JP4152799B2 - 無線基地局及びモバイル機器及び情報提供システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、近距離無線通信を含む複数の無線通信手段を同時に利用可能な携帯端末に対して、その携帯端末の存在する領域について、より狭い領域で情報を提供することや屋内・近地点で経路を誘導することを可能とする近距離エリア情報提供システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信技術の向上および各種端末やデバイスの小型化等により、あらゆるものがネットワークへ接続して情報交換することが可能となっている。また、通信手段も、有線通信だけでなく様々な無線通信(携帯電話網、無線LAN、赤外線通信、Bluetooth等)を利用したものまで可能となっている。
近年では(無線LANやBluetooth、赤外線通信等の)近距離無線通信の利用も普及しつつある。これらは接続距離が数mから数十mと短いが携帯電話を利用した通信速度よりは大きいものである。
【0003】
また、通信においてそれらを単独で利用するだけでなく、例えば特開2001−251380のようにそれらを複数搭載して同時に利用する端末も検討されている。
【0004】
現在、インターネット上で、ある特定の地域に関する情報を提供するサイトが多く存在する。また、特定位置や領域に関する情報の提供やナビゲーション(車だけでなく人に対しても)などのサービスが出現している。それらの中には利用者が明示的に特定の場所を指定して情報を検索するシステムだけでなく、利用者の持つ携帯端末を使って利用者の存在する場所を特定し、その場所に関連する情報を提供するものもある。
【0005】
利用者の持つ移動端末から現在の利用者の位置を特定するための技術は次のようなさまざまなものが存在する。
【0006】
地球上の座標位置を特定するものとしてはGPSなどがあり、移動端末と人工衛星を使用したものである。これは他の方式と比べると精度は良いほうであるが、移動端末が屋内や障害物に遮られた場合には利用することがほとんどできない。
【0007】
携帯電話網などのように、無線基地局に接続されている移動端末についてその基地局(複数の基地局に接続している場合もある)からの距離と方向を無線通信時の電波強度などから求めることで座標を求める方法がある。この方式は端末が屋内にあっても利用することは可能であるが、端末位置の測定精度や誤差の課題がまだ残っている。
【0008】
携帯電話網においては、座標を特定することは行わず、移動端末が接続した無線基地局のエリアを特定する程度までを行う場合もある。位置を特定するための特別な技術はあまり必要ではないが、基地局の対応する領域が大きい場合には広域エリアとして識別できても、狭い領域に関する詳細な情報への活用は難しい。
【0009】
これらは単に位置の特定だけでなく、経路の誘導(ナビゲーション)などの応用においても同様である。経路の誘導においては、出発地点から目的地までの経路を検索し、利用者が移動しているときに定期的に端末の位置を測定し、検索された経路と一致するかどうか確認する。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−251380号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、利用者の位置を特定するために複数の方式を組み合わせたものも存在するが、精度などの問題から屋内や狭い領域での利用などにおいて多くの課題が残っている。
【0012】
また、ある特定の場所の情報を得るためにはWebサイトから何段階かの手順を経て初めて達成できることが多く、より狭域でのエリアやリアルタイムな情報には追従しきれていない場合が多い。そのため、利用者がある特定の場所やある狭い領域にいるときだけ、そこの場所に関する情報提供を行うことはそのままでは難しい。
【0013】
ナビゲーションにおいても、建物内での誘導や移動中の示された経路、目的地への到着における利用者の明示的な確認方法などについて課題がある。
【0014】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、近距離無線通信を含む複数の無線通信手段を同時に利用可能な携帯端末を利用し、その携帯端末の存在するより狭い領域について情報提供を実現し、また、その領域や屋内においてナビゲーションも可能とすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係るモバイル機器の利用者が目的とする目的位置を通信エリア内に含む無線基地局が既知であるモバイル機器と、上記モバイル機器と通信する無線基地局とを備える情報提供システムは、
