JP4146835B2 - 結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4146835B2
JP4146835B2 JP2004366738A JP2004366738A JP4146835B2 JP 4146835 B2 JP4146835 B2 JP 4146835B2 JP 2004366738 A JP2004366738 A JP 2004366738A JP 2004366738 A JP2004366738 A JP 2004366738A JP 4146835 B2 JP4146835 B2 JP 4146835B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
crystal growth
cooling
raw material
constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004366738A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006169073A (ja
Inventor
正弘 笹浦
拡樹 香田
和夫 藤浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2004366738A priority Critical patent/JP4146835B2/ja
Publication of JP2006169073A publication Critical patent/JP2006169073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4146835B2 publication Critical patent/JP4146835B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、結晶成長方法に関し、より詳細には、TSSG法による結晶成長において、結晶成長過程における成長条件を制御することに、均一な品質の単結晶を製造するための結晶成長方法に関する。
従来、酸化物バルク単結晶の結晶成長方法として、浮遊帯域溶融(FZ:Floating Zone)法、ブリッジマン法、炉温降下法などが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、溶融した溶液に種子結晶を浸して引き上げながら結晶を育成する、溶液引き上げ(TSSG:Top-Seeded Solution-Growth)法が知られている。TSSG法は、Si,GaAs,LiNbO単結晶の結晶成長法として知られているチョクラルスキー法(CZ法)と同様に、結晶の形状制御が可能であり、大型ウエハを作製するための結晶母材を得ることができる。
図1に、従来のTSSG法による結晶成長装置を示す。結晶製造装置は、ヒータ4によって温度制御可能な縦型管状炉5を有し、縦型管状炉5内のるつぼ台2に原料溶液8を入れたるつぼ1を設置している。縦型管状炉5は、炉体ふた10により密閉され、内面に設置された均熱管3により、炉内の温度が一定に保たれるようになっている。このような構成において、引き上げ軸6の先端に取り付けられた種子結晶7を、溶融した原料溶液8に浸して、引き上げながら成長結晶9を育成する。この結晶製造装置を用いてKTaNb1−x(0≦x≦1)結晶を製造する方法を説明する。
KTaNb1−x結晶を単結晶として成長させるには、縦型管状炉5内、すなわち、るつぼ1と原料溶液8と成長結晶9とが位置する付近において、均一な温度分布が必要である。そこで上述したように、温度の均一性の高い抵抗加熱式の縦型管状炉5を構成している。また、引き上げ軸6には、アルミナや白金で形成された引き上げ軸を用いるのが、一般的である。
KTaNb1−x原料は、素原料であるKCOとTaとNbとを所望の組成比となるよう秤量し、るつぼ1に充填する。KTaNb1−x原料が投入されたるつぼ1を、縦型管状炉5内に設置されたるつぼ台2上に設置する。ヒータ4を加熱することで、KTaNb1−x原料を昇温溶解し、原料溶液8を準備する。種子結晶7が先端に取り付けられた引き上げ軸6を縦型管状炉5に導入し、原料溶液8に接触させ、結晶育成を開始する。
種子結晶7を原料溶液8に接触させる際、すなわち種子付け過程では、原料溶液8の温度を調整し、種子結晶7が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する必要がある。その後、引き上げ軸6を回転しながら引き上げると同時に、原料溶液8を、加熱量の調整により一定冷却速度で冷却して行く。この一定速度の冷却により、原料溶液8は、過飽和状態となる。加えて、引き上げ軸6は、低温の炉外から導入されているため、脱熱の伝熱経路となる。結晶成長に十分な過飽和状態が原料溶液8に実現すると、種子結晶7の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。そして、種子付け、肩拡げ、定径部と順に成長過程が進行する。育成中は、その状態を形状センサもしくは重量センサを用いて検出し、成長が早い場合には昇温、成長が遅い場合には、一定速度の冷却に微調整の冷却を加えて、成長結晶9の直径制御を行う。
