JP4158612B2 - 車両用排熱回収装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の内燃機関の排熱から動力を回収する車両用排熱回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両に搭載される内燃機関の排熱から動力を回収する車両用排熱回収装置としては、ランキンサイクルシステム、またはスターリングエンジンなどがある。
【0003】
ランキンサイクルシステムは、エンジンから排出される排気ガスの熱で冷媒を蒸発するまで加熱し、蒸気状態にする蒸発器と、蒸気となった冷媒が吹き付けられる事によって回転駆動力を出力するタービンと、タービンから出力される回転駆動力をエンジンの出力軸へ伝達するギア装置と、タービンに回転駆動力を出力させた蒸気状態の冷媒を冷却し、再び液化するコンデンサと、上述した循環で冷媒を圧送する圧送手段としてのポンプとからなる。
【0004】
上述した構成により、エンジンの軸出力は増加するので、排気ガスに含まれる排熱から動力が回収される事となる。
【0005】
また、上述したランキンサイクルシステムのその他の構成としては、エンジン本体を冷却する事で、高温になった冷却水にて冷媒を加熱、蒸発させるタイプのものもある。
【0006】
またさらに、上述した構成のランキンサイクルシステムは独自の冷媒回路(蒸発器→膨張機(動力回収器)→コンデンサ→ポンプ→(再び)蒸発器)を有しているが、特許文献1には、車両が搭載する空調装置が有する冷媒を流通する冷凍サイクルから冷媒を分流させ、分流した冷媒を用いて動力を回収し、冷媒は再び元の空調装置の冷凍サイクルに戻す、と言うタイプのランキンサイクルシステムが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特許 第2540738号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したランキンサイクルシステムに限らず、一般的な車両用排熱回収装置は、いずれも冷媒を蒸気状態にまで加熱する蒸発器を備えている。この蒸発器は排熱を含む媒体が例えば冷却水であった場合、冷却水と冷媒とを熱交換する事で、冷却水を冷却している。
【0009】
周知の通り、エンジンはその本体を冷却する為に冷却水を循環させている。通常、冷却水は、エンジン本体から受け取った排熱をラジエータにて外気と熱交換する事で冷却している。
【0010】
ラジエータにて外気と熱交換し、排熱を外気に放出した冷却水はまたエンジン本体に向かって流通し、再びエンジン本体から排熱を受け取る、と言う循環を繰り返す。
【0011】
すなわち、冷却水が含む排熱から動力を回収するタイプの車両用排熱回収装置の場合、通常車両に備わっているラジエータとしての役割を(すなわち、冷却水がエンジン本体から受け取った排熱を放出させ、冷却水を冷却する役目)外気ではなく冷媒で行っている事になる。
【0012】
本発明は上記の点に注目してなされた。すなわち、冷媒と冷却水とが熱交換する蒸発器(水−冷媒熱交換器)に、外気を導入しラジエータ的な空冷効果を持たせるように構成する事で、この蒸発器(水−冷媒熱交換器)を備えるランキンサイクルシステムを搭載した車両のエンジン系ユニットの冷却水回路からラジエータを削減し、安価に、かつ冷却水回路の構造を簡易に構成する事を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両用排熱回収装置は、冷媒と、車両に搭載される発熱体が有する冷却水回路を流通する冷却水とを用い、前記冷却水に含まれる排熱から動力を回収する為に、前記冷却水と前記冷媒とを熱交換する熱交換手段を備える車両用排熱回収装置であって、
前記熱交換手段は、前記冷却水回路から流入する前記冷却水と、前記冷媒とを熱交換する水−冷媒熱交換器と、
前記水−冷媒熱交換器を流通する前記冷却水が、外気とも熱交換するように、前記水−冷媒熱交換器に対して前記外気を導入する導入手段と
前記水−冷媒熱交換器の前記冷却水における下流側に設けられて、前記冷却水と外気とを熱交換する水−外気熱交換器と、
前記水−冷媒熱交換器から流出した前記冷却水を、前記冷却水回路、または前記水−外気熱交換器のどちらか一方に選択的に流入するように切り替えを行う弁とを備え、
前記導入手段は、前記外気を前記水−冷媒熱交換器に導入する吹き込み口と、
前記吹き込み口を開閉するドアとを備えており、
前記冷却水回路から前記水−冷媒熱交換器へ流入する直前の前記冷却水の水温を検知する水温検知手段と、
前記水温検知手段と接続し、前記水温に基づいて前記ドアの開閉、および前記弁の切り替えを制御する制御手段とを設け、
前記制御手段は、予め前記ドアを閉成しておくと共に、前記水−冷媒熱交換器から流出した前記冷却水が前記冷却水回路に流入するように前記弁を切り替えておき、
前記水温検知手段が検知した前記水温が、所定の第1水温を上回っていれば、前記外気を前記水−冷媒熱交換器に導入するように前記ドアを開扉し、
更に、前記水温検知手段が検知した前記水温が、前記所定の第1水温よりも高い側に設定される所定の第2水温を上回ると、前記水−冷媒熱交換器から流出した前記冷却水が前記水−外気熱交換器に流入するように前記弁を切り替えることを特徴とする。
【0014】
この発明により、冷媒と冷却水とを熱交換する水−冷媒熱交換器に、外気を導入し、水−冷媒交換器内を流通する冷却水が、冷媒だけではなく外気とも熱交換出来るように構成する事で、車両からラジエータを削減する、または小型化する事が可能になり、車両の構成を安価に、かつエンジン冷却水回路の構造を簡易に構成する事が可能になる。
