JP4145817B2 - 差動制限機構付き差動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディファレンシャルケースに入力される原動機の駆動力を二つの出力軸に配分して出力する差動機構と、二つの出力軸間の差回転を制限する摩擦クラッチとを備えた差動制限機構付き差動装置に関し、特に摩擦クラッチを締結する締結力を発生させるアクチュエータを、出力軸の軸線上であって、かつディファレンシャルケースの外部に設けたものに関する。
自動車の左右の車輪に駆動力を配分する差動機構の機能を制限すべく、ディファレンシャルケース内に設けた差動制限用の摩擦クラッチを締結するアクチュエータを該ディファレンシャルケースから外部に延びるハーフシャフト上に配置し、アクチュエータが発生する締結力でハーフシャフトを軸方向に移動させて摩擦クラッチを締結する差動制限機構付き差動装置が、本出願人の出願に係る特願2002−275128号により既に提案されている。この差動制限機構付き差動装置によれば、アクチュエータをディファレンシャルケースに対して外付けできるので、既存の差動機構に施す設計変更を少なくしてコストの削減に寄与することができる。
しかしながら、上記特願2002−275128号で提案されたものは、ハーフシャフトに、内燃機関の駆動力を駆動輪に伝達する機能と、アクチュエータが発生する締結力を摩擦クラッチに伝達する機能とを併せ持たせているので、次のような問題があった。
即ち、内燃機関の駆動力が駆動輪に伝達されているときに、アクチュエータでハーフシャフトを軸方向に移動させて摩擦クラッチを締結しようとすると、内燃機関の駆動力によって差動機構のサイドギヤとハーフシャフトとのスプライン結合部に大きな荷重が作用しているため、その荷重による摩擦力でアクチュエータが発生する締結力が減じられてしまい、大型で高出力のアクチュエータが必要になるという問題があった。また前記摩擦力は内燃機関の駆動力の大きさに応じて変化するため、アクチュエータから摩擦クラッチに伝達される締結力が変化してしまい、摩擦クラッチの締結により差動機構に発生する差動制限トルクの大きさが不安定になる問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ディファレンシャルケースの外部に配置したアクチュエータが発生する締結力で、ディファレンシャルケースの内部に配置した差動機構の摩擦クラッチを安定して締結できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ディファレンシャルケースに入力される原動機の駆動力を二つの出力軸に配分して出力する差動機構と、二つの出力軸間の差回転を制限する摩擦クラッチとを備えた差動制限機構付き差動装置であって、摩擦クラッチを締結する締結力を発生させるアクチュエータを、出力軸の軸線上であって、かつディファレンシャルケースの外部に設け出力軸の外周にアクチュエータからディファレンシャルケースの内部に延びる中空軸を設け、この中空軸を介してアクチュエータが発生した締結力を摩擦クラッチに伝達するものにおいて、中空軸に、ディファレンシャルケース内で拡径させた拡径部を設け、この拡径部を貫通して差動機構のサイドギヤ側へ延出する延出部をディファレンシャルケースに形成し、この延出部でサイドギヤのスラスト力を支持することを特徴とする差動制限機構付き差動装置が提案される。
尚、実施例のハーフシャフト11および左車軸13は本発明の出力軸に対応し、実施例の第1〜第3中空軸47〜49は本発明の中空軸に対応し、実施例の内燃機関Eは本発明の原動機に対応する。
請求項1の構成によれば、ディファレンシャルケースの内部に設けられた差動機構の摩擦クラッチに、ディファレンシャルケースの外部に設けられたアクチュエータが発生する締結力を、出力軸の外周に設けられて内燃機関の駆動力を伝達しない中空軸を介して伝達するので、アクチュエータの締結力を前記駆動力により発生する摩擦力で減じることなく摩擦クラッチに伝達し、摩擦クラッチを安定良く締結することができる。
また特に中空軸に、ディファレンシャルケース内で拡径させた拡径部を設け、ディファレンシャルケースからサイドギヤ側に延出する延出部が、前記拡径部を貫通してサイドギヤのスラスト力を支持するので、サイドギヤのスラスト力が中空軸に伝達されてアクチュエータが発生する摩擦クラッチの締結力が相殺されてしまうのを防止し、アクチュエータが発生する締結力で摩擦クラッチを精度良く締結することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は自動車用内燃機関の後面図、図2は差動機構およびアクチュエータの拡大断面図、図3は差動機構の構造を示す図2の3部拡大図、図4はアクチュエータの構造を示す図3の4部拡大図、図5は摩擦クラッチの構造を示す図3の5部拡大図、図6は図3の6−6線断面図、図7は図3の7−7線断面図、図8は図4の8−8線断面図である。