上記モバイル機器が、
上記モバイル機器のモバイル機器に関する情報を、公衆通信網を介して上記既知である無線基地局に送信する第1の公衆通信手段と、
無線基地局に対して接続要求を半径50メートル程度の狭域通信エリア内で通信する近距離無線通信手段と、
上記近距離無線通信手段により送信した接続要求が上記既知である無線基地局により受信された場合に、上記既知である無線基地局の通信エリアに関するエリア情報と、モバイル機器が上記目的位置に到着したことを通知する到着通知情報とを上記近距離無線通信手段を介して受信し、
上記近距離無線通信手段により送信した接続要求が上記既知である無線基地局以外の無線基地局により受信された場合に、上記既知である無線基地局以外の無線基地局の通信エリアに関するエリア情報を上記近距離無線通信手段を介して受信する通信制御部とを備え、
上記無線基地局が、
上記モバイル機器からモバイル機器に関する情報を、公衆通信網を介して受信する第2の公衆通信手段と、
上記通信エリア内のモバイル機器が送信した接続要求を、半径50メートル程度の狭域通信エリア内で通信する近距離無線通信により受信したことを検知する検知部と、
上記検知部が接続要求を検知した場合に、自無線基地局の通信エリアに関する情報を上記エリア情報として出力し、上記接続要求を送信したモバイル機器が、上記第2の公衆通信手段により受信したモバイル機器に関する情報を送信したモバイル機器である場合に、上記到着通知情報を生成して出力する情報提供部と、
上記情報提供部が出力した上記エリア情報と上記到着通知情報とを上記近距離無線通信により上記モバイル機器に送信する基地局通信部とを備えた
ことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に関わる構成を示すブロック図である。
図において、携帯端末1は利用者が使用するモバイル機器に相当し、具体的には、携帯電話や携帯情報端末が相当する。
携帯端末1の内部構成について説明する。表示部3は利用者に情報を表示する部、公衆網無線インターフェイス部9はインターネットなどの公衆通信網12と接続するための無線インターフェイス、近距離無線インターフェイス部11は近距離無線通信を行うインターフェイス、通信制御部7は公衆網無線インターフェイス部9と近距離無線インターフェイス部11での通信を制御する部、情報処理部5は通信制御部7から送受信された情報についてさまざまな処理を行う部である。
【0017】
近距離無線基地局2は近距離無線通信を使用して携帯端末1と通信する無線基地局に相当する。
近距離無線基地局2の内部構成について説明する。近距離無線インターフェイス部10は近距離無線基地局2が近距離無線通信を行うインターフェイスであり、基地局通信部に相当する。通信制御部6は近距離無線インターフェイス部10での通信を制御する部である。端末検知部8は携帯端末1が近距離無線基地局2に接続したことを検出する検知部に相当する。情報提供部4は携帯端末1に情報を提供する部である。
情報提供サーバ13はインターネットなどの公衆通信網12上にあるサーバである。
【0018】
次に動作について、図2も参照しながら説明する。
まず、携帯端末1が近距離無線基地局2aと接続可能な領域(狭域通信エリア17a)へ移動する。その前後において、携帯端末1は公衆網無線インターフェイス部9を通じて公衆通信網12と接続していてもよい。
【0019】
携帯端末1が近距離無線基地局2aと接続可能な領域(狭域通信エリア17a)へ移動し、携帯端末1から近距離無線基地局2aへ接続を要求することで、携帯端末1の近距離無線インターフェイス部11と近距離無線基地局2aの近距離無線インターフェイス部10が接続する。そのとき、近距離無線基地局2aの近距離無線インターフェイス部10の状態から端末検知部8は携帯端末1が接続されたことを検知し、情報提供部4にそのことを伝える。
【0020】
情報提供部4は携帯端末1に向けて近距離無線基地局2a付近のエリア情報を提供する。携帯端末1では近距離無線インターフェイス部11を経由して、通信制御部7に届いた情報を情報処理部5に渡す。情報処理部5ではそのまま表示するものであれば表示部3へその情報を表示し、そうでなければその情報を加工する。近距離無線基地局2から受け取った情報が公衆通信網12側の情報提供サーバ13を参照するものであるなどの場合、携帯端末1は、近距離無線基地局2から受け取った情報に基づいて公衆通信網12を経由して情報提供サーバ13を参照し、さらに必要な情報を取得する。