周知の車両用排熱回収装置が備える水−冷媒熱交換器(蒸発器)を流通する冷媒は、なるべく高温の冷却水と熱交換した方が良い。その理由は、高温の冷却水と熱交換する事で膨張機入口圧力を高くすることができ、動力回収効率が高くできるからである。
その為、常時導入手段にて、水−冷媒熱交換器(蒸発器)に外気を導入していると、高温の冷却水は、冷媒とだけではなく外気とも熱交換するので、冷媒側から見ると、外気とも熱交換し冷めた(低い温度になった)冷却水と冷媒とが熱交換する事となり、冷媒の気化効率(蒸発化)が下がり、ひいては動力の回収率も下がる事となる。
この発明により、水−冷媒熱交換器(蒸発器)の冷却能力を上回る水温の冷却水が水−冷媒熱交換器に流入してきた時にだけ、水−冷媒熱交換器(蒸発器)に外気を導入するようにドアが開扉するよう制御出来るので、水−冷媒熱交換器(蒸発器)の冷却能力を上回る水温の冷却水が流入するまでは、冷媒の気化効率(蒸発化)を維持する事が可能となり、効率的な動力の回収が可能となる。
【0016】
導入手段によって外気を導入された水−冷媒熱交換器内を流通する冷却水は、冷媒と外気との両方に排熱を放出する事が可能となるが、それでも冷却水が望ましい水温にまで冷却されなかった場合は、水−冷媒熱交換器の冷却水における下流に設けられる水−外気熱交換器(ラジエータ)にて、更に水温を冷却する事が可能になるので、水−冷媒熱交換器(蒸発器)に外気を導入しただけでは足りなかった冷却水からの放熱を補う事が可能となる。
【0018】
エンジン本体の排熱を含む冷却水の水温は、エンジンの稼働状態によって時系列的に大幅に変化している。従って、ある時点の水温によっては、水−冷媒熱交換器が持つ冷却性能だけで十分、望ましい水温にまで冷却される場合があり、この場合だと、水−冷媒熱交換器の冷却水における下流に設けられる水−外気熱交換器にて更に冷却する必要がなくなる場合もある。
【0019】
以上のような理由から、この発明によりエンジン本体の排熱を含む冷却水の水温が、水−冷媒熱交換器の冷却性能によって十分、望ましい水温にまで冷却可能だった場合は、冷却水は水−外気熱交換器を循環する事なく、すぐに冷却水回路に戻るように弁によって流通路が切り替えられるので、水-外気熱交換器にて排熱を無駄に捨てなくてよく、エンジンの冷却水の温度を低下させないため、動力回収効率を高める事が可能となる。
【0020】
請求項2に記載の車両用排熱回収装置は、前記弁は、前記水−冷媒熱交換器と前記水−外気熱交換器との間に設けられる事を特徴とする。
【0021】
この発明により、水−冷媒熱交換器と水−外気熱交換器との流路の構成をコンパクトにする事が可能となる。
【0022】
請求項3に記載の車両用排熱回収装置は、前記水−冷媒熱交換器に流入する前記冷媒は、前記車両に搭載される空調装置が備える冷凍サイクルから分流する事を特徴とする。
【0023】
この発明により、専用の冷媒回路(冷凍サイクル)を備える必要がなくなり、車両用排熱回収装置の構成を簡易で安価なものにする事が可能となる。
【0028】
請求項4に記載の車両用排熱回収装置は、前記ドアは、スリッドドアにて構成する事を特徴とする。
【0029】
この発明により、導入する外気の風圧の向きと、スリッドドアの作動方向が略垂直となり、風圧による影響を小さくする事が可能となるとともに、スリッドドアはスライドする移動距離が小さいので、ドアを開閉する機構を簡素化する事が可能となる。
【0030】
請求項5に記載の車両用排熱回収装置は、前記ドアは、バタフライドアにて構成する事を特徴とする。
【0031】
この発明により、開扉時に導入する外気の風圧の影響を受け難くする事が可能となり、ドアを開閉する機構を簡素化する事が可能となる。
【0034】
請求項6に記載の車両用排熱回収装置は、前記水−冷媒熱交換器は、前記冷媒が流通する冷媒配管と、前記冷媒配管の外側に密着して形成される前記冷却水が流通する冷却水配管と、前記冷却水配管の外側に形成される冷却フィンとからなり、前記冷却水配管は、前記冷媒配管の両側に形成される事を特徴とする。
【0035】
この発明により、水−冷媒熱交換器(蒸発器)における冷却水と外気との熱交換、すなわち空冷の冷却効率(冷媒の気化効率)を向上させる事が可能になる。
【0036】
請求項7に記載の車両用排熱回収装置は、前記水−冷媒熱交換器は、前記冷媒が流通する前記冷媒配管と、前記冷媒配管の外側に密着して形成される前記冷却水が流通する前記冷却水配管と、前記冷却水配管の外側に形成される前記冷却フィンとからなり、前記冷却水配管は、前記冷媒配管の片側に形成される事を特徴とする。
【0038】
請求項8に記載の車両用排熱回収装置は、前記水−冷媒熱交換器は、前記冷媒が流通する前記冷媒配管と、前記冷媒配管の外側に密着して形成される前記冷却水が流通する前記冷却水配管とからなり、前記冷却水配管は、前記冷媒配管に対し凸状に形成される事を特徴とする。
【0039】
この発明により、水−冷媒熱交換器に導入される外気が、凸状に形成された冷却水配管によって、通常の通気経路よりも長い通気経路を吹き抜ける事となるので、冷却水と外気との熱交換効率を向上させる事が出来るとともに、冷却フィンを削減する事が可能となるので、水−冷媒熱交換器を安価でかつ簡易に構成する事が可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】
(第一参考例
本発明の第一参考例にかかるランキンサイクルシステム(車両用排熱回収装置)300を、図を用いて説明する。図1は本発明の車両用排熱回収装置100を搭載した車両400の内部の構成の概略を示した構成図である。
【0041】
車両400には、エンジン系ユニット100と、空調装置200と、車両用排熱回収装置の一種であるランキンサイクルシステム300とが搭載されている。
【0042】
次にエンジン系ユニット100について説明する。
【0043】
