JP4155433B2 - 焼成処理用セッター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板に形成した構成要素を焼き固めるのに使用する焼成炉の技術分野に属し、特にプラズマディスプレイ用基板などの電子部品としてのガラス基板の焼成工程において好適に使用される焼成炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のガラス基板上に形成された構成要素を焼き固める焼成炉としては図1に示すタイプのものが一般に使用されている。通常、構成要素である電極やリブの焼成温度は500〜600℃であるが、ローラコンベア上でガラス基板を搬送しながらこの温度で焼成処理を行うと、搬送の影響でガラス基板に反りや歪が生じてしまう。このため、図1に示すように、焼成中でも軟化しない耐熱性のセッターSの上にガラス基板Gを乗せた状態で焼成を行うようになっている。これにより、ガラス基板の熱変形が防止されるとともに、搬送系との接触による傷付きも防止される。プラズマディスプレイ用基板の焼成には、この焼成処理用セッターとして結晶化ガラス板(例えば、日本電気硝子製「ネオセラムN−O」)が用いられている。
【0003】
図1に示す焼成炉では、まず焼成炉本体1の外においてリフターコンベア2の上段位置にあるセッターSの上にガラス基板Gが載せられる。そして、ガラス基板GはセッターSと共に入口コンベア3により焼成炉本体1における上段通路の中に導入され、そのままセッターSと共にローラコンベアで搬送されながら加熱部にて常温から500〜600℃程度のピーク温度まで加熱された後、徐冷部にて400℃程度にまで冷却される。次いで、上段通路の端まで搬送されたところでガラス基板GはセッターSと共にリフターコンベア4により下段通路に降下され、下段通路内をローラコンベアで逆方向に搬送されながら冷却部にて常温まで戻される。ガラス基板Gを載せたセッターSが出口まで到達すると、出口コンベア5によりリフターコンベア2に移し替えられ、そこで焼成を終えたガラス基板Gが除去される。そして、空になったセッターSはリフターコンベア2で上段位置に移動し、ここで次のガラス基板Gが載置されて焼成工程が繰り返される。このタイプの連続焼成炉では、上段通路の天井および床にヒーターが連続的に設置されており、これらのヒーターにより上記の如く焼成温度を管理するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したタイプの焼成炉では温度をヒーター毎に段階的に変化させている。そして、従来はセッターに載せたガラス基板を搬送しながら2〜3時間かけて500〜600℃まで温度を上昇させていた。このため、セッターに載って搬送されるガラス基板の面内の温度分布は常にほぼ平均化していた。しかしながら、生産性を上げるために、2〜3時間かけていた温度上昇を30分程度とする高速焼成を実施すると、短時間で昇温することからセッターに載ったガラス基板の面内で温度分布の不均一が発生してしまう。したがって、ガラス基板がプラズマディスプレイパネルの背面板である場合、構成要素であるリブの焼成温度が部分的に異なってしまい、均一なリブ形状を得ることができないという問題点を生じる。さらには、温度差によりガラス基板が破損することも起きてしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するため、本発明は、ガラス基板を載せた状態で焼成炉の中を搬送しながらそのガラス基板の焼成処理を行うのに使用される板状のセッターであって、その素材に異方性カーボンを用いたことにより、ガラス基板を載せる側の表面における面内方向での熱伝導率が、厚さ方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とするか、或いは、ガラス基板を載せる側に異方性カーボンの層を積層したことにより、ガラス基板を載せる側の表面における面内方向での熱伝導率が、厚さ方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する異方性カーボン( Pyrolitic Graphite ) は、気相成長法(蒸着)によって製造される黒鉛である。気相成長は1900℃から2500℃の範囲で厳密にコントロールされた炉の中で行われ、黒鉛は基板上に積層状に成長する。基板に対して平行な結晶の成長方向の割合(配向比)は1000:1である。そのため、異方性カーボンは、従来の黒鉛にはない高度な異方性を持っており、また非常に高純度であり、密度も理論値に近く、特に強度的に優れている。この異方性カーボンは層を厚くすれば基板から抜き取ることができる。
【0007】