特開昭59−107996号公報
従来、TSSG法による結晶成長においては、原料溶液から結晶が成長する際に発生する生成熱を、引き上げ軸を通して脱熱する必要がある。しかしながら、TSSG法によって、KTaNb1-x(0≦x≦1)結晶を成長させる場合、炉内温度分布が均一であることが必要なため、引き上げ軸も加熱されている。従って、引き上げ軸を通した脱熱が十分に行われないので、原料溶液を過度に冷却し、高い過飽和度を実現しなければ結晶成長を開始することができなかった。
しかしながら、高い過飽和度により結晶成長が急速に始まる、いわゆる「急成長現象」が発生する。急成長現象は、溶媒の結晶取り込みが発生し、成長結晶の品質が劣化するという問題があった。
また、種子結晶が原料溶液と接触する結晶成長界面を除いて、溶液原料が十分に溶解していることが必要である。すなわち、原料溶液の表面が固化温度であるのに対して、るつぼの底部は、その固化温度よりも高い温度に設定されている。このような温度分布によると、るつぼの底で加熱された原料溶液は比重が小さくなり、原料溶液表面にわき上がってくる、いわゆる「自然対流」が発生する。自然対流は、原料溶液の温度変動を誘起し、温度変動は、結晶中に点欠陥を発生させる原因となる。結晶内では、点欠陥をひずみ中心とする光学ひずみが生じて、結晶品質を劣化させるという問題もあった。
従来のTSSG法においては、図2に示したように、結晶成長界面12に原料溶液8が表面張力により吸い上げられた「メニスカス」11が存在する。原料溶液表面13やメニスカス11は、炉内雰囲気への放熱が生じる領域で、マランゴニ対流が生じる場合もある。従って、温度安定性の視点からみて、点欠陥が発生しやすく、結晶成長界面を設定するのに好ましくない領域となる。さらに、るつぼの壁付近にある原料溶液が、固化温度よりも高い温度に設定されることも自然対流発生の一因となっている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、原料溶液の温度変動に伴う結晶中の点欠陥を防止し、高品質の単結晶を製造することができる結晶成長方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、炉内に設置されたるつぼ内の原料溶液に、種子結晶を浸して引き上げながら結晶を育成する結晶成長方法において、前記種子結晶を前記原料溶液に接触させ、結晶の成長界面が前記原料溶液表面の下に位置するようにして、前記種子結晶が先端に取り付けられた引き上げ軸の内部に0.4〜2.4×10J/secの冷却能力を有する冷却ガスを循環させて、原料溶液表面の温度勾配を引き上げ軸方向に5℃/cm以下とし、前記るつぼの径方向に2℃/cm以下とする種子付け工程と、前記種子結晶を0.2mm/hr以下で引き上げると同時に、前記原料溶液を一定冷却速度で冷却する肩拡げ工程とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の結晶成長方法おいて、前記種子結晶を0.1mm/hrで引き上げると同時に、前記引き上げ軸に導入する前記冷却ガスの流量を一定にし、前記一定冷却速度における結晶の成長よりも、結晶の成長が早い場合には昇温、結晶の成長が遅い場合には冷却の調整を、前記一定速度の冷却に対して付加的に行う定径部工程をさらに備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の結晶成長方法において、前記引き上げ軸に導入する前記冷却ガスの流量を一定にし、前記一定冷却速度における結晶の成長よりも、結晶の成長が早い場合には0.3mm/hr、結晶の成長が遅い場合には0.05mm/hrの引き上げ速度の調整を、前記一定速度の冷却に対して付加的に行う定径部工程をさらに備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の結晶成長方法において、前記引き上げ軸に導入する前記冷却ガスの流量を、前記一定冷却速度における結晶の成長よりも、結晶の成長が早い場合には0.4×10J/sec、結晶の成長が遅い場合には2.4×10J/secの冷却能力を有する冷却ガス流量の調整を、前記一定速度の冷却に対して付加的に行う定径部工程をさらに備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の前記結晶の主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