JP4154116B2 - 色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成装置並びに色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents

色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成装置並びに色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージスキャナ等の色入力機器から出力された色信号(例えばRGB信号)と、その色入力機器の色空間とは異なる色空間の色信号(例えばL*a*b*信号)とを対応させる色変換テーブルを作成する方法および装置、並びに、色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、色空間とは、色を表現する座標系のことである。色空間には様々なものがあり、カラープリンタ(色出力機器)やイメージスキャナ(色入力機器)などは、それぞれ、CMY(シアン,マゼンタ,イエロー)やRGB(赤,緑,青)といったデバイスに依存した色空間(デバイス依存色空間)を有している。色信号値の最小値および最大値がそれぞれ0および255であるカラープリンタの出力色を例にとれば、CMYの各色信号値が0から255の範囲で出力色を表現する。
【0003】
このようなデバイスに依存した色空間のほか、デバイスに依存しない色空間(デバイス独立色空間)であるL*a*b*やXYZなども広く用いられている。デバイスに依存しない色空間は、絶対的な色を表現することができるので、異なるデバイスの色空間の間で色変換を行なう際、デバイス依存色空間の間における中間的な色空間として用いられている。ここで、色変換とは、ある色空間で表現されている色信号値を、異なる色空間で表現される色信号値に変換することをいう。
【0004】
例えば、カラー原稿の色の見えと、そのカラー原稿をカラースキャナで読み込んで得られたRGB画像をカラープリンタによって出力した印刷物の色の見えとを一致させるには、以下の手順(1),(2)で色変換を行なう。
(1)イメージスキャナにより得られたRGB画像を例えばL*a*b*形式で表現された画像に色変換する。
(2)(1)で得られたL*a*b*画像をカラープリンタ用のCMYデータに変換し、そのCMYデータに基づいてカラープリンタが出力を行なう。
【0005】
上述した各手順(1),(2)における色変換に際して、色変換テーブル(プロファイル)が使用される。色変換テーブルには、異なる色空間どうしの対応関係が登録されており、色変換に際しては、これらの対応関係が用いられる。色変換テーブルに登録されている色を変換する場合には、色変換テーブルを参照し、その色について登録されている対応関係を読み出して色変換を行なうが、色変換テーブルに登録されていない色を変換する場合には、色変換テーブルに登録されているデータに基づいて補間処理を行ない、所望の色の変換を行なう。
【0006】
イメージスキャナ等の色入力機器の入力特性を示す色変換テーブル(プロファイル)は、例えば表1を参照しながら後述するごとく、RGB表色系における座標を示す色信号値(RGB値)とL*a*b*色空間における色度座標値(L*a*b*値)との対を、約5000組、集めて構成されている。
このような色変換テーブルを用いて色変換を行なう場合、色変換テーブル作成の手間を削減することや、精度良く色変換を行なえる色変換テーブルを作成することなどが重要なポイントとなる。
【0007】
なお、本発明は、イメージスキャナ等の色入力機器の入力特性を示す色変換テーブルの作成を対象としているので、以下、イメージスキャナの色変換テーブルの作成について説明する。
イメージスキャナの色変換テーブル作成する場合、まず、対象となるイメージスキャナを用いて、ISOによって規定された標準色票を読み込み、この標準色票上の各色領域からの三原色成分についての反射光強度を示す色信号を得る。
【0008】
ついで、測色器などを用いて、上述した標準色票上の各色領域における絶対色を示す色度座標値を計測し、これらの色度座標と該当する色領域に対応する色信号値とを対応付けることにより、色変換テーブルの基礎となる対応関係を得る。
その後、この基礎となる対応関係に基づいて補間演算処理を行なうことにより、RGB空間において均一に分布する格子点に相当する色信号値と、この色信号値に対応すべき絶対色をL*a*b*色空間における色度座標値との対応関係を求めている。
【0009】
つまり、標準色票上に表現された例えば288色について上述したような計測作業を行ない、その計測作業により得られた288組の対応関係に基づいて、補間演算処理を行ない、5000組の対応関係を作成している。
上述した補間演算処理に関する技術としては、例えば特開平7−307872号公報に開示された技術がある。同公報では、非格子形状の色空間で補間を行なう方式として、距離の4乗に反比例した重みで補間を行なうシェパード方式が従来技術として挙げられ、この方式で生じるスカラッピング(scalloping:扇形切り欠き)という問題を解決している。
【0010】
スカラッピングについて単純化した例が特開平7−307872号公報の図1に示されている。この図1に示すように、測定によりベクトルA,B,C,D,Eが得られている時に、ベクトルAとBとの間に存在する新しいベクトルFは、シェパード方式で重み付けを行なった全てのベクトルA,B,C,D,Eを平均化することで得られる。その結果、補間されたベクトルFは、このベクトルFから少し離れているベクトルC,D,Eが寄与しているために、ベクトルA,Bに基づいて予想された点線で示すベクトルとは異なるものとなってしまう。このような現象をスカラッピングという。このようなスカラッピングは、格子間隔の狭い色変換テーブルを用いることでかなり回避することができる。
【0011】
そこで、上記公報に開示された技術では、色変換テーブルを構成する対応関係を線形補間によって増やし、増やした対応関係を登録して、構成数の多い(間隔の短い)色変換テーブルを作成している。このようにして、実際の測定数よりも多い数の対応関係を登録された色変換テーブルを提供することができるので、変換テーブル作成の手間が削減され、且つ、スカラッピングの影響が回避されて精度良く色変換を行なうことが可能である。
【0012】
一方、測定結果として得られた対応関係に基づいて、イメージスキャナの分光特性を推定し、得られた分光特性を利用して、色変換テーブルを構成する対応関係を得る手法も提案されている。イメージスキャナなどの色入力装置による入力特性を推定する技術としては、例えば特開平6−46252号公報に開示された技術がある。同公報では、最小二乗法を用いて、測定値に基づいて導いた連立方程式を解くことにより、分光特性を推定する手法などが提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基本となる対応関係を補間して色変換テーブルを作成する場合(特開平7−307872号公報)においても、測定結果から推定した分光特性に基づいて色変換テーブルを作成する場合(特開平6−46252号公報)においても、多数の色サンプルの色を測定する作業や、対象となる色入力機器によって多数の色サンプルを読み取る作業が必要であることには変わりはない。
【0014】
特に、特開平7−307872号公報に開示された技術では、前述のごとく線形補間により対応関係を増やせば、スカラッピングの問題は低減される。しかし、元の対応関係に対し線形補間を行なっているため、元の対応関係が少ないと、精度良く対応関係を増やすことができない。つまり、精度良く色変換を行なえる色変換テーブルを作成するには、基礎となる対応関係をある程度の数(数百色分)だけ用意しておく必要があるが、その基礎となる対応関係を用意するには原稿を色入力機器で読み取って出力された色信号値と、その色入力機器の色空間とは異なる色空間での色信号値とを数百種類分測定する必要があるため、かなり手間がかかってしまう。
【0015】
そこで、色入力機器の推定分光特性を用いることで、色票を色入力機器で読み込んで得られた画像色信号値(RGB値)と分光反射率の主成分ベクトルに対する3つの重みとを1対1で対応させることを可能にして、画像色信号値から、その色票の分光反射率や共通色信号値(L*a*b*値,XYZ値等)を算出できるようにした技術(国際出願番号PCT/JP99/06447の出願において開示された技術)も提案されている。また、この技術を用いれば、カラーパッチ数(色票上の色領域の数)が数十色と少なくても分光特性を推定することができるので、結果として、少ないカラーパッチ数で色変換テーブルを作成することができ、色変換テーブル作成の際に掛かる手間を大幅に削減することができる。
【0016】
しかし、色票上のカラーパッチ(色領域)の持つ分光反射率は様々な形を有しているため、色空間全体に分布する多数の対応関係を求める際に、分光反射率の3つの主成分ベクトルに対する重みとして単純に1種類のものだけを用いると、つまり、全色空間について同一の色変換式を用い分光反射率を3つの主成分ベクトルの線形和として求めると、一部の領域に色変換精度が極度に悪くなる場合があり分光反射率を正確に表現しきれず、その結果として色変換テーブルの精度が悪化するという課題があった。
【0017】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、簡易な手法で色信号の対応関係を精度良く得られるようにして、手間をかけることなく、精度良く色変換を行なえる色変換テーブルを作成することのできる、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成装置並びに色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明の色変換テーブル作成方法(請求項1)は、色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを作成する方法であって、該変換先色空間の全体を分割して得られる複数の領域を、予め定義しておく分割ステップと、色票上の複数種の色領域を該色入力機器で読み込み、各色領域に対応する、該変換元色空間での色信号を該色入力機器から出力する読込ステップと、該複数種の色領域を測色器で測色し、各色領域に対応する分光反射率を該測色器から出力する測色ステップと、該分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が該色変換先色空間において該複数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類ステップと、該読込ステップで該色入力機器から出力された該色信号と該測色ステップで該測色器から出力された該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定ステップと、該分割ステップで定義された該複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成ステップとを有し、該色変換テーブル作成ステップが、該分類ステップで分類された該分光反射率と該分光特性推定ステップで推定された前記分光特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成しながら、各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を複数作成する対応関係作成ステップと、該対応関係作成ステップにおいて該対応関係を複数作成する際に各色変換式により該変換元色空間の一の色信号を変換した色変換結果が、各色変換式に対応した該領域に属している場合に、該色変換結果は正しいものと判断する判断ステップと、該判断ステップで正しいと判断された該色変換結果に基づいて該色変換テーブルを作成する作成処理ステップとを有するとともに、該対応関係作成ステップにおいて、該分類ステップで分類された分光反射率群毎に当該分光反射率群に対して特異値分解を施すことにより算出された複数の主成分ベクトルと、該分光特性推定ステップで推定された前記分光特性とに基づいて、該変換元色空間における色信号値を代入することにより該複数の主成分ベクトルのそれぞれについての複数の重み係数を算出する第1式を、該色変換式として該変換先色空間での前記領域毎に作成し、該変換元色空間における色信号値毎に該第1式によって算出された該複数の重み係数をそれぞれ該複数の主成分ベクトルに乗算しその線形和を求めることによって当該色信号値に対応した分光反射率を前記領域毎に算出する第2式を、該色変換式として作成し、該第2式によって前記領域毎に算出された該分光反射率を該変換先色空間における色信号に変換する第3式を、該色変換式として作成し、これらの第1式,第2式および第3式を用いて該変換元色空間の一の色信号を該変換先色空間の色信号に変換することにより、当該一の色信号について、該分類ステップで分類された複数の分光反射率群のそれぞれに対応する複数の該対応関係を作成することを特徴としている。
【0021】
一方、本発明の色変換テーブル作成装置(請求項)は、色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを作成するものであって、色票上の複数種の色領域を該色入力機器により読み込んで得られた、各色領域に対応する、該変換元色空間での色信号を入力する入力部と、該複数種の色領域を測色し、各色領域に対応する分光反射率を得る測色器と、該分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が該色変換先色空間において該複数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類部と、該入力部から入力された該色信号と該測色器により得られた該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定部と、該変換先色空間を分割して得られる複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成部をそなえ、該色変換テーブル作成部が、該分類部により分類された該分光反射率と該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成しながら、各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を複数作成する対応関係作成部と、該対応関係作成部において該対応関係を複数作成する際に各色変換式により該変換元色空間の一の色信号を変換した色変換結果が、各色変換式に対応した該領域に属している場合に、該色変換結果は正しいものと判断する判断部と、該判断部により正しいと判断された該色変換結果に基づいて該色変換テーブルを作成する作成処理部とをそなえるとともに、該対応関係作成部が、該分類部により分類された分光反射率群毎に当該分光反射率群に対して特異値分解を施すことにより算出された複数の主成分ベクトルと、該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換元色空間における色信号値を代入することにより該複数の主成分ベクトルのそれぞれについての複数の重み係数を算出する第1式を、該色変換式として該変換先色空間での前記領域毎に作成し、該変換元色空間における色信号値毎に該第1式によって算出された該複数の重み係数をそれぞれ該複数の主成分ベクトルに乗算しその線形和を求めることによって当該色信号値に対応した分光反射率を前記領域毎に算出する第2式を、該色変換式として作成し、該第2式によって前記領域毎に算出された該分光反射率を該変換先色空間における色信号に変換する第3式を、該色変換式として作成し、これらの第1式,第2式および第3式を用いて該変換元色空間の一の色信号を該変換先色空間の色信号に変換することにより、当該一の色信号について、該分類部により分類された複数の分光反射率群のそれぞれに対応する複数の該対応関係を作成することを特徴としている。
【0022】
