JP4147123B2 - 柔軟繊維からなる不織布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を少なくとも1つの構成成分とする柔軟繊維及びそれからなる不織布に関し、特に、柔軟性、伸縮性に優れた繊維及びそれからなる不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料用や、パップ材の基布、サポーター、包帯のような医療資材用に使用される不織布には、少ない目付けにおいてある程度の不織布強力を維持し、かつ風合いがソフト、また体にフィットするために伸縮性のあるものが望まれている。
【0003】
ポリプロピレン系不織布の風合いや柔軟性を改善する試みとして、融点の異なる2成分からなる複合繊維を熱処理して、低融点成分を融着させることにより、繊維接点を固定化する不織布の製造方法が多用されている。この場合、高融点成分は、主に不織布強度を維持する役割をし、低融点成分は風合いをソフトにする役割をする。
【0004】
このような複合繊維不織布に用いる高融点/低融点成分の組み合わせの例として、プロピレン単独重合体(ホモPP)/プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(ランダムPP)、ホモPP/ポリエチレン(PE)等がある。ランダムPPとしては、プロピレンとエチレン又はブテン、プロピレンとエチレン及びブテン等のプロピレンとα−オレフィンとの共重合体等の使用が考えられ、ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の使用が考えられる。しかしながら、LDPE、LLDPEは、融点が低く、これらを組み合わせ得られる不織布は風合いが柔軟であるという長所を有するが、紡糸性が悪いといった欠点がある。また、ランダムPPを組み合わせた場合には、良好な紡糸性を有しているが、融点が130℃以上と高いために風合いが硬いという欠点を有している。
【0005】
また、もう一つの要求性能である伸縮性をも満足させるためには、それ自身弾力性を有するエラストマー繊維を使用するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また不織布とエラストマー系フィルムとの貼合により伸縮性を発現させるものもある。
一方、プロピレン単独重合体あるいはランダム共重合体とエチレン−プロピレンブロック共重合体との混合物からなる、強度と軟らかさを改良した繊維に関する技術が開発されている(例えば、特許文献2及び3参照。)が、柔軟性と伸縮性の両方を満足させるものではなく、従来のポリオレフィン系不織布においては、それ単体で伸縮性を発現させるには至っていないのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−69647号公報
【特許文献2】
特開平7−166416号公報
【特許文献3】
特開平7−166428号公報
【0007】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、柔軟性及び伸縮性に優れたポリプロピレン系の柔軟繊維及びそれからなる不織布を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を有するオレフィン系熱可塑性エラストマーを少なくとも1成分とすることにより、ポリプロピレン系の柔軟な繊維が得られること、また当該繊維を不織布構成繊維の少なくとも1つとすることにより、柔軟で伸縮性に優れた不織布となることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(イ)〜(ニ)の要件を満たすオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を少なくとも1つの構成成分とする柔軟繊維からなる不織布であって、かつ、該不織布(30g/m 2 換算)の1%弾性率(MPa)と引張降伏伸度(%)の比が7(MPa/%)以下であることを特徴とする不織布が提供される。
要件(イ):アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のプロピレン単独重合体(A)が20〜60重量%と、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとからなり、α−オレフィン含量が5〜40重量%であるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が40〜80重量%とからなる。
要件(ロ):上記成分(A)の重合工程と、上記成分(B)の重合工程からなる多段重合により製造される。
要件(ハ):メルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)が5〜200g/10分である。
要件(ニ):o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度40〜140℃の間の温度上昇溶離分別における40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%で、かつ40℃の溶出分の重量平均分子量(Mw40℃)と100〜140℃での溶出分の重量平均分子量(Mw140℃)の比が式(1)を満足する。
0.22<(Mw140℃)/(Mw40℃)<4.0 …(1)
【0010】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、成分(B)のプロピレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンが、エチレンであり、エチレンの含有量が10〜40重量%であることを特徴とする不織布が提供される。
【0011】
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、柔軟繊維が単一繊維、芯鞘型複合繊維、あるいはサイドバイサイド複合型繊維であることを特徴とする不織布が提供される。