本発明の焼成処理用セッターは、ガラス基板を載せる側の表面では非常に速い熱伝導速度を有し、且つ厚さ方向には非常に遅い熱伝導速度を有する。そして、このような物性のセッターを用いることにより、焼成炉の中で高速焼成する際のガラス基板の面内での温度分布の均一化を図ることができる。
【0008】
すなわち、焼成炉の中で短時間で昇温されると、処理ガラス基板に温度分布ムラが発生するが、焼成処理用セッターの熱伝導率が高ければ、面内の熱分布は均一化されることになる。熱伝導率が高いということは、その反面、周りの空間の影響を受けやすく、逆に熱分布が悪くなるが、本発明の焼成処理用セッターは、面内方向での熱伝導率が高く、板厚方向での熱伝導率が低い構成となっているので、熱分布が良好となる。
【0009】
焼成処理用セッターは、加熱によって曲がるようであれば使用できない。したがって、焼成炉のピーク温度において曲げを生じない強度が必要である。焼成処理用セッターとして従来使用されている結晶化ガラス板である日本電気硝子製「ネオセラムN−O」の曲げ強度は682kgf/cm2 (600℃)であるのに対し、異方性カーボンの曲げ強度は1000kgf/cm2 (600℃)であり、十分な曲げ強度を有していると言える。
【0010】
焼成処理用セッターの熱膨張係数は、処理するガラス基板とほぼ同じ値を持つことが好ましい。プラズマディスプレイパネルのガラス基板に用いられるソーダライムガラスの熱膨張係数は83〜90×10-7/℃(30−380℃)であるのに対し、異方性カーボンの熱膨張係数は、表面方向が12.4×10-7/℃であってソーダライムガラスと比べてそれ程離れていない。
【0011】
本発明の焼成処理用セッターは、プラズマディスプレイ用基板の製造時における焼成工程で使用するのが好適である。すなわち、プラズマディスプレイ用基板の製造ではガラス基板の上に電極、誘電体層、リブ、蛍光体層を形成するが、特にリブの焼成工程では、従来のセッターを使用して昇温温度が20℃/minを越えるような高速焼成を実施すると、セッターの面内での温度分布に不均一が生じ、焼成温度が異なって均一なリブ形状を得ることができない。そこで、本発明のセッターを使用すれば、昇温温度を20℃/min以上とする高速焼成が可能となる。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の焼成処理用セッターは、その素材に異方性カーボンを用いたことにより、ガラス基板を載せる側の表面における面内方向での熱伝導率が、厚さ方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とするものであるか、或いは、ガラス基板を載せる側に異方性カーボンの層を積層したことにより、ガラス基板を載せる側の表面における面内方向での熱伝導率が、厚さ方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とするものであるので、高速焼成を実施した場合でも、セッターの面内温度分布が均一になることから、処理すべきガラス基板の面内での温度分布の均一化が図れる。したがって、プラズマディスプレイ用基板の製造工程において、高アスペクト比で且つ高精細なリブパターンを焼成するに際し、高速焼成に対応することができる。
【0013】
また、素材に異方性カーボンを用いたり、或いはガラス基板を載せる側に異方性カーボンの層を積層したセッターは黒色であり、しかも上記の特性を有しているので、少ないエネルギーで効率的に基板の加熱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 焼成炉の概略図である。
【符号の説明】
G ガラス基板
S セッター
1 焼成炉本体
2 リフターコンベア
3 入口コンベア
4 リフターコンベア
5 出口コンベア
Claims (2)
- ガラス基板を載せた状態で焼成炉の中を搬送しながらそのガラス基板の焼成処理を行うのに使用される板状のセッターであって、その素材に異方性カーボンを用いたことにより、ガラス基板を載せる側の表面における面内方向での熱伝導率が、厚さ方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする焼成処理用セッター。
- ガラス基板を載せた状態で焼成炉の中を搬送しながらそのガラス基板の焼成処理を行うのに使用される板状のセッターであって、ガラス基板を載せる側に異方性カーボンの層を積層したことにより、ガラス基板を載せる側の表面における面内方向での熱伝導率が、厚さ方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする焼成処理用セッター。
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