためにDNAを得ることができた家系である。目的を知らされた後で、21名の家系構成員によるこの研究への参加が得られた。21名のうち14名は運動失調症の臨床的な証拠を有していた。これらの家族のそれぞれで、常染色体優性状態で遺伝されており、発病の年齢は28才から50才の範囲であった。
S−5プライマーを用いてのこれら家族メンバーの遺伝子型に関する分析を行ったところ、各家族で疾患表現型で分離された拡張対立遺伝子が認められた。例えば、図4AはINSCA家系の4人の罹病個人に27の反復を有する拡張対立遺伝子が存在しているが遠い関係にあるメンバーを含めて非病態状態の家族メンバーのいずれにおいてもそれは認められなかったことを示している(データ示さず)。この族で、発病の年齢は28才から31才で、非病態状態の個人のうちの3人は41才以上であった。図4Bは22反復の拡張対立遺伝子がMS2SCA家のすべての罹病メンバーで観察されたことを示している。MDSCA家においては(図4C)、23CAG反復の異常なサイズの対立遺伝子は臨床的な運動失調症を有する2名の兄弟(II.1とII.3)と1名の姉妹(II.2)に存在していたが、II.3の非病態状態の娘には存在していなかった。図4Dに示すSISCA家では、5回の成熟***で分離される2名の罹病メンバー(IV.1とIII.7)が彼らの大型の対立遺伝子上に22のCAG反復を有していた。系譜を通じてこの対立遺伝子を追跡すると、彼らの祖先で発病した者(III.5,II.2,II.4及びI.2)はこの拡張対立遺伝子を有していた可能性が非常に高いことが分かった。これらの家族でこの病気を有する拡張対立遺伝子が存在していることは、罹病個人からの遺伝子型データをFASTLINKコンピュータ・プログラム(上記参照)のバージョン3.0Pを用いて分析したところ、遺伝子組換え頻度が0で累積ハプロタイプ・ロッド・スコアが5.08で示されるように高度に有意である26,27。各族のロッド・スコアを表2に要約して示す。まとめて言うと、拡張対立遺伝子が脊髄小脳運動失調症と診断された患者だけに観察されて475名の運動失調症にかかっていない個人においては観察されなかったという統計学的に有意な知見とこれらの拡張遺伝子のはっきりした関係とはα1A電圧依存Ca2+チャンネル・サブユニットにおけるポリグルタミン拡張が優性遺伝運動失調症の後期発症の原因であることを示している。
Figure 0004164128
実施例8
CAG反復拡張を有する患者での臨床的及び病理学的知見
上に述べた家系での患者の臨床的な特徴は手足及び歩行における軽くはあるがゆっくりと進行する脊髄小脳運動失調症、遺伝性自立神経不全、眼球振盪症、及び軽度の振動及び刺激感覚喪失という点で非常に類似しており、一貫して優性である。これらの病気は非常に潜行性であり、ほとんどの患者は最初は罹病していることに気づいていないが、急に回転したり激しく動いたりすると瞬間的にバランスを喪失する感覚があったり「頭がぼんやりしたり」する感じがすると述べている。一般的に、これらの患者が彼らが恒常的なバランス及び運動調整上の困難さを自覚するのは、こうした最初の感覚があってから何年も経った後である。この病気は通常20〜30年かけて進行し、歩行が困難になり、それらの患者は車椅子の使用を余儀なくされる。何人かの老齢の患者では、呼吸困難が認められ、脳幹が関与していることが示唆され、また、この病気はMDSA及びMS2SCA家の数名のメンバーでは死因であった。この症状は通常拡張対立遺伝子反復数が22〜23のMDSCA,SISCA及びMS2SCA家ではそれらの患者が40代に達した時に発生するが、INSCA家の場合は、拡張対立遺伝子が27の反復を含んでおり、発病は罹病個人が28〜31才の年齢範囲に達した場合である。罹病した個人の脳を磁気共鳴画像形成したところ、孤立した脳麻痺が明らかになった。SISCA家の2人の罹病メンバーについて詳細な神経学的調査を行ったところ、はっきりした脳性麻痺と非常に軽度の脳幹麻痺が示された28。顕微鏡検査では脳のプルキニエ細胞のかなりの喪失、顆粒細胞の軽度の喪失及び変性核ニューロン、及び劣性軽度から中程度のニューロン喪失が明らかになった。
遺伝性脳性運動失調症は小脳およびその求心性及び遠心性接続部の機能不全に関連した神経性不全の雑多なグループである。今日までのところ、それぞれSCA1,SCA2,SCA3,SCA4,SCA5及びSCA7と呼ばれる座を有するヒト常染色体6,12,14,16,11及び3に対して6つの常染色体優性脊髄小脳運動失調(SCA)がマップされている10。優性遺伝性及び進行性運動失調症を有する多くの家系でのこの遺伝子のマップ位置はまだ分かっていない。α1ACa2+チャンネル・サブユニットのヒト・染色体19p13に対するマッピングと4つの家系における突然変異メカニズムとしてのこのチャンネルにおけるCAG反復拡張の識別によってSCA6と呼ばれるヒトのクロモソーム19p13上の新しいSCA座が明らかになる。
