JP4149118B2 - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用自動変速機の油圧制御装置に関し、詳しくは、締結させる摩擦係合要素に油を充填するプリチャージ制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両用の自動変速機において、クラッチ等の摩擦係合要素を解放状態から締結させるときに、摩擦係合要素及び該摩擦係合要素に油を供給する配管に対して油を急速充填するプリチャージを行って、締結させる摩擦係合要素の油圧を締結制御の初期圧にまで速やかに上昇させる構成が知られている。
【0003】
前記プリチャージ制御を最適化する技術として、プリチャージ圧やプリチャージ時間を、スロットル開度,油温,車速等に応じて変更する構成が、特開平7−027217号公報,特開平6−235451号公報等に開示されている。
【0004】
また、特開平5−106722号公報には、摩擦係合要素の掛け替えによる変速時に発生する引き込みトルクが所定値になるように、プリチャージ圧を学習制御する構成が開示されている。
【0005】
更に、特開平5−312258号公報には、プリチャージ後の回転挙動(空吹け速さ)により、プリチャージ時間を学習制御する構成が開示されている。
また、特開平7−174217号公報には、変速開始からイナーシャフェーズ(回転変動開始)までの時間を計測し、該計測時間と目標時間との差に基づき、プリチャージ時間を変更する構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、掛け替え変速のために締結側摩擦係合要素に油を充填させるときには、調圧後の吐出流量(総流量)から解放側の摩擦係合要素に供給される流量を除く流量が、締結側の摩擦係合要素に供給可能な流量となり、たとえバルブを開いて流量の確保を図ろうとしても、前記供給可能流量以上に油を供給させることができない。
【0007】
このため、要求される流量が確保できないことで、プリチャージの完了が遅れてしまうという問題が発生すると共に、実際には所期流量よりも少ない流量しか供給できない状態で、指示圧(バルブ開口面積)に見合った流量が流れているものとしてプリチャージが行われ、充填が完了していないのに圧力制御に移行しまい、これによって圧力制御の精度が低下して大きな変速ショックを発生させる可能性があった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、締結側摩擦係合要素と解放側摩擦係合要素とに供給可能な油の総流量と、解放側摩擦係合要素に供給される流量から、締結側の摩擦係合要素に供給可能な最大流量を判断して、該最大流量に対応したプリチャージ制御を行わせることができる車両用自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明では、締結側摩擦係合要素と解放側摩擦係合要素とに供給可能な油の総流量と、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量との偏差に基づいて、前記締結側摩擦係合要素に供給可能な油の最大流量を求め、該最大流量に基づいて前記締結側摩擦係合要素に油を充填させるときの指示圧を決定する構成とした。
【0010】
かかる構成によると、総流量から解放側の摩擦係合要素へ流入する油の流量を減算した流量が、そのときの供給条件で締結側へ流入させることができる最大流量であるので、係る最大流量に見合う指示圧を出力する。
【0011】
請求項2記載の発明では、前記最大流量と油温とに基づいて前記締結側摩擦係合要素に油を充填させるときの指示圧を決定する構成とした。
【0012】
かかる構成によると、油の温度による粘性の違いによって、指示圧(油の供給を制御するバルブの開口面積の指示)に対して得られる流量が異なることに対応して、指示圧が決定される。
【0013】
請求項3記載の発明では、締結側摩擦係合要素と解放側摩擦係合要素とに供給可能な油の総流量と、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量との偏差に基づいて、前記締結側摩擦係合要素に供給可能な油の最大流量を求め、該最大流量と前記締結側摩擦係合要素に油を充填するときの目標流量とに基づいて、前記供給可能な油の総流量を変更する構成とした。
【0014】
かかる構成によると、油の総流量と、解放側の摩擦係合要素へ流入する油の流量とから、そのときの総流量で締結側に供給できる油の流量が求められ、この流量が目標流量よりも少ないときに油の総流量を増大変更することで、目標流量で油を締結側に充填できるようにする。
【0015】
請求項4記載の発明では、前記供給可能な油の総流量を、油の元圧を変更することで変更する構成とした。
かかる構成によると、油の元圧を増大変更することで油の総流量が増大するので、目標流量が得られないと判断されるときに油の元圧を増大変更し、総流量から解放側に供給される流量を減算しても、締結側に充填される油の流量が目標流量以上になるようにする。
【0016】
