JP4157681B2 - トナー収納容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置において使用する着色剤としての粉体トナーを収納するトナー収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉体トナーを収納しているトナー収納容器は、カートリッジ、ボトルといったハードボトルで作られているために、トナー収納容器の交換に伴う使用済み容器の廃棄に大きな課題を生じていた。すなわち、使用済みトナー収納容器はユーザー先からメーカーが引き取り、再生、再利用、焼却処理が行われるが、該容器は容量が嵩み、回収するまでの物流コストに高額を要していた。なお、従来においてもトナー収納容器の容積が減容可能となるものの提案がある。
【0003】
しかしながら、容積が減容可能なトナー収納容器は該容器からトナー補給装置を用いて補給する際、補給性能を安定して維持することができなかった。また、運搬時にのみ減容可能な容器を使用することも提案されているが、この場合もハードボトルやトナーホッパーにトナーを移し替えるときに、トナー飛散等による汚染を招く等の問題が解決されておらず、実用化に至っていないのが現状である。
【0004】
ところで、本願出願人は、樹脂、紙等のフレキシブルなシートからなる容積減容可能なトナー収納容器を用いても補給性能を安定して維持することができ、しかも該容器から離れた現像装置にトナーの補給が可能なトナー補給装置を既に提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したトナー補給装置におけるトナー収納容器は、トナー排出口を下方へ向けて立てた状態で使用される。このとき、トナー収納容器の袋体はフレキシブルであるため、自身の重み等で倒れ、トナー排出口を塞でしまったり、トナーがある量以上の排出されると、倒れシワ等にトナーが挟まれてトナー残量が多くなってしまうという問題が起る懸念があった。さらに、トナー収納容器がフレキシブルであると、容器の交換時における操作性も悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑み、トナーを収納している容器がフレキシブルであっても倒れにくくしても、回収時の運搬や容器の組み立て性が良好なトナー収納容器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、粉体のトナーを収納する変形可能な内袋体と、該内袋体を収納し、かつ、該内袋体よりも剛性の大きい外容器体とを有し、前記内袋体には排出部から挿入されるノズルを介してエアーポンプによるエアーが供給され、かつ、該ノズルを介して吸い込み型の粉体ポンプの吸引力により収納したトナーが現像装置へ補給を行うトナー補給装置に用いるトナー収納容器において、前記外容器体の一部を開放し、その開放部分より前記内袋体が挿入されるとともに、前記ノズルが挿入される排出部に自閉弁が設けられていることを特徴とするトナー収納容器を提案する
また、目的を達成するため、本発明は、粉体のトナーを収納する変形可能な内袋体と、該内袋体を収納し、かつ、該内袋体よりも剛性の大きい外容器体とを有し、前記内袋体には排出部から挿入されるノズルを介してエアーポンプによるエアーが供給され、かつ、該ノズルを介して吸い込み型の粉体ポンプの吸引力により収納したトナーが現像装置へ補給を行うトナー補給装置に用いるトナー収納容器において、前記内袋体には底部にトナーを排出する排出部が設けられ、かつ、該排出部に向かって先細りになる傾斜面が形成されており、前記外容器体には前記内袋体の傾斜面に沿って傾斜する少なくとも1つの面を有するとともに、前記ノズルが挿入される排出部に自閉弁が設けられていることを特徴とするトナー収納容器を提案する
【0008】
なお、本発明の紛体収納容器において、前記内袋体が着脱可能に前記外容器に収容され、その収容状態において前記内袋体と前記外容器体を連結する連結手段が設けられていると、効果的である。
【0009】
さらに、本発明の粉体収納容器において、前記連結手段は前記内袋体と前記外容器体の一方に連結凸部、他方に該連結凸部が嵌合される連結凹部を有すると、効果的である。
【0010】
さらにまた、本発明の粉体収納容器において、前記連結手段として前記内袋体に前記連結凸部、前記外容器体に前記連結凹部が設けられていると、効果的である。
【0011】
さらにまた、本発明の粉体収納容器において、前記連結凸部がスライド板であり、前記連結凹部が、該スライド板が所定方向よりスライド装着されるガイド受け部であると、効果的である。
【0012】