過去においては、SCA6という用語は公知の座のいずれにもマップされない優性遺伝性SCAについて述べる際に用いられていた29,30。このマッピング命名法は染色体19p13にマッピングする優性遺伝性運動失調症マッピングに対してSCA6座を割り当てるように改訂された(HGM命名委員会)。遺伝性激発性脊髄小脳運動失調症(HPCA)あるいは一過性運動失調症(EA)も19p13領域にマップされている31-32。別の一過性疾患である家族性半身不随性偏頭痛(FHM)33もHPCA/EAに関与する遺伝子があるとされている領域内の19p13に局所化されている。HPCAあるいはEAを有する患者は通常周期的な運動失調症に襲われ、発作と発作の間は見かけ上正常な状態を維持する。これは運動失調症が恒常的になる何年も前に、その患者が示した一過性感覚不安定の後遺症である。HPCA/EAの神経学的検査で認められる唯一の持続的な異常性は振盪の存在で、これはすべての患者で認められる。脳画像形成研究によれば一部のHPCA/EA患者は脳性麻痺を有していることが明らかにされた31。興味深いことに、FHMを有するいくつかの家族では、罹病メンバーは、HPCA/EAにみられたものと同様に運動失調症、振盪及びその他の脳全庭視覚以上に関係している退化性脳性麻痺を示している34。これら2つの不全の表現型が重なっていることは、HPCA/EAとFHMが恐らくその症状の周期的性格の故にイオン・チャンネル遺伝子における突然変異によって起こされる対立遺伝子性不全であるという仮説を導いた32,34
最近、OphoffらはFHMを有する家族のヒトα1ACa2+チャンネル・サブユニット遺伝子における4つのミスセンス突然変異とEAを有する家族の同じ遺伝子の読み取りフレームを破断する2つの突然変異の例を報告した24。これらの結果と本発明とは、FHM,HPCA/EA及び進行性SCA6が対立遺伝子性不全であることを示している。この突然変異の性質(HPCA/EAでの蛋白質先端切断に対してSCA6ではCAG反復)はこの病気の臨床経過にも影響を及ぼす。恒常的で進行性の小脳及び脳幹機能不全がSCA6で観察されるのに対して、HPCA/EAでは軽度及び中程度の脳性機能不全が観察される。このことはグルタミン拡張が進行性神経喪失をもたらすような形態でそのチャンネルの機能に影響を及ぼすことを示唆している。これは神経伝達子放出の変化か、あるいは細胞の死をもたらす異常なレベルの細胞内Ca2+の発生によって行われる可能性が強い21,35。現段階では、これらの突然変異のぞれぞれが周期的な神経機能不全及び恒常的/進行性疾患にどのような病理的影響を及ぼすのかは判断できず、形質導入マウス・モデル及び神経生理学的研究の成果を待つ必要があるであろう。SCA6家系のCACNL1A4遺伝子における他の突然変異の可能性も排除できないが、8つのそれぞれ無関係な運動失調症遺伝家系での拡張と疾患表現型との間の高度の有意関連性(P<10-5)及び4つの家系(世代間不安定性がない)における拡張対立遺伝子の反復数の違いはこれが病気を発生させる突然変異であることを強く示唆している。また、Ophoffらが24彼らが遺伝子型表現を行った50人の正常な個人では拡張対立遺伝子をまったく観察しなかったことも重要である。
SCA6内の突然変異メカニズムは他の優性遺伝性進行性運動失調症の場合と同様に翻訳されたCAG反復の拡張を含んでいることは明らかにされたが、その病原性メカニズムが同じであるかどうかは分からない。SCA6における突然変異とSCA1,SCA2,SCA3,HD,DRPLA及びSMBAを起こすものとの間には2つの重要な違いがある。その第1はSCA6の拡張された突然変異対立遺伝子(21〜27反復)は他の神経退化性疾患のいずれでみられる拡張対立遺伝子(36〜121反復)よりはるかに小さく、多くの非罹病個人の他の座で見られるポリグルタミントラクトの通常の範囲に十分に入るものであることである。第2に、CAG反復拡張は正常なプルキニエ機能及び生存において重要な役割を果たす遺伝子のコード表現領域に起きることである19,25。このことはCAG拡張がα1Aカルシウム・チャンネルの正常の機能に直接干渉して病原的作用を及ぼしている可能性を示唆する。
