JP4159035B2 - 感熱膨張材及びその製造方法 - Google Patents
感熱膨張材及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4159035B2 JP4159035B2 JP2003069943A JP2003069943A JP4159035B2 JP 4159035 B2 JP4159035 B2 JP 4159035B2 JP 2003069943 A JP2003069943 A JP 2003069943A JP 2003069943 A JP2003069943 A JP 2003069943A JP 4159035 B2 JP4159035 B2 JP 4159035B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wax
- thermoplastic resin
- crystalline thermoplastic
- thermal expansion
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60R—VEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B60R13/00—Elements for body-finishing, identifying, or decorating; Arrangements or adaptations for advertising purposes
- B60R13/08—Insulating elements, e.g. for sound insulation
- B60R13/0884—Insulating elements, e.g. for sound insulation for mounting around noise sources, e.g. air blowers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J9/00—Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
- C08J9/36—After-treatment
- C08J9/40—Impregnation
- C08J9/42—Impregnation with macromolecular compounds
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C61/00—Shaping by liberation of internal stresses; Making preforms having internal stresses; Apparatus therefor
- B29C61/04—Thermal expansion
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2105/00—Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
- B29K2105/0005—Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped containing compounding ingredients
- B29K2105/0038—Plasticisers
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2105/00—Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
- B29K2105/04—Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped cellular or porous
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2105/00—Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
- B29K2105/24—Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped crosslinked or vulcanised
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2995/00—Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds
- B29K2995/0001—Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds having particular acoustical properties
- B29K2995/0002—Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds having particular acoustical properties insulating
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【本発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮状態から熱により膨張して厚さが増加する感熱膨張材に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物や産業用機器、自動車における継ぎ目の流体シール、防音、断熱の目的でウレタンフォームなどの各種フォーム材、シリコーンシーラントなどの液状硬化型のシール材が広く使用されている。これら材料が十分な流体シール、防音、断熱の性能を発揮するためには、構造物の継ぎ目の隙間を埋める必要がある。
【0003】
従来のフォーム材からなるシール材は圧縮して必要な部位に装着し、材料自体の弾性力で厚さが復元することにより継ぎ目の隙間を埋めている。しかし、従来のフォーム材は圧を開放すると瞬時に復元するため、圧縮状態のフォーム材の復元力に抗った状態を保ったままフォーム材やフォーム材を用いたアッセンブリー品を流体シール、防音、断熱が必要な個所に装着する必要があり、装着の作業性が非常に悪い。
【0004】
フォーム材を薄くすれば装着の作業性は向上するが、隙間が生じるため流体シール、防音、断熱の性能が十分ではなくなる。柔らかいフォーム材を使用して圧縮状態のフォーム材の復元力を下げることで、作業性をやや改善することはできるが作業性は十分ではない。また、復元力の低いフォーム材は流体シールの性能が劣り好ましくない。
【0005】
上記のように、流体シール、防音、断熱の性能と、装着性は相反するものであり、各特性を満足するシール材が求められている。
【0006】
このような背景から、熱による発泡が可能なゴム組成物等をシール箇所に配置し、シール箇所を加熱して発泡させて隙間を閉塞する感熱膨張材も用いられている。例えば、熱可塑性樹脂からなる芯材と架橋高分子からなる外装材とを複合させた熱膨張シール材(特許文献1参照)が知られている。しかし、この熱膨張シール材では、厚さ方向に膨張させると、平面方向の長さが減少して平面方向で隙間が生じてシール性が損なわれる懸念があり、更には製造に際して二層押し出し機などの特殊な設備が必要となる。
【0007】
また、熱可塑性樹脂と架橋ゴムの混和物からなる熱膨張チューブ(特許文献2、特許文献3参照)も知られている。しかしながら、これらの熱膨張チューブも厚さ方向に膨張させると、平面方向の長さが減少して平面方向で隙間が生じるという問題がある。
【0008】
感熱膨張材として、ウレタンの形状記憶ポリマー発泡体(特許文献4参照)や、ゴム中にポリオレフィン等の樹脂をブレンドした形状記憶性加硫ゴム成形体(特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9参照)も知られてしる。また、ポリノルボルネンやスチレンブタジエン共重合体も形状記憶ポリマーとなることが知られており、これら原料を使用してスポンジを製造し、これを圧縮してさらに圧縮状態のまま形状を固定することで、加熱によりスポンジ状に膨張し、厚さが増加する感熱膨張材を得ることができる。また、ゴム中に樹脂をブレンドした形状記憶性の発泡体(特許文献10参照)も知られている。しかし、これらの感熱膨張材は圧縮状態を保つ性能が不十分であるため、圧縮状態で長期間保管することが困難であり、更には特定温度で急激に膨張する感熱膨張特性が不十分である。
【0009】
その他にも、フォーム材に熱硬化性樹脂などを固着剤として複合させて得られる感熱膨張材(特許文献11、特許文献12、特許文献13,特許文献14参照)が知られているが、これらの感熱膨張材は固着剤としての性能が十分ではなく、長期間にわたって圧縮形状を保持することができないため、保管時に膨張してしまう懸念がある。また、高融点樹脂の発泡体に低融点の熱可塑性樹脂を複合させて得られる感熱膨張材(特許文献15参照)も知られているが、この感熱膨張材はフォーム材が熱可塑性樹脂で構成されているため、圧縮状態で長期間経過するとクリープのために弾性復元力が低下し、長期間の保管後に加熱しても膨張しないことがある。更に、ウレタンフォームと熱可塑性樹脂とアスファルトを複合させて得られる感熱膨張材(特許文献16参照)も知られているが、この感熱膨張材は常温で圧縮され、アスファルトの粘性のみで圧縮形状を保持させているため、長期間にわたって圧縮形状を保持することができず、保管時に膨張してしまう懸念がある。また、逆にフォーム材の素材が架橋ゴムではなくウレタンフォームであるため、圧縮状態で長時間保持すると、ウレタンフォームのヘタリによって加熱しても膨張しないことがある。
