JP4156105B2 - Ic試験装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はデータクロック付ICを試験するIC試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4にIC試験装置の概略構成を示す。図中TESはIC試験装置の全体を示す。IC試験装置TESは主制御器111と、パターン発生器112,タイミング発生器113,波形フォーマッタ114,論理比較器115,ドライバ群116,アナログ比較器群117,不良解析メモリ118,論理振幅基準電圧源121,比較基準電圧源122,ディバイス電源123等により構成される。
【0003】
主制御器111は一般にコンピュータシステムによって構成され、利用者が作成した試験プログラムに従って主にパターン発生器112とタイミング発生器113を制御し、パターン発生器112から試験パターンデータを発生させ、この試験パターンデータを波形フォーマッタ114で実波形を持つ試験パターン信号に変換し、この試験パターン信号を論理振幅基準電圧源121で設定した振幅値を持った波形に電圧増幅するドライバ群116を通じて被試験IC119に印加し記憶させる。
【0004】
被試験IC119から読み出した応答信号はアナログ比較器群117で比較基準電圧源122から与えられる基準電圧と比較し、所定の論理レベル(H論理の電圧、L論理の電圧)を持っているか否かを判定し、所定の論理レベルを持っていると判定した信号は論理比較器115でパターン発生器112から出力される期待値と比較し、期待値と不一致が発生した場合は、その読み出したアドレスのメモリセルに不良があるものと判定し、不良発生ごとに不良解析メモリ118に不良アドレスを記憶し、試験終了時点で、例えば不良セルの救済が可能か否かを判定する。
【0005】
ここで、タイミング発生器113は被試験IC119に与える試験パターン信号の波形の立上がりのタイミング及び立下りのタイミングを規定するタイミングと、論理比較器115で論理比較のタイミングを規定するストローブパルスのタイミングを発生する。
これらの各タイミングは利用者が作成した試験プログラムに記載され、利用者が意図したタイミングで被試験IC119を動作させ、またその動作が正常か否かを試験できるように構成されている。
【0006】
ところで、ICの規模の拡大とともに、データクロック付ICが増加の傾向にある。データクロックとはICが自ら発生するクロックを指し、データクロックに同期してデータを出力する。
図5にデータクロック付ICを試験する従来のIC試験装置の概略を示す。ドライバ116Aは被試験IC119のクロック入力端子TCLK に試験パターン信号の一つとして出力されるクロックCLKを入力する。VIHとVILはクロックCLKのH論理の電圧とL論理の電圧を規定する電圧を示す。
【0007】
被試験IC119はデータクロック端子TDAT からデータクロックDCLK を出力する。これとともにデータ出力端子TD1,TD2……からデータDAT1 ,DAT2 ……を出力する。データクロックDCLK と各データDAT1 ,DAT2 ……はそれぞれ電圧比較器117A,117B,117C……でH論理及びL論理の各電圧が所定の電圧VOH,VOLを具備しているか否かを判定し、論理比較器115A,115B,115C……で期待値パターンと比較され、期待値と不一致が発生するとフェイルと判定する。
【0008】
データクロック付のICの場合、論理比較器115A,115B,115C…において、被試験IC119が出力するデータDAT1 ,DAT2 ……が各期待値と一致するか否かとは別に、データクロックDCLK の出力のタイミングから予め設定した時間の範囲内でDAT1 ,DAT2 ……が出力されたか否かも判定し、所定の時間より遅れて出力するICは不良と判定している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のIC試験装置では、被試験IC119が出力する信号のタイミングを測定するには、被試験IC119に入力する信号CLKのタイミング(信号CLKの立上がりまたは立ち下りのタイミング)を基準に採り、この基準タイミングから各出力信号DCLK ,DAT1 ,DAT2 ……の立上がりまたは立ち下りのタイミングまでの時間を測定している。従って、被試験IC119が出力するデータクロックDCLK のタイミングとデータDAT1 ,DAT2 ……のタイミングの時間差を直接測定することはできない。つまり、データクロックの出力のタイミングから所定の時間の範囲内でデータDAT1 ,DAT2 ……が出力されたかを直接測定することはできない欠点がある。
【0010】
このため従来は図6に示すように、クロックCLKの入力のタイミングからデータクロックDCLK が出力されるまでの時間t1を論理比較器115Aに供給するストローブパルスの供給タイミングを複数のテストサイクルを使って順次移動させてサーチさせて測定し、次にクロックCLKの入力のタイミングからデータDAT1 ,DAT2 ……が出力されるまでの時間t2を論理比較器115B,115Cに供給するストローブパルスの供給タイミングを複数のテストサイクルを使って順次移動させてサーチさせて測定し、これらの時間t1とt2からデータクロックDCLK と各データDAT1 ,DAT2 ……の出力のタイミングまでの時間t3をt3=t2−t1により求め、この時間t3が所定の時間の範囲内で、かつ論理比較が一致している場合に良と判定し、論理比較が良であってもデータDAT1,DAT2 ……の出力のタイミングが所定時間以上であれば不良と判定している。図7にそのフローチャートを示す。
【0011】
このように、従来はデータクロック付ICを試験するには複雑な手順に従って試験を実行するから、そのテストプログラムの作成には多くの手間が掛かるとともに、時間t1,t2を測定するには複数のテストサイクルを実行しなくてはならないため、試験に要する時間が長く掛かる欠点がある。
この発明の目的は、テストプログラムの作成を簡素に済ませることができ、しかも試験に要する時間も短時間に済ませることができるデータクロック付ICを試験するIC試験装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明では、データクロックをストローブパルスとして代用して使用することにより、データの出力が所定の時間の範囲内であるか否かを直接判定できる構成を付加したIC試験装置を提案するものである。