電圧依存カルシウム・チャンネルはカルシウムのニューロン及びその他の励起可能細胞への侵入を媒介し、膜励起性、神経伝達子放出、及び遺伝子発現などを含む種々の神経機能において重要な役割を果たす36。カルシウム・チャンネルはそのチャンネル活性が主として孔形成a1サブユニットによって媒介される多重サブユニット複合体であるが、b,a2/d及びgなどの他のサブユニットもチャンネル活性を調節する必須蛋白質として機能する36-38。6つのa1遺伝子をコードするcDNAをクローン化して、α1A,B,C,D,E及びSと命名した39。本発明において特徴づけられているヒトの遺伝子はウサギ及びラットα1Aアイソフォームと非常に相同である19,20。ヒト・染色体19へのマッピング・アサインメントはα1Aアイソフォームをコード表現するヒトの配列の染色体19p13への従来のマッピングと一貫性を持つ22-24。電気生理学及び薬学的特性の組み合わせが哺乳動物の抹消及び中枢ニューロンの高域値カルシウム・チャンネルの4つの主要型を特徴づける40。これらはL,N,P及びQと呼ばれ、P−タイプ・チャンネルがプルキニエ細胞では優性カルシウム・チャンネルであり、Qタイプが脳顆粒細胞において優性なカルシウム・チャンネルである25,38。クローン化されたα1AアイソフォームはP及び/又はQタイプのカルシウムの流れをつくりだすことが示されている38,40。確認されている別のアイソフォームもP/Qタイプのカルシウムの流れで観察される機能的な相違の一部を解明するのに役立つ可能性がある。α1Aチャンネルの薬学的及び電気生理学的性質はそのラットの小脳での豊富な表現と合わせて、カルシウムの侵入及びプルキニエ細胞におけるホメオスタシスにおけるその重要性を示している。
最近、α1A電圧依存サブユニット遺伝子のマウス相同体が突然の発作や脳の運動失調症を示すふらつき(tg)及び体の痩せた(tg1a)マウスでの突然変異した遺伝子の識別することを目的とした位置クローニング戦略を用いて識別された42。この座はヒト19p13と同様の領域のマウス・クロモソーム8にマップされる。tg突然変異、つまり位置1802でのCからTへの変化は第2の膜横断領域の細胞外セグメントの保持されている孔被覆領域に非常に近い位置でのプロリンからロイシンへの保存されない置換を引き起こす。この突然変異は運動失調症、運動筋肉及び不在タイプの発作を伴う退行性神経不全につながる。
tg1aはC末端細胞内領域内に配置されるイントロンの5′末端でのスプライス・ドナー・コンセンサス配列におけるGからAへの単一の変化である。この突然変異はRT−PCRで検出される2つの異常にスプライスされたmRNA、イントロンをスプライスすることができなかったことで発生するより大型のフラグメントと1つのエクソンのスキッピングから発生する小さ目のフラグメントとを発生させる。両方の転写体とも読み取りフレームを変移させて異常な蛋白質を発生させる性向を有する。スプライス突然変異を有するホモ接合のtg1aマウスはtgマウスと比較するとより深刻な運動失調症及び脳性退化を有している。
α1ACa2+チャンネルの突然変異がマウスにおける脳性運動失調症及びプルキニエ及び顆粒細胞の退化と関連しているという知見は、このチャンネルが小脳における正常なプルキニエ及び顆粒細胞機能にとって重要であるという仮説を裏づけるものである。マウスにおけるこれら2つの退行的性質とtg1a突然変異が異常な蛋白質を発生させるという事実はこれらの突然変異が機能メカニズムの喪失を通じて運動失調表現型を引き起こすことを示唆している。tg1aマウスの突然変異はヒト遺伝子において、推定されるグルタミントラクトの位置からすぐ上流のチャンネルのカルボキシ末端位置を変化させる。これらのデータはヒトα1ACa2+チャンネル・アイソフォームにおける軽度のグルタミン拡張が脳の退化と運動失調症をもたらすメカニズムに関しての興味深い問題を提起する。こ二の病気の優性的性格は以下の3つの可能性、つまり、(1)単一不全による機能の喪失、(2)その拡張による優性的否定的作用、あるいは(3)CAG反復拡張によって引き起こされる他の病気によって示唆されているような機能の新たな獲得、の3つの可能性を示唆している。突然変異によってヘテロ接合性を示すtg及びtg1aマウスにおける運動失調症表現型の欠如は機能の喪失という仮説を強く否定するものであろう。しかしながら、マウスにおけるいずれかの突然変異が本当にα1Aチャンネル機能の喪失につながること、そしてヘテロ接合性を示すマウスが運動失調症やプルキニエ細胞退行を示さないということを十分な定量的測定で確認するまでは、このモデルを排除することはできない。一部の患者における見えにくく軽度の性質を考えれば、マウスで軽度で潜行性の運動失調症表現型を確認することは非常に難しいであろう。