また、本発明のコンピュータ読取可能な記録媒体(請求項)は、色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを、色票上の複数種の色領域を該色入力機器により読み込んで得られた、各色領域に対応する、該変換元色空間での色信号であって入力部から入力される色信号と、測色器により該複数種の色領域を測色して得られる各色領域に対応する分光反射率とに基づいて作成する機能をコンピュータにより実現させるための色変換テーブル作成プログラムを記録したものであって、該色変換テーブル作成プログラムが、該分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が該色変換先色空間において該複数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類部、該入力部から入力された該色信号と該測色器により得られた該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定部、および、該変換先色空間を分割して得られる複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成部として、該コンピュータを機能させ、該色変換テーブル作成プログラムが該コンピュータを該色変換テーブル作成部として機能させる際に、該色変換テーブル作成プログラムが、該分類部により分類された該分光反射率と該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成しながら、各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を複数作成する対応関係作成部、該対応関係作成部において該対応関係を複数作成する際に各色変換式により該変換元色空間の一の色信号を変換した色変換結果が、各色変換式に対応した該領域に属している場合に、該色変換結果は正しいものと判断する判断部、および、該判断部により正しいと判断された該色変換結果に基づいて該色変換テーブルを作成する作成処理部として、該コンピュータをさらに機能させるとともに、該色変換テーブル作成プログラムが該コンピュータを該対応関係作成部として機能させる際に、色変換テーブル作成プログラムが、該コンピュータに、該分類部により分類された分光反射率群毎に当該分光反射率群に対して特異値分解を施すことにより算出された複数の主成分ベクトルと、該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換元色空間における色信号値を代入することにより該複数の主成分ベクトルのそれぞれについての複数の重み係数を算出する第1式を、該色変換式として該変換先色空間での前記領域毎に作成させ、該変換元色空間における色信号値毎に該第1式によって算出された該複数の重み係数をそれぞれ該複数の主成分ベクトルに乗算しその線形和を求めることによって当該色信号値に対応した分光反射率を前記領域毎に算出する第2式を、該色変換式として作成させ、該第2式によって前記領域毎に算出された該分光反射率を該変換先色空間における色信号に変換する第3式を、該色変換式として作成させ、これらの第1式,第2式および第3式を用いて該変換元色空間の一の色信号を該変換先色空間の色信号に変換することにより、当該一の色信号について、該分類部により分類された複数の分光反射率群のそれぞれに対応する複数の該対応関係を作成させることを特徴としている。
【0023】
上述の構成により、色入力機器の色変換テーブルの作成に際して、変換先色空間の分割領域に応じた色変換式(つまり分割領域毎に異なる色変換式)を用いることにより、色空間全体に亘る対応関係を精度良く算出することが可能になる。
【0024】
このとき、分割領域毎に算出した、分光反射率に対する主成分ベクトルは、その各分割領域に存在する分光反射率に対する寄与率が高い。そこで、色票上の複数種の色領域を測色して得られた分光反射率を分割領域毎に分類し、分類された分光反射率と色入力機器についての推定分光特性とに基づき、各分割領域に応じた色変換式を用いて対応関係を算出することで、色空間全体から算出した、分光反射率に対する主成分ベクトルを用いるよりも精度良く対応関係を算出することが可能になる。
【0025】
また、一の色信号について複数の色変換式により複数組の対応関係を作成し、その複数組の対応関係に基づいて色変換テーブルが作成されるので、その複数組の対応関係を考慮しながら、より精度の高い対応関係を算出することが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕本実施形態の構成の説明
図1は本発明の一実施形態としての色変換テーブル作成装置の機能構成を示すブロック図、図2は本発明の一実施形態としての色変換テーブル作成方法を実現するためのコンピュータシステム(色変換テーブル作成装置)のハードウェア構成を示すブロック図である。また、図3はRGB空間とL*a*b*空間との対応関係を示す図、図4(A)〜図4(C)は、いずれも、本実施形態における色相角に応じた領域分割例を説明するための図(a*b*平面)である。
【0027】
図1および図2に示す本実施形態のコンピュータシステム(パーソナルコンピュータ:PC)1は、色入力機器としてのイメージスキャナ60の色空間(変換元色空間:本実施形態ではRGB空間)とデバイスに依存しない色空間(変換先色空間:本実施形態ではL*a*b*空間)との対応関係を示す色変換テーブルを作成する装置として機能するものである。この色変換テーブルにより、イメージスキャナ60から出力されたRGB信号と、L*a*b*空間におけるとを対応させることができる。
【0028】
通常、色入力機器用の色変換テーブルは、5000(〜30000)程度の色の対応関係を格納している。本実施形態では、例えば下記表1に示すごとく、RGB各色について17段階の値を有するRGB空間(17×17×17個の格子点を有するRGB空間)における格子状の色変換テーブルを作成する場合について説明する。ここで、L*a*b*値の範囲は、例えば、−100≦L*≦100,−100≦a*≦100,−100≦b*≦100とする。
【0029】
【表1】
Figure 0004154116
【0030】
RGB空間における格子状の色変換テーブルとは、RGB空間で格子状に分布する色(格子点の色)の信号値とその色のL*a*b*空間での色信号値との対応関係、つまり、色原稿をイメージスキャナで読み込んで出力されたRGB値と、その色原稿のL*a*b*測色値との対応関係を示すものである。この色変換テーブルには、RGB値として、例えば表1のように規則的に増加するような「格子状のRGB値データセット」が格納されている。
【0031】
RGB値はRGB空間内において格子状に分布するが、RGB空間とL*a*b*空間との間に線形な関係はないため、RGB値をL*a*b*値に変換して得られるL*a*b*空間内での点は格子状に分布せず、その分布は歪んだものとなる。このようなRGB空間とL*a*b*空間との対応関係を二次元上で概念的に示した図が図3である。
【0032】
なお、本実施形態では、変換先色空間が、人が見た際の色の差とその色空間での色の距離とがほぼ均等であるような、均等色空間(CIELAB,CIELUV,CIECAMなど)で、特にL*a*b*空間である場合について説明している。
L*a*b*空間は、CIE(国際照明委員会)により定められた色空間であり、空間内の距離が、人間が感じる色の見えの差を表している。即ち、L*a*b*空間内のどのような色に対しても、そのL*a*b*空間内の距離を、色変換のための重み係数として用いることができる。これに対し、XYZ表色系(xy色度図)やマンセル表色系では、距離と色の見えの差とが対応していないため、色空間内の距離を色変換のための重み係数として用いることができない。ただし、L*a*b*空間以外にもL*u*v*空間やCIECAM空間など、L*a*b*空間と同様に距離と色の見えの差が等しい座標系があるため、これらを用いてもよい。
【0033】
さて、図2に示すように、コンピュータシステム1においては、CPU10とこのCPU10に接続されるバスライン50とがそなえられている。バスライン50には、メモリ(ROM,RAM)20が接続されるとともに、入出力インタフェース51を介してディスプレイ(例えばCRT,LCD,PDP等)30,キーボード40およびマウス41が接続されている。
【0034】
ここで、ディスプレイ30は、CPU10によってその表示状態を制御され、色変換テーブルの作成にかかる各種情報を表示するものである。また、キーボード40およびマウス41は、ディスプレイ30における画面を参照したオペレータ(ユーザ)によって操作され、CPU10(コンピュータシステム1)に対して各種指示や各種情報を入力するものである。
【0035】
メモリ20には、図1に示す分光特性推定部11,分光反射率分類部12,色変換テーブル作成部14およびRGB空間格子点信号値出力部15からなる色変換テーブル作成装置を実現するためのアプリケーションプログラム(色信号値抽出プログラム)21が格納されている。
【0036】
そして、CPU10がバスライン50を介してメモリ20から上記アプリケーションプログラム21を読み出して実行することにより、分光特性推定部11,分光反射率分類部12,色変換テーブル作成部14およびRGB空間格子点信号値出力部15としての機能(その詳細については後述)、つまりは、本発明の色変換テーブル作成装置としての機能が実現され、本発明の色変換テーブル作成方法が実行されるようになっている。
【0037】
上述したアプリケーションプログラム21は、例えばフレキシブルディスク,CD−ROM等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、コンピュータシステム1はその記録媒体からプログラム21を読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラム21を、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介してコンピュータシステム1に提供するようにしてもよい。
【0038】
分光特性推定部11,分光反射率分類部12,色変換テーブル作成部14およびRGB空間格子点信号値出力部15としての機能を実現する際には、内部記憶装置(本実施形態ではメモリ20)に格納されたプログラム21がコンピュータのマイクロプロセッサ(本実施形態ではCPU10)によって実行される。このとき、記録媒体に記録されたプログラム21をコンピュータシステム1が直接読み取って実行するようにしてもよい。
【0039】
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。
【0040】
アプリケーションプログラム21は、このようなコンピュータ(コンピュータシステム1)に分光特性推定部11,分光反射率分類部12,色変換テーブル作成部14およびRGB空間格子点信号値出力部15としての機能を実現させるためのプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラム21ではなくオペレーションシステムによって実現されてもよい。
【0041】
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD−ROM,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することができる。
【0042】
一方、図1および図2に示すコンピュータシステム1においては、イメージスキャナ(色入力機器)60および測色器70が、入出力インタフェース52を介してバス50に接続されている。
本実施形態のコンピュータシステム1は、イメージスキャナ60による色票100(図1参照)の読取結果と、測色器70による色票100の測色結果とに基づいて、イメージスキャナ60用の色変換テーブルを作成する。
【0043】
このとき、入出力インタフェース52は、色票100上の数十種の色領域をイメージスキャナ60により読み込んで得られた、各色領域に対応するRGB信号や、各色領域についての測色器70による測色結果(後述する分光反射率およびL*a*b*値)を、コンピュータシステム1に入力する入力部として機能することになる。この入出力インタフェース52から入力されたRGB信号や測色結果は、メモリ20に一時的に格納されるようになっている。
【0044】
測色器70は、前述した通り、色入力機器用色変換テーブル作成時に色票の各色領域を測色するために用いられ、380〜730nmの分光反射率を10nm分解能で出力するものである。このとき出力される分光反射率は、最大値を1.0として正規化されている。
【0045】
また、本実施形態の測色器70は、分光反射率を測定・出力する機能のほか、その分光反射率をL*a*b*値に変換して出力する機能も有しているものとする。L*a*b*値は、後述するごとくCPU10(分光反射率分類部12)により分光反射率の分類を行なう際に必要になるものである。
なお、本実施形態では、分光反射率に対応するL*a*b*値を、測色器70で得ているが、CPU10(分光反射率分類部12)において測色器70からの分光反射率を変換して算出するように構成してもよい。
【0046】
色票100は、少なくとも数十種程度のカラーパッチ(色領域)を有するものである。なお、色票100としては、ANSI(American National Standards Institute:アメリカ規格協会)規格の入力カラーターゲット(ANSI/IT8.7/2)などを用いてもよい。
【0047】
この場合、その入力カラーターゲットは、264色の有彩色パッチからなるカラーパッチ領域と、24段階の異なる階調レベルの無彩色パッチからなるグレイパッチ領域(グレイスケール)とを有しているので、本実施形態では、これらの色領域の中から適当な数十種の色領域を指定し、指定された色領域について、イメージスキャナ60による読込や測色器70による測色を行なうことになる。
【0048】
さらに、メモリ20には、前述したアプリケーションプログラム(色変換テーブル作成プログラム)21や、CPU10により作成された色変換テーブル22が格納される。
また、図1を参照しながら後述するごとく、メモリ20は、色変換テーブル22を作成する際のワーキングメモリとしても機能するもので、このメモリ20には、イメージスキャナ60からのRGB信号,測色器70からの分光反射率(L*a*b*値),分光特性,分類情報,対応関係1〜3等が格納される。
【0049】
さて、次に、CPU10により実現される各種機能(分光特性推定部11,分光反射率分類部12,色変換テーブル作成部14およびRGB空間格子点信号値出力部15としての機能)について、詳細に説明する。
分光特性推定部11は、同一の色票100(同一のカラーパッチ)についてイメージスキャナ60および測色器70によりそれぞれ得られたRGB信号および分光反射率をメモリ20から読み出し、これらのRGB信号および分光反射率に基づいて、イメージスキャナ60の分光特性を推定するものである。この分光特性の推定は(1)〜(10)式を参照しながら後述する手法によって行なわれる。
【0050】
分光反射率分類部12は、測色器70によって得られた各分光反射率に対応するL*a*b*値(L*a*b*空間での色信号)がL*a*b*空間におけるどの領域に属するかを判断し、測色器70によって得られた、数十種のカラーパッチについての分光反射率を、属する領域に応じてグループに分類するものである。その分類結果は、分類情報としてメモリ20に出力されて格納されるようになっている。
【0051】
このとき、本実施形態では、L*a*b*空間の全体を分割して得られる3つの領域1,領域2および領域3が、予め定義され設定されている(分割ステップ)。これらの3つの領域(以下、分割領域という場合がある)1〜3は、例えば図4(A)〜図4(C)にそれぞれ示すごとく、L*a*b*空間を、色相角に応じた境界(実際にはL*軸に平行な境界面)B1,B2およびB3により区分けして得られたものである。
【0052】
図4(A)に示すように、領域1は、一次色C(シアン)の色相角210度を中心とした120度の範囲の領域であり、図4(B)に示すように、領域2は、一次色M(マゼンタ)の色相角330度を中心とした120度の範囲の領域であり、図4(C)に示すように、領域3は、一次色Y(イエロー)の色相角90度を中心とした120度の範囲の領域である。
【0053】
また、領域1〜3には、これらの領域1〜3を相互に重複させるべく、それぞれ図4(A)〜図4(C)に示すような幅d(一定)の領域が付加・形成されている。このような領域を形成することにより、図9〜図12に示すような重複領域、即ち、領域1〜3が重複する領域と、領域1と領域2とが重複する幅2dの領域と、領域2と領域3とが重複する幅2dの領域と、領域3と領域1とが重複する幅2dの領域とが形成されるようになっている。
【0054】
色変換テーブル作成部14は、前述した3つの領域1〜3にそれぞれ対応した色変換式を用いて、色変換テーブル22を作成するもので、対応関係作成部141,判断部142および作成処理部143を有して構成されている。また、RGB空間格子点信号値出力部15は、上記表1を参照しながら説明したような、RGB空間で格子状に分布する色の信号値(格子点信号値)を生成して色変換テーブル作成部14(対応関係作成141)へ出力するものである。
【0055】
ここで、対応関係作成部141は、分光反射率分類部12により分類された各分光反射率群や、分光特性推定部12により推定されたイメージスキャナ60の分光特性に基づいて、L*a*b*空間での領域毎に色変換式を作成し、3種類の色変換式のそれぞれを用いて、RGB空間格子点信号値出力部15からのRGB値(変換元色空間における色信号)と、L*a*b*値(変換先色空間における色信号)との対応関係を作成するものである。
【0056】
なお、色変換式は、対応関係作成部141において、対応関係を作成するのに伴い、(11)〜(16)式を参照しながら後述する手法で作成されるものであり、RGB値をL*a*b*値に変換する色変換式は、実際には、(14)〜(16)式と、XYZ値をL*a*b*値に変換する式(周知の一般的な式であるため表記せず)とを組み合わせたものである。
【0057】
このとき、対応関係作成部141は、RGB空間内の全ての格子点のそれぞれについて、3種類の色変換式を用いて3つのL*a*b*値を算出することにより3種類の対応関係を作成し、その3種類の対応関係をそれぞれ対応関係1〜3としてメモリ20に出力して格納するようになっている。