エンジン系ユニット100は、エンジン本体10と、エンジン本体10の駆動力を後述するコンプレッサ110に伝達する伝達経路の一つであるエンジン本体10側プーリ11と、エンジン本体10を冷却する冷却水回路内を流通する冷却水を圧送する冷却水ポンプ20とからなる。
【0044】
エンジン本体10は、周知の車両用の内燃機関である。すなわち内部で発生させた熱エネルギーを継続的に機械的エネルギーに変換し、変換する事よって得た機械的エネルギーで他のものを駆動する事を目的とする装置である。
【0045】
エンジン本体10側プーリ11は、エンジン本体10が熱エネルギーを継続的に変換する事によって得た機械的エネルギー(この場合の機械的エネルギーは回転動力)をコンプレッサ110に伝達する、上述した伝達経路の一つである。
【0046】
エンジン本体10の駆動力は、エンジン本体10側プーリ11のあと、ベルト111→コンプレッサ110側プーリ112→電磁クラッチ113を介してコンプレッサ110へと伝達している。
【0047】
このエンジン本体10は、請求項で示す所の発熱体に相当する。
【0048】
次に、空調装置200について説明する。空調装置200は、後述するランキンサイクルシステム300に備わる冷媒回路とは別体の冷媒回路を流通する冷媒を圧縮するコンプレッサ110と、コンプレッサ110で圧縮した冷媒を凝縮液化させるコンデンサ120と、コンデンサ120で液化した冷媒を気液分離するレシーバ130と、レシーバ130で気液分離された冷媒のうちの液冷媒を、図示しない小孔からエバポレータ151内に噴射し、液化冷媒を減圧、膨張させるエキスパッションバルブ140と、エキスパッションバルブ140から噴射された液化冷媒を蒸発させる事により外部を通過する空気(外気)から熱を奪うエバポレータ151、ならびにエバポレータ151を通過した冷却空気(外気)を加熱、除湿するヒータコア152とからなる。
【0049】
エバポレータ151にて気化し低温、低圧となった冷媒は、再びコンプレッサ110に吸入され、圧力を掛けられ高圧、高温の冷媒となる。
【0050】
上述したエバポレータ151と、ヒータコア152は、あわせてクーラーユニット150として一体に構成されている。
【0051】
上述したコンプレッサ110→コンデンサ120→レシーバ130→エキスパッションバルブ140→エバポレータ151→(再び)コンプレッサ110から構成される冷媒回路は冷凍サイクルと称され、コンプレッサ110は、冷媒を圧送する圧送装置としての機能もある。
【0052】
次に、コンプレッサ110が冷媒を高圧、高温にするとともに、冷媒を圧送する為に必要な駆動力の伝達経路について説明する。
【0053】
コンプレッサ110が、冷媒を圧縮するための駆動力は、後述するエンジン本体10→エンジン本体10側プーリ11→ベルト111→コンプレッサ110側プーリ112→電磁クラッチ113を介して伝達される。
【0054】
上述した電磁クラッチ113は、図示しないエアコンECUと電気的に接続しており、ユーザーがエアコンをONすると、コンプレッサ110側プーリ112と、コンプレッサ110とが連動的に回転出来るように、電磁的に両者(すなわちコンプレッサ110とコンプレッサ110側プーリ112)を接続する制御可能な電磁石型ユニットである。
【0055】
上述した通り、通常のコンプレッサ110は、エンジン本体10から駆動力を伝達されて冷媒を圧縮、圧送しているので、この事はエンジン本体10側から見ると、コンプレッサ110に伝達する駆動力は一定の負荷となっている。
【0056】
ランキンサイクルシステム300は、クーリングユニット240と、膨張器250と、凝縮器260と、受液器270と、冷媒用ポンプ280とからなる。
【0057】
クーリングユニット240は、水−冷媒熱交換器210と、外気導入口230とからなる。
【0058】
水−冷媒熱交換器210は、後述するエンジン系ユニット100が備える冷却水回路から流入する高温の冷却水と、後述するランキンサイクルシステム300が備える冷媒回路を流通する冷媒とを熱交換する周知の熱交換器である。
【0059】
この水−冷媒熱交換器210は、高温の冷却水に含まれる熱量によって、冷媒を気化(蒸気化)する働きをするので、蒸発器とも称するが、本実施形態では水−冷媒熱交換器と称して説明する。
【0060】
この水−冷媒熱交換器210の断面を示した説明図を図2に示す。
【0061】
図2に示す水−冷媒熱交換器210は、冷媒が流通する冷媒配管211と、この冷媒配管211を両側から挟み込むように密着して構成され、内部を高温の冷却水が流通する扁平型の冷却水配管212と、冷却水配管212の冷媒配管211とは略対になる位置に、冷却水配管212に流通する冷却水と外気との熱交換を促進する為に設けられる冷却フィン213とからなる。
【0062】
次に外気導入口230の構成を図3を用いて説明する。図3は、外気導入口230と上述した水−冷媒熱交換器210とからなるクーリングユニット240の全体的な断面を示す説明図である。
【0063】
図3に示す外気導入口230は、車両400の進行方向に向かって実質的に対面する位置に形成される外気取り入れ口231と、この外気取り入れ口231から異物が侵入する事を未然に防ぐ為のフィルタ232とからなる。
【0064】
外気導入口230から導入された外気は、水−冷媒熱交換器210に矢印の向きにて吹き抜ける事により、冷却水配管212を流通している冷却水は、冷媒配管211を流通している冷媒だけでなく、冷却フィン213を介して外気にも熱量を放出(すなわち熱交換)する事が可能になる。
【0065】
水−冷媒熱交換器210にて、冷却水から熱量を伝達され、高温、高圧の蒸気と化した冷媒は、次に膨張器250に流通する。
【0066】