請求項5記載の発明では、締結側摩擦係合要素と解放側摩擦係合要素とに供給可能な油の総流量と、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量との偏差に基づいて、前記締結側摩擦係合要素に供給可能な油の最大流量を求め、該最大流量と前記締結側摩擦係合要素に油を充填するときの目標流量とに基づいて、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量を変更する構成とした。
【0017】
かかる構成によると、油の総流量内で目標流量が確保できるように、解放側の摩擦係合要素へ流入する油の流量を変更する。即ち、総流量から解放側の摩擦係合要素へ流入する油の流量を減算して得られる流量よりも、締結側の目標流量が多いときには、解放側の摩擦係合要素へ流入する油の流量を減らすことで、総流量内で締結側の目標流量を確保できるようにする。
【0018】
請求項6記載の発明では、前記目標流量を、目標の充填完了時間と充填体積とに基づいて決定する構成とした。
かかる構成によると、締結側摩擦係合要素の油の充填空間に、目標時間で油を充填させるには、充填体積/目標時間の流量が必要となるので、充填体積/目標時間を目標流量とする。
【0019】
請求項7記載の発明では、前記供給可能な油の総流量を、調圧後の吐出流量と、摩擦係合要素以外に供給される油の流量と、漏れ流量とから設定する構成とした。
【0020】
かかる構成によると、オイルポンプから吐き出された後、元圧(ライン圧)に調圧された流量から、トルクコンバータや潤滑経路などの他の要素に供給される油、及び、油経路の途中で漏れ出す流量を除いた分が、摩擦係合要素に対して供給できる油の流量になるものとして、総流量が求められる。
【0021】
請求項8記載の発明では、前記調圧後の吐出流量を、油の元圧及びエンジン回転速度から推定する構成とした。
かかる構成によると、油の元圧(ライン圧)と、エンジン駆動されるオイルポンプの回転速度に比例するエンジン回転速度とから、調圧後の吐出流量を推定する。
【0022】
請求項9記載の発明では、前記摩擦係合要素以外に供給される油の流量をエンジン回転速度から推定する構成とした。
かかる構成によると、トルクコンバータや潤滑経路などの他の要素に供給される油の流量を、予め設定される相関に基づきエンジン回転速度から推定する。
【0023】
請求項10記載の発明では、前記漏れ流量を油温に基づいて推定する構成とした。
かかる構成によると、油の粘度に相関する油温に基づき、粘度で変化する漏れ流量を推定する。
【0024】
請求項11記載の発明では、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量を、油の元圧,前記解放側摩擦係合要素への油の供給を制御するバルブの開口面積,油温に基づいて推定する構成とした。
【0025】
かかる構成によると、バルブの開口面積、該バルブの上流側での圧力である元圧(ライン圧)及び油の粘度・密度に相関する油温から、解放側摩擦係合要素に流入する油の流量が推定される。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、そのときの油の供給能力、及び、解放側への油の流入状態で、締結側へ供給できる最大流量に見合う指示圧で油の充填を行わせ、指示圧と実際の流量とを対応させて油の充填を行わせることができるという効果がある。
【0027】
請求項2記載の発明によると、油の粘度の違いによる流量変化を見込んで、指示圧と実際の流量とを精度良く対応させることができるという効果がある。請求項3記載の発明によると、解放側摩擦係合要素及び締結側摩擦係合要素それぞれに要求流量の油を供給させつつ、指示圧と実際の流量とを対応させて油の充填を行わせることができるという効果がある。
【0028】
請求項4記載の発明によると、油の元圧(ライン圧)の変更によって、総流量を増やすことで、締結側摩擦係合要素における要求流量を確保できるという効果がある。
【0029】
請求項5記載の発明によると、そのときの総流量内でプリチャージに必要な流量の確保することができ、解放制御に優先して所望のプリチャージ制御を行わせることができるという効果がある。
【0030】
請求項6記載の発明によると、目標時間で充填を完了させることができる流量を確保できるという効果がある。
請求項7記載の発明によると、トルクコンバータ等に供給される油の流量や、油経路からの漏れ流量を考慮して、総流量を精度良く推定できるという効果がある。
【0031】
請求項8記載の発明によると、オイルポンプからの吐出流量及び調整圧に応じて、調圧後の吐出流量を精度良く推定できるという効果がある。
請求項9記載の発明によると、トルクコンバータ等に供給される油の流量を精度良く推定できるという効果がある。
【0032】
請求項10記載の発明によると、油の粘度によって変化する油経路からの漏れ流量を精度良く推定できるという効果がある。
請求項11記載の発明によると、解放側摩擦係合要素に供給される油の流量を、元圧(ライン圧)の変化、油の粘度・密度の変化、更に、バルブの制御状態に応じて、精度良く推定できるという効果がある。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態における車両用自動変速機の変速機構を示すものであり、エンジン(図示省略)の出力がトルクコンバータ1を介して変速機構2に伝達される構成となっている。
【0034】