さらにまた、本発明の粉体収納容器において、前記内袋体に収納した粉体を排出する排出口を備えた口金部材が設けられ、該口金部材に前記連結部が設けられていると、効果的である。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明は、粉体のトナーを収納する変形可能な内袋体と、該内袋体を収納し、かつ、該内袋体よりも剛性の大きい外容器体とを有し、前記内袋体には排出部から挿入されるノズルを介してエアーポンプによるエアーが供給され、かつ、該ノズルを介して吸い込み型の粉体ポンプの吸引力により収納したトナーが現像装置へ補給を行うトナー補給装置に用いるトナー収納容器において、前記外容器体が多面体の箱状に形成され、かつ、多面体の各面板の辺が直線であり、該の各面板がそれぞれ隣り合う面板に対して繋がる繋がり辺と分離可能な分離辺を備えているとともに、前記ノズルが挿入される排出部に自閉弁が設けられていることを特徴とするトナー収納容器を提案する
【0014】
なお、本発明の粉体収納容器において、前記繋がり辺に折り曲げ角を規制する溝が形成されていると、効果的である。
さらに、本発明の粉体収納容器において、前記面板の前記分離辺に、面板同士を係止する係止手段が設けられていると、効果的である。
【0015】
さらにまた、本発明の粉体収納容器において、前記外容器体は前記分離辺を分離して平板状に展開後、前記繋がり辺で重ね折りして所定の大きさの板状体に形成可能であると、効果的である。
【0016】
さらにまた、本発明の粉体収納容器において、少なくとも2つの面板を重ねた部分に、さらに重ねる面板を設定し、該面板の前記繋がり辺に折り曲げ領域を拡大する多重溝が形成されていると、効果的である。
【0017】
さらにまた、本発明は、前記内袋体に、収納したトナーを識別するためのトナー識別手段が設けられていると、効果的である。
【0018】
さらにまた、本発明は、前記トナー識別手段は前記外容器体と、トナー収納容器がセットされる画像形成装置本体側のセット部との一方に凸部、他方に該凸部が嵌合される凹部を有し、識別するトナー毎に前記凸部と凹部の位置がずらされていると、効果的である。
【0019】
さらにまた、本発明は、前記外容器体に使用する画像形成装置の機種を識別するための使用機種識別手段が設けられていると、効果的である。
【0020】
さらにまた、本発明は、トナー識別手段は前記外容器体とそのトナー収納容器がセットされる装置本体側のセット部との一方に凸部、他方に該凸部が嵌合される凹部を有し、識別する使用機種毎に前記凸部と凹部の位置がずらされていると、効果的である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置のトナー補給装置の一例を示す構成図、図2はトナー収納容器の一例を示す斜視図である。
【0025】
図1および図2において、符号1は現像装置、2は着色剤としての粉体トナーを収納するトナー収納容器として構成された粉体収納容器である。本実施形態のトナー収納容器2は、後に詳しく述べるように、トナーを収納する変形可能な内袋体20(以下、トナー袋という。)と、そのトナー袋20を収納し、そのトナー袋20よりも剛性の大きい外容器体50(以下、外箱という。)とを有したバックインボックスタイプに構成されている。
【0026】
トナー収納容器2は、現像装置1と別体のユニットとして構成されていて、画像形成装置本体に設けられたセット部に装着される。トナー収納容器2のセット部は、画像形成装置本体の扉やカバー等を開けたときに現れる装置内部側の箇所でもよいし、装置の外部に現出している位置にすることもできる。
【0027】
上記トナー収納容器2は、上方から画像形成装置本体へセットされ、画像形成装置本体のセット部には容器内に挿入されるノズル30が立設されている。ノズル30は、上部に断面錐状に形成された尖端部材31が一体成形または固着等により設けられ、この尖端部材31に続いてエアー供給路32とトナー排出路33とが設けられている。ノズル30の内部は、2重管構造になっており、トナー排出路33はノズル30の下端において図の左方へ曲げられてその先端にトナー用接続口35が設けられている。また、エアー供給路32は、トナー排出路33よりも上方で図の右方へ曲げられ、エアー接続口34に達している。
【0028】
エアー接続口34は、本実施形態の場合、エアー供給手段としてのエアーポプ40にエアー移送パイプ41を介して接続されている。このエアーポンプ40が作動すると、該ポンプからエアー移送パイプ41およびエアー供給路32を介してトナー収納容器2内にエアーが噴出される。そして、トナー収納容器2内に噴出されたエアーは、トナー層を通過することによりトナーを拡散しながら流動化させる。
【0029】
