JP4146058B2 - ネガ型平版印刷版の作製方法 - Google Patents

ネガ型平版印刷版の作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ等のデジタル信号に基づいて赤外線レーザを走査することにより直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能なネガ型平版印刷版の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータのデジタルデータから直接製版するシステムとしては、▲1▼電子写真法によるもの、▲2▼青色又は緑色を発光するレーザを用い露光する光重合系によるもの、▲3▼銀塩を感光性樹脂上に積層したもの、▲4▼銀塩拡散転写法によるもの等が提案されている。
【0003】
しかしながら、▲1▼の電子写真法を用いるものは、帯電、露光、現像等画像形成のプロセスが煩雑であり、装置が複雑で大がかりなものになる。また、▲2▼の光重合系によるものでは、青色や緑色の光に対して高感度な版材を使用するため、明室での取扱いが難しくなる。▲3▼、▲4▼の方法では銀塩を使用するため現像等の処理が煩雑になる、処理廃液中に銀が含まれる等の欠点がある。
【0004】
一方、近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザは、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになっている。コンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源として、これらのレーザは非常に有用である。しかし、実用上有用な多くの感光性記録材料は、感光波長が760nm以下の可視光域であるため、これらの赤外線レーザでは画像記録できない。このため、赤外線レーザで記録可能な材料が望まれている。
【0005】
このような赤外線レーザにて記録可能な画像記録材料として、US4、708、925号に記載されている、オニウム塩、フェノール樹脂及び分光増感剤より成る記録材料がある。この画像記録材料は、オニウム塩とフェノール樹脂により発現する現像液に対する溶解抑止効果を利用したポジ型の画像記録材料であり、本発明のようなネガ型ではない。一方、ネガ型の画像記録材料としては、赤外線吸収剤、酸発生剤、レゾール樹脂及びノボラック樹脂より成る記録材料がUS5,340,699号に記載されている。しかしながら、このようなネガ型の画像記録材料は、画像形成のためにはレーザ露光後に140〜200℃で50〜120秒程度加熱する加熱処理が必要であり、このため、露光後の加熱処理に大掛かりな装置とエネルギーとを必要としていた。
例えば、特開平8−108621号公報には、光重合性組成物を用いたネガ型の画像形成材料が開示され、ここでは記録層の熱重合を促進させるために、画像露光と同時に加熱を行う旨の記載がある。露光工程において同時に加熱を行うことは、加熱により近傍の空気に熱ゆらぎを与え、レーザーの焦点をぼかし、画像形成性に影響を与えたり、熱によりレーザー素子の寿命を短縮させるなどの問題があり、好ましくない。
【0006】
また、特公平7−103171号には、特定の構造を有するシアニン色素、ヨードニム塩及びエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合可能な化合物より成る、画像様露光後の加熱処理を必要としない記録材料が記載されているが、この画像記録材料は、重合反応時に空気中の酸素により重合阻害がおこり、感度の低下や、形成された画像部の強度が不充分であるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接記録可能であり、画像形成性及び耐刷性に優れたネガ型平版印刷版の作製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、支持体と画像形成用の感光層との間に、特定の中間層を形成した画像形成材料を、特定の現像液で現像することで、解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のネガ型平版印刷版の作製方法は、赤外線レーザで記録可能であり、アルミニウム支持体上に、シリケート皮膜、ラジカルによる付加反応を起こし得る官能基を有するシリコーン化合物を含む中間層、および(A)赤外線吸収剤と、(B)ラジカル発生剤と、(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマー、を含む感光層を、順次設けてなる画像形成材料を、pH7〜12の現像液で現像することを特徴とする。
【0009】
本発明の作用は明確ではないが、アルミニウム支持体上に、常法により陽極酸化皮膜やシリケート皮膜を形成した後、ラジカルによる付加反応を起こし得る官能基を有するシリコーン化合物を含む中間層を形成することで、熱伝導性の高いアルミニウム支持体と感光層との間に断熱層の機能を有する薄膜が形成されることになり、露光により発生した熱は露光部の硬化反応に効率よく使用されることになり、高感度でオン/オフがクリアで良好な画像が形成され、さらに、中間層に含まれる付加反応を起こし得る官能基を有するシリコーン化合物と感光層中のラジカル重合性化合物とが相互作用により強固に結合し、画像部の密着性、即ち、耐刷性の向上に寄与するものと考えられる。
このような画像形成材料を、pH7〜12の現像液で現像する本発明のネガ型平版印刷版の作製方法により得られる平版印刷版は、画像部の密着性、即ち、耐刷性が良好である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のネガ型平版印刷版の作製方法は、アルミニウム基板に陽極酸化処理などの公知の表面処理を行い、シリケート皮膜を形成して親水化した後、ラジカルによる付加反応を起こし得る官能基を有するシリコーン化合物を含む中間層を介して感光層を形成してなる画像形成材料をpH7〜12の現像液で現像することを特徴とする。
この中間層を形成する前に、アルミニウム基板に一般的な陽極酸化処理などの表面処理を行った後、シリケート処理により親水化処理を行ったアルミニウム支持体を用いることが好ましく、まず、この支持体の調整方法について簡単に説明する。
【0011】
[支持体]
本発明の方法に係るネガ型画像形成材料は、前記感光層を支持体上に塗布して形成される。ここで用い得る支持体としては、寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が例示される。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられる。
【0012】
本発明の方法に係る画像形成材料に使用する支持体としては、軽量で表面処理性、加工性、耐食性に優れたアルミニウム板を使用することが好ましい。この目的に供されるアルミニウム材質としては、JIS 1050材、JIS 1100材、JIS 1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金。Al−Mg−Si系合金などが挙げられる。
【0013】
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む前記の如き合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は10重量%以下である。アルミニウム板としては、純アルミニウムが好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように、アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。前記アルミニウム板の厚みとしては、およそ0.1〜0.6mm程度が好ましく、0.15〜0.4mmがより好ましく、0.2〜0.3mmが特に好ましい。
【0014】
前記アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。
【0015】
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。陽極酸化による、陽極酸化皮膜の量は、1.0g/m2以上が好ましい。陽極酸化皮膜の量が、1.0g/m2未満の場合には、耐刷性が不十分であったり、平版印刷版として用いた場合には、非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなることがある。
前記陽極酸化処理を施された後、前記アルミニウムの表面には、下記に詳述する親水化処理が施される。
【0016】
また、このようなアルミニウム支持体は陽極酸化処理後に有機酸またはその塩による処理または、感光層塗布の下塗り層を適用して用いることができる。
【0017】
支持体表面に以上のような処理或いは、下塗りなどが施された後、支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
【0018】
