JP4147140B2 - 非磁性トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられる非磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電手段によって光導電材料の表面に像を形成し現像することは従来周知である。即ち、特許文献1〜3等に記載されている如く数多くの方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し複写物を得るものであり、感光体上に転写せず残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上記の工程が繰り返される。
【0003】
近年このような電子写真装置は、高精細、高画質化を達成しつつ小型、軽量、低消費電力といったスペックが、よりシンプルな要素で構成されるように要求されている。当該技術分野ではトナーの粒径を細かくして高画質化を達成しようという試みがなされているが、粒径が細かくなると単位重量当りの表面積が増え、トナーの帯電量が大きくなる傾向にあり、画像濃度薄や耐久劣化が懸念されるところである。加えてトナーの帯電量が大きいために、トナー同士の付着力が強く、流動性が低下し、トナー補給の安定性や補給トナーへのトリボ付与に問題が生じてくる。さらに加えてトナーと感光ドラムや転写体における付着力が増加し、転写効率を高く維持できないといった懸念もされる。そこで、広範な環境においても安定した帯電量を有するトナーや、トナー補給においても素早く帯電されるトナーや、高転写性を維持できるトナーの開発が急務とされている。
【0004】
このような諸問題を解決する手段の一つにトナーに種々の外添剤を添加する方法がある。特に、解像性、濃度均一性、カブリなどの種々の画像特性を改良するのを目的として、トナーの帯電性及び流動性の向上のために種々の微粉体を外添することが広く行なわれている。
【0005】
このような無機微粉体として汎用されているものに、複数併用やシリコーンオイル表面処理などが用いられているものもある。そのような例として特許文献4〜13が挙げられる。
【0006】
しかしながら、これらの提案では、確かに電子写真特性は向上しているものの、高湿下や長期間の放置によって十分な摩擦帯電量を得られず画像濃度の変動やカブリを生じるようになることがあった。或いは、低湿下で摩擦帯電量が過剰となり画像濃度ムラやカブリを生じることがあった。また画像濃度の高いチャートを連続複写すると、トナー補給が多いため、帯電の立ち上りが遅いことによるカブリ、飛散などを生じることがあった。そして上記の様々な環境及び耐久条件、そして小粒径化などにより、トナーの感光ドラムや転写体からの十分な離型性が得られず転写性が不十分になり、転写効率の低下が生じるようになることがあり、これらを全て両立させて解決するものがなかった。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第2,297,691号明細書
【特許文献2】
特公昭42−23910号公報
【特許文献3】
特公昭43−24748号公報
【特許文献4】
特開平5−346682号公報
【特許文献5】
特開平6−202373号公報
【特許文献6】
特開平7−271087号公報
【特許文献7】
特開平9−204065号公報
【特許文献8】
特開平11−212299号公報
【特許文献9】
特開平11−231567号公報
【特許文献10】
特開2000−267343号公報
【特許文献11】
特開2000−298373号公報
【特許文献12】
特開2001−66821号公報
【特許文献13】
特開2001−318487号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記の問題点を解決し、現像性、転写性及びその経時安定性に優れたトナー及びそれに用いられる流動化剤を提供し、またそのトナー等を使用することにより、適正な画像濃度でカブリの無い高品位な複写画像を安定して形成する非磁性トナーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、特定の酸化チタン微粉体とシリカ微粉体を添加したトナーを用いることによって達成される。即ち、本発明は、磁性トナー粒子と、少なくともBET比表面積の異なる二種の無機微粉体とを有する非磁性トナーにおいて、
(i)該無機微粉体が酸化チタン微粉体、及びシリカ微粉体であり、
(ii)該酸化チタン微粉体のBET比表面積が、該シリカ微粉体のBET比表面積よりも大きく、
(iii)該酸化チタン微粉体、及び該シリカ微粉体が少なくともシリコーンオイルで処理されており、
(iv)円相当径3μm以上のトナー粒子において、平均円形度Aが0.915≦A≦0.960の範囲にあり、
(v)該酸化チタン微粉体に用いられるシリコーンオイルの粘度が210〜450cStであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者等はこれまでに帯電の環境安定性に優れ、高速複写においても画質を維持し、且つ十分な摩擦帯電性を有して耐久安定性に優れるトナー、そして上記のような環境や高速複写においても転写効率が高いトナーに関して検討したが、従来の手法では同時に満たすものはなかった。
【0011】
そこで無機微粉体及び処理剤、そしてトナーの円形度のバランスを鋭意検討したところ、無機微粉体の材質、粒径、そして処理材料、処理材料の量とトナー円形度など各種バランスに着眼点を置くことで、上記課題を達成できることを見いだした。
【0012】
無機微粉体としては、BET比表面積の異なる2種類の微粉体を使うことが必要であり、特に帯電性に優れる酸化チタン微粉体と流動性に優れるシリカ微粉体を併用することが重要であった。但し、併用すればよいというものではなく、これらのBET比表面積の関係が大きな因子であり、酸化チタン微粉体のBET比表面積がシリカ微粉体のBET比表面積より大きいことで大きな効果を得られることが分かった。酸化チタン微粉体のBET比表面積が小さすぎるとトナー自体から離脱しやすく外添剤としての効果が低くなり、大きすぎると環境による帯電差が顕著になってしまう。
【0013】
よって適正な酸化チタン微粉体のBET比表面積は71〜250m2/gであることが有効であり、好ましくは80〜180m2/gである。またシリカ微粉体のBET比表面積が大きすぎると原体の帯電性が強いためかスリーブやキャリアに移行するいわゆるスペントを起こしてしまい耐久性能を低下させてしまい、逆に小さすぎるとドラム感光体に付着、そして研磨剤として働きドラム感光体の表面を必要以上に凹凸にし、結果そこにトナーや外添剤が付着することで画像劣化(フィルミング)を起こしてしまう。よって適正なシリカ微粉体のBET比表面積は10〜70m2/gであることが有効であり、好ましくは20〜60m2/gである。