の前記結晶の主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含み、添加不純物としてリチウムを含むことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、引き上げ軸の内部に冷却ガスを循環させて、種子結晶を介して原料溶液と種子結晶の接触部分を局所的に冷却し、炉内温度の均一化と、引き上げの低速度化とにより、原料溶液の温度変動に伴う結晶中の点欠陥を防止し、高品質の単結晶を製造することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、種子結晶をガス冷却する機構を具備し、ガス冷却量、成長炉内温度分布、結晶引き上げ速度の最適制御を総合的に行って、高品質な結晶を引き上げる。
図3に、本発明の一実施形態にかかる結晶製造装置の構成を示す。結晶製造装置は、ヒータ24によって温度制御可能な縦型管状炉25を有し、縦型管状炉25内のるつぼ台22に原料溶液28を入れたるつぼ21を設置している。縦型管状炉25は、炉体ふた30により密閉され、内面に設置された均熱管23により、炉内の温度が一定に保たれるようになっている。このような構成において、ガス還流式引き上げ軸31の先端に取り付けられた種子結晶27を、溶融した原料溶液28に浸して、引き上げながら成長結晶29を育成する。この結晶製造装置を用いて、原料溶液の温度勾配を小さく保ち、均一な温度分布を実現しながら、結晶成長に必要十分な低過飽和度を実現する。
ガス還流式引き上げ軸31は、二重の管構造を有し、その内部を冷却ガスが循環する。これにより、
(1)引き上げ軸先端に設置した種子結晶が間接冷却され、結晶成長で発生した生成熱を有効に脱熱できる。従って、引き上げ軸を通した脱熱を十分に行うことができ、原料溶液を高い過飽和度にする必要がなく、急成長現象もない。
(2)引き上げ軸を局所的に冷却することで、熱接触している種子結晶を通じて、原料溶液の種子結晶接触部分を局所的に冷却することができる。従って、種子結晶が原料溶液に接触しているとき、原料溶液と種子結晶の接触点付近が熱の吸収点となり、その付近のみ温度勾配が急峻になる。原料溶液と種子結晶の接触点における局所的冷却は、種子付け後の引き上げ開始時における結晶成長に必要な過飽和状態を実現することができる。
以上述べたとおり、TSSG法によってKTaNb1-x結晶を成長させる場合、炉内温度分布を均一に保つことができ、かつ引き上げ軸を通した脱熱を十分に行うことができるので、高品質の結晶を製造することができる。
(3)引き上げ軸に循環させる冷却ガスの流量を調整することにより、脱熱量を逐次調整することができる。従って、加熱量の調整により成長結晶の成長速度を調整する従来の制御方法に代えて、形状センサまたは重量センサを用いて結晶の成長状態を検出しながら、冷却ガスの流量調整により成長結晶の成長速度を調整することができる。具体的には、成長が早い場合にはガス流量を減じ、成長が遅い場合にはガス流量を増して、脱熱量の微調整を行うことにより、結晶成長中の結晶径の増加量を制御する。
従来の加熱量の調整は、熱容量の大きい抵抗加熱炉全体の温度を調整するため、成長に寄与する成長界面付近の温度を調整するためには応答速度が遅い。一方、冷却ガス流量の調整は、局所的に種子結晶、成長結晶を冷却するから、結晶成長界面付近の温度を調整する応答速度が速いという長所も有する。
引き上げ軸の冷却効果は、種子結晶の近傍に限定され、種子付け、肩拡げ成長後の定径部結晶成長段階においては、成長結晶の冷却に支配的に費やされる。従って、結晶成長部に対する温度制御の効果はなくなるので、冷却ガスの流量を一定にして、加熱量の調整により成長結晶の成長速度を調整する従来の制御方法に影響を与えないようにする。
冷却ガスとしては、空気、窒素、またはアルゴンが容易に入手できるので好適である。しかし、ガスを循環させることにより脱熱が生じるガスであれば他のガスでも良い。望ましくは、比熱が大きく、同じ流量でも吸熱性能の高いガスを用いることが望ましい。
具体的には、TSSG法によるKTaNb1-x結晶の結晶成長に必要な過飽和度を得るために必要な冷却用ガス流量は、1気圧、室温の空気を用いた場合、5〜30L/minである。原料溶液と室温の空気の温度差は1000℃前後であるから、5〜30L/minの室温空気の流量は、0.4〜2.4×10J/secの奪熱量に相当する。従って、0.4〜2.4×10J/secの奪熱量を有するガスであれば、空気以外のガスを使用することができる。冷却ガスは、室温のままでもよいし、あるいはより精度を高めるために温度制御装置を通して引き上げ軸に循環させてもよい。
上述の方法により、種子結晶の局所冷却が可能となるので、結晶成長によって発生する生成熱を奪熱するために、引き上げ軸方向の温度勾配を炉内温度分布によって実現する必要がなくなる。従って、成長炉の加熱ヒータの制御と構造は、均一な炉内温度分布を実現できるようにするだけでよい。