膨張器250は、タービン251と動力伝達器252とからなる動力回収器である。水−冷媒熱交換器210にて高温、高圧の蒸気と化した冷媒の圧力で、タービン251が回転運動を開始する。回転運動によって生じる回転駆動力は、タービン251の軸と、上述したコンプレッサ110と直列的に接続する動力伝達器252によってコンプレッサ110へ伝達される。
【0067】
上述した通り、コンプレッサ110の駆動力は、後述するエンジン本体10から伝達されるものであるが、タービン251からも回転駆動力を伝達されるので、エンジン本体10のコンプレッサ110へ伝達する駆動力は軽減する事になる。
【0068】
ランキンサイクルシステム300は、上述したような作動で、冷却水に含まれるエンジン本体10からの排熱から動力を回収している。
【0069】
上述した構成のランキンサイクルシステム300によって、冷媒と冷却水とが熱交換する水−冷媒熱交換器210に、外気を導入しラジエータ的な空冷効果をも発揮するように構成する事で、この水−冷媒熱交換器210を備えるランキンサイクルシステム300を搭載した車両のエンジン系ユニット300から、ラジエータに相当する部品を削減し、安価に、かつエンジン系ユニット300の冷却水回路の構造を簡易に構成する事が可能になる。
【0070】
(第二参考例
上述した第一参考例で説明した構成では、クーリングユニット240を構成する水−冷媒熱交換器210は、外気導入口230から導入される外気に常に晒される事になるので、必然的に冷却水は常時、冷媒と外気との2つの物質と同時に熱交換をする事になる。
【0071】
これは、エンジン系ユニット100の冷却水回路からラジエータを削減する事には繋がるが、本来のランキンサイクルシステム(排熱回収装置)としては、排熱の回収効率が低下する原因となるおそれがある。
【0072】
何故なら、水−冷媒熱交換器210の冷媒配管211内を流通する冷媒は、出来るだけ高温、高圧状態の蒸気とならなければ、膨張器250のタービン251を高効率に回転駆動させられないからである。
【0073】
図1〜図3に示した水−冷媒熱交換器210の構成では、いくらエンジン本体10から高温状態の冷却水が水−冷媒熱交換器210に流入しても、冷媒と直接的に熱交換する冷却水の熱量は、外気導入口から導入された外気と熱交換し終わった、言わば、ある程度冷めた冷却水と冷媒とが熱交換する事になる。
【0074】
そこで、上述した問題点を解決可能な構成を図4に示す。
【0075】
図4は、図1に示した構成に、上述した問題点を解決可能な構成を、追加した構成となっている。以下にその追加点について説明する。
【0076】
まず、第一に、エンジン本体10を有する冷却回路の冷却水の水温を検知する為に、水−冷媒熱交換器210の冷却水入口直前の配管に水温検知センサ291を設ける。
【0077】
次に、外気を水−冷媒熱交換器210へ導入する導入手段である外気導入口231に、電動式のフィルムドア233を設ける。
【0078】
そして、水温検知センサ291が検知した水温と、所定の水温とを比較演算し、その比較演算した結果に基づいて、フィルムドア233の開閉を制御するECU290を設ける。
【0079】
外気導入口231にフィルムドア233を設けた際のクーリングユニット240の断面を示す断面の構成を示す説明図を図5に示す。
【0080】
上述した構成によって、まず、フィルムドア233を閉じ、外気を導入しないようにし、その上で水−冷媒熱交換器210に流入する高温の冷却水を冷媒とだけ熱交換するようにする。
【0081】
こうする事で、冷却水は冷媒にだけ熱量を放出するので、引き続き冷却水回路にラジエータを設ける必要がなくなるとともに、冷却水が含む熱量を冷媒にのみ放出するので、冷媒の気化効率が高くなり、ランキンサイクルシステム100の動力回収率を高める事が可能になる。
【0082】
そして、水温検知センサ291にて検知した冷却水の水温が、水−冷媒熱交換器210が持つ予定熱量放出率(水−冷媒熱交換器210が持つ、固有の熱量回収効率の予定値の事)を上回り、冷却水が水−冷媒熱交換器210内を流出しても、所望する水温にまで冷却出来ないほどの水温であったならば、ECU290は、フィルムドア233を開扉し、外気を水−冷媒熱交換器210へ導入し、水−冷媒熱交換器210を流通する冷却水が、導入した外気とも熱交換するようにすれば良い。
【0083】
上述したECU290の、水温検知センサ291が検知した水温に基づいてフィルムドア233の開閉を制御する作動を示すフローチャートを図6に示す。
【0084】
図6に示すフローチャートのステップS1にて、ECU290は、初期化処理の一環として、フィルムドア233を閉成する。
【0085】
続くステップS2にて、水温検知センサ291が検知した水−冷媒熱交換器210に流入する直前の冷却水の水温(検知水温T1)を取得する。
【0086】
続くステップS3にて、検知水温T1と、所定の水温T2とを比較する。この所定の水温T2とは、上述した水−冷媒熱交換器210が持つ予定熱量放出率に基づいて演算されるもので、水−冷媒熱交換器210が冷却出来る予定の水温と、エンジン本体10に再度流入する際に望ましい冷却水の水温との和の値である。
【0087】
例えば、水−冷媒熱交換器210が最大で、冷却水を約20℃冷却出来る冷却能力(熱放出能力)を持っており、かつ、水−冷媒熱交換器210を流出した冷却水が、エンジン本体10に再度流入する際に望ましい水温が約5℃であったとすると、ステップS3で検知水温T1と比較演算される所定の水温T2とは、約25℃となる。
【0088】
続くステップS4にて、検知水温T1が、所定の水温T2を上回っているか否かを判定し、もし上回っているならば、ステップS5に進み、ECU290はフィルムドア233を開扉し、水−冷媒熱交換器210に外気を導入する。ステップS4にてフィルムドア233を開扉した後は、ステップS2に再び戻る。