前記変速機構2は、2組の遊星歯車G1,G2、3組の多板クラッチH/C,R/C,L/C、1組のブレーキバンド2&4/B、1組の多板式ブレーキL&R/B、1組のワンウェイクラッチL/OWCで構成される。
【0035】
前記2組の遊星歯車G1,G2は、それぞれ、サンギヤS1,S2、リングギヤr1,r2及びキャリアc1,c2よりなる単純遊星歯車である。
前記遊星歯車組G1のサンギヤS1は、リバースクラッチR/Cにより入力軸INに結合可能に構成される一方、ブレーキバンド2&4/Bによって固定可能に構成される。
【0036】
前記遊星歯車組G2のサンギヤS2は、入力軸INに直結される。
前記遊星歯車組G1のキャリアc1は、ハイクラッチH/Cにより入力軸Iに結合可能に構成される一方、前記遊星歯車組G2のリングギヤr2が、ロークラッチL/Cにより遊星歯車組G1のキャリアc1に結合可能に構成され、更に、ロー&リバースブレーキL&R/Bにより遊星歯車組G1のキャリアc1を固定できるようになっている。
【0037】
そして、出力軸OUTには、前記遊星歯車組G1のリングギヤr1と、前記遊星歯車組G2のキャリアc2とが一体的に直結されている。
上記構成の変速機構2において、1速〜4速及び後退は、図2に示すように、各クラッチ・ブレーキの締結状態の組み合わせによって実現される。
【0038】
尚、図2において、丸印が締結状態を示し、記号が付されていない部分は解放状態とすることを示すが、特に、1速におけるロー&リバースブレーキL&R/Bの黒丸で示される締結状態は、1レンジでのみの締結を示すものとする。
【0039】
前記図2に示す各クラッチ・ブレーキの締結状態の組み合わせによると、例えば、4速から3速へのダウンシフト時には、ブレーキバンド2&4/Bの解放を行う共にロークラッチL/Cの締結を行い、3速から2速へのダウンシフト時には、ハイクラッチH/Cの解放を行うと共にブレーキバンド2&4/Bの締結を行うことになり、2速から3速へのアップシフト時には、ブレーキバンド2&4/Bの解放を行うと共にハイクラッチH/Cの締結を行い、3速から4速へのアップシフト時には、ロークラッチL/Cの解放を行うと共にブレーキバンド2&4/Bの締結を行うことになる。
【0040】
上記のように、クラッチ・ブレーキ(摩擦係合要素)の締結と解放とを同時に制御して摩擦係合要素の掛け替えを行う変速を掛け替え変速と称するものとする。
【0041】
前記各クラッチ・ブレーキ(摩擦係合要素)の締結・解放動作は、油圧によって制御され、各クラッチ・ブレーキに対する供給油圧は、それぞれにソレノイドバルブによって調整されるようになっており、図3に示すような機構によって、各クラッチ・ブレーキに対する油(ATF:オートマチック・トランスミッション・フルード)の供給が制御される。
【0042】
図3において、エンジンによって回転駆動されるオイルポンプ21から吐き出される油は、調圧機構22によって所定のライン圧に調圧される。ライン圧に調圧された油は、各摩擦係合要素23毎に設けられるソレノイドバルブ24を介して各摩擦係合要素23に供給されると共に、前記トルクコンバータ1や潤滑経路31にも供給される。
【0043】
前記ソレノイドバルブ24は、コントロールユニット25によってそのON・OFFがデューティ制御されるようになっており、前記コントロールユニット25には、油温を検出する油温センサ26,運転者によって操作されるアクセルの開度を検出するアクセル開度センサ27,車両の走行速度を検出する車速センサ28,トルクコンバータ1のタービン回転速度を検出するタービン回転センサ29,エンジン回転速度を検出するエンジン回転センサ30等からの検出信号が入力され、これらの検出結果に基づいて各ソレノイドバルブ24を制御することで、各摩擦係合要素23の係合油圧を制御する。
【0044】
前記ソレノイドバルブ24は、図4に示すように、バルブボディ31と、該バルブボディ31内に軸方向に摺動可能に嵌挿されるスプールバルブ32と、該スプールバルブ32を軸方向に変位させるソレノイド33とから構成される。
【0045】
前記バルブボディ31には、前記調圧機構22からの油圧通路34,ドレン通路35及び摩擦係合要素23に対する供給路36が接続され、前記スプールバルブ32が油圧通路34とドレン通路35とを選択的に開口させることで、摩擦係合要素23に対して油を込める動作と、油を抜く動作とが制御されるようになっている。
【0046】
また、供給路36内の圧力が、オリフィス37が設けられたフィードバック通路38を介して、スプールバルブ32に対し、油圧通路34を閉じドレン通路35を開く方向(図で左向きの方向)に作用するように構成されている。
【0047】
更に、スプリング39は、スプールバルブ32を図で右向きに付勢するように設けられている。
従って、前記スプリング39の付勢力に抗してソレノイド33の電磁力が作用することで、スプールバルブ32が図で左方向に変位する構成であり、ソレノイド33の電磁力が大きくすることで、スプールバルブ32が図でより左側に変位し、ドレンを多くする。
【0048】
本実施形態における掛け替え変速では、図5に示すように、解放させる摩擦係合要素の係合油圧を徐々に減少させつつ、締結させる摩擦係合要素の係合油圧を徐々に増大させ、解放側摩擦係合要素から締結側摩擦係合要素へのトルクの掛け替えが行われるようにする。
【0049】