【0058】
判断部142は、対応関係作成部141が対応関係1〜3を作成する際に各色変換式によりRGB信号(一格子点信号値)を変換した色変換結果(L*a*b*値)が、各色変換式に対応した領域に属しているか否かを判断し、その領域に属している場合、その色変換結果は正しいものと判断するものである。
【0059】
より具体的に説明すると、判断部142は、領域1に対応した色変換式により作成された対応関係1〔L*a*b*1(L1,a1,b1)〕が、図4(A)に示す領域1に属している否かを判断し、領域1に属している場合、その対応関係1は正しいものと判断し、同様に、領域2に対応した色変換式により作成された対応関係2〔L*a*b*2(L2,a2,b2)〕が、図4(B)に示す領域2に属している否かを判断し、領域2に属している場合、その対応関係2は正しいものと判断し、領域3に対応した色変換式により作成された対応関係3〔L*a*b*3(L3,a3,b3)〕が、図4(C)に示す領域3に属している否かを判断し、領域3に属している場合、その対応関係3は正しいものと判断する。
【0060】
作成処理部143は、対応関係作成部141で3種類の色変換式によりそれぞれ作成された3組の対応関係1〜3に基づいて、一組の対応関係を得て、色変換テーブル22をメモリ20上に作成するものである。このとき、作成処理部143は、判断部142で正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)に基づいて色変換テーブル22を作成するようになっている。
【0061】
より具体的に説明すると、RGB空間の一格子点(一の色信号)について判断部142で正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合(本実施形態では2または3の色変換結果が正しいと判断された場合)、作成処理部143は、図9,図10および(17)式,(18)式を参照しながら後述するごとく、正しいと判断された複数の色変換結果(L*a*b*値)と各色変換結果の属する領域の境界との距離に基づいて、その一格子点についての色変換結果(L*a*b*値)を算出して出力するようになっている。
【0062】
また、RGB空間の一格子点について判断部142で正しいと判断された色変換結果が一つだけである場合、作成処理部143は、図11および(19)式を参照しながら後述するごとく、正しいと判断された一の色変換結果(L*a*b*値)を、そのまま、その一格子点についての色変換結果(L*a*b*値)として出力するようになっている。
【0063】
RGB空間の一格子点について判断部142で正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、作成処理部143は、図12および(20)式を参照しながら後述するごとく、対応関係作成部141でその一格子点について得られた3つの色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界との距離の逆数に基づいて、その一格子点についての色変換結果を算出して出力するようになっている。
【0064】
なお、RGB空間の一格子点について判断部142で正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、作成処理部143を、最も信頼性の高い色変換結果を選択して出力するように機能させてもよい。
この場合、作成処理部143は、正しいと判断された複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界との距離に基づいて、正しいと判断された複数の色変換結果のうちの一つを、その一格子点についての色変換結果として選択して出力するように構成される。このとき、作成処理部143は、例えば前記距離が最も大きい色変換結果(境界から最も離れている色変換結果)を選択する。
【0065】
同様に、RGB空間の一格子点について判断部142で正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、作成処理部143を、最も信頼性の高い色変換結果を選択して出力するように機能させてもよい。
この場合、作成処理部143が、対応関係作成部141でその一格子点について得られた3つの色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界との距離の逆数に基づいて、3つの色変換結果のうちの一つを、その一格子点についての色変換結果として選択して出力するように構成される。このとき、作成処理部143は、例えば前記距離の逆数が最も大きい色変換結果(境界に最も近い色変換結果)を選択する。
【0066】
また、図1に示す例では、対応関係作成部141により作成された対応関係1〜3は、一旦、メモリ20に格納されているが、その対応関係1〜3は、対応関係作成部141から、直接、判断部142および作成処理部143に入力するように構成してもよい。
【0067】
〔2〕本実施形態の動作の説明
〔2−1〕色変換テーブル作成手順の説明
次に、本発明の一実施形態としての色変換テーブル作成方法の流れ(上述のごとく構成された色変換テーブル作成装置1の動作)について、図5に示すフローチャート(ステップS11〜S25)に従って説明する。
【0068】
本実施形態では、色変換テーブル22の作成を開始するに先立って、L*a*b*空間の全体を分割して得られる3つの領域1,領域2および領域3が、予め定義され設定されている(分割ステップ;図示せず)。
そして、本実施形態の色変換テーブル作成装置1によってイメージスキャナ60の色変換テーブル22を作成する際には、図5に示すように、まず、色票100上の数十種のカラーパッチがイメージスキャナ60で読み込まれ(ステップS11;読込ステップ)、各カラーパッチに対応するRGB信号が、イメージスキャナ60から色変換テーブル作成装置1に出力され、入出力インタフェース52を通じてメモリ20に格納される(ステップS12;読込ステップ)。
【0069】
また、イメージスキャナ60で読み込んだものと同一の数十種のカラーパッチが測色器70で測色され(ステップS13;測色ステップ)、各カラーパッチに対応する分光反射率が、測色器70から出力され、入出力インタフェース52を通じてメモリ20に格納される(ステップS14;測色ステップ)。このとき、本実施形態の測色器70では、測定された分光反射率が、各カラーパッチに対応するL*a*b*値に変換され、そのL*a*b*値が、入出力インタフェース52を通じてメモリ20に格納される(ステップS15)。
【0070】
そして、分光特性推定部11において、メモリ20に格納された各カラーパッチについてのRGB信号および分光反射率に基づき、(1)〜(10)式を参照しながら後述する手法に従って、イメージスキャナ60の分光特性が推定され(ステップS16;分光特性推定ステップ)、その分光特性がメモリ20に出力されて格納される(ステップS17)。
【0071】
また、分光反射率分類部12において、各カラーパッチについてのL*a*b*値が図4(A)〜図4(C)にそれぞれ示す領域1〜3のいずれに属するかが判断され、各カラーパッチについての分光反射率が、その領域に応じてグループ1〜K(本実施形態ではK=3)に分類され(ステップS18;分類ステップ)、その分類結果(グループ1,2,3)は分類情報としてメモリ20に格納される(ステップS19)。
【0072】
この後、色変換テーブル作成部14において、L*a*b*空間での領域1〜3にそれぞれ対応した3種類の色変換式を、分光反射率分類部11により分類された各分光反射率群(各グループ1〜3)や、分光特性推定部12により推定されたイメージスキャナ60の分光特性に基づいて作成しながら、色変換テーブル22が作成される(ステップS21〜S25;色変換テーブル作成ステップ)。
【0073】
このとき、RGB空間格子点信号値出力部15において、RGB空間で格子状に分布する色のRGB値(格子点信号値)が生成され、そのRGB値が色変換テーブル作成部14(対応関係作成141)へ出力される(ステップS20)。
そして、対応関係作成部141において、領域1〜3のそれぞれに対応した3種類の色変換式を用い、その色変換式毎に、ステップS21からのRGB値(格子点信号値)と、L*a*b*値との対応関係が作成される(ステップS21;対応関係作成ステップ)。
【0074】
このとき、RGB値をL*a*b*値に変換する色変換式としては、後述する(14)〜(16)式と、XYZ値をL*a*b*値に変換する式(周知の一般的な式)とが用いられる。また、ステップS21では、RGB空間内の全ての格子点のそれぞれについて、3種類の色変換式を用いて3つのL*a*b*値が算出され、3種類の対応関係1〜3が作成されて出力される(ステップS22)。
【0075】
ついで、判断部142において、前述したように、ステップS21で作成された各対応関係1〜3に含まれるL*a*b*値(色変換結果)が、各色変換式に対応した領域に属しているか否かを判断し、その領域に属している場合、その色変換結果は正しいものと判断して、その判断結果を作成処理部143に出力する(ステップS23;判断ステップ)。
【0076】
そして、作成処理部143において、ステップS21で色変換式毎に作成された対応関係1〜3に基づいて、一組の対応関係を決定し、色変換テーブル22が作成される(ステップS24,S25)。その際、基本的には、RGB空間の各格子点についての対応関係1〜3に含まれるL*a*b*値のうち、ステップS24で正しいと判断されたL*a*b*値に基づいて、その格子点についての最終的なL*a*b*値が決定され(ステップS24;作成処理ステップ)、このように決定されたL*a*b*値が、その格子点と対応関係を成すものとしてメモリ20に出力され、メモリ20上に色変換テーブル22が作成される(ステップS25)。
【0077】
2または3の色変換結果が正しいと判断された場合、前述した通り、作成処理部143においては、正しいと判断された2または3の色変換結果(L*a*b*値)と各色変換結果の属する領域の境界との距離に基づいて、その格子点についての色変換結果(L*a*b*値)が算出もしくは選択されて決定される。
正しいと判断された色変換結果が一つだけである場合は、前述した通り、作成処理部143においては、正しいと判断された一の色変換結果(L*a*b*値)が、そのまま、その格子点についての色変換結果(L*a*b*値)として出力される。
【0078】
これに対し、正しいと判断された色変換結果が存在しない場合には、前述した通り、作成処理部143においては、対応関係作成部141でその格子点について得られた3つの色変換結果(L*a*b*値)と各色変換結果の属する領域の境界との距離の逆数に基づいて、その格子点についての色変換結果が算出もしくは選択されて決定される。
【0079】
〔2−2〕分光特性推定手順の説明
次に、図5のステップS16における処理、つまり、本実施形態の分光特性推定手順(分光特性推定部11の動作)について、図6に示すフローチャート(ステップS31〜S35)に従って詳細に説明する。
分光特性推定部11(ステップS16)では、数十種の色信号および数十種の分光反射率を用いて、以下のようにして分光特性を推定する。
【0080】
〔2−2−1〕連立一次方程式の作成(ステップS31)
ここでは、分光特性を、可視光波長範囲380〜730nmにおける10nm毎の各波長(380,390,…,730nm)に対応して得られる離散データとして扱う。
一般に、分光特性にカラーパッチの分光反射率を乗算して得られる値が、RGB値になる。
【0081】
そこで、イメージスキャナ60の分光特性を推定すべく、ステップS31では、イメージスキャナ60によりカラーパッチを読み込んで得られたRGB値と、測色器70により得られたカラーパッチの分光反射率とを用いて、R,G,Bのそれぞれについて、分光特性を未知数とする36以上の方程式からなる連立一次方程式を下式(1)のごとく作成する。
【0082】
【数1】
Figure 0004154116
【0083】
上式(1)において、Ri,Gi,Bi(i=1,...,N)は、それぞれN個のカラーパッチをイメージスキャナ60により読み取って得られた値(RGB値)であり、REF(i,j)(i=1,...,N;j=380,390,...,730)は、N個のカラーパッチについて測色器70によりそれぞれ得られた、N組の分光反射率データであり、(REF(i,380) REF(i,390) … REF(i,730))は、i番目のカラーパッチについて得られた分光反射率(36個の離散データ)である。また、LSRj(j=380,390,...,730)は、Rに対する分光特性(36個の離散データ)、LSGj(j=380,390,...,730)は、Gに対する分光特性(36個の離散データ)、LSBj(j=380,390,...,730)は、Bに対する分光特性(36個の離散データ)である。
【0084】
カラーパッチの数Nが36未満である場合は、36個の連立一次方程式を作成することができない。この場合、ステップS31では、下式(2)のような、36個の一次方程式からなる連立一次方程式を作成する。
【0085】
【数2】
Figure 0004154116
【0086】
〔2−2−2〕連立一次方程式の特異値分解(ステップS32,S33)
ここで、上式(1)もしくは(2)中の以下の部分〔つまり下式(3)〕を、分光反射率データセットと呼ぶ。
【0087】
【数3】
Figure 0004154116
【0088】
ステップS32では、この分光反射率データセットに対して特異値分解を施した後、ステップS33で、特異値分解の結果に基づいて、分光反射率データに含まれるノイズを除去する。
ノイズ除去は以下の手順で行なわれる。まず、分光反射率データセットに対して特異値分解を行ない、上記(3)式に示す分光反射率データセットは、下式(4)に示す3つの行列に分解される。
【0089】
【数4】
Figure 0004154116
【0090】
上式(4)において、REF(i,j)(i=1,...,N;j=380,390,...,730)は、前述したように、測色器70により得られたN組のカラーパッチの分光反射率データであり、Wm(m=1,...,36)は、主成分ベクトルに乗算される重みである。また、P(m,j)(m=1,...,36;j=380,390,...,730)は、分光反射率に対する36組の主成分ベクトルで、各主成分ベクトルは36個の離散データとなっている。さらに、Uim(i=1,...,N;m=1,...,36)は係数である。
【0091】
特異値分解法によって算出された重みW1〜W36は、それぞれ、主成分ベクトルP(1,j)〜P(36,j)(j=380,390,...,730)に対する重み(重要度)を示すものであって、各重みW1〜W36の大きさに比例して、それに対応する主成分ベクトルの重要度は高くなる。
【0092】
そこで、分光反射率データセットの有効桁数から考えると、最も大きな重みに対して有効桁数以上離れている重みは、意味の無い主成分ベクトルであるとみなすることができる。ステップS33では、そのような主成分ベクトルを除去することにより、分光反射率データに含まれるノイズを除去する。
つまり、ステップS33では、まず、下式(5)によって閾値(通常、条件数と呼ぶ)を算出し、重みW1〜W36のうち、その閾値以下のものを、下式(6)のように“0”に置き換え、ノイズ除去を行なっている。
【0093】
閾値(条件数)
=〔重みW1〜W36の中の最大値〕/〔データセット(測色器)の有効桁数〕(5)
【0094】
なお、下式(6)は、上記閾値を超えた重みがM個あった場合の式であり、これらM個の重みをW1〜WMとし、M+1番目〜36番目の主成分ベクトルに対する重みWM+1〜W36が“0”に置き換えられている。当然、M<36である。
【0095】
【数5】
Figure 0004154116
【0096】
〔2−2−3〕分光特性の算出(ステップS34,S35)
ここでは、簡単のため、上式(6)に示す行列を、下式(7)に示すような行列に置き換える。
【0097】
【数6】
Figure 0004154116
【0098】
ここで、Uは、前記係数Uim(i=1,...,N;m=1,...,36)を要素とするN×36の行列であり、Vは、主成分ベクトルP(m,j)(m=1,...,36;j=380,390,...,730)を要素とする36×36の行列である。上式(7)中における行列U,Vには、下式(8-1),(8-2)で示すような性質がある。なお、下式(8-1),(8-2)において、Iは単位行列、UTは行列Uの転置行列、VTは行列Vの転置行列である。
【0099】
【数7】
Figure 0004154116
【0100】
従って、(8-1)式および(8-2)式を用いることにより、上式(1)もしくは(2)は下式(9)のように展開されるので、その展開式(9)から得られた下式(10)を用いて、イメージスキャナ60の分光特性が算出され(ステップS34)、算出された分光特性は、メモリ20に出力され格納される(ステップS35)。
【0101】
【数8】
Figure 0004154116
【0102】
【数9】
Figure 0004154116
【0103】
〔2−3〕分光反射率分類手順の説明