平版印刷版用支持体として好ましい特性としては、中心線平均粗さで0.10〜1.2μmである。0.10μmより低いと感光層と密着性が低下し、著しい耐刷の低下を生じてしまう。1.2μmより大きい場合、印刷時の汚れ性が悪化してしまう。さらに支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であり、0.15より白い場合、画像露光時のハレーションが強すぎ画像形成に支障をきたしてしまい、0.65より黒い場合、現像後の検版作業において画像が見難くく、著しく検版性が悪いものとなってしまう。
【0019】
ここで、前記陽極酸化処理が施された後に施される親水化処理について説明する。
本発明における親水化処理はシリケート皮膜の形成であり、シリケート皮膜はSi元素量として2〜40mg/m2、より好ましくは4〜30mg/m2形成される。塗布量はケイ光X線分析法により測定でき、Si元素量を測定することができる。上記の親水化処理は、例えば米国特許第2,714,066号、第3,181,461号、第3,280,734号および第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法を適用することができる。この方法に従い、アルカリ金属ケイ酸塩が1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%であり、25℃のpHが10〜13である水溶液に、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム基板を、例えば15〜80℃で0.5〜120秒浸漬する。
【0020】
本発明に用いられるアルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩もしくは第IVB族金属塩を配合してもよい。アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、燐酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。第IVB族金属塩として、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、蓚酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。アルカリ土類金属塩もしくは、第IVB族金属塩は単独又は2以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10重量%であり、更に好ましい範囲は0.05〜5.0重量%である。
【0021】
このような親水化処理を行ったAl支持体にラジカルによって付加反応を起こし得る官能基(以下、付加反応性官能基と呼ぶ)を有するシリコーン化合物を含む中間層を形成するものであるが、この中間層の形成は、有機シリコーン化合物を原料として用いた中間層塗布液を調製し、前記支持体に塗設する方法により行われるのが好ましい。
具体的には、付加反応性官能基をR1と表わした時、下記式(1)で表わされる有機シリコーン化合物(以下、有機シリコーン化合物(1)と称する)を用いてアルミニウム基板を処理することにより、基板表面の金属、金属酸化物、水酸化物、−OH基、又は基板の化成処理によって形成されたシラノール基などと反応させて基板表面と共有結合を形成させ、下記式(2)で示される官能基を基板表面に結合(又は植え付け)させればよい。
1Si(OR2)3 (1)
式中、−OR2は加水分解可能なアルコキシ基又は−OCOCH3基を表す。
【0022】
【化1】
Figure 0004146058
【0023】
式中、R3はR2と同種もしくは異種のアルキル基又は水素原子、もしくは隣接する別のSi原子との結合を表わす。
上記において、付加反応性官能基(R1)が中央のSi原子に2個以上結合した下記式(1a)又は(1b)で表わされる有機シリコ−ン化合物(1a)(1b)を用いることもできる。
【0024】
【化2】
Figure 0004146058
【0025】
また、付加反応性官能基(R1)が−O−を介して中央のSi原子に結合する官能基である場合は、下記構造で表される有機シリコーン化合物(1c)を用いることもできる。
【0026】
【化3】
Figure 0004146058
【0027】
有機シリコーン化合物(1)は、中央のSi原子に結合する4個のR1のうち少なくとも1個が加水分解されずに残っている状態の時にアルミニウム基板に塗布される。有機シリコーン化合物(1)をアルミニウム基板上に塗設する際、このものを単独で用いてもよく、又は適当な溶媒で希釈して用いてもよい。アルミニウム基板上で有機シリコーン化合物(1)をより強固に結合させるために、水及び/又は触媒を加えることができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類が好ましく、触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの酸、又はアンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの塩基が使用できる。
【0028】
アルミニウム基板上の付加反応性官能基の量は、結合させる付加反応性官能基の種類によって異なるが、100Å2当り一般に0.01〜400個、好ましくは0.05〜40個、更に好ましくは0.1〜5個とすることが適当である。付加反応性官能基量が100Å2当り0.01個より少ないと十分な光接着強度が得られ難い。有機シリコーン化合物(1)を厚く塗り重ねることによって、100Å2当りの付加反応性官能基の量は実質的に幾らでも多くすることが可能であるが、最表面に露出して反応に与る付加反応性官能基の量は100Å2当り高々10個程度であるので、厚く塗り過ぎても機能向上に関与しない官能基が増えるのみとなり無駄になる。ここで、付加反応性官能基の量が多すぎることにより、画像形成後に平版印刷版として使用した時の非画像部の親水性が不足する現象を防止するため、100Å2当りの付加反応性官能基の量は400個以内とするのが好ましい。
【0029】
従って、有機シリコーン化合物を用いてアルミニウム基板表面に付加反応性官能基を結合し(植え付け)、中間層を形成する際には、有機シリコーン化合物を希釈する溶媒の種類と量、基板表面上での加水分解用に加える水の量(加える場合)、基板表面上での加水分解を促進するための触媒の種類と量(加える場合)、有機シリコーン化合物の溶液を基板上に施用する方法、基板に施用した後の乾燥雰囲気、乾燥温度、乾燥時間等のプロセスパラメータを種々変更し、基板表面に保持される付加反応性官能基量が上記の量の範囲内となるように制御することが必要である。アルミニウム基板表面に保持される付加反応性官能基の量は、処理後の基板表面を適当な方法、例えばケイ光X線分析法、赤外線吸収法等の方法で測定し、表面にあるSi原子量の定量、炭素−炭素の多重結合量の定量等を行なうことによって決定することができる。
【0030】
上記の如くアルミニウム基板上に陽極酸化皮膜及びシリケート皮膜を形成し、更にその表面に前記の如き手段により付加反応性官能基を結合させることにより中間層を形成する。
このような中間層を形成した支持体を用いて画像形成材料を構成する場合、前記式(1)の有機シリコーン化合物のみを用いた場合、印刷汚れを生じる場合がある。これは、有機シリコーン化合物の有機官能基が、現像液で感光層を除去された後の未露光部(親水性の撥インク領域となる)の表面に露出することになり、これらの有機官能基の影響により、水の他にインクも付着し易くなるためのと考えられる。このため、このような有機官能基の影響を抑制し、より親水性を高くするために、付加反応性官能基(R1)の他にOH基を多く固定して親水性を強くすることが好ましい。好ましくは、アルミニウム基板表面への付加反応性官能基の結合において、式(1)で表わされる有機シリコーン化合物(1)〔R1Si(OR2)3〕の他に、下記式(3)で表わされる有機シリコーン化合物を併用し、基板表面に前記式(2)で示される反応サイトを結合すると同時に、下記式(4)で示される親水性サイトを結合することが好ましい。
Si(OR4)4 (3)
式中、−OR4は加水分解可能なアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基又は−OCOCH3基である。なお、R4は併用される有機シリコーン化合物(1)におけるR2と同じであっても異なってもよい。
【0031】
【化4】
Figure 0004146058
【0032】
ここで、式(4)中、R3はアルキル基、水素原子、又は隣接する別のSi原子との結合を表わすが、R3が水素原子であることが親水性の面からは最も好ましい。なお、R3が水素原子以外のもののときは、必要に応じて、表面をアルカリ溶液で洗うことによって、親水性を高めることができる。
【0033】
前記式(1)で表される有機シリコーン化合物(1)と式(3)で表される有機シリコーン化合物(3)との混合比は、支持体の性状によってそれぞれのものの支持体表面への結合(植えつけ)効率が変動するため、一概に好適な範囲を決めることができない。しかし、具体的には、両者の比を種々に変えて支持体処理を行ない、付加反応性官能基R1に基づく光接着性と、式(4)で示される部分構造に由来する親水性とが両立する条件を実験的に確定して使用することになる。