図1に示すように、フロントエンジン・フロントドライブの自動車の車体前部に横置きに搭載された内燃機関Eは、その左側面に変速機Tが一体に結合され、変速機Tの後面に差動機構Dが設けられる。車体中心線から左方向にずれて配置された差動機構Dから右方向にハーフシャフト11(インターミディエイトシャフト)が延びており、ハーフシャフト11に右駆動輪(図示せず)を駆動する右車軸12が接続され、また差動機構Dから左方向に延びる左車軸13を介して左駆動輪(図示せず)が駆動される。ハーフシャフト11の右端はエンジンブロック22に固定したステー10に支持される。
図2を併せて参照すると明らかなように、差動機構Dを収納するハウジング14は、変速機Tのケーシングと一体に形成されたハウジング本体15と、ハウジング本体15の左端開口部を覆うように複数本のボルト16…で固定されたカバープレート17とを備える。差動機構Dの右側に離間して取り付けられたアクチュエータAは、差動機構Dのハウジング本体15の右端開口部に嵌合するアクチュエータケース18と、アクチュエータケース18の右端開口部を覆うように複数本のボルト19…で固定されたアクチュエータカバー20とを備えており、アクチュエータケース18を貫通する複数本のボルト21…でエンジンブロック22に固定される。差動機構DおよびアクチュエータAは差動装置を構成する。
ハウジング14の内部に収納された差動機構Dは、ハウジング本体15にローラベアリング23で支持された右側の第1ケース24と、カバープレート17にローラベアリング25で支持された左側の第2ケース26とを複数本のボルト27…で結合したディファレンシャルケース28を備えており、第1ケース24の外周に変速機Tにより駆動されるアクスルドライブギヤ29が複数本のボルト30で固定される。
次に、図3および図5〜図7を参照して差動機構Dの構造を説明する。
ハウジング14内に収納される差動機構Dは、十字状に交差するように一体化された4本のピニオンシャフト31…を備える。円形断面を有するピニオンシャフト31…は端部に面取31a…が形成されており、その面取31a…が第1ケース24の内周面に形成された4本の支持溝24a…に嵌合する。4本のピニオンシャフト31…には4個のピニオン32…が回転自在に支持される。ピニオン32…と第1ケース24の内周面との間にスペーサ33…が配置されており、これらのスペーサ33…によってピニオン32…の径方向の位置が規制される。
第1ケース24の内部に挿入されたハーフシャフト11の外周は、右側のサイドギヤ34Rにスプライン結合されてスナップリング35で抜け止めされる。また第2ケース26を貫通して第1ケース24の内部に挿入された左車軸13の右端は、クラッチインナー37にスプライン結合されてスナップリング38で抜け止めされる。クラッチインナー37の右側面に側のサイドギヤ34が一体に形成される。左右のサイドギヤ34L,34Rは4個のピニオン32…に噛み合っている。
クラッチインナー37の外周に対向するように第1ケース24の内周にクラッチアウター40が一体に形成されており、クラッチアウター40の内周面に複数枚(実施例では5枚)のクラッチプレート41…の外周部がスプライン嵌合するとともに、クラッチインナー37の外周面に複数枚(実施例では6枚)のクラッチディスク42…の内周部がスプライン嵌合する。クラッチディスク42…の両面に貼り付けた摩擦材43…がクラッチプレート41…に接触するように、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…は交互に配置される。
クラッチアウター40の内周面にプレッシャプレート44の外周部がスプライン嵌合し、このプレッシャプレート44の左側面は最右端に位置するクラッチディスク42の右側面に当接可能に対向する。プレッシャプレート44の右側面に対向する第1ケース24の内面に、径方向に延びる複数個(実施例では4個)の梃子レバー収納凹部24bが形成されており、各々の梃子レバー収納凹部24bの径方向外端に梃子レバー45の径方向外端の支点45aが揺動自在に係合する。
アクチュエータケース18の内部において、ハーフシャフト11の外周にニードルベアリング46(図1参照)を介して第1中空軸47が相対回転自在かつ軸方向移動自在に嵌合する。第1ケース24の内部において、第1中空軸47の左端に第2中空軸48の右端が相対回転不能に凹凸係合し、更に第2中空軸48の左端に第3中空軸49の右端が相対回転不能に凹凸係合する。第2中空軸48の左端側に第1ケース24の内周面に沿うように拡径した拡径部48aが形成されており、第3中空軸49の直径は拡径部48aの最大直径に一致している。
