JP4149249B2 - イオン注入方法、イオン注入装置及びイオン注入装置用ビーム輸送管 - Google Patents

イオン注入方法、イオン注入装置及びイオン注入装置用ビーム輸送管 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン注入方法、イオン注入装置及びイオン注入装置用ビーム輸送管に関し、更に詳しくは、被処理基板内での注入イオンの飛程及び注入分布を制御するために被処理基板に対してイオンを傾斜させて注入するイオン注入方法、イオン注入装置及びイオン注入装置用ビーム輸送管に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のイオン注入では、被処理基板として例えばシリコンウェーハやガリウム−ヒ素基板等の結晶性基板を用いる場合、ボロン(B)、リン(P)、ヒ素(As)等のドーパントの基板に対する深さ分布を制御するため、被処理基板に対するイオンの注入角度を制御してイオン注入を行うようにしている。
【0003】
そこで、従来のイオン注入装置においては、被処理基板を保持するステージ又はプラテンに被処理基板の傾斜機構を配備し、当該傾斜機構を調整することによって被処理基板のイオン注入角度を制御するようにしている。
【0004】
更に近年では、図11に示すように、被処理基板Wに対するイオンビームIBの入射角度θを任意に設定できるとともに、被処理基板Wを間欠的又は連続的に回転させるため、ステージSに傾斜機構及び回転機構を配備させたイオン注入装置が主流となっている(下記特許文献1参照)。なお、図において符号Tは、被処理基板Wのイオン注入領域を分割するためのシャッタである。
【0005】
一方、イオン注入領域を定める開口部を有する導電性のマスク部材(以下「ステンシルマスク」ともいう。)を被処理基板に対向配置させ、当該ステンシルマスクを介して被処理基板の表面にイオンビームを照射しイオン注入を行うイオン注入装置が公知となっている(下記特許文献2参照)。このイオン注入装置においては、従来必要とされていた被処理基板上へのレジストマスクの形成工程が不要となり、ステンシルマスクの交換だけで所望のイオン注入処理を行えるので、半導体製造プロセスの簡素化及び低コスト化を図ることが可能となる。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−245722号公報
【特許文献2】
特開2002−176005号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、注入イオンの深さ分布を制御するために、被処理基板を保持するステージに傾斜機構や回転機構を配備させるとなると、ステージ構造の複雑化を招き、装置コストを増大させるという問題がある。
【0009】
また、ステンシルマスクを用いて被処理基板へイオン注入を行う場合にあっても、イオン注入角度を制御するためにステージを傾斜及び回転させるとなると、被処理基板に対向配置されるステンシルマスクもまたステージと同一条件で傾斜及び回転させる必要性が生じることになるので、ステンシルマスクを保持する機構の複雑化、大型化を招くという問題がある。
【0010】
これに加えて、ステンシルマスクは被処理基板に対して数10μm程度の間隙をおいて配置させる必要があるために、当該間隙の面内均一性を確保するための高精度な位置決め機構が必要となる。また、ステンシルマスクを用いて被処理基板を一素子単位でイオン注入を行うとなると、被処理基板とステンシルマスクとの間の回転方向における位置決め精度も要求されることになる。
【0011】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、被処理基板を保持するステージの構成を複雑化することなくイオンの注入角度を制御でき、また、ステンシルマスクを用いてイオン注入する場合にあっても被処理基板とステンシルマスクとの間に高い位置決め精度を必要とせずにイオンの注入角度を制御できるイオン注入方法、イオン注入装置及びイオン注入装置用ビーム輸送管を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のイオン注入方法は、イオンビームを偏向器を介して被処理基板に照射しイオンを注入するイオン注入方法において、静止させた被処理基板に対して前記偏向器のビーム出射面を傾斜させる傾斜工程と、前記傾斜させたビーム出射面からイオンビームを照射し前記被処理基板へイオンを注入する注入工程とを有することを特徴とする。
【0013】