いずれにしても、付加反応性官能基の密度が前記範囲内になるようにすればよい。具体的には、有機シリコーン化合物(1)に対する有機シリコーン化合物(3)の混合モル比は0.05〜200が適当であるが、好ましくは0.2〜100、更に好ましくは1〜40である。またこの範囲内で、有機シリコーン化合物(3)に由来する親水性基の量を多くすればするほど非画像部の親水性が増す。ただし、親水性基の密度が低い場合でも、先にのべたように、形成された塗膜表面をアルカリ溶液で処理するなどの付加反応性官能基を親水化処理することによって親水性基の密度を向上させることができる。
【0034】
アルミニウム基板表面への付加反応性官能基の結合させ、本発明に係る中間層を形成には、大別すると、有機シリコーン化合物をそのまま用いることからなる上述の方法(以下、SC法と呼ぶ)の他に、有機シリコーン化合物を加水分解するとともに重縮合させて得られた−Si−O−Si−結合を含む無機高分子に付加反応性官能基が固定された形の有機無機複合体を用いることからなる方法(以下、SG法と呼ぶ)がある。この有機無機複合体をアルミニウム基板に塗布して乾燥させると、無機高分子部分が基板と密着し、付加反応性官能基はそのまま基板表面上に残る。
【0035】
SC法の場合、アルミニウム基板表面における付加反応性官能基の結合位置は基板表面上の特定の性質をもった位置となりやすく、基板表面上に一様に分布させるのが困難な場合がある。つまり、特定の酸点や塩基点においてのみSi原子との間の共有結合が形成され、付加反応性官能基の分布がアルミニウム基板表面の酸点や塩基点の分布に支配されやすい。従って、光接着強度や非画像部親水性にムラを生じる場合がある。こうした状況の時はSG法に従うのが有利である。
【0036】
細かく見れば、SC法、SG法の他に、両者の方法の中間の態様、例えば式(1)で表される有機シリコーン化合物(1)中の−OR2基の一部もしくは全部が加水分解して2分子又は3分子が結合した形の有機シリコーン化合物を出発原料として用いる処理も可能である。
SG法による付加反応性官能基の結合法に従えば、有機シリコーン化合物(1)を、場合により有機シリコーン化合物(3)と所望の混合比に混合し、液中で、必要により触媒の存在下で、付加反応性官能基R1では反応を起さずに−OR2及び−OR4の部位において加水分解させるとともに重縮合反応を行なわせて、中心のSi原子が−Si−O−Si−結合で連結された無機高分子を含む液状組成物として、これを前記アルミニウム基板表面に塗布し、場合により乾燥させることによって、基板上に付加反応性官能基により結合された中間層を形成する。
SG法を用いると、アルミニウム基板表面上に結合固定される付加反応性官能基の分布が基板表面の酸点や塩基点などの化学的な性質の分布に左右されることが少ない。また、出発原料として有機シリコーン化合物(1)の他に有機シリコーン化合物(3)を併用する場合、上記式(2)で示される付加反応性官能基サイトと上記式(4)で示される親水性サイトとの相対比が有機シリコーン化合物(1)及び化合物(3)の仕込み比でほぼ決められるため、最適表面を得るための処方決定がSC法よりも容易に行えるという利点がある。
【0037】
本発明で使用する上記式(1)で示される有機シリコーン化合物(1)の具体例として、以下のものを挙げることができる。
【0038】
【化5】
Figure 0004146058
【0039】
【化6】
Figure 0004146058
【0040】
【化7】
Figure 0004146058
【0041】
また、式(3)で示される有機シリコーン化合物(3)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラフェノキシシラン、テトラアセトキシシランなどを挙げることができ、中でもテトラエトキシシランが好ましい。
【0042】
アルミニウム基板表面へ中間層を形成するのにSC法を用いる場合、SG法を用いる場合のいずれにおいても、溶媒の種類、基板への施用方法、乾燥方法等は共通であるが、SG法の場合、付加反応性官能基が保持された無機高分子組成物を予め調液しておく必要がある。
以下にその好ましい具体例を示す。有機シリコーン化合物(1)及び有機シリコーン化合物(3)を加水分解とともに重縮合させてSG法に好適な組成物とするのに使用できる溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類である。溶媒の使用量は、使用する有機シリコーン化合物(1)及び(3)の総重量に基づいて、一般に0.2〜500倍、好ましくは0.5〜50倍、更に好ましくは1〜3倍である。使用量が0.2倍より少ないと反応液が経時でゲル化しやすく不安定となり好ましくない。また、500倍より多いと、反応が数日を要するようになり好ましくない。
有機シリコーン化合物を加水分解するために加える水の量は、一般に有機シリコーン化合物1モル当り0.5〜1000モル、好ましくは1〜100モル、更に好ましくは1.5〜10モルである。水の量が有機シリコーン化合物1モル当り、0.5モルより少ない時は、加水分解とそれに続く重縮合反応の進行が非常に遅くなり、安定な表面処理が可能となるまでに数日を要し好ましくない。一方、水の量が有機シリコーン化合物1モル当り1000モルより多くなると、生成した組成物を金属表面に塗設した場合密着不良を起す他、組成物の経時安定性が悪く、すぐにゲル化してしまうことが多いため、塗布作業を安定して行ないにくくなる。
【0043】
SG法に好適な組成物を調液するための反応温度は室温〜100℃程度が常用されるが、以下に述べる触媒の種類によっては室温以下あるいは100℃以上の温度を用いることもできる。溶媒の沸点よりも高い温度で反応させることも可能であり、必要に応じて反応器に還流冷却器を付設するのがよい。必要に応じて使用される触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、リンゴ酸、シュウ酸などの酸、又はアンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基が使用できる。触媒の添加量は、有機シリコーン化合物(1)及び場合により追加される有機シリコーン化合物(3)の合計量を基準として、有機シリコーン化合物1モル当り0.001〜1モル、好ましくは0.002〜0.7モル、更に好ましくは0.003〜0.4モルである。触媒添加量を1モルより多くしても、その添加効果に比べて経済的に特に利益があるわけではない。
【0044】
酢酸、リンゴ酸等の弱酸を触媒として使用する時は、反応温度を40℃〜100℃の範囲とするのが有利であるが、硫酸、硝酸等の強酸を触媒として使用する時は10℃〜60℃の範囲がよい。リン酸を触媒として用いる場合は10℃〜90℃で反応を行なわせることができる。SG法に用いる組成物の調液工程、及びこれをアルミニウム基板に塗布し乾燥する工程で、多くの場合熱が加えられるが、揮発性の酸を触媒として使用すると、周囲の装置に揮発して付着し、これを腐食させる場合がある。主として鉄を素材として用いる工程で本方法を使用する場合は、不揮発性の硫酸及び/又はリン酸を触媒として用いるのが好ましい。
【0045】
以上述べたように、式(1)及び(3)で表わされる有機シリコーン化合物と、有機溶媒、水、及び場合により触媒からなる組成物を、適当な反応温度、反応時間、及び場合により適当な攪拌条件を選んで反応させると、加水分解とともに重縮合反応が起りSi−O−Si結合を含む高分子又はコロイド状高分子が生成し、液状組成物の粘度が上昇し、ゾル化する。
有機シリコーン化合物(1)及び有機シリコーン化合物(3)の両方使用してゾル液を調製する場合、両方の有機シリコーン化合物を反応の最初から反応容器内に装荷してもよく、あるいは一方のみで加水分解と重縮合反応をある程度進めた後に他方の有機シリコーン化合物を加え、反応を終了させてもよい。
SG法で用いる上記ゾル液は、室温で放置すると重縮合反応が引き続き進行しゲル化することがある。従って、一度上記の方法で調液したゾル液を、アルミニウム基板への塗布時に希釈のために使用する予定の溶媒で予じめ希釈して、ゾル液のゲル化を防止ないし遅延させる方法をとることもできる。
【0046】
SC法及びSG法のいずれにおいても、支持体上に目的量の有機シリコーン化合物もしくは付加反応性官能基を結合するために、また支持体上での有機シリコーン化合物もしくは付加反応性官能基の分布ムラが無いようにするために、これらの処理液を支持体に塗布する前に溶媒を加えて濃度調整を行なうことが好ましい。この目的に使用する溶媒としてはアルコール類、殊にメタノールが好適であるが、他の溶剤、有機化合物、無機添加剤、界面活性剤などを加えることもできる。他の溶剤の例としては、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、アセチルアセトン、エチレングリコール等を挙げることができる。添加することのできる有機化合物の例としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。無機添加剤の例としては、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナなどを挙げることができる。エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等の高沸点溶剤は、支持体に塗布する濃度にまで希釈された液の安定性を高め、支持体に結合された付加反応性官能基の反応再現性を保証する働きがある。ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂等の有機化合物も同様の効果を有するが、得られる支持体の表面の親水性を低下させる副作用があり、添加量を細かく調整する必要がある。