【0014】
上記の各々の微粉体を単独使用しても改善効果は低く、両方を同時に使用することではじめて大きな効果が得られる。酸化チタン微粉体単独であると連続複写における転写性維持が劣る。またシリカ微粉体単独であると連続複写におけるトナーの帯電の立ち上りが悪く、併用することでそれぞれの良い効果を高められることが分かった。
【0015】
本発明において、無機微粉体の好ましい添加量は、トナー粒子100質量部に対して、酸化チタン微粉体が0.1〜5.0質量部、シリカ微粉体が0.1〜5.0質量部である。
【0016】
そして上記の酸化チタン微粉体、シリカ微粉体の処理如何によって、つまりシリコーンオイルで処理されていることが、これらの改善効果に大きく影響していることも分かった。これら微粉体は、シリコーンオイル処理することで離型性を高められるため、スリーブやキャリアの汚染が少なく、そして感光ドラムや転写体などからの転写性が向上できる。
【0017】
また好ましくは特定のシリコーンオイル処理を施すと効果が上がることも見出した。具体的には、酸化チタン微粉体の処理に用いるシリコーンオイルの粘度がシリカ微粉体の処理に用いられるシリコーンオイルの粘度よりも高くなるように選択することが効果を高めるものであった。
【0018】
酸化チタン微粉体におけるシリコーンオイルの粘度が高すぎると帯電量分布がブロードなものになりカブリなどが悪化し、逆にシリコーンオイルの粘度が低いと環境における帯電差が大きいものとなり簡素な制御では高画質を維持できなくなるものである。よって適正な酸化チタン微粉体におけるシリコーンオイルの粘度とは、210〜450cSt(25℃)が有効であり、好ましくは250〜400cStである。また、シリコーンオイルの添加量は酸化チタン微粉体に対して2〜25質量%であることが有効であり、好ましくは4〜15質量%である。
【0019】
またシリカ微粉体におけるシリコーンオイルの粘度が高すぎると、酸化チタン微粉体と同様に帯電量分布がブロードなものになりカブリなどが悪化し、逆にシリコーンオイルの粘度が低いと連続複写において帯電が徐々に上がり、画像濃度変化が大きなものとなる。よって適正なシリカ微粉体におけるシリコーンオイルの粘度とは、30〜200cSt(25℃)が有効であり、好ましくは50〜150cStである。また、シリコーンオイルの添加量はシリカ微粉体に対して3〜30質量%であることが有効であり、好ましくは5〜20質量%である。
【0020】
酸化チタン微粉体とシリカ微粉体の適正なシリコーンオイルの粘度や量が違うのは、母体の帯電差や表面性に由来していると考えられる。またシリコーンオイル処理以前に、酸化チタン微粉体、及びシリカ微粉体がシラン化合物で処理されているとより一層、シリコーンオイル処理が均一になるためか、上述の効果が高まる。
【0021】
本発明に用いられる酸化チタン微粒子は、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド、チタンハライド、チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型、ルチル型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いることができる。
【0022】
本発明に用いられるシリカ微粒子はケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 -等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0023】
いわゆる乾式法シリカまたはヒュームドシリカは、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0024】
本発明に好ましく用いられるシリコーンオイルとしてはアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、異種官能基変性の如き反応性シリコーン;ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、脂肪酸変性、アルコキシ変性、フッ素変性の如き非反応性シリコーン;ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ジフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンの如きストレートシリコーンが挙げられる。
【0025】
これらのシリコーンオイルの中でも離型性の点から置換基として、アルキル基、アリール基、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたアルキル基、水素を置換基として有するシリコーンオイルが好ましい。具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルである。これらのシリコーンオイルを複数用いても良い。
【0026】
またシラン化合物としては、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシランの如きアルコキシシラン類、クロルシラン、ブロモシラン、ヨードシランの如きハロシラン類、シラザン類、ハイドロシラン類、アルキルシラン類、アリールシラン類、ビニルシラン類、アクリルシラン類、シリル化合物類、シロキサン類、シリルウレア類、シリルアセトアミド類が挙げられる。その具体例として、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルトリシクロトリシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、tert−ブチルジメチルメトキシシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルメチルジクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にシラノール基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。
【0027】
これらのシラン化合物の中でも下記式(1)で表わされるシラン化合物が好ましい。
(R1)nSi(OR2)4-n (1)
【0028】