【0021】
図2に示すように、近距離無線通信によって近距離無線基地局2が通信可能な狭域通信エリア17は、半径50メートル程度までである。また、近距離無線通信に好ましい狭域通信エリア17は、半径10メートル〜20メートル程度である。近距離無線通信は、具体的には、無線LAN、Bluetooth、赤外線通信などによって実現される。
【0022】
また、携帯端末1を利用する利用者が事前に必要な情報の分野について携帯端末1に登録しておき、接続時に近距離無線基地局2が携帯端末1に情報を提供する前に携帯端末1から登録情報を受け取り、登録情報に基づいて必要な情報のみを近距離無線基地局2から携帯端末1に送信することもできる。
携帯端末1に事前に登録する情報の分野としては、スポーツ情報や飲食情報などが挙げられる。
【0023】
以上、近距離無線通信が可能な情報提供システムにおいて、公衆通信網12と接続されていない近距離無線基地局2とそれに接続する携帯端末1において、近距離無線基地局2に携帯端末1が接続したことを検出して、近距離無線基地局2が携帯端末1に向けて、該当する近距離無線基地局2へ接続可能な領域内についての情報を提供することを特徴とする近距離エリアの情報提供システムについて説明した。
【0024】
また、上記情報提供システムにおいて、近距離無線基地局2へ接続する携帯端末1が近距離無線通信時に同時に公衆通信網12へ接続することが可能なシステムであって、近距離無線基地局2から得た情報が公衆通信網12上の情報提供サーバ13が持つ情報を参照するとき、近距離無線基地局2に接続した携帯端末1がその接続を保持したまま公衆通信網12上の情報提供サーバ13への接続による情報取得を可能とすることを特徴とする近距離エリアの情報提供システムについて説明した。
【0025】
さらに、上記情報提供システムにおいて、携帯端末1が接続時に必要な情報分野を近距離無線基地局2に伝えることで必要な情報のみを近距離無線基地局2から携帯端末1に提供することを特徴とする近距離エリアの情報提供システムについて説明した。
【0026】
本実施の形態の情報提供システムでは、図2のように近距離無線基地局2が公衆通信網12とは直接つながらないことで、近距離無線により通信可能な特定の狭い領域だけに利用者が存在する場合に、外部へ不必要に情報を露出することなく、その領域に関する情報提供を行うことができる。
例えば、ある店舗内においてその店舗だけに有効な情報(メニューやサービスの内容など)についての詳細な情報を利用者に提供する場面などである。その場面においては、利用者からの注文も携帯端末1を通じて店舗側に伝えることも可能である。
【0027】
また、領域をより限定するために近距離無線基地局2上の近距離無線インターフェイス部11における電波出力を抑えることで対応することもできる。
【0028】
以上のように、本実施の形態の情報提供システムでは、近距離無線基地局2へ接続できる特定の場所や狭い領域内にある携帯端末1へのみ情報提供するようにしているので、携帯端末1のある場所を特定する測位方式を一切利用することなく、特定領域内で必要となる情報を提供することができる。
この実施の形態では、無線基地局からモバイル機器へ無線通信によって情報を提供する情報提供システムであって、
モバイル機器は、半径50メートル程度の狭域通信エリア内で通信可能な近距離無線通信手段を含む複数の無線通信手段を並行して利用することが可能であり、複数の無線通信手段の内、近距離無線通信手段を使用して無線基地局へ接続要求を送信し、
無線基地局は、上記モバイル機器からの接続要求を検知する検知部と、
上記検知部が検知した接続要求に対応して自局付近のエリア情報を提供する情報提供部と、
上記モバイル機器と接続し、上記近距離無線通信手段を使用して上記情報提供部が提供した自局付近のエリア情報を送信する基地局通信部とを備え、
上記モバイル機器は、さらに、上記無線基地局と近距離無線通信手段による接続を保持しながら公衆通信手段を使用してサーバと接続し、接続したサーバから上記送信された無線基地局付近の情報に基づいて任意の情報を取得することにより、上記モバイル機器の位置情報を必要とせずに、近距離無線通信手段を使用した、上記モバイル機器からの接続要求に従って無線基地局付近のエリア情報を狭域通信エリア内のモバイル機器に提供することを特徴とする情報提供システムの一例を説明した。
【0029】
実施の形態2.
