JP4155381B2 - 油圧ショベルのアタッチメント制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルのアタッチメント制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベルは、作業機の先端に装着したバケットを用いて掘削作業を行なうほか、バケットの代わりに油圧ブレーカや圧砕機等の各種アタッチメントを装着して様々な作業を行なう。図1は、油圧ブレーカを装着して破砕作業を行なう油圧ショベルを示している。
油圧ショベル1は、作業機4の先端に油圧ブレーカ10を装着し、破砕対象物(図1の場合は地面)に対しチゼル10bを略垂直に押し当てて破砕作業を行なう。破砕対象物がコンクリートや岩石等の頑強なものの場合、ブームシリンダ11を短縮駆動してブーム8を下げて作業機4で地面に対して突っ張ることにより、下部走行体2の前部を浮かせて、車体重量の一部をチゼル10bに作用させることにより、破砕力を大きく稼いで作業効率を上げている。
【0003】
図4は、従来技術に係る油圧回路を示している。
エンジン20を駆動源として回転する第1の可変容量型油圧ポンプ21(以後、主油圧ポンプ21と呼ぶ)及び第2の可変容量型油圧ポンプ22(以後、副油圧ポンプ22と呼ぶ)の吐出側は、管路23,24にそれぞれ接続されており、管路23,24にはそれぞれリリーフ弁25a,25bが接続されている。
管路23はブーム操作弁26及びアタッチメント操作弁27に接続され、主油圧ポンプ21から吐出される圧油をこれらの操作弁26,27に供給している。ブーム操作弁26は、2次側の管路26A,26Bを介してブームシリンダ11に接続されている。アタッチメント操作弁27は、2次側の管路27Aを介して油圧ブレーカ10に内設されたブレーカシリンダ10aに接続されている。管路27Aには安全弁28が接続されている。また、ブレーカシリンダ10aのドレン側にはフィルター29が接続されている。
管路24は、図示しない操作弁(例えば、旋回操作弁やアーム操作弁等)に接続されている。
【0004】
また、管路24には減圧弁30が接続されており、減圧弁30の2次側の管路31を介してブーム操作レバー32のパイロット弁33、アタッチメント操作ペダル34のパイロット弁35及び図示しないパイロット弁(例えば、旋回操作用のパイロット弁やアーム操作用のパイロット弁等)にパイロット圧を供給している。
パイロット弁33は、減圧部33a,33bを備えている。減圧部33aはパイロット管路36Aを介してブーム操作弁26の操作部26aと接続し、減圧部33bはパイロット管路36Bを介してブーム操作弁26の操作部26bと接続している。図2に示すとおり、減圧部33aはブーム下げ駆動を操作し、減圧部33bはブーム上げ駆動を操作する。
パイロット弁35は、減圧部35a,35bを備えている。減圧部35aはパイロット管路37Aを介してアタッチメント操作弁27の操作部27aと接続し、減圧部35bはパイロット管路37Bを介してアタッチメント操作弁27の操作部27bと接続している。図2に示すとおり、減圧部35aはブレーカ駆動を行なう。
【0005】
パイロット圧を供給する管路31には、コントローラ58からの指令信号により切換えられる電磁切換弁39が接続されている。電磁切換弁39からの出力油圧は、主油圧ポンプ21の吐出側管路23と、副油圧ポンプ22の吐出側管路24とを接続する管路40上に介在する切換弁41に接続され、切換弁41の開閉を切換えている。コントローラ58には合分流切換スイッチ42が接続されており、この合分流切換スイッチ42の切換信号に応じて、コントローラ58は電磁切換弁39に切換信号を出力する。
【0006】
図1のように、ブーム8を下げながら油圧ブレーカ10を駆動する複合操作を行なう場合、ブーム操作レバー32を位置Aに操作すると共に、アタッチメント操作ペダル34をフル操作位置である位置Cに操作する。
ブーム操作レバー32を位置Aに操作すると、パイロット弁33の減圧部33aにより減圧弁30からのパイロット圧は、パイロット管路36Aを介してブーム操作弁26の操作部26aに作用し、ブーム操作弁26は中立位置nから位置aに切換わる。アタッチメント操作ペダル34を位置Cに操作すると、パイロット弁35の減圧部35aにより減圧弁30からのパイロット圧は、パイロット管路37Aを介してアタッチメント操作弁27の操作部27aに作用し、アタッチメント操作弁27は中立位置nから位置aに切換わる。これにより、主油圧ポンプ21から吐出する圧油は、管路26Aを介してブームシリンダ11のヘッド室に供給されブーム8が下がり、管路27Aを介してブレーカシリンダ10aに供給され油圧ブレーカ10が駆動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
