JP4156218B2 - 管継手シール機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管継手、特に金属のフレキシブルホース又はその他の可撓管をガス器具やガス管等に接続する管継手シール機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
配管と可撓管を接続する管継手シール機構は従来から一般に知られている。公知の管継手シール機構は図1に示す通りのものである。図1に示すように、外周面が樹脂コーティングされた可撓管(2)の一端は先端に向って拡大するテーパ拡管部(21)とされ、該拡管部の外側には前記テーパ拡管部(21)の外面に一致するテーパ面(41)を具備する袋ナット(4)が螺締されている。この袋ナット(4)には、先端外周が上記テーパ拡管部(21)の内面に一致するテーパ面(31)を具備する継手管(3)が螺入され、該継手管(3)内にガス器具等の接続は配管(11)が螺入接合されている。
【0003】
このものでは、継手管(3)と袋ナット(4)を螺合して締め付けると、継手管(3)のテーパ面(31)が可撓管(2)のテーパ拡管部(21)に圧接されるため、該圧接面で配管接続部のシール性が確保される。このシール性をさらに良好なものとするために、継手管(3)の外面のテーパ面(31)に環状溝を設けてこれにシールパッキン(51)を嵌設することも実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは次の問題がある。
【0005】
シールパッキンを使用しないものでは、高精度に気密性が確保され難くシール効果に問題がある。
【0006】
継手管(3)の外面のテーパ面に環状溝を設けてこれにシールパッキン(51)を設けるものではテーパの片面(内面)のみにシールパッキンが当接するだけであるのでシール性確保が保証され難い。又シールパッキンが外側に露出するため傷が付き易い。環状溝をテーパ面の外面に設けるため加工に手間を要しコスト高になる。締め付けによりシールパッキンが環状溝に埋没する構成であり、押圧力が少ないためシール性が悪いといった問題点を有する。
【0007】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、接続配管の継手管と、金属フレキシブルホース等の可撓管を接続して締付用袋ナットで締結するものにおいて、継手管と袋ナットを螺合し締め付けた際にシールパッキンによるシール性を高精度に効率よく行うとともに、シールパッキンを袋ナット側に設けることを可能にしてシールパッキンが外部に露出して傷が付かないようにするとともに、シールパッキンの押圧力を高めることによりシール性を高めさらなる信頼性の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の技術手段は、配管と可撓管を接続する管継手であって、配管の継手管と可撓管の締結用袋ナットとを螺合締結し継手管の外面のテーパ面と袋ナットの内面のテーパ面との間に可撓管の先端のテーパ拡管部を係挿して一体に締結するものにおいて、袋ナットの内面にコ字形凹状の環状溝を形成し、この環状溝に弾性リングからなるシールパッキンを内嵌するとともに、継手管の外面のテーパ面の至端部に前記シールパッキンの嵌止部を設け、袋ナットの締め付けにより前記環状溝と嵌止部の間でシールパッキンを押圧してなることである。
【0009】
上記技術手段によれば、継手管の外面のテーパ面と袋ナットの内面との間に可撓管の先端のテーパ拡管部が挟圧されるために、内外の両面金属同志の面接触で気密性が確保されることに加えて、袋ナットの内面の環状溝に内嵌されたシールパッキンが継手管の外面との間に圧密されるためにシール効果を倍増することが可能となる。
【0010】
また、本発明の第2の技術手段は、締結用袋ナットの内面の環状溝に前記可撓管のテーパ拡管部の端部を臨ませてシールパッキンに接触するように構成したことである。
【0011】
斯る技術手段によれば、テーパ拡管部の先端部は袋ナットの締め付けによりさらに強くシールパッキンに突き立つように接触するため、第3のシール効果を期待することができる。
【0012】
さらに、本発明の第3の技術手段は、継手管の嵌止部にシールパッキンの押圧用突段部を設けることである。
【0013】
斯る技術手段によれば、シールパッキンは袋ナットの締め付けにより、継手管の外面の突段部によって前方へ押圧するためテーパ拡管部の先端とシールパッキンとは、増々強力に喰い込む如く圧接することによってシール性向上をさらに大いに高める効果を期待することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。
【0015】
【実施例】
図2乃至図4は本発明の管継手シール機構を示したものであり、図2はその管継手全体の一例を示し、図3はその要部の拡大図を示している。また、図4は他の例の要部拡大図である。
【0016】
先づ図2について説明する。金属の蛇腹管からなる可撓管2は、外周面をコーティングされた樹脂被膜(図示省略)を有し、可撓管2の一端は後方(図2の手前側)に向ってラッパ状の広がりをもつテーパ拡管部21となっている。
【0017】
締結用袋ナット4は、前記テーパ拡管部21を収容した状態で可撓管2に回動自在に外嵌されている。袋ナット4の内周面には前記テーパ拡管部21の外周面に重なるテーパ面41と、このテーパ面に続く内周側面にコ字形凹状の環状溝42とが一連に形成されている。また、この袋ナット4には前記可撓管2とは反対側から継手管3を螺入するための雌ねじ43が刻設されるとともに、該袋ナットの外周は六角柱面状に形成されてスパナが係合できるようになっている。