以上の実施の形態1の情報提供システムでは、特定領域内での情報提供を行うものであるが、次に携帯端末1が近距離無線基地局2と接続することで利用者が明示的に特定領域内または特定場所に存在していることを確認できる実施の形態2について説明する。
【0030】
実施の形態1において、近距離無線基地局2aの近距離無線インターフェイス部10の状態から端末検知部8は携帯端末1が接続されたことを検知し、情報提供部4にそのことを通知し、情報提供部4が携帯端末1に情報提供を行うとき、その情報に付随して近距離無線基地局2aの位置に関する情報(座標や住所、建物・店舗名、建物内での階数など)も提供する。
【0031】
なお、目的の場所にある近距離無線基地局2aの情報は、利用者が別の手段で得て携帯端末1に入力しておく、または、利用者が携帯端末1を使用して公衆通信網12上の情報提供サーバ13から得ておく。
【0032】
利用者が目的の場所に到着し、利用者の利用する携帯端末1が近距離無線基地局2aに接続し、近距離無線基地局2aから近距離無線基地局2a付近のエリア情報とともに近距離無線基地局2aの位置情報の提供を受ける。携帯端末1は、近距離無線基地局2aの位置情報から、自機が目的の位置付近に到着したかを判断し、到着したと判断した場合には、到着したことを表示部3に表示することによって利用者へ伝える。
【0033】
一般的な測位方式を利用するものでは、携帯端末1の位置を測定しそれが目的場所の位置とどの程度離れているかで判定を行う。
しかし、一般的な測位方式では精度における誤差もあり、利用者が明示的に目的の場所に到着したかどうか確認するには、利用者自体が周辺を見渡すなどの別途な手段が必要となる。
近距離無線基地局2から位置に関する情報を得る方法であれば、目的の場所に設置された近距離無線基地局周辺に存在することは明らかになるため、利用者が目的の場所に到着したことを確認するのが容易になる。例えば、利用者が目的の店舗に確かに到着したことを確認する、などである。
【0034】
また、近距離無線基地局2上の近距離無線インターフェイス部10における電波出力を抑えることで、より限定した場所を確認するために利用することもできる。例えば、建物内における階数での確認などである。
【0035】
以上、上記情報提供システムにおいて携帯端末1が移動するときに、目的とする領域にある近距離無線基地局2の情報を予め携帯端末1に設定しておくことで、携帯端末1が該当する近距離無線基地局2に接続したときに近距離無線基地局2が提供情報とともに近距離無線基地局自体の位置に関する情報も提供することで、目的とする領域に到着したことを携帯端末1上で確認できることを特徴とする近距離エリアの情報提供システムについて説明した。
【0036】
以上のように近距離無線基地局2を配置することで、利用者の携帯端末1についての地球上の座標的な測位を必要とせずに特定の場所に利用者が存在するかどうかを明示的に確認することが可能となる。
【0037】
実施の形態3.