【0013】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、不織布が、スパンボンド法、メルトブロー法、水流交絡法又はカード法のいずれかの方法により製造されたシート状不織布であることを特徴とする不織布が提供される。
【0015】
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明における不織布を用いることを特徴とする包帯が提供される。
【0016】
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明における不織布を用いることを特徴とするサポーターが提供される。
【0017】
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明における不織布を用いることを特徴とする衛生材料が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の柔軟繊維、不織布で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、プロピレン単独重合体成分(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体成分(B)との組成物である。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)の重合工程と成分(B)の重合工程とからなる多段重合で製造される組成物である。多段重合としては、一段目の工程でプロピレン単独重合体(A)を製造後、2段目以降の工程でプロピレンとα−オレフィンとの共重合体(B)を製造する少なくとも2段の逐次の多段重合工程により組成物を得る方法、プロピレン単独重合体(A)と、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体(B)とをそれぞれ別個の重合工程で重合したものをブレンドすることにより組成物を得る方法等が挙げられる。これらの中では、少なくとも2段の逐次の多段重合工程による前者の方法が好ましい。
【0019】
上記重合に用いられる触媒としては、特に限定されるものではないが、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなるものが好ましい。
【0020】
上記有機アルミニウム化合物としては、この種の重合において公知の、一般式R1 mAlX(3−m)(式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、mは1〜3の数である。)で表される化合物であり、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
【0021】
また、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を必須とする固体成分としては、この種の重合において公知の固体成分である。
【0022】
チタン原子の供給源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR2)(4−n)Xn(式中、R2は炭素数1〜10の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、nは0〜4の数である。)で表される化合物であり、例えば、四塩化チタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等が挙げられる。
【0023】
マグネシウム原子の供給源となるマグネシウム化合物としては、例えば、ジアルキルマグネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等が挙げられ、中でも、マグネシウムジハライド等が好ましい。
【0024】
ハロゲン原子としては、弗素、塩素、臭素、沃素が挙げられ、中でも塩素が好ましく、これらは、通常、前記チタン化合物或いはマグネシウム化合物から供給されるが、アルミニウムのハロゲン化物、珪素のハロゲン化物、タングステンのハロゲン化物等の他のハロゲン供給源から供給されてもよい。
【0025】
電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸及びその誘導体等の含酸素化合物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素化合物が挙げられ、中で、無機酸エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド等が好ましく、珪酸エステル、フタル酸エステル、酢酸セロソルブエステル、フタル酸ハライド等が更に好ましく、一般式R3R4 (3−p)Si(OR5)p(式中、R3は炭素数3〜20、好ましくは4〜10の分岐状脂肪族炭化水素残基、又は、炭素数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を示し、R4は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐又は直鎖状脂肪族炭化水素残基を示し、R5は炭素数1〜10、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素残基を示し、pは1〜3の数である。)で表される有機珪素化合物であり、例えば、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン、t−ブチル−メチル−ジエトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジエトキシシラン等が挙げられる。
【0026】
上記少なくとも2段の逐次の多段重合工程においては、第一段重合工程で、プロピレンを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好ましくは1.0〜3.5MPaの条件で、プロピレン単独重合を行い、成分(A)を製造する。