【0089】
しかし、ステップS4で、検知水温T1は所定の水温T2を下回っていると判定したならば、再びステップS2に戻る。
【0090】
上述した構成と作動とにより、水−冷媒熱交換器210に外気を導入し、冷却水を冷媒と外気と同時に熱交換する構成にする事により、ランキンサイクルシステム100における排熱の回収効率(すなわち動力の回収効率)の低下を防ぐ事が可能となる。
【0091】
(第三参考例
上述した第二参考例では、外気導入口231をフィルムドア233にて開閉する構成を示したが、このフィルムドア233がスリッドタイプのドアであっても良い。
【0092】
何故なら、スリッドタイプのドアは、フィルムドア233よりも開閉する際の外気の風圧を受けにくく、また作動距離も短いと言う特徴がある。
【0093】
一般的に電動式のドアの開閉とは、小さな動力で簡易な開閉構造によって行われる事が望ましい。
【0094】
しかし、フィルムドア233は、図示しないがドアフィルムと巻き取り器とからなり、この巻き取り器が回転する事でドアフィルムを巻き取り、外気導入口231を開放する。
【0095】
そして、巻き取り器によって巻き取られているドアフィルムは、巻き取り器とは対の位置に設けられた弾性体によって所定のテンションが常に係っており、巻き取り器がドアフィルムを開放すると、そのテンションに引っ張られて、ドアフィルムが外気導入口231を閉成する、と言う開閉作動をなすものである。
【0096】
この構造は複雑で、ドアフィルムが開閉作動している最中には、外気の風圧によって、故障など影響を受けやすい事が知られている。また、巻き取り器が要する動力も大きなものである。
【0097】
そこで外気導入口231の開閉を、フィルムドア233ではなく、構造が簡易で要する動力も、フィルムドア233に比して小さいスリッドタイプのドアに置き換える事によって、外気の風圧によって、故障などの影響を受けにくくするとともに、開閉作動に要する動力、作動距離も小さなものに出来る。
【0098】
図7に、導入手段をスリッドドア234に変更したクーリングユニット240の断面の構成を示す説明図を示す。
【0099】
(第四参考例
上述した第三参考例では、外気導入口231をスリッドドア234にて開閉する構成を示したが、外気導入口231を開閉するドアは、スリッドドア234と同程度に外気の風圧の影響を受けにくい、バタフライタイプのドアであっても良い。
【0100】
周知の通り、バタフライタイプのドアは、開閉作動が個々のバタフライドアの中心軸の自転によって、バタフライドアに掛かる風圧と略直交する形で行われるものである。従って、多少強度の高い風圧が掛かっても、ドアとしての開閉に故障を初めとする影響が発生しにくい。
【0101】
図8に、導入手段をバタフライドア235に変更したクーリングユニット240の断面の構成を示した説明図を示す。
【0102】
(第五参考例
上述した第二、第三、第四参考例では、外気導入口231をフィルムドア233、スリッドドア234、またはバタフライドア235にて開閉する構成を示したが、どのドアも水温検知センサ291と、この水温検知センサ291が検知した検知水温T1と、所定の水温T2とを比較演算し、その演算結果によって開閉制御を行うECU290が必要となる電動式のドアである。
【0103】
この水温検知センサ291と、ECU290とを設けるとコスト的に高くなる可能性がある。
【0104】
その為、水温検知センサ291とECU290とを設けなくても、冷却水の水温に応じて、外気の導入を制御する事が可能なドア(導入手段)が望まれる。
【0105】
以下に、その望まれる導入手段(すなわち、水温検知センサ291と、ECU290とを設けなくても良い導入手段)の一例について図9を用いて説明する。
【0106】
冷却水に直接的に接触するように、冷却水配管212に配設される熱伝達部236aと、この熱伝達部236aが冷却水から伝達された熱量が、上述した所定の水温T2以上であれば、所定の形状に変形する性質を持った金属などで構成されるヒンジ部236bと、このヒンジ部236bに係合して、外気導入口231を開閉するドア部236cとからなる形状変形型ドア236を設ける。
【0107】
この形状変形型ドア236のヒンジ部236bが、伝達部236aから伝達された冷却水の水温(熱量)が、上述した所定の水温T2(すなわち、水−冷媒熱交換器210の冷却能力を上回る水温)以上であった場合、ドア部236aを開扉するように伸張、または収縮などの変形運動を行うので、水−冷媒熱交換器210に、所定の水温T2以上の冷却水が流入した場合、自動的に外気を導入する事が可能になる。
【0108】
上述した構成により、外気を水−冷媒熱交換器210に導入する導入手段から、水温検知センサ291と、ECU290とを削減する事ができるので、コストを安価にする事が可能になる。
【0109】
(第六参考例
上述した第一から第五までの参考例では、各図に示しているように、冷却水配管212の断面は扁平型の形状をなしている。
【0110】
しかし、図10に示すように、冷却水配管212を断面が凸状になるように形成する事で、外気との熱交換性(放熱性)が更に高められるとともに、冷却フィン213を削減する事が可能になる。
【0111】
(第七参考例
上述した第一から第六までの参考例では、クーリングユニット240に流入する冷却水は、水−冷媒熱交換器210で、冷媒または冷媒と併せて外気とともに冷却するのみであった。
【0112】
しかし、エンジン本体10の駆動状態によっては、冷媒、または冷媒と外気と冷却(すなわち熱交換)するだけでは、望ましい水温にまで低下しない程、高温の冷却水が流入する場合も考えられる。
【0113】