以上の実施の形態1および実施の形態2では、近距離無線基地局2が公衆通信網12とは直接接続せずに該当する領域の情報を提供するものであるが、次に近距離無線基地局2が公衆通信網12とも接続されているような場合に該当する領域の情報を提供する、または、利用者が明示的に特定領域内または特定場所に存在していることを確認できる実施の形態3について説明する。
【0038】
図3は、このような場合の実施の形態3に関わる構成を示すブロック図である。図1との違いは、近距離無線基地局2が公衆通信網12と接続するために伝送路インターフェイス部14が追加されていることである。他の構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
本実施の形態の動作について、図4も参照しながら説明する。
携帯端末1と近距離無線基地局2の間における接続については実施の形態1や実施の形態2と同じである。近距離無線基地局2は伝送路インターフェイス部14により公衆通信網12とも接続されている。このとき、近距離無線基地局2が携帯端末1へ情報提供を行うのは近距離無線インターフェイス部10を介してのみである。
【0040】
まず、情報提供の場合は次のような処理ができる。
【0041】
図4に示す近距離無線基地局2aは、伝送路インターフェイス部14を使用して公衆通信網12上の情報提供サーバ13上の情報などを利用・取得することができる。そのため、近距離無線基地局2aから得られた情報を参照して、携帯端末1が公衆網無線インターフェイス部9を通じて情報提供サーバ13上の情報を取得するのではなく、近距離無線基地局2aが伝送路インターフェイス部14を使用して関連する情報提供サーバ13上の情報を取得することで携帯端末1へまとめて情報を提供する。
【0042】
また、利用者が事前に必要な情報分野についての情報を携帯端末1から公衆通信網12を通じて近距離無線基地局2aに登録しておき、接続時に近距離無線基地局2aが登録した情報の内容に基づいた情報、または、登録した情報に関連した、必要な情報のみを携帯端末1へ送信することもできる。
【0043】
次に、携帯端末1の特定領域での存在確認について次のようにできる。
【0044】
利用者が目的とする場所付近に存在する近距離無線基地局2aを識別するために、その基地局の情報を携帯端末1に入力しておき、携帯端末1が接続したすべての近距離無線基地局2について情報を照合するのではなく、目的の場所に存在する近距離無線基地局2aへ携帯端末1の情報を携帯端末1が公衆通信網12を通じて送付しておく。
【0045】
近距離無線基地局2aにおいては、ある携帯端末1が近距離無線基地局2と接続したとき、その携帯端末1が目的とする場所付近に存在する近距離無線基地局2aであった場合には、到着したときに携帯端末1に提供する情報として「目的地に到着した」ことを通知する情報を含める。
それにより、携帯端末1は目的とする場所へ到着したことを明示的に確認できる。
【0046】
以上、上記情報提供システムにおいて、公衆通信網12にも接続した近距離無線基地局2において近距離無線基地局2が携帯端末1に向けて近距離無線基地局2が接続可能な領域内についての情報を提供することを特徴とする近距離エリアの情報提供システムについて説明した。また、上記情報提供システムにおいて、近距離無線基地局2へ接続する携帯端末1が近距離無線通信時に同時に公衆通信網12へ接続することが可能なシステムにおいて、近距離無線基地局2から提供する情報が参照するまたは関連する情報が公衆通信網12上の情報提供サーバ13上にあるとき、近距離無線基地局2が公衆通信網12を使用して、情報提供サーバ13からそれらの情報を取得し、近距離無線基地局2に接続した携帯端末1へそれらの情報をまとめて提供することを特徴とする近距離エリアの情報提供システムについて説明した。
【0047】
また、上記情報提供システムにおいて、近距離無線基地局2へ近距離無線により接続する前に、携帯端末1が必要とする情報分野を公衆通信網12経由で近距離無線基地局2に伝えることで、近距離無線接続時に端末が必要とする情報のみを提供することを特徴とする近距離エリア情報提供システムについて説明した。
【0048】
さらに、上記情報提供システムにおいて、携帯端末1が移動するときに目的とする領域にある近距離無線基地局2へ公衆通信網12を通じて携帯端末1の情報を伝えることで、携帯端末1が該当する近距離無線基地局2に接続したときに携帯端末1が目的とする領域に到着したこと近距離無線通信を通じて携帯端末1に伝えることで、携帯端末1上で目的地への到着を確認できることを特徴とする近距離エリア情報提供システムについて説明した。
【0049】
以上のように、携帯端末1が存在する場所を特定する測位方式を一切使用することなく、特定領域内で必要となる情報を提供することができ、近距離無線基地局2が公衆通信網12とも接続されているような場合には該当する領域についてより多くの情報を提供でき、携帯端末1の位置を測位する方式を使うことなく利用者が明示的に特定の狭い領域内または特定の場所に存在していることを確認できる。
【0050】
実施の形態4.