引き続いて、第二段重合工程で、プロピレンとα−オレフィンを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレン及び他のα−オレフィンの分圧各0.3〜4.5MPa、好ましくは0.5〜3.5MPaの条件で、プロピレンとα−オレフィンの共重合を行い、成分(B)を製造し、オレフィン系エラストマー組成物を得る。
さらに、必要に応じて、同様の共重合を繰り返して行う。
【0027】
なお、その際の重合は、回分式、連続式、半回分式のいずれによってもよく、第一段重合工程の重合は、気相又は液相中、また、第二段重合工程以降の重合も気相又は液相中、特には気相中で実施するのが好ましく、各段階の滞留時間は、各々0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間が好ましい。
【0028】
さらに、上記少なくとも2段の逐次の多段重合工程により製造される組成物の粉体粒子にベタツキ等の問題が生じる際は、粉体粒子に流動性を付与する目的で、第一段重合工程での重合後、第二段重合工程での重合開始前又は重合途中に、活性水素含有化合物を、触媒の固体成分中のチタン原子に対して100〜1000倍モルで、かつ、触媒の有機アルミニウム化合物に対して2〜5倍モルの範囲で添加することが好ましい。
ここで、活性水素含有化合物としては、例えば、水、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、カルボン酸類、酸アミド類、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
【0029】
また、成分(A)及び成分(B)を別個に重合してブレンドする方法においても同様の触媒、同様の条件で重合することができる。
【0030】
成分(A)は、プロピレン単独重合体であり、そのアイソタクチックペンタッド分率は90%以上、好ましくは95%以上である。アイソタクチックペンタッド分率が90%未満であると組成物の熱可塑性エラストマーとしての柔軟性と引張特性のバランスが劣ると共に、耐熱性も劣ることとなる。
ここで、プロピレン単独重合体のアイソタクチックペンタッド分率は、Macromolecules、6、925(1973)に記載の13C−NMRスペクトル法により求める。すなわち、13C−NMRスペクトルにおいて5個連続したプロピレン単量体単位を示すピークから、アイソタクチック結合に相当するピークの分率を求める。なお、ピークの帰属は、Macromolecules、8、687(1975)に記載の方法で測定するものとする。
【0031】
成分(B)は、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、中でも、エチレンが好ましい。プロピレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンの含量は、5〜40重量%であり、好ましくは7〜38重量%である。また、α−オレフィンがエチレンの場合は、10〜40重量%が好ましい。α−オレフィンの含量が10重量%未満であると、共重合体成分量を増加させても、繊維の柔軟性、伸縮性付与効果は乏しいため好ましくない。α−オレフィンの含量が40重量%を超える場合、現状の触媒特性上、好ましくない高分子量のプロピレン・α−オレフィン共重合体が生成し、このような高分子量の成分の存在により溶融紡糸時の糸切れが多発する。過酸化物等により、減成処理により分子量を調整する手段が取りうるが、α−オレフィンの含量が40重量%を超えると、特にα−オレフィンがエチレンの場合、過酸化物により逆にエチレン部の架橋が進行してしまうため、共重合体成分量を減少させても粘度上昇成分が存在するため、紡糸性悪化を引き起こし、好ましくない。
【0032】
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物における成分(A)と成分(B)の組成割合は、(A)が20〜60重量%、好ましくは23〜59重量%、より好ましくは25〜58重量%であり、(B)が40〜80重量%、好ましくは41〜77重量%、より好ましくは42〜75重量%である。成分(A)が60重量%を超えると(成分(B)が40重量%未満であると)、繊維、不織布の柔軟性、伸縮性付与効果が乏しく、一方、成分(A)が20重量%未満であると(成分(B)が80重量%を超えると)、繊維、不織布の熱安定性が損なわれる。
【0033】
また、本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、次の(i)MFR、(ii)温度上昇溶離分別(TREF)における溶出量の物性、(iii)TREF溶出分の重量平均分子量比を有している必要がある。
【0034】
(i)MFR
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のJIS−K6921による230℃、21.18Nでのメルトフローレート(MFR)は、5〜200g/10分であり、好ましくは10〜150g/10分であり、より好ましくは15〜80g/10分である。MFRが5g/10分未満であると、紡糸圧力が高くなりすぎ、高倍率での延伸が困難となり、繊維径の不均一などの弊害が生じる。一方、200g/10分を超えると、溶融粘度が低いことから紡糸時に糸揺れが顕著となり、隣接する糸同士が融着し、糸切れが多発するという弊害が生じる。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のMFRを調節するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量などを適宜調節する方法、あるいは重合終了後に過酸化物の添加により調整する方法がある。
【0035】
(ii)温度上昇溶離分別における溶出量
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いる温度40〜140℃の間の温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fraction)によって得られる積分溶出曲線において、40℃で溶出する成分の量が30〜80重量%、好ましくは35〜75重量%である。
TREFにおける40℃可溶成分は、いわゆるゴム成分であるため、当該成分が30重量%未満であると、繊維、不織布化したときに柔軟性、伸縮性に乏しいものとなってしまう。一方、80重量%を超えると、繊維、不織布としての熱安定性が損なわれ、好ましくない。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のTREFにおける40℃可溶成分量は、成分(B)プロピレン・α−オレフィン共重合体の含有量を調製することにより制御することができる。
【0036】
(iii)重量平均分子量比
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、上記TREFにおける40℃の溶出分の重量平均分子量(Mw40℃)と100〜140℃での溶出分の重量平均分子量(Mw140℃)の比が式(1)を満足し、
0.2<(Mw140℃)/(Mw40℃)<5.0 …(1)
好ましくは、式(1)’を満足する。
0.22<(Mw140℃)/(Mw40℃)<4.0 …(1)’
より好ましくは、式(1)”を満足する。
0.40<(Mw140℃)/(Mw40℃)<2.0 …(1)”
さらにMw140℃は、通常、50,000〜700,000、好ましくは70,000〜200,000の範囲であることが好ましい。
(Mw140℃)/(Mw40℃)が0.2以下であると、40℃溶出分、すなわちゴム成分が高分子量となることにより、プロピレン単独重合部との粘度が乖離することを意味している。この場合、溶融紡糸時に粘度差に起因する糸切れが多発するという弊害が生じるため好ましくない。一方、(Mw140℃)/(Mw40℃)が5.0以上であると、逆にゴム成分が低分子量すぎて、繊維、不織布化したときに伸縮機能を有せず、また単なるべたつき成分としかならないため好ましくない。(Mw140℃)/(Mw40℃)値を調整する手法の1つとして、過酸化物のよる減成処理が挙げられる。
【0037】
ここで、上記温度上昇溶離分別(TREF)とは、不活性担体の存在下に一定高温下でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、該不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ(積分溶出曲線)により、ポリマーの組成分布を測定する方法である。温度上昇溶離分別(TREF)の測定の詳細については、Journal of Applied Polymer Science 第26巻 第4217〜4231頁(1981年)に記載されており、本発明においてもこれに従って行う。
【0038】
なお、40℃可溶分量、40℃/140℃溶出分の重量平均分子量は、具体的に次の条件で測定する値である。
測定装置はダイヤインスツルメンツ製CFC T−100を使用する。
まず、測定すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、4mg/mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の測定は設定条件にしたがって自動的に行われる。サンプルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入される。140℃から40℃の温度まで約40分かけて降温する。TREFカラムが40℃で更に30分間保持された後、40℃の温度で溶解している成分2mlが1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和電工製AD806MS 3本)へ注入される。SECで分子サイズの分別が行われている間に、TREFカラムでは次の溶出温度(100℃)に昇温され、その温度に約30分保持される。SECでの各溶出区分の測定は39分間隔で行われる。溶出温度は40℃、100℃及び140℃の3水準に階段的に昇温される。該SECカラムで分子サイズによって分別された溶液は装置付属の赤外線分光光度計で検出され、各溶出温度区分におけるクロマトグラフが得られる。なお、赤外線分光光度計での検出は検出波数3.42μmにおける吸光度を使用して行われ、溶液中のポリマー成分量と吸光度とが比例するものとして以下のデータ処理が行われる。
各溶出温度区分におけるクロマトグラムは内蔵のデータ処理ソフトにより処理され、各クロマトグラムの面積を基に、積算が100%となるように規格化された各溶出温度区分の溶出量が計算される。更に、得られた各溶出温度区分の溶出量から、積分溶出曲線が作成される。
【0039】
次いで、各溶出分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて重量平均分子量が測定される。GPCクロマトグラムから分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000
各々が0.5mg/mLとなるようにo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式([η]=K×Mα)には以下の数値を用いる。
(i)標準ポリスチレンを使用する較正曲線作成時
K=0.000138、α=0.70
(ii)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のサンプル測定時
K=0.000103、α=0.78
【0040】
ここで、40℃可溶成分は、TREFによって得られる積分溶出曲線において、40℃で溶出する成分を示すものであり、40℃可溶成分量は、40℃で溶出する積算溶出量を示すものである。
140℃可溶成分は、TREFによって得られる積分溶出曲線において、100〜140℃の間に溶出する成分を示すものであり、140℃可溶成分量は、100〜140℃の間に溶出する積算溶出量を示すものである。