上記現像装置1には、その近傍または一体に吸い込み型の粉体ポンプ3である一軸偏芯スクリューポンプが設けられている。この粉体ポンプ3の構成は、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ4と、ゴム等の弾性体で作られ、2条スクリュー形状に形成されたステータ5と、これらを包み、かつ粉体の搬送路を形成する樹脂材料などで作られたホルダ6とを有している。このホルダ6の先端、すなわち、図1の左端にはトナー排出部7が設けられ、トナー排出部7が現像装置1のトナー補給部2にパイプ8で連結されている。
【0030】
そして、この粉体ポンプ3の吸い込み側には適量のトナーが溜められるトナー貯留手段としてのバッファ10が連接されるようにして設けられている。このバッファ10内には、トナー送り手段としてのスクリュー11が設けられ、スクリュー11の一端は、バッファ10を飛び出し、該部において図示していない駆動装置に駆動連結され、スクリュー11が回転駆動される。また、スクリュー11の他端は粉体ポンプ3のロータ4に連結されているおり、よって粉体ポンプ3とスクリュー11は同時に作動される。
【0031】
また、バッファ10にはトナー受け入れ部12が設けられ、このトナー受けれ部12と上記ノズル30に設けられたトナー用接続口35が移送中空パイプとしてのトナー移送チューブ15によって接続されている。このトナー移送チューブ15としては、例えば直径4〜10mmのフレキシブルなチューブで、耐トナー性に優れたゴム材料(例えば、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等)から作られているものを用いることがきわめて有効であり、フレキシブルなチューブは上下左右の任意方向へ配管が容易に行い得る。
【0032】
このように構成されたトナー補給装置は、粉体ポンプ3である1軸偏芯スクリューポンプが、高い固気比で連続定量移送が可能であって、ロータ4の回転数に比例した正確なトナーの移送量が得られることが知られている。そこで、画像濃度検知等によりトナー補給指令が発せられると、粉体ポンプ3が作動し、要求された量のトナーが現像装置1に補給される。なお、上記したトナー補給装置は一例であってバッファ10を設けずに粉体ポンプ3で補給するもの、吐出型粉体ポンプを使用するトナー補給装置であってもよい。
【0033】
図2において、トナー袋20はブロー成形法などにより形成され、トナー排出部を設けられた樹脂等から作られた口金部21に、例えば80〜200μm程度のポリエチレンやナイロン等の樹脂製または紙製のフレキシブルなシートを単層または複層にして作られた袋部22を固定して構成されている。口金部21は、図3および図4に示すように、上下方向に貫通したトナー排出部としての貫通孔24が設けられ、この貫通孔24の中間域外周に概ね矩形に形成された連結手段の連結凸部として構成されたスライド板25が固定または一体に形成されている。さらに、口金部21は、このスライド板25より上部側に袋部22が固定される舟形に形成された固定部26が設けられ、スライド板25の下部側には上記貫通孔24を形成するための筒状に形成された排出部27が設けられている。そして、排出部27には自閉弁としての弾性体、好ましくは発泡スポンジ等で作られたシール弁23が設けられている。さらに、口金部21には排出部27を閉塞するキャップ片28が連結部29を介して一体的に設けられており、キャップ片28には排出部27に嵌まり込む円形の窪み28aが形成されている。
【0034】
次に、トナー収納容器2の外箱50について説明する。本実施形態の外箱5は、符号50a〜50hの面板を備えた8面体であって、図5および図6はその外箱50を平板上に展開した一例の内面と外面を示している。各面板50a〜50hは、面板同士が繋がる繋がり辺と面板同士が分離する分離辺のすべて直線の辺を持つとともに、各面板は少なくとも1辺の繋がり辺を有する。ししたがって、外箱50は各面板50a〜50hの繋がり辺と分離辺を適宜選定することで、種々の形状の一枚板状に展開することができるが、繋がり辺を設けたことで展開時に完全に分離してしまう面板が発生することがない。
【0035】
さらに、各面板50a〜50hの繋がり辺にはその内面側に、図7に示すように、折り曲げ角度を規制するためのV字状の溝51が形成されている。このV字状の溝51は、繋がり辺の曲げる角度に応じてV溝の角度を設定している。すなわち、Vの角度がほぼ90度ならば、Vをなす面が当接する方向に折り曲げたとき、そのV溝51を介して繋がっている面板は、折り曲げ角度がほぼ90度に規制することができる。なお、逆にVをなす面が離れる方向に折り曲げたときには何ら規制がないので面板同士が重なる位置まで曲げられる。また、各面板50a〜50hの分離辺には図8に示すように、係止手段として一方の面板に係止突起52、他方の面板に係止孔53が設けられ、面板同士を係止することができる。したがって、面板が一枚の板状に広げた状態から適宜順序により内面側を折り曲げ、そして、係止突起52を係止孔53に係止させていけば、工具等を用いることなく、外箱50が完成する。
【0036】