以上の実施の形態1から実施の形態3では、特定領域内での情報提供を行い、また、利用者が明示的に特定領域内または特定場所に存在していることを確認できるものであるが、次に利用者を目的の場所まで誘導する実施の形態4を示す。
【0051】
動作について図5も参照しながら説明する。なお、図5では近距離無線基地局2を「G/W」と表記している。
【0052】
まず、利用者は目的の場所までの経路を検索する。この検索は一般的な経路探索方式のいずれも利用することができる。このようにして、利用者の利用する携帯端末1は、利用者の経路検索に従って、利用者が要求する移動目的領域までの経路情報を設定する。
次に、この経路上にある近距離無線基地局2を検索し、利用者の携帯端末1へそれらすべての近距離無線基地局2の情報を入力する。このとき、利用者が携帯端末1上で利用できる検索サービスの利用が可能であれば、その結果を利用することができる。また、それ以外の手段から得られてもよい。図5では、経路上にある近距離無線基地局2は近距離無線基地局2c,近距離無線基地局2d,近距離無線基地局2eである。
【0053】
利用者が目的の場所へ向けて移動している途中、利用者の利用する携帯端末1が、その経路中にある近距離無線基地局2に接続したとき、近距離無線基地局2は自身の情報を携帯端末1へ提供し、携帯端末1では移動している経路が予定通りであることを確認する。また、携帯端末1は確認の結果を表示部3で利用者へ伝える。
【0054】
もし、利用者がまちがった経路に向かっているならば、そのときに接続した近距離無線基地局2の情報と携帯端末1上に入力されている経路上の近距離無線基地局2の情報との違いから、携帯端末1は経路が異なることを検出し、表示部3に表示して利用者へ通知する。
【0055】
また、接続した近距離無線基地局2が目的とする場所にあるものであるならば、携帯端末1は表示部3を通じて利用者へ「目的地に到着した」ことを通知する。
【0056】
なお、近距離無線基地局2上の近距離無線インターフェイス部10における電波出力を抑えることで、より詳細に経路を誘導するために利用することもできる。例えば、建物内における階数をまたがった誘導などである。
【0057】
また、ある利用者の携帯端末1で入力する経路上の近距離無線基地局2の情報が、他の携帯端末が入力したものであってもよい。この場合、他の利用者を追跡するような形での利用が可能となる。すなわち、近距離無線基地局2は、携帯端末1が設定した移動目的領域(目的とする場所)までの経路が他の携帯端末が移動した経路に対応する経路である場合には、近距離無線通信を使用して他の携帯端末と接続したか否かの情報を携帯端末1に通知し、携帯端末1は、上記通知に従って他の携帯端末の位置を追跡する。
【0058】
以上、上記情報提供システムにおいて、携帯端末1が移動するときに目的とする領域までの経路上に存在する近距離無線基地局2の情報を携帯端末1に設定しておくことで、移動する携帯端末1が接続した近距離無線基地局2から得られる近距離無線基地局についての位置に関する情報と照合することで、携帯端末1を経路にしたがって誘導することを特徴とする近距離エリア情報提供システムについて説明した。
【0059】
このように、携帯端末1と近距離無線基地局2の接続可能な領域(狭域通信エリア17)の狭さを利用することで、携帯端末1の位置を測位する方式を使うことなく、屋外だけでなく屋内においても利用者を目的の場所や領域まで誘導することを可能とし、かつ、目的の場所や領域に到着したことを明示的に確認することができる。
【0060】
実施の形態5.