式中、R1は無置換のまたは水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されているアリール基、アルアルキル基、アルキニル基、アルケニル基またはアルキル基を表わし、R2はアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わす。置換基R1は、同一であっても、複数の置換基を持つ場合には、それぞれの置換基R1が異なっていても良い。
【0029】
R1としては、例えば、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい、トリル基、スチリル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、エチニル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基から選ばれる1種または、同一の複数または異なる複数の置換基を持っていても良いアルコキシシランである。
【0030】
上記式(1)において、R1は、感光体ドラムのクリーニング性向上のためや粒子表面を均一に処理しメタノール濡れ性半値を大きくするために無置換のものが好ましい。
【0031】
この中でも、上記式(1)においてR1が炭素数5以下のアルキル基であることが、凝集物を少なくし均一に処理するために好ましい。この炭素数5以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基及びシクロペンチル基から選ばれる1種または、同一の複数または異なる複数の置換基を持っていても良いメトキシシラン、エトキシシランである。
【0032】
具体的には、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、トリブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、ジtert−ブチルメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルジメチルメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルジメチルメトキシシラン、及びこれらのエトキシシランである。
【0033】
さらに、下記式(2)で表わされるシラン化合物を用いることができる。
(R3)nSiX4-n (2)
【0034】
式中、R3は水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていても良い、アリール基、アルアルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルキル基を表わし、Xはハロゲンまたはアルコキシ基を表わし、nは1〜3の整数を表わし、置換基R3は、複数の置換基を持つ場合には、同一であっても、それぞれの置換基R3が異なっていても良い。
【0035】
窒素元素を含有する置換基を有するシラン化合物としては、下記式(3)で表されるシラン化合物、窒素元素を含有する置換基を有するシランカップリング剤類、窒素元素を含有する置換基を有するシロキサン類、窒素元素を含有する置換基を有するシラザン類が挙げられる。
(R4)mSiY4-m (3)
【0036】
式中、R4はアミノ基または窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基を示し、Yはアルコキシ基,ハロゲンを表わし、mは1〜3の整数を表わす。窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基としては、有機基を置換基として有するアミノ基、飽和含窒素複素環基、不飽和含窒素複素環基を有する基が例示される。
【0037】
上記式(3)で表されるシラン化合物、窒素元素を含有する置換基を有するシランカップリング剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメチルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメチルメトキシシランが挙げられる。
【0038】
窒素元素を含有する置換基を有するシラザン類の例としては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,3−ビス[N(2−アミノエチル)アミノプロピル]−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,3−ビス(ジエチルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,3−ビス(3−プロピルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンを挙げることができる。
【0039】
窒素元素を含有する置換基を有するシロキサン類の例としては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス[N(2−アミノエチル)アミノプロピル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス(ジエチルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス(3−プロピルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを挙げることができる。
【0040】
酸化チタン微粉体、シリカ微粉体への各種処理剤の処理法としては、水系媒体中で処理する方法、有機溶剤中で処理する方法、気相中で処理する方法が挙げられる。水系媒体中で処理する方法は、酸化チタン微粉体、シリカ微粉体の如き被処理粒子を一次粒子となる様に分散し、シラン化合物を加水分解しながら処理をする。シリコーンオイルの場合はエマルジョンを利用して処理をする。この処理法では、被処理粒子を製造してから乾燥工程を経ずに、水系ペーストのまま水系媒体中に分散できるので、一次粒子に分散し易い反面、処理後、処理粒子が親油性を示すので、粒子の合一が始まり、凝集体ができやすい傾向にある。数種の処理剤で処理する時は同時に添加しても良いし、順次添加しても良い。
【0041】
気相法のなかには、被処理粒子を機械的に或いは気流で十分に撹はんしながら、処理剤を滴下または噴霧して処理をする方法(これを「気相法1」と称す)がある。この際、反応機を窒素置換したり、50〜350℃に加熱することも好ましい。処理剤の粘度が高い場合には、アルコール、ケトン、炭化水素の如き溶剤を用いて希釈しても良い。また処理時に反応性を高めるために、アンモニア、アミン、アルコール、水を添加しても良い。この処理法では反応がしっかり行なわれるので、高疎水化と均一性が得られやすい好ましい方法であるが、未処理の粒子を強く長時間撹はんすると、粒子の合一化が生じたり、処理の不均一性を生じやすいので注意が必要である。