そのような場合は、上述した水−冷媒熱交換器210の冷却水における下流側に、新たに水−外気熱交換器220(すなわちラジエータ)を接続する事で対応しても良い。
【0114】
図11に、水−冷媒熱交換器210の冷却水における下流側に、新たに水−外気熱交換器220(ラジエータ)を設けた場合のランキンサイクルシステム300の構成図を示す(図11には、ランキンサイクルシステム100の他に、エンジン系ユニット100と、空調装置200とを併記する)。
【0115】
上述した構成を取る事で、水−冷媒熱交換器210による冷媒と外気との並列的な熱交換だけでも望ましい水温にまで冷却する事が難しい冷却水が流入した場合にも対応する事が可能になる。
【0116】
(第実施形態)
上述した第七参考例にて示すクーリングユニット240の構成では、水−冷媒熱交換器210を流出した冷却水は、自動的に水−外気熱交換器220に流入する事になる。
【0117】
これでは、水−冷媒熱交換器210にて、十分望ましい水温にまで冷却している冷却水であっても、更に水−外気熱交換器220(ラジエータ)にて冷却される事になり、冷却水の温度が低くなる可能性がある。
【0118】
その為、上述した水温検知センサ291にて、水−冷媒熱交換器210で、十分望ましい水温にまで冷却する事が可能な水温の冷却水(すなわち、超高温ではなく、高温か中低温の冷却水)が水−冷媒熱交換器210に流入して来た事を検知した場合と、水−冷媒熱交換器210による冷却(すなわち、冷媒、外気の同時的熱交換)であっても、望ましい水温にまで冷却する事が難しい水温(すなわち超高温の冷却水)が流入して来た事を検知した場合とで、水−冷媒熱交換器210を流出した後の冷却水の冷却水流路を、最適な冷却水流路に適宜変更出来るようにする事が望ましい。
【0119】
ここで言う「水−冷媒熱交換器210を流出した後の冷却水の水温に応じた、最適な冷却水流路」とは、2系統ある。
【0120】
2系統のうちのまず1つは、水−冷媒熱交換器210に流入する冷却水が、水−冷媒熱交換器210のみで、十分に冷却出来うる水温の冷却水であれば、水−冷媒熱交換器210を流出した後は、エンジン系ユニット100の冷却回路に直接的に戻すと言う第一の冷却水流路である。
【0121】
この第一の冷却水流路により、不要な冷却を防ぐことができるので、冷却水温度を高く維持することができる。これにより、動力回収効率が高くなるという特徴がある。
【0122】
2系統のうちのいま1つは、水−冷媒熱交換器210に流入する冷却水が、水−冷媒熱交換器210だけでは、十分冷却出来ない水温の冷却水であれば、更に冷却が必要な為に、水−冷媒熱交換器210を流出した後は、水−外気熱交換器220(ラジエータ)に流入させ、その後にエンジン系ユニット100の冷却回路に戻すと言う第二の冷却水流路である。
【0123】
この第二の冷却水流路により、エンジン本体10からの排熱量が多い場合でもエンジン本体10に対し、安定的な冷却性能を備えると言う特徴がある。
【0124】
上述した第一の冷却水流路と、第二の冷却水流路とを選択的に切り替える事が可能なクーリングユニット240の構成を図12に示す(図12には、クーリングユニット240を備えるランキンサイクルシステム300だけでなく、エンジン系ユニット100、空調装置200も併記する)。
【0125】
図12に示すクーリングユニット240は、エンジン系ユニット100が備える冷却回路から冷却水が流入する水−冷媒熱交換器210と、水−冷媒熱交換器210と直列的に接続し、水−冷媒熱交換器210から流出した冷却水を、冷却回路に戻すバイパス路242か、水−外気熱交換器220か、どちらか一方へ選択的に流通させる弁241と、弁241と接続する水−外気熱交換器220、そして弁241と冷却回路とをバイパスするように接続するバイパス路242と、水−冷媒熱交換器210に外気を導入する導入手段230とからなる。
【0126】
上述した弁241は、電磁式の2方弁であり、ECU290と電気的に接続しており、その切り替え作動はECU290が、水温検知センサ291が検知する水温に基づいて行う。
【0127】
このECU290の、弁241の切り替え作動を示すフローチャートを図13に示す。
【0128】
図13に示すフローチャートのステップS11にて、導入手段230(上述した各実施形態に示すどのタイプのドアでも可)を閉成する。
【0129】
次にステップS12として、弁241をバイパス路242に接続する。
【0130】
上述したステップS11、ステップS12が初期設定処理である。
【0131】
続くステップS13にて、ECU290は、水温検知センサ291が検知した冷却水の水温T1を取得する。
【0132】
ステップS14にて、検知水温T1と、所定の水温T2ならびに所定の水温T3とを各々比較演算する。
【0133】
ステップS15にて、もし、ステップS14の比較演算の結果が、検知水温T1が所定の水温T2を上回っているならば、ステップS16に進み、ステップS11にて閉成した導入手段230を開扉する(水−冷媒熱交換器210に外気を導入し、冷却水を冷媒ならびに外気と同時的に熱交換するように促す)。下回っていればステップS13に戻る。
【0134】
ステップS16にて、導入手段230を開扉した後は、ステップ17に進み検知水温T1が所定の水温T3を上回っていれば、ステップS18に進み、弁241を水−外気熱交換器220(ラジエータ)に接続する。しかし、下回っていればステップS13に戻る。
【0135】
ステップS18に示す処理が終了すると、ステップS13に戻り、上述したステップS1からステップS18までの処理内容を繰り返す。
【0136】
上述した構成と作動とにより、水−冷媒熱交換器210の下流の冷却水流路を、水−冷媒熱交換器210に流入した冷却水の水温に基づいて、最適な冷却水流路に適宜、変更する事が出来、クーリングユニット240の冷却効率を高める、またはその冷却性能を安定化する事が可能になる。