すなわち本発明のイオン注入方法は、イオンの注入角度を調整するにあたり、被処理基板を保持するステージを傾斜させてイオンビームの入射角を設定する従来の方法とは大きく異なり、イオンビームの照射源となる偏向器のビーム出射面を被処理基板に対して傾斜させてイオン注入を行うことを特徴としている。本発明により、ステージの傾斜機構は一切不要となり、ステージの構成を大幅に簡素化することができる。
【0014】
また、ステンシルマスクを用いてイオン注入を行う場合にあっては、イオン注入の間、被処理基板は常に静止しているので、ステンシルマスクの高精度な位置決め機構が不要となる。
【0015】
一方、本発明のイオン注入装置は、高電圧ターミナル内のイオン源から引き出したイオンを質量分離しイオンビームを収束偏向するビーム輸送部と、被処理基板を支持するステージとを備えたイオン注入装置において、前記ビーム輸送部を前記ステージの上面に対して平行に移動させる平行移動機構と、前記ビーム輸送部のビーム出射面を前記ステージの上面に対して傾斜させる回動機構とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明により、ステージの上に固定された被処理基板に対してイオンビームを照射するビーム輸送部のビーム出射面を、上記平行移動機構及び回動機構によって被処理基板に対して任意の角度に傾斜させることができるので、被処理基板上の領域に対して所望のイオン注入角を与えることができる。これにより、ステージを傾斜させることなく、被処理基板に対するイオンの注入角度を任意に設定することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1及び図2は本発明の実施の形態によるイオン注入装置1の側面図及びその平面図であり、図3はイオン注入装置1の内部構成を説明する全体の概略図である。
【0019】
本実施の形態のイオン注入装置1は、イオン源2を収容した高電圧ターミナル11と、被処理基板としての半導体基板Wを位置決め保持したエンドステーション15との間に、質量分離器12、ビーム収束器13及び偏向器14を順に直列に接続した構成のビーム輸送管21を備えている。
【0020】
この本発明に係るビーム輸送管21は、イオン源2から引き出したイオンを質量分離し、イオンビームを収束偏向して半導体基板Wへ照射する機能を有するとともに、後述するように、半導体基板Wに対するイオンビームの入射角を制御する機能をも備えている。
【0021】
先ず、図3を参照してイオン注入装置1の概略構成について説明する。
【0022】
高電圧ターミナル11にはイオン源2が設置されている。イオン源2としては、バーナス型やフリーマン型等の熱陰極型イオン源、ECR(電子サイクロトロン共鳴)型イオン源等が用いられる。イオン源2から引き出されたイオンは、加速管3で所定のエネルギーに加速されて、質量分離器12へ導入される。
【0023】
質量分離部12には、加速管3で加速されたイオンを質量分離するための電磁石(図示略)が配備されており、目的とする質量数のイオンのみ抽出して後段のビーム収束器13へ導入する。
【0024】
ビーム収束器13において、イオンビームは口径可変アパーチャ4によって所定の径とされる。収束レンズ5はイオンビームを収束させるためのもので、ビームスキャナ6はイオンビームを微小角度スキャンするためのものである。これら収束レンズ5及びビームスキャナ6は、例えば静電気的又は磁気的な四重極レンズで構成される。
【0025】
偏向器14は、イオンビームを平行化してエンドステーション15側へ導出するコリメータレンズとして機能すると同時に、ビーム経路中の残留ガスと衝突して電荷が変化したイオンや中性粒子を除去する働きを行う。なお、偏向器14の構成の詳細については後述する。
【0026】
エンドステーション15においては、被処理基板として例えば半導体基板Wを保持するステージ8が設置されている。ステージ8はエンドステーション15の内部においてXYZ駆動機構7によってX方向、Y方向及びZ方向に移動可能となっている。半導体基板Wの上方には例えば10〜20μm程度の間隙Gを介して、イオン注入領域を定める開口9aを有するステンシルマスク9が対向配置されている。
【0027】
さて、本実施の形態におけるイオン注入装置1においては、上述したように、質量分離器12、ビーム収束器13及び偏向器14からなるビーム輸送管21は、半導体基板Wに対するイオンビームの入射角を制御する機能を備えている。
【0028】
図4A〜図4Cは、ビーム輸送管21によるステージ8上の半導体基板Wに対するイオンビームIBの入射角θの制御手順を模式的に示す偏向器14の正面図である。
【0029】
図4Aに示すように、最初、偏向器14のビーム出射面14aはステージ8上の半導体基板Wと平行な位置に設定されている。偏向器14から半導体基板Wに照射されるイオンビームIBは偏向器14のビーム出射面14aに対して垂直に出射するために、図4Aに示す状態においては半導体基板Wに対してイオンビームIBは垂直に入射する。このとき、半導体基板Wに対するイオンの注入角度は90°となる。
【0030】
そこで、半導体基板Wに対するイオンの注入方向を傾斜させるために、偏向器14を含むビーム輸送管21を図4Bに示すようにステージ8上面の半導体基板Wに対し所定距離だけ平行移動させた後、図4Cに示すように偏向器14を角度θだけ回動させる制御を行う。これにより、偏向器14のビーム出射面14aは半導体基板Wに対して角度θだけ傾斜するので、このビーム出射面14aから出射されるイオンビームIBは半導体基板Wの法線方向に対してθの入射角で照射されることになる。
【0031】
以上のようにして、半導体基板Wに対するイオンの注入角度θが制御される。注入角度θとしては、例えば、7°〜30°の範囲で調整可能とされている。
【0032】
偏向器14の回動動作は、質量分離器12及びビーム収束器13から独立して行うようにしている。また、偏向器14の回動動作の軸心位置を、ビーム収束器13を通るイオンビームIBのビーム軸とすることによって、偏向器14の回動によるビームラインの上下方向の変動をなくすようにしている。以下、ビーム輸送管21に上述の動作を行わせるための具体的な構成について説明する。
【0033】
先ず、ビーム輸送管21の平行移動機構について説明する。
【0034】
ビーム輸送管21の平行移動は、図2に示すように、ビーム輸送管21を構成する質量分離器12とビーム収束器13と偏向器14とが一体となって行われるようになっている。このうち、質量分離器12及びビーム収束器13は共通の基台22上に設置され、それぞれ基台22上に敷設されたガイドレール23A,23Bに沿ってパルスモータ等の駆動モータM1,M2により平行移動できるようになっている。一方の偏向器14は専用の基台24上に設置され、基台24上に敷設されたガイドレール25に沿ってパルスモータ等の駆動モータM3により平行移動できるようになっている。
【0035】
これら駆動モータM1〜M3及びガイドレール23A,23B,25により本発明に係る「平行移動機構」が構成される。なお、ビーム輸送管21全体を一台の基台上に設置したり、一台の駆動モータで平行移動させるようにしてもよい。
【0036】
ビーム輸送管21の平行移動方向は、加速管3によるイオンの加速方向、すなわち高電圧ターミナル11からのイオン引出し方向とされる。加速管3は高電圧ターミナル11の側壁に一体的に固定されているが、加速管3と質量分離器12との間は伸縮自在な真空配管であるベローズ配管17で接続することによって、加速管3に対するビーム輸送管21の相対移動を可能としている。
【0037】
なお、質量分離器12とビーム収束器13との間、ビーム収束器13と偏向器14との間、及び偏向器14とエンドステーション15との間もそれぞれベローズ配管18,19,20で接続するようにしているが、前二者の接続に関しては非伸縮性の真空配管で構成するようにしてもよい。
【0038】
図5〜図8は、ビーム輸送管21を構成する偏向器14の構成を示している。ここで、図5は偏向器14の平面図、図6はその側面図で、Aは回動前、Bは回動後の状態を示している。図7A,Bは偏向器14を回動させるアクチュエータの構成及び作用を示す図で、図8は偏向器14の内部構造を示す断面図である。以下、偏向器14の構成について説明する。
【0039】
偏向器14は、内部に真空室32が画成された筐体31を備えている。真空室32の内壁面には一対の電磁石30,30が対向配置されており、図5において右方から導入されたイオンビームIBをローレンツ力によって紙面裏側へ旋回させるようになっている。
【0040】
筐体31は、内方に空所26を形成するように構成されたロの字形状の基台24の略中央に支持されている。筐体31の図5において左右の側面部には回動軸35a,35bが連結されており、これらの軸心が筐体31に導入されるイオンビームIBのビーム軸と同一直線上にあるように配置されている。また、一方の回動軸35aの内部空間は、ビーム輸送系路の一部を構成しており、真空室32に連絡している。
【0041】
一方、基台24の図5において左右両側にはガイドレール25a,25bが敷設されており、その上にはリニアガイド27a,27bを介して移動可能な一対の可動プレート33a,33bが配置されている。可動プレート33a,33bの上面には側板34a,34bが立設されており、これら側板34a,34bの上端部に筐体31に連結された回動軸35a,35bがそれぞれ回動可能に支持されている。
【0042】
可動プレート33a,33bにはボールネジ29a,29bが接続され、ギヤボックス37a,37b及び連結シャフト36を介して駆動モータM3の駆動力が伝達されるようになっている。これにより、駆動モータM3の回転駆動力を可動プレート33a,33bの平行移動に変換する、偏向器14の平行移動機構が構成されている。
【0043】
次に、偏向器14の回動機構について説明する。偏向器14の回動機構は、回動軸35a,35bと、筐体31をその回動軸35a,35bの周りに押圧する一対のアクチュエータ40a,40bとで構成されている。
【0044】
アクチュエータ40a,40bは、可動プレート33a,33bの図5において上方側端部に配置された支持板38a,38bの上に固定されている。アクチュエータ40a,40bの直上方には、筐体31の外壁面から図5において横方向へ張り出した翼板39a,39bが位置しており、アクチュエータ40a,40bの駆動によって翼板39a,39bを介して、図6Aに示す状態から図6Bに示すように、筐体31を上方へリフトし回動軸35a,35bの周りに回動させるようにしている。
【0045】
図7はアクチュエータ40bの要部の構成を模式的に示す図であり、Aは筐体31の回動前、Bはその回動後を示している。アクチュエータ40bは、2つのピン部材41,42を介して基台24と筐体31との間に設けられ、これらピン部材41,42の間に配置されるレバー43の上下移動によって、筐体31を回動させるように構成されている。
【0046】
一方のピン部材41は、基台24上のピン受け部44とアクチュエータ40bのベース板46との間に設けられている。他方のピン部材42は、筐体31の翼板39bのピン受け部45とアクチュエータ40bのレバー43との間に設けられている。ベース板46はアクチュエータ40bの本体48と一体的に固定されており、レバー43の側部に形成されたギヤ部43aに噛合する駆動ギヤ47を収容している。レバー43は、モータ49に連結される駆動ギヤ47の回転駆動力を受けて本体48に対して上下移動可能となっている。
【0047】
他方側のアクチュエータ40aも上述と同様に構成されている。なお、図7Aに示すように、レバー43の初期位置を基台24に対して傾斜配置させるようにすれば、垂直に配置しておく場合に比べて、円滑に筐体31を回動させることができる。
【0048】
以上、回動軸35a,35bとアクチュエータ40a,40bとにより本発明に係る「回動機構」が構成される。この回動機構による偏向器14(筐体31)の回動量は、駆動ギヤ47の回転量によって制御することができる。なお、本実施の形態においては、回動軸35bの端部に回動量(角度)を示す目盛りを表示しておき、これをCCD(Charge Coupled Device)等の撮像手段を用いて回動量をチェックするようにしている。
【0049】
図8は偏向器14の内部構造を概略的に示す断面図である。偏向器14に導入されたイオンビームIBは、真空室32を挟んで対向配置される一対の電磁石30,30の磁極によって形成される磁界を横切ることによりローレンツ力Fが作用し、図8の矢印に示す方向へ偏向される。この方向は、偏向器14の回動によって鉛直線に対し角度θ傾斜して後段の半導体基板Wへ照射される(図4C参照)。
【0050】
ところで、ビーム輸送管21の上記の動作によって調整されるイオンビームIBの照射角θが半導体基板Wに対する入射角と一致しているかどうかを確認する必要がある。そのため、本実施の形態においては、偏向器14のビーム出射面14aを傾斜させた後、半導体基板Wへイオン注入を行う前に、半導体基板Wに対するイオンビームIBの入射角を測定する工程を設けている。
【0051】
イオンビームIBの入射角の測定方法としては、従来より公知のビーム測定法を用いることができる。その一例として、ステージ7の上面にファラデーカップを配置して得られる電流値からイオンビームの入射角を測定することができる。これは、ファラデーカップに進入するイオンビームの量がビーム入射角に対応して変動することを利用したもので、予め作成しておいた校正曲線を基に、検出した電流値からビーム入射角が特定される。
【0052】
続いて、半導体基板Wに対向配置されるステンシルマスク9について説明する。図9はステンシルマスク9を介して半導体基板Wへイオンを注入する工程を模式的に示している。
【0053】
ステンシルマスク9は例えばシリコン(Si)製で、イオン注入領域を定める開口9aが形成されている。本実施の形態では、半導体基板W上へ1素子(1チップ)単位でイオン注入を行うようにしており、従ってステンシルマスク9には1素子分のイオン注入領域を定める開口9aが形成されている。ステンシルマスク9はマスクホルダ10に静電的あるいは機械的に保持されており、このマスクホルダ10の移動によって半導体基板Wに対するステンシルマスク9の相対位置が決められる。
【0054】
本実施の形態によれば、半導体基板Wに対するイオンの注入角度θを偏向器14のビーム出射面14aを傾斜せることによって制御するようにしているので、従来のように半導体基板Wを支持するステージに傾斜機構を設けることなく所望とするイオン注入角度を得ることができ、これによりステージの構成の簡素化を図ることができる。
【0055】
また、ステンシルマスク9を保持するマスクホルダ10に傾斜機構を設ける必要がなくなるので、マスクホルダ10の構成の簡素化を図ることができるとともに、半導体基板Wに対するステンシルマスク9の高度な位置決め機構も不要となる。
【0056】
イオンビームIBは、図9に示すようにステンシルマスク9の開口9aを介して半導体基板Wの表面に入射角θで照射される。このとき、入射角θの大きさによっては、半導体基板W上の目的とするイオン注入領域とマスク開口9aの投影位置との間にズレが生じることになるが、このズレがプロセス上問題となる場合には図10A及び図10Bに示すような態様でイオン注入を行うようにすればよい。
【0057】
すなわち、図10Aに示すように、ステンシルマスク9の開口9aを半導体基板Wのイオン注入領域Dに対して、予めズレの位置とは反対側へズレの量だけオフセットした位置に配置するようにすれば、イオンの傾斜注入による注入位置のズレを緩和することができる。また、図10Bに示すようにステンシルマスク9の開口9aの側壁をイオン注入方向に沿ったテーパ面に形成することによって、イオンの傾斜注入による注入位置のズレを緩和することができる。
【0058】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0059】
例えば以上の実施の形態では、偏向器14のビーム出射面14aを傾斜させる工程を、偏向器14の平行移動後に行うようにしたが、偏向器14の回動動作を偏向器14の平行移動前または平行移動中に行うようにしてもよい。
【0060】
また、実施の形態では、ステンシルマスク9を介して半導体基板Wへイオン注入を行う例について説明したが、これに限定されず、半導体基板上に形成したレジストマスクを介してイオン注入を行う場合についても本発明は適用可能である。また、被処理基板として半導体基板Wを用いたが、例えば液晶表示パネル用のガラス基板等にも本発明は適用可能である。
【0061】
また、以上の実施の形態では、偏向器14の回動機構を構成するアクチュエータ40a,40bにリンク機構を採用した例を説明したが、例えばこれを油圧シリンダで構成することも可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、イオンビームの照射源となる偏向器のビーム出射面を被処理基板に対して傾斜させてイオン注入を行うようにしているので、被処理基板を支持するステージに傾斜機構を設けることなくイオンの傾斜注入を行うことができ、これによりステージの構成を従来より大幅に簡素化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるイオン注入装置1の全体を示す側面図である。
【図2】イオン注入装置1の平面図である。
【図3】イオン注入装置1の概略構成図である。
【図4】イオン注入装置1のビーム照射角設定工程を説明する偏向器14と半導体基板Wとの関係を示す図である。
【図5】偏向器14の平面図である。
【図6】偏向器14の側面図であり、Aは回動前、Bは回動後を示している。
【図7】偏向器14の回動機構を構成するアクチュエータの要部の模式図であり、Aは回動動作前、Bは回動動作後を示している。
【図8】偏向器14の内部構造を模式的に示す断面図である。
【図9】ステンシルマスク9を用いた半導体基板Wへのイオン注入工程を説明する側断面図である。
【図10】ステンシルマスク9の構成の変形例を示す側断面図である。
【図11】従来のイオン注入方法を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1 イオン注入装置
2 イオン源
3 加速管
8 ステージ
9 ステンシルマスク
11 高電圧ターミナル
12 質量分離器
13 ビーム収束器
14 偏向器
14a ビーム出射面
15 エンドステーション
17 ベローズ配管
21 ビーム輸送管
30 電磁石
31 筐体
32 真空室
35a 回動軸
35b 回動軸
40a アクチュエータ
40b アクチュエータ
M1〜M3 駆動モータ
W 半導体基板

Claims (15)

  1. イオン源と、前記イオン源から引き出したイオンを当該イオンの引き出し方向である第1の方向と交差する第2の方向へ偏向させて質量分離する質量分離部と、質量分離したイオンでなるイオンビームを前記第1の方向及び前記第2の方向とそれぞれ交差する第3の方向へ偏向させて被処理基板上へ照射する偏向器とを含むイオン注入装置を用いたイオン注入方法であって、
    前記偏向器を前記第2の方向の周りに回動させることで、前記被処理基板に対して前記偏向器のビーム出射面を傾斜させる工程と、