【0042】
気相法のもう一つの方法として、気相法(塩素法,低温酸化法等)で被処理粒子をキャリアガス中に生成させた直後に(取り出すことをせずに)処理剤を、場合によっては溶剤で希釈して、気化,霧化し気相中で被処理粒子に処理する方法(これを「気相法2」と称す)がある。この方法では気相法1の利点に加えて、被処理粒子が合一する前に処理が行なわれるので、凝集体ができにくく好ましい方法である。数種の処理剤で処理する時同時に添加しても良いし、順次添加しても良い。
【0043】
有機溶剤中で処理する方法は、被処理粒子を有機溶剤中に分散させ、処理剤により処理し、濾別または溶剤を溜去してその後乾燥する方法である。凝集物を減らすために、この後ピンミル、ジェットミルで解砕処理をほどこすことも好ましい。乾燥工程は静置下でも、流動させながらでも良く、50〜350℃程度に加熱することが好ましく、減圧しても良い。有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、アイソパーの如き炭化水素系有機溶剤が好ましく用いられる。分散処理する方法としては、かくはん機、振とう機、粉砕機、混合機、分散機が用いられ、中でもセラミックス、メノウ、アルミナ、ジルコニアでできたボール、ビーズの如きメディアを用いた分散機が好ましく用いられる。例えば、サンドミル、グレンミル、バスケットミル、ボールミル、サンドグラインダー、ビスコミル、ペイントシェイカー、アトライター、ダイノミル、パールミルがある。特に好ましい処理法としては、被処理粒子を有機溶剤中に分散させペーストとしてから処理剤を添加して分散機にかける方法、処理剤を含む有機溶剤の被処理粒子ペーストを分散機にかける方法、有機溶剤に処理剤と被処理粒子を加えペーストとしたものを分散機にかける方法、ペーストを分散機にかけながら処理剤を添加する方法がある。有機溶剤中で処理する方法は被処理粒子を分散した状態で処理でき、処理後も合一が起こりにくく、凝集体が発生しずらいので好ましい方法である。数種の処理剤で処理する時はスラリー調製時に同時に添加しても良いし、順次添加しても良いし、分散機にかける時に追加添加しても良い。或いは、数回分散機にかける場合には、分散機にかける毎に、予めスラリー中で添加混合或いは分散機にかけているときに順次添加しても良い。
【0044】
処理方法は上記の四つの方法が利用でき、処理剤は同時に処理しても良いし、順不同で数段階に分けて処理しても良い。複数回に分けて処理する場合には、どのような処理法の組み合わせであっても良い。
【0045】
どの工程を用いても処理後に、ピンミル、ハンマーミル、ジェットミルの如き粉砕機を利用し解砕処理をほどこすことも凝集体を減らし本発明で用いる酸化チタン微粉体、シリカ微粉体の効果を十分に発揮するためにも好ましい。
【0046】
本発明のトナーを構成する非磁性トナー粒子は、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有してなる。本発明において使用されるトナー用結着樹脂としては、従来より公知のものが使用可能であるが、スチレン、クロルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類:エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル類:ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体或いは共重合体が挙げられる。
【0047】
また、さらに天然及び合成ワックス類、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、石油樹脂等を用いる事ができるが、トナーの帯電の立ち上がり性や、本発明における外添剤の付きやすさも良いため、外添剤の効果を有効に発揮するにもポリエステル樹脂が良い。
【0048】
結着樹脂として好ましいポリエステル系の樹脂を用いる場合は、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0049】
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0050】
酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類またはその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類またはその無水物;が挙げられる。
【0051】
それらの中でも、特に、下記式(4)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸またはその酸無水物、またはその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が良好な帯電特性を有するので好ましい。
【0052】
【化1】
【0053】
式中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、且つ、x+yの平均値は2〜10である。
【0054】
本発明のトナーに含有される結着樹脂のガラス転移温度は40〜90℃が好ましく、より好ましくは45〜85℃である。また、樹脂の酸価は1〜40mgKOH/gであることが好ましい。
【0055】
本発明のトナーは離型剤を含有していても良く、例えば次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
【0056】
そしてベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。特に好ましく用いられるワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバワックスの如きワックスである。
【0057】
ワックスの分子量分布では、メインピークが分子量400〜2400の領域にあることが好ましく、430〜2000の領域にあることがより好ましい。このような分子量分布をもたせることによりトナーに好ましい熱特性を付与することができる。
【0058】
