JP4162447B2 - 光起電力素子及び光起電力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、pin接合のような半導体層に透光性導電膜が堆積された構造を持つ太陽電池、光センサ等の光起電力素子、及び、該光起電力素子を用いた光起電力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家屋の屋根に設置する太陽光発電システムの導入が急速に進んでいる。太陽光発電システムに用いられる太陽電池には、例えば、n型の結晶系シリコンウェハにi型及びp型の各非晶質半導体層、及び、Snをドープした酸化インジウム膜(以下、ITO(Indium Tin Oxide)膜と呼ぶ)からなる透光性導電膜を順次積層させ、透光性導電膜上に集電極を形成したHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)型の光起電力素子、または、ガラス,プラスチック若しくは表面に絶縁膜を形成した金属板等の絶縁性表面を有する基板に、裏面電極、n型,i型及びp型の各非晶質半導体層、ITO膜からなる透光性導電膜,並びに、集電極をこの順に形成した光起電力素子などが利用される。
【0003】
このような光起電力素子を用いた太陽電池モジュールは、一般に屋外に設置されるため、高い耐環境信頼性が要求されている。そこで、従来では光起電力素子を製品としてモジュールに組み込む場合、光起電力素子を保護する目的でカバーガラスが用いられることが多く、モジュールとして耐環境性の確保がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
カバーガラスとしては、一般的に、安価なソーダガラスが利用されており、高湿度等の条件下では、ソーダガラスに含まれるNa,Li,K等のアルカリイオンが透光性導電膜及び非晶質半導体層の中へ拡散し、これらに対して悪影響を及ぼすことがある。透光性導電膜にアルカリイオンが拡散した場合、導電性の低下、及び屈折率の異常等が起こり、また、非晶質半導体層の中にアルカリイオンが拡散した場合、拡散電位変動が起こり、光起電力素子の特性を劣化させるという問題が生じている。
【0005】
そこで、光起電力素子自体が耐環境性、特にアルカリイオンに対する耐性に優れたものであることが望ましく、透光性導電膜の改善が求められている。しかも、光起電力素子の透光性導電膜には、高効率化のために高い光透過率と低い電気抵抗とが要求されている。しかしながら、一般的には、高い光透過率と低い電気抵抗とを実現するためには、透光性導電膜の結晶性を向上させる必要があるが、多結晶体であるITOでは結晶粒が大きくなり、その分結晶粒界の影響も大きくなる。従って、粒界を経路としたアルカリイオンの拡散が促進され、耐環境信頼性が低下する虞がある。
【0006】
アルカリイオンの拡散を防止する方法として、カバーガラスと透光性導電膜との間に、アルカリイオンに対する拡散防止層(例えばSiO2 層)を設けることも考えられるが、拡散防止層を設ける工程が増え、コストも余計にかかるという問題がある。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、不純物をドープした酸化インジウム膜からなる透光性導電膜の(222)面の配向度を所定範囲にすることにより、エネルギ変換効率を低下させることなく、アルカリイオンの拡散を防止して、耐環境信頼性を高めることができる光起電力素子、及び、該光起電力素子を用いた光起電力装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、不純物をドープした酸化インジウム膜からなる透光性導電膜の表面における小傾角粒界を含む領域の割合を所定範囲にすることにより、エネルギ変換効率を低下させることなく、アルカリイオンの拡散を防止して、耐環境信頼性を高めることができる光起電力素子、及び、該光起電力素子を用いた光起電力装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、透光性導電膜の表面粗さを所定範囲にする、または、透光性導電膜の酸化インジウムの結晶粒界の大きさを所定範囲にすることにより、透光性導電膜と集電極との付着強度を大きくできる光起電力素子、及び、該光起電力素子を用いた光起電力装置を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、透光性導電膜の半導体層との界面側に(321)面の配向を有することにより、エネルギ変換効率を低下させることなく、アルカリイオンの拡散を防止して、耐環境信頼性を高めることができる光起電力素子、及び、該光起電力素子を用いた光起電力装置を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、透光性導電膜の半導体層との界面側における(222)回折強度に対する(321)回折強度の比を所定範囲にすることにより、アルカリイオン拡散に対する高い防止率を得ることができる光起電力素子、及び、該光起電力素子を用いた光起電力装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る光起電力素子は、非晶質半導体または微結晶半導体からなる半導体層の光入射側に透光性導電膜を設けている光起電力素子において、前記透光性導電膜は不純物をドープした酸化インジウム膜であり、前記透光性導電膜の(222)面の配向度が1.0以上であることを特徴とする。
【0013】
第1発明にあっては、pin接合のような半導体層に、(222)面の配向度が1.0以上である例えばITO膜からなる透光性導電膜を設けているため、透光性導電膜自体が、Na,Li,K等のアルカリイオンの拡散を防止する機能を有する。従って、特別の拡散防止層を設ける必要はなく、安価にアルカリイオンの拡散を防止する。
【0014】
第2発明に係る光起電力素子は、第1発明において、前記(222)面の配向度が1.2以上、2.6以下であることを特徴とする。
【0015】
第2発明にあっては、透光性導電膜の(222)面の配向度を1.2以上、2.6以下とする。よって、出力特性に関して90%以上の高いアルカリ耐性を有する。
【0016】
第3発明に係る光起電力素子は、第1発明において、前記(222)面の配向度が1.4以上、2.5以下であることを特徴とする。
【0017】
第3発明にあっては、透光性導電膜の(222)面の配向度を1.4以上、2.5以下とする。よって、出力特性に関して95%以上の非常に高いアルカリ耐性を有する。
【0018】
第4発明に係る光起電力子は、非晶質半導体または微結晶半導体からなる半導体層の光入射側に透光性導電膜を設けている光起電力素子において、前記透光性導電膜は不純物をドープした酸化インジウム膜であり、前記透光性導電膜の表面の40%以上を、小傾角粒界を含む領域が占めていることを特徴とする。
【0019】
第4発明にあっては、透光性導電膜(例えばITO膜)の表面を、小傾角粒界を含む領域が40%以上占めている。よって、透光性導電膜自体がNa,Li,K等のアルカリイオンに対する拡散防止層となり、アルカリイオンの拡散は防止される。
【0020】
第5発明に係る光起電力素子は、第1〜第4発明の何れかにおいて、前記透光性導電膜の表面に集電極を備えており、前記透光性導電膜の表面粗さが1.1以上、3.0以下であることを特徴とする。
【0021】
第5発明にあっては、透光性導電膜(例えばITO膜)の表面粗さを1.1以上、3.0以下にしている。よって、透光性導電膜に対する集電極の付着強度が大きくなり、長期信頼性が確保される。
【0022】
第6発明に係る光起電力素子は、第5発明において、前記透光性導電膜に含まれる結晶粒径の大きさが6nm以上、100nm以下であることを特徴とする。
【0023】
第6発明にあっては、透光性導電膜(例えばITO膜)に含まれる結晶粒径の大きさが6〜100nmである。よって、透光性導電膜に対する集電極の付着強度が大きくなり、長期信頼性が確保される。
【0024】
第7発明に係る光起電力素子は、非晶質半導体または微結晶半導体からなる半導体層の光入射側に透光性導電膜を設けている光起電力素子において、前記透光性導電膜は、不純物をドープした酸化インジウム膜であり、前記半導体層との界面側に(321)面の配向を有し、前記半導体層との反対側に(222)面の配向を有することを特徴とする。
【0025】
第7発明にあっては、透光性導電膜(例えばITO膜)が半導体層との界面側に(321)面の配向を有し、他の部分は(222)面の配向を主としている。よって、透光性導電膜自体が、Na,Li,K等のアルカリイオンに対する拡散防止層となり得る。
【0026】
第8発明に係る光起電力素子は、第7発明において、前記透光性導電膜の前記半導体層側の厚さ10nmの部分にあって、X線回折により測定した(222)回折強度に対する(321)回折強度の比が0.5以上、2.5以下であることを特徴とする。
【0027】
第8発明にあっては、透光性導電膜(例えばITO膜)の半導体層側の厚さ10nmの部分における(222)回折強度に対する(321)回折強度の比を0.5以上、2.5以下としている。よって、出力特性に関して98%以上のアルカリ耐性を有する。
【0028】
第9発明に係る光起電力装置は、請求項1〜8の何れかに記載の光起電力素子と、前記透光性導電膜の光入射側に設けられており、アルカリイオンを含む透光性部材とを備えることを特徴とする。
【0029】
第9発明にあっては、第1〜第8発明の何れかに記載の光起電力素子と、Na,Li,K等のアルカリイオンを含む透光性部材とを備えている。よって、安価にアルカリイオン拡散防止層が設けられて、しかも、長期信頼性が確保される。
【0030】
第10発明に係る光起電力装置は、第9発明において、前記半導体層の光入射側とは反対側に設けられている樹脂フイルムを更に備えることを特徴とする。
【0031】
第10発明にあっては、樹脂フイルムを更に備える。よって、長期信頼性が安価に確保される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明の光起電力装置の一例を示す斜視図及び模式的断面図である。図中1は、単結晶シリコン,多結晶シリコン等の結晶系半導体からなるn型の結晶系シリコンウェハであり、シリコンウェハ1の表面に、i型の水素化非晶質シリコン層(以下、i型a−Si:H層という)2及びp型の水素化非晶質シリコン層(以下、p型a−Si:H層という)3を積層形成して、pin接合を有する半導体層を構成している。
【0033】
約1Ω・cm、厚さ300μmのn型(100)シリコンウェハ1を通常洗浄により不純物を除去した後、公知のRFプラズマCVD法を用いてi型a−Si:H層2,p型a−Si:H層3を夫々5nm程度づづ堆積させ、pin接合を形成する。i型a−Si:H層2,p型a−Si:H層3を堆積させるときの形成温度は100〜300℃、反応圧力は5〜100Pa、RFパワーは1〜500mW/cm2 である。p型a−Si:H層3を形成する際に用いるp型ドーパントとしては、13族元素であるB,Al,GaまたはInの何れかを利用する。SiH4 等のソースガスに、これらの少なくとも1つを含む化合物ガスを混合することにより、p型に制御することが可能となる。
【0034】
i型a−Si:H層2,p型a−Si:H層3は、RFプラズマCVD法以外に、蒸着法,スパッタ法,マイクロ波プラズマCVD法,ECR法,熱CVD法,LPCVD法等、公知手法を用いて形成することができる。なお、半導体層を形成する半導体は、水素,フッ素の少なくとも一方を含む非晶質または微結晶のSi,SiGe,SiGeC,SiC,SiN,SiGeN,SiSn,SiSnN,SiSnO,SiO,Ge,GeC,GeNの何れかでも良い。
【0035】
p型a−Si:H層3の表面に透光性導電膜としてのITO膜4がスパッタ法により形成されている。SnO2 粉末を5wt%混入したIn2 3 粉末の焼結体をターゲットとしてカソードに設置する。シリコンウェハ1/i型a−Si:H層2/p型a−Si:H層3の積層体をカソードに対して平行に対向配置した後、チャンバーを真空排気する。加熱ヒータによりこの積層体の温度(基板温度)が25〜250℃になるように保ち、ArとO2 との混合ガス(Ar流量:200〜800sccm,O2 流量:0〜30sccm)を流して圧力を0.4〜1.3Paに保ち、カソードにDC電力を0.5〜2kW投入して放電を開始する。積層体をカソードに対し静止させた状態での成膜速度は約67nm/minである。
【0036】
ITO膜4への雰囲気ガスの取り込み量は、堆積速度に依存するため、分圧をパラメータとするよりも、(分圧)/(堆積速度)をパラメータにとる方が適切である。O2 については、5×10-5〜5×10-4Pa・min/nmの範囲が好ましい。5×10-4Pa・min/nm以上では、光吸収は低いが比抵抗が高くなり、変換効率が低下する。一方、5×10-5Pa・min/nm以下では、電子濃度が高く、光吸収が高い膜となり、変換効率が低下する。H2 Oについては、成膜時に2×10-4Pa・min/nm以下が望ましい。H2 Oの分圧を2×10-4Pa・min/nm以上にした場合、電子濃度が6×1020cm-3以上になり、光吸収が大きく、比抵抗が高くなる。
【0037】
Arの他にはHe,Ne,Kr,Xe等の不活性ガスまたはこれらの混合気体を用いることもできる。また、気体放電はパルス変調DC放電、RF,VHFまたはマイクロ波放電でも可能である。混入するSnO2 の量を変えることにより、ITO膜4に含まれるSn量を変化させることが可能であるが、Inに対するSnの量は1〜10at%が好ましく、3〜7at%が更に好ましい。ターゲットの焼結密度は90%以上が好ましい。なお、Snの他に、Zn,As,Ca,Cu,F,Ge,Mg,S,SiまたはTeの少なくとも1つを酸化インジウムへのドーパントとして用いても良い。
【0038】
ところで、上述したITO膜4(透光性導電膜)の作製工程における各種の条件(基板温度、Ar,O2 の流量、O2 分圧、カソード電圧など)を制御することにより、作製されるITO膜4の配向性、特にp型a−Si:H層3との界面近傍における配向性を制御できる。本発明の特徴部分であるこの配向性の制御に関しては、後に詳述する。
【0039】
また、ITO膜4上には、櫛形の集電極5が形成されている。エポキシ樹脂に銀の微粉末を練り込んだ銀ペーストをスクリーン印刷法により、高さ10〜30μm,幅100〜500μmに形成した後、200℃,80分で焼成硬化することにより、複数の互いに平行な枝部を有する櫛形の電極と、これらの櫛形の電極に流れる電流を集めるためのバスバー電極とからなる集電極5を形成する。
【0040】
シリコンウェハ1の裏面には、Ag,Al等の金属膜からなる裏面電極6が形成されている。この裏面電極6は、公知のスパッタリング、抵抗加熱またはエネルギビームによる蒸着処理によって形成する。
【0041】
光起電力装置(太陽電池モジュール)は、上述したような構成部材を有する光起電力素子をモジュールとして組み込んだものである。ITO膜4及び集電極5上には、例えばEVA(エチレンビニールアセテート)からなる透光性の樹脂膜7が設けられており、更に、樹脂膜7上には、長期にわたって光起電力素子を保護する目的で、Na,Li,K等のアルカリイオンを含んだカバーガラス8が設置されている。また、裏面電極6には、例えばEVA製の樹脂層9を介して、裏面保護フィルム10が設けられている。
【0042】
以下、本発明者等によるITO膜の特性評価試験の結果に基づいて、本発明におけるITO膜(透光性導電膜)の配向性とナトリウム耐性との関係を述べる。まず、配向性及びナトリウム耐性における種々のパラメータについて説明する。
【0043】
ITO膜におけるマクロな配向性は、X線回折により評価することが可能である。結晶面(pqr)の配向度Q(pqr) は、以下の式で定義される。
Q(pqr) =(I(pqr) /ΣI(hkl) )/(I* (pqr) /ΣI* (hkl) )
ここで、I(hkl) は、(hkl)面によるX線回折のピーク強度であり、ΣI(hkl) は、すべてのピーク強度について和を取ることを意味する。また、I* (hkl) は、粉末試料に対する(hkl)面のピーク強度である。例えば、(222)配向しているとは、配向度が粉末試料による平均的な値より高いこと、即ち、シリコンウェハ1の表面に対して(222)面が平行になっている結晶粒の割合がランダムな場合より多いことを意味する。
【0044】
また、2種の結晶面夫々についてX線回折による回折線の強度を測定し、測定した2つの面の回折強度の比を求めることにより、求めた強度比はITO膜における配向性の指標となり得る。
【0045】
また、ナトリウムイオンに対する耐性の評価指標となる耐ナトリウム度は、次のように定義する。耐ナトリウム度は、0.05%のNaHCO3 水溶液0.1gをITO膜の表面に塗布し、200℃で3時間放置した場合の光起電力素子の出力の変化率である。具体的には、上記処理後の最大出力の測定値(以下、Pmax ′という)の処理前の最大出力の測定値(以下、Pmax という)に対する割合、言い換えると、上記処理後におけるPmax ′をPmax にて規格化した値、即ち、Pmax ′/Pmax を耐ナトリウム度と定義する。
【0046】
図3は、ITO膜表面の2次電子像(以下、SEM像という)を表した写真である。図3(a)は、水素化非晶質シリコン上に形成したITO膜の表面のSEM像であり、図3(b)は、同一条件でガラス上に形成したITO膜の表面のSEM像である。図3(a)及び(b)を比較した場合、ITO結晶の形状が全く異なることが分かる。このことからITO膜の被堆積層が水素化非晶質シリコンとガラスとでは、その上に堆積したITO膜の特性が全く異なることが理解される。
【0047】
図4〜図6は、ITO膜の(222)配向性とナトリウム耐性との関係を示すグラフであり、図4は(222)配向度とPmax との関係を示すグラフ、図5は(222)配向度とPmax ′との関係を示すグラフ、図6は(222)配向度と耐ナトリウム度(Pmax ′/Pmax )との関係を示すグラフである。
【0048】
図6の結果から、ITO膜が半導体層の表面に対して(222)配向している場合、特に(222)配向度が1.0以上であるときに、ナトリウム耐性が向上することが分かる。また、(222)配向度が1.2以上、2.6以下である場合に、0.9以上の高い耐ナトリウム度が得られており、更に、(222)配向度が1.4以上、2.5以下である場合に、0.95以上の非常に高い耐ナトリウム度が得られている。このようなことから、ITO膜の(222)配向度を適宜の値に設定することにより、NaHCO3 水溶液の塗布前と塗布後とで、殆ど出力が変化せず、ナトリウム拡散に対して高い抑止効果が得られることが分かる。また、図5,図6の結果から、(222)配向度が1.4以上、2.5以下の場合には、0.95以上の非常に高い耐ナトリウム度を有し、かつナトリウム耐性試験後の出力が1.88W以上と非常に高い光起電力素子を提供できることが分かる。
【0049】
図7は、カソード電圧の絶対値と(222)配向度との関係を示すグラフ、図8は、カソード電圧の絶対値と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。図7の結果から、半導体層(p型a−Si:H層)上にITO膜を堆積させる際のカソード電圧の絶対値を100Vから400Vとした場合、ITO膜の(222)配向度は、1.1〜1.5の狭い範囲で変化することが分かる。一方、図8の結果から、カソード電圧の絶対値を100Vから増加させた場合、300Vより大きい領域でナトリウム耐性が悪くなっていることが分かる。
【0050】
そこで、本発明者等は、カソード電圧を変化させて、ITO膜の表面のSEM像を撮ることにより、ITO膜のミクロな配向性とナトリウム耐性との関係について調べた。図9は、カソード電圧を変化させた場合のSEM像を表した写真である。図9(a)及び(b)は、夫々、カソード電圧−280V及び−380VにおけるITO膜表面のSEM像を示しているが、結晶粒の形状が大きく異なることが分かる。カソード電圧が−280Vである場合、隣り合った結晶粒同士は、その方位が殆ど変わらない小傾角粒界になっており、カソード電圧が−380Vである場合、隣り合った結晶粒同士の方位があまり揃っていないことが分かる。ここで、小傾角粒界とは、図10の小傾角粒界の模式図に示すように、結晶の方位が揃った結晶粒からなる表面形状のことであり、表面のSEM像等により容易に判別することが可能である。
【0051】
図11は、小傾角粒界が占める割合と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。ITO膜の表面に小傾角粒界が占める割合を変化させた場合、小傾角粒界の割合が40%に達した付近からナトリウム耐性が向上し、その割合が50%を超えると0.92以上の非常に高い耐ナトリウム度が得られていることが分かる。
【0052】
このことから、多結晶のITO膜におけるナトリウム拡散には、結晶のマクロな配向性に加えて、ミクロな配向性が重要であることが判明した。隣り合う結晶粒の方位が略揃っていて、小傾角粒界となっている場合、ナトリウムの拡散係数を小さくすることができると考えられる。即ち、多結晶のITO膜に関し、その表面が小傾角粒界で分かれた領域が大きい程、ナトリウム耐性を向上することができる。
【0053】
ITO膜と該ITO膜上に形成した集電極との付着強度を調べた。付着強度は、以下の方法で測定した。半田コートした銅製タブ電極を集電極の上に接触させた状態で加熱し、タブ電極を集電極に半田付けした後、タブ電極をITO膜の表面に対して垂直になるように曲げ、集電極がITO膜から剥がされるまで等速で引き上げる。そのときの引っ張り強度を付着強度と定義する。また、ITO膜の表面粗さは、測定領域内のITO膜の表面積と測定面積との比により定義する。ITO膜の表面に凹凸形状がない場合、表面粗さの値は1であり、凹凸形状がある場合、表面粗さは1より大きな値となる。
【0054】
図12は、ITO膜の表面粗さと付着強度との関係を示すグラフである。図12から、表面粗さを増加させた場合、付着強度が上昇することが分かる。ITO膜の表面粗さが増加した場合、集電極をITO膜から剥がすのに要する引っ張り強度が増加する傾向にある。図12から表面粗さが1.1以上となることが望ましい。表面粗さが3.0より大きくなる場合、ITO膜の表面の凹凸形状が深く、かつ狭くなるため、集電極の形成時に銀ペーストが凹凸形状の底まで入り込めず、結果としてITO膜と集電極との付着強度、及び電気的な接触が低下してしまう。従って、表面粗さは3.0以下とする必要がある。
【0055】
本実施の形態では、結晶粒径の大きさによって表面粗さを制御しているが、この場合の結晶粒径は、6〜100nmが好ましく、更に、10〜80nmがより好ましい。ここで、結晶粒径とは、ITO膜の面方向の結晶粒の最大長さをいう。なお、ITO膜を堆積した後、希塩酸等によりエッチングして表面粗さを制御することも可能である。
【0056】
図13は、ITO膜の形成温度と(321)面及び(222)面の回折強度の比との関係を示すグラフである。横軸には、ITO膜形成時の基板温度をとり、縦軸には、ITO膜の界面層(全厚100nmのITO膜における半導体層側の厚さ10nmの部分)における(222)面の回折強度に対する(321)面の回折強度の比をとっている。
【0057】
界面層の特性評価は次のようにして行った。まず、5at%のSnO2 をドープしたITOターゲットを用いて、Ar流量200sccm,酸素流量12sccm,圧力0.5Pa,DC電力1kWの条件で、基板温度を変化させて半導体層(p型a−Si:H層)の表面にITO膜を100nmの厚さで堆積した。なお、これらの膜の結晶性をX線回折により評価したところ、100℃以下の基板温度で形成したITO膜ではアモルファスが多く見られるものの(321)面の回折強度が最も強くなっており、150℃以上の基板温度で形成したITO膜では(222)面の配向性が強い多結晶膜になっていることが確認された。
【0058】
次いで、200℃の温度で80分間大気中で熱処理を施した後に、35%HCl水溶液により5〜7分間エッチングしてITO膜の表面部分を除去することにより、半導体層の表面に約10nmの厚さの界面層を残した。そして、この界面層のITO膜についてX線回折により結晶性を評価した。その結果、ITO膜形成時の基板温度が200℃以上では、界面層は(222)面に強く配向し、2番目に強い回折強度は(400)面からの回折線であった。
【0059】
しかしながら、基板温度150℃以下で形成したITO膜の界面層では、(321)面による回折線が出現し、(222)面による回折線の回折強度の次に強度が強くなり、ITO膜を形成する際の基板温度を低下させるに伴い(321)回折強度の(222)回折強度に対する強度比が徐々に大きくなることが分かった。即ち、図13に示した如く、ITO膜を150℃で形成した場合、(321)面の回折強度は(222)面の回折強度の略半分になり、ITO膜を100℃で形成した場合、(321)面の回折強度と(222)面の回折強度とは略同じになる。そして、ITO膜の形成温度を100℃以下にした場合、(321)面の回折強度が(222)面の回折強度に勝り、(321)面が優先的に配向していることが分かる。
【0060】
図14は、ITO膜形成時の温度とITO膜の耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。図14に示した如く、基板温度150℃以下ではPmax とPmax ′との間の相対的な変化が小さく、特に、100℃以下では、極めて良好なナトリウム耐性を確保できていることが明らかである。即ち、(321)面の回折線の出現とナトリウム耐性との間に相関があり、(321)面の回折線が半導体層に接するITO膜の界面層に出現し、その回折強度が1番目または2番目に強くなる条件にて、良好なナトリウム耐性を実現できることが分かる。
【0061】
図15は、酸素流量を4sccm,12sccmにした場合のITO膜の形成温度と(321)面及び(222)面の回折強度比との関係を示すグラフである。図15に示した如く、酸素流量が多い場合、(222)回折強度が強くなって逆に(321)回折強度が弱くなるため、(321)回折強度と(222)回折強度との強度比は小さくなる。また、高酸素流量条件ほど、(321)回折線が出現するITO膜の形成時の温度が低くなる傾向も明らかである。以上の結果から、より低温、低酸素流量の条件にて結晶性を予め低くしてITO膜を半導体層の表面に形成し、その後の熱処理によりITO膜の結晶性を改善することにより、半導体層に近接するITO膜の界面層で(321)回折線が出現しやすいことが明らかである。
【0062】
図16は、酸素流量4sccm,12sccmにした場合のITO膜形成時の温度とITO膜の耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。図16に示した如く、図15の(321)面及び(222)面の回折強度比の変化と、ナトリウム耐性との間に良い相関関係があることが確認された。また、ITO膜形成時の温度を150℃、酸素流量を4sccm及び12sccmにした場合の出力を比較した場合、12sccmの条件の方がITO膜の高光透過率により電流が増加し、出力にして約2%改善することができた。しかしながら、形成温度150℃、酸素流量12sccmではナトリウム耐性試験で1.3%ほど特性が低下した。
【0063】
そこで、界面層(厚さ10nm)のみを室温(25℃),酸素流量12sccmで形成し、残りのバルク部分(厚さ90nm)を150℃,酸素流量12sccmで形成した積層構造を検討した。その結果、本積層構造を用いた場合はナトリウム耐性試験後の特性低下が見られず、150℃,酸素流量12sccmの条件下でITO膜を形成した場合と同等の出力が得られることにより、半導体層の表面におけるITO膜の界面層の結晶配向性を制御することが出力とナトリウム耐性との両立に極めて有効であることが確認された。
【0064】
以上のように、光起電力素子のITO膜にあって、光入射側のITO膜のうち、半導体層と接する側の厚さ10nmの界面層が(321)面の配向を有しており、ITO膜のうち界面層を除くバルク層が主に(222)面に配向している場合、高光透過率、高効率であり、しかもナトリウム耐性が高い光起電力素子となる。
【0065】
図17〜図19は、ITO膜の(222)配向性とナトリウム耐性との関係を示すグラフであり、図17は(222)配向度とPmax との関係を示すグラフ、図18は(222)配向度とPmax ′との関係を示すグラフ、図19は(222)配向度と耐ナトリウム度(Pmax ′/Pmax )との関係を示すグラフである。
【0066】
図18,図19の結果から、(321)面の配向を有する界面層を設けない場合、(222)配向度が小さくなるとナトリウム耐性試験後の出力Pmax ′が下がってナトリウム耐性は悪化しているが、これに対して、(321)面の配向を有する界面層を設ける場合には、(222)配向度が小さくなってもナトリウム耐性試験後の出力Pmax ′は下がらず良好なナトリウム耐性が得られていることが分かる。
【0067】
図20〜図22は、ITO膜の界面層における(321)回折強度及び(222)回折強度の強度比とナトリウム耐性との関係を示すグラフであり、図20は(321)/(222)強度比とPmax との関係を示すグラフ、図21は(321)/(222)強度比とPmax ′との関係を示すグラフ、図22は(321)/(222)強度比と耐ナトリウム度(Pmax ′/Pmax )との関係を示すグラフである。
【0068】
図22の結果から、(321)/(222)強度比が0.5以上、2.5以下である場合に、0.98以上の高い耐ナトリウム度が得られていることが分かる。更に、図21,図22の結果から、(321)/(222)強度比が1.0以上、2.5以下の場合に、0.98以上の高い耐ナトリウム度を有し、かつナトリウム耐性試験後において1.88W以上の高い出力を有する光起電力素子を提供できることが分かる。
【0069】
なお、上述した例では、ナトリウム拡散に対するナトリウム耐性について説明したが、これ以外のリチウム拡散,カリウム拡散に対しても、本発明はナトリウム拡散と同様の効果を奏することは確認されている。
【0070】
また、上述した例では、n型のシリコンウェハにi型a−Si:H層,p型a−Si:H層を積層してpin接合を形成する構成としたが、これとは導電型を逆タイプにして、p型のシリコンウェハにi型a−Si:H層,n型a−Si:H層を積層してnip接合を構成し、n型a−Si:H層上に本発明のITO膜(透光性導電膜)を設けるようにしても同様の効果を奏することは勿論である。
【0071】
本発明を適用できる他の光起電力装置の構成について説明する。図23は、本発明の光起電力装置の他の例を示す模式的断面図である。図中11は、ガラス板、プラスチック板、または、表面にポリイミド,SiO2 等の絶縁膜を形成したAl,SUS等の金属板からなる基板である。基板11上には、Ag,Al等の金属膜からなる裏面電極16が形成されている。裏面電極16上に、n型,i型,p型の非晶質水素化シリコン層を順次積層してなる半導体層13が形成されている。
【0072】
半導体層13上には、透光性導電膜となるITO膜14が形成されている。また、ITO膜14上には、集電極15が形成されている。更に、ITO膜14及び集電極15上には、例えばEVA製の透光性の樹脂膜17が設けられている。樹脂膜17上にNa,Li,K等のアルカリイオンを含んだカバーガラス18が設置されている。
【0073】
このような構成の光起電力装置におけるITO膜(透光性導電膜)14についても、前述した光起電力装置のITO膜4と同様のことが適用できる。
【0074】
また、上述した例では、非晶質半導体層にITO膜を形成する場合について説明したが、微結晶半導体層に形成されるITO膜についても同様の効果を奏する。また、本発明のITO膜は、基板の反対側から光を入射する非晶質太陽電池、微結晶太陽電池、及び非晶質太陽電池と微結晶太陽電池とのハイブリッド構造においても適用することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明では、非晶質または微結晶の半導体層に、(222)面の配向度が1.0以上、好ましくは1.2以上で2.6以下、より好ましくは1.4以上で2.5以下となる透光性導電膜を設けるようにしたので、透光性導電膜自体が、カバーガラスからのアルカリイオンの拡散を防止する機能を有することができ、特別の拡散防止層を設ける必要はなく、安価にアルカリイオンの拡散を防止することができる。
【0076】
また本発明では、透光性導電膜の表面の40%以上を、小傾角粒界からなる領域が占めるようにしたので、透光性導電膜自体がアルカリイオンに対する拡散防止層となり、アルカリイオンの拡散を簡便に防止することができる。
【0077】
また本発明では、透光性導電膜の表面粗さを1.1以上、3.0以下にするようにしたので、透光性導電膜に対する集電極の付着強度を大きくできて、長期信頼性を確保することができる。
【0078】
また本発明では、透光性導電膜に含まれる結晶粒径の大きさを6〜100nmにするようにしたので、透光性導電膜に対する集電極の付着強度を大きくできて、長期信頼性を確保することができる。
【0079】
また本発明では、透光性導電膜の半導体層との界面側に(321)面の配向を有し、それ以外の部分では(222)面の配向を主とするようにしたので、透光性導電膜自体がアルカリイオンに対する拡散防止層となり、アルカリイオンの拡散を簡便に防止することができる。
【0080】
また本発明では、透光性導電膜の半導体層側の厚さ10nmの部分(界面層)における(222)回折強度に対する(321)回折強度の比を0.5以上、2.5以下とするようにしたので、非常に良好なアルカリ耐性を呈することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の光起電力装置の一例を示す模式的断面図である。
【図3】ITO膜表面の2次電子像を表した写真である。
【図4】(222)配向度とPmax との関係を示すグラフである。
【図5】(222)配向度とPmax ′との関係を示すグラフである。
【図6】(222)配向度と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。
【図7】カソード電圧の絶対値と(222)配向度との関係を示すグラフである。
【図8】カソード電圧の絶対値と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。
【図9】カソード電圧を変化させた場合のSEM像を表した写真である。
【図10】小傾角粒界の模式図である。
【図11】小傾角粒界が占める割合と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。
【図12】ITO膜の表面粗さと付着強度との関係を示すグラフである。
【図13】ITO膜の形成温度と(321)/(222)の回折強度比との関係を示すグラフである。
【図14】ITO膜の形成温度と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。
【図15】酸素流量を4sccm,12sccmにした場合のITO膜の形成温度と(321)/(222)の回折強度比との関係を示すグラフである。
【図16】酸素流量を4sccm,12sccmにした場合のITO膜の形成温度と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。
【図17】(222)配向度とPmax との関係を示すグラフである。
【図18】(222)配向度とPmax ′との関係を示すグラフである。
【図19】(222)配向度と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。
【図20】ITO膜の界面層における(321)/(222)の回折強度比とPmax との関係を示すグラフである。
【図21】ITO膜の界面層における(321)/(222)の回折強度比とPmax ′との関係を示すグラフである。
【図22】ITO膜の界面層における(321)/(222)の回折強度比と耐ナトリウム度との関係を示すグラフである。
【図23】本発明の光起電力装置の他の例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 n型シリコンウェハ
2 i型a−Si:H層
3 p型a−Si:H層
4,14 ITO膜(透光性導電膜)
5,15 集電極
6,16 裏面電極
7,17 樹脂膜
8,18 カバーガラス
9 樹脂層
10 裏面保護フィルム
11 基板
13 半導体層

Claims (3)

  1. 非晶質半導体または微結晶半導体からなる半導体層の光入射側に透光性導電膜を有し、該透光性導電膜の光入射側にアルカリイオンを含む透光性部材が設けられる光起電力素子において、
    前記透光性導電膜は、不純物をドープした酸化インジウム膜であり、
    前記透光性導電膜は、前記半導体層との界面側の厚さ10nmの部分において、X線回折により測定した(321)面の回折強度が1番目または2番目に強い強度を有すると共に(222)回折強度に対する(321)回折強度の比が0.5以上、2.5以下であり、且つ前記半導体層との反対側において主に(222)面に配向していることを特徴とする光起電力素子。
  2. 請求項1に記載の光起電力素子と、前記透光性導電膜の光入射側に設けられており、アルカリイオンを含む透光性部材とを備えることを特徴とする光起電力装置。
  3. 前記半導体層の光入射側とは反対側に設けられている樹脂フィルムを更に備える請求項2記載の光起電力装置。
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