【0047】
SG法に好適なゾル液もしくは液状組成物は、アルミニウム基板表面に塗設後、風乾ないし加熱乾燥させると、Si−O−Si結合からなる無機高分子がゲル化すると同時に基板表面と共有結合する。乾燥は溶媒、残留水及び場合により触媒を揮散させるために行なうものであるが、処理後の基板の使用目的によっては工程を省くこともできる。SC法においても、この乾燥工程は溶媒、残留水等の揮散という意味の他に、有機シリコーン化合物とアルミニウム基板との密着を確実にするという意味を有する。従って、目的によっては、乾燥終了後にも更に温度をかけ、加熱を継続してもよい。
乾燥及び場合により継続されるその後の加熱における最高温度は付加反応性官能基R1が分解しない範囲にあることが好ましい。従って、使用できる乾燥温度条件は室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃、更に好ましくは室温〜120℃である。乾燥時間は一般に30秒〜30分間、好ましくは45秒〜10分間、更に好ましくは1分〜3分間である。
本発明において用いられる液状組成物(有機シリコーン化合物もしくはその溶液又はゾル液)の施工方法は、ハケ塗り、浸漬塗布、アトマイジング、スピンコーティング、ドクターブレード塗布等、各種のものも使用することができ、アルミニウム基板表面の形状や必要とする処理膜厚等を勘案して決められる。
【0048】
上記の如くアルミニウム基板上に、陽極酸化皮膜及びシリケート皮膜を設け、更に中間層を形成してなる支持体上に、後述する感光層を形成することで、本発明の画像形成材料が得られるが、感光層を塗設する前に中間層上に、有機下塗層を設けることもできる。
この有機下塗層に用いられる有機化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれるが、二種以上混合して用いてもよい。
【0049】
このような有機下塗層は、次のような方法で設けることが出来る。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム基板を浸漬して上記有機化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。
前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。
【0050】
以上のようにして、所定の処理を行って得られた支持体上に、先に述べた中間層、下記に詳述する感光層、さらには、所望により、表面保護層、バックコート層等の他の任意の層を形成することで、本発明のネガ型画像形成材料を得ることができる。
【0051】
本発明の画像形成材料に設けられる感光層は、(A)赤外線吸収剤と、(B)ラジカル発生剤と、(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーを含み、赤外線レーザで記録可能であることを特徴とするものである。
また、この感光層の上部には、酸素による(C)ラジカル重合性化合物の重合阻害を防止し、感光層を保護するためのオーバーコート層をもうけることが好ましい。
【0052】
ここで、このネガ型画像形成材料の感光層について説明する。
このような画像形成材料では赤外線レーザによる画像様露光により、露光部の(A)赤外線吸収剤が光熱変換し、発生した熱により(B)ラジカル発生剤が分解してラジカルが発生し、このラジカルにより(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーとを含む感光層が硬化して画像部を形成し、さらに、前記中間層と感光層中のラジカル重合性化合物とが強固に結合する。その後、後述するアルカリ性現像液により現像することで、硬化していない未露光の感光層及び中間層が除去され、親水性のシリケート皮膜が露出し、非画像部を形成するものである。
【0053】
感光層の各構成成分につき、順次説明する。
[(A)赤外線吸収剤]
本発明の目的は、赤外線を発するレーザで画像記録することである。このためには、赤外線吸収剤を用いることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱により、ラジカル発生剤が分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料である。
【0054】
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
【0055】
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0056】
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
【0057】
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0058】
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シアニン色素が好ましく、特に下記一般式(I)で示されるシアニン色素が最も好ましい。
【0059】
【化8】
Figure 0004146058
【0060】
一般式(I)中、X1は、ハロゲン原子、またはX2−L1を示す。ここで、X2は酸素原子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R1およびR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。
【0061】
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7およびR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z1-は、対アニオンを示す。ただし、R1〜R8のいずれかにスルホ基が置換されている場合は、Z1-は必要ない。好ましいZ1-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
【0062】
本発明において、好適に用いることのできる一般式(I)で示されるシアニン色素の具体例としては、特願平11−310623号明細書の段落番号[0017]〜[0019]に記載されたものを挙げることができる。
【0063】
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0064】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0065】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0066】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の画像感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像感光層の均一性の点で好ましくない。
【0067】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0068】
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型画像形成材料を作成した際に、感光層の波長760nm〜1200nmの範囲における吸収極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあることが好ましい。この範囲をはずれた場合、感度が低くなる傾向がある。光学濃度は前記赤外線吸収剤の添加量と記録層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の光学濃度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
【0069】
[(B)ラジカル発生剤]
本発明において用いられるラジカル発生剤は、(A)赤外線吸収剤と組み合わせて用い、赤外線レーザを照射した際にラジカルを発生する化合物を指す。ラジカル発生剤としては、オニウム塩、トリハロメチル基を有するトリアジン化合物、過酸化物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、キノンジアジドなどが挙げられるが、オニウム塩が高感度であり、好ましい。
本発明においてラジカル重合開始剤として好適に用い得るオニウム塩について説明する。好ましいオニウム塩としては、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、ラジカル重合の開始剤として機能する。本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(III)〜(V)で表されるオニウム塩である。
【0070】
【化9】
Figure 0004146058
【0071】
式(III)中、Ar11とAr12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
【0072】