次に、図のステップS18における処理、つまり、本実施形態の分光反射率分類手順(分光反射率分類部12の動作)について、図4(A)〜図4(C)を参照しながら説明する。
【0104】
本実施形態では、前述した通り、色票100の一次色C,M,Yの色相角をそれぞれ210度,330度,90度とし、予め、図4(A)〜図4(C)に示すように、CIELAB空間(L*a*b*空間)が、それぞれ、前記色相角210度,330度,90度を中心とした3つの領域1〜3に分割されている。また、前述した通り、重複領域を形成すべく、各領域1〜3には幅dの領域が付加・形成されているが、この幅dは、例えば5.0に設定される。
【0105】
そして、分光反射率分類部12(ステップS18)では、各カラーパッチについてのL*a*b*値が図4(A)〜図4(C)にそれぞれ示す領域1〜3のいずれに属するかが判断され、各カラーパッチについての分光反射率が、その領域に応じて3つのグループ1〜3に分類される。
つまり、そのL*a*b*値が領域1に属すると判断された分光反射率は、グループ1に分類され、そのL*a*b*値が領域2に属すると判断された分光反射率は、グループ2に分類され、そのL*a*b*値が領域3に属すると判断された分光反射率は、グループ3に分類される。
【0106】
なお、本実施形態では、領域分割時の判断に用いられるL*a*b*値を、測色器70から得ているが、分光反射率分類部12において、測色器70からの分光反射率を変換することにより、各カラーパッチの分光反射率に対応するL*a*b*値を得てもよい。
【0107】
〔2−4〕色変換式作成手順および対応関係作成手順の説明
次に、図のステップS20〜S22における処理、つまり、本実施形態の色変換式作成手順および対応関係作成手順(対応関係作成部141の動作)について、図7に示すフローチャート(ステップS41〜S47)に従って詳細に説明する。
【0108】
対応関係作成部141では、格子状のRGB値に対応するL*a*b*値が算出される。
つまり、格子状のRGB値と、イメージスキャナ60の分光特性と、グループ1の分光反射率から算出された主成分ベクトルとに基づいて、色空間全体に亘る対応関係1が算出され、同様に、格子状のRGB値と、イメージスキャナ60の分光特性と、グループ2の分光反射率から算出された主成分ベクトルとに基づいて、色空間全体に亘る対応関係2が算出されるとともに、格子状のRGB値と、イメージスキャナ60の分光特性と、グループ3の分光反射率から算出された主成分ベクトルとに基づいて、色空間全体に亘る対応関係3が算出される。これにより、1つの格子状のRGB値に対して、3種類の色変換式を用い、色変換結果としての3つのL*a*b*値(L*a*b*1,L*a*b*2,L*a*b*3)が算出される。
【0109】
ここで、格子状のRGB値は、RGB空間格子点信号値出力部15から出力される。また、イメージスキャナ60の分光特性は、分光特性推定部11において上式(10)により推定・算出された、LSRj(j=380,390,...,730), LSGj(j=380,390,...,730)およびLSBj(j=380,390,...,730)である。さらに、各グループ1〜3の主成分ベクトルは、各グループ1〜3の分光反射率に対して特異値分解を施すことにより、上述したような(4)〜(6)式を用いて、P(m,j)(m=1,...,M;j=380,390,...,730)として算出される。
【0110】
以下に、図7に示すフローチャート(ステップS41〜S47)を参照しながら、ある一つのグループ(分光反射率群)に対する対応関係の算出手順について説明する。
【0111】
〔2−4−1〕主成分ベクトルに乗算する重みの算出(ステップS41,S42)
分光反射率は、分光反射率群(本実施形態ではグループ1,2,3)に対して特異値分解法を施すことににより算出された、M組の主成分ベクトルの線形和として、下式(11)のごとく再現される。なお、この(11)式は、上式(4),(6)におけるi行目の要素を抜き出したものである。
【0112】
【数10】
Figure 0004154116
【0113】
ここで、REF(i,j)(j=380,390,...,730)は、各グループ1〜3に分類された、i番目の分光反射率である。なお、iは1,...,Nであり、Nは、各グループ1〜3に分類された分光反射率REF(i,j)の数となる。また、P(m,j)(m=1,...,M;j=380,390,...,730)はM組の主成分ベクトルである。さらに、Uim・Wm(m=1,...,M)は、i番目の分光反射率に対応する重み係数で、それぞれ、m番目の主成分ベクトル(P(m,380)(m,390) … P(m,730))に乗算されるものである。
【0114】
上式(11)に示すごとく、主成分ベクトルを用いることにより、36次元データである分光反射率を、数次元程度(3〜7次元;M=3〜7)の重み係数(U・W)で表現することが可能になる。
【0115】
あるカラーパッチをイメージスキャナ60で読み込み、このイメージスキャナ60から出力されたRGB値(R G B)は、推定されたイメージスキャナ60の分光特性LSRj(j=380,390,...,730),LSGj(j=380,390,...,730),LSBj(j=380,390,...,730)と、そのカラーパッチの色原稿を測色して得られた分光反射率REFj(j=380,390,...,730)とに基づいて、下式(12)のごとく算出することができる。
【0116】
【数11】
Figure 0004154116
【0117】
ここで、分光反射率REFj(j=380,390,...,730)は、上式(11)に示した通り、M個の主成分ベクトルの線形結合として表されるので、上式(12)は、下式(13)に書き換えられる。
【0118】
【数12】
Figure 0004154116
【0119】
上式(13)における行列部分Aの逆行列を算出することができれば、下式(14)のごとく、RGB値から重み係数Um・Wm(m=1,...,M)を算出することができる。
【0120】
【数13】
Figure 0004154116
【0121】
以下、本実施形態では、M=3の場合(即ち主成分ベクトルの数が3の場合)について説明する。この場合、上記行列部分Aが3×3行列となり、RGB値(R G B)を上式(14)に代入することにより、そのRGB値に対応した重み係数U1・W1,U2・W2,U3・W3が一意に算出されることになる。
本実施形態では、グループ1〜3のそれぞれについての3組の主成分ベクトルP(m,j)(m=1,2,3;j=380,390,...,730)が、各グループ1〜3の分光反射率に対して特異値分解を施すことにより、上述したような(4)〜(6)式を用いて算出される(ステップS41)。
【0122】
そして、算出された主成分ベクトルP(m,j)(m=1,2,3;j=380,390,...,730)と、分光特性LSRj(j=380,390,...,730),LSGj(j=380,390,...,730),LSBj(j=380,390,...,730)とにより、3種類の(14)式が作成される。この(14)式に、RGB空間格子点信号値出力部15からのRGB値を代入することにより、3組の主成分ベクトルに乗算される重み係数U1・W1,U2・W2,U3・W3が算出される(ステップS42)。
【0123】
〔2−4−2〕分光反射率の算出
ついで、上式(14)を用いてRGB値毎に得られた重み係数U1・W1,U2・W2,U3・W3を、それぞれ3組の主成分ベクトルP(1,j)(j=380,390,...,730),P(2,j)(j=380,390,...,730),P(3,j)(j=380,390,...,730)に乗算し、その線形和を求めることによって、下式(15)に示すごとく、RGB値に対応した分光反射率REFj(j=380,390,...,730)が算出される(ステップS43)。
【0124】
【数14】
Figure 0004154116
【0125】
このとき、上式(15)によって算出された分光反射率REFj(j=380,390,...,730)の値が1.0未満である場合(つまり、万一、負値となった場合)は、その値を0.0に書き換える一方、万一、1.0を超えた場合は、1.0に書き換えるように、分光反射率の補正を行なってから(ステップS44)、補正後の分光反射率を用いて、下式(16)によりXYZ値を算出する(ステップS45)。
【0126】
【数15】
Figure 0004154116
【0127】
このようにしてRGB値からXYZ値を算出した後、さらに、周知の変換式を用いて、上式(16)により算出されたXYZ値をL*a*b*値に変換する(ステップS46)。これにより、格子状に並ぶ、RGB値とL*a*b*値との対応関係が作成される。
上述のような対応関係作成は、分光反射率群であるグループ1〜3のそれぞれについて行なわれ、その結果として、例えば下記表2に示すごとく、1つのRGB信号値(格子点信号値)について3種類の対応関係1〜3が作成されてメモリ20に出力・格納される(ステップS47)。
【0128】
なお、本実施形態では、前述した通り、RGB値をL*a*b*値に変換する色変換式は、上式(14)〜(16)と、XYZ値をL*a*b*値に変換する式とを組み合わせたものであり、色変換テーブル作成部14(対応関係作成部141)では、これらの色変換式が、分類された分光反射率群毎に即ち分割領域毎に作成されながら、RGB値とL*a*b*値との対応関係1〜3が作成される。
【0129】
〔2−5〕判断手順および作成処理手順の説明
次に、図のステップS23およびS24における処理、つまり、本実施形態の判断手順および作成処理手順(判断部142および作成処理部143の動作)について、図9〜図12を参照しながら、図8に示すフローチャート(ステップS51〜S58)に従って詳細に説明する。なお、図9〜図12は、作成処理部143での内挿処理の具体例を説明するための図である。
【0130】
作成処理部143では、例えば、対応関係作成部141において1つのRGB値について作成された3つのL*a*b*値に対し補間演算処理(内挿処理)を行なうことにより、1つのL*a*b*値を算出する。
その算出処理(内挿処理)に先立ち、本実施形態では、まず、判断部142において、対応関係作成部141でのRGB信号の色変換結果(L*a*b*値)が、各色変換式に対応した領域に属しているか否かが判断される。そして、対応領域に属している場合、その色変換結果は正しいものと判断される。
【0131】
対応関係作成部141により作成された3つの対応関係1〜3の例と、判断部142の判断結果の例とを下表2に示す。なお、この表2において、判断部142が正しいと判断した色変換結果(L*a*b*値)の判断結果の欄には「○」が記入され、判断部142が正しくないと判断した色変換結果(L*a*b*値)の判断結果の欄には「×」が記入されている。
【0132】
【表2】
Figure 0004154116
【0133】
ここで、例えば図9〜図12に示すように、対応関係1の色変換結果をL*a*b*1(L1,a1,b1)とし、このL*a*b*1(L1,a1,b1)と領域1の境界面B1との距離をD1とする。同様に、対応関係2の色変換結果をL*a*b*2(L2,a2,b2)とし、このL*a*b*2(L2,a2,b2)と領域2の境界面B2との距離をD2とする。また、対応関係3の色変換結果をL*a*b*3(L3,a3,b3)とし、このL*a*b*3(L3,a3,b3)と領域3の境界面B3との距離をD3とする。
【0134】
このとき、判断部142においては、まず、L*a*b*1(L1,a1,b1)と領域1の境界面B1との距離D1が算出されるほか、そのL*a*b*1(L1,a1,b1)が領域1の内部にあると判断された場合、つまり、L*a*b*1(L1,a1,b1)が正しいと判断された場合には、カウンタ値としての「iNumber#Of#True」に1を加算する(ステップS51)。
【0135】
同様に、L*a*b*2(L2,a2,b2)と領域2の境界面B2との距離D2を算出し、L*a*b*2(L2,a2,b2)が領域2の内部にあると判断した場合、つまり、L*a*b*2(L2,a2,b2)が正しいと判断した場合には、カウンタ値としての「iNumber#Of#True」に1を加算し(ステップS52)、さらに、L*a*b*3(L3,a3,b3)と領域3の境界面B3との距離D3を算出し、L*a*b*3(L3,a3,b3)が領域3の内部にあると判断した場合、つまり、L*a*b*3(L3,a3,b3)が正しいと判断した場合には、カウンタ値としての「iNumber#Of#True」に1を加算する(ステップS53)。
【0136】
そして、作成処理部143は、判断部142による判断結果(「iNumber#Of#True」の値、即ち表2の「○」の数)に応じて、以下のような内挿式(17)〜(20)を用いて、一つの色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)を算出・決定する(ステップS54〜S58)。
【0137】
例えば図9に示すごとく3つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1),L*a*b*2(L2,a2,b2)およびL*a*b*3(L3,a3,b3)がそれぞれ対応領域1〜3に属しており、「iNumber#Of#True」=3となった場合〔例えば表2のRGB値(0,0,0)の色変換結果参照〕、下式(17)に示す内挿式を用い、距離D1〜D3に基づいて、一つのL*a*b*4(L4,a4,b4)が算出・決定される(ステップS54)。
L4 = (L1*D1+L2*D2+L3*D3)/(D1+D2+D3)
a4 = (a1*D1+a2*D2+a3*D3)/(D1+D2+D3) (17)
b4 = (b1*D1+b2*D2+b3*D3)/(D1+D2+D3)
【0138】
例えば図10に示すごとく2つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)がそれぞれ対応領域1および2に属しており、「iNumber#Of#True」=2となった場合〔例えば表2のRGB値(0,0,15)の色変換結果参照〕、下式(18)に示す内挿式を用い、距離D1およびD2に基づいて、一つのL*a*b*4(L4,a4,b4)が算出・決定される(ステップS55)。
L4 = (L1*D1+L2*D2)/(D1+D2)
a4 = (a1*D1+a2*D2)/(D1+D2) (18)
b4 = (b1*D1+b2*D2)/(D1+D2)
【0139】
例えば図11に示すごとく一つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)だけが対応領域1に属しており、「iNumber#Of#True」=1となった場合〔例えば表2のRGB値(0,0,31)の色変換結果参照〕、下式(19)に示す通り、L*a*b*1(L1,a1,b1)がそのままL*a*b*4(L4,a4,b4)として決定される(ステップS56)。
L4 =L1
a4 =a1 (19)
b4 =b1
【0140】
例えば図12に示すごとく3つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1),L*a*b*2(L2,a2,b2)およびL*a*b*3(L3,a3,b3)がいずれも対応領域1〜3に属しておらず、「iNumber#Of#True」=0となった場合〔例えば表2のRGB値(255,255,255)の色変換結果参照〕、下式(20)に示す内挿式を用い、距離D1〜D3の逆数に基づいて、一つのL*a*b*4(L4,a4,b4)が算出・決定される(ステップS57)。
L4=(L1*(1/D1)+L2*(1/D2)+L3*(1/D3))/((1/D1)+(1/D2)+(1/D3))
a4=(a1*(1/D1)+a2*(1/D2)+a3*(1/D3))/((1/D1)+(1/D2)+(1/D3)) (20)
b4=(b1*(1/D1)+b2*(1/D2)+b3*(1/D3))/((1/D1)+(1/D2)+(1/D3))
【0141】
上述したステップS54〜S57のいずれかの処理によって得られた、内挿処理後のL*a*b*値〔L*a*b*4(L4,a4,b4)〕が、ある一つのRGB値に対応する最終的な色変換結果としてメモリ20に出力され、そのRGB値についての対応関係が決定される。
以上のような処理を、格子状のRGB値(格子点信号値)の全てについて実行することにより、メモリ20上に、イメージスキャナ60の色変換テーブル22が作成される。
【0142】
なお、上述した作成処理部143では、正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、(17)式や(18)式に示すごとく距離D1〜D3に基づいて一つのL*a*b*4(L4,a4,b4)を算出・決定しているが、その距離が最も大きい色変換結果(境界から最も離れている色変換結果)を、最も信頼性の高いものであると判断し、L*a*b*4(L4,a4,b4)として選択・決定してもよい。
このような選択処理によれば、図9に示す例では、D1>D3>D2であるので、L*a*b*1(L1,a1,b1)が最終的な色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)として選択・決定される。また、図10に示す例では、D1>D2であるので、L*a*b*1(L1,a1,b1)が最終的な色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)として選択・決定される。