【0010】
本出願人も先に、フォーム材に熱可塑性物質を含浸させることによって得られる感熱膨張材(特許文献17参照)を提案している。しかしながら、追試の結果、長期間にわたって圧縮形状を保持することができないか、あるいは例えば夏場の倉庫内を想定した温度である50℃で長期間圧縮状態で保管すると、加熱しても膨張しない場合があることが判明した。
【特許文献1】
特開昭56-163181号公報
【特許文献2】
特開昭52-146482号公報
【特許文献3】
特開昭53-78282号公報
【特許文献4】
特公平7-39506号公報
【特許文献5】
特開平9-309986号公報
【特許文献6】
特開2000-191847号公報
【特許文献7】
特開2000-217191号公報
【特許文献8】
特開2001-40144号公報
【特許文献9】
特開2002-12707号公報
【特許文献10】
特開2000-1558号公報
【特許文献11】
特開60-171142号公報
【特許文献12】
特公昭63-32611号公報
【特許文献13】
特公平05-63291号公報
【特許文献14】
特開平08-174588号公報
【特許文献15】
特開平08-34871号公報
【特許文献16】
特公平05-64092号公報
【特許文献17】
特開2002-69228号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、流体シール、防音、断熱の各性能に優れるとともに、各処理部位への装着作業にも優れ、また製造に際しても特殊な材料や設備を必要とせず安価に得られる感熱膨張材を提供することを目的とする。また、本発明は前記感熱膨張材を容易に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。更に、本発明は前記感熱膨張材を用いてシール性能に優れた目地材及び防音性に優れた自動車エンジン用防音カバーを提供することを目的とする。
【0012】
【題題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、架橋ゴムからなるフォーム材に結晶性熱可塑性樹脂とワックスとを含浸させて加熱圧縮後に圧縮した状態で冷却してから圧力を開放することにより、比較的高い温度でも圧縮状態が従来よりも長期にわたり保持され、加熱による膨張率も大きな感熱膨張材が得られることを見出した。そして、この様な感熱膨張材を処理部位に使用することで優れた流体シール、防音、断熱の各性能が得られるとともに、処理部位への装着作業を容易に行い得ることを見出した。また、このような感熱膨張材が装着性と防音性能に優れた自動車エンジン用防音カバーとなることを同時に見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0013】
即ち、上記の目的を達成するために、本発明は、圧縮状態から熱により膨張する感熱膨張材であって、架橋ゴムからなるフォーム材に結晶性熱可塑性樹脂とワックスとを含浸させ、圧縮してなることを特徴とする感熱膨張材を提供する。
【0014】
同様の目的を達成するために、本発明は、結晶性熱可塑性樹脂のエマルジョンとワックスのエマルジョンとを架橋ゴムからなるフォーム材に含浸させて乾燥させた後、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスの融点よりも高い温度以上に加熱して圧縮し、圧縮したまま冷却することを特徴とする感熱膨張材の製造方法を提供する。
【0015】
更に、同様の目的を達成するために、本発明は、上記の感熱膨張材を使用したことを特徴とする目地材、並びに自動車エンジン用防音カバーを提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明では、フォーム材を構成するゴム材料が架橋されている必要がある。架橋されていない場合は、圧縮状態で長期間保管した場合にへたりが生じて、加熱により厚さが増加する特性、すなわち感熱膨張特性が発現しない。さらに、圧縮操作を行うためフォーム材は柔軟である必要がある。フォーム材が柔軟でない場合は圧縮操作によりフォーム材が破壊されてしまうため好ましくない。
【0018】
本発明で使用する架橋ゴムとは、硫黄または硫黄化合物または過酸化物または他官能化合物等の化学架橋剤、ガンマ線や電子線などの電離性放射線照射、または単に加熱することにより架橋できるゴム材料である。ゴムの種類としては天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、CR(クロロプレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR(ニトリル・ブタジエンゴム)、HNBR(水素化ニトリル・ブタジエンゴム)、EPM(エチレン・プロピレンゴム)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体ゴム)、ECO(ヒドリンゴム)、IIR(ブチルゴム)、ポリエーテルゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ふッ素ゴム、ふっ素化エーテルゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴムなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、これら架橋ゴムのうち複数種類をブレンドして使用してもよい。
【0019】
特にEPDMの架橋ゴムからなるフォーム材は、耐熱性と耐オゾン性、価格のバランスに優れるため、本発明の感熱膨張材で使用するフォーム材として好ましい。
【0020】
EPDMフォームをはじめとして上記に例示したフォーム材の殆どは市販され容易に入手可能であり、製造上特殊な設備が必要ないため、容易にかつ安価に感熱膨張材を得ることができる。これに対して従来の感熱膨張材では、特殊な原料を使用してフォーム材を作製する必要があり、原料の入手が困難であるため、容易に感熱膨張材を得ることができない。また、フォーム材のための特殊な製造設備が必要になることもある。
【0021】
後述される形状保持/感熱膨張機構に示されるように、本発明の感熱膨張材は常温で形状保持し、加熱により感熱膨張する。そのため、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスは、常温域と高温域とで弾性率の違いが顕著なものが望ましい。結晶性熱可塑性樹脂及びワックスは融点に達すると急激に弾性率が低下するため、本発明の感熱膨張材においても融点付近の温度(高温域)で形状が復元する。従って、両温度域における弾性率の差が顕著であると、形状保持/形状復元がより良好に行われ、特定温度で急激に感熱膨張するものが得られる。尚、本発明では、夏場と冬場の気温の季節変動を考慮して、常温とは5〜35℃の温度範囲をいう。
【0022】
また、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスは、感熱膨張のために実際に使用される加熱温度(以下、実施加熱温度と呼ぶ)と常温との間に融点を有しているものが好ましい。特に、融点または軟化温度の何れかが120℃未満、好ましくは融点が40〜120℃である結晶性熱可塑性樹脂及びワックスを使用することが好ましい。上記に挙げたフォーム材に使用される架橋ゴムの中には、感熱膨張のために120℃以上に加熱した場合に劣化して弾性復元力が失われ、形状復元性が発現しないものもある。また、感熱膨張のために感熱膨張材を全体にわたり120℃以上に加熱するにはかなりの時間を要するため、加熱能力の高い加熱装置を用いる必要が出てくる。尚、融点は、示差走査熱量分析(DSC)によって測定することが可能である。
【0023】
結晶性熱可塑性樹脂とワックスとは、融点が一致していることが好ましく、両者の融点の差は好ましくは20℃以内、さらに好ましくは10℃以内、より好ましくは5℃以内である。
【0024】
上記の諸要件を満たす結晶性熱可塑性樹脂としては、結晶性を示すものであれば良く、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン‐プロピレン共重合体樹脂、アイオノマー樹脂などのエチレン共重合体、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどのポリエチレン、塩素化ポリエチレンなどの変成ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート、液晶ポリエステル、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチルアジペート、ポリエチレンサクシネートなどのポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどのポリケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹脂)、テトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂)、テトラフルオロエチレン‐エチレン共重合体(四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)、ポリビニリデンフルオライド(フッ化ビニリデン樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ化塩化エチレン樹脂)、クロロトリフルオロエチレン‐エチレン共重合体(三フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹脂)、ポリビニルフルオライド(フッ化ビニル樹脂)などのフッ素樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、半芳香族ナイロン6T、ナイロンMXD、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド樹脂、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタックチックポリプロピレンなどのポリプロピレン樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリエーテル樹脂、その他、ポリアセタール、アイソタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルニトリル、シンジオタクチック‐1,2‐ポリブタジエン、トランス‐1,4‐ポリイソプレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等を使用することができるがこれらに限定されない。