式(IV)中、Ar21は、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキシ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z21-はZ11-と同義の対イオンを表す。
【0073】
式(V)中、R31、R32及びR33は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオンを表す。
【0074】
本発明において、ラジカル発生剤として好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、特願平11−310623号明細書の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものを挙げることができる。
【0075】
本発明において用いられるラジカル発生剤は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましく、さらに360nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、画像形成材料の取り扱いを白灯下で実施することができる。
【0076】
これらのラジカル発生剤は、感光層塗布液の全固形分に対し0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%の割合で感光層塗布液中に添加することができる。添加量が0.1重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生する。これらのラジカル発生剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、これらのラジカル発生剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
【0077】
[(C)ラジカル重合性化合物]
本発明に使用されるラジカル重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
【0078】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物であるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステルの具体例は、特願平11−310623号明細書の段落番号[0037]〜[0042]に記載されており、これらを本発明にも適用することができる。
【0079】
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
【0080】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
【0081】
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
【0082】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(VI)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0083】
一般式(VI)
CH2=C(R41)COOCH2CH(R42)OH
(ただし、R41およびR42は、HまたはCH3を示す。)
【0084】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
【0085】
さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有するラジカル重合性化合物類を用いても良い。
【0086】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0087】
これらのラジカル重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な記録材料の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基を有する化合物(例えば、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物等)を組み合わせて用いることで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感度や膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。また、感光層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、ラジカル重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上化合物の併用によって、相溶性を向上させうることがある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。画像記録層中のラジカル重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、画像記録層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、記録層成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、ラジカル重合性化合物の好ましい配合比は、多くの場合、組成物全成分に対して5〜80重量%、好ましくは20〜75重量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、ラジカル重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
【0088】
[(D)バインダーポリマー]
本発明においては、さらにバインダーポリマーを使用する。バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、感光層を形成するための皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
【0089】
特にこれらの中で、ベンジル基またはアリル基と、カルボキシル基を側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
【0090】
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
【0091】
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0092】
本発明で使用されるポリマーの重量平均分子量については好ましくは5000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1000以上であり、さらに好ましくは2000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。
【0093】
これらのポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。
【0094】
本発明で使用されるポリマーは従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が使用できる。
【0095】
本発明で使用されるバインダーポリマーは単独で用いても混合して用いてもよい。これらポリマーは、感光層塗布液の全固形分に対し20〜95重量%、好ましくは30〜90重量%の割合で感光層中に添加される。添加量が20重量%未満の場合は、画像形成した際、画像部の強度が不足する。また添加量が95重量%を越える場合は、画像形成されない。またラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機ポリマーは、重量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。
【0096】
[感光層のその他の成分]
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることができる。
【0097】
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、感光層塗布液全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合である。
【0098】
また、本発明においては、感光層塗布液の調製中あるいは保存中においてラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.1重量%〜約10重量%が好ましい。
【0099】
また、本発明における感光層塗布液中には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号や特開平3−208514号に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、特開平4−13149号に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
【0100】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0101】