【0137】
(第実施形態)
上述した実施形態では、冷却水が含む高い熱量を、冷媒と熱交換する事で、冷却水を冷却化する場合のみを開示した。
【0138】
しかし、例えば低温時またはエンジン10の駆動初期時などは、エンジン本体10を望ましい温度にまで上昇させる暖気を行う事がある。
【0139】
この暖気を促進する為に、空調装置200が備える冷凍サイクルを流通する冷媒を用いても良い。
【0140】
以下に、図14として、空調装置200の冷凍サイクルを流通する冷媒にて、冷却水に熱量を渡し、エンジン本体10の暖気を促進する事が出来る構成の概略を示す。
【0141】
空調装置200のコンプレッサ110の直下流に2方弁160を設けるとともに、ランキンサイクルシステム300の水−冷媒熱交換器210と、膨張器250との間の冷媒配管上に2方弁29を設け、この2つの2方弁、2方弁160と、2方弁29とを接続する。
【0142】
また、水−冷媒熱交換器210と、冷媒ポンプ280との間に、2方弁293を設け、前述の2方弁160と、コンデンサ120との間の冷媒配管上に合流点Aを設け、2方弁293と合流点Aとを接続する。
【0143】
上述した構成において、以下の作動を行う事により、低温時のエンジン本体10の暖気を空調装置200の冷媒にて促進する事が可能になる。
【0144】
まず、コンプレッサ110から流通してきた高温、高圧の冷媒を、2方弁160にてコンデンサ120ではなく、2方弁29側へ流通するように制御するとともに、同時に2方弁292を、膨張器250ではなく、水−冷媒熱交換器210側へ冷媒が流通するように制御する。
【0145】
同時に、水−冷媒熱交換器210から、2方弁293へ流通してきた冷媒を、冷媒ポンプ280側ではなく合流点Aへ流通するように2方弁293を制御する。
【0146】
このようにして制御された3つの2方弁、160、292、293にて形成される冷媒流路にて、低温時のエンジン本体10の断機を空調装置200の冷媒にて促進する事が可能になる。
【0147】
その際の冷媒の流路を時系列的に説明する。
【0148】
まず、コンプレッサ110から高温、高圧の冷媒が2方弁160へ流通する。2方弁160にて、2方弁292へ流通するように切り替えられている。
【0149】
2方弁292へ到達した冷媒は、そのまま通常の冷媒流路方向とは逆方向に流通し、水−冷媒熱交換器210にて、低温時のエンジン本体10から流通してきた冷却水と熱交換する。この場合の熱交換は、高温、高圧の冷媒の熱量が、低温の冷却水に伝達され、冷却水が暖められると言う事である。
【0150】
水−冷媒熱交換器210にて、冷却水を暖めた冷媒は、2方弁293に到達する。2方弁293に到達した冷媒は、2方弁160と、コンデンサ120との間に設けられた合流点Aにて、冷凍サイクルに合流する。
【0151】
また、水−冷媒熱交換器210にて、高温、高圧の冷媒から熱量を伝達され、暖められた冷却水は、再度エンジン本体10を循環する事で、エンジン本体10自体を暖めるので、エンジン本体10の暖気は促進される。
【0152】
以上が、低温時のエンジン本体10を、空調装置200の冷凍サイクルを流通する冷媒にて、暖気を促進する作動である。
【0153】
(第実施形態)
また、上述した第実施形態で示した水−冷媒熱交換器210での熱交換は、冷却水を暖めるとともに、冷媒を冷却する作用もある。
【0154】
水−冷媒熱交換器210を流出した冷媒は、つまるところ、2方弁293と、合流点Aを介し、コンデンサ120にて凝縮されるものなので、水−冷媒熱交換器210にて、ある程度冷却し、液化しておいた方が、後工程のコンデンサ120の凝縮効率を高める事になる。
【0155】
その為、水−冷媒熱交換器210の構成を、単に冷媒の熱量を冷却水に伝達させるに止めるのではなく、積極的に冷媒を冷却する構成にした方が望ましい。
【0156】
その、積極的に水−冷媒熱交換器210にて冷媒を積極的に冷却する事が可能な水−冷媒熱交換器210の構成の例を図15に示す。
【0157】
図15に示す水−冷媒熱交換器210は、冷媒が流通する冷媒配管211と、この冷媒配管211と熱交換するように密着して構成され、冷却水が流通する冷却水配管212と、冷媒211を流通する冷媒が、導入手段230から導入された冷却風と直接的に熱交換する事が可能なように設けられた冷却フィン213とからなる。
【0158】
水−冷媒熱交換器210の内部の各配管の構成を、上述した構成にする事で、冷媒配管211は、密着構成される冷却水配管212を流通する冷却水だけでなく、冷却フィン213を介して、冷却風とも熱交換するので、より冷却化される。
【0159】
上述した構成の水−冷媒熱交換器210を、第実施形態で示した構成と併用する事で、コンデンサ120の凝縮効率を高め、ひいては空調装置200の冷房能力を向上させる事が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一参考例にかかるランキンサイクルシステム300の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 第一参考例のランキンサイクルシステム300を構成する水−冷媒熱交換器210の構成の概略を示す説明図である。
【図3】 第一参考例のランキンサイクルシステム300を構成するクーリングユニット240の全体的な断面を示す説明図である。
【図4】 第二参考例のランキンサイクルシステム300の構成の概略を示す構成図である。
【図5】 第二参考例のランキンサイクルシステム300を構成するクーリングユニット240の全体的な断面を示す説明図である。