すなわち、油圧ブレーカ10には安全弁28が備えられているため、管路27Aの油圧は安全弁28の設定圧以下に抑えられてしまい、アタッチメント操作弁27が位置aに操作されているとき、アタッチメント操作弁27の1次側の管路23の油圧も安全弁28の設定圧により抑えられてしまう。このため、ブームシリンダ11に供給する圧油の油圧も上昇せずに、上部旋回体2の前部を持ち上げるまで作業機4を突っ張っることができない。これにより、車体重量を利用しての破砕作業を行なうことができない。
【0008】
ブーム下げ駆動が可能な場合でも、ブーム下げの抗力が大きくなると、圧油が負荷の軽いブレーカシリンダ10aの方に多く流れてしまい、ブーム8の駆動速度が遅くなる。合分流スイッチ42を切換えて切換弁41を「開」にすることにより、副油圧ポンプ22の吐出油を切換弁41を介して管路23に合流させた場合であっても、流量が増加するためブームの駆動速度は速くなるが、管路23の油圧は上昇しないため、上部旋回体2の前部を持ち上げるまでブーム8を突っ張っることができない。
【0009】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、アタッチメントと作業機を同時操作した場合であっても、アタッチメントの安全弁の設定圧に影響されず、作業機のアクチュエータに高圧の圧油を供給することのできる油圧ショベルのアタッチメント制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、作業機操作手段の操作量に応じたパイロット圧を第1のパイロット管路を介して操作部に受けて切換わり、油圧ポンプからの吐出油を作業機の油圧アクチュエータに供給する第1の操作弁と、アタッチメント操作手段の操作量に応じたパイロット圧を第2のパイロット管路を介して操作部に受けて切換わり、油圧ポンプからの吐出油をアタッチメントの油圧アクチュエータに供給する第2の操作弁とを備えた油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、作業機操作手段が操作されたことを検出する操作検出手段と、第2のパイロット管路に配設された電磁制御弁と、操作検出手段からの信号により作業機操作手段が操作されたことが検出された場合に前記電磁制御弁にパイロット圧を減圧する所定電流値を出力する制御装置とを備えたことを特徴としている。
また、前記制御装置が電磁制御弁に出力する所定電流値が可変であることを特徴としている。
さらに、前記油圧ポンプを主油圧ポンプとし、第1の操作弁及び第2の操作弁の油圧回路を応援する圧油を吐出する少なくとも1つの副油圧ポンプと、主油圧ポンプの吐出側管路と副油圧ポンプの吐出側管路とを接続する管路に配設され、該回路の開閉を切換える切換弁とをさらに備え、前記制御装置は、操作検出手段からの信号により作業機操作手段が操作されたことが検出された場合に、切換弁を「開」にする指令信号を出力することを特徴としている。
【0011】
即ち、作業機操作手段が操作された場合にアタッチメント用の操作弁へのパイロット圧を電磁制御弁で減圧するので、アタッチメント操作手段をフル操作した場合であってもアタッチメント用の操作弁の開口量が絞られる。これにより、アタッチメントに安全弁が設けられていても、アタッチメント用の操作弁の1次側の油圧を、安全弁の設定圧により制限を受けるアタッチメント側の(2次側の)油圧よりも高圧にすることができる。したがって、この高圧になった油圧を作業機用の操作弁を介して作業機の油圧アクチュエータに供給することが可能となり、作業機の駆動力を大きくすることができ作業能力を向上することができる。
また、アタッチメント用の操作弁へのパイロット圧の減圧レベルを可変とすることができるので、安全弁の設定圧が異なる仕様のアタッチメントに対しても、作業機の駆動力を大きくできるようにアタッチメント用の操作弁の開口量を変更できる。すなわち、設定圧仕様の異なるアタッチメントに容易に対応することができる。
さらに、作業機操作手段が操作された場合に、副油圧ポンプの吐出油を合流するので、作業機への油量を確保することができ作業効率を向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
図1は、油圧ショベルによる破砕作業の様子を示す側面図である。