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の感光層塗布液中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0102】
さらに、本発明に係る感光層塗布液中には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0103】
本発明に係る画像形成材料を製造するには、通常、感光層塗布液に必要な上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布し、その後、所望により後述するオーバーコート層塗布液を塗布すればよい。
感光層塗布液に使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独又は混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。
【0104】
また塗布、乾燥後に得られる感光層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、画像形成材料についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす感光層の皮膜特性は低下する。
【0105】
本発明に係る感光層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感光層の材料固形分中0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0106】
本発明のネガ型画像記録材料においては、照射された赤外線レーザー等のエネルギーが(A)赤外線吸収剤によって熱に変換され、(B)ラジカル発生剤がその熱によりラジカルを発生する。このラジカルの働きにより(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーとが、重合、硬化反応を促進することにより画像記録即ち記録材料の製版が行われるものである。しかし、空気中には感光層中で露光の際に発生したラジカルをトラップし、重合反応を阻害する水、塩基、酸、酸素などの化合物が浮遊している。これらの浮遊物が熱による上記重合反応を阻害するため、本発明の方法を適用するネガ型画像形成材料には、オーバーコート層を設けることが好ましい。
【0107】
[オーバーコート層]
本発明に係るオーバーコート層は活性光線、即ち、画像露光に使用する光線に対して透明であり、隣接する感光層とある程度の接着性を有するものであれば特に制限はなく、公知のものを選択して使用することができる。
このようなオーバーコート層は、感光層中の化合物及び、活性光線の露光により生じた化合物への外気からの影響を阻害するために設ける。そのため、空気中に存在する低分子化合物や感光層中で発生する低分子化合物の透過性が低いものであることが好ましい。すなわち、オーバーコート層は、感光層中で露光の際に発生した化合物をトラップするような物質や、感光層で生じる反応を阻害する空気中に存在する水、塩基、酸や酸素などの化合物の感光層中への混入を防止でき、かつ非画像部のオーバーコート層が現像前または現像時に除去が可能で有れば何でも良い。すなわち、ガス透過性の低いフイルムもしくは、膜を形成するものが好ましい。
【0108】
オーバーコート層を形成する化合物としては、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリサルホン、アセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、セロハン、アクリル樹脂、ゼラチン、アラビアゴムなどが挙げられる。これらは単独または、併用して用いても良い。より好ましくは、現像時の除去性および塗設のし易さから、水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール、水溶性アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴムなどが挙げれらる。さらにより好ましくは、水を溶媒にして塗布可能で、かつ水系現像液で除去が可能な、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴムがよく、これらの除去性を向上させるため、これらの水溶性ポリマーに、アミンなどの部分構造を有する含窒素水溶性ポリマー、スルホン酸等の酸基を有する水溶性ポリマーなどを併用してもよい。
【0109】
本発明のオーバーコート層に用いるポリビニルアルコールは、必要な水溶性を有する実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有してさえいれば、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を含有しても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100%加水分解され、重合度が300〜2400の範囲のものがあげられる。具体的には株式会社クラレ(株)製、(商品名)PVA−105、PvA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。上記の共重合体としては、88〜100%加水分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピオネート、ポリビエルホルマールおよびポリビエルアセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有用な重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアラビアゴムが挙げられ、これらは単独または、併用して用いても良い。
【0110】
オーバーコート層を塗布する際用いる溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布溶液中の固形分の濃度は1〜20重量%が適当である。
【0111】
また、オーバーコート層にはさらに塗布性を向上させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑剤としてはたとえばプロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加しても良い。
【0112】
その被覆量は乾燥後の重量で約0.1/m2〜約15/m2の範囲が適当である。より好ましくは1.0/m2〜約5.0/m2である。
【0113】
本発明の方法では、この画像形成材料に、赤外線レーザで画像記録を行う。また、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。本発明においては、波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光されることが好ましい。レーザの出力は100mW以上が好ましく、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用いることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好ましい。記録材料に照射されるエネルギーは10〜300mJ/cm2であることが好ましい。
【0114】
この画像形成材料は赤外線レーザにより露光した後、現像液にて現像され、平版印刷版が得られる。
【0115】
本発明の画像形成方法に用いる現像液および補充液のベースとしては、従来から知られているアルカリ水溶液が使用できるが、感光層の傷の発生抑制効果の観点から、pHが7〜12の範囲にある弱アルカリ性水溶液を用い、pH8〜10程度の弱アルカリ性水溶液が好ましい。従来の汎用の現像液pHは12.5〜13.5であるが、本発明の方法によれば、未露光部には影響を与えることなく画像部の硬化のみが促進されるため、現像液として弱アルカリ性水溶液を用いても残膜の発生などの懸念がなく、画像部の耐刷性を損なわずに、良好な現像を行い得るという利点も有する。
【0116】
現像液には、ケイ酸アルカリを用い、二酸化ケイ素を含有する、所謂、「シリケート現像液」と、非還元糖と塩基、又は、界面活性剤と塩基、からなり、実質上、二酸化ケイ素を含有しない「非シリケート現像液」がある。なお、ここで「実質上」とは不可避の不純物及び副生成物としての微量の二酸化ケイ素の存在を許容することを意味する。
本発明の画像形成材料の現像工程においては、前記現像液のいずれも適用することができるが、傷の発生抑制効果の観点からは、非シリケート現像液を用いることが好ましい。
【0117】
まず、「シリケート現像液」について述べる。前記ケイ酸アルカリとしては、水に溶解したときにアルカリ性を示すものであり、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、ケイ酸アンモニウム等が挙げられる。
前記ケイ酸アルカリは、1種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
前記アルカリ水溶液は、ケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ酸化物M2O(Mは、アルカリ金属又はアンモニウム基を表す。)との混合比率、及び濃度の調整により、現像性を容易に調節することができ、例えば、特開昭54−62004号公報、特公昭57−7427号公報に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
前記アルカリ水溶液の中でも、前記酸化ケイ素SiO2とアルカリ酸化物M2Oとの混合比率(SiO2/M2O:モル比)が0.5〜3.0のものが好ましく、1.0〜2.0のものがより好ましい。
前記SiO2/M2Oが、0.5未満であると、アルカリ強度が強くなっていくため、平版印刷用原版の支持体として汎用のアルミニウム板等をエッチングしてしまうといった弊害を生ずることがあり、3.0を超えると、現像性が低下することがある。
【0118】
また、現像液中のケイ酸アルカリの濃度としては、アルカリ水溶液の重量に対して1〜10重量%が好ましく、3〜8重量%がより好ましく、4〜7重量%が最も好ましい。
前記濃度が、1重量%未満であると、現像性、処理能力が低下することがあり、10重量%を超えると、沈殿や結晶を生成しやすくなり、さらに廃液時の中和の際にゲル化しやすくなり、廃液処理に支障をきたすことがある。
【0119】
次に、「非シリケート現像液」について説明する。本発明の方法に好適な非シリケート現像液は、前記したように、非還元糖と塩基とからなるものであり、ここで、非還元糖とは、遊離性のアルデヒド基やケトン基を持たないために、還元性を有しない糖類を意味し、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体、糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類される。本発明においては、これらのいずれも好適に用いることができる。
【0120】
前記トレハロース型少糖類としては、例えば、サッカロースやトレハロースが挙げられ、前記配糖体としては、例えば、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体等が挙げられる。
前記糖アルコールとしては、例えば、D,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−アンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、アロズルシット等が挙げられる。
さらには、二糖類の水素添加で得られるマルチトール、オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)等も好適に挙げることができる。
【0121】
上記のうち、非還元糖としては、糖アルコール、サッカロースが好ましく、中でも特に、D−ソルビット、サッカロース、還元水あめが、適度なpH領域に緩衝作用がある点でより好ましい。
これらの非還元糖は、単独でも、二種以上を組合せてもよく、現像液中に占める割合としては、0.1〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。
【0122】
上記のうち、非還元糖としては、糖アルコール、サッカロースが好ましく、中でも特に、D−ソルビット、サッカロース、還元水あめが、適度なpH領域に緩衝作用がある点でより好ましい。
これらの非還元糖は、単独でも、二種以上を組合せてもよく、現像液中に占める割合としては、0.1〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。
【0123】
前記ケイ酸アルカリ若しくは非還元糖には、塩基としてアルカリ剤を、従来公知のものの中から適宜選択して組合せることができる。
前記アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム等の無機アルカリ剤、クエン酸カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
さらに、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルァミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソブロパノールアミシ、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も好適に挙げることができる。
これらのアルカリ剤は、単独で用いても、二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0124】
なかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。その理由は、非還元糖に対する添加量を調整することにより、広いpH領域においてpH調整が可能となるためである。
また、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等もそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。
【0125】
本発明において好適に用いることができる非シリケート現像液としては、さらに、界面活性剤と塩基よりなるpH7〜12の弱アルカリ性水溶液を挙げることができる。
この現像液に用い得る好ましい界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホこはく酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホこはく酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルりん酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類りん酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルりん酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン性界面活性剤、
【0126】
アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤があげられる。
なお、以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0127】
また、好ましい塩基としては、炭酸塩、炭酸水素塩、又はアミン類を挙げることができうる。好適な炭酸塩、炭酸水素塩としては、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩、アルカリ土類金属の炭酸塩及び炭酸水素塩、アンモニウムの炭酸塩及び炭酸水素塩等が挙げられる。特に好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等である。これらの炭酸塩及び炭酸水素塩は、無水物を用いてもよいし、水和物を用いてもよい。また、2種以上の炭酸塩及び炭酸水素塩を混合して用いることができる。
また、好ましいアミン類としては、前述したアミン類を挙げることができる。
【0128】
本発明の方法に用いる現像液には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の添加剤を併用することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、有機カルボン酸、ベンジルアルコール等の有機溶剤、消泡剤、硬水軟化剤等が挙げられる。
【0129】
自動現像機を用いて現像する場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量の平版印刷版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用されるが、補充液に用いる水溶液のpHも7〜12の範囲であることが好ましい。
【0130】
以上記述した現像液及び補充液を用いて現像処理された画像形成材料は、所望により水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理されたのち、平版印刷版として使用される。
【0131】
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液槽とスプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。また、電気伝導度をセンサーにて感知し、自動的に補充することもできる。
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0132】
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
【0133】
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
【0134】
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗布した後でスキージ又はスキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥重量)が適当である。
【0135】