図4に、本発明の一実施形態にかかる結晶成長界面を示す。引き上げ軸方向の温度勾配を小さくし、より均一な炉内温度分布を実現することができるので、図2に示したメニスカスを生成する必要はなく、成長界面12は原料溶液表面13の下に位置する。結晶成長は原料溶液28の中で行われ、いわゆる「カイロポーラス法」と呼ばれる結晶成長方法と類似の結晶成長を実現する。
具体的には、原料溶液表面の引き上げ軸方向の温度勾配を5℃/cm以下とし、るつぼの径方向の温度勾配を2℃/cm以下の温度分布とすることにより、カイロポーラス法の成長状態を発生させることができる。結晶成長界面が原料溶液表面から原料溶液内に沈み込んでいることによって、原料溶液表面に発生するマランゴニ対流による温度変動を回避できるので、点欠陥の発生を抑制することができる。
結晶成長界面は溶液内のより深い位置、すなわち温度の高い原料溶液下部に移動して、結晶成長が停止するので、原料溶液内での結晶成長速度に対応した引き上げ速度で引き上げ軸を引き上げる。具体的には、0.2mm/hr以下の低速度で引き上げることにより、原料溶液内に結晶成長界面を有しながら連続的に結晶成長を行うことができる。
以下に本発明の具体的実施例を説明する。本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更あるいは改良を行いうることは言うまでもない。
図3に示した結晶製造装置を用いて、TSSG法によるKTaNb1-x結晶の製造について説明する。本実施例では、引き上げ軸内に冷却ガスを循環させるガス循環式引き上げ軸31を用いて、炉内の温度分布を、原料溶液表面の引き上げ軸方向の温度勾配を5℃/cm以下とし、るつぼの径方向の温度勾配を2℃/cm以下とする。引き上げ速度は、0.2mm/hr以下とする。
KTaNb1-x原料は、素原料であるKCOとTaとNbとを所望の組成比となるよう秤量し、るつぼ21に充填する。KTaNb1-x原料が投入されたるつぼ21は、縦型管状炉25内に設置されたるつぼ台22上に設置する。ヒータ24を加熱することで、KTaNb1-x3原料を昇温溶解し、原料溶液28を準備する。ソーキングと呼ばれる高温処理を原料溶液28に対して行い、原料溶液28内の炭酸基の蒸発、溶液内クラスタの分解を促進させる。種子結晶27が先端に取り付けられたガス循環式引き上げ軸31を縦型管状炉25に導入し、原料溶液28に接触させ、結晶育成を開始する。
種子結晶27を原料溶液28に接触させる際、原料溶液28の温度を調整し、種子結晶27が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する必要がある。冷却ガスとして、常圧、室温の空気を選択し、ガス循環式引き上げ軸31に15L/min導入する。
その後、ガス循環式引き上げ軸31を回転しながら引き上げると同時に、ヒータ24の電力を調整することにより、一定冷却速度の冷却(0.5℃/hr)を原料溶液28に加える。原料溶液28の溶液温度低下により種子結晶27付近の原料溶液の過飽和度が増加し、種子結晶27の先端に結晶が析出して成長結晶29が育成し始める。肩拡げ成長過程中は、その状態を形状センサまたは重量センサを用いて検出し、引き上げ速度を調整する。具体的には、結晶成長が早い場合には引き上げ速度を増加し、結晶成長が遅い場合には引き上げ速度を減少させ、径増加量を一定に保つ。
結晶成長の進行によって、成長結晶が定径部に達した後は、ガス循環式引き上げ軸31に導入するガス流量を一定にし、成長状態を形状センサまたは重量センサを用いて検出し、成長が早い場合には昇温、成長が遅い場合には冷却の微調整を一定冷却速度の冷却(0.5℃/hr)に対して付加的に行い、成長結晶の直径制御を行う。成長結晶の引き上げ速度は、0.1mm/hrとし、結晶成長界面が常に原料溶液内に存在するようにする。従来のように急成長現象は認められない。
結晶成長後、ヒータ24の加熱量を下げ、縦型管状炉25を室温まで冷却する。成長した結晶の定形部には、形状変動がないファセット面が表出する。目視による観察で、色調均一でかつ欠陥の介在も認められないKTaNb1-x単結晶を得ることができる。この結晶を切断・研磨して作製したウエハには、偏光顕微鏡観察により点欠陥は認められず、高品質かつ均質なKTaNb1-xウエハを得ることができる。
また、成長結晶が定形部に達した後、以下のように成長結晶の直径制御を行うこともできる。ガス循環式引き上げ軸31に導入するガス流量を一定にし、成長状態を形状センサまたは重量センサを用いて検出し、成長が早い場合には0.3mm/hr、成長が遅い場合には0.05mm/hrと引き上げ速度の微調整を、一定冷却速度の冷却(0.5℃/hr)に対して付加的に行う。冷却速度を微調整するのと同じく成長結晶の直径制御が可能であり、従来のように急成長現象は認められない。