つまり、被試験ICが出力するデータクロックの立上がりのタイミングをパルス化して抽出し、このパルスを所定の時間遅延させて論理比較器にストローブパルスとして供給し、その供給タイミングにおいて被試験ICがデータを出力していれば、その出力のタイミイングは良と判定し、データが出力されていなければ不良と判定する。
【0013】
従って、この発明によればストローブパルスの位相を順次移動させてデータクロックの出力のタイミングを測定したり、データの出力のタイミングを測定する動作が不要となり、テストプログラムの作成を簡素化することができる。また、各テストサイクルごとに試験結果が得られるため、試験に要する時間も短縮できる利点が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1にこの発明の一実施例を示す。図中、図5と対応する部分には同一符号を付して示す。この発明ではデータクロックDCLK を出力するデータクロック出力端子TDAT に接続された電圧比較器117Aの出力側からパルス化回路124A,124B……を通じてデータクロックDCLK の立上がりのタイミングを抽出し、このパルス化回路124A,124B……で抽出したパルスをタイミング設定回路125A,125B……を通じて選択回路126A,126B……に供給する。選択回路126A,126B……にはタイミング設定回路125A,125B……から与えられるパルスの他に、ストローブパルスが入力され、これらのパルスとストローブパルスの何れか一方を選択して、各論理比較器115B,115C……に供給する。
【0015】
データクロック付ICを試験する場合は、選択回路126A,126B……をタイミング設定回路125A,125B……から出力されるパルスを選択して各論理比較器115B,115C……に入力する状態に切り替える。この状態でタイミング設定回路125A,125B……にはデータクロックDCLK のタイミングからデータが出力されるまでの期待する時間、例えばt3を設定する。この設定は図4に示した主制御器111から各チャンネルに設けたタイミング設定回路125A,125B……に設定される。
【0016】
論理比較器115B,115C……にはデータクロックDCLK の立上がりまたは立ち下りのタイミングから時間t3が経過したタイミングでパルスがストローブパルスの代用として与えられ、このタイミングで被試験IC119のデータ端子TD1,TD2…が出力するデータDAT1 ,DAT2 ……の信号の有無と、信号有りの場合にその論理値と期待値パターンとを論理比較する。
【0017】
図2にその様子を示す。この発明ではデータクロックDCLK の立上がりまたは立ち下りのタイミングから時間t3の範囲内にデータDAT1 ,DAT2 ……がそれぞれ論理比較器115B,115C……に入力されれば良、時間t3より遅く入力されれば不良と判定する。従って各テストサイクルごとに判定結果を得ることができる。
【0018】
図3はそのフローチャートを示す。ステップSP1でデータクロックDCLK の出力からデータDAT1 ,DAT2 ……が出力されるまでの期待される時間t3をタイミング設定回路125A,125B……に設定する。ステップSP2で1回のファンクション試験(各テストサイクル)で良/不良を判定する。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によればストローブパルスの位相を各テストサイクルごとに順次移動させてデータクロックDCLK の出力のタイミイグ及びデータDAT1 ,DAT2 ……の出力のタイミングを測定しなくて済むため、テストプログラムの記載は簡素化され、その作成は容易に行うことができる。また、良否の判定を各テストサイクルごとに行うことができるため、試験に要する時間を短縮することができる利点も得られる。
【0020】
なお、上述では同時に試験する被試験IC119の数を特に記述していないが同時に試験するICの数は1個でも複数でも、その数に制限はない。またデータクロック端子にTDAT から出力されるデータクロックDCLK をストローブパルスの代用として流用したが、被試験ICから出力される他の信号を利用して論理比較のストローブパルスに代用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の要部を説明するためのブロック図。
【図2】この発明の動作を説明するための波形図。
【図3】この発明の動作を説明するためのフローチャート。
【図4】IC試験装置の概要を説明するためのブロック図。
【図5】従来のデータクロック付ICの試験方法を説明するためのブロック図。
【図6】図5に示したブロック図の動作を説明するための波形図。
【図7】従来のデータクロック付ICの試験装置を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
TES IC試験装置
119 被試験IC
115A〜115C 論理比較器
116A ドライバ
117A〜117C 電圧比較器
124A,124B パルス化回路
125A,125B タイミング設定回路
126A,126B 選択回路
Claims (2)
- A.被試験ICがデータクロックと、このデータクロックに同期してデータを出力し、データクロックの出力のタイミングからデータが出力されるタイミングまでの時間が所定時間より短くパターン発生器から出力される期待値と一致していれば良、長い場合は不良と判定するIC試験装置において、
B.上記データクロックをパルス化して取り出すパルス化回路と、
C.このパルス化回路で取り出したパルスを期待する時間の範囲で遅延させるタイミング設定回路と、
D.このタイミング設定回路で取り出したパルスをストローブパルスに替えて論理比較器に与える選択回路と、
を具備して構成したことを特徴とするIC試験装置。 - 請求項1に記載のIC試験装置において、
上記パルス化回路は、上記データクロックの代わりに被試験ICから出力される上記データクロックに対するタイミングが既知な他の信号の立ち上がりまたは立ち下りをパルス化して取り出すものであることを特徴とするIC試験装置。
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