以上の実施の形態4では、経路上のすべての近距離無線基地局2についての情報を携帯端末1に入力して行うものであるが、本実施の形態では、携帯端末1上で接続するすべての近距離無線基地局2についての情報と照合して経路確認することなく利用者を目的の場所まで誘導する実施の形態を示す。
【0061】
利用者が目的の場所までの経路を検索し、利用者の利用する携帯端末1は、利用者が検索した経路上にある近距離無線基地局2を検索する。その経路上のすべての近距離無線基地局2が実施の形態3のように公衆通信網12に接続しているとき、携帯端末1は公衆通信網12を通じてそれらすべての近距離無線基地局2へ携帯端末1の情報を送信する。また、目的の場所にある近距離無線基地局2には、携帯端末1の情報に加えて目的の場所であることも通知する。
【0062】
利用者が目的の場所へ向けて移動しており、利用者の利用する携帯端末1が、その経路中にある近距離無線基地局2に接続したとき、携帯端末1は近距離無線インターフェイス部11を通じ自身の情報を近距離無線基地局2へ送信する。
近距離無線基地局2では、公衆通信網12から得られた携帯端末1についての情報と近距離無線インターフェイス部10から得られた携帯端末1の情報と照合し、一致するものがあれば正しい経路であることを確認し、携帯端末1へ近距離無線インターフェイス部10を通じてそのことを通知する。また、接続した近距離無線基地局2が目的とする場所にあるものであるならば、携帯端末1へ「目的地に到着した」ことを通知する。
【0063】
照合の結果、一致するものがない場合には経路が誤りであることを携帯端末1へ近距離無線インターフェイス部10を通じて通知する。
【0064】
携帯端末1では、接続した近距離無線基地局2からの通知にしたがって、利用者へ表示部3を通じて通知する。
【0065】
以上、上記情報提供システムにおいて、携帯端末1が移動するときに目的とする領域までの経路上に存在する近距離無線基地局2へ携帯端末1についての情報を伝えておくことで、移動する携帯端末1が近距離無線基地局2に接続したときにその携帯端末1の情報を近距離無線基地局2へ伝え、事前に公衆通信網12を通じて伝えられている携帯端末1の情報と照合した結果を携帯端末1に伝えることで、経路にしたがって携帯端末1を誘導することを特徴とする近距離エリア情報提供システムについて説明した。
【0066】
以上のように、携帯端末1と近距離無線基地局2の接続可能な領域(狭域通信エリア17)の狭さを利用することで、携帯端末1の位置を測位する方式を使うことなく、屋外だけでなく屋内においても利用者を目的の場所や領域まで誘導することを可能とし、かつ、目的の場所や領域に到着したことを明示的に確認することができる。
【0067】
ところで、この発明は図1〜図5を用いて説明した実施の形態1〜実施の形態5に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、配信する情報がその領域でしか使えないプログラムであってもよく、近距離無線基地局2の情報提供部4が近距離無線基地局2に組み込まれているのではなく近距離無線基地局2と別々に設定された情報提供装置であってもよく、表示部3は文字や画像などを表示して利用者へ通知するだけでなく、携帯端末1を振動させる、音を出すなどによる通知であってもよい。
【0068】
また、全ての実施の形態に係る情報提供システムでは、近距離無線基地局2が、近距離無線通信に使用する電波強度を弱める方法を用いて、近距離無線通信が可能な狭域通信エリア17を小さくすることにより、より限定した場所を確認するために本システムを利用することができる。
【0069】
すべての実施の形態では、各構成要素の各動作はお互いに関連しており、各構成要素の動作は、上記に示された動作の関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。そして、このように置き換えることにより、方法の発明の実施の形態とすることができる。
また、上記各構成要素の動作を、各構成要素の処理と置き換えることにより、プログラムの実施の形態とすることができる。
また、プログラムを、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶させることで、プログラムに記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施の形態とすることができる。
【0070】
プログラムの実施の形態及びプログラムに記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施の形態は、すべてコンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。
プログラムの実施の形態およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施の形態における各処理はプログラムで実行されるが、このプログラムは、記録装置に記録されていて、記録装置から中央処理装置(CPU)に読み込まれ、中央処理装置によって、各プログラムが実行されることになる。また、各実施の形態のソフトウェアやプログラムは、ROM(READ ONLY MEMORY)に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウェアとファームウェアとハードウェアとの組み合わせで前述したプログラムの各機能を実現しても構わない。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、無線基地局へ接続できる特定の場所や狭い領域内にあるモバイル機器へ情報提供するようにしているので、モバイル機器のある場所を特定する測位方式を一切利用することなく、特定領域内で必要となる情報を特定のモバイル機器に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1、2に関わる構成を示すブロック図。