第2中空軸48の拡径部48aに複数個(実施例では6個)の貫通孔48bが形成されており、第1ケース24の内面から突出する4個の延出部24c…が貫通孔48bを緩く貫通して拡径部48aの内側に突出する。各々の延出部24cの先端は摩擦ワッシャ50を介して右側のサイドギヤ34Rの背面に当接する。尚、左側のサイドギヤ34Lの背面、つまりクラッチインナー37の左側面は、摩擦ワッシャ51を介して第2ケース26の内面に当接する。
第3中空軸49には、その左端側に開口するU字状の切欠49a…が90°間隔で4個形成されている。これらの切欠49a…によって4本のピニオンシャフト31…と、その外周に嵌合するスペーサ33…との干渉を回避しながら、第3中空軸49は軸方向に移動することができる。そして第3中空軸49の左端に、梃子レバー45の径方向内端に設けられた力点45bを押圧する押圧部49bが形成される。そして梃子レバー45の中間部に、プレッシャプレート44の右側面に当接する作用点45cが設けられる。
このようにして、クラッチインナー37、クラッチアウター40、クラッチプレート41…、クラッチディスク42…、プレッシャプレート44および梃子レバー45…により、左車軸13をディファレンシャルケース28に締結するための摩擦クラッチ52が構成される。
次に、図2、図4および図8に基づいて、第1〜第3中空軸47,48,49を介して摩擦クラッチ52を締結するアクチュエータAの構造を説明する。
アクチュエータケース18およびアクチュエータカバー20の内部に延びる第1中空軸47の右端に第1フランジ部材61が摺動自在に嵌合しており、第1中空軸47にクリップ62で係止したスプリングシート63と第1フランジ部材61の背面との間にコイルスプリング64が圧縮状態で配置される。第1フランジ部材61の右側のハーフシャフト11上に第2フランジ部材65が摺動自在に嵌合しており、第2フランジ部材65の背面とアクチュエータカバー20の内面との間にロードセル66が設けられる。
第1フランジ部材61および第2フランジ部材65の間のハーフシャフト11上に、第1カムプレート67および第2カムプレート68がそれぞれニードルベアリング69,70を介して回転自在、かつ軸方向移動自在に支持される。第1カムプレート67はスラストベアリング85を介して第1フランジ部材61に当接し、第2カムプレート68はスラストベアリング86を介して第2フランジ部材65に当接する。第1、第2カムプレート67,68の対向面に傾斜したカム溝67a…,68a…が形成されており、相対向するカム溝67a…,68a…にそれぞれボール71…が収納される。第1、第2カムプレート67,68およびボール71…はボールカム機構72を構成する。
アクチュエータケース18に、第1軸73がボールベアリング74およびニードルベアリング75を介して支持され、また第2軸76がボールベアリング77,78を介して支持される。アクチュエータケース18に支持したモータ79の出力軸79aに直列に接続された第1軸71に設けられた第1ギヤ80が、第2軸76に設けられた第2、第3ギヤ81,82のうちの第2ギヤ81に噛合する。また第1、第2カムプレート67,68の外周にそれぞれ第4、第5ギヤ83,84が形成されており、第4ギヤ83が第2軸76の第2ギヤ81に噛合するとともに、第5ギヤ84が第2軸76の第3ギヤ82に噛合する。第2ギヤ81および第4ギヤ83間のギヤ比と、第3ギヤ82および第5ギヤ84間のギヤ比は僅かに異なっている。
尚、図4におけるスプリングシート63およびコイルスプリング64の機能は以下のとおりである。
アクチュエータケース18、アクチュエータカバー20、ボールカム機構72、モータ79、ハーフシャフト11、第1中空軸47等は予めサブアセンブリとして組み立てられた後に、そのアクチュエータケース18が差動機構Dのハウジング本体15に結合される。サブアセンブリのアクチュエータケース18を差動機構Dのハウジング本体15に結合する前の状態では、第1中空軸47がアクチュエータケース18から抜け出るように左側に移動可能なため、ボールカム機構72の第1カムプレート67および第2カムプレート68が開いてカム溝67a…,68a…からボール71…が脱落してしまう可能性がある。