油圧ショベル1は、下部走行体2と、下部走行体2に対して旋回自在に装着された上部旋回体3と、上部旋回体3の前部に装着された作業機4とを有している。作業機4は、上部旋回体3の前部略中央に基端部を上部旋回体3に対して俯仰自在に装着されたブーム8と、ブーム8の先端に基端部を回動自在に装着されたアーム9とを有しており、作業用のアタッチメントとして油圧ブレーカ10がその基端部をアーム9の先端部に回動自在に装着されている。作業機4はさらに、上部旋回体3とブーム8との間に介装されたブームシリンダ11と、ブーム8とアーム9との間に介装されたアームシリンダ12と、アーム9と油圧ブレーカ10との間に介装されたバケットシリンダ13とを有しており、これら油圧シリンダ11,12,13の伸縮駆動により作業機4は駆動される。
【0013】
図2は、本実施形態に係る油圧回路を示している。なお、図4と同一の構成には同一の符号をつけて説明を省略する。
パイロット弁33のブーム下げ側の減圧部33aとブーム操作弁26の操作部26aとを接続するパイロット管路36Aには圧力スイッチ43が装着され、コントローラ38に検出信号を伝えている。
パイロット弁35のブレーカ駆動側の減圧部35aとアタッチメント操作弁27の操作部27aとを接続するパイロット管路37Aには、コントローラ38からの指令信号により駆動する電磁比例制御弁44が装着されている。
コントローラ38には、ブレーカモードのオンオフを切換えるモードスイッチ45と、電磁比例制御弁44への出力電流値を設定する出力設定器46とがさらに接続されている。
作業用アタッチメントとして、バケットや圧砕機等が装着されブレーカモードオフが選択されている場合には、コントローラ38は電磁比例制御弁44が全開となる電流を電磁比例制御弁44に出力している。油圧ブレーカ10が装着されブレーカモードが選択された場合、圧力スイッチ43からの検出信号によりブーム下げ操作が検出されたとき、コントローラ38は出力設定器46に設定された出力電流を電磁比例制御弁44に出力する。
【0014】
次に、上記構成による作動に付いて説明する。
まず、ブームシリンダ11を短縮駆動するときには、ブーム操作レバー32を位置Aに操作すると、減圧弁30からのパイロット圧は管路31を介してパイロット弁33の減圧部33aに導かれ、この減圧部33aの入力ポートと出力ポート間を常時遮断状態に付勢するばね力に抗して、前記減圧部33aの入力ポートと出力ポートとが連通することにより、前記パイロット圧はこの減圧部33aのパイロット管路36Aを介してブーム操作弁26の下げ側操作部26aに作用し、ブーム操作弁26は中立位置nから位置aに切換わる。これにより、主油圧ポンプ21からの吐出油は管路26Aを介してブームシリンダ11のヘッド室に流入する。このため、ブームシリンダ11のボトム室からの戻り油はブーム操作弁26を介してタンクへドレーンし、ブームシリンダ11は短縮駆動する。
ブームシリンダ11を伸長駆動するときには、ブーム操作レバー32を位置Bに操作することにより、上記と同様にしてブームシリンダ11を伸長駆動することができる。また、図示しない操作手段のパイロット弁(例えば、旋回操作用パイロット弁やアーム操作用パイロット弁等)を操作することにより、同様にしてそれぞれに対応する油圧アクチュエータを駆動(伸縮駆動または旋回駆動)することができる。
なお、例えば、ブーム操作レバー32をレバーの中立位置と位置Aとの中間まで操作(ハーフ操作)したときは、管路31からのパイロット圧は減圧部33aによりレバー操作量に応じて減圧され、パイロット管路36Aを介してブーム操作弁26の下げ側操作部26aに作用し、ブーム操作弁26はレバー操作量に応じて中立位置nと位置aとの中間位置に切換わり、管路26Aへの圧油が絞られ流量が減少するので、ブーム8はレバー操作量に応じた駆動速度となる。
【0015】
油圧ブレーカ10を駆動するときにも、アタッチメント操作ペダル34をフル操作位置である図中の位置Cに操作することにより、上記と同様に、パイロット圧は減圧部35aのパイロット管路37Aを介してアタッチメント操作弁27の操作部27aに作用し、アタッチメント操作弁27は中立位置nから位置aに切換わる。(ブーム操作レバー32が中立位置であり圧力スイッチ43がオフであるため、コントローラ38は電磁比例制御弁44に全開指令電流を出力しているので、電磁比例制御弁44によるパイロット圧の減圧はなされていない。)これにより、主油圧ポンプ21から吐出する圧油は管路27Aを介してブレーカシリンダ10aに供給され油圧ブレーカ10が駆動する。このとき、安全弁28の作用により、管路27Aの油圧は安全弁28の設定圧以下に制限されている。
本実施形態における作業用アタッチメントの油圧ブレーカ10は、単方向流れの単動アクチュエータであるので、アタッチメント操作弁27の中立位置n及び位置aの切換のみで駆動可能で、アタッチメント操作弁27の位置bへの切換は不要である。このため、アタッチメントとして油圧ブレーカ10を作業機4に装着する場合には、アタッチメント操作ペダル34が図中の矢印D方向に傾動しないように、アタッチメント操作ペダル34にストッパ47を設けている。