また、これらに別のモノマーを共重合させたものや、別のオリゴマーをグラフトさせたポリマーアロイも使用することができる。また、熱可塑性エラストマーを用いることもでき、例えばポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等を使用することができるがこれらに限定されない。これらのうち、分子構造や成形条件等によっては結晶を示さないものもあるが、本発明では結晶性を示すものを結晶性熱可塑性樹脂として使用することが出来る。
【0025】
これら結晶性熱可塑性樹脂のうち、エチレン共重合体は形状保持/感熱膨張の良好な感熱膨張材を得ることができる。さらに特に、エチレン-酢酸ビニル共重合体は価格が安価であり、また、エチレンの酢酸ビニルの共重合比により各種融点のものが市販されており、また、後述するエマルジョンの状態で入手が容易であるため好ましい。但し、エチレン-酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニルの共重合比が低くなると結晶性を示さなくなるため、酢酸ビニルの共重合比は50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%のものを用いることが本発明では好ましい。
【0026】
結晶性熱可塑性樹脂の代わりに、結晶性を示さない樹脂、すなわちポリスチレンなどの非晶性樹脂を用いた場合は、結晶性熱可塑性樹脂に見られる融点の結晶融解に伴う弾性率の急激な低下を起こさない。非晶性樹脂は、ガラス転移点において弾性率低下を示すが、結晶性樹脂ほどの急激な弾性率低下ではない。よって、本発明では結晶性熱可塑性樹脂の代わりに非晶製樹脂を用いることはできない。
【0027】
上記の諸条件を満たすワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロワックスなどの石油ワックス、鯨蝋、蜜蝋、中国蝋、羊毛蝋などの動物系ワックス、キャンデリンワックス、カルナバワックス、木蝋、オーキュリーワックス、シュガーケーンワックスなどの植物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、リグナイトワックスなどの鉱物系ワックス、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、低分子ポリエチレン及びその誘導体などの合成炭化水素ワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体などの変成ワックス、セチルアルコールなどの脂肪族アルコール、ステアリン酸などの脂肪酸、グリセリンステアレート、ポリエチレングリコールステアレートなどの脂肪族エステル、カスターワックス、オパールワックスなどの水素化ワックス、アーマーワックス、アクラワックスなどの合成ケトンアミンアマイド、塩素化炭化水素、合成動物蝋、アルファーオレフィンが挙げられるがこれらに限定されない。特に、パラフィンワックスは安価であり、分子量により各種融点のものが市販されており、また、後述するエマルジョンの状態で入手が容易であり、感熱膨張材の製造が容易であるため好ましい。
【0028】
本発明では、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとを混合して用いる必要がある。結晶性熱可塑性樹脂のみを使用した場合は、圧縮状態のまま保持する特性、すなわち形状保持特性は良好であるが、加熱により膨張する感熱膨張特性がワックスを併用した場合と比較して劣るため、ワックスを併用する。一方で、ワックスのみを使用した場合は、感熱膨張特性は良好であるが、形状保持特性が十分ではない。この両者を併用することによって形状保持/感熱膨張特性がともに良好であり、特定温度で急激に感熱膨張する感熱膨張材が得られる。感熱膨張特性は、ワックスの比率が高くなるにしたがって向上する。しかしながら、形状保持特性は結晶性熱可塑性樹脂単独、あるいはワックス単独の場合よりも向上する。これは予想できない現象である。この機構について本発明者らが推定した内容を後述する。
【0029】
本発明で結晶性熱可塑性樹脂とワックスとを併用する場合、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとの間には最適な比率がある。結晶性熱可塑性樹脂とワックスとの比率が重量比で、好ましくは1:99〜99:1、さらに好ましくは90:10〜70:30、より好ましくは、70:30〜50:50の範囲である。結晶性熱可塑性樹脂とワックスとの比率をこの範囲とすることで、形状保持特性と感熱膨張特性のともに良好で、特定温度で急激に感熱膨張する感熱膨張材が得られる。
【0030】
また、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとの合計含浸量が多すぎる場合は、圧縮状態のまま保持する特性、すなわち形状保持特性は良好であるが、加熱により膨張する感熱膨張特性が十分ではない。一方で、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとの合計含浸量が少なすぎる場合は、感熱膨張特性は良好であるが、形状保持特性が十分ではない。よって、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとの合計含浸量は架橋ゴム1cm3に対し、好ましくは0.002g以上0.1g以下、さらに好ましくは0.005g以上0.08g以下、より好ましくは0.008g以上0.05g以下である。この範囲の含浸量とすることで、形状保持特性及び感熱膨張特性が共に良好な感熱膨張材が得られる。
【0031】
結晶性熱可塑性樹脂、もしくは結晶性熱可塑性樹脂とワックスとを架橋ゴムからなるフォーム材に含浸させるには、あらゆる手法を用いることが可能であり、いずれの手法を用いても容易に感熱膨張材が得られる。結晶性熱可塑性樹脂及びワックスは共にエマルジョンの状態で用いることが最も容易であり、作業環境の汚染も招きにくいため好ましい。エマルジョンの状態で結晶性熱可塑性樹脂、もしくは結晶性熱可塑性樹脂とワックスとを含浸させた後、必要に応じて架橋ゴムからなるフォーム材を絞って含浸量を調節すればよい。更に、エマルジョンの濃度と絞り具合とを適宜変更することにより含浸量をコントロールすることも出来る。
【0032】
ここで、エマルジョンとは、水中に物質が分散した状態である。結晶性熱可塑性樹脂のエマルジョンは、ポリマーを重合する際に、乳化重合すなわちエマルジョンの状態で重合させたものをそのまま用いてもよく、また、任意の方法で重合後のポリマーを水中に乳化させてもよい。ワックスエマルジョンは、ワックスを水中に分散させてエマルジョンとすればよい。分散状態を安定に保つために必要に応じて界面活性剤が使用される。界面活性剤は、各種のものを使用することができるが、ノニオン系の界面活性剤を用いることで、分散状態の安定なエマルジョンを得ることができるため、界面活性剤の種類としてはノニオン系が好ましい。また、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスは共にエマルジョンの状態で市販されており、これをそのまま用いてもよい。ノニオン系以外の界面活性剤としては、例えばアニオン系の界面活性剤があるが、アニオン系の界面活性剤で分散されたエマルジョンは、ノニオン系の界面活性剤の添加や、金属イオンの存在、炭酸ガスの溶解によるpHの低下等で不安定化し、分散状態にある結晶性熱可塑性樹脂及びワックスが析出する懸念がある。例えば、ノニオン系の界面活性剤で分散された結晶性熱可塑性樹脂のエマルジョンに、アニオン系の界面活性剤で分散されたワックスのエマルジョンを添加すると、ワックスが析出するため、これを架橋ゴムからなるフォーム材に含漬させることが困難となる。よって、本発明では結晶性熱可塑性樹脂のエマルジョン及びワックスのエマルジョンの界面活性剤としてはノニオン系が好ましい。
【0033】
エマルジョンを含浸させる以外の方法としては、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスを溶剤に溶解して、これを架橋ゴムからなるフォーム材に含浸してもよい。
【0034】