    前記ビーム出射面からイオンビームを照射し前記被処理基板へイオンを注入する工程とを有する
    イオン注入方法。
  2. 請求項1に記載のイオン注入方法であって、
    前記イオンビームを前記第2の方向から前記第3の方向へ偏向する前に、前記イオンビームを収束する工程をさらに有する
    イオン注入方法。
  3. 請求項2に記載のイオン注入方法であって、
    前記偏向器を前記第1の方向に平行移動させる工程をさらに有する
    イオン注入方法。
  4. 請求項1に記載のイオン注入方法であって、
    前記イオンを注入する工程の前に、前記被処理基板に対する前記イオンビームの入射角を測定する工程をさらに有する
    イオン注入方法。
  5. 請求項1に記載のイオン注入方法であって、
    前記イオンを注入する工程、前記被処理基板の表面にそのイオン注入領域を定める開口が形成されたマスク部材を対向配置して、前記イオンを注入する
    イオン注入方法。
  6. 請求項5に記載のイオン注入方法であって、
    前記マスク部材、前記開口を前記イオン注入領域に対してオフセットした位置に配置される
    イオン注入方法。
  7. 請求項5に記載のイオン注入方法であって、
    前記開口の側壁をイオン注入方向に沿ったテーパ面とする
    イオン注入方法。
  8. イオン源を有する高電圧ターミナルと、
    前記イオン源から引き出したイオンを当該イオンの引き出し方向である第1の方向と交差する第2の方向へ偏向させて質量分離しイオンビームを収束し、かつ、当該イオンビームを前記第1の方向及び前記第2の方向とそれぞれ交差する第3の方向へ偏向させるビーム輸送部と、
    前記ビーム輸送部の後段に配置され、当該ビーム輸送部から出射されるイオンビームが照射される被処理基板を支持するステージと
    前記ビーム輸送部を前記第1の方向へ平行に移動させるための平行移動機構と、
    前記ビーム輸送部のビーム出射面を前記ステージの上面に対して傾斜させる回動機構と
    を具備するイオン注入装置。
  9. 請求項8に記載のイオン注入装置であって、
    前記高電圧ターミナルと前記ビーム輸送部との間に接続される伸縮自在な真空配管をさらに具備する
    イオン注入装置。
  10. 請求項8に記載のイオン注入装置であって、
    前記ビーム輸送部は、直列的に接続された質量分離、ビーム収束及びビーム偏向器を有し、
    前記回動機構は、前記ビーム偏向器を前記質量分離器及び前記ビーム収束器とは独立して前記ステージの上面に対して回動させる
    イオン注入装置。
  11. 請求項10に記載のイオン注入装置であって、
    前記回動機構は、前記ビーム偏向器の回動中心となる回動軸を有し、
    前記回動軸の内部、ビーム輸送経路の一部を構成している
    イオン注入装置。
  12. 請求項11に記載のイオン注入装置であって、
    前記ビーム偏向器
    前記回動軸に支持され内部に真空室を画成する筐体と、前記真空室を挟んで対向配置される一対の磁極とを有し
    前記回動機構は、前記回動軸の周りに前記筐体を押圧するアクチュエータをさらに有する
    イオン注入装置。
  13. イオン源から引き出したイオンを当該イオンの引き出し方向である第1の方向と交差する第2の方向へ偏向させて質量分離する質量分離器と
    前記質量分離部の後段に接続され、イオンビームを収束するビーム収束器と、
    前記ビーム収束部の後段に接続され、前記イオンビームを前記第1の方向及び前記第2の方向とそれぞれ交差する第3の方向へ偏向させて被処理基板へ照射するビーム偏向器と、
    前記質量分離器、前記ビーム収束器及び前記ビーム偏向器を前記第1の方向へ平行移動させるための平行移動機構と、
    前記第2の方向の周りに前記ビーム偏向を回動させる回動機構と
    を具備するイオン注入装置用ビーム輸送管。
  14. 請求項13に記載のイオン注入装置用ビーム輸送管であって、
    前記回動機構は、前記ビーム偏向器の回動中心となる回動軸を有し、
    前記回動軸の内部、ビーム輸送経路の一部を構成している
    イオン注入装置用ビーム輸送管。
  15. 請求項14に記載のイオン注入装置用ビーム輸送管であって、
    前記ビーム偏向器は
    前記回動軸に支持され内部に真空室を画成する筐体と、前記真空室を挟んで対向配置される一対の磁極とを有し
    前記回動機構は、前記回動軸の周りに前記筐体を押圧するアクチュエータをさらに有する
    イオン注入装置用ビーム輸送管。
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