【図6】 第二参考例のランキンサイクルシステム300において、水温検知センサ291が検知した水温に基づいてフィルムドア233の開閉を制御する作動を示すフローチャートである。
【図7】 第三参考例のランキンサイクルシステム300の導入手段をスリッドタイプのドアにて構成したクーリングユニット240の断面を示す説明図である。
【図8】 第四参考例のランキンサイクルシステム300の導入手段をバタフライタイプのドアにて構成したクーリングユニット240の断面を示す説明図である。
【図9】 第五参考例のランキンサイクルシステム300の導入手段を形状変形タイプのドアにて構成したクーリングユニット240の断面を示す説明図である。
【図10】 第六参考例のランキンサイクルシステム300の冷却水配管212の断面を凸状に形成したクーリングユニット240の断面を示す説明図である。
【図11】 第七参考例のランキンサイクルシステム300の水−冷媒熱交換器210の下流側に、水−外気熱交換器220を接続した構成を示す構成図である。
【図12】 第実施形態のランキンサイクルシステム300において、第一の冷却水流路と、第二の冷却水流路とを選択的に切り替える事が可能なクーリングユニット240の構成を示した構成図である。
【図13】 第実施形態のランキンサイクルシステム300における弁241の切り替え作動を示すフローチャートである。
【図14】 第実施形態のランキンサイクルシステム300において、空調装置200の冷凍サイクルを流通する冷媒にて、冷却水に熱量を渡し、エンジン本体10の暖気を促進する事が出来る構成の概略を示した構成図である。
【図15】 第実施形態のランキンサイクルシステム300において、冷媒配管211に冷却フィン213を設けた構成を示す構成図である。

Claims (8)

  1. 冷媒と、車両に搭載される発熱体が有する冷却水回路を流通する冷却水とを用い、前記冷却水に含まれる排熱から動力を回収する為に、前記冷却水と前記冷媒とを熱交換する熱交換手段を備える車両用排熱回収装置であって、
    前記熱交換手段は、前記冷却水回路から流入する前記冷却水と、前記冷媒とを熱交換する水−冷媒熱交換器と、
    前記水−冷媒熱交換器を流通する前記冷却水が、外気とも熱交換するように、前記水−冷媒熱交換器に対して前記外気を導入する導入手段と
    前記水−冷媒熱交換器の前記冷却水における下流側に設けられて、前記冷却水と外気とを熱交換する水−外気熱交換器と、
    前記水−冷媒熱交換器から流出した前記冷却水を、前記冷却水回路、または前記水−外気熱交換器のどちらか一方に選択的に流入するように切り替えを行う弁とを備え、
    前記導入手段は、前記外気を前記水−冷媒熱交換器に導入する吹き込み口と、
    前記吹き込み口を開閉するドアとを備えており、
    前記冷却水回路から前記水−冷媒熱交換器へ流入する直前の前記冷却水の水温を検知する水温検知手段と、
    前記水温検知手段と接続し、前記水温に基づいて前記ドアの開閉、および前記弁の切り替えを制御する制御手段とを設け、
    前記制御手段は、予め前記ドアを閉成しておくと共に、前記水−冷媒熱交換器から流出した前記冷却水が前記冷却水回路に流入するように前記弁を切り替えておき、
    前記水温検知手段が検知した前記水温が、所定の第1水温を上回っていれば、前記外気を前記水−冷媒熱交換器に導入するように前記ドアを開扉し、
    更に、前記水温検知手段が検知した前記水温が、前記所定の第1水温よりも高い側に設定される所定の第2水温を上回ると、前記水−冷媒熱交換器から流出した前記冷却水が前記水−外気熱交換器に流入するように前記弁を切り替えることを特徴とする車両用排熱回収装置。
  2. 前記弁は、前記水−冷媒熱交換器と前記水−外気熱交換器との間に設けられる事を特徴とする請求項に記載の車両用排熱回収装置。
  3. 前記水−冷媒熱交換器に流入する前記冷媒は、前記車両に搭載される空調装置が備える冷凍サイクルから分流する事を特徴とする請求項1または2に記載の車両用排熱回収装置。
  4. 前記ドアは、スリッドドアにて構成する事を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用排熱回収装置。
  5. 前記ドアは、バタフライドアにて構成する事を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用排熱回収装置。
  6. 前記水−冷媒熱交換器は、前記冷媒が流通する冷媒配管と、
    前記冷媒配管の外側に密着して形成される前記冷却水が流通する冷却水配管と、
    前記冷却水配管の外側に形成される冷却フィンとからなり、
    前記冷却水配管は、前記冷媒配管の両側に形成される事を特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の車両用排熱回収装置。
  7. 前記水−冷媒熱交換器は、前記冷媒が流通する前記冷媒配管と、
    前記冷媒配管の外側に密着して形成される前記冷却水が流通する前記冷却水配管と、
    前記冷却水配管の外側に形成される前記冷却フィンとからなり、
    前記冷却水配管は、前記冷媒配管の片側に形成される事を特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の車両用排熱回収装置。
  8. 前記水−冷媒熱交換器は、前記冷媒が流通する前記冷媒配管と、
    前記冷媒配管の外側に密着して形成される前記冷却水が流通する前記冷却水配管とからなり、
    前記冷却水配管は、前記冷媒配管に対し凸状に形成される事を特徴とする請求項またはに記載の車両用排熱回収装置。
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