以上に例示した各手法をはじめ、架橋ゴムからなるフォーム材に結晶性熱可塑性樹脂及びワックスを含浸させるためにあらゆる手法を用いることが可能である。尚、結晶性熱可塑性樹脂エマルジョン及びワックスエマルジョンを用いる場合、含浸後に水を揮発させる方法は特に制限されるものではなく、例えば熱風を吹き付ける、真空乾燥などの手法を採ることができる。
【0035】
次いで、上記の結晶性熱可塑性樹脂及びワックスを含浸させた架橋ゴムからなるフォーム材を、所定の厚さとなるように加熱圧縮し、所定時間維持した後、この圧縮状態を維持したまま常温まで冷却する。尚、圧縮量としては、圧縮前の架橋ゴムからなるフォーム材の厚さの半分以下とすることが、処理部位において優れた流体シール、防音、断熱の各性能を得る上で好ましい。上記の一連の形状保持操作は、含浸後の架橋ゴムからなるフォーム材を熱プレスで加熱圧縮し、圧縮した状態で冷却しても良い。また、含浸後の架橋ゴムからなるフォーム材をオーブン中で加熱し、オーブンから取り出してから直ちにプレスで圧縮して冷却しても良い。尚、圧縮するためにはプレスを用いずに、錘を載せても良い。また、連続的に生産するためには、カレンダーロールを用い、含浸後の架橋ゴムからなるフォーム材を熱ロールで加熱圧縮し、冷ロールで圧縮したまま冷却しても良い。更に、エマルジョンの水を乾燥させる場合は、乾燥時の加熱を利用して乾燥直後に冷却ロールで圧縮冷却しても良い。形状保持操作はこれらに限定されるものではなく、含浸後の架橋ゴムからなるフォーム材を加熱圧縮し、圧縮した状態で冷却できる方法であれば採用できる。上記の成形工程における加熱温度は80〜200℃の範囲であり、冷却温度は25〜80℃の範囲が好ましい。そして、冷却後、圧力を開放して本発明の感熱膨張材が得られる。
【0036】
本発明の感熱膨張材は、常温では圧縮状態が保持されるとともに、加熱により圧縮状態が開放されるという形状記憶性を有する。従って、本発明の感熱膨張材は、形状保持性と形状復元性とについてそれぞれの機構が存在する。本発明による感熱膨張材では、特定の理論により限定されるものではないが、本発明者らは以下の機構により形状保持性や形状復元性が発現するものと推定している。
【0037】
架橋ゴムからなるフォーム材は圧縮した場合に弾性により厚さが復元する力が作用するため、形状保持性を発現させるためには復元力以上の形状保持力が必要である。一方、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスは、加熱すると軟化して剛性が低下し、場合によっては液状になり、このような状態では少ない応力で変形させることが可能で、また変形させたまま冷却固化することで硬化物となって剛性が高くなり、変形された形状を保つことが可能となる。従って、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスを架橋ゴムからなるフォーム材に含浸させ、加熱して圧縮したまま冷却すると、架橋ゴムからなるフォーム材のセルが結晶性熱可塑性樹脂、もしくは結晶性熱可塑性樹脂及びワックスにより接着され、架橋ゴムからなるフォーム材全体が圧縮された状態で保持される。このとき架橋ゴムからなるフォーム材はその弾性復元力によって厚さを復元しようとするが、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスの硬化物が接着剤として作用しており、この接着力が弾性復元力を上回っており、これにより圧縮形状が保たれている。
【0038】
上記の圧縮された状態で形状保持されている感熱膨張材は、架橋ゴムからなるフォーム材が有する形状復元力以上の形状保持力を有している。従って、形状復元力が形状保持力を上回ると、形状復元性が発現する。そのためには、形状保持力、即ち、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスによる接着力を小さくすることが有効な手段となり、本発明の感熱膨張材では熱を加えることで形状保持力を小さくする。上述のように、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスは加熱すると軟化して、少ない応力で変形させることが可能となるため、加熱により結晶性熱可塑性樹脂及びワックスの硬化物が軟化して剛性が下がって形状保持力が低下し、それに伴い架橋ゴムからなるフォーム材の弾性復元力が形状保持力を上回るようになる。その結果、感熱膨張材には形状復元性が発現する。
【0039】
以上が、本発明の形状記憶性フォームの形状保持性及び感熱膨張性が発現する機構である。本発明では、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスを用いることで、形状保持性と感熱膨張特性がともに良好となる。ワックスのみでは架橋ゴムからなるフォーム材に含浸させても、形状保持/感熱膨張の性能は十分ではなく、特定温度で急激に感熱膨張しないか、または、長期間にわたって圧縮形状のまま保管することが困難となる。結晶性熱可塑性樹脂のみでは、ある程度良好な形状保持特性と感熱膨張特性を示すが、ワックスを併用することによって形状保持/感熱膨張特性がともに良好となり、特定温度で急激に感熱膨張する感熱膨張材が得られる。感熱膨張特性は、ワックスの比率が高くなるにしたがって向上する。しかしながら、形状保持特性は結晶性熱可塑性樹脂単独、あるいはワックス単独の場合よりも向上する。本発明者らはこの現象を次のように考えている。ただし、本発明はこの理論により限定されるものではない。
【0040】
前述したとおり、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスは熱により軟化する接着剤として作用している。ここで使用する接着剤は特定温度以上で急激に軟化するものが好ましい。特にワックスは融点以上では低粘度の液体となり、ほとんど接着力を示さないため感熱膨張材の接着剤として好ましい。しかしながら、ワックスは、常温を含む融点以下の温度では固体または粘調液体となるが、それ自体の剛性が低く、接着剤としての性能は十分ではない。よって、融点以下の温度で膨張を開始してしまい、特に長期間の保管が必要な場合、圧縮状態で保管することが困難となる。ワックスの使用量を増やすことで、接着性能はやや向上するものの、十分ではない。また、過度に用いた場合は、外観不良の問題も引き起こす。
【0041】
一方で、結晶性熱可塑性樹脂は常温では接着力が高く、常温を含む融点以下の温度域では感熱膨張材を圧縮形状に保つ形状保持力が高いものとなる。しかし、結晶性熱可塑性樹脂は融点を超えると急激に軟化するが、ワックスほど低粘度とならず、融点以上の温度においてもある程度の接着力が発現するため、温度に対して緩やかに厚さが増加し、急激な感熱膨張特性を示さない。結晶性熱可塑性樹脂の使用量を減らすことで、融点以上の温度において急激な感熱膨張特性を示すようになるが、融点以下の温度で膨張を開始してしまい、特に長期間の保管が必要な場合、圧縮状態で保管することが困難となる。
【0042】
本発明では、結晶性熱可塑性樹脂とワックスを併用することで、両者の長所である融点以下の温度域で主に接着力が発現する特性と、融点以上の温度域で低粘度の液体となる特性が発現する。上述したように、ワックスは融点以上の温度域においては非常に低粘度となる。よって、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとのブレンド物は、両者の融点以上の温度域において、結晶性熱可塑性樹脂単独よりも低粘度となる。このため、架橋ゴムからなるフォーム材に含浸させて加熱圧縮したときに、架橋ゴムのセル表面になじみやすく、より強固な接着が可能となり、形状保持特性が向上する。前述したように、ワックス単独では形状保持力が低い。よって、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとをブレンドすることによって、結晶性熱可塑性樹脂単独あるいはワックス単独の場合よりも形状保持特性が向上する。
【0043】
このようにして得られた圧縮状態の感熱膨張材は、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとのブレンド物によってセルが接着されて圧縮状態を保持しているが、これを結晶性熱可塑性樹脂及びワックスの両方の融点以上に加熱することによって、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとのブレンド物が軟化して結晶性熱可塑性樹脂単独よりも低粘度となる。そのため、セルの接着力が失われ、結晶性熱可塑性樹脂単独よりも感熱膨張特性が良好となり、ワックスの比率が高くなるに従い感熱膨張特性は向上する。
【0044】
以上が、本発明において、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとを併用することによって得られる感熱膨張材が、特定温度でより急激に厚さが増加し、かつ圧縮形状をより一層長期間にわたって保持できる機構である。
【0045】
尚、上記における感熱膨張のための加熱は、例えば所定温度に加熱した熱板を押し当てたり、熱風を吹き付ける等の方法を採ることができる。そのときの加熱温度は、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスの融点に応じて適宜設定されるが、融点近く以上に加熱すればよい。
【0046】
また、夏場の倉庫内で保管する場合を想定すると、50℃付近の温度でも長期間圧縮形状を保持することが必要である。長期間圧縮形状を保持できる温度は、結晶性熱可塑性樹脂の融点及びワックスの融点が低すぎると、50℃付近での長期間の保管時に圧縮形状を保持できなくなる。よって、結晶性熱可塑性樹脂の融点及びワックスの融点は、好ましくは40℃以上120℃以下、さらに好ましくは50℃以上110℃以下、さらにより好ましくは60℃以上100℃以下である。