優性否定的メカニズムを発生させるモデルはヒトの家族における遺伝パターン及びこれまでtgマウスに関して得られているデータとの一貫性を有している。このモデルでは、グルタミントラクトの小さな拡張がその対合蛋白質に結合するか、あるいはその活性を調節することが知られているその他の付属チャンネル蛋白質との関係を妨害するかのいずれかによって、そのチャンネルの正常な機能に干渉する可能性がある。α1ACa2+チャンネルが電気生理学的なデータ43及びtgマウスでのデータに基づいて正常なプルキニエ細胞機能に対して重要な役割を果たしていることが知られていることを考えれば、グルタミン拡張がその蛋白質に機能を新しく獲得させると主張することは困難である。グルタミン拡張は構成的活性化の可能性を含めて異常なチャンネル機能をもたらす可能性が非常に高い。種々のモデルの最終的な検証は、α1ACa2+チャンネル遺伝子を欠いているマウス及びSCA6疾患範囲でのCAG拡張を有する対立遺伝子を表現するマウスを何世代分かつくりだすことによって可能になるであろう。
SCA6の遺伝子型/表現型相関は、27反復を有する家族のすべてのメンバーにおいて発病の年齢(28〜31才)が反復サイズが22〜23の範囲の場合の他の家族(40〜50才)と比較して非常に異なっていることを考えれば、拡張が非常に望ましくない影響を及ぼすことを示唆している。現在の段階で、遺伝子型/表現型相関性についてしっかりした結論を導き出すにはサンプルのサイズが小さ過ぎるが、SCA6よりは軽度のHPCA/EAを有する一部の患者の場合は拡張がもっとずっと小さいという事実は興味深い。さらに、α1ACa2+チャンネルにおける異なった突然変異がSCA6につながるのかどうかを調べることは重要であろう。SCA6におけるCAG反復は検出可能なあるいは世代間での対立遺伝子の変化を示さないまま安定している。これは、他の多くの座での同様のサイズのCAG反復が安定した状態で伝達されることを考えれば驚くべきことでもない。しかしながら、一般的な集団における反復のサイズと異なったSCA6家族における拡張対立遺伝子のサイズの違いはある程度の不安定性がこの座で起こること、そしてそうした不安定性が突然変異的な拡張をもたらし、疾病を引き起こす対立遺伝子範囲に変化したことを示唆している。
結論として、本発明はプルキエニ細胞タイプのCa2+チャンネルのヒトα1Aサブユニットがプルキエニ細胞の退化及び脳性運動失調症につながることを示した。この知見の中間的な示唆は臨床的でもあり、生物学的でもある。比較的小さなCAG反復が異常な蛋白質機能につながる場合があるという観察はそうした反復の作用についての新しい考え方と病原的作用についてそれぞれを慎重に調べる必要性を示している。最後に、ヒト・カルシウム・チャンネルにおけるグルタミントラクトの拡張は、それらがカルシウム・ホメオスタシスと他のグルタミン媒介神経退化プロセスにおけるそうしたメカニズムにおいて果たしている可能性のある役割についての洞察を与えてくれる。
ここでは以下の文献が引用された。
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本明細書内で触れられているずべての特許及び刊行物は本発明が関係する技術分野の当業者のレベルを示している。これらの特許及び刊行物は、個々の刊行物がそれに言及されることで具体的、個別的に組み入れられるのと同様に全体として本明細書に組み入れられる。
当業者であれば、本発明がここに述べられている目的を実行し、その課題と利点、及びそれらに本質的に課題や利点を達成するのによく適合していることは容易に理解できるであろう。本実施例はここで述べられている方法、手順、処理、分子、及び具体的な化合物は現段階での好ましい実施の形態を示すものであり、例示のためのものであって、本発明の範囲の限定を意図するものではない。特許請求の範囲に定義されている本発明の精神内に含まれる変更や他の使用法は当業者なら容易に想起できるであろう。
配列のリスト
(1) 一般情報
(i) 出願人:リー,チエングーチ
(ii) 発明の名称:脊髄小脳運動失調タイプ6の疾病の大規模遺伝子型表現及び診断テスト
(iii) 配列の数:3
(iv) 対応する住所
(A) あて先:ジエイムス エフ.ウエイラー,法代理人
(B) 街路:スイート 1560,ワン リバーウエイ
(C) 都市:ヒューストン
(D) 州:テキサス
(E) 郵便番号:77056
(v) コンピュータ読取方式:
(A) メディアタイプ:ディスケット,3.5インチ,144Mb storage
(B) コンピュータ:IBM互換型 PC
(C) オペーレーティングシステム:ウインドウズ95
(D) ソフトウエア:MSワード97
(vi) 現出願データ:
(A) 出願番号:
(B) 出願日:
(C) 分類:536
(vii) 先の出願データ:
(A) 出願番号:
(B) 出願日:
(viii) 弁理士/代理人に関する情報:
(A) 氏名:ウエイラー,ジエイムス エフ.
(B) 登録番号:16,040
(C) 参考/処理番号:D-5968
(ix) 電信電話情報:
(A) 電話:713-626-8646
(B) テレファックス:713-963-5889
(2) SEQ ID NO:1の情報
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:25
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(ii) 配列のタイプ:
(A) 記事:他の核酸
(iii) ハイポセティカル:no
(iv) アンチセンス:no
(v) フラグメントタイプ:
(vi) 起源:
(ix) 特徴:
(A) ネームキー:S−5−F1
(B) 他の情報:オリゴヌクレオチド
(xi) 配列図示:SEQ ID NO:1:
Figure 0004164128
(3) SEQ ID NO:2の情報
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:25
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(ii) 配列のタイプ:
(A) 記事:他の核酸
(iii) ハイポセティカル:no
(iv) アンチセンス:no
(v) フラグメントタイプ:
(vi) 起源:
(ix) 特徴:
(A) ネームキー:S−5−R1
(B) 他の情報:オリゴヌクレオチド
(xi) 配列図示:SEQ ID NO:2:
Figure 0004164128
(4) SEQ ID NO:3の情報
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:3632
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(ii) 配列のタイプ:
(A) 記事:cDNA
(iii) ハイポセティカル:no
(iv) アンチセンス:no
(v) フラグメントタイプ:
(vi) 起源:
(A) 生物名:ヒト
(F) 組織の種類:脳
(vii) 直接の起源
(A) ライブラリー:1次ヒト脳 cDNA
(B) クローン:BI−I−GGCAG
(viii) ゲノム内での位置:
(A) 染色体/セグメント:19p13
(xi) 配列図示:SEQ ID NO:3:
Figure 0004164128
Figure 0004164128
Figure 0004164128
Figure 0004164128
(5) SEQ ID NO:4の情報
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:3632
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(ii) 配列のタイプ:
(A) 記事:cDNA
(iii) ハイポセティカル:no
(iv) アンチセンス:no
(v) フラグメントタイプ:
(vi) 起源:
(A) 生物名:ヒト
(F) 組織の種類:脳
(vii) 直接の起源
(A) ライブラリー:1次ヒト脳 cDNA
(B) クローン:BI−I(V1)−GGCAG
(viii) ゲノム内での位置:
(A) 染色体/セグメント:19p13
(xi) 配列図示:SEQ ID NO:4:
Figure 0004164128
Figure 0004164128
Figure 0004164128
(6) SEQ ID NO:5の情報
(i) 配列特徴:
(A) 長さ:3596
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(ii) 配列のタイプ:
(A) 記事:cDNA
(iii) ハイポセティカル:no
(iv) アンチセンス:no
(v) フラグメントタイプ:
(vi) 起源:
(A) 生物名:ヒト
(F) 組織の種類:脳
(vii) 直接の起源
(A) ライブラリー:1次ヒト脳 cDNA
(B) クローン:BI−I(V2)一GGCAG
(viii) ゲノム内での位置:
(A) 染色体/セグメント:19p13
(ix) 特徴:
(xi) 配列図示:SEQ ID NO:5:
Figure 0004164128
Figure 0004164128
Figure 0004164128

Claims (20)

  1. 個人が脊髄小脳運動失調症タイプ6(SCA−6)を発症する可能性があるかどうか決定する方法であって、
    該方法は、ゲノムDNA内のαIAカルシウム・チャンネルサブユニット遺伝子内に存在するCAGヌクレオチド反復ユニットの数を決定するために個人からのテストゲノムDNAを分析することよりなり、前記αIAカルシウム・チャンネルサブユニット遺伝子内のCAGヌクレオチド反復ユニットの数が20より多い場合は、個人はSCA−6を発症する可能性があるとする方法。
  2. 前記分析が、前記αIAカルシウム・チャンネルサブユニット遺伝子内に存在するCAGヌクレオチド反復ユニットを増幅できる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリメラーゼ鎖反応によって前記テストゲノムDNA内に存在するCAGヌクレオチド反復ユニットを増幅し、それによって、増幅したテストゲノムDNAフラグメントを産生する請求項1記載の方法。
  3. 前記分析が、さらに増幅したテストゲノムDNAフラグメントをゲル電気泳動によって分離することよりなる請求項2に記載の方法。
  4. 前記オリゴヌクレオチドプライマーが放射線物質でラベルされている請求項2に記載の方法。
  5. 前記オリゴヌクレオチドオプライマーが配列番号1(5’−CACGTGTCCTATTCCCCTGTGATCC−3’)及び配列番号2(5’−TGGGTACCTCCGAGGGCCGCTGGTG−3’)からなる群から選択されるものである請求項2に記載の方法。
  6. 個人が脊髄小脳運動失調症タイプ6を発症する可能性があるかどうか決定する方法であって、
    該方法は、個人のαIAカルシウム・チャンネルサブユニット遺伝子のCAG反復領域を分析して、その中の多型性CAG反復の長さを検出することよりなり、多型性CAG反復の長さが20CAG反復ユニットより大きい場合は、個人が脊髄小脳運動失調症タイプ6を発症する可能性があるとする方法。
  7. CAG反復領域の分析がポリメラーゼ鎖反応により、CAG反復領域を増幅できる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いて個人から得たゲノムDNAに存在するCAG反復領域を増幅し、増幅したCAG反復領域を産生する請求項6記載の方法。
  8. 前記オリゴヌクレオチドプライマーがフルオレスセイン、放射線及び酵素のいずれかでラベルされている請求項7に記載の方法。
  9. 前記フルオレスセインラベルがフルオレスセイン、ローダミン、オウラミン、テキサス・レッド、AMCAブルー及びルシフェール・イエローのいずれかからなる請求項8に記載の方法。
  10. 前記放射線ラベルが32Pからなる請求項8に記載の方法。
  11. 前記オリゴヌクレオチドプライマーが単一鎖又は二重鎖である請求項7に記載の方法。
  12. 前記オリゴヌクレオチドプライマーが15〜25ヌクレオチドである請求項7に記載の方法。
  13. 前記オリゴヌクレオチドプライマーが配列番号1又は配列番号2で示される塩基配列からなる請求項7に記載の方法。
  14. さらに、前記増幅したCAG反復領域をゲル電気泳動により分画することよりなる請求項7に記載の方法。
  15. 前記増幅したCAG反復領域のサイズがゲル電気泳動を用いて測定される請求項に記載の方法。
  16. 前記CAG反復領域の分析がCAG反復領域のサイズを測定することからなる請求項6に記載の方法。
  17. 前記CAG反復領域の分析がCAG反復領域内に存在するCAGヌクレオチド反復ユニットの数をコントロールサンプルと比較することからなる請求項6に記載の方法。
  18. 前記コントロールサンプルがSCA−6を有していない被験者からのものである請求項17に記載の方法。
  19. 前記コントロールサンプルがSCA−6を有していない被験者からのDNA又はRNAからなる請求項17に記載の方法。
  20. 個人が脊髄小脳運動失調症タイプ6を発症する可能性があるかどうか決定する方法であって、
    該方法は、個人のαIAカルシウム・チャンネルサブユニット遺伝子の対立遺伝子を分析し、その中の多型CAG反復領域の長さを検出することよりなり、多型性CAG反復領域の長さが20CAG反復ユニットより大きい場合、個人が脊髄小脳運動失調症タイプ6を発症する可能性があるとする方法。
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