さらに、外箱50は図9に示すように外面を上にして展開しておき、これを図10に示すように、面板50cが面板50fに重なるように2つ折りすると、幅方向の長さが半分になり、この2つ折り重ね体に図11に示すように、下に突き出た面板50gを折って重ねれば面積が小さく、かつ厚みもさほど厚くならない。よって、このように折り込んだ外箱50は適宜大きさの封筒59に収納することができる。なお、最後に折り曲げる面板50gは、面板の重ね体の上に重ねるので、V溝51であると重ね代が足りない。よって、この面板50gのみ、図12に示すように、繋ぎ辺においてW字状の溝54が形成されている。
【0037】
また、外箱50にはトナー袋20の口金部21が装着される面板50dに、図3に示すように、口金部21のスライド板25がスライド装着される連結凹部としてのガイド受け部58が一体に設けられている。
【0038】
トナー袋20を外箱50へ装着するときには、外箱50を、図2に示すように、面板50a,50bのみが開いた状態で他の面板で箱型に組み立てる。他方、トナーを収納したトナー袋20は万一トナー漏れが発生しないように、図13の鎖線で示すように、排出部27をキャップ片28で閉塞しておき、そのトナー袋20の口金部21のスライド板25を、ガイド受け部58に沿ってスライド装着する。この装着により、トナー袋20が容易に外箱50に収まり、次に、面板50a,50bを閉じ、上記した面板50hとの間で係止突起52を係止孔53に係止させればトナー収納容器2が完成する。
【0039】
この完成したトナー収納容器2は、図14に示すように、側面に相当する部分の全周を、巻き付け部材としての巻き付けシール60、例えば熱収縮シールを巻き付けて固定すると、係止突起52を係止孔53に係止させた面板50a,50bが簡単に開くことを防止できる。なお、巻き付けシール60にはシュリンクラップ61を設けておけば、外箱50を容易に分解することができる。また、巻き付けシール60の代りに図15に示すように、最後に閉じた面板50a,50bと面板50hに跨って接着シール62を貼着することによっても面板50a,50bが簡単に開いてしまうことが防止できる。
【0040】
また、トナー収納容器2を使用するときにはキャップ片28を排出部27から外し、この外したキャップ片28は図13の実線で示すように、画像形成装置本体にセットする際、邪魔にならないように、面板50aに形成した保持部55に嵌合させることができる。
【0041】
このように構成されたトナー収納容器2は、使用により収納したトナーがほぼ空になると、画像形成装置本体から取り出し後、シール等を剥がして外箱50から空になったトナー袋20を容易に取り出せる。取り出した外箱50は、上記したように小さく折りたたむことができるので、運搬や保管時での取扱性が良く、運搬や保管時の収納スペースをとらないという利点がさらに増長し、ユーザー先からメーカーへ回収物流コストの大幅な低減が可能となる。しかも、外箱50は、ある程度の耐久性を有する材料で作れば、複数回繰り返し使用することができ、大幅なコストの軽減が見込まれる。
【0042】
他方、トナー袋20は再利用等のために焼却するが、フレキシブルな袋部22は空の状態であり、よって外箱50と同様に回収ための運搬コスト等が大幅に軽減される。
【0043】
ところで、トナーは色や性質の異なるもの等が多数存在し、間違って使用すると、最悪の場合、現像装置の交換しなければならない事態に陥る。特に、フルカー画像形成装置では一般に、3色の色トナーと黒トナーを使用しており、消費量の多い黒トナーは色トナーより大容量の容器を使用していることが多いが、色トナーは3色とも同量で容器も同大同形になっているものであり、色トナーのセットミスすることがある。
【0044】
かかるセットミスを解消するため、画像形成装置本体のセット部とトナー収納容器に色毎に形状の異なる係合手段を設けて、間違ったトナー収納容器がセット部にセットできないようにする構成は既に行われている。
【0045】
本発明に係るトナー収納容器2も同様の機構を備えているが、本発明では外50ではなくトナー袋20側にセットミスを防ぐトナー識別手段としての係合手段を設けている。具体的には、口金部21のスライド板25に円弧状の係合凹部57を設けている。この係合凹部57は、画像形成装置本体のセット部に設けた係合凸部(図示せず)に係合するが、色毎にその位置が変えられている。
【0046】
このように、セットミスを防ぐ係合手段を外箱50ではなくトナー袋20にセットミスを防ぐ係合手段を設ければ、何回か繰り返し使用できる外箱50をトナーの色毎に変えて作る必要がないため、きわめて有利である。
【0047】
また、画像形成装置においては同機種が世界各国で使用される。この場合、使用するトナー収納容器2は各国共通で使用できるが、トナー収納容器の製造コストは経済事情によって価格差が生じるため、例えば製造コストが安いトナーを製造コストの高い国で使用されると、流通秩序が保てなくなる。そこで、本実施形態ではトナー収納容器2の外箱50に機種毎に装着を制限するための使用機種識別手段として凹部56を設けている。この場合、画像形成装置本体にはトナー収納容器2の互換性を防ぐ機種毎に凹部56に係合する凸部(図示せず)を変位させている。
【0048】
図16は、本発明の他の実施形態を示すトナー収納容器2の斜視図であって、本実施形態では、外箱50’が左右方向にほぼ貝の如く割れるように設けられている。特に、上方から見て対角線で割れると、外箱50’が大きく開放され、トナー袋の着脱がより容易に行い得る。なお、本例の外箱50’は展開することができないが、割った状態で同方向に重ねれば、省スペースになる。
【0049】
図17は、本発明のさらに他の実施形態を示すトナー収納容器2の斜視図でって、本実施形態では、外箱50”の一面板、本例では側部の面板を予めなくして、常に開放された状態になっている。このように構成すると、トナー袋20の着脱がユーザーでも簡単に行うことができる。なお、この外箱50”は先の実施形態の面板50a,50bを除いたものであるので、展開したり小さく折りたためる。
【0050】
このように構成されたトナー収納容器2は、トナー袋20がフレキシブルで、外箱50が小さく折りたためたり、広げて重ねられるので、ハードケースと比較して運搬や保管時での取扱性が良く、収納スペースをとらない。さらに、使用済みトナー袋20はユーザー先からメーカーに引き取り、再生・再利用や焼却処理が行われるが、外箱50はハードケースであっても折りたたみが可能であり、運搬や保管時での取扱性が良く、運搬や保管時の収納スペースをとらないという利点がさらに増長し、ユーザー先からメーカーへ回収物流コストの大幅な低減が可能となる。なお、トナー袋20の口金部21、袋部22、シール弁23は同一材料もしくは同一系統の材料を使用すれば、リサイクル時に両者を分別する手間が省けるので有利である。
【0051】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、トナー収納容器の内袋体が変形可能であってもセット時に倒れることが防止され、倒れによる多量の残トナーが発生したり、倒れにより内袋体が破損する等の不具合を防止できる外容器を設けても、外容器を折りたためられ、回収物流コストが大幅に軽減できる。しかも、外容器の組み立て、解体はきわめて簡単であり、しかも外容器は繰り返し使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置のトナー補給機構を示す構成図である。
【図2】トナー収納容器の斜視図である。
【図3】トナー収納容器の口金部の断面図である。
【図4】その口金部の斜視図である。
【図5】トナー収納容器の外箱の内面側の展開図である。
【図6】トナー収納容器の外箱の外面側の展開図である。
【図7】外箱の一部分の断面図である。
【図8】外箱の図7と異なる一部分の斜視図である。
【図9】外箱の重ね折りの手順における初期状態を示す説明図である。
【図10】外箱の重ね折りの手順における第2段階の状態を示す説明図である。
【図11】外箱の重ね折りの手順における最終段階の状態を示す説明図である。
【図12】外箱の図7や図8と異なる一部分の断面図である。
【図13】トナー収納容器の外箱とトナー袋の口金部を示す断面図である。
【図14】トナー収納容器の完成品の一例を示す説明図である。
【図15】トナー収納容器の完成品の他の一例を示す説明図である。
【図16】本発明のトナー収納容器の他の実施形態を示す斜視図である。
【図17】本発明のトナー収納容器のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 現像装置
2 トナー収納容器
20 トナー袋
21 口金部
25 スライド片
27 排出部
50 外箱

Claims (16)

  1. 粉体のトナーを収納する変形可能な内袋体と、該内袋体を収納し、かつ、該内袋体よりも剛性の大きい外容器体とを有し、
    前記内袋体には排出部から挿入されるノズルを介してエアーポンプによるエアーが供給され、かつ、該ノズルを介して吸い込み型の粉体ポンプの吸引力により収納したトナーが現像装置へ補給を行うトナー補給装置に用いるトナー収納容器において、
    前記外容器体の一部を開放し、その開放部分より前記内袋体が挿入されるとともに、
    前記ノズルが挿入される排出部に自閉弁が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  2. 粉体のトナーを収納する変形可能な内袋体と、該内袋体を収納し、かつ、該内袋体よりも剛性の大きい外容器体とを有し、
    前記内袋体には排出部から挿入されるノズルを介してエアーポンプによるエアーが供給され、かつ、該ノズルを介して吸い込み型の粉体ポンプの吸引力により収納したトナーが現像装置へ補給を行うトナー補給装置に用いるトナー収納容器において、
    前記内袋体には底部にトナーを排出する排出部が設けられ、かつ、該排出部に向かって先細りになる傾斜面が形成されており、前記外容器体には前記内袋体の傾斜面に沿って傾斜する少なくとも1つの面を有するとともに、
    前記ノズルが挿入される排出部に自閉弁が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  3. 請求項1または2に記載のトナー収納容器において、前記内袋体が着脱可能に前記外容器体に収容され、その収容状態において前記内袋体と前記外容器体を連結する連結手段が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  4. 請求項3に記載のトナー収納容器において、前記連結手段は前記内袋体と前記外容器体の一方に連結凸部、他方に該連結凸部が嵌合される連結凹部を有することを特徴とするトナー収納容器。
  5. 請求項3に記載のトナー収納容器において、前記連結手段として前記内袋体に前記連結凸部、前記外容器体に前記連結凹部が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  6. 請求項4または5に記載のトナー収納容器において、前記連結凸部がスライド板であり、前記連結凹部が、該スライド板が所定方向よりスライド装着されるガイド受け部であることを特徴とするトナー収納容器。
  7. 請求項1ないし6の何れか一項に記載のトナー収納容器において、前記内袋体に収納したトナーを排出する排出口を備えた口金部材が設けられ、該口金部材に前記連結部が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  8. 粉体のトナーを収納する変形可能な内袋体と、該内袋体を収納し、かつ、該内袋体よりも剛性の大きい外容器体とを有し、
    前記内袋体には排出部から挿入されるノズルを介してエアーポンプによるエアーが供給され、かつ、該ノズルを介して吸い込み型の粉体ポンプの吸引力により収納したトナーが現像装置へ補給を行うトナー補給装置に用いるトナー収納容器において、
    前記外容器体が多面体の箱状に形成され、かつ、多面体の各面板の辺が直線であり、該の各面板がそれぞれ隣り合う面板に対して繋がる繋がり辺と分離可能な分離辺を備えているとともに、
    前記ノズルが挿入される排出部に自閉弁が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  9. 請求項8に記載のトナー収納容器において、前記繋がり辺に折り曲げ角を規制する溝が形成されていることを特徴とするトナー収納容器。
  10. 請求項8に記載のトナー収納容器において、前記面板の前記分離辺に、面板同士を係止する係止手段が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  11. 請求項8ないし10の何れか一項に記載のトナー収納容器において、前記外容器体は前記分離辺を分離して平板状に展開後、前記繋がり辺で重ね折りして所定の大きさの板状体に形成可能であることを特徴とするトナー収納容器。
  12. 請求項11に記載のトナー収納容器において、少なくとも2つの面板を重ねた部分に、さらに重ねる面板を設定し、該面板の前記繋がり辺に折り曲げ領域を拡大する多重溝が形成されていることを特徴とするトナー収納容器。
  13. 請求項1、2および8の何れかに記載のトナー収納容器において、前記内袋体に、収納したトナーを識別するためのトナー識別手段が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  14. 請求項13に記載のトナー収納容器において、前記トナー識別手段は前記外容器体と、トナー収納容器がセットされる画像形成装置本体側のセット部との一方に凸部、他方に該凸部が嵌合される凹部を有し、識別するトナー毎に前記凸部と凹部の位置がずらされていることを特徴とするトナー収納容器。
  15. 請求項1、2および8の何れかに記載のトナー収納容器において、前記外容器体に使用する画像形成装置の機種を識別するための使用機種識別手段が設けられていることを特徴とするトナー収納容器。
  16. 請求項15に記載のトナー収納容器において、トナー識別手段は前記外容器体とそのトナー収納容器がセットされる装置本体側のセット部との一方に凸部、他方に該凸部が嵌合される凹部を有し、識別する使用機種毎に前記凸部と凹部の位置がずらされていることを特徴とするトナー収納容器。
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