【0047】
上記した本発明による感熱膨張材は、従来と同様に例えば建築物や産業用機器、自動車における継ぎ目の流体シール、防音、断熱の目的に使用することが出来る。上述したように、フォーム材は通常、圧縮して処理部位に装着し、フォーム材自体の弾性力で形状が復元することにより継ぎ目の隙間を埋めるが、従来のフォーム材は圧力を開放すると瞬時に復元するため、圧縮状態にあるフォーム材の復元力に抗った状態を保ったまま処理部位に装着する必要があり、装着の作業性が非常に悪い。フォーム材を薄くすれば装着の作業性は向上するが、隙間が生じるため流体シール、防音、断熱の各性能が十分ではなくなる。また、柔らかいフォーム材を使用して圧縮状態のフォーム材の復元力を下げることで作業性をやや改善することはできるが、その効果は僅かであり、むしろ流体シールの性能に劣るようになる。
【0048】
これに対して本発明の感熱膨張材は、圧縮した状態で形状が保持されているために極めて容易に処理部位への装着を行うことができる。また、装着後に熱を加えることで形状が復元して隙間を埋めるため、十分な流体シール、防音、断熱の各性能が発揮される。また、産業用機器あるいは後述される自動車等のように、運転することで熱が発生する機械に使用した場合は、機械の運転による熱で感熱膨張特性が発現して、フォーム材の形状となるので、熱を加える操作が不要となる場合もある。
【0049】
また、本発明は、上記の感熱膨張材を目地材として用いた自動車のエンジン用防音カバーを提供する。図1は、V型エンジン20に使用されるエンジン用防音カバー10を例示する斜視図である。このエンジン用防音カバー10は、金属や樹脂からなるカバー本体11のエンジン側の面(内表面)の略全面に防音材としてフォーム材12を設けて形成されており、吸気マニホールド13や吸気コレクタ14等に設けられた締結孔15にボルト(図示略)により固定される。エンジン20の形状は複雑であるため、従来では目地材であるフォーム材12をその厚さ方向に圧縮した状態でエンジン20に装着され、フォーム材12自体の弾性力で厚みが復元することにより、カバー本体11とエンジン20との間の隙間を埋めて防音効果を高めるようになっている。しかし、フォーム材12は圧力を開放すると瞬時に復元するため、圧縮状態のフォーム材12をその復元力に抗った状態を維持しながらエンジン用防音カバー10をエンジン20に装着しなければならず、装着の作業性が非常に悪い。
【0050】
フォーム材12を薄くすれば装着の作業性は良くなるものの、エンジン20との間に隙間が生じるため、防音性能が十分ではなくなる。また、柔らかいフォーム材12を使用することにより圧縮状態からの復元力を下げることもできるが、その効果は僅かであり、むしろフォーム材12の強度低下につながり、寿命が短くなるなどの不具合を招くようになる。
【0051】
また、エンジン20の形状に合わせてフォーム材12を成形してもよいが、エンジン20の機種毎、更にエンジン20の複数箇所に装着する場合には装着箇所毎にフォーム材12を用意しなければならず、製品コストの上昇を招いてしまう。しかも、フォーム材12はエンジン20と圧接していないため、エンジン20との間に僅かではあるが隙間が生じるのは避けられず、防音性能の点でも問題がある。
【0052】
そこで、目地材12として本発明の感熱膨張材を使用する。図2に示すように(簡単のために、エンジン20と感熱膨張材21のみを示している)、感熱膨張材21はその厚さ方向に圧縮された状態で保持されており、従来のフォーム材のように圧縮状態のフォーム材の復元力に抗することなくエンジン20に装着可能である。この状態では、図示されるようにエンジン20と感熱膨張材21との間には隙間が存在する。そして、図3に示すように、圧縮状態にある感熱膨張材21を所定温度に加熱すると、感熱膨張材21が厚み方向に膨張して前記隙間を埋めてエンジン20との密接な接合状態が得られる。このように、本発明の感熱膨張材を使用することにより、エンジン20への装着が容易であるばかりでなく、防音性能も良好なものとなる。
【0053】
尚、感熱膨張のための加熱方法は特に制限されるものでは無く、所定温度に加熱した熱板をカバー本体11に押し当てる、あるいはドライヤーにより熱風を吹き付ける等の方法を採ることができる。また、一般的な自動車でもエンジンをアイドリング運転することにより、ボンネット内の温度が80℃程度まで上昇することが多いが、感熱膨張材の中には前記の温度以下、例えば75℃程度で形状が復元するものもあり、その場合は特に加熱操作を行わなくともエンジン20をアイドリング運転するだけでよく、装着のための作業工数を減らすことができる。
【0054】
【実施例】
以下、本発明を実施例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0055】
(実施例1)
固形分濃度50重量%で、ノニオン系界面活性剤で乳化された融点65℃の結晶性熱可塑性樹脂であるエチレン-酢酸ビニル共重合体のエマルジョンと、固形分濃度40重量%で、ノニオン系界面活性剤で乳化された融点69℃のワックスであるパラフィンワックスのエマルジョンとを、固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=90:10となるようにブレンドし、さらに精製水で希釈してブレンド物の固形分濃度が10重量%となるように調整した。次いで、このブレンド物を、嵩密度120kg/cm3で、厚さが15.0mmで、50mm×50mmの形状の、架橋ゴムであるEPDMのフォーム材に含浸し、ロールで絞って120℃で2時間乾燥して、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びパラフィンワックスの含浸させたEPDMフォーム材を作製した。尚、EPDMフォーム材に対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.02g/cm3であった。そして、厚さ5mmのスペーサとともに100℃の熱プレスで圧縮し、そのままの状態で約5分間保持した後、熱プレスを25℃まで冷却し、冷却後に圧力を開放する形状保持操作を行い、試験片を作製した。
【0056】
(実施例2)
固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=80:20となるようにブレンドした以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.02g/cm3であった。
【0057】
(実施例3)
固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=60:40となるようにブレンドした以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.02g/cm3であった。
【0058】
(実施例4)
固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=30:70となるようにブレンドした以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.02g/cm3であった。
【0059】
(実施例5)
固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=10:90となるようにブレンドした以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.02g/cm3であった。
【0060】
(実施例6)
固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=80:20となるようにブレンドし、ブレンド物の固形分濃度が5重量%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.01g/cm3であった。
【0061】
(実施例7)
固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=80:20となるようにブレンドし、ブレンド物の固形分濃度が20重量%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.04g/cm3であった。
【0062】
(実施例8)
固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=80:20となるようにブレンドし、ブレンド物の固形分濃度が40重量%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.8g/cm3であった。
【0063】
(比較例6)
固形分濃度50重量%で、ノニオン系界面活性剤で乳化された融点65℃の結晶性熱可塑性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルジョンを精製水で希釈して固形分濃度が10重量%となるように調整した。これを、嵩密度120kg/cm3で、厚さが15.0mmで、50mm×50mmの形状の、架橋ゴムであるEPDMのフォーム材に含浸し、ロールで絞って120℃で2時間乾燥して、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含浸させたEPDMフォーム材を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するエチレン−酢酸ビニル共重合体の含浸は0.02g/cm3であった。次いで、厚さ5mmのスペーサとともに100℃の熱プレスで圧縮し、そのままの状態で約5分間保持した後、熱プレスを25℃まで冷却し、冷却後に圧力を開放する形状保持操作を行い、試験片を作製した。