また、冷却ガスとして、常圧、室温の空気を選択し、ガス循環式引き上げ軸31に一定流量循環することに代えて、成長結晶の成長状態に応じて、ガス流量を5〜30L/minの範囲で調整してもよい。具体的には、成長状態を形状センサまたは重量センサを用いて検出し、成長が早い場合には5L/min、成長が遅い場合には30L/minと冷却ガス流量の微調整を、一定冷却速度の冷却(0.5℃/hr)に対して付加的に行う。冷却速度を微調整するのと同じく成長結晶の直径制御が可能であり、従来のように急成長現象は認められない。
本実施形態において、結晶の主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含むことができる。さらに、添加不純物として周期率表Ia族、例えばリチウム、またはIIa族の1または複数種を含むこともできる。
従来のTSSG法による結晶製造装置の構成を示す図である。 種子結晶が原料溶液と接触する結晶成長界面を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる結晶製造装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる結晶成長界面を示す図である。
符号の説明
1,21 るつぼ
2,22 るつぼ台
3,23 均熱管
4,24 ヒータ
5,25 縦型管状炉
6 引き上げ軸
7,27 種子結晶
8,28 原料溶液
9,29 成長結晶
10,30 炉体ふた
11 メニスカス
12 結晶成長界面
13 原料溶液表面
14 パイプ加熱ヒータ
15 原料供給制御装置
31 ガス還流式引き上げ軸

Claims (6)

  1. 炉内に設置されたるつぼ内の原料溶液に、種子結晶を浸して引き上げながら結晶を育成する結晶成長方法において、
    前記種子結晶を前記原料溶液に接触させ、結晶の成長界面が前記原料溶液表面の下に位置するようにして、前記種子結晶が先端に取り付けられた引き上げ軸の内部に0.4〜2.4×10J/secの冷却能力を有する冷却ガスを循環させて、原料溶液表面の温度勾配を引き上げ軸方向に5℃/cm以下とし、前記るつぼの径方向に2℃/cm以下とする種子付け工程と、
    前記種子結晶を0.2mm/hr以下で引き上げると同時に、前記原料溶液を一定冷却速度で冷却する肩拡げ工程と
    を備えたことを特徴とする結晶成長方法。
  2. 前記種子結晶を0.1mm/hrで引き上げると同時に、前記引き上げ軸に導入する前記冷却ガスの流量を一定にし、前記一定冷却速度における結晶の成長よりも、結晶の成長が早い場合には昇温、結晶の成長が遅い場合には冷却の調整を、前記一定速度の冷却に対して付加的に行う定径部工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の結晶成長方法。
  3. 前記引き上げ軸に導入する前記冷却ガスの流量を一定にし、前記一定冷却速度における結晶の成長よりも、結晶の成長が早い場合には0.3mm/hr、結晶の成長が遅い場合には0.05mm/hrの引き上げ速度の調整を、前記一定速度の冷却に対して付加的に行う定径部工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の結晶成長方法。
  4. 前記引き上げ軸に導入する前記冷却ガスの流量を、前記一定冷却速度における結晶の成長よりも、結晶の成長が早い場合には0.4×10J/sec、結晶の成長が遅い場合には2.4×10J/secの冷却能力を有する冷却ガス流量の調整を、前記一定速度の冷却に対して付加的に行う定径部工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の結晶成長方法。
  5. 前記結晶の主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の結晶成長方法。
  6. 前記結晶の主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含み、添加不純物としてリチウムを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の結晶成長方法。
JP2004366738A 2004-12-17 2004-12-17 結晶成長方法 Expired - Fee Related JP4146835B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004366738A JP4146835B2 (ja) 2004-12-17 2004-12-17 結晶成長方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004366738A JP4146835B2 (ja) 2004-12-17 2004-12-17 結晶成長方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006169073A JP2006169073A (ja) 2006-06-29