また本発明のトナーには、公知の電荷制御剤を使用することもできる。例えば、他の有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体などが挙げられる。その他には、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類などのカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体なども挙げられる。またビスフェノール類、カリックスアレーンなどのフェノール誘導体なども用いられる。
【0059】
また、本発明に用いられるトナーの着色剤としては、例えば次の様なものが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1〜19、21〜23、30〜32、37〜41、48〜55、57、58、60、63、64、68、81、83、87〜90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
【0060】
かかる顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。かかるマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23〜25、27、30、49、81〜84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12〜15、17、18、22〜24、27、29、32、34〜40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25〜28等の塩基性染料が挙げられる。
【0061】
その他の着色顔料として、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45または下記式(5)で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等である。
【0062】
【化2】
【0063】
式中、nは1〜5の整数を示す。
【0064】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1〜7、10〜17、23、65、73、74、83、93、180、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
【0065】
黒色着色剤としてカーボンブラック、及び上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
【0066】
尚、着色剤の使用量は結着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部好ましくは0.5〜10質量部である。
【0067】
本発明のトナーは、粉砕・分級後、流動化剤などをヘンシェルミキサーの如き混合機で混合させることにより、トナーの流動性を向上して用いることができる。
【0068】
本発明の非磁性トナーにおいて所望の形状とは、トナーの円相当径3μm以上の粒子において、平均円形度Aが0.915≦A≦0.960の範囲であり、好ましくは0.920≦A≦0.945の範囲である。理由としては、本発明における酸化チタン微粉体及びシリカ微粉体を用いる場合、Aの値が0.915未満であると流動性が低くなるため帯電立ち上がり性に劣り、逆に0.960より大きいと、外添剤のトナーへの打ち込みが顕著であり耐久劣化による転写効率の変化が大きくなるためである。
【0069】
円形度を操作する方法としては奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステム、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター等を用いて作ることができる。
【0070】
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合は、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。
【0071】
上記磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着せしめる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
【0072】
磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いる。
【0073】
上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1〜30質量%(好ましくは0.5〜20質量%)が好ましい。これらキャリアの平均粒径は10〜100μm、好ましくは20〜70μmを有することが好ましい。
【0074】
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
【0075】
上述したトナーは、非磁性一成分現像にも好適に使用できるものである。
【0076】
以下に本発明の実施態様を示す。
【0077】
〔実施態様1〕
非磁性トナー粒子と、少なくともBET比表面積の異なる二種の無機微粉体とを有する非磁性トナーにおいて、
(i)該無機微粉体が酸化チタン微粉体、及びシリカ微粉体であり、
(ii)該酸化チタン微粉体のBET比表面積が、該シリカ微粉体のBET比表面積よりも大きく、
(iii)該酸化チタン微粉体、及び該シリカ微粉体が少なくともシリコーンオイルで処理されており、
(iv)円相当径3μm以上のトナー粒子において、平均円形度Aが0.915≦A≦0.960の範囲であることを特徴とする非磁性トナー。
【0078】
〔実施態様2〕
実施態様1において、酸化チタン微粉体のBET比表面積が71〜250m2/gである。
【0079】
〔実施態様3〕
実施態様1または2において、シリカ微粉体のBET比表面積が10〜70m2/gである。
【0080】
〔実施態様4〕
実施態様1乃至3のいずれかにおいて、酸化チタン微粉体に用いられるシリコーンオイルの粘度が210〜450cStである。
【0081】
〔実施態様5〕
実施態様1乃至4のいずれかにおいて、シリカ微粉体に用いられるシリコーンオイルの粘度が30〜200cStである。
【0082】
〔実施態様6〕
実施態様1乃至5のいずれかにおいて、酸化チタン微粉体がシラン化合物で処理された後、シリコーンオイルで処理されている。
【0083】
〔実施態様7〕
実施態様1乃至6のいずれかにおいて、シリカ微粉体がシラン化合物で処理された後、シリコーンオイルで処理されている。
【0084】
〔実施態様8〕
実施態様1乃至7のいずれかにおいて、結着樹脂の主成分としてポリエステル樹脂を用いる。
【0085】
〔実施態様9〕
実施態様1乃至8のいずれかにおいて、該非磁性トナーがカラートナーである。
【0086】
〔実施態様10〕
実施態様1乃至9のいずれかにおいて、該非磁性トナーが非磁性一成分現像用カラートナーである。
【0087】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0088】
本実施例における測定法について以下に説明する。
【0089】
〔摩擦帯電量〕
図1に、本実施例で用いた現像剤の摩擦帯電量の測定装置の概略図を示す。底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に、複写機またはプリンターの現像スリーブ上から採取した二成分系現像剤を約0.5〜1.5g入れ金属製のフタ4をする。この時の測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とする。次に吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。この試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く算出される。
試料の摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2)
(但し、測定条件は23℃、60%RHとする)
【0090】
〔分子量分布〕
トナーの樹脂成分における分子量分布は、下記の通り、トナーをテトラヒドロフラン(THF)溶媒に溶解させて得られたTHF可溶成分を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0091】
即ち、トナーをTHF中に入れ、数時間放置した後十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、さらに12時間以上静置する。この時THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ:0.45〜0.5μm、例えば、東ソー社製 マイショリディスクH−25−5、ゲルマンサイエンスジャパン社製 エキクロディスク25CRなどが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0092】
上記の方法で調製された試料のGPCの測定は、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0093】
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
【0094】
〔トナー粒度分布〕
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることが可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出し、重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0095】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0096】
〔平均円形度A〕
トナーの円相当径、円形度及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いるものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
円相当径=(粒子投影面積/π)1/2×2
円形度=粒子投影面積と同じ面積を持つ円の周囲長/粒子投影像の周囲長
【0097】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたカラートナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0098】
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0099】
【数1】
【0100】
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Aと円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0101】
【数2】
【0102】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、さらに測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。トナー粒子の形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、3μm以下のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度Aを求める。
【0103】
(ポリエステル樹脂の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 3.6mol
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 1.6mol
テレフタル酸 1.7mol
無水トリメリット酸 1.4mol
フマル酸 2.4mol
酸化ジブチル錫 0.13g
をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、210℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂(1)を得た。GPCによる分子量測定で、Mw=25500、Mn=3500、Mp=7100であり、Tg=60℃であった。
【0104】
(無機微粉体)
本実施例に用いた酸化チタン微粉体を表1に記載した。
【0105】
【表1】
【0106】
処理方法▲1▼:水系媒体中において、iso−ブチルトリメトキシシランを酸化チタン微粉体に対して10質量%添加し、且つ表1に示すジメチルシリコーンオイルエマルジョンを添加して水系中で製造した。
処理方法▲2▼:iso−ブチルトリメトキシシランを用いずに表1に示すジメチルシリコーンオイルエマルジョンのみ添加して水系中で製造した。
【0107】
本実施例に用いたシリカ微粉体を表2に記載した。
【0108】
【表2】
【0109】
処理方法▲1▼:気相法1での処理、ヘキサメチルジシラザンをシリカ微粉体に対して10質量%添加し、表1に示すジメチルシリコーンオイルを添加して気相法1で製造した。
処理方法▲2▼:気相法1での処理、ヘキサメチルジシラザンを用いずに表1に示すジメチルシリコーンオイルのみで添加して製造した。
【0110】
〈実施例1〉
以下の方法でトナー1を調製した。
・ポリエステル樹脂(1) 100質量部
・エステルワックス(mp=86℃) 4質量部
・芳香族ヒドロキシカルボン酸アルミニウム化合物 2質量部
・シアン顔料(ピグメントブルー15:3) 5質量部
【0111】
上記の処方で十分にヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、二軸押出し混練機で材料温度を110℃で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級して、粒度分布における重量平均径が6.0μmになるように選択してシアン粒子1(分級品)を得た。
【0112】
表3に示すように、上記シアン粒子1に対して、酸化チタン微粉体1及びシリカ微粉体1をヘンシェルミキサーにより外添してトナー1とした。トナー1の重量平均径は6.0μmであった。
【0113】
さらに、トナー1と、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径45μm)とを、トナー濃度が6.0質量%になるように混合し、二成分系現像剤1とした。この現像剤1で、カラー複写機CLC−1000(キヤノン製)の定着ユニットのオイル塗布機構を取り外した改造機を用い、単色モードで常温低湿度環境下(N/L:23℃/5%)で画像面積比率7%のオリジナル原稿を用いて2万枚の耐刷試験の評価を行った。評価方法を以下に、評価結果を表4に示す。
【0114】
〔帯電差〕
スタートから二万枚の耐久における帯電差の評価基準は以下の通りである。
A:2mC/kg未満で良好。
B:2mC/kg以上で4mC/kg未満で良好。
C:4mC/kg以上で6mC/kg未満で実用上問題なし。
D:6mC/kg以上で8mC/kg未満で実用上問題あり。
E:8mC/kg以上で悪い。
【0115】
また常温低湿度環境下(N/L;23℃/5%)と高温高湿度環境下(H/H;30℃/80%)における初期の帯電差の評価基準は以下の通りである。
A:6mC/kg未満で良好。
B:6mC/kg以上で8mC/kg未満で良好。
C:8mC/kg以上で12mC/kg未満で実用上問題なし。
D:12mC/kg以上で15mC/kg未満で実用上問題あり。
E:15mC/kg以上で悪い。
【0116】
〔カブリ測定〕
耐久試験においてのカブリの測定方法としては、シアン及びブラック画像の場合、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)をアンバーフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(Fog[%])は下記式
Fog(%)=Dr−Ds
より算出した。またマゼンタ及びブラック画像の場合はグリーンフィルター、そしてイエロー画像の場合はブルーフィルターで上記の測定を行って算出した。評価基準は以下の通りである。
A:0.7%未満で良好。
B:0.7以上で1.2%未満で良好。
C:1.2以上で1.5%未満で実用上問題なし。
D:1.5以上で2.0%未満で実用上問題あり。
E:2.0%以上で悪い。
【0117】
〔フィルミング〕
N/L耐久2万枚後、A3用紙に全面にベタ画像(濃度1.6程度)を5枚連続複写して、白く筋状に抜けている個所を数え、A3用紙1枚の平均個数を算出した。評価基準は以下の通りである。
A:1個未満で良好。
B:1個以上で2個未満で良好。
C:2個以上で3個未満で実用上問題なし。
D:3個以上で5個未満で実用上問題あり。
E:5個以上で悪い。
【0118】
〔転写効率〕
カラー複写機CLC−1000(キヤノン社製)を使用し、丸または帯の画像を複数個形成できるチャートを用いて、ドラム上の転写残部分をテーピングし紙上に貼った濃度をD1、紙上に転写された上にテーピングした濃度をD2とし、下式の如く算出する。
転写効率(%)={D2/(D1+D2)}×100
【0119】
常温低湿度環境下(N/L;23℃/5%)にて初期と2万枚後の転写効率の差の評価基準は以下の通りである。
A:2%未満で良好。
B:2%以上で4%未満で良好。
C:4%以上で6%未満で実用上問題なし。
D:6%以上で8%未満で実用上問題あり。
E:8%以上で悪い。
【0120】
表4に示すように、2万枚の耐久後でも初期との帯電変動も小さく、カブリのないオリジナルを忠実に再現するシアン画像が得られた。また、複写機内での搬送、現像剤濃度検知も良好で安定した品質の画像が得られた。そして転写効率においても初期とほぼ変わらない良好な転写性が得られた。さらに、常温低湿度環境下(N/L:23℃/5%)と高温高湿度環境下(H/H:30℃/80%)における現像剤の帯電差も少なく良好なものであった。
【0121】
〈実施例2〜5〉
表3に示すように酸化チタン微粉体2〜5を用いたこと以外は実施例1と同様にしてトナー2〜5を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように環境違いによる帯電差、初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリ、初期と2万枚後の転写効率差において、実施例1と比べ劣る点も見られたが、実用レベル内であった。
【0122】
〈実施例6〜9〉
表3に示すようにシリカ微粉体2〜5を用いた以外は実施例5と同様にしてトナー6〜9を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように環境違いによる帯電差、初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリ、フィルミング、初期と2万枚後の転写効率差において、実施例1と比べて劣る点も見られたが、実用レベル内であった。
【0123】
〈実施例10〉
表3に示すように酸化チタン微粉体6を用いた以外は実施例9と同様にしてトナー10を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように環境違いによる帯電差、初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリ、フィルミング、初期と2万枚後の転写効率差において、実施例1と比べて劣る点も見られたが、実用レベル内であった。
【0124】
〈実施例11〉
表3に示すようにシリカ微粉体6を用いた以外は実施例5と同様にしてトナー11を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように環境違いによる帯電差、初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリ、フィルミング、初期と2万枚後の転写効率差において、実施例1と比べて劣る点も見られたが、実用レベル内であった。
