JP4145403B2 - 免疫学的活性物質測定用高分子/酵素結合体 - Google Patents
免疫学的活性物質測定用高分子/酵素結合体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子/酵素結合体および、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体、前記結合体を含む免疫学的活性物質測定試薬および、この試薬を用いた免疫学的活性物質の測定方法に関する。本発明の免疫学的活性物質測定試薬は、臨床検査等の分野における免疫学的活性物質(抗原または抗体)の定量または定性に利用するためのものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種疾患と関連して生体中に出現する蛋白質等の免疫学的活性物質を、免疫反応(抗原抗体反応)を利用して検出し、診断に利用することが広く行われている。このような抗原抗体反応を利用した測定法としては、放射免疫測定方(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、ラテックス比濁法、免疫比濁法(TIA)