【0143】
同様に、上述した作成処理部143では、正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、(20)式に示すごとく距離D1〜D3の逆数に基づいて一つのL*a*b*4(L4,a4,b4)を算出・決定しているが、その距離の逆数が最も大きい色変換結果(つまりは、距離が最も小さく境界に最も近い色変換結果)を、最も信頼性の高いものであると判断し、L*a*b*4(L4,a4,b4)として選択・決定してもよい。
このような選択処理によれば、図12に示す例では、D3<D1<D2であるので、L*a*b*3(L3,a3,b3)が最終的な色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)として選択・決定される。
【0144】
〔3〕本実施形態の作用効果の説明
このように、本実施形態によれば、イメージスキャナ60の色変換テーブル22の作成に際して、L*a*b*空間の分割領域に応じた色変換式(つまり分割領域毎に異なる色変換式)を用いることにより、色空間全体に亘る対応関係を精度良く算出することが可能になる。
【0145】
本実施形態の対応関係作成部141では、予め設定された各分割領域に属する、カラーパッチの分光反射率群に基づいて、分割領域毎に主成分ベクトルが算出される。色空間上の距離が近い2つの色についての分光反射率は類似しているので、前述のように同一の領域に属する分光反射率群に基づいて算出された主成分ベクトルは、その各分割領域に存在する分光反射率に対する寄与率が高い。このような主成分ベクトルを用いれば分光反射率を表現しやすくなり、結果として極めて精度良く対応関係を算出することができる。つまり、色空間全体から算出した主成分ベクトルを用いるよりも、各分割領域から算出した主成分ベクトルを用いた方が、精度良く対応関係を算出することができる。
【0146】
従って、手間をかけることなく、少数のカラーパッチ(色票データ:画像色信号,分光反射率)によって、精度良く色変換を行なえる色変換テーブル22を作成することができる。また、このように作成された色変換テーブル22を用いることにより、色空間全体に亘る色変換精度を向上させることができる。
【0147】
また、色変換テーブル作成部14では、一つのRGB信号(格子点信号値)について3種類の色変換式により3組の対応関係1〜3を作成し、これらの対応関係1〜3に基づいて色変換テーブル22が作成されるので、その対応関係1〜3を考慮しながらより精度の高い対応関係を算出することが可能になる。従って、より精度良く色変換を行なえる色変換テーブル22を作成することができるとともに、このように作成された色変換テーブル22を用いることにより、色空間全体に亘る色変換精度をさらに向上させることができる。
【0148】
さらに、本実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
本実施形態では、変換先色空間として、人が見た際の色の差とその色空間での色の距離とがほぼ均等であるような均等色空間であるL*a*b*空間(CIELAB)を用いることで、色変換を行なう際に、色空間内のどのような色でも、色空間内の距離を重み係数として用いることができる。
【0149】
L*a*b*空間を分割して得られる3つの分割領域1〜3が、相互に重複する領域を有することにより、色変換結果の階調性が保証される。つまり、重複領域に存在する色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)として、分割領域毎の色変換式により算出された複数の色変換結果に対して補間演算を行なった結果を用いることにより、分割領域1〜3相互間の色の階調性が保証されることになる。
【0150】
色相角に応じてL*a*b*空間を分割して得られた領域1〜3を用いることで、より精度良く対応関係を算出することが可能になる。つまり、色票の分光反射率を、色相角領域毎に分類された分光反射率群に基づいて主成分ベクトルを算出した場合、その主成分ベクトルの、各色相角領域1〜3に属する分光反射率群に対する寄与率は、当然、高くなる。従って、そのような主成分ベクトルは、各色相角領域1〜3に属する分光反射率群をより正確に表現することができ、結果として精度良く対応関係を算出できる。このような効果は、様々な色相角をもつ色をもつ色票を用いた場合に顕著に得られる。
【0151】
特に、本実施形態のごとく、一次色(シアン,マゼンタ,イエロー)の色相角を各領域の中心としてL*a*b*空間を分割して3つの領域1〜3を得ることで、より精度良く対応関係を算出することが可能になる。一次色中心付近に存在する色の分光反射率の形状は、一次色の分光反射率の形状に類似している。そのため、一次色中心付近に存在する分光反射率群に基づいて主成分ベクトルを算出した場合、その主成分ベクトルの、一次色中心付近における分光反射率群に対する寄与率は、当然、高くなり、精度良く対応関係を算出できる。
【0152】
各色変換式により一つのRGB信号(格子点信号値)を変換して得られた色変換結果(L*a*b*値)が各色変換式に対応した領域に属している場合に、その色変換結果は正しいものと判断し、正しいと判断された色変換結果に基づいて色変換テーブル22を作成することで、より精度良く対応関係を算出することが可能になる。色空間の各分割領域から得られた色変換式による色変換精度は、当然ながら、自らの領域外の色信号に対して色変換を行なう際には、低くなる。そのため、精度の低い色変換結果と、精度の高い色変換結果とを判別することで、より高い精度の色変換結果を取得することができる。
【0153】
一つのRGB信号(格子点信号値)について正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が複数存在する場合、正しいと判断された複数(2または3)の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離D1〜D3に基づいて、そのRGB信号についての色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)を算出することで、色変換結果の階調性が保証される。各色変換式を用いて算出された複数の色変換結果が大きく異なり、それぞれの領域境界面に対してずれる場合があるが、このような場合、上述のような色変換結果の算出処理(内挿処理)を行なうことにより、階調性が保証されることになる。
【0154】
また、一つのRGB信号(格子点信号値)について正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が複数存在する場合、前記距離D1〜D3に基づいて、正しいと判断された複数の色変換結果のうちの一つを、そのRGB信号についての色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)として選択することで、対応関係作成にかかる処理時間を短縮することができる。
【0155】
分割領域の数が多い場合などは、それに比例して、作成処理部143での色変換結果の算出処理にかかる時間が多くなる。そこで、処理時間を短縮するために、正しい色変換結果のうち、境界面からの距離が最も離れているものが、複数の正しい色変換結果の中でも最も信頼性の高いものであると判断して、その色変換結果を最終的な色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)とする。
【0156】
一方、一つのRGB信号(格子点信号値)について正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が存在しない場合、そのRGB信号について得られた色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離D1〜D3の逆数に基づいて、そのRGB信号についての色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)を算出することで、色変換結果が全て正しくないとしても、より信頼性のある色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)を算出することが可能になる。つまり、全ての色変換結果が正しくない場合は、正しくないものの中でも各境界面B1〜B3との距離が近いものの方が信頼性が高いものと判断している。
【0157】
また、一つのRGB信号(格子点信号値)について正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が存在しない場合、前記距離D1〜D3の逆数に基づいて、色変換結果のうちの一つを、そのRGB信号についての色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)として選択することで、色変換結果が全て正しくないとしても、より信頼性の高い色変換結果L*a*b*4(L4,a4,b4)を短時間で得ることが可能になる。この場合、境界面に最も近い色変換結果が最も信頼性が高いと判断し、前述した通り、距離の逆数が最も大きい色変換結果を選択する。
【0158】
〔4〕本実施形態の変形例の説明
次に、本実施形態の変形例について図13〜図17を参照しながら説明する。
〔4−1〕第1変形例の説明
上述した実施形態では、L*a*b*空間の全体を色相角に応じて分割して得られた3つの領域1〜3が、予め定義されているが、第1変形例では、L*a*b*空間の全体を彩度に応じて2つの領域1,2に分割した場合について、図13〜図16を参照しながら説明する。なお、図13は、本実施形態の第1変形例における、彩度に応じた領域分割例を説明するための図、図14〜図16は本実施形態の第1実施形態における内挿処理の具体例を説明するための図である。
【0159】
この第1変形例では、L*a*b*空間の全体を分割して得られる2つの領域1および領域2が、予め定義され設定されている(分割ステップ)。これら2つの領域1,2は、例えば図13に示すごとく、L*a*b*空間を、彩度C*〔=(a*2+b*2)1/2〕に応じた境界(実際にはL*軸に平行な境界面)B11およびB12により区分けして得られたものである。
【0160】
図13に示すように、領域1は、L*a*b*空間において彩度C*が所定値C*1(例えば10.0)以上の領域であり、領域2は、L*a*b*空間において彩度C*が所定値C*2(例えば20.0)未満の領域である。従って、図13に示す領域1および領域2には、相互に重複する幅C*2−C*1(ここでは10.0)の領域が付加・形成されている。
【0161】
このように、L*a*b*空間の全体を彩度C*に応じて分割して得られた領域1および領域2を用いる場合も、基本的には、図1〜図12を参照しながら上述した色変換テーブル作成装置1により、上述した手順と同様の手順(図5のステップS11〜S25)に従って、イメージスキャナ60の色変換テーブル22が作成される。
【0162】
以下に、その色変換テーブル22の作成手順を簡単に説明する。
〔4−1−1〕分光特性推定手順の説明
分光特性推定部11(ステップS16)では、項目〔2−2〕において前述した手順と同様にして、数十種の色信号および数十種の分光反射率を用いて分光特性が推定される〔上式(10)参照〕。
【0163】
〔4−1−2〕分光反射率分類手順の説明
図13に示すような領域分割を行なった第1変形例における分光反射率分類部12(ステップS18)では、各カラーパッチについてのL*a*b*値が図13に示す領域1および領域2のいずれに属するかが判断され、各カラーパッチについての分光反射率が、その領域に応じて2つのグループ1,2に分類される。
つまり、そのL*a*b*値が領域1に属する(C*≧C*1)と判断された分光反射率は、グループ1に分類され、そのL*a*b*値が領域2に属する(C*<C*2)と判断された分光反射率は、グループ2に分類される。
【0164】
〔4−1−3〕色変換式作成手順および対応関係作成手順の説明
対応関係作成部141(ステップS21)では、項目〔2−4〕において前述した手順とほぼ同様にして、格子状のRGB値に対応するL*a*b*値を算出する。
ただし、第1変形例では、格子状のRGB値と、イメージスキャナ60の分光特性と、グループ1の分光反射率から算出された主成分ベクトルとに基づいて、色空間全体に亘る対応関係1が算出され、同様に、格子状のRGB値と、イメージスキャナ60の分光特性と、グループ2の分光反射率から算出された主成分ベクトルとに基づいて、色空間全体に亘る対応関係2が算出される。
【0165】
これにより、1つの格子状のRGB値に対して、2種類の色変換式を用い、色変換結果としての2つのL*a*b*値(L*a*b*1,L*a*b*2)が算出される。
1つのグループ(分光反射率群)に対する対応関係の算出手順は、図7に示すフローチャート(ステップS41〜S47)を参照しながら前述した通りであるので、ここでは、その説明を省略する。
【0166】
〔4−1−4〕判断手順および作成処理手順の説明
作成処理部143(ステップS24)では、例えば、対応関係作成部141において1つのRGB値について作成された2つのL*a*b*値から、より信頼性の高いものを選択して、1つのL*a*b*値を決定する。
選択処理に先立って、第1変形例においても、まず、判断部142(ステップS23)において、対応関係作成部141でのRGB信号の色変換結果(L*a*b*値)が、各色変換式に対応した領域に属しているか否かが判断される。そして、対応領域に属している場合、その色変換結果は正しいものと判断される。
【0167】
ここで、例えば図14〜図16に示すように、対応関係1の色変換結果をL*a*b*1(L1,a1,b1)とし、このL*a*b*1(L1,a1,b1)と領域1の境界面B11との距離をD1とし、同様に、対応関係2の色変換結果をL*a*b*2(L2,a2,b2)とし、このL*a*b*2(L2,a2,b2)と領域2の境界面B12との距離をD2とする。
そして、作成処理部143は、判断部142による判断結果と距離D1,D2とに基づいて、以下のようにして、一つの色変換結果を選択・決定する。
【0168】
2つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)がそれぞれ対応領域1,2に属しており、2つとも正しいと判断された場合、境界B11,B12との距離D1,D2の大きい方が、より信頼性が高いものと判断する。つまり、以下の2つのケースに従って処理を行なう。
▲1▼D1>D2の場合
色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)を選択する。
▲2▼D1<D2の場合
色変換結果L*a*b*2(L2,a2,b2)を選択する。
【0169】
従って、図14に示す例では、2つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)がそれぞれ対応領域1,2に属しているが、D2>D1であるので、上記ケース▲2▼に該当し、色変換結果L*a*b*2(L2,a2,b2)が選択される。
なお、D1=D2の場合には、例えば、上式(18)のような内挿式を適用し、2つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)の平均値を算出し、その平均値を最終的な色変換結果として選択する。
【0170】
2つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)のうちの一方だけが正しいと判断された場合は、その正しいと判断された一つの色変換結果が、そのまま最終的な色変換結果として選択される。
従って、図15に示す例では、色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)だけがそれぞれ対応領域1に属しているので、色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)が選択される。
【0171】
2つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)がいずれも対応領域1,2に属しておらず、2つとも正しくないと判断された場合、境界B11,B12との距離D1,D2の小さい方が、より信頼性が高いものと判断する。つまり、以下の2つのケースに従って処理を行なう。
▲1▼D1<D2の場合(つまり1/D1>1/D2の場合)
色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)を選択する。
▲2▼D1>D2の場合(つまり1/D1<1/D2の場合)
色変換結果L*a*b*2(L2,a2,b2)を選択する。
【0172】
従って、図16に示す例では、2つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)がいずれも対応領域1,2に属していないが、D1<D2であるので、上記ケース▲1▼に該当し、色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)が選択される。
なお、D1=D2(1/D1=1/D2)の場合には、例えば、2つの色変換結果L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)の平均値を算出し、その平均値を最終的な色変換結果として選択する。
【0173】
上述のようにして選択されたL*a*b*値が、ある一つのRGB値に対応する最終的な色変換結果としてメモリ20に出力され、そのRGB値についての対応関係が決定される。
以上のような処理を、格子状のRGB値(格子点信号値)の全てについて実行することにより、メモリ20上に、イメージスキャナ60の色変換テーブル22が作成される。
【0174】
〔4−1−5〕第1変形例の作用効果の説明
このように、第1変形例によれば、上述した本実施形態と同様の作用効果が得られるほか、この第1変形例では、彩度に応じてL*a*b*空間の全体を分割して得られた領域1,2を用いることで、精度良く対応関係を算出することが可能になる。つまり、色票の分光反射率を、彩度領域毎に分類された分光反射率群に基づいて主成分ベクトルを算出した場合、その主成分ベクトルの、各彩度領域1,2に属する分光反射率群に対する寄与率は、当然、高くなる。従って、そのような主成分ベクトルは、各彩度領域1,2に属する分光反射率群をより正確に表現することができ、結果として精度良く対応関係を算出できる。このような効果は、様々な彩度をもつ色をもつ色票を用いた場合に顕著に得られる。
【0175】
〔4−2〕第2変形例の説明
上述した実施形態やその第1変形例では、L*a*b*空間の全体を色相角や彩度に応じて分割して得られた領域1〜3が、予め定義されているが、第2変形例では、L*a*b*空間の全体を明度に応じて2つの領域1,2に分割した場合について、図17を参照しながら説明する。なお、図17は、本実施形態の第2変形例における、明度に応じた領域分割例を説明するための図である。
【0176】
この第2変形例でも、第1変形例と同様、L*a*b*空間の全体を分割して得られる2つの領域1および領域2が予め定義され設定されている(分割ステップ)。これら2つの領域1,2は、例えば図17に示すごとく、L*a*b*空間を、明度L*に応じた境界(実際にはa*b*面に平行な境界面)B21およびB22により区分けして得られたものである。
【0177】
図17に示すように、領域1は、L*a*b*空間において明度L*が所定値L*1以上の領域であり、領域2は、L*a*b*空間において明度L*が所定値L*2未満の領域である。従って、図17に示す領域1および領域2には、相互に重複する幅L*2−L*1の領域が付加・形成されている。
【0178】
このように、L*a*b*空間の全体を明度L*に応じて分割して得られた領域1および領域2を用いる場合も、基本的には、図1〜図12を参照しながら上述した色変換テーブル作成装置1により、上述した手順と同様の手順(図5のステップS11〜S25)に従って、イメージスキャナ60の色変換テーブル22が作成される。このとき、分割領域の数が2つという点では上述した第1変形例と同じであり、この第2変形例では、本実施形態およびその第1変形例で説明した手順とほぼ同様にして色変換テーブル22が作成されることになる。
【0179】
このように、第2変形例によれば、上述した本実施形態と同様の作用効果が得られるほか、この第2変形例では、明度に応じてL*a*b*空間の全体を分割して得られた領域1,2を用いることで、精度良く対応関係を算出することが可能になる。つまり、色票の分光反射率を、明度領域毎に分類された分光反射率群に基づいて主成分ベクトルを算出した場合、その主成分ベクトルの、各明度領域1,2に属する分光反射率群に対する寄与率は、当然、高くなる。従って、そのような主成分ベクトルは、各明度領域1,2に属する分光反射率群をより正確に表現することができ、結果として精度良く対応関係を算出できる。このような効果は、様々な明度をもつ色をもつ色票を用いた場合に顕著に得られる。
【0180】
〔4−3〕第3変形例の説明
ところで、上述した実施形態では、色変換テーブル22は、RGB信号とL*a*b*値とを対応させるものとして作成したが、第3変形例では、RGB信号を、上式(15)によって算出された分光反射率(色変換結果としてのL*a*b*値に対応する分光反射率)に対応させる色変換テーブルを作成するようになっている。
【0181】
このように、RGB信号を分光反射率に対応させる色変換テーブルを作成する場合も、基本的には、図1〜図12を参照しながら上述した色変換テーブル作成装置1により、上述した手順と同様の手順(図5のステップS11〜S25)に従って、イメージスキャナ60の色変換テーブルが作成される。
【0182】
ただし、対応関係作成部141(ステップS21)で用いられる色変換式は上式(14),(15)となる。また、判断部142(ステップS23)では、分光反射率の正当性を判断するために、RGB値に対応するL*a*b*値が必要となるので、この第3変形例においても、上述した実施形態と同様にして、RGB値に対応するL*a*b*値が、色変換結果として、対応関係作成部141もしくは判断部142において算出される。
【0183】
また、作成処理部143(ステップS24)で補間演算処理(内挿処理)を行なう場合には、上式(17)〜(20)式に代えて、下式(21)〜(24)が用いられる。
ここでは、ある一つのRGB値に対する3つの対応関係1〜3として、それぞれ、3つの分光反射率REF1(REF1380,REF1390,…,REF1730),REF2(REF2380,REF2390,…,REF2730)およびREF3(REF3380,REF3390,…,REF3730)が得られているものとする。また、これらの分光反射率に対応するL*a*b*値(色変換結果)を、それぞれ、L*a*b*1(L1,a1,b1),L*a*b*2(L2,a2,b2)およびL*a*b*3(L3,a3,b3)とする。
【0184】
さらに、図9〜図12に示した例と同様、L*a*b*1(L1,a1,b1)と領域1の境界面B1との距離をD1、L*a*b*2(L2,a2,b2)と領域2の境界面B2との距離をD2、L*a*b*3(L3,a3,b3)と領域3の境界面B3との距離をD3とする。
【0185】
例えば図9に示すごとくL*a*b*1(L1,a1,b1),L*a*b*2(L2,a2,b2)およびL*a*b*3(L3,a3,b3)がそれぞれ対応領域1〜3に属しており、L*a*b*1(L1,a1,b1),L*a*b*2(L2,a2,b2)およびL*a*b*3(L3,a3,b3)がいずれも正しいと判断された場合、下式(21)に示す内挿式を用い、距離D1〜D3に基づいて、一つの分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)が算出・決定される。
Figure 0004154116
【0186】
例えば図10に示すごとくL*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)がそれぞれ対応領域1および2に属しており、L*a*b*1(L1,a1,b1)およびL*a*b*2(L2,a2,b2)が正しいと判断された場合、下式(22)に示す内挿式を用い、距離D1およびD2に基づいて、一つの分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)が算出・決定される。
Figure 0004154116
【0187】
例えば図11に示すごとくL*a*b*1(L1,a1,b1)だけが対応領域1に属しており、L*a*b*1(L1,a1,b1)だけが正しいと判断された場合、下式(23)に示す通り、REF1(REF1380,REF1390,…,REF1730)がそのままREF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)が決定される。
Figure 0004154116
【0188】
例えば図12に示すごとくL*a*b*1(L1,a1,b1),L*a*b*2(L2,a2,b2)およびL*a*b*3(L3,a3,b3)がいずれも対応領域1〜3に属しておらず、L*a*b*1(L1,a1,b1),L*a*b*2(L2,a2,b2)およびL*a*b*3(L3,a3,b3)がいずれも正しくないと判断された場合、下式(24)に示す内挿式を用い、距離D1〜D3の逆数に基づいて、一つの分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)が算出・決定される。
Figure 0004154116
【0189】
上述のような内挿処理によって得られた分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)が、ある一つのRGB値に対応する最終的な分光反射率としてメモリ20に出力され、そのRGB値についての対応関係が決定される。
以上のような処理を、格子状のRGB値(格子点信号値)の全てについて実行することにより、メモリ20上に、RGB値と分光反射率とを対応させる色変換テーブルが作成される。
【0190】
なお、ここでは、正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が複数存在する場合、(21)式や(22)式に示すごとく距離D1〜D3に基づいて一つの分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)を算出・決定しているが、その距離が最も大きい色変換結果(境界から最も離れている色変換結果)を、最も信頼性の高いものであると判断し、分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)として選択・決定してもよい。
【0191】
このような選択処理によれば、図9に示す例では、D1>D3>D2であるので、REF1(REF1380,REF1390,…,REF1730)が最終的な分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)として選択・決定される。また、図10に示す例では、D1>D2であるので、REF1(REF1380,REF1390,…,REF1730)が最終的な分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)として選択・決定される。
【0192】
同様に、正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が存在しない場合、(20)式に示すごとく距離D1〜D3の逆数に基づいて一つの分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)を算出・決定しているが、その距離の逆数が最も大きい色変換結果(つまりは、距離が最も小さく境界に最も近い色変換結果)を、最も信頼性の高いものであると判断し、分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)として選択・決定してもよい。
【0193】
このような選択処理によれば、図12に示す例では、D3<D1<D2であるので、REF3(REF3380,REF3390,…,REF3730)が最終的な分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)として選択・決定される。
【0194】
上述のように、第3変形例によれば、上述した本実施形態と同様の作用効果が得られるほか、この第3変形例では、RGB信号を色変換結果としての分光反射率REF(REF380,REF390,…,REF730)に対応させる色変換テーブルが作成されるので、色変換結果を分光反射率にすることができ、イメージスキャナ60を簡易測色器の代用とすることが可能になる。
【0195】
一つのRGB信号(格子点信号値)について正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が複数存在する場合、正しいと判断された、2または3の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離D1〜D3に基づいて、そのRGB信号についての分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)を算出することで、分光反射率の階調性が保証される。
【0196】
また、一つのRGB信号(格子点信号値)について正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が複数存在する場合、正しいと判断された複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離D1〜D3に基づいて、正しいと判断された複数の色変換結果に応じた分光反射率のうちの一つを、そのRGB信号についての分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)として選択することで、対応関係作成にかかる処理時間を短縮することができる。
【0197】
一方、一つのRGB信号(格子点信号値)について正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が存在しない場合、そのRGB信号について得られた複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離D1〜D3の逆数に基づいて、そのRGB信号についての分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)を算出することで、色変換結果が全て正しくないとしても、より信頼性のある分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)を算出することが可能になる。
【0198】
また、一つのRGB信号(格子点信号値)について正しいと判断された色変換結果(L*a*b*値)が存在しない場合、その一の色信号について得られた複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離D1〜D3の逆数に基づいて、複数の色変換結果に応じた分光反射率のうちの一つを、一の色信号についての分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)として選択することで、色変換結果が全て正しくないとしても、より信頼性の高い分光反射率REF4(REF4380,REF4390,…,REF4730)を短時間で得ることが可能になる。
【0199】
〔4−4〕第4変形例の説明
なお、上述した本実施形態や第1〜第3変形例では、作成処理部143において色変換結果や分光反射率の内挿処理もしくは選択処理を行なう際に、色変換結果(L*a*b*値)と各領域の境界との距離を用いているが、その距離に代えて、その距離を変換して得られるΔE94の値を用いてもよい。
【0200】
この場合、人間の目から見て、より正確な色変換を行なうことのできる色変換テーブルが作成されることになる。ΔE94は、L*a*b*空間上の距離(ΔEab)よりも人間の見た目に近い色差をもつため、このΔE94を用いた色変換結果は、人間の目から見て、より正確なものになる。
【0201】
〔4−5〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、変換元色空間がRGB空間であり変換先色空間L*a*b*空間である場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各種色空間における色信号どうしを対応させる色変換テーブルを作成する際に用いることにより、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0202】
上述した実施形態では、変換先色空間を3分割あるいは2分割した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、4以上の領域に分割してもよい。また、上述した実施形態では、変換先色空間を、色相角のみに応じて分割した場合、彩度のみに応じて分割した場合、明度のみに応じて分割した場合について説明したが、色相角,彩度および明度のうちの少なくとも2つのパラメータを組み合わせ、これらのパラメータに応じて変換先色空間を複数の領域に分割してもよい。
【0203】
さらに、上述した実施形態では、主成分ベクトルや分光特性や分光反射率が、可視光波長範囲380〜730nmにおける10nm毎の各波長(380,390,…,730nm)に対応して得られる36個の離散データである場合について説明したが、本発明は、主成分ベクトルや分光特性や分光反射率を、上述のような離散データに限定するものではない。
【0204】
また、上述した実施形態では、判断部142においては、対応関係作成部141で算出されたL*a*b*値を用いて判断を行なっているが、判断部142が、L*a*b*値を算出するように構成してもよい。
【0205】
〔5〕付記
〔付記1〕 色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを作成する方法であって、
該変換先色空間の全体を分割して得られる複数の領域を、予め定義しておく分割ステップと、
該分割ステップで定義された該複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成ステップとを有することを特徴とする、色変換テーブル作成方法。
【0206】
〔付記2〕 色票上の複数種の色領域を該色入力機器で読み込み、各色領域に対応する、該変換元色空間での色信号を該色入力機器から出力する読込ステップと、
該複数種の色領域を測色器で測色し、各色領域に対応する分光反射率を該測色器から出力する測色ステップと、
該分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が該色変換先色空間において該複数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類ステップと、
該読込ステップで該色入力機器から出力された該色信号と該測色ステップで該測色器から出力された該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定ステップとをさらに有し、
該色変換テーブル作成ステップにおいて、該分類ステップで分類された該分光反射率と該分光特性推定ステップで推定された前記分光特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成することを特徴とする、付記1記載の色変換テーブル作成方法。
【0207】
〔付記3〕 該色変換テーブル作成ステップが、
各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を作成する対応関係作成ステップと、
該対応関係作成ステップで該色変換式毎に作成された該対応関係に基づいて、該色変換テーブルを作成する作成処理ステップとを有していることを特徴とする、付記1または付記2に記載の色変換テーブル作成方法。
【0208】
〔付記4〕 該変換先色空間が均等色空間であることを特徴とする、付記1記載の色変換テーブル作成方法。
〔付記5〕 該複数の領域が、相互に重複する領域を有していることを特徴とする、付記1記載の色変換テーブル作成方法。
〔付記6〕 該分割ステップにおいて、色相角に応じて該変換先色空間の全体を分割することにより、該複数の領域が得られることを特徴とする、付記1記載の色変換テーブル作成方法。
【0209】
〔付記7〕 該分割ステップにおいて、彩度に応じて該変換先色空間の全体を分割することにより、該複数の領域が得られることを特徴とする、付記1記載の色変換テーブル作成方法。
〔付記8〕 該分割ステップにおいて、明度に応じて該変換先色空間の全体を分割することにより、該複数の領域が得られることを特徴とする、付記1記載の色変換テーブル作成方法。
【0210】
〔付記9〕 該色変換テーブル作成ステップが、
該対応関係作成ステップにおいて該対応関係を作成する際に各色変換式により該変換元色空間の一の色信号を変換した色変換結果が、各色変換式に対応した該領域に属している場合に、該色変換結果は正しいものと判断する判断ステップをさらに有し、
該作成処理ステップにおいて、該判断ステップで正しいと判断された該色変換結果に基づいて該色変換テーブルを作成することを特徴とする、付記3記載の色変換テーブル作成方法。
【0211】
〔付記10〕 該作成処理ステップにおいて、該一の色信号について該判断ステップで正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、正しいと判断された該複数の色変換結果と各色変換結果の属する該領域の境界との距離に関する値に基づいて、該一の色信号についての色変換結果を算出することを特徴とする、付記9記載の色変換テーブル作成方法。
【0212】
〔付記11〕 該作成処理ステップにおいて、該一の色信号について該判断ステップで正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、正しいと判断された該複数の色変換結果と各色変換結果の属する該領域の境界との距離に関する値に基づいて、正しいと判断された該複数の色変換結果のうちの一つを、該一の色信号についての色変換結果として選択することを特徴とする、付記9記載の色変換テーブル作成方法。
【0213】
〔付記12〕 該作成処理ステップにおいて、該一の色信号について該判断ステップで正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、該対応関係作成ステップで該一の色信号について得られた複数の色変換結果と各色変換結果の属する該領域の境界との距離に関する値の逆数に基づいて、該一の色信号についての色変換結果を算出することを特徴とする、付記9記載の色変換テーブル作成方法。
【0214】
〔付記13〕 該作成処理ステップにおいて、該一の色信号について該判断ステップで正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、該対応関係作成ステップで該一の色信号について得られた複数の色変換結果と各色変換結果の属する該領域の境界との距離に関する値の逆数に基づいて、該複数の色変換結果のうちの一つを、該一の色信号についての色変換結果として選択することを特徴とする、付記9記載の色変換テーブル作成方法。
【0215】
〔付記14〕 該色変換テーブルが、該変換元色空間の色信号を、該色変換先空間の色信号としての、該色変換結果に応じた分光反射率に対応させるものであることを特徴とする、付記9記載の色変換テーブル作成方法。
〔付記15〕 該作成処理ステップにおいて、該一の色信号について該判断ステップで正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、正しいと判断された該複数の色変換結果と各色変換結果の属する該領域の境界との距離に関する値に基づいて、該一の色信号についての分光反射率を算出することを特徴とする、付記14記載の色変換テーブル作成方法。
【0216】
〔付記16〕 色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを作成する装置であって、
該変換先色空間を分割して得られる複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成部をそなえたことを特徴とする、色変換テーブル作成装置。
【0217】
〔付記17〕 色票上の複数種の色領域を該色入力機器により読み込んで得られた、各色領域に対応する、該変換元色空間での色信号を入力する入力部と、該複数種の色領域を測色し、各色領域に対応する分光反射率を得る測色器と、該分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が該色変換先色空間において該複数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類部と、
該入力部から入力された該色信号と該測色器により得られた該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定部とをさらにそなえ、
該色変換テーブル作成部が、該分類部により分類された該分光反射率と該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成することを特徴とする、付記16記載の色変換テーブル作成装置。
【0218】
〔付記18〕 該色変換テーブル作成部が、
各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を作成する対応関係作成部と、
該対応関係作成部で該複数の色変換式によりそれぞれ作成された複数組の該対応関係に基づいて、一組の対応関係を得て、該色変換テーブルを作成する作成処理部とをそなえていることを特徴とする、付記16または付記17に記載の色変換テーブル作成装置。
【0219】
〔付記19〕 色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを作成する機能をコンピュータにより実現させるための色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
該色変換テーブル作成プログラムが、
該変換先色空間を分割して得られる複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成部として、該コンピュータを機能させることを特徴とする、色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0220】
〔付記20〕 該色変換テーブル作成プログラムが、さらに、
色票上の複数種の色領域を測色器により測色して該色領域毎に得られた分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が、該色変換先色空間において該複数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類部、および、
該複数種の色領域を該色入力機器により読み込んで該色領域毎に得られた該変換元色空間での色信号と、該測色器により得られた該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定部として、該コンピュータを機能させるとともに、
該コンピュータを該色変換テーブル作成部として機能させる際に、該分類部により分類された該分光反射率と該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成させることを特徴とする、付記19記載の色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0221】
〔付記21〕 該色変換テーブル作成プログラムが、
該コンピュータを該色変換テーブル作成部として機能させる際に、
各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を作成する対応関係作成部、および、
該対応関係作成部で該複数の色変換式によりそれぞれ作成された複数組の該対応関係に基づいて、一組の対応関係を得て、該色変換テーブルを作成する作成処理部として、該コンピュータを機能させることを特徴とする、付記19または付記20に記載の色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0222】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の色変換テーブル作成方法(請求項)および色変換テーブル作成装置(請求項)並びに色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体(請求項)によれば、色入力機器の色変換テーブルの作成に際して、変換先色空間の分割領域に応じた色変換式(つまり分割領域毎に異なる色変換式)を用いることにより、色空間全体に亘る対応関係を精度良く算出することが可能になる。
【0223】
従って、手間をかけることなく、少数の色票データによって、精度良く色変換を行なえる色変換テーブルを作成することができる。また、このように作成された色変換テーブルを用いることにより、色空間全体に亘る色変換精度を向上させることができる。
【0224】
このとき、各色変換式を、色入力機器の分光特性と色入力機器で読み取った色票の分光反射率(分割領域毎に分類されたもの)とに基づいて作成する。即ち、各分割領域に含まれる色領域(カラーパッチ)の分光反射率から主成分ベクトルを算出する。色空間上で距離の近い2つの色の分光反射率は類似しているので、主成分ベクトルにより分光反射率を表現しやすくなり、結果としてさらに精度良く対応関係を算出することができる(請求項1〜3)。
【0225】
また、一の色信号について複数の色変換式により複数組の対応関係を作成し、その複数組の対応関係に基づいて色変換テーブルが作成されるので、その複数組の対応関係を考慮しながら、より精度の高い対応関係を算出することが可能であり、より精度良く色変換を行なえる色変換テーブルを作成することができる。そして、このように作成された色変換テーブルを用いることにより、色空間全体に亘る色変換精度をさらに向上させることができる(請求項1〜3)。
【0226】
さらに、本発明によれば、以下のような作用効果も得られる。
〔1〕変換先色空間として、人が見た際の色の差とその色空間での色の距離とがほぼ均等であるような均等色空間(CIELAB,CIELUV,CIECAMなど)を用いることで、色変換を行なう際に、色空間内のどのような色でも、色空間内の距離を重み係数として用いることができる。
【0227】
〔2〕変換先色空間を分割して得られる複数の領域が、相互に重複する領域を有することにより、色変換結果の階調性が保証される。つまり、重複領域に存在する色変換結果として、分割領域毎の色変換式により算出された複数の色変換結果に対して補間演算を行なった結果を用いることにより、各領域間の色の階調性が保証されることになる。
【0228】
〔3〕色相角に応じて変換先色空間の全体を分割して得られた複数の領域を用いることで、より精度良く対応関係を算出することが可能になる。つまり、色票の分光反射率を、色相角領域毎に分類された分光反射率群に基づいて主成分ベクトルを算出した場合、その主成分ベクトルの、各色相角領域に属する分光反射率群に対する寄与率は、当然、高くなる。従って、そのような主成分ベクトルは、各色相角領域に属する分光反射率群をより正確に表現することができ、結果として精度良く対応関係を算出できる。このような効果は、様々な色相角をもつ色をもつ色票を用いた場合に顕著に得られる。
【0229】
〔4〕一次色(例えばシアン,マゼンタ,イエローなど)の色相角を各領域の中心とすることで、より精度良く対応関係を算出することが可能になる。一次色中心付近に存在する色の分光反射率の形状は、一次色の分光反射率の形状に類似している。そのため、一次色中心付近に存在する分光反射率群に基づいて主成分ベクトルを算出した場合、その主成分ベクトルの、一次色中心付近における分光反射率群に対する寄与率は、当然、高くなり、精度良く対応関係を算出できる。
【0230】
〔5〕彩度に応じて変換先色空間の全体を分割して得られた複数の領域を用いることで、より精度良く対応関係を算出することが可能になる。つまり、色票の分光反射率を、彩度領域毎に分類された分光反射率群に基づいて主成分ベクトルを算出した場合、その主成分ベクトルの、各彩度領域に属する分光反射率群に対する寄与率は、当然、高くなる。従って、そのような主成分ベクトルは、各彩度領域に属する分光反射率群をより正確に表現することができ、結果として精度良く対応関係を算出できる。このような効果は、様々な彩度をもつ色をもつ色票を用いた場合に顕著に得られる。
【0231】
〔6〕明度に応じて変換先色空間の全体を分割して得られた複数の領域を用いることで、より精度良く対応関係を算出することが可能になる。つまり、色票の分光反射率を、明度領域毎に分類された分光反射率群に基づいて主成分ベクトルを算出した場合、その主成分ベクトルの、各明度領域に属する分光反射率群に対する寄与率は、当然、高くなる。従って、そのような主成分ベクトルは、各明度領域に属する分光反射率群をより正確に表現することができ、結果として精度良く対応関係を算出できる。このような効果は、様々な明度をもつ色をもつ色票を用いた場合に顕著に得られる。
【0232】
〔7〕各色変換式により変換元色空間の一の色信号を変換した色変換結果が各色変換式に対応した領域に属している場合に、その色変換結果は正しいものと判断し、正しいと判断された色変換結果に基づいて色変換テーブルを作成することで、より精度良く対応関係を算出することが可能になる。色空間の各分割領域から得られた色変換式による色変換精度は、当然ながら、自らの領域外の色信号に対して色変換を行なう際には、低くなる。そのため、精度の低い色変換結果と、精度の高い色変換結果とを判別することで、より高い精度の色変換結果を取得することができる。
【0233】
〔8〕一の色信号について正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、正しいと判断された複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値に基づいて、その一の色信号についての色変換結果を算出することで、色変換結果の階調性が保証される。各色変換式を用いて算出された複数の色変換結果が大きく異なり、それぞれの領域境界面に対してずれる場合があるが、このような場合、上述のような色変換結果の算出処理(内挿処理)を行なうことにより、階調性が保証されることになる。
【0234】
〔9〕一の色信号について正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、正しいと判断された複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値に基づいて、正しいと判断された複数の色変換結果のうちの一つを、その一の色信号についての色変換結果として選択することで、対応関係作成にかかる処理時間を短縮することができる。分割領域の数が多い場合などは、それに比例して、色変換結果の算出処理(内挿処理)にかかる時間が多くなる。そこで、処理時間を短縮するために、正しい色変換結果のうち、境界面からの距離が最も離れているものが、複数の正しい色変換結果の中でも最も信頼性の高いものであると判断して、その色変換結果を最終的な色変換結果とする。
【0235】
〔10〕一の色信号について正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、その一の色信号について得られた複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値の逆数に基づいて、その一の色信号についての色変換結果を算出することで、色変換結果が全て正しくないとしても、より信頼性のある色変換結果を算出することが可能になる。つまり、全ての色変換結果が正しくない場合は、正しくないものの中でも各境界面との距離が近いものの方が信頼性が高いものと判断している。
【0236】
〔11〕一の色信号について正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、その一の色信号について得られた複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値の逆数に基づいて、複数の色変換結果のうちの一つを、その一の色信号についての色変換結果として選択することで、色変換結果が全て正しくないとしても、より信頼性の高い色変換結果を短時間で得ることが可能になる。
【0237】
〔12〕色変換テーブルを、変換元色空間の色信号を、色変換先空間の色信号としての、色変換結果に応じた分光反射率に対応させるものとすることにより、色変換結果を分光反射率にすることができ、色入力機器を簡易測色器の代用とすることが可能になる。
〔13〕一の色信号について正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、正しいと判断された複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値に基づいて、その一の色信号についての分光反射率を算出することで、分光反射率の階調性が保証される。
【0238】
〔14〕一の色信号について正しいと判断された色変換結果が複数存在する場合、正しいと判断された複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値に基づいて、正しいと判断された複数の色変換結果に応じた分光反射率のうちの一つを、その一の色信号についての分光反射率として選択することで、対応関係作成にかかる処理時間を短縮することができる。
【0239】
〔15〕一の色信号について正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、その一の色信号について得られた複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値の逆数に基づいて、その一の色信号についての分光反射率を算出することで、色変換結果が全て正しくないとしても、より信頼性のある分光反射率を算出することが可能になる。
【0240】
〔16〕一の色信号について正しいと判断された色変換結果が存在しない場合、その一の色信号について得られた複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値の逆数に基づいて、複数の色変換結果に応じた分光反射率のうちの一つを、一の色信号についての分光反射率として選択することで、色変換結果が全て正しくないとしても、より信頼性の高い分光反射率を短時間で得ることが可能になる。
【0241】
〔17〕複数の色変換結果と各色変換結果の属する領域の境界(境界面)との距離に関する値として、その距離を変換して得られるΔE94の値を用いることにより、人間の目から見て、より正確な色変換を行なうことのできる色変換テーブルが作成される。ΔE94は、L*a*b*空間上の距離(ΔEab)よりも人間の見た目に近い色差をもつため、このΔE94を用いた色変換結果は、人間の目から見て、より正確なものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての色変換テーブル作成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としての色変換テーブル作成方法を実現するためのコンピュータシステム(色変換テーブル作成装置)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】RGB空間とL*a*b*空間との対応関係を示す図である。
【図4】(A)〜(C)は、いずれも、本実施形態における、色相角に応じた領域分割例を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態としての色変換テーブル作成方法の流れを説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施形態における分光特性推定手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態における色変換式作成手順および対応関係作成手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】本実施形態における判断手順および内挿処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態における内挿処理の具体例を説明するための図である。
【図10】本実施形態における内挿処理の具体例を説明するための図である。
【図11】本実施形態における内挿処理の具体例を説明するための図である。
【図12】本実施形態における内挿処理の具体例を説明するための図である。
【図13】本実施形態の第1変形例における、彩度に応じた領域分割例を説明するための図である。
【図14】本実施形態の第1変形例における内挿処理の具体例を説明するための図である。
【図15】本実施形態の第1変形例における内挿処理の具体例を説明するための図である。
【図16】本実施形態の第1変形例における内挿処理の具体例を説明するための図である。
【図17】本実施形態の第2変形例における、明度に応じた領域分割例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 コンピュータシステム(パーソナルコンピュータ,色変換テーブル作成装置)
10 CPU
11 分光特性推定部
12 分光反射率分類部
14 色変換テーブル作成部
141 対応関係作成部
142 判断部
143 作成処理部
15 RGB空間格子点信号値出力部
20 メモリ
21 アプリケーションプログラム(色変換テーブル作成プログラム)
22 色変換テーブル
30 ディスプレイ
40 キーボード
41 マウス
50 バス
51 入出力インタフェース
52 入出力インタフェース(入力部)
60 イメージスキャナ(色入力機器)
70 測色器
100 色票

Claims (3)

  1. 色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを作成する方法であって、
    該変換先色空間の全体を分割して得られる複数の領域を、予め定義しておく分割ステップと、
    色票上の複数種の色領域を該色入力機器で読み込み、各色領域に対応する、該変換元色空間での色信号を該色入力機器から出力する読込ステップと、
    該複数種の色領域を測色器で測色し、各色領域に対応する分光反射率を該測色器から出力する測色ステップと、
    該分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が該色変換先色空間において該複数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類ステップと、
    該読込ステップで該色入力機器から出力された該色信号と該測色ステップで該測色器から出力された該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定ステップと、
    該分割ステップで定義された該複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成ステップとを有し、
    該色変換テーブル作成ステップが、
    該分類ステップで分類された該分光反射率と該分光特性推定ステップで推定された前記分光特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成しながら、各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を複数作成する対応関係作成ステップと、
    該対応関係作成ステップにおいて該対応関係を複数作成する際に各色変換式により該変換元色空間の一の色信号を変換した色変換結果が、各色変換式に対応した該領域に属している場合に、該色変換結果は正しいものと判断する判断ステップと、
    該判断ステップで正しいと判断された該色変換結果に基づいて該色変換テーブルを作成する作成処理ステップとを有するとともに、
    該対応関係作成ステップにおいて、
    該分類ステップで分類された分光反射率群毎に当該分光反射率群に対して特異値分解を施すことにより算出された複数の主成分ベクトルと、該分光特性推定ステップで推定された前記分光特性とに基づいて、該変換元色空間における色信号値を代入することにより該複数の主成分ベクトルのそれぞれについての複数の重み係数を算出する第1式を、該色変換式として該変換先色空間での前記領域毎に作成し、
    該変換元色空間における色信号値毎に該第1式によって算出された該複数の重み係数をそれぞれ該複数の主成分ベクトルに乗算しその線形和を求めることによって当該色信号値に対応した分光反射率を前記領域毎に算出する第2式を、該色変換式として作成し、
    該第2式によって前記領域毎に算出された該分光反射率を該変換先色空間における色信号に変換する第3式を、該色変換式として作成し、
    これらの第1式,第2式および第3式を用いて該変換元色空間の一の色信号を該変換先色空間の色信号に変換することにより、当該一の色信号について、該分類ステップで分類された複数の分光反射率群のそれぞれに対応する複数の該対応関係を作成することを特徴とする、色変換テーブル作成方法。
  2. 色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを作成する装置であって、
    色票上の複数種の色領域を該色入力機器により読み込んで得られた、各色領域に対応する、該変換元色空間での色信号を入力する入力部と、
    該複数種の色領域を測色し、各色領域に対応する分光反射率を得る測色器と、
    該分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が該色変換先色空間において該複 数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類部と、
    該入力部から入力された該色信号と該測色器により得られた該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定部と、
    該変換先色空間を分割して得られる複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成部をそなえ
    該色変換テーブル作成部が、
    該分類部により分類された該分光反射率と該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成しながら、各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を複数作成する対応関係作成部と、
    該対応関係作成部において該対応関係を複数作成する際に各色変換式により該変換元色空間の一の色信号を変換した色変換結果が、各色変換式に対応した該領域に属している場合に、該色変換結果は正しいものと判断する判断部と、
    該判断部により正しいと判断された該色変換結果に基づいて該色変換テーブルを作成する作成処理部とをそなえるとともに、
    該対応関係作成部が、
    該分類部により分類された分光反射率群毎に当該分光反射率群に対して特異値分解を施すことにより算出された複数の主成分ベクトルと、該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換元色空間における色信号値を代入することにより該複数の主成分ベクトルのそれぞれについての複数の重み係数を算出する第1式を、該色変換式として該変換先色空間での前記領域毎に作成し、
    該変換元色空間における色信号値毎に該第1式によって算出された該複数の重み係数をそれぞれ該複数の主成分ベクトルに乗算しその線形和を求めることによって当該色信号値に対応した分光反射率を前記領域毎に算出する第2式を、該色変換式として作成し、
    該第2式によって前記領域毎に算出された該分光反射率を該変換先色空間における色信号に変換する第3式を、該色変換式として作成し、
    これらの第1式,第2式および第3式を用いて該変換元色空間の一の色信号を該変換先色空間の色信号に変換することにより、当該一の色信号について、該分類部により分類された複数の分光反射率群のそれぞれに対応する複数の該対応関係を作成することを特徴とする、色変換テーブル作成装置。
  3. 色入力機器から出力された、該色入力機器の色空間(以下、変換元色空間)における色信号と、該変換元色空間とは異なる色空間(以下、変換先色空間という)における色信号とを対応させる色変換テーブルを、色票上の複数種の色領域を該色入力機器により読み込んで得られた、各色領域に対応する、該変換元色空間での色信号であって入力部から入力される色信号と、測色器により該複数種の色領域を測色して得られる各色領域に対応する分光反射率とに基づいて作成する機能をコンピュータにより実現させるための色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
    該色変換テーブル作成プログラムが、
    該分光反射率に対応する、該変換先色空間での色信号が該色変換先色空間において該複数の領域のうちのどの領域に属するかに応じて、該分光反射率を分類する分類部、
    該入力部から入力された該色信号と該測色器により得られた該分光反射率とに基づいて、該色入力機器の分光特性を推定する分光特性推定部、および、
    該変換先色空間を分割して得られる複数の領域にそれぞれ対応した複数の色変換式を用いて、該色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成部として、該コンピュータを機能させ
    該色変換テーブル作成プログラムが該コンピュータを該色変換テーブル作成部として機能させる際に、
    該色変換テーブル作成プログラムが、
    該分類部により分類された該分光反射率と該分光特性推定部により推定された前記分光 特性とに基づいて、該変換先色空間での前記領域毎に該色変換式を作成しながら、各領域に応じた該色変換式を用いて、該色変換式毎に、該変換元色空間における色信号と該変換先色空間における色信号との対応関係を複数作成する対応関係作成部、
    該対応関係作成部において該対応関係を複数作成する際に各色変換式により該変換元色空間の一の色信号を変換した色変換結果が、各色変換式に対応した該領域に属している場合に、該色変換結果は正しいものと判断する判断部、および、
    該判断部により正しいと判断された該色変換結果に基づいて該色変換テーブルを作成する作成処理部として、該コンピュータをさらに機能させるとともに、
    該色変換テーブル作成プログラムが該コンピュータを該対応関係作成部として機能させる際に、
    色変換テーブル作成プログラムが、該コンピュータに、
    該分類部により分類された分光反射率群毎に当該分光反射率群に対して特異値分解を施すことにより算出された複数の主成分ベクトルと、該分光特性推定部により推定された前記分光特性とに基づいて、該変換元色空間における色信号値を代入することにより該複数の主成分ベクトルのそれぞれについての複数の重み係数を算出する第1式を、該色変換式として該変換先色空間での前記領域毎に作成させ、
    該変換元色空間における色信号値毎に該第1式によって算出された該複数の重み係数をそれぞれ該複数の主成分ベクトルに乗算しその線形和を求めることによって当該色信号値に対応した分光反射率を前記領域毎に算出する第2式を、該色変換式として作成させ、
    該第2式によって前記領域毎に算出された該分光反射率を該変換先色空間における色信号に変換する第3式を、該色変換式として作成させ、
    これらの第1式,第2式および第3式を用いて該変換元色空間の一の色信号を該変換先色空間の色信号に変換することにより、当該一の色信号について、該分類部により分類された複数の分光反射率群のそれぞれに対応する複数の該対応関係を作成させることを特徴とする、色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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