【0016】
つぎに、ブーム下げ駆動とブレーカ駆動との複合操作での作動に付いて説明する。
油圧ブレーカ10を用いて地面の破砕作業を行なう場合、油圧ブレーカ10単独の破砕力では不十分な場合に破砕力を大きくするため、図1に示すように、ブーム8を下げ方向に駆動して下部走行体2の前部が浮き上がるまで突っ張り、油圧ショベル1の車体重量の一部を油圧ブレーカ10のチゼル10bを介して地面に加えることにより、破砕力をアップして作業を行なう。すなわち、ブーム下げ駆動とブレーカ駆動との複合操作である。
【0017】
ブレーカモードにてブーム操作レバー32をブーム下げの位置Aまで操作すると同時に、アタッチメント操作ペダル34を位置Cまで操作した場合、パイロット弁33の減圧部33aからのパイロット圧により、ブーム操作弁26は中立位置nから位置aに切換わる。また、パイロット弁33の減圧部33aからのパイロット圧により、パイロット管路36Aに装着された圧力スイッチ43がオンとなり、ブーム8の下げ操作が行なわれたことが検出される。コントローラ38は、ブレーカーモードにおいてブーム下げ操作が行なわれている場合には、出力設定器46の設定値に応じた指令電流値を電磁比例制御弁44に出力する。このため、アタッチメント操作ペダル34の操作により、パイロット弁35の減圧部35aからのパイロット圧は、このパイロット圧を導くパイロット管路37Aに装着された電磁比例制御弁44により減圧されてアタッチメント操作弁27の操作部27aに作用し、アタッチメント操作弁27は中立位置nと位置aとの中間位置に切換わる。すなわち、電磁比例制御弁44によりパイロット圧を減圧されることにより、アタッチメント操作弁27の開口量は絞られる。
主油圧ポンプ21から吐出する圧油は、アタッチメント操作弁27により減圧されて管路27Aを介してブレーカシリンダ10aに供給され油圧ブレーカ10が駆動する。このとき、管路27Aの油圧は安全弁28により制限されているが、アタッチメント操作弁27の1次側の管路23の油圧は、アタッチメント操作弁27の絞り効果により管路27Aの油圧より高くすることができる。
【0018】
このため、安全弁28に影響されることなく、主油圧ポンプ21から吐出する圧油を安全弁28の設定圧力よりも高圧にしてブーム操作弁26を介してブームシリンダ11に供給することができる。これにより、ブームシリンダ11の駆動力は大きくなり、ブーム8を下げ方向に駆動して下部走行体2の前部が浮き上がるまで突っ張ることができ、車体重量を利用した大きな破砕力を得ることができる。
また、アタッチメント操作弁27の絞り効果により、油圧ブレーカ10への圧油の流量を減らしブームシリンダ11への圧油の流量を増加できるので、ブーム8の駆動速度を確保できる。
また、従来のようなアタッチメント操作ペダル34のハーフ操作をする必要がなく、フル操作でよいので操作が簡単になる。
【0019】
上記実施形態は、ブーム8と油圧ブレーカ10とを主油圧ポンプ21からの吐出油のみによって駆動する例であるが、コントローラ38は、圧力スイッチ43からの信号によりブーム下げ操作が検出された場合に、電磁切換弁39に「合流」指令電流を送信するように設定することが可能で、これにより電磁切換弁39を切換え、切換弁41を「開」にすることにより、副油圧ポンプからの吐出油を管路23に供給することが可能となる。これにより、ブレーカモードにおいてブーム下げと駆動とブレーカ駆動とを同時に行なった場合でも、ブームシリンダ11への圧油の流量をさらに十分確保でき、作業効率を上げることができる。
出力設定器46を設けて電磁比例制御弁44への指令電流値を可変としているので、ブレーカ10の仕様により安全弁28の設定圧が異なっていても、油圧ブレーカ10側とブームシリンダ11側との圧油の流量バランスや、操作弁26,27の1次側の管路23の油圧が、好適な値となるようなアタッチメント操作弁27の開口量が得られる電磁比例制御弁44への指令電流値を設定することが可能である。これにより、油圧ブレーカ10の仕様が異なっていても、それに対応して流量バランスが良く、ブームシリンダ11の駆動力の大きいブレーカ作業装置を得ることができる。
【0020】
アタッチメントとして圧砕機や掴み機等を装着して作業を行なう場合には、モードスイッチ45によりブレーカモードをオフとすることにより、ブーム下げ操作を行なっても、コントローラ38からは減圧の指令電流が電磁比例制御弁44に出力されず電磁比例制御弁44は全開となるので、パイロット弁35からのパイロット圧は減圧されることなくアタッチメント操作弁27に作用し、通常どおりの作業を行なえる。
【0021】