【0018】
上記袋ナット4の雌ねじ43に螺入する継手管3は、該螺入方向の先端部外周面に先細まり状のテーパ面31を具備しており、テーパ面31は可撓管2のテーパ拡管部21の内周面に密着状に重なる形状を有している。
【0019】
また、この継手管3の先端部外周には、袋ナット4の雌ねじ43に螺入される雄ねじ34が刻設されるとともに、その後端部外周は六角状に形成されて該部分がスパナ係合部35となっている。さらに、継手管3の後端部内周面には雌ねじ36が設けられ、これに配管1が螺入するように接続される。
【0020】
前記袋ナット4の内面に形成されたコ字形凹状の環状溝42には、弾性リングからなるシールパッキン5が内嵌装着されている。このシールパッキン5の断面形状は、図示例の如く円形が好ましい。しかし円形に限らず、長円形や楕円形又は多角形であっても差し仕えない。環状溝42の溝巾はシールパッキン5が丁度嵌合する大きさがよい。しかし隙間を生じる時はスぺーサ45を使用することもできる。
【0021】
継手管3の外面のテーパ面31の至端部に前記シールパッキン5の嵌止部32を設ける。この嵌止部32は袋ナット4の内面のコ字形環状溝42に内嵌されたシールパッキン5の内周面側を嵌止するとともに、袋ナットの締め付けにより環状溝と嵌止部の間でシールパッキンを押圧するものである。従ってこの嵌止部32は図2乃至図3に示す如くシールパッキンの断面形状に適合した円弧状の凹状溝が好ましい。
【0022】
また、上記の嵌止部32は図4に示す如く袋ナットの締め付けにしたがってシールパッキン5の後方下面部を後方より前方へ押圧するような突段部33を具備することもできる。しかし、このような嵌止部32は上記の形状に限らずV形のような凹状溝であってもよく、或いは場合によっては平坦なままであってもよい。
【0023】
可撓管2のテーパ拡管部21は前記の如く袋ナット4の内面のテーパ面41と継手管3の外面のテーパ面31の間に挟持され締め付けにしたがって内外両面間に密着状態とされるが、さらにこのテーパ拡管部21の端部22は図3に示す如く、コ字形凹状の環状溝42内に、臨ませてシールパッキン5の表面に突き立つように接触させている。さらに好ましくは、図4に示す如くテーパ拡管部21のの端部22をさらに奥深く進入した位置までに臨ませることによって上記端部22をシールパッキンに深く喰い込むように強く接触させることもできる。
【0024】
上記構成によれば図3にあっては、袋ナットの締め付けによってシールパッキン5の接触点はa.b.c.dの4点で高いシール効果が得られる。また図4にあっては、押圧用段部33による押圧点eが加わるため、前記a.b.c.dにeを加えた5つの接触点でより高い高度のシール効果が得られる。
【0025】
【作用及び効果】
可撓管2の一端に外嵌装着された袋ナット4を、継手管3の雄ねじ34に螺合してスパナで締め付け、これにより可撓管2のテーパ拡管部21を内外のテーパ面31.41で挟圧すると、金属同志の密圧着によりこの部分だけでもシール性が確保される。
【0026】
上記の締め付けにより袋ナット4の内面のコ字形凹状の環状溝42に内嵌されているシールパッキン5は、内外両面部に押圧されa点.b点及びc点でシールされ、さらにテーパ拡管部21の端部22がシールパッキン5の表面に接触しその接触点dにおいてシールされる。シールパッキン5が図4の如く後方より継手管3側の押圧用突段部33で押圧縮される場合は、前記に加えさらにe点でシールされ、且つテーパ拡管部21の端部22のシールパッキンへの喰い込みが強大となって一段と高いシール性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の管継手シール機構全体の縦断側面図。
【図2】本発明の一実施例を示す管継手シール機構全体の側面図で、左半部は断面で示されている。
【図3】本発明のシール機構の要部を示した拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すシール機構要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 配管
2 可撓管(金属のフレキシブルホース)
3 継手管
4 締結用袋ナット
5 シールパッキン
21 テーパ拡管部
22 端部
31.41 テーパ面
32 嵌止部
33 押圧用突段部
42 環状溝
Claims (3)
- 配管(1)と可撓管(2)を接続する管継手であって、配管(1)の継手管(3)と可撓管(2)の締結用袋ナット(4)とを螺合締結し継手管(3)の外面のテーパ面(31)と袋ナット(4)の内面のテーパ面(41)との間に可撓管(2)の先端のテーパ拡管部(21)を係挿して一体に締結するものにおいて、袋ナット(4)の内面にコ字形凹状の環状溝(42)を形成し、この環状溝(42)に弾性リングからなるシールパッキン(5)を内嵌するとともに、継手管(3)の外面のテーパ面(31)の至端部に前記シールパッキン(5)の嵌止部(32)を設け、袋ナット(3)の締め付けにより前記環状溝(42)と嵌止部(32)の間でシールパッキンを押圧してなることを特徴とする管継手シール機構。
- 前記締結用袋ナット(4)の内面の環状溝(42)に前記可撓管(2)のテーパ拡管部(21)の端部(22)を臨ませてシールパッキン(5)に接触してなる請求項1記載の管継手シール機構。
- 前記継手管(3)の嵌止部(32)にシールパッキン(5)の押圧用突段部(33)を設けてなる請求項1記載の管継手シール機構。
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