【0064】
(比較例1)
比較例6と同一のEPDMフォーム材を、厚さ5mmのスペーサとともに100℃の熱プレスで圧縮し、そのままの状態で約5分間保持した後、熱プレスを25℃まで冷却し、冷却後に圧力を開放して試験片を作製した。
【0065】
(比較例2)
エチレン-酢酸ビニル共重合体を用いず、パラフィンワックスエマルジョンのみを用い、エマルジョンの固形分濃度が10重量%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するパラフィンワックスの含浸量は0.02g/cm3であった。
【0066】
(比較例3)
固形分濃度50重量%で、ノニオン系界面活性剤で乳化された融点65℃の結晶性熱可塑性樹脂であるエチレン-酢酸ビニル共重合体のエマルジョンと、固形分濃度40重量%で、アニオン系界面活性剤で乳化された融点69℃のワックスであるパラフィンワックスのエマルジョンとを、固形分換算でエチレン-酢酸ビニル共重合体:パラフィンワックス=80:20となるようにブレンドし、さらに精製水で希釈してブレンド物の固形分濃度が10重量%となるように調整した。その結果、ブレンドしたエマルジョンの一部が凝固し、EPDMのフォーム材に含浸させることができなかった。
【0067】
(比較例4)
EPDMのフォーム材の代わりに、嵩密度0.023kg/m3の軟質ポリウレタン製のフォーム材を用いた以外は、実施例2と同様にして試験片を作製した。尚、軟質ポリウレタンフォームに対するエチレン-酢酸ビニル共重合体とパラフィンワックスとの合計含浸量は0.02g/cm3であった。
【0068】
(比較例5)
エチレン-酢酸ビニル共重合体及びパラフィンワックスの何れも用いず、代わりに非晶性熱可塑性樹脂であるポリスチレン(ガラス転移点100℃)をノニオン系界面活性で乳化させたエマルジョンを、精製水で希釈して固形分換算で10重量%となるように調整し以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。尚、EPDMのフォーム材に対するポリスチレンの含浸量は0.02g/cm3であった。
【0069】
即ち、上記した各実施例の試験片は、架橋ゴムからなるフォーム材に、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスを含浸させて加熱圧縮し、圧縮状態を維持したまま常温(25℃)まで冷却し、冷却後に圧力を開放して得られたものである。また、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスはともにノニオン系界面活性剤で安定化されたエマルジョンを用いている。更に、実施例1〜5は何れも、同一の架橋ゴムからなるフォーム材を用い、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスの比率を変更させたものである。実施例2、6、7、8何れも、同一の架橋ゴムからなるフォーム材を用い、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスの比率を同一とし、架橋ゴムからなるフォーム材に対する結晶性熱可塑性樹脂とワックスとの合計含浸量を変更させたものである。
【0070】
これに対し、比較例1は、架橋ゴムからなるフォーム材に、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスとも含浸させない試験片である。比較例2は架橋ゴムからなるフォーム材にワックスのみを含浸させたものである。比較例3はノニオン系界面活性剤で乳化された結晶性熱可塑性樹脂とアニオン系界面活性剤で乳化されたワックスとを含浸させたものである。比較例4は架橋ゴムではない素材の軟質ポリウレタン製のフォーム材を用いている。比較例5は、結晶性熱可塑性樹脂の代わりに非晶性樹脂であるポリスチレンを用いている。比較例6は架橋ゴムからなるフォーム材に結晶性熱可塑性樹脂のみを含浸させたものである。
【0071】
上記の各実施例及び比較例について、形状保持操作後に25℃にて厚さを測定し、更に形状保持試験及び感熱膨張試験を行った。ただし、比較例3は、エマルジョンが凝固してフォーム材と複合化できなかったため、形状保持試験及び感熱膨張試験は実施しなかった。
【0072】
形状保持試験では、試験片を50℃の恒温槽に投入し、24時間後、72時間後、168時間後の厚さを測定した。この操作を行った後の試験片について、そのまま感熱膨張試験を行った。感熱膨張試験では、試験片を4個用意し、それぞれを40℃、60℃、80℃、120℃の恒温槽に投入し、30分後の厚さを測定した。各試験片の仕様と形状保持試験結果及び感熱膨張試験結果を表1及び表2に、形状保持試験の結果を図8〜図11に、感熱膨張試験の結果を図4〜図7にそれぞれ示す。表1及び表2の形状保持試験結果は、168時間経過後の厚さ増加が2.5mm以下(スペーサ厚さに対して30%以下の膨張率)のものを○、厚さ増加が2.5mm以上のものを×と表記し、感熱膨張試験結果は、特定温度において温度差20℃の間に厚さが2倍以上に急激に増加したものを○、特定温度において温度差40℃の間に厚さ2倍以上に緩やかにどうかしたものを△、特定温度において温度差40℃の間に厚さが2倍以上に増加しなかったものを×と表記した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
表1及び表2に示すように、共にノニオン系の界面活性剤を用いて乳化された結晶性熱可塑性樹脂のエマルジョンとワックスのエマルジョンとを用いた各実施例及び比較例2、3は試験片を容易に作製することができた。しかし、ノニオン系界面活性剤で乳化された結晶性熱可塑性樹脂とアニオン系界面活性剤で乳化されたワックスを用いた比較例3は、エマルジョンのブレンド物が凝固し、試験片を作製することができなかった。
【0076】
また、形状保持試験では、各実施例の試験片は、スペーサの厚さである5mmに近い厚さを保っていたのに対し、比較例1、2の試験片は形状保持操作後、直ちにあるいは24時間以内に元の架橋ゴムの厚さに復元して形状が保持されなかった。実施例の試験片の中で厚さが僅かに増加したものもあるが、その増加量は僅かであり、168時間後も24時間後の厚さとほぼ同等であり、ほぼ一定のままの厚さを保持している。
【0077】
感熱膨張試験では、実施例1〜8の試験片が、使用した熱可塑性樹脂及びワックスの融点である80℃の温度で30分以内に形状がほぼ復元した。比較例6の試験片は、100℃で30分以内に形状がほぼ復元した。すなわち、実施例1〜8の試験片は、50℃で長時間圧縮形状を保持することができ、80℃以上に加熱すると30分以内に膨張する材料である。比較例6は50℃で長時間圧縮形状を保持することでできるが、30分以内に膨張させるには100℃以上に加熱する必要がある。これに対し、比較例1、2の試験片は、形状保持試験後に既に元の厚さに復元しており、加熱による変化が見られなかった。また、比較例4、5の試験片は120℃まで加熱してもほとんど膨張しなかった。特に比較例5の試験片は、ガラス転移点100℃の非晶性樹脂を用いているためガラス転移点前後での膨張は極く僅かである。これらの結果から、本発明による感熱膨張材は良好な形状保持性及び形状復元性を有しており、さらに容易に感熱膨張材が得られることは明らかである。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、流体シール、防音、断熱の各性能に優れるとともに、各処理部位への装着作業にも優れ、また製造に際しても特殊な材料や設備を必要とせず安価に得られる感熱膨張材を、特別な装置を必要とすることなく容易に提供することができる。また、前記感熱膨張材を用いてシール性能に優れた目地材及び防音性に優れた自動車エンジン用防音カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン用防音カバーの一例(V型エンジン用)を示す概略斜視図である。
【図2】図1のエンジン用防音カバーのエンジンへの装着状態(加熱前)を説明するための模式図である。
【図3】図1のエンジン用防音カバーのエンジンへの装着状態(加熱後)を説明するための模式図である。
【図4】実施例における各試験体の感熱膨張試験の結果を示すグラフである。
【図5】実施例における各試験体の感熱膨張試験の結果を示すグラフである。
【図6】実施例における各試験体の感熱膨張試験の結果を示すグラフである。
【図7】実施例における各試験体の感熱膨張試験の結果を示すグラフである。
【図8】実施例における各試験体の形状保持試験の結果を示すグラフである。
【図9】実施例における各試験体の形状保持試験の結果を示すグラフである。
【図10】実施例における各試験体の形状保持試験の結果を示すグラフである。
【図11】実施例における各試験体の形状保持試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 エンジン用防音カバー
11 カバー本体
12 (形状記憶性)フォーム材
13 吸気マニホールド
14 吸気コレクタ
15 締結孔
20 エンジン
21 感熱膨張材
Claims (13)
- 圧縮状態から熱により膨張する感熱膨張材であって、架橋ゴムからなるフォーム材に結晶性熱可塑性樹脂とワックスとを含浸させ、圧縮してなることを特徴とする感熱膨張材。
- 架橋ゴムからなるフォーム材1cm3に対し、結晶性熱可塑性樹脂とワックスとが合計で0.002g以上0.1g以下含浸させたことを特徴とする請求項1記載の感熱膨張材。