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではない。
例えば、実施形態においては、ブーム下げ操作のときにアタッチメント操作弁27へのパイロット圧を減圧する例にて説明したが、図3に示すように車体正面の壁面に対して略水平方向に破砕作業を行なう場合にも適用することができる。この場合、アームシリンダ12を伸長する駆動力を大きく確保して破砕能力をアップするため、アームシリンダ12の伸長操作が検出された場合に、アタッチメント操作弁27へのパイロット圧を減圧するように構成すればよい。
また、油圧ポンプを2つ備えたシステムの例で説明したが、油圧ポンプを1つのみ備えたシステムに適用してもかまわないし、主油圧ポンプと複数の副油圧ポンプとを備えたシステムに適用できるのは勿論である。
油圧回路も、実施形態に限定されず、切換弁41を電磁式のものに置き換えてもよいし、また、減圧弁30によりパイロット圧を得たが、パイロットポンプを用いてもよい。
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、ブーム下げ操作が行なわれた場合に、アタッチメント操作弁へのパイロット圧をパイロット管路に設けられた電磁比例制御弁により減圧するので、アタッチメント操作ペダルをフル操作した場合であってもアタッチメント操作弁の開口量が絞られる。このため、油圧ブレーカに備えられた安全弁の設定圧制限されることなく、アタッチメント操作弁の1次側油圧を高圧にすることができ、この高圧の油圧によりブームシリンダを駆動することができる。これにより、ブームシリンダの駆動力を大きくできるので、ブームを下げ方向に駆動して車体の前部が浮き上がるまで突っ張ることができ、車体重量を利用した大きな破砕力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】破砕作業を行なう油圧ショベルの様子を示す側面図である。
【図2】実施形態に係わる油圧回路図である。
【図3】別形態の破砕作業を行なう油圧ショベルの様子を示す側面図である。
【図4】従来技術の油圧回路図である。
【符号の説明】
1…油圧ショベル、2…下部走行体、4…作業機、8…ブーム、9…アーム、10…油圧ブレーカ、10a…ブレーカシリンダ、11…ブームシリンダ、12…アームシリンダ、21,22…油圧ポンプ、23,24,26A,26B,27A,31,40…管路、26…ブーム操作弁、26a,26b,27a,27b…操作部、27…アタッチメント操作弁、28…安全弁、32…ブーム操作レバー、33,35…パイロット弁、34…アタッチメント操作ペダル、36A,36B,37A,37B…パイロット管路、38…コントローラ、41…切換弁、43…圧力スイッチ、44…電磁比例制御弁、46…出力設定器。
Claims (3)
- 作業機操作手段の操作量に応じたパイロット圧を第1のパイロット管路を介して操作部に受けて切換わり、油圧ポンプからの吐出油を作業機の油圧アクチュエータに供給する第1の操作弁と、
アタッチメント操作手段の操作量に応じたパイロット圧を第2のパイロット管路を介して操作部に受けて切換わり、油圧ポンプからの吐出油をアタッチメントの油圧アクチュエータに供給する第2の操作弁とを備えた油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、
作業機操作手段が操作されたことを検出する操作検出手段と、
第2のパイロット管路に配設された電磁制御弁と、
操作検出手段からの信号により作業機操作手段が操作されたことが検出された場合に前記電磁制御弁にパイロット圧を減圧する所定電流値を出力する制御装置とを備えたことを特徴とする油圧ショベルのアタッチメント制御装置。 - 請求項1記載の油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、
前記制御装置が電磁制御弁に出力する所定電流値が可変であることを特徴とする油圧ショベルのアタッチメント制御装置。 - 請求項1記載の油圧ショベルのアタッチメント制御装置において、
前記油圧ポンプを主油圧ポンプとし、
第1の操作弁及び第2の操作弁の油圧回路を応援する圧油を吐出する少なくとも1つの副油圧ポンプと、
主油圧ポンプの吐出側管路と副油圧ポンプの吐出側管路とを接続する管路に配設され、該回路の開閉を切換える切換弁とをさらに備え、
前記制御装置は、操作検出手段からの信号により作業機操作手段が操作されたことが検出された場合に、切換弁を「開」にする指令信号を出力することを特徴とする油圧ショベルのアタッチメント制御装置。
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