しかしながら、本実施例では、第1中空軸47の右端にクリップ62で係止したスプリングシート63と第1フランジ部材61との間にコイルスプリング64を配置したので、図4に鎖線で示すように、スプリングシート63がアクチュエータケース18の内面の段部に当接した状態でコイルスプリング64によって第1フランジ部材61を右方向に付勢することで、ボールカム機構72を組立状態に保持してボール71…の脱落を防止することができる。アクチュエータケース18をハウジング本体15に結合し、第1中空軸47を第2中空軸48に結合すると、第1中空軸47は図4の鎖線位置から実線位置へと移動する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
差動機構Dは通常の差動機能に加えて差動制限機能を発揮するもので、その差動制限機能により発生する差動制限トルクはアクチュエータAの作動により発生する。
先ず、差動機構Dの通常の差動機能について説明する。
内燃機関Eの駆動力が変速機Tを介して差動機構Dのアクスルドライブギヤ29に入力されると、アクスルドライブギヤ29にボルト30…で結合されたディファレンシャルケース28が回転する。車両が直進状態にあるとき、4個のピニオン32…はピニオンシャフト31…に対して回転せず、ピニオン32…に噛み合う左側のサイドギヤ34Lと一体の左車軸13と、ピニオン32…に噛み合う右側のサイドギヤ34Rと一体のハーフシャフト11とは同速で回転し、左右の駆動輪に駆動力が均等に配分される。
例えば、車両が左旋回状態にあるとき、左側の駆動輪に連なる左車軸13が減速されて右側の駆動輪に連なるハーフシャフト11が増速されるため、左右のサイドギヤ34L,34Rに差回転が発生するが、その差回転は左右のサイドギヤ34L,34Rに噛み合うピニオン32…の回転により吸収される。同様に、車両が右旋回状態にあるとき、左側の駆動輪に連なる左車軸13が増速されて右側の駆動輪に連なるハーフシャフト11が減速されるため、左右のサイドギヤ34L,34Rに差回転が発生するが、その差回転は左右のサイドギヤ34L,34Rに噛み合うピニオン32…の回転により吸収される。
次に、アクチュエータAの作動により発生する差動制限機能について説明する。
アクチュエータAのモータ79を駆動すると、その出力軸79aに結合した第1軸73の第1ギヤ80の回転が第2ギヤ81に伝達されて第2軸76が回転する。第2軸76が回転すると、第2ギヤ81および第4ギヤ83を介して第1カムプレート67が回転し、かつ第3ギヤ82および第5ギヤ84を介して第2カムプレート68が回転するが、第2ギヤ81および第4ギヤ83間のギヤ比と、第3ギヤ82および第5ギヤ84間のギヤ比とが僅かに異なっているため、ボールカム機構72の第1、第2カムプレート67,68が相対回転する。その結果、第1、第2カムプレート67,68のカム溝67a…,68a…の相対位置が、図8(A)の状態から図8(B)の状態に変化し、ボール71…によって第1、第2カムプレート67,68が相互に離反する方向に駆動される。
ボールカム機構72により発生する右向きの荷重を受けた第2カムプレート68は、アクチュエータカバー20によって右方向への移動を阻止される。従って、ボールカム機構72により発生する左向きの荷重、つまり摩擦クラッチ52を締結する締結力を受けた第1カムプレート67は左方向に移動し、スラストベアリング85および第1フランジ部材61を介して第1中空軸47を左方向に押圧する。このとき、ボールカム機構72により発生する摩擦クラッチ52の締結力はロードセル66により検出され、その締結力が所定値に一致するようにモータ79の出力がフィードバック制御される。
アクチュエータAによって第1中空軸47に左向きの締結力が作用すると、第1中空軸47に結合された第2中空軸48および第3中空軸49が左方向に移動し、第3中空軸49の左端に設けた押圧部49b…が4個の梃子レバー45…の力点45b…を押圧する。その結果、各梃子レバー45は支点45aを中心に揺動し、その作用点45cがプレッシャプレート44を左方向に押圧することで、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が相互に密着し、クラッチインナー37およびクラッチアウター40が一体に結合される。
梃子レバー45の支点45aおよび力点45b間の距離L1は、支点45aおよび作用点45c間の距離L2よりも大きく設定されているため、梃子レバー45に入力される締結力F1をL1/L2倍に倍力した締結力F2でプレッシャプレート44を押圧することができ、これによりアクチュエータAのモータ79を小型化しても摩擦クラッチ52に充分な締結力を加えることができる。
このようにして摩擦クラッチ52が締結されると、クラッチインナー37と一体の左車軸13がディファレンシャルケース28と一体化されることで、左車軸13とハーフシャフト11とが、つまり左車軸13と右車軸12とが相対回転不能に一体化され、差動機構Dの作動機能が制限されてぬかるみ等の軟弱地からの脱出を可能にしたり、高速直線走行時の安定性を高めたりすることができる。このとき、モータ79を駆動する電流を制御してアクチュエータAが発生する締結力を変化させ、摩擦クラッチ52に所定のスリップを発生させることで、差動機構Dに任意の大きさの差動制限トルクを発揮させることができる。
以上のように、アクチュエータAが発生した摩擦クラッチ52の締結力を、内燃機関Eの駆動力が伝達されるハーフシャフト11を介さずに、そのハーフシャフト11の外周に軸方向移動可能かつ相対回転可能に配置された第1〜第3中空軸47,48,49を介して伝達するので、内燃機関Eの駆動力を伝達することでハーフシャフト11のスプライン結合部に作用する摩擦力でアクチュエータAが発生する締結力が減じられることがなくなり、摩擦クラッチ52を安定良く締結することが可能になる。
尚、第1〜第3中空軸47,48,49はディファレンシャルケース28と共に回転するが、その回転は内燃機関Eの駆動力の伝達を伴わない空転であるため、軸方向の移動時に大きな摩擦力が発生することはない。
ところで、差動機構Dが作動するとき、ピニオン32…に噛合する左右のサイドギヤ34L,34Rには軸方向のスラスト力が作用する。このとき、右側のサイドギヤ34Rのスラスト力を第2中空軸48の拡径部48aの内面で支持すると、そのスラスト力でアクチュエータAが発生する締結力が減じられてしまう問題がある。しかしながら、本実施例では、右側のサイドギヤ34Rのスラスト力を作動機構Dの第1ケース24の延出部24c…で受け止めているので、そのスラスト力が第2中空軸48に伝達されるのを防止して上記問題を解決することができる。
尚、右側のサイドギヤ24Rと第1ケース24との間に摩擦ワッシャ50を配置し、左側のサイドギヤ34Lと第2ケース26との間に摩擦ワッシャ51を配置したので、両サイドギヤ34R,34Lに作用するスラスト力で第1、第2ケース24,26との間に摩擦力が発生する。このように摩擦クラッチ52の締結によらずに、両サイドギヤ34R,34Lに作用するスラスト力により発生する摩擦力で所定の作動制限トルクを発生させることで、車両の直進安定性を高めることができる。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、アクチュエータAは電気式のものに限定されず、油圧式のアクチュエータを採用することも可能である。
また実施例では中空軸を第1〜第3中空軸47,48,49に分割し、第2中空軸48に拡径部48aを設けているが、その分割のしかたは任意である。
自動車用内燃機関の後面図 差動機構およびアクチュエータの拡大断面図 差動機構の構造を示す図2の3部拡大図 アクチュエータの構造を示す図3の4部拡大図 摩擦クラッチの構造を示す図3の5部拡大図 図3の6−6線断面図 図3の7−7線断面図 図4の8−8線断面図
符号の説明
11 ハーフシャフト(出力軸)
13 左車軸(出力軸)
24c 延出部
28 ディファレンシャルケース
34R サイドギヤ
47 第1中空軸(中空軸)
48 第2中空軸(中空軸)
48a 拡径部
49 第3中空軸(中空軸)
52 摩擦クラッチ
A アクチュエータ
D 差動機構
E 内燃機関(原動機)

Claims (1)

  1. ディファレンシャルケース(28)に入力される原動機(E)の駆動力を二つの出力軸(11,13)に配分して出力する差動機構(D)と、二つの出力軸(11,13)間の差回転を制限する摩擦クラッチ(52)とを備えた差動制限機構付き差動装置であって、 摩擦クラッチ(52)を締結する締結力を発生させるアクチュエータ(A)を、出力軸(11,13)の軸線上であって、かつディファレンシャルケース(28)の外部に設け出力軸(11,13)の外周にアクチュエータ(A)からディファレンシャルケース(28)の内部に延びる中空軸(47,48,49)を設け、この中空軸(47,48,49)を介してアクチュエータ(A)が発生した締結力を摩擦クラッチ(52)に伝達するものにおいて、
    中空軸(47,48,49)に、ディファレンシャルケース(28)内で拡径させた拡径部(48a)を設け、この拡径部(48a)を貫通して差動機構(D)のサイドギヤ(34R)側へ延出する延出部(24c)をディファレンシャルケース(28)に形成し、この延出部(24c)でサイドギヤ(34R)のスラスト力を支持することを特徴とする、差動制限機構付き差動装置
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