- 結晶性熱可塑性樹脂とワックスとの比率が重量比で1:99〜99:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱膨張材。
- 結晶性熱可塑性樹脂の融点及びワックスの融点が何れも40〜120℃であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の感熱膨張材。
- 結晶性熱可塑性樹脂が、エチレンまたはエチレン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の感熱膨張材。
- 結晶性熱可塑性樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の感熱膨張材。
- ワックスが、パラフィンワックスであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の感熱膨張材。
- 結晶性熱可塑性樹脂及びワックスがともにエマルジョンであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の感熱膨張材。
- 結晶性熱可塑性樹脂及びワックスがともにノニオン系界面活性剤を含むエマルジョンであることを特徴とする請求項8記載の感熱膨張材。
- 架橋ゴムがEPDMであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の感熱膨張材。
- 結晶性熱可塑性樹脂のエマルジョンとワックスのエマルジョンとを架橋ゴムからなるフォーム材に含浸させて乾燥させた後、結晶性熱可塑性樹脂及びワックスの融点よりも高い温度以上に加熱して圧縮し、圧縮したまま冷却することを特徴とする感熱膨張材の製造方法。
- 請求項1〜10の何れか1項に記載の感熱膨張材を使用していることを特徴とする目地材。
- 請求項1〜10の何れか1項に記載の感熱膨張材を目地材として使用していることを特徴とする自動車エンジン用防音カバー。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003069943A JP4159035B2 (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 感熱膨張材及びその製造方法 |
US10/795,408 US20040181003A1 (en) | 2003-03-14 | 2004-03-09 | Thermally expandable material and method for producing the same |
KR1020040016378A KR100803466B1 (ko) | 2003-03-14 | 2004-03-11 | 감열팽창재 및 그 제조방법 |
EP04006011A EP1457305B1 (en) | 2003-03-14 | 2004-03-12 | Thermally expandable material and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003069943A JP4159035B2 (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 感熱膨張材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004276377A JP2004276377A (ja) | 2004-10-07 |
JP4159035B2 true JP4159035B2 (ja) | 2008-10-01 |
Family
ID=32767984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003069943A Expired - Lifetime JP4159035B2 (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 感熱膨張材及びその製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20040181003A1 (ja) |
EP (1) | EP1457305B1 (ja) |
JP (1) | JP4159035B2 (ja) |
KR (1) | KR100803466B1 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7051389B2 (en) | 2002-05-24 | 2006-05-30 | Tempur World, Llc | Comfort pillow |
US7469437B2 (en) | 2005-06-24 | 2008-12-30 | Tempur-Pedic Management, Inc. | Reticulated material body support and method |
KR100728382B1 (ko) * | 2005-07-15 | 2007-06-13 | 엘지전자 주식회사 | 냉장고용 도어가스켓 |
JP4794932B2 (ja) | 2005-07-21 | 2011-10-19 | ニチアス株式会社 | シール構造体及びその製造方法 |
JP4713378B2 (ja) * | 2006-03-20 | 2011-06-29 | 太平洋工業株式会社 | エンジンカバー |
US8656537B2 (en) | 2006-04-20 | 2014-02-25 | Dan Foam Aps | Multi-component pillow and method of manufacturing and assembling same |
US20100261834A1 (en) * | 2007-06-21 | 2010-10-14 | Kao Corporation | Shape memory rubber molded article and process and intermediate composition for producing same |
TW201011067A (en) * | 2008-09-01 | 2010-03-16 | Liang Haw Technology Co Ltd | Method for manufacturing electric crosslinking foaming material and composition thereof |
DE102014226677A1 (de) * | 2014-12-19 | 2016-06-23 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Thermisch expandierbare Formteile |
US20180250099A1 (en) | 2015-11-02 | 2018-09-06 | 3M Innovative Properties Company | Orthodontic appliance having continuous shape memory |
US10633954B2 (en) | 2017-09-11 | 2020-04-28 | Saudi Arabian Oil Company | Mitigation of sand production in sandstone reservoir using thermally expandable beads |
US11933256B1 (en) * | 2022-10-13 | 2024-03-19 | GM Global Technology Operations LLC | Intake manifold cover configured for fluid distribution and capture of insulator |
Family Cites Families (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE401225B (sv) * | 1976-05-10 | 1978-04-24 | Becker Wilhelm Ab | Komprimerad platta, innefattande en kropp av ett porost, elastiskt material |
JPS52146482A (en) | 1976-05-31 | 1977-12-06 | Star Chemical Kogyo Kk | Method of rubber lining inner sruface of iron tube |
JPS5378282A (en) | 1976-12-21 | 1978-07-11 | Star Chemical Kogyo Kk | Thermal expansable rubber tube and its making method and lining method using it |
DE2756622C2 (de) * | 1977-12-19 | 1979-09-20 | Teroson Gmbh, 6900 Heidelberg | Platten- oder streifenförmiges SchaUdämm-Material |
JPS56163181A (en) | 1980-05-21 | 1981-12-15 | Fujikura Ltd | Thermally expansible sealing material and preparation of the same |