【0125】
〈実施例12〉
表3に示すように円形度が低い分級品を用いた以外は実施例5と同様にしてトナー12を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように環境違いによる帯電差、初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリ、初期と2万枚後の転写効率差において、実施例1と比べて劣る点も見られたが、実用レベル内であった。
【0126】
〈実施例13〉
表3に示すように円形度が高い分級品を用いた以外は実施例9と同様にしてトナー13を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように環境違いによる帯電差、初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリ、初期と2万枚後の転写効率差において、実施例1と比べて劣る点も見られたが、実用レベル内であった。
【0127】
〈比較例1〉
表3に示すようにシリカ微粉体1を用いないこと以外は実施例5と同様にしてトナー14を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すようにドラム上カブリ、初期と2万枚後の転写効率差において、実施例1と比べ劣るものであった。
【0128】
〈比較例2〉
表3に示すように酸化チタン微粉体5を用いず、シリカ微粉体を0.8質量部用いること以外は実施例1と同様にしてトナー15を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように環境違いによる帯電差、初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリにおいて、実施例1と比べ劣るものであった。
【0129】
〈比較例3〉
表3に示すように酸化チタン微粉体7及びシリカ微粉体7を0.8質量部用いること以外は実施例1と同様にしてトナー16を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように環境違いによる帯電差、初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリにおいて、実施例1と比べ劣るものであった。
【0130】
〈比較例4〉
表3に示すように円形度が低い分級品を用いること以外は実施例12と同様にしてトナー17を得、実施例1と同様に耐久試験したところ、表4に示すように初期と2万枚後の帯電差、ドラム上カブリにおいて、実施例1と比べ劣るものであった。
【0131】
〈比較例5〉
表3に示すように円形度が高い分級品を用いること以外は実施例13と同様にしてトナー18を得、実施例13と同様に耐久試験したところ、表4に示すようにドラム上カブリ、初期と2万枚後転写効率差において、実施例1と比べ劣るものであった。
【0132】
〈実施例14〉
トナー1においてピグメントブルー15:3の代わりにピグメントレッド57を用いたマゼンタトナーと、トナー1においてピグメントブルー15:3の代わりにピグメントイエロー74を用いたイエロートナーと、トナー1においてピグメントブルー15:3の代わりにカーボンブラックを用いたブラックトナーと、そしてトナー1を用いて、YMCKフルカラー一成分現像評価を行った。用いた装置はLBP−2040(キヤノン社製)のクリーナーユニットを取り付けた改造機でN/L環境下画像面積比率5%のオリジナル原稿を用いて3000枚の耐久を行った。各現像器毎の初期と耐久後の転写効率、フィルミング、ドラム上カブリは全てAで良好であり、帯電変化はBで良好であった。
【0133】
【表3】
【0134】
【表4】
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電の立ち上りや打ち込みなどによる劣化、そしてキャリアスペント等が改善され、環境違いにおける帯電差、耐久による帯電変化、カブリ、画質、転写効率を維持できる非磁性トナーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において用いた現像剤の摩擦帯電量を測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1 吸引機
2 測定容器
3 スクリーン
4 フタ
5 真空計
6 風量調節弁
7 吸引口
8 コンデンサー
9 電位計
Claims (10)
- 非磁性トナー粒子と、少なくともBET比表面積の異なる二種の無機微粉体とを有する非磁性トナーにおいて、
(i)該無機微粉体が酸化チタン微粉体、及びシリカ微粉体であり、
(ii)該酸化チタン微粉体のBET比表面積が、該シリカ微粉体のBET比表面積よりも大きく、
(iii)該酸化チタン微粉体、及び該シリカ微粉体が少なくともシリコーンオイルで処理されており、
(iv)円相当径3μm以上のトナー粒子において、平均円形度Aが0.915≦A≦0.960の範囲にあり、
(v)該酸化チタン微粉体に用いられるシリコーンオイルの粘度が210〜450cStであることを特徴とする非磁性トナー。 - 前記酸化チタン微粉体のBET比表面積が71〜250m2/gである請求項1に記載の非磁性トナー。
- 前記シリカ微粉体のBET比表面積が10〜70m2/gである請求項1または2に記載の非磁性トナー。
- 前記酸化チタン微粉体に用いられるシリコーンオイルの粘度が、前記シリカ微粉体に用いられるシリコーンオイルの粘度よりも高い請求項1乃至3のいずれかに記載の非磁性トナー。
- 前記シリカ微粉体に用いられるシリコーンオイルの粘度が30〜200cStである請求項4に記載の非磁性トナー。
- 前記酸化チタン微粉体がシラン化合物で処理された後、シリコーンオイルで処理されている請求項1乃至5のいずれかに記載の非磁性トナー。
- 前記シリカ微粉体がシラン化合物で処理された後、シリコーンオイルで処理されている請求項1乃至6のいずれかに記載の非磁性トナー。
- 前記結着樹脂の主成分としてポリエステル樹脂を用いる請求項1乃至7のいずれかに記載の非磁性トナー。
- 該非磁性トナーがカラートナーである請求項1乃至8のいずれかに記載の非磁性トナー。
- 該非磁性トナーが非磁性一成分現像用カラートナーである請求項1乃至8のいずれかに記載の非磁性トナー。
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