ここで、解放側については、非変速時の油圧から解放制御の初期圧にまで減少させてから締結側油圧の増大制御に対応させて解放側油圧を減少制御し、また、締結側については、締結制御の初期圧よりも高い指示圧を出力することで、締結させる摩擦係合要素に対して急速に油を充填させるプリチャージを行って、摩擦係合要素に対して油を充填し、その後に係合油圧を徐々に増大制御するようになっており、以下では、このプリチャージについて詳述する。
【0050】
図6のフローチャートは、前記プリチャージ制御のメインルーチンを示すものである。
尚、プリチャージ制御(流量制御)は変速判断に基づき開始され、後述するように、締結側のクラッチ反力が所定値を超えたときに終了判断されて圧力制御に移行する一方、プリチャージ制御(流量制御)中に、タービン回転速度が第1基準速度を下回ったとき(トルク引け発生時)及びタービン回転速度が第2基準速度(>第1基準速度)を上回ったとき(空吹け発生時)には、強制的に圧力制御に移行させるようになっている。
【0051】
ステップS1では、前記図3に示した調圧機構22直後における流量(調圧後の吐出流量)である吐出流量Can-Q(cc/sec)を演算する。
具体的には、図7に示すように、基準ライン圧PL(Kpa)とエンジン回転速度(rpm)とに応じて予め吐出流量Can-Q(cc/sec)を記憶したマップを参照し、そのときの基準ライン圧PL及びエンジン回転速度(rpm)に対応する吐出流量Can-Q(cc/sec)を検索する。
【0052】
本実施形態において、オイルポンプ21はエンジンによって駆動されるから、前記エンジン回転速度(rpm)は、オイルポンプ21の回転速度に比例する値として用いている。従って、オイルポンプ21の回転速度を求めて、吐出流量Can-Qの演算に用いても良い。
【0053】
ステップS2では、吐出流量Can-Qの中から、前記トルクコンバータ1や潤滑回路31に供給される油の流量を必要流量Require-Q(cc/sec)として演算する。
【0054】
具体的には、図8に示すように、エンジン回転速度(rpm)に応じて予め必要流量Require-Q(cc/sec)を記憶したテーブルを参照し、そのときのエンジン回転速度(rpm)に対応する必要流量Require-Q(cc/sec)を検索する。
【0055】
トルクコンバータ1や潤滑経路31に供給される油の流量は、エンジン回転速度(rpm)が高くなるほど増大するので、前記必要流量Require-Q(cc/sec)は、エンジン回転速度(rpm)が高くなるほど大きな値に設定されるようにしてある。
【0056】
ステップS3では、吐出流量Can-Qからの漏れによる損失分を漏れ流量Leak-Q(cc/sec)として演算する。
具体的には、図9に示すように、油温(ATF温度)に応じて予め漏れ流量Leak-Q(cc/sec)を記憶したテーブルを参照し、そのときの油温に対応する漏れ流量Leak-Q(cc/sec)を検索する。油温が高い場合には、油の粘性が低下して油の漏れ量が増大するので、前記漏れ流量Leak-Q(cc/sec)は、油温が高いほど大きな値に設定される。
【0057】
ステップS4では、前記吐出流量Can-Qから、前記必要流量Require-Q及び漏れ流量Leak-Qを減算して、その結果を、締結側及び解放側の摩擦係合要素に実際に供給できる総流量Limit-Q(cc/sec)とする。
【0058】
Limit-Q(cc/sec)=[Can-Q]−([Require-Q]+[Leak-Q])
ステップS5では、解放側摩擦係合要素に流入する油の流量Qs、具体的には、解放側のソレノイドバルブ24に流入する解放側流量Qsを演算する。
【0059】
尚、上記解放側流量Qsの演算については、後で詳述する。ステップS6では、前記総流量Limit-Qから解放側流量Qsを減算した流量を、締結側摩擦係合要素に油を充填するときの最大流量として求める。
【0060】
換言すれば、図10に示すように、前記総流量Limit-Qと解放側流量Qsとから、締結側摩擦係合要素に油を充填するときの最大流量を決定する。解放側に供給される油の流量と締結側に供給される油の流量との総和は、最大でも総流量Limit-Q以下となるから、総流量Limit-Qから解放側流量Qsを減算した流量が、締結側摩擦係合要素に供給できる最大流量となる。
【0061】
ステップS7では、油温を読み込み、ステップS8では、前記油温と最大流量とから締結側摩擦係合要素のプリチャージ制御における指示圧(プリチャージ圧:充填制御量)、換言すれば、ソレノイドバルブ24の開口面積を決定する(図11参照)。
【0062】
ステップS9では、締結側摩擦係合要素の反力が所定以上になったか否かを判別し、反力が所定以上になるまでステップS1〜S8のプリチャージ制御(流量制御)を継続させ、反力が所定以上になると、ステップS10へ進んで、プリチャージ制御(流量制御)から、摩擦係合要素の圧力を目標圧に制御する圧力制御に移行させる。
【0063】
前記圧力制御においては、例えば、入力軸トルクに応じて解放側及び締結側の目標圧を設定し、該目標圧に応じたデューティでソレノイドバルブ24を制御する。
【0064】
尚、前記反力の演算は、前述の流量Qsの演算と共に、後で詳述する。
図12の制御ブロック図は、上記プリチャージ制御を示すものであり、基準ライン圧PL及びエンジン回転速度(rpm)から吐出流量Can-Q(cc/sec)を演算し、必要流量Require-Q(cc/sec)をエンジン回転速度(rpm)から演算し、油温から漏れ流量Leak-Qを演算する。
【0065】
そして、吐出流量Can-Q−必要流量Require-Q−漏れ流量Leak-Qを、総流量Limit-Qとして演算し、該総流量Limit-Qから解放側への流入流量Qsを減算して求められる締結側へ供給可能な最大流量と、油温とからプリチャージにおける指示圧を決定する。
【0066】
一方、締結側摩擦係合要素の反力が演算され、該反力に基づいてプリチャージ制御(流量制御)から圧力制御への移行が判別される。上記構成によると、そのとき締結側に供給できる最大流量から指示圧を決定してプリチャージを行わせるので、締結側に供給できる最大流量での圧力を超える指示圧が出力され、指示圧と実際に得られる圧力とが乖離することを防止でき、以って、締結側摩擦係合要素の反力の推定精度を確保して、反力に基づく圧力制御への移行判断を高精度に行えるという効果がある。
【0067】
次に、摩擦係合要素(ソレノイドバルブ24)に流入する油の流量及び反力の推定を、図13,14のブロック図に従って説明する。
尚、流量及び反力の演算は、締結側及び解放側で同様にして行われるので、以下では、締結側及び解放側に共通のものとして説明する。
【0068】
前記ソレノイドバルブ24に対する流入流量Qsは、油の流量係数をC、ソレノイドバルブ24で制御される油圧通路34の開口面積をA、ライン圧をPL、クラッチ油圧をReal-Pc、油の密度をρとすると、
Qs=C・A・{(PL−Real-Pc)/ρ}1/2………(1)
として演算される。
【0069】
前記開口面積Aは、目標クラッチ油圧(指示圧)に基づき、以下のようにして求められる。
まず、そのときの目標クラッチ油圧(指示圧)から、図15に示すようなテーブルを参照して、ソレノイドの駆動デューティDUTY(%)を求める。
【0070】
尚、ソレノイドバルブ24は、上記のように、目標クラッチ油圧(指示圧)から設定される駆動デューティDUTY(%)によってデューティ制御されるようになっている。
【0071】
次いで、図16に示すようなテーブルによって、前記ソレノイドの駆動デューティDUTYを、ソレノイドの駆動電流I(A)に変換する。
更に、前記ソレノイドの駆動電流I(A)を、図17に示すようなテーブルによって、ソレノイドの吸引力Fsol(Kgf)に変換する。
【0072】
ここで、スプールバルブ32は、図18に示すように、スプリング39による荷重と、ソレノイドの吸引力(電磁力)Fsol(Kgf)及びフィードバック通路38を介するフィードバック力とがバランスする位置に変位する。
【0073】
従って、スプリング39のセット荷重をFset(Kgf)、スプリング39のばね定数をKx、クラッチ油圧をReal-Pc、フィードバック力が作用するスプールバルブ32の面積をAfbとすると、
Fset+Kx・X=Fsol+Real-Pc・Afb
という式が成り立つことになり、上式から、ソレノイド変位量X(cm)が、
X=(Fsol+Real-Pc・Afb−Fset)/Kx
として求められることになる。
【0074】
尚、クラッチ油圧Real-Pcの算出については後述する。
上記のようにして、ソレノイド変位量X(cm)を求めると、ソレノイドバルブ24の開口面積A(油圧供給口の開口面積)を、ソレノイド変位量X(cm)から求める。
【0075】
具体的には、図19に示すように、予めソレノイド変位量Xと開口面積Aとの相関を示すテーブルを記憶しておき、そのときのソレノイド変位量Xを前記テーブルによって開口面積Aに変換する。
【0076】
一方、前記流入流量Qsを算出するための(1)式における流量係数Cは、図20のブロック図に示すようにして演算される。
まず、油温に応じて予め粘度μを記憶したテーブルを参照して、そのときの油温での粘度μを求め、この粘度μと基準油温(例えば80℃)での粘度μとの比を演算する。
【0077】
そして、基準油温(例えば80℃)での流量係数Cと前記粘度μの比と基づき、そのときの油温に対応する流量係数Cを求める。
また、クラッチ流入流量(ソレノイド吐出流量)Qc、クラッチ油圧Real-Pc及びクラッチ反力が、下式(2)〜(7)の連立方程式を解くことで算出される。
【0078】
Mc・ΔΔYc+Cc・ΔYc+Kc・(Yc+Yco)=Ac・ΔReal-Pc …(2)
Vc=Vo+Ac・Yc …(3)
Qs−Qc=Vc/K・ΔReal-Pc …(4)
Qc=Ac・ΔYc …(5)
Real-Pc=Σ(ΔReal-Pc) …(6)
Total-Qc=Σ(Qc) …(7)
上式で、Ycはクラッチ変位量(cm)、ΔYcはクラッチ変位量の微分値(cm/10msec)、ΔΔYcはクラッチ変位量の微分値の微分値(cm/10msec2)、Acはクラッチピストン受圧面積(cm2)、Ccは流量係数、Mcはクラッチピストン荷重(Kg)、Kcはクラッチピストンばね定数(Kg/cm)、Kは体積弾性係数(Kgf/cm2)、Vcは容量(cc)、Ycoはクラッチピストン初期セット変位(cm)、Total-Qcは積算ソレノイド吐出流量、ΔReal-Pcはクラッチ油圧の微分値、Voは初期容量(cc)である。
【0079】
尚、クラッチピストン受圧面積Ac、初期容量Vo、クラッチピストン荷重Mc、クラッチピストンばね定数Kc、クラッチピストン初期セット変位Ycoは、予め与えられる固定値である。
【0080】
また、体積弾性係数Kは、固定値として与える構成であっても良いし、下式に従って算出させるようにしても良い。
K=Vo/(Vo−Total-Qc)・ΔReal-Pc
図14の制御ブロック図に示すように、前記(4)式(連続の式)に、ソレノイド流入流量Qs、クラッチ流入流量(ソレノイド吐出流量)Qc、容量Vc、体積弾性係数Kを代入することで、クラッチ油圧の微分値ΔReal-Pcが求められ、このクラッチ油圧の微分値ΔReal-Pcを積分することで、クラッチ油圧Real-Pcが求められる。
【0081】
一方、(2)式に示される運動方程式は、
Mc・ΔΔYc=Ac・ΔReal-Pc−Cc・ΔYc−Kc・(Yc+Yco)
と書き換えることができ、上式からMc・ΔΔYcが求められれば、クラッチピストン荷重Mcは既知の値であるから、ΔΔYcが求められる。
【0082】
そして、ΔΔYcを積分することでΔYcが求められ、ΔYcを積分することでYcが求められる。
ΔYcが求められると、クラッチピストン受圧面積Acは既知の値であるから、前記(5)式からクラッチ流入流量(ソレノイド吐出流量)Qcが求められる。
【0083】
また、ΔYcから、(2)式に示される運動方程式におけるCc・ΔYcが求められる。
更に、Ycからは、(3)式に従ってピストン変位で変化する容量Vc、及び、(2)式に示される運動方程式におけるKc・(Yc+Yco)が求められる。
【0084】
尚、図14のブロック図では、微分値を記号の上に付したドットで示してあり、2つのドットが付された記号は、微分値の微分値であることを示す。上記のようにして解放側について流入流量Qsを求め、該解放側の流入流量Qsから締結側の最大流量を求めてプリチャージ圧の設定を行わせ、プリチャージ圧から求められる締結側の流入流量Qsを用いて締結側の反力を演算し、該反力に基づいてプリチャージの完了を判定させる。
【0085】
上記実施の形態では、そのときの総流量で締結側に供給できる最大流量に応じて指示圧を決定する構成としたが、係る構成の場合、総流量が少なく解放側への流量が多いと、締結側に供給できる油の流量が少なくなり、充填に時間を要することになってしまう。
【0086】
そこで、以下に示す第2の実施形態のように、所望の充填を行わせるに必要な締結側への流量(目標流量)を予め設定し、そのときの総流量及び解放側への流量から締結側に供給できると判断される流量が、前記目標流量よりも少ないときには、総流量を増やして目標流量でのプリチャージを可能するようにしても良い。
【0087】
図21のフローチャートは前記第2の実施形態におけるプリチャージ制御を示すものであり、図22の制御ブロック図を参照しつつ以下に説明する。
ステップS21〜S24では、前記図6のフローチャートのステップS1〜S4と同様にして、総流量Limit-Qを演算する。
【0088】
ステップS25では、ステップS5と同様にして、解放側摩擦係合要素に流入する油の流量Qs(解放側のソレノイドバルブ24に流入する解放側流量Qs)を演算する。
【0089】
ステップS26では、前記総流量Limit-Qから解放側流量Qsを減算して、基準ライン圧で締結側に供給可能な最大流量(供給可能最大流量)を求める。
ステップS27では、プリチャージを目標時間で完了させるための目標流量Tgt-Q(cc/sec)を、充填容積Vcと目標充填時間Tgt-TIMEとから、下式に従って演算する。
【0090】
目標流量Tgt-Q=[充填容積Vc]/[目標充填時間Tgt-TIME]
前記充填容積Vcは、配管容積と摩擦係合要素の容積との合計として設定されるものであり、締結させる摩擦係合要素毎に予め記憶させておき、締結させる摩擦係合要素に応じて記憶値を参照するものとすれば良い。
【0091】
また、目標充填時間Tgt-TIMEは、固定値であっても良いが、油温(ATF温度)に応じて変更することが好ましい。油温(ATF温度)に応じて目標充填時間Tgt-TIMEを設定する場合には、図23に示すように、油の粘性が低下する油温が高いときほど、目標充填時間Tgt-TIMEを短くすると良い。
【0092】
ステップS28では、前記目標流量Tgt-Qと前記供給可能最大流量との偏差(偏差=目標流量Tgt-Q−供給可能最大流量)を演算する。
ステップS29では、前記偏差に応じてライン圧の補正値を設定する。
【0093】
前記ライン圧補正値は、前記目標流量Tgt-Qが前記供給可能最大流量よりも多く、現状の総流量Limit-Qでは目標流量Tgt-Qを得ることができない場合に、ライン圧(充填制御量)を増大させるように設定される。
【0094】
具体的には、前記供給可能最大流量が目標流量Tgt-Q以上で前記偏差が0以下であるときには、実質的な補正が行われないように補正値が設定され、前記目標流量Tgt-Qが供給可能最大流量以上で前記偏差がプラスの値に算出されるときには、偏差が大きいときほどよりライン圧が大きく補正されるように補正値が設定される。
【0095】
ライン圧を増大補正すると、総流量Limit-Qが増え、相対的に締結側摩擦係合要素に供給できる油の流量(供給可能最大流量)が増えることで、供給可能最大流量を目標流量Tgt-Q以上にして、目標時間で充填を完了させ得る目標流量Tgt-Qでのプリチャージが可能になる。
【0096】
ステップS30では、前記ステップS29で設定した補正値によって基準のライン圧を補正し、該補正後のライン圧になるように前記調圧機構22を制御する。
【0097】
ステップS31では、油温を読み込み、ステップS32では、油温と目標流量Tgt-Qとからプリチャージ圧を決定する。
そして、ステップS33では、締結側摩擦係合要素の反力が所定以上になったか否かを判別し、反力が所定以上になるとステップS34へ進み、圧力制御に移行させる。
【0098】
上記第2の実施形態では、目標充填時間から設定される締結側の目標流量を確保すべく、総流量(ライン圧)を変更する構成としたが、そのときの総流量内で締結側の目標流量を確保すべく、解放側の流量を減少させる構成とすることができる。
【0099】
係る構成とした第3の実施形態を、図25のブロック図を参照しつつ、図24のフローチャートに従って説明する。
ステップS41〜S44では、前記図6のフローチャートのステップS1〜S4と同様にして、総流量Limit-Qを演算する。
【0100】
ステップS45では、ステップS5と同様にして、解放側摩擦係合要素に流入する油の流量Qs(解放側のソレノイドバルブ24に流入する解放側流量Qs)を演算する。
【0101】
ステップS46では、前記総流量Limit-Qから解放側流量Qsを減算して、そのときの解放側流量Qsで締結側に供給可能な最大流量(供給可能最大流量)を求める。
【0102】
ステップS47では、プリチャージを目標時間で完了させるための目標流量Tgt-Q(cc/sec)を、前記ステップS27と同様にして演算する。
ステップS48では、前記目標流量Tgt-Qと前記供給可能最大流量との偏差(偏差=目標流量Tgt-Q−供給可能最大流量)を演算する。
【0103】
ステップS49では、前記偏差に応じて解放側の指示圧の補正値を設定する。前記解放側指示圧補正値は、前記目標流量Tgt-Qが前記供給可能最大流量よりも多く、現状の解放側流量Qsのままでは締結側の目標流量Tgt-Qを得ることができない場合に、解放側指示圧を減少させて、解放側への流量Qsを減少させるように設定される。
【0104】
具体的には、前記供給可能最大流量が目標流量Tgt-Q以上で前記偏差が0以下であるときには、実質的な補正が行われないように補正値が設定され、前記目標流量Tgt-Qが供給可能最大流量以上で前記偏差がプラスの値に算出されるときには、偏差が大きいときほど解放側指示圧をより小さくするように補正値が設定される。
【0105】
ステップS50では、前記ステップS49で設定された補正値によって解放側摩擦係合要素の指示圧(目標クラッチ圧)を補正する。
締結側の目標流量Tgt-Qが供給可能最大流量を上回っていて、目標流量Tgt-Qを確保できないときには、ステップS50で解放側摩擦係合要素の指示圧が減少補正されることで、解放側に流入する油の流量が減少し、相対的に締結側の摩擦係合要素に供給できる油の流量が増え、目標流量Tgt-Qで締結側に油を供給できるようになる。
【0106】
ステップS51では、油温を読み込み、ステップS52では、油温と目標流量Tgt-Qとからプリチャージ圧を決定する。
そして、ステップS53では、締結側摩擦係合要素の反力が所定以上になったか否かを判別し、反力が所定以上になるとステップS54へ進み、圧力制御に移行させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における自動変速機の変速機構を示す図。
【図2】前記変速機構における摩擦係合要素の締結状態の組み合わせと変速段との相関を示す図。
【図3】前記自動変速機の油圧制御系を示すシステム図。
【図4】前記油圧制御系におけるソレノイドバルブの詳細を示す断面図。
【図5】実施の形態における摩擦係合要素の掛け替えによる変速の様子を示すタイムチャート。
【図6】第1の実施形態におけるプリチャージ制御のメインルーチンを示すフローチャート。
【図7】実施の形態におけるライン圧及びエンジン回転速度→吐出流量のマップを示す線図。
【図8】実施の形態における油温→必要流量のテーブルを示す線図。
【図9】実施の形態における油温→漏れ流量のテーブルを示す線図。
【図10】実施の形態における解放側流入流量及び総流量→締結側目標流量のマップを示す線図。
【図11】実施の形態における締結側目標流量及び油温→プリチャージ油圧のマップを示す線図。
【図12】第1の実施形態におけるプリチャージ制御を示す制御ブロック図。
【図13】実施の形態におけるソレノイド流入流量の演算制御を示すブロック図。
【図14】実施の形態におけるクラッチ流入流量,クラッチ油圧及びクラッチ反力の演算制御を示すブロック図。
【図15】実施の形態における目標クラッチ圧力→ソレノイド駆動デューティのテーブルを示す線図。
【図16】実施の形態におけるソレノイド駆動デューティ→ソレノイド駆動電流のテーブルを示す線図。
【図17】実施の形態におけるソレノイド駆動電流→ソレノイド吸引力のテーブルを示す線図。
【図18】ソレノイドバルブの荷重バランス状態を示す状態図。
【図19】実施の形態におけるソレノイド変位→開口面積のテーブルを示す線図。
【図20】実施の形態における流量係数の演算制御を示すブロック図。
【図21】第2の実施形態におけるプリチャージ制御のメインルーチンを示すフローチャート。
【図22】第2の実施形態におけるプリチャージ制御を示す制御ブロック図。
【図23】実施の形態における油温→目標充填時間のテーブルを示す線図。
【図24】第3の実施形態におけるプリチャージ制御のメインルーチンを示すフローチャート。
【図25】第3の実施形態におけるプリチャージ制御を示す制御ブロック図。
【符号の説明】
1…トルクコンバータ
2…変速機構
21…オイルポンプ
22…調圧機構
23…摩擦係合要素
24…ソレノイドバルブ
25…コントロールユニット
26…油温センサ
27…アクセル開度センサ
28…車速センサ
29…タービン回転センサ
30…エンジン回転センサ
31…バルブボディ
32…スプールバルブ
33…ソレノイド
34…油圧通路
35…ドレン通路
36…供給路
37…オリフィス
38…フィードバック通路
39…スプリング
G1,G2…遊星歯車
H/C…ハイクラッチ
R/C…リバースクラッチ
L/C…ロークラッチ
2&4/B…2速/4速バンドブレーキ
L&R/B…ロー&リバースブレーキ

Claims (11)

  1. 2つの摩擦係合要素の締結と解放とを同時に油圧で制御して変速を行わせる車両用自動変速機の油圧制御装置において、
    締結側摩擦係合要素と解放側摩擦係合要素とに供給可能な油の総流量と、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量との偏差に基づいて、前記締結側摩擦係合要素に供給可能な油の最大流量を求め、該最大流量に基づいて前記締結側摩擦係合要素に油を充填させるときの指示圧を決定することを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記最大流量と油温とに基づいて前記締結側摩擦係合要素に油を充填させるときの指示圧を決定することを特徴とする請求項1記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  3. 2つの摩擦係合要素の締結と解放とを同時に油圧で制御して変速を行わせる車両用自動変速機の油圧制御装置において、
    締結側摩擦係合要素と解放側摩擦係合要素とに供給可能な油の総流量と、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量との偏差に基づいて、前記締結側摩擦係合要素に供給可能な油の最大流量を求め、該最大流量と前記締結側摩擦係合要素に油を充填するときの目標流量とに基づいて、前記供給可能な油の総流量を変更することを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記供給可能な油の総流量を、油の元圧を変更することで変更することを特徴する請求項3記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  5. 2つの摩擦係合要素の締結と解放とを同時に油圧で制御して変速を行わせる車両用自動変速機の油圧制御装置において、
    締結側摩擦係合要素と解放側摩擦係合要素とに供給可能な油の総流量と、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量との偏差に基づいて、前記締結側摩擦係合要素に供給可能な油の最大流量を求め、該最大流量と前記締結側摩擦係合要素に油を充填するときの目標流量とに基づいて、前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量を変更することを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置。
  6. 前記目標流量が、目標の充填完了時間と充填体積とに基づいて決定されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  7. 前記供給可能な油の総流量を、調圧後の吐出流量と、摩擦係合要素以外に供給される油の流量と、漏れ流量とから設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  8. 前記調圧後の吐出流量を、油の元圧及びエンジン回転速度から推定することを特徴とする請求項7記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  9. 前記摩擦係合要素以外に供給される油の流量をエンジン回転速度から推定することを特徴とする請求項7又は8記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  10. 前記漏れ流量を油温に基づいて推定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  11. 前記解放側摩擦係合要素へ流入する油の流量を、油の元圧,前記解放側摩擦係合要素への油の供給を制御するバルブの開口面積,油温に基づいて推定することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
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