【0041】
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止剤、帯電防止剤、難燃剤、親水化剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、エラストマー、石油樹脂などを配合することができる。
【0042】
本発明においては、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物と、必要に応じてこれらの各種添加剤とを、ドライブレンドの状態あるいは溶融混練機を用いて180〜300℃で加熱溶融混練し、粒状に裁断されたペレットの状態で繊維不織布成形材料として提供される。
【0043】
本発明のポリプロピレン系不織布は、上述の繊維不織布成形材料をスパンボンド法、メルトブローン法等で直接製造するか、一旦繊維化して、水流交絡法、カード法などの成形法により製造される。該不織布の目付量は、5〜200g/m2であるのが好ましい。また、不織布は単層での使用だけでなく、例えば、スパンボンド法で得られた不織布とメルトブローン法で得られた不織布の積層体、あるいは不織布とフィルムや吸水紙との積層体としても好適に使用できる。
【0044】
不織布を成形する際、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を少なくとも1成分とする繊維は、単一繊維又は複合繊維であり、複合繊維としては芯鞘型複合繊維、あるいはサイドバイサイド型複合繊維が挙げられる。複合繊維の場合は、上記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からの繊維がどちらかの繊維の1成分として含まれていれば良い。複合繊維の場合における第2成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレンや、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等が挙げられる。
【0045】
上記のようにして得られた本発明の不織布は、不織布(30g/m2換算)の1%弾性率(MPa)と引張降伏伸度(%)の比が7(MPa/%)以下、好ましくは0.1〜7(MPa/%)、より好ましくは0.1〜6(MPa/%)である。
伸縮性のある材料は、一般的に降伏点前において小さい応力に対し変位量が大きく、また、絶対変位量としても大きいことが特徴である。すなわち、ここで定義した「不織布(30g/m2換算)の1%弾性率(MPa)と引張降伏伸度(%)の比が7MPa/%以下」であれば、伸縮性が付与された不織布材料であることを意味している。当該値が7(MPa/%)を超えると、かなり大きな引っ張り応力に対してのみ変位する、あるいは変位してもすぐに破断してしまうため、伸縮性が不十分となる場合がある。
ここで、不織布の1%弾性率と引張降伏伸度は、後記による手法で測定した。
【0046】
本発明の柔軟繊維及び不織布は、柔軟性及び伸縮性を有するため、包帯やサポーター、湿布基布などの医療用部材、紙おむつ、生理用品などの衛生材料部材等として好適に用いることができる。
【0047】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例に限定されるものではない。なお、試験、評価方法及び実施例、比較例で用いたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の重合例を下記に示した。
【0048】
1.試験、評価方法
(1)MFR:JIS−K6921−2附属書に準拠し測定した。(条件:温度/230℃、荷重21.18N)
(2)アイソタクチックペンタッド分率:測定方法は前記のとおりとした。
(表1において、アイソタクチックペンタッド分率をIPFと記す。)
(3)温度上昇溶離分別(TREF)による40℃可溶分量、40℃/140℃溶出分の重量平均分子量:下記の要領で測定した。
▲1▼クロス分別装置
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100
▲2▼フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析
FT−IR、パーキンエルマー社製 1760X
▲3▼ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
CFC後段部分のGPCカラムは、昭和電工社製AD806MSを3本直列に接続して使用し、測定方法は前記のとおりとした。
(4)紡糸性:15分間の溶融紡糸時に糸が切れる回数(断糸頻度)とした。
(5)引張強度:東洋精機社製ストログラフを使用し、50mm×200mmの不織布をチャック間隔が100mm、引張速度100mm/分の条件で測定した。
(6)引張伸度:上記手法により測定した。
(7)弾性率:東洋精機社製ストログラフを使用し、50mm×200mmの不織布をチャック間隔が100mm、引張速度1mm/分の条件で、1%の歪みを与えた時点での弾性率を測定した。
(8)不織布の柔軟性:東洋精機社製ループスティフネステスターを使用し測定した。すなわち、不織布を幅1cm×長さ12cmに裁断し測定試料とした。該試験片を装置にセットすることにより、ループを形成させ、そのループに力を加え一定変位に達するまでに必要な力(g)を測定した。該値が小さいほど軟らかいことを示す。
【0049】
2.オレフィン系エラストマー組成物
重合例1〜8で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(重合体−I〜VIIIを用いた。その重合条件、物性値を表1及び表2に示す。なお、表2には実施例で過酸化物処理を行った際の重合体の物性値を「CR」を付して併記した。
【0050】
重合例1
(1)固体成分触媒の製造
窒素置換した内容積50リットルの攪拌機付槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、次いで塩化マグネシウム4モルとテトラブトキシチタン8モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス)480ミリリットルを導入して更に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
引き続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン15リットルを導入し、次いで、得られた固体成分をマグネシウム原子換算で3モル導入し、更に、四塩化珪素8モルをn−ヘプタン25ミリリットルに加えた混合液を30℃で30分間かけて導入して、温度を90℃に上げ、1時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
さらに、引き続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次いで、前記で得られたチタン含有固体成分250グラムと、1,5−ヘキサジエン750グラム、t−ブチルーメチルージメトキシシラン130ミリリットル、ジビニルジメチルシラン10ミリリットル、トリエチルアルミニウム225グラムとをそれぞれ導入して30℃で2時間接触させた後、反応液を取り出し、n−ヘプタンで洗浄して固体成分触媒を得た。得られた固体成分触媒は、1,5−ヘキサジエンの予備重合量がチタン含有固体成分あたり、2.97グラムのものであった。
【0051】
(2)プロピレン共重合体の製造
内容積550リットルの第一段反応器に、温度70℃、圧力(70℃においては約3.2MPaになる)において、プロピレンとトリエチルアルミニウム、及び重合体生成速度が20kg/時間となるような量比の前記固体成分触媒とを連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を、(水素供給量)/(プロピレン供給量)のモル比で0.055となるように連続的に供給して液相中で重合を実施した(第一段重合工程)。
引き続いて、生成重合体を、プロピレンパージ槽を経由させて、内容積1900リットルの第二段反応器に導入し、温度60℃、圧力3.0MPaになるように、生成する共重合体中の組成割合に応じたプロピレンとエチレンを(エチレン供給量)/[(プロピレン供給量)+(エチレン供給量)]のモル比で0.18となるように連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を(水素供給量)/[(プロピレン供給量)+(エチレン供給量)]のモル比で0.0041となるように連続的に供給して気相中で重合を実施し、生成重合体を連続的にベッセルに移した後、水分を含んだ窒素ガスを導入して反応を停止させ(第二段重合工程)、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(重合体−I)を得た。
【0052】
重合例2〜8
重合例1におけるエチレン・プロピレンのモル比、水素濃度等を表1に示すようにし重合体−II〜VIIIのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
実施例1
重合体−Iのパウダー100重量部に対して、過酸化物(パーヘキサ25B:日本油脂社製)を0.10重量部、酸化防止剤として1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(サイテック製、商品名サイアノックス1790)を0.04重量部、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名イルガホス168)を0.05重量部、及び中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.05重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットして表2に示す物性をもつペレット状のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を調製した。
次に、得られた組成物をホール数24個の単一型紡糸口金を用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸は、紡糸温度250℃、吐出量0.8g/分・孔で行い、その後エアサッカーにて延伸し、繊度2.2デシテックスの単一繊維を得た。この単一繊維をエアサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、100℃〜150℃の間に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量30g/m2の不織布を得た。得られた不織布の最適エンボス加工温度、引張強度、伸度、1%弾性率、柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0056】
比較例1
実施例1において、ペレット状のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を調製する際、過酸化物を配合せずにオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を調製した。実施例1と同様に溶融紡糸を行ったが断糸が多発し、不織布サンプルを得ることはできなかった。
【0057】
実施例2
比較例1において、重合体パウダーとして重合体−IIのパウダーを使用すること以外は比較例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0058】
実施例3
実施例1において、重合体パウダーとして重合体−IIIのパウダーを使用すること以外は実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0059】
実施例4、比較例2、3、5
比較例1において、重合体パウダーとして重合体−IV、V、VI、VIIIのパウダーを使用すること以外は比較例1と同様に行った。比較例5においては、紡糸時に断糸が多発し、不織布サンプルを得ることはできなかった。その結果を表3及び4に示す。
【0060】
比較例4
実施例1において、重合体パウダーとして重合体−VIIのパウダーを使用し、過酸化物の配合量を0.16重量部とすること以外は実施例1と同様に行った。紡糸時に断糸が多発し、不織布サンプルを得ることはできなかった。
【0061】
比較例6
重合体として、プロピレン単独重合体(日本ポリケム社製ノバテック SA05、MFR=50g/10分)を用いる以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。その結果を表4に示す。
【0062】
実施例5
実施例1で調整したペレット状のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を芯材とし、プロピレン単独重合体(日本ポリケム社製ノバテック SA05、MFR=50g/10分)を鞘材とし、ホール数24個の芯鞘型複合紡糸口金を用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸は、紡糸温度250℃、吐出量0.8/分・孔で行い、その後エアサッカーにて延伸し、繊度2.2デシテックスの芯鞘型複合繊維を得た。この繊維をエアサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、100〜150℃の間に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量30g/m2の不織布を得た。得られた不織布の最適エンボス加工温度、引張強度、伸度、1%弾性率、柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0063】
実施例6
実施例1で調整したペレット状のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を鞘材とし、プロピレン単独重合体(日本ポリケム社製ノバテック SA05、MFR=50g/10分)を芯材とする以外は、実施例5と同様にして不織布を得た。得られた不織布の最適エンボス加工温度、引張強度、伸度、1%弾性率、柔軟性を測定した。その結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
表3及び4から明らかなように、上記に示した各実施例によれば、いずれも紡糸性、伸縮性、柔軟性に優れた不織布が得られる。一方、各比較例の不織布は、紡糸性、柔軟性、伸縮性をすべて満足するものはなく本発明の効果を発揮しない。
【0067】
【発明の効果】
本発明の繊維及びそれからなる不織布は、特定のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いているので、紡糸性を損なうことなく柔軟で伸縮性に優れており、包帯、サポーター、湿布用基布等の医療用、あるいは紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料部材等として好適に使用することができる。
Claims (7)
- 下記(イ)〜(ニ)の要件を満たすオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を少なくとも1つの構成成分とする柔軟繊維からなる不織布であって、かつ、該不織布(30g/m 2 換算)の1%弾性率(MPa)と引張降伏伸度(%)の比が7(MPa/%)以下であることを特徴とする不織布。
要件(イ):アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のプロピレン単独重合体(A)が20〜60重量%と、プロピレンと炭素数2〜8のプロピレン以外のα−オレフィンとからなり、α−オレフィン含量が5〜40重量%であるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が40〜80重量%とからなる。
要件(ロ):上記成分(A)の重合工程と、上記成分(B)の重合工程からなる多段重合により製造される。
要件(ハ):メルトフローレート(JIS−K6921、230℃、21.18N)が5〜200g/10分である。
要件(ニ):o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度40〜140℃の間の温度上昇溶離分別における40℃の溶出分が全溶出量に対して30〜80重量%で、かつ40℃の溶出分の重量平均分子量(Mw40℃)と100〜140℃での溶出分の重量平均分子量(Mw140℃)の比が式(1)を満足する。
0.22<(Mw140℃)/(Mw40℃)<4.0 …(1) - 成分(B)のプロピレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンが、エチレンであり、エチレンの含有量が10〜40重量%であることを特徴とする請求項1に記載の不織布。
- 柔軟繊維が単一繊維、芯鞘型複合繊維、あるいはサイドバイサイド複合型繊維であることを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布。
- 不織布が、スパンボンド法、メルトブロー法、水流交絡法又はカード法のいずれかの方法により製造されたシート状不織布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布を用いることを特徴とする包帯。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布を用いることを特徴とするサポーター。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布を用いることを特徴とする衛生材料。
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