【図2】 この発明の実施の形態1において公衆網などと接続していない近距離無線基地局との接続を行ったときの説明図。
【図3】 この発明の実施の形態3に関わる構成を示すブロック図。
【図4】 この発明の実施の形態3において公衆網などと接続した近距離無線基地局との接続を行ったときの説明図。
【図5】 この発明の実施の形態4における説明図。
【符号の説明】
1 携帯端末、2,2a,2b,2c,2d,2e 近距離無線基地局、3 表示部、4 情報提供部、5 情報処理部、6,7 通信制御部、8 端末検知部、9 公衆網無線インターフェイス部、10,11 近距離無線インターフェイス部、12 公衆通信網、13 情報提供サーバ、14 伝送路インターフェイス部、17,17a,17b 狭域通信エリア。
Claims (3)
- 通信エリアに関するエリア情報をモバイル機器へ送信する無線基地局において、
通信エリア内にモバイル機器の利用者が目的とする目的位置が存在している無線基地局の無線基地局情報を有している上記モバイル機器から公衆通信網を介してモバイル機器に関する情報を受信する公衆通信手段と、
上記通信エリア内のモバイル機器が送信した接続要求を、半径50メートル程度の狭域通信エリア内で通信する近距離無線通信により受信したことを検知する検知部と、
上記検知部が接続要求を検知した場合に、自無線基地局の通信エリアに関する情報を上記エリア情報として出力し、上記接続要求を送信したモバイル機器が、上記公衆通信手段により受信したモバイル機器に関する情報を送信したモバイル機器である場合に、上記モバイル機器が上記目的位置に到着したことを通知する到着通知情報を生成して出力する情報提供部と、
上記情報提供部が出力した上記エリア情報と上記到着通知情報とを上記近距離無線通信により上記モバイル機器に送信する基地局通信部と
を備えたことを特徴とする無線基地局。 - モバイル機器の利用者が目的とする目的位置を通信エリア内に含む無線基地局が既知であるモバイル機器において、
上記モバイル機器のモバイル機器に関する情報を、公衆通信網を介して上記既知である無線基地局に送信する公衆通信手段と、
無線基地局に対して接続要求を半径50メートル程度の狭域通信エリア内で通信する近距離無線通信手段と、
上記近距離無線通信手段により送信した接続要求が上記既知である無線基地局により受信された場合に、上記既知である無線基地局の通信エリアに関するエリア情報とモバイル機器が上記目的位置に到着したことを通知する到着通知情報とを上記近距離無線通信手段を介して受信し、
上記近距離無線通信手段により送信した接続要求が上記既知である無線基地局以外の無線基地局により受信された場合に、上記既知である無線基地局以外の無線基地局の通信エリアに関するエリア情報を上記近距離無線通信手段を介して受信する通信制御部と
を備えたことを特徴とするモバイル機器。 - モバイル機器の利用者が目的とする目的位置を通信エリア内に含む無線基地局が既知であるモバイル機器と、上記モバイル機器と通信する無線基地局とを備える情報提供システムにおいて、
上記モバイル機器は、
上記モバイル機器のモバイル機器に関する情報を、公衆通信網を介して上記既知である無線基地局に送信する第1の公衆通信手段と、
無線基地局に対して接続要求を半径50メートル程度の狭域通信エリア内で通信する近距離無線通信手段と、
上記近距離無線通信手段により送信した接続要求が上記既知である無線基地局により受信された場合に、上記既知である無線基地局の通信エリアに関するエリア情報と、モバイル機器が上記目的位置に到着したことを通知する到着通知情報とを上記近距離無線通信手段を介して受信し、
上記近距離無線通信手段により送信した接続要求が上記既知である無線基地局以外の無線基地局により受信された場合に、上記既知である無線基地局以外の無線基地局の通信エリアに関するエリア情報を上記近距離無線通信手段を介して受信する通信制御部とを備え、
上記無線基地局は、
上記モバイル機器からモバイル機器に関する情報を、公衆通信網を介して受信する第2の公衆通信手段と、
上記通信エリア内のモバイル機器が送信した接続要求を、半径50メートル程度の狭域 通信エリア内で通信する近距離無線通信により受信したことを検知する検知部と、
上記検知部が接続要求を検知した場合に、自無線基地局の通信エリアに関する情報を上記エリア情報として出力し、上記接続要求を送信したモバイル機器が、上記第2の公衆通信手段により受信したモバイル機器に関する情報を送信したモバイル機器である場合に、上記到着通知情報を生成して出力する情報提供部と、
上記情報提供部が出力した上記エリア情報と上記到着通知情報とを上記近距離無線通信により上記モバイル機器に送信する基地局通信部とを備えた
ことを特徴とする情報提供システム。
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