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0136】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
【0137】
上述した画像形成材料を露光、現像して得られる平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0138】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
[支持体の作成]
厚さ0.30mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後、20%HNO3で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ0.45μ(Ra表示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、20%H2SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸化したところ厚さが2.7g/m2であった。更に3号ケイ酸ソーダ(SiO2=28〜30%、Na2O=9〜10%、Fe=0.02%以下)の2.5重量%、pH=11.2、70℃の水溶液に種々の時間浸漬し、続いて水洗、乾燥させ、シリケート処理した基板を得た。
【0139】
[中間層の形成]
次に下記の手順によりSG法の液状組成物(ゾル液)を調整した。ビーカーに下記組成物を秤量し、25℃で20分間攪拌した。
Si(OC25)4 38g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 13g
85%リン酸水溶液 12g
イオン交換水 15g
メタノール 100g
【0140】
前記溶液を三口フラスコに移し、還流冷却器を取り付け三口フラスコを室温のオイルバスに浸した。三口フラスコの内容物をマグネティックスターラーで攪拌しながら、30分間で50℃まで上昇させた。浴温を50℃に保ったまま、更に1時間反応させ液組成物(ゾル液)を得た。このゾル液をメタノール/エチレングリコール=20/1(重量比)で0.5重量%になるように希釈して上記シリケート処理した基板にホイラー塗布し、100℃1分乾燥させた。その時の塗布量は4mg/m2であった。この塗布量もケイ光X線分析法によりSi元素量を求め、それを塗布量とした。
【0141】
[感光層]
次に、下記感光層塗布液[P]を調整し、上記中間層を形成し、下塗り済みのアルミニウム板にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して感光層を形成し、ネガ型平版印刷版原版[P−1]を得て実施例1とした。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であった。
【0142】
<感光層塗布液[P]>
・赤外線吸収剤[IR−6] 0.08g
・オニウム塩[OI−6] 0.30g
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.00g
・アリルメタクリレートとメタクリル酸の
モル比80:20の共重合体
(重量平均分子量12万) 1.00g
・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩 0.04g
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・メタノール 10.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g
【0143】
【化10】
Figure 0004146058
【0144】
(比較例1)
上記実施例1において、中間層を設けなかった他は、実施例1と同様にして、シリケート処理した支持体上に直接感光層を形成し、ネガ型平版印刷版原版[P−2]を得て比較例1とした。
【0145】
[露光]
得られたネガ型平版印刷版原版[P−1]及び[P−2]を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載したCreo社製Trendsetter3244VFSにて、版面エネルギーを20〜200mJ/cm2の範囲で条件を変えながら露光した。
【0146】
[現像処理]
露光後、富士写真フイルム(株)製自動現像機スタブロン900Nを用い現像処理した。現像液は、仕込み液、補充液ともに下記処方の現像液[1](25℃におけるpH9.9)を用いた。現像浴の温度は30℃とした。また、フィニッシャーは、富士写真フイルム(株)製FN−6の1:1水希釈液を用いた。なお、以下に示す現像液のpHはいずれも25℃で測定した結果を示す。
【0147】
<現像液[1]>
・炭酸ナトリウムの1水和物 10g
・炭酸水素カリウム 10g
・イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 15g
・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム 15g
・エチレングリコールモノナフチルエーテル
モノスルフェートのナトリウム塩 10g
・亜硫酸ナトリウム 1g
・エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム 0.1g
・イオン交換水 938.9g
【0148】
[感度の評価]
前記露光条件において、画像が形成される最低版面エネルギーを感度とした。実施例1のネガ型平版印刷版[P−1]では版面エネルギー50mJ/cm2で画像形成したが、比較例1の平版印刷版[P−2]では画像を形成するのに80mJ/cm2を必要とした。これにより、実施例1は比較例1よりも感度が向上していることが確認された。これは、実施例1には断熱層としての機能を有する中間層が形成されているため、露光により発生した熱が感光層の硬化反応に効率よく使用されたためと考えられる。
【0149】
[耐刷性、耐薬品性、汚れの評価]
次に平版印刷版[P−1]及び[P−2]を版面エネルギー100mJ/cm2の条件で露光し、上記現像液で現像して印刷版を作成した。得られた印刷版を用いて、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて印刷した。インキとしては、大日本インキ社製ジオスG(N)を使用した。プレートクリーナーとしては、酸性のPSマルチクリーナー(富士写真フイルム(株)製)を用いた。印刷スタートから5000枚目にマルチクリーナーを印刷用スポンジにしみこませ、網点部をふき版面のインキを洗浄した。その後5000枚毎に50000枚目まで同様にマルチクリーナーで版面のインキを洗浄した。5000枚毎に印刷物を抜き取り、マルチクリーナーで版面を洗浄した網点と洗浄しない網点を評価した。また、印刷物を目視で観察し、画像部、非画像部の汚れについて評価した。
【0150】
その結果、実施例1では5万枚の良好な印刷物が得られたが、比較例1の場合は、2万枚にとどまった。また、得られた印刷物の非画像部に汚れの発生は認められなかった。
中間層を形成しなかった比較例1は、マルチプレートクリーナーで洗浄するとハイライトの網点が早く飛んでいる事が判明したが、実施例1では、網点のとびは観察されなかった。
このことから、中間層の形成により、感光層の密着性が向上するため、酸性のプレートクリーナーに対する耐薬品性が向上し、網点や細線のとびやかすれがなく、また、耐刷性が向上することが判った。
【0151】
【発明の効果】
本発明によれば、赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接記録可能であり、画像形成性及び耐刷性に優れた平版印刷版に好適な画像形成材料を提供することができる。

Claims (6)

  1. アルミニウム支持体上に、シリケート皮膜、ラジカルによる付加反応を起こし得る官能基を有するシリコーン化合物を含む中間層、および(A)赤外線吸収剤と、(B)ラジカル発生剤と、(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーを含む感光層を、順次設けてなる画像形成材料を、pH7〜12の現像液で現像することを特徴とするネガ型平版印刷版の作製方法。
  2. pH8〜10の現像液で現像することを特徴とする請求項1に記載のネガ型平版印刷版の作製方法。
  3. 塩基を含有する現像液で現像することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のネガ型平版印刷版の作製方法。
  4. 前記塩基が、炭酸塩、炭酸水素塩およびアミン類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載のネガ型平版印刷版の作製方法。
  5. 前記塩基が、炭酸塩および炭酸水素塩であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のネガ型平版印刷版の作製方法。
  6. 前記(B)ラジカル発生剤が、オニウム塩であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版の作製方法。
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