JP4146835B2 true JP4146835B2 (ja) 2008-09-10

Family

ID=36670214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004366738A Expired - Fee Related JP4146835B2 (ja) 2004-12-17 2004-12-17 結晶成長方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4146835B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CZ303673B6 (cs) * 2011-02-17 2013-02-20 Crytur Spol. S R. O. Príprava monokrystalu granátové struktury s dotací o prumeru az 500 mm
WO2012173251A1 (ja) 2011-06-17 2012-12-20 住友金属工業株式会社 SiC単結晶の製造装置及び製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006169073A (ja) 2006-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5136970B2 (ja) 高品質シリコン単結晶インゴットの成長装置,その装置を利用した成長方法
JP6046405B2 (ja) SiC単結晶のインゴット、その製造装置及びその製造方法
US7524371B2 (en) Method for manufacturing defect-free silicon single crystal
JP5434801B2 (ja) SiC単結晶の製造方法
JP4810346B2 (ja) サファイア単結晶の製造方法
US9530642B2 (en) Method for producing SiC single crystal
US20050160966A1 (en) Method for producing silicon single crystal and, silicon single crystal and silicon wafer
CN114318500A (zh) 一种用于拉制单晶硅棒的拉晶炉、方法及单晶硅棒
JP5890377B2 (ja) SiC単結晶の製造方法
Deitch et al. Bulk single crystal growth of silicon-germanium
JP3760769B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP4151474B2 (ja) 単結晶の製造方法及び単結晶
JP4146835B2 (ja) 結晶成長方法
KR20090034534A (ko) 극저결함 반도체 단결정의 제조방법 및 그 제조 장치
JP2016150882A (ja) SiC単結晶の製造方法
JP2004224577A (ja) Pドープシリコン単結晶の製造方法及びpドープn型シリコン単結晶ウェーハ
JP4899608B2 (ja) 半導体単結晶の製造装置及び製造方法
JP2007284324A (ja) 半導体単結晶の製造装置及び製造方法
JP4817670B2 (ja) 結晶成長装置
JP2006143489A (ja) 結晶成長装置およびその方法
KR102492237B1 (ko) 실리콘 단결정 잉곳의 성장 방법 및 장치
JP4016471B2 (ja) 結晶育成方法
JP6030525B2 (ja) SiC単結晶の製造方法
JP2006213554A (ja) 結晶成長方法およびその装置
JP2006248808A (ja) 結晶製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080613

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080620

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4146835

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140627

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees