JP4147904B2 - ノイズフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、情報機器等のノイズ対策として使用されるノイズフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のノイズフィルタは、図5に示されるような構成を有していた。
【0003】
図5は従来のノイズフィルタ(積層コモンモードチョークコイル)の分解斜視図を示したもので、この図5に基づいて、従来のノイズフィルタの構成を説明する。
【0004】
図5において、1は第1の絶縁性シートで、表面に第1のコイル導体2を設けている。3は第2の絶縁性シートで、表面に第2のコイル導体4を設けている。5は第3の絶縁性シートで、表面に第3のコイル導体6を設けている。7は第4の絶縁性シートで、表面に第4のコイル導体8を設けている。そして前記第1の絶縁性シート1、第2の絶縁性シート3、第3の絶縁性シート5、第4の絶縁性シート7を順次積層することにより、第1のコイル導体2の他端部は、第1の絶縁性シート1に設けたバイアホール1aを介して第2のコイル導体4の一端部に電気的に直列に接続され、かつ第2のコイル導体4の他端部は、第2の絶縁性シート3に設けたバイアホール3aを介して第3のコイル導体6の一端部に電気的に直列に接続され、さらに第3のコイル導体6の他端部は、第3の絶縁性シート5に設けたバイアホール5aを介して第4のコイル導体8の一端部に電気的に直列に接続されるもので、このように、前記第1の絶縁性シート1、第2の絶縁性シート3、第3の絶縁性シート5、第4の絶縁性シート7を順次積層することにより、絶縁性シート1,3,5,7を積み重ねる上下方向に対して平行な軸を有する第1の螺旋状コイル9が構成されるものである。
【0005】
10は第5の絶縁性シートで、表面に第5のコイル導体11を設けている。12は第6の絶縁性シートで、表面に第6のコイル導体13を設けている。14は第7の絶縁性シートで、表面に第7のコイル導体15を設けている。16は第8の絶縁性シートで、表面に第8のコイル導体17を設けている。そして前記第5の絶縁性シート10、第6の絶縁性シート12、第7の絶縁性シート14、第8の絶縁性シート16を順次積層することにより、第5のコイル導体11の他端部は、第5の絶縁性シート10に設けたバイアホール10aを介して第6のコイル導体13の一端部に電気的に直列に接続され、かつ第6のコイル導体13の他端部は、第6の絶縁性シート12に設けたバイアホール12aを介して第7のコイル導体15の一端部に電気的に直列に接続され、さらに第7のコイル導体15の他端部は、第7の絶縁性シート14に設けたバイアホール14aを介して第8のコイル導体17の一端部に電気的に直列に接続されるもので、このように、前記第5の絶縁性シート10、第6の絶縁性シート12、第7の絶縁性シート14、第8の絶縁性シート16を順次積層することにより、絶縁性シート10,12,14,16を積み重ねる上下方向に対して平行な軸を有する第2の螺旋状コイル18が構成されるものである。
【0006】
19は第9の絶縁性シートで、表面に第9のコイル導体20を設けている。21は第10の絶縁性シートで、表面に第10のコイル導体22を設けている。23は第11の絶縁性シートで、表面に第11のコイル導体24を設けている。25は第12の絶縁性シートで、表面に第12のコイル導体26を設けている。そして前記第9の絶縁性シート19、第10の絶縁性シート21、第11の絶縁性シート23、第12の絶縁性シート25を順次積層することにより、第9のコイル導体20の他端部は、第9の絶縁性シート19に設けたバイアホール19aを介して第10のコイル導体22の一端部に電気的に直列に接続され、かつ第10のコイル導体22の他端部は、第10の絶縁性シート21に設けたバイアホール21aを介して第11のコイル導体24の一端部に電気的に直列に接続され、さらに第11のコイル導体24の他端部は、第11の絶縁性シート23に設けたバイアホール23aを介して第12のコイル導体26の一端部に電気的に直列に接続されるもので、このように、前記第9の絶縁性シート19、第10の絶縁性シート21、第11の絶縁性シート23、第12の絶縁性シート25を順次積層することにより、絶縁性シート19,21,23,25を積み重ねる上下方向に対して平行な軸を有する第3の螺旋状コイル27が構成されるものである。
【0007】
そして前記第1の螺旋状コイル9の上側と第3の螺旋状コイル27の下側にカバーシート28,29を位置させて第1の螺旋状コイル9、第2の螺旋状コイル18、第3の螺旋状コイル27を積層することにより、積層体からなる積層コモンモードチョークコイル(ノイズフィルタ)を構成している。
【0008】
前記積層体からなる積層コモンモードチョークコイル(ノイズフィルタ)には入力電極28a,28b,28cと、出力電極29a,29b,29cが設けられているもので、前記入力電極28aと出力電極29aは第1の螺旋状コイル9に電気的に接続されて第1の螺旋状コイル9の入力電極28aと出力電極29aを構成し、また前記入力電極28bと出力電極29bは第2の螺旋状コイル18に電気的に接続されて第2の螺旋状コイル18の入力電極28bと出力電極29bを構成し、さらに前記入力電極28cと出力電極29cは第3の螺旋状コイル27に電気的に接続されて第3の螺旋状コイル27の入力電極28cと出力電極29cを構成している。
【0009】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−186056号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のノイズフィルタは、すべてのコイル、すなわち、第1の螺旋状コイル9、第2の螺旋状コイル18、第3の螺旋状コイル27の構造がそれぞれ独立の螺旋状となっているため、積層数が多くなり、その結果、第1の螺旋状コイル9と第2の螺旋状コイル18との結合係数、第2の螺旋状コイル18と第3の螺旋状コイル27との結合係数を高めるのにも限界があり、そのため、第1の螺旋状コイル9と第3の螺旋状コイル27はほとんど結合を有しないという課題を有していた。
【0012】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、コモンモードのインピーダンス値を高くでき、かつコモンモードのノイズの除去特性も高いノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0014】
本発明の請求項1に記載の発明は、磁性体と、この磁性体内に設けられた第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルと、前記第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルの各両端部とそれぞれ電気的に接続された外部電極とを備え、前記第1のコイルは、渦巻き状の第1の導体と、この第1の導体と電気的に接続され、かつ第1の導体の上方に渦巻き状に形成されている第2の導体とにより構成し、前記第3のコイルは、前記第2の導体の上方に対向して渦巻き状に形成されている第5の導体と、この第5の導体と電気的に接続され、かつ第5の導体の上方に渦巻き状に形成されている第6の導体とにより構成し、さらに前記第2のコイルは、前記第1の導体と同一平面上に2重の渦巻き状に形成されている第3の導体と、この第3の導体と電気的に接続され、かつ前記第6の導体と同一平面上に2重の渦巻き状に形成されている第4の導体とにより構成したもので、この構成によれば、第1のコイルと第2のコイルとの結合係数、第2のコイルと第3のコイルとの結合係数、および第3のコイルと第1のコイルとの結合係数がすべて高くなるため、積層数もコイル導体層としては4層のみで結合係数の高い3ラインのノイズフィルタを提供できるという作用効果が得られるものである。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、第1のコイルの外部電極間の導体の長さと、第2のコイルの外部電極間の導体の長さおよび第3のコイルの外部電極間の導体の長さをそれぞれ同じ長さにしたもので、この構成によれば、直流抵抗のバランスがとれた3ラインのノイズフィルタを提供できるという作用効果が得られるものである。
【0016】
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、第1の導体と第3の導体間の距離と、第4の導体と第6の導体間の距離を、それぞれ30μmより長く、かつ150μmより短くしたもので、この構成によれば、結合係数の高い3ラインのノイズフィルタを提供できるという作用効果が得られるものである。
【0017】
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、第1の導体と第3の導体間の距離と、第4の導体と第6の導体間の距離を同一にしたもので、この構成によれば、結合係数のバランスがとれた3ラインのノイズフィルタを提供できるという作用効果が得られるものである。
【0018】
本発明の請求項5に記載の発明は、特に、第2の導体が形成されている面と第5の導体が形成されている面間の距離を、前記第2の導体が形成されている面と第3の導体が形成されている面間の距離と、第4の導体が形成されている面と第5の導体が形成されている面間の距離のいずれよりも短くしたもので、この構成によれば、結合係数のバランスがとれた3ラインのノイズフィルタを提供できるという作用効果が得られるものである。
【0019】
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルをそれぞれ電鋳法により形成したもので、この構成によれば、直流抵抗の低い3ラインのノイズフィルタを提供できるという作用効果が得られるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態におけるノイズフィルタについて、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施の形態におけるノイズフィルタの分解斜視図、図2は同ノイズフィルタの斜視図である。
【0022】
図1、図2において、31は第1のコイルで、この第1のコイル31は、渦巻き状の第1の導体32と、この第1の導体32の上方に渦巻き状に形成されている第2の導体33とにより構成されている。そして前記第1の導体32は第1の引き出し部32aと、渦巻きの内部に位置する第1のバイア電極32bとを有し、また第2の導体33は第2の引き出し部33aと、渦巻きの内部に位置する第2のバイア電極33bとを有している。
【0023】
34は第2のコイルで、この第2のコイル34は、渦巻き状の第3の導体35と、この第3の導体35の上方に渦巻き状に形成されている第4の導体36とにより構成されている。そして前記第3の導体35は第3の引き出し部35aと、渦巻きの内部に位置する第3のバイア電極35bとを有し、また第4の導体36は第4の引き出し部36aと、渦巻きの内部に位置する第4のバイア電極36bとを有している。
【0024】
37は第3のコイルで、この第3のコイル37は、渦巻き状の第5の導体38と、この第5の導体38の上方に渦巻き状に形成されている第6の導体39とにより構成されている。そして前記第5の導体38は第5の引き出し部38aと、渦巻きの内部に位置する第5のバイア電極38bとを有し、また第6の導体39は第6の引き出し部39aと、渦巻きの内部に位置する第6のバイア電極39bとを有している。
【0025】
40は方形状をなす第1の磁性体シートで、この第1の磁性体シート40は前記第1の導体32と第2の導体33との間に配設され、かつ第1のバイアホール40aと第2のバイアホール40bを有している。そしてこの第1のバイアホール40aによって前記第1のバイア電極32bと第2のバイア電極33bとが互いに電気的に接続され、これにより、第1の導体32と第2の導体33とが電気的に接続されて第1のコイル31を形成している。
【0026】
41は方形状をなす第2の磁性体シートで、この第2の磁性体シート41は前記第2の導体33と第5の導体38との間に配設され、かつ第3のバイアホール41aを有している。そしてこの第2の磁性体シート41によって第2の導体33と第5の導体38との間を絶縁している。
【0027】
42は方形状をなす第3の磁性体シートで、この第3の磁性体シート42は前記第5の導体38と第6の導体39との間に配設され、かつ第4のバイアホール42aと第5のバイアホール42bを有している。そしてこの第4のバイアホール42aと、前記第2のバイアホール40bおよび第3のバイアホール41aとによって前記第3のバイア電極35bと第4のバイア電極36bとが互いに電気的に接続され、これにより、第3の導体35と第4の導体36とが電気的に接続されて第2のコイル34を形成している。また、前記第5のバイアホール42bによって前記第5のバイア電極38bと第6のバイア電極39bとが互いに電気的に接続され、これにより、第5の導体38と第6の導体39とが電気的に接続されて第3のコイル37を形成している。
【0028】
なお、前記第1の導体32、第2の導体33、第3の導体35、第4の導体36、第5の導体38、第6の導体39はそれぞれ銀などの導電体により構成されているもので、それらの長さ、幅、厚みは所定の特性に合致するように調整すればよい。
【0029】
また、前記第2の導体33と第5の導体38は、互いに対向し、かつその間は第2の磁性体シート41によって絶縁されている。そしてまた、前記第1の導体32と第3の導体35、第2の導体33と第5の導体38、第4の導体36と第6の導体39は、同じ方向に引き出されている第1の引き出し部32a、第3の引き出し部35a、第5の引き出し部38aから第2の引き出し部33a、第4の引き出し部36a、第6の引き出し部39aへ電流を流したとき、第4の導体36または第6の導体39の上方から平面視によりそれぞれ同じ方向に電流が流れるように形成されている。
【0030】
上記した配置関係となるように、前記第1の導体32、第2の導体33、第3の導体35、第4の導体36、第5の導体38、第6の導体39を形成したことにより、第1の導体32と第3の導体35は同一平面上に2重渦巻き状に形成されるため、第1の導体32と第3の導体35とに同方向の電流が流れれば、第1の導体32と第3の導体35でそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができ、その結果、コモンモードのインピーダンス値を高くすることができるという効果が得られるものである。
【0031】
また、第2の導体33と第5の導体38は第2の磁性体シート41を挟んで対向するようにそれぞれ渦巻き状に形成されているため、第2の導体33と第5の導体38とに同方向の電流が流れれば、第2の導体33と第5の導体38でそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができるため、コモンモードのインピーダンス値を高くすることができるという効果が得られるものである。
【0032】
43は方形状をなす第4の磁性体シートで、この第4の磁性体シート43は第1の導体32、第3の導体35の下面に配設されている。
【0033】
44は方形状をなす第5の磁性体シートで、この第5の磁性体シート44は第4の導体36、第6の導体39の上面に配設されている。
【0034】
そして、前記第1の磁性体シート40、第2の磁性体シート41、第3の磁性体シート42、第4の磁性体シート43、第5の磁性体シート44は、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物により構成され、これらを、上記したように上下方向に積層することによって、図2に示すように、方形状をなす板状の磁性体45を形成している。なお、この磁性体45は板状でなく、ある程度の厚みを有していてもよい。また、この磁性体45は必ずしも方形状である必要はない。そしてまた、磁性体45を構成する前記第1の磁性体シート40、第2の磁性体シート41、第3の磁性体シート42、第4の磁性体シート43、第5の磁性体シート44のそれぞれの厚みは、所定の特性(耐電圧など)によって適宜調整すればよく、さらに厚みの調整は、磁性体シート自体の厚みを変えるか、あるいは複数の磁性体シートの枚数を変えることによって行う。
【0035】
46a,46b,46cは磁性体45の一方の端面に形成された外部電極、47a,47b,47cは前記外部電極46a,46b,46cと相対向するように磁性体45の他方の端面に形成された外部電極である。これらの外部電極46a,46b,46c,47a,47b,47cは、銀などの導体の表面に、ニッケルめっき、スズやはんだなどの低融点金属めっきを施すことにより構成されている。
【0036】
そして、前記第1のコイル31の両端部、すなわち第1の引き出し部32a、第2の引き出し部33aは、第1の引き出し部32aが外部電極46aと、第2の引き出し部33aが外部電極47aとそれぞれ電気的に接続されている。また、第2のコイル34の両端部、すなわち第3の引き出し部35a、第4の引き出し部36aは、第3の引き出し部35aが外部電極46bと、第4の引き出し部36aが外部電極47bとそれぞれ電気的に接続されている。そしてまた、第3のコイル37の両端部、すなわち第5の引き出し部38a、第6の引き出し部39aは、第5の引き出し部38aが外部電極46cと、第6の引き出し部39aが外部電極47cとそれぞれ電気的に接続されている。
【0037】
なお、前記第1のコイル31、第2のコイル34、第3のコイル37の長さが同一になるようにすれば、各コイル31,34,37の直流抵抗値は等しくなるため、回路内に組み込んだときにバランスを崩すことがなくなるものである。
【0038】
また、前記第1のコイル31と第2のコイル34との結合係数および第2のコイル34と第3のコイル37との結合係数は、第1の導体32と第3の導体35間の距離および第4の導体36と第6の導体39間の距離で決まるものである。
【0039】
図3は本発明の一実施の形態におけるノイズフィルタの第1の導体32と第3の導体35間の距離と、結合係数K、耐電圧の関係を示す図である。
【0040】
なお、耐電圧は第1の導体32と第3の導体35との間に100Vを1分間印加したときの良品(絶縁抵抗が100MΩ以上のもの)率を表したもので、図3は横軸に第1の導体32と第3の導体35間の距離(μm)を、縦軸に結合係数Kと耐電圧不良率(%)を示している。
【0041】
図3から明らかなように、第1の導体32と第3の導体35間の距離は30μmより長く、かつ150μmより短くすればよいことがわかる。すなわち、このような範囲にすれば、第1の導体32と第3の導体35間の耐電圧を保持できて、耐電圧不良率を0%にすることができるとともに、第1の導体32と第3の導体35との間の結合係数もアップするため、コモンモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られるものである。また、このことは、第4の導体36と第6の導体39との関係においても同様のことが言えるもので、前記第1の導体32と第3の導体35間の距離と、第4の導体36と第6の導体39間の距離を同一にすれば、第1のコイル31と第2のコイル34との結合係数と、第2のコイル34と第3のコイル37との結合係数は等しくなるもので、これにより、コモンモードインピーダンスのバランスがとれたコモンモードノイズフィルタを提供することができるものである。
【0042】
図4(a)は従来のノイズフィルタの各コイル間のコモンモードインピーダンスを示したものであり、また図4(b)は本発明の一実施の形態におけるノイズフィルタの各コイル間のコモンモードインピーダンスを示したものである。この図4(a)(b)から明らかなように、従来のノイズフィルタでは、第1のコイル9と第3のコイル27間のコモンモードインピーダンスだけが低く、バランスがとれていないのに対し、本発明の一実施の形態におけるノイズフィルタでは、すべてのコモンモードインピーダンスのバランスがとれているもので、これにより、優れたコモンモードノイズフィルタであることがわかる。
【0043】
なお、前記第1の導体32、第2の導体33、第3の導体35、第4の導体36、第5の導体38、第6の導体39をそれぞれ電鋳法により形成すれば、狭い導体幅、細かい導体線間ピッチが実現できるため、それぞれの導体32,33,35,36,38,39の長さを長くすることができ、これにより、それぞれの導体32,33,35,36,38,39で発生する磁束を互いにさらに強め合うことができるため、コモンモードインピーダンス値をさらに高くすることができるものである。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明のノイズフィルタは、磁性体と、この磁性体内に設けられた第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルと、前記第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルの各両端部とそれぞれ電気的に接続された外部電極とを備え、前記第1のコイルは、渦巻き状の第1の導体と、この第1の導体と電気的に接続され、かつ第1の導体の上方に渦巻き状に形成されている第2の導体とにより構成し、前記第3のコイルは、前記第2の導体の上方に対向して渦巻き状に形成されている第5の導体と、この第5の導体と電気的に接続され、かつ第5の導体の上方に渦巻き状に形成されている第6の導体とにより構成し、さらに前記第2のコイルは、前記第1の導体と同一平面上に2重の渦巻き状に形成されている第3の導体と、この第3の導体と電気的に接続され、かつ前記第6の導体と同一平面上に2重の渦巻き状に形成されている第4の導体とにより構成しているため、第1のコイルと第2のコイルとの結合係数、第2のコイルと第3のコイルとの結合係数、および第3のコイルと第1のコイルとの結合係数はすべて高くなり、これにより、積層数もコイル導体層としては4層のみで結合係数の高い3ラインのノイズフィルタを提供できるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるノイズフィルタの分解斜視図
【図2】同ノイズフィルタの斜視図
【図3】同ノイズフィルタの第1の導体32と第3の導体35間の距離と、結合係数K、耐電圧の関係を示す図
【図4】(a)従来のノイズフィルタの各コイル間のコモンモードインピーダンスを示す図(b)本発明の一実施の形態におけるノイズフィルタの各コイル間のコモンモードインピーダンスを示す図
【図5】従来のノイズフィルタの分解斜視図
【符号の説明】
31 第1のコイル
32 第1の導体
33 第2の導体
34 第2のコイル
35 第3の導体
36 第4の導体
37 第3のコイル
38 第5の導体
39 第6の導体
40 第1の磁性体シート
41 第2の磁性体シート
42 第3の磁性体シート
43 第4の磁性体シート
44 第5の磁性体シート
45 磁性体
46a〜46c,47a〜47c 外部電極

Claims (6)

  1. 磁性体と、この磁性体内に設けられた第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルと、前記第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルの各両端部とそれぞれ電気的に接続された外部電極とを備え、前記第1のコイルは、渦巻き状の第1の導体と、この第1の導体と電気的に接続され、かつ第1の導体の上方に渦巻き状に形成されている第2の導体とにより構成し、前記第3のコイルは、前記第2の導体の上方に対向して渦巻き状に形成されている第5の導体と、この第5の導体と電気的に接続され、かつ第5の導体の上方に渦巻き状に形成されている第6の導体とにより構成し、さらに前記第2のコイルは、前記第1の導体と同一平面上に2重の渦巻き状に形成されている第3の導体と、この第3の導体と電気的に接続され、かつ前記第6の導体と同一平面上に2重の渦巻き状に形成されている第4の導体とにより構成したノイズフィルタ。
  2. 第1のコイルの外部電極間の導体の長さと、第2のコイルの外部電極間の導体の長さおよび第3のコイルの外部電極間の導体の長さをそれぞれ同じ長さにした請求項1記載のノイズフィルタ。
  3. 第1の導体と第3の導体間の距離と、第4の導体と第6の導体間の距離を、それぞれ30μmより長く、かつ150μmより短くした請求項1記載のノイズフィルタ。
  4. 第1の導体と第3の導体間の距離と、第4の導体と第6の導体間の距離を同一にした請求項1記載のノイズフィルタ。
  5. 第2の導体が形成されている面と第5の導体が形成されている面間の距離を、前記第2の導体が形成されている面と第3の導体が形成されている面間の距離と、第4の導体が形成されている面と第5の導体が形成されている面間の距離のいずれよりも短くした請求項1記載のノイズフィルタ。
  6. 第1のコイル、第2のコイルおよび第3のコイルをそれぞれ電鋳法により形成した請求項1記載のノイズフィルタ。
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