JPS60131227A (ja) | 1983-12-20 | 1985-07-12 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 復元性発泡体偏平化物 |
JPS60171142A (ja) | 1984-02-15 | 1985-09-04 | 日東電工株式会社 | 発泡体複合物 |
JPS60206626A (ja) | 1984-03-30 | 1985-10-18 | Nitto Electric Ind Co Ltd | すき間充填方法 |
JPH069865B2 (ja) * | 1985-05-01 | 1994-02-09 | 東洋護謨化学工業株式会社 | 熱復元性シ−トの施工方法 |
JPS61252239A (ja) * | 1985-05-01 | 1986-11-10 | Human Ind Corp | 熱復元性シ−トの製造方法 |
GB2201612A (en) * | 1987-03-03 | 1988-09-07 | Albion Concrete Products Limit | Sealing material in sheet or strip form |
JPH0739506B2 (ja) | 1988-09-30 | 1995-05-01 | 三菱重工業株式会社 | 形状記憶ポリマー発泡体 |
JPH0834871A (ja) | 1994-07-25 | 1996-02-06 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 加熱により厚みが増加するプラスチックシートの製造方法 |
JPH08174588A (ja) | 1994-12-22 | 1996-07-09 | Nitto Denko Corp | 熱硬化性発泡体 |
JP3669529B2 (ja) | 1996-03-19 | 2005-07-06 | 三井化学株式会社 | 形状記憶性加硫ゴム成形体 |
JP3766219B2 (ja) | 1998-04-13 | 2006-04-12 | 三井化学株式会社 | スポンジ用ゴム組成物及びその加硫ゴム発泡成形体 |
US6187865B1 (en) * | 1998-12-16 | 2001-02-13 | Ludlow Composites Corporation | Rubber compositions and laminates thereof |
JP2000191847A (ja) | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Mitsui Chemicals Inc | グロメット用ゴム組成物、グロメットおよび製造方法 |
JP2000217191A (ja) | 1999-01-25 | 2000-08-04 | Onkyo Corp | スピ―カ―用ガスケットおよびそれを用いたスピ―カ―の製造方法 |
JP3850591B2 (ja) | 1999-07-26 | 2006-11-29 | 三井化学株式会社 | 加硫可能なゴム組成物、架橋ゴム成形体およびその製造方法 |
JP4557383B2 (ja) | 2000-06-30 | 2010-10-06 | 三井化学株式会社 | 加硫可能なゴム組成物、架橋ゴム成形体およびその製造方法 |
JP4078411B2 (ja) * | 2000-08-29 | 2008-04-23 | ニチアス株式会社 | 自動車エンジン用防音カバー及び前記防音カバー用フォーム材の製造方法 |
US20040138321A1 (en) * | 2002-10-23 | 2004-07-15 | Nichias Corporation | Thermally expandable material, method for producing the same and soundproof sheet for automobile |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069943A patent/JP4159035B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2004
- 2004-03-09 US US10/795,408 patent/US20040181003A1/en not_active Abandoned
- 2004-03-11 KR KR1020040016378A patent/KR100803466B1/ko active IP Right Grant
- 2004-03-12 EP EP04006011A patent/EP1457305B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004276377A (ja) | 2004-10-07 |
KR100803466B1 (ko) | 2008-02-14 |
EP1457305A1 (en) | 2004-09-15 |
KR20040081340A (ko) | 2004-09-21 |
US20040181003A1 (en) | 2004-09-16 |
EP1457305B1 (en) | 2011-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4159035B2 (ja) | 感熱膨張材及びその製造方法 | |
JP4794932B2 (ja) | シール構造体及びその製造方法 | |
JP4078411B2 (ja) | 自動車エンジン用防音カバー及び前記防音カバー用フォーム材の製造方法 | |
EP1125719B1 (en) | Shape memory foam member and method of producing the same | |
US20040138321A1 (en) | Thermally expandable material, method for producing the same and soundproof sheet for automobile | |
JP4554061B2 (ja) | Epdm系発泡体及びその製造方法 | |
EP1275688B1 (en) | Foamable thermoplastic composition containing volatile blowing agent and expandable microspheres | |
EP2576951B1 (en) | Method of formulating low gravity sponge rubber for automotive weatherstrips | |
KR102160077B1 (ko) | 수축률이 향상된 혼합발포제 포함하는 수지 조성물 | |
JP2004143262A (ja) | 感熱膨張材及びその製造方法、並びに自動車用防音シート | |
US3646158A (en) | Film of polyurethane and ethylene-acrylic acid interpolymer | |
US20070190307A1 (en) | Foamed fluoroelastic gasket material | |
JP2001341589A (ja) | ウェザーストリップ | |
JPH0812797A (ja) | 自動車用ウェザーストリップ | |
JP4199034B2 (ja) | 感熱膨張材及びその製造方法 | |
JP2001219472A (ja) | 形状記憶性フォーム材及びその作製方法 | |
JP2010116508A (ja) | 易リサイクル性の耐震マット | |
JPH0472381A (ja) | 蓄熱材 | |
JPH0834871A (ja) | 加熱により厚みが増加するプラスチックシートの製造方法 | |
JPS63311077A (ja) | 冷蔵庫用ガスケット | |
JPS584227B2 (ja) | パツキン | |
JPH10182888A (ja) | 衝撃吸収ゲル材 | |
Brenner et al. | Novel flexible foams based on an ionic elastomer | |
JP2007302902A (ja) | 発泡性熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 | |
JPH0266331A (ja) | 建築用制振材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060306 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060325 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071129 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080416 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080612 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080709 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080711 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4159035 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |