JP4153482B2 - 模型素材用盛り付け剤 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の目的は、高速切削加工でも表面がなめらかに切削でき仕上げ工程が不要となる模型素材用盛り付け剤を提供することである。
したがって、本発明の模型素材用盛り付け剤は、切削面積の大きい大型模型を短期間で切削加工できるため、例えば自動車の実物大模型等に特に好適である。
なお、融点(℃)は、JIS K0064−1992の3.2融点測定方法に準拠して測定された値である。
(ww1)としては、炭素数18〜22の不飽和脂肪酸アミド等が用いられる。
不飽和脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、エルカ酸アミド及びリシノール酸アミド等が挙げられる。
(ww2)としては、炭素数1〜18の飽和炭化水素1置換アミンの炭素数10〜16の飽和脂肪酸アミド、炭素数18の不飽和炭化水素1置換アミンの炭素数16〜18の飽和脂肪酸アミド、及び炭素数18の飽和炭化水素1置換アミンの炭素数18〜22の不飽和脂肪酸アミド等が挙げられる。
炭素数18の不飽和炭化水素2置換アミンの炭素数16〜18の飽和脂肪酸アミドとしてはN,N−ジオレイルパルミチン酸アミド及びN,N−ジオレイルステアリン酸アミド等が挙げられる。炭素数18の飽和炭化水素2置換アミンの炭素数18〜22の不飽和脂肪酸アミドとしては、N,N−ジステアリルオレイン酸アミド及びN,N−ジステアリルエルカ酸アミドが挙げられる。
ポリアミンとしては、例えば、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、炭素数2〜6のアルキレン基を有するポリアルキレンポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど)が挙げられる。脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数2〜32の直鎖状又は分岐状の脂肪酸、例えば、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、アクリル酸、オレイン酸、エルシン酸などが挙げられる。ポリカルボン酸としては、例えば、炭素数2〜40脂肪族ジカルボン酸(例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、エライジン酸、マレイン酸、フマル酸、3,3−ジメチルペンタン二酸など)、炭素数4〜42脂肪族多価カルボン酸(例えば、3,3−ジメチル−5−エチルオクタン−1,2,8−トリカルボン酸など)、及び上記不飽和脂肪酸のダイマー酸等が挙げられる。
炭素数18のモノヒドロキシ脂肪酸のエステルとしては12−ヒドロキシステアリン酸メチル、12−ヒドロキシステアリン酸ステアリル、モノ−12−ヒドロキシステアリン酸エチレングリコール及びモノ−12−ヒドロキシステアリン酸プロピレングリコール等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしてはモノ−ステアリン酸グリセリン及びモノ−ベヘニン酸グリセリン等が挙げられる。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール;並びにシクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等のシクロアルキレングリコール等)、炭素数3〜20の3価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン及びヘキサントリオール等のアルカントリオール等);炭素数5〜20の4〜8価の多価アルコール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン等のアルカンポリオールの分子内脱水物、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等のアルカンポリオールの分子間脱水物;並びにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース及びメチルグルコシド等の糖類及びその誘導体);が挙げられる。
これらの他のポリオールを使用する場合、この使用量(重量%)は、ポリオール(A)の重量に基づいて、30以下が好ましく、さらに好ましくは20以下である。
ポリオール(A)のヒドロキシル価(mgKOH/g)は、200〜700が好ましく、さらに好ましくは250〜650、特に好ましくは300〜600、最も好ましくは350〜550である。この範囲であると、硬化後の強度及び靱性がさらに良好となる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が用いられ、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が用いられ、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートとしては、ウレタン変性MDI又はTDI(ショ糖変性TDI及びひまし油変性MDI等)及びカルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート及びポリアクリロニトリル等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び尿素樹脂等が挙げられる。
中空微小球(C)の真比重は、0.005〜0.1が好ましく、さらに好ましくは0.009〜0.09、特に好ましくは0.015〜0.08、最も好ましくは0.02〜0.07である。この範囲であると、取り扱い性等がさらに良好となる。
このような中空微小球(C)の市場から入手できる具体例としては、エクスパンセル551DE40d42、エクスパンセル551DE40d60、エクスパンセル551DE40d60、エクスパンセル461DE40d60、エクスパンセル461DE20d70、エクスパンセル092DE40d30(エクスパンセル社製)、並びにマツモトマイクロスフェアF−80ED及びMFLシリーズ(松本油脂製薬社製)等が挙げられる。
公知の脱水剤のうち、中性又はアルカリ性の脱水剤が好ましく、さらに好ましくは酸化カルシウム、硫酸カルシウム(半水石膏)、塩化カルシウム及びモレキュラーシーブ、特に好ましくは塩化カルシウム及びモレキュラーシーブ最も好ましくはモレキュラーシーブである。
脱水剤(D)の体積平均粒子径(μm)は、0.05〜50が好ましく、さらに好ましくは0.07〜40、特に好ましくは0.09〜30、最も好ましくは0.1〜20である。この範囲であると、単位重量当たりの表面積が大きく充分な脱水能を発揮する。
モレキュラーシーブを用いる場合、モレキュラーシーブの孔径(nm)は、1〜100が好ましく、さらに好ましくは0.05〜70、特に好ましくは0.1〜50、最も好ましくは0.2〜40である。この範囲であると、水分子を効率よく吸着することができる。
(A)及び(B)の合計含有量(重量%)は(A)、(B)、(C)、(D)、(W)及び(E)の合計重量に基づいて、50〜90が好ましく、さらに好ましくは55〜85、特に好ましくは60〜80、最も好ましくは65〜75である。この範囲であると、硬化後の靱性が良好となる。
本発明において硬化物の密度とは、300mm×300mm×50mm以上に盛り付けた樹脂を25℃で1時間放置した後、70℃で10時間、加熱硬化し、8時間放置冷却して得た硬化物を、厚みに対して上下10mm以上、長さ及び幅方向に対して50mm以上切断した中心部の試験片を切り出し、試験片の重量を、3辺の長さの積より算出した体積で除して硬化物の密度とした。
本発明の盛り付け剤を製造する実施形態の一例として、プラネタリーミキサーを用いた製造方法について、下記の工程手順が挙げられる。
(1)先ず液状成分(H成分ではポリオール(A)、着色剤及び可塑剤等、NCO成分では有機ポリイソシアネート(B)、着色剤及び可塑剤など)をプラネタリーミキサー(例えば井上製作所社製PLGM−400型)の配合槽に計量、投入し、低速(公転14rpm、自転44rpm)、室温(10〜35℃)で10分間混合する。
(2)引き続き粉体成分を中空微小球(C)、有機滑剤(W)、その他添加剤(E)の順で投入し、最後に脱水剤(D)を投入する。投入後、粉体成分が液になじむまで低速、室温で10〜30分混合する。粉体成分が液になじんだ後、−0.9MPa以下まで減圧脱気しながら、高速(自転21rpm、公転66rpm)、室温で30分間混合する。
硬化後のなめらかさをさらに高めるために、混合の際に減圧脱気し、盛り付け剤中に含まれる、気泡を除去することが好ましい。
また、液成分と粉体成分の混合温度は有機滑剤(W)の融点以下で昇温しても良い(例えば融点が70℃の有機滑剤であれば、50℃まで昇温する等。)。昇温することにより、加圧充填が容易となる。
(3)混合終了後、配合槽をラムプレス式充填機(例えば井上製作所社製PHL−400型)にセットし、加圧しながら釜下バルブから樹脂製ホースを通し、20Lストレートペール缶に充填する。
挙げられる。
(1)ペール缶から直接、吸引、送液できるポンプ部を2台持つ2液吐出機にペール缶にそれぞれ充填したH成分とNCO成分をセットする。
ポンプの形式は、プランジャーポンプ又はスネークポンプが好ましく、さらに好ましくは中空微小球(C)の破壊が比較的少なく、低流動性でも送液が可能なスネークポンプ(たとえば、兵神装備社製、ペール缶用ディスチャージャー 2NTL20型)である。
(2)H成分及びNCO成分のイソシアネート指数が上記の範囲になる割合でそれぞれのポンプ送液量を設定する。
(3)吐出口までのライン中にスタティックミキサー(たとえば、ノリタケ カンパニー リミテッド社製、スタティックミキサー 1・1/2−N30−131−F型)を設置し、2液を吐出する。スタティックミキサーで混合された混合液を、あらかじめ概略の目的形状としたコア材(たとえば、アクソン社製 硬質ポリウレタンフォーム ソフランボード80)の上に塗布する。
(4)室温(10〜35℃)で1時間、1次硬化させた後、50〜70℃で8〜12時間後硬化して、所望の形状の模型素材を得る。
本発明の盛り付け剤は、反応速度を早くすれば、室温放置でも充分な物性を発揮するまで硬化するが、必要により加熱し、後硬化することで安定した物性を発揮することができる。後硬化の条件は、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは50〜70℃で、好ましくは5〜14時間、さらに好ましくは8〜12時間である。
<使用原材料>
ポリオール(A)
(A11):グリセリンにPOを付加した、ヒドロキシル価400mgKOH/gのポリエーテルポリオール。粘度;0.38Pa・s。
(A21):エチレンジアミンにPOを付加した後、末端にEOを付加した、ヒドロキシル価450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。EOとPOの重量比;EO/PO=47.5/52.5。粘度;1.15Pa・s。
中空微小球(C1):熱可塑性樹脂中空微小球(エクスパンセル社製「エクスパンセル551DE」)。真比重;0.042、体積平均粒径;40μm。
脱水剤(D1):モレキュラーシーブ(ユニオン昭和社製「モレキュラーシーブ3A−Bパウダー」)。体積平均粒径;1〜10μm、孔径;30nm以下
(E1):可塑剤;メシチレンベースキシレン系オリゴマー(フドー社製「NIKANOL Y−51」)。粘度;0.05Pa・s。
(E2):チクソ性付与剤;微粒子状シリカ(日本アエロジル社製「AEROSIL 200」)。体積平均粒径;12nm。
有機滑剤(W)
脂肪酸アミド(W1)
(W11):エルカ酸アミド粉末(日本精化社製「ニュートロン−S」)。融点;84℃
(W12):N−オレイル−パルミチン酸アミド粉末(日本精化社製「PNT」)。融点;69℃
(W13):ポリアルキレンポリアミンの脂肪酸アミド粉末。融点;60℃
脂肪酸エステル(W2)
(W21):12−ヒドロキシステアリン酸ステアリル(伊藤製油社製「ITOHWAX E−230」)。融点;70℃
(W22):12−ヒドロキシステアリン酸メチル(伊藤製油社製「ITOHWAX E−210」)。融点;52℃
石油ワックス(W3)
(W31):パラフィンワックス(日本精蝋社製「LUVAX 1266」)。融点;69℃
(W’1):N−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド粉末(伊藤製油社製「ITOHWAX J−420」)。融点;105℃
(W’2):N,N’−エチレン−ビス−オレイルアミド粉末(伊藤製油社製「ITOHWAX J−500」)。融点;114℃
硬化速度:液温及び室温を25℃に調整し、1L紙コップに総重量が200gとなるようにH成分とNCO成分とを計量し、30秒撹拌後、100mm×100mm×30mmとなるように盛り付け、試験片とする。試験片のほぼ中央部を指触し、撹拌開始から表面の粘着が無くなるまでの時間を硬化速度とした。
密度: 500mm×500mm×50mmの硬化物の中心部から、100mm×200mm×30mmの試験片を切り出し、20〜25℃に温調された室内で試験片の重量を、3辺の長さの積より算出した体積で除して密度とした。
硬度: 硬化物をバンドソーで盛り付け面に対し垂直に切断し、切断面の厚さ方向の中央部をASTM D2240(1977年版)に準じて、20〜25℃に温調された室内で高分子計器社製「D型硬度計」を用いて測定した。
切削抵抗 : 硬化物を80mm×30mm×10mmに切断し試験片とし、20〜25℃に温調された室内でNCマシンで切削(切削刃:超硬スロウアウェイチップ、1枚刃、16mmφ、回転数:5000rpm、送り速度:3000mm/分、切り込み深さ:3mm)したときに、切削刃が刃物送り方向から受ける抵抗力を4成分動力計(KISTLER社製「9272型」、増幅器:KISTLER社製「チャージアンプ5011型」、記録計:グラフテック社製「WR7700」)で測定した。
平均表面粗度: 硬化物を80mm×30mm×10mmに切断し試験片とし、20〜25℃に温調された室内でNCマシンで切削(切削刃:フラットエンドミル、ハイス4枚刃、20mmφ、回転数:3000rpm、送り速度:4000mm/分、切り込み深さ:0.2mm)した面の平均表面粗度を非接触型3次元形状測定器(キーエンス社製「LM−3Dシステム」)で測定した。
表1及び表2に記載の配合量(重量部)で、各原材料をプラネタリーミキサー(井上製作所社製PLGM−400型)に投入し、公転14rpm、自転44rpmで10分間混合し均一にした後、自転21rpm、公転66rpm、−0.9MPa以下で30分間攪拌脱気して、 盛り付け剤をH成分とNCO成分との2液硬化型として得た。得られた各成分は20Lペール缶に18L充填した。
次に、H成分及びNCO成分を合計で2L/分の早さで、スネークポンプ(兵神装備社製ペール缶用ディスチャージャー2NTL20型)で送液し、Y字管で送液ラインを1本にまとめた後、スタティックミキサー(ノリタケ カンパニー リミテッド社製 1・1/2−N30−131−F型)、30エレメントで混合し、吐出した。500mm×500mm×50mmの硬質ポリウレタンフォームを垂直に立て、500mm×500mmの面に吐出液を30mmの厚さで盛り付けた。25℃で1時間垂直のまま放置した後、70℃で10時間、加熱硬化した。これを8時間放置冷却して盛り付け剤の硬化物を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
表3に記載の重量部で、参考例1〜15、実施例1〜3と同様にして硬化物を得た。
評価結果を表3に示す。
Claims (8)
- ポリオール(A)、有機ポリイソシアネート(B)、中空微小球(C)及び脱水剤(D)からなる模型素材用盛り付け剤において、融点(JIS K0064−1992,3.2融点試験方法)が50〜90℃の、ポリアミンの脂肪酸アミドからなる有機滑剤(W)を含有することを特徴とする模型素材用盛り付け剤。
- 有機滑剤(W)の含有量が盛り付け剤の100重量部あたり0.1〜30重量部である請求項1記載の盛り付け剤。
- ポリオール(A)が、多価アルコールアルキレンオキサイド付加体及び/又は多価フェノールアルキレンオキサイド付加体(A1)とアミンアルキレンオキサイド付加体(A2)とからなり、(A1)と(A2)との合計重量に基づいて、(A1)が60〜99重量%、(A2)が1〜40重量%、(A)のヒドロキシル価が200〜700mgKOH/gである請求項1または2記載の盛り付け剤。
- 中空微小球(C)の含有量が盛り付け剤の全重量あたり0.01〜40重量%である請求項1〜3のいずれか記載の盛り付け剤。
- ポリオール(A)、中空微小球(C)、脱水剤(D)及び有機滑剤(W)からなる1液と、有機ポリイソシアネート(B)、中空微小球(C)及び脱水剤(D)からなる1液とから構成されてなる2液硬化型である請求項1〜4のいずれか記載の盛り付け剤。
- 請求項5記載の盛り付け剤を2液吐出機により混合吐出してコア材に盛り付ける工程、及び盛り付け部を硬化させる工程を含む模型素材の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか記載の盛り付け剤を、コア材に盛り付け、硬化させてなる模型素材。
- 請求項7記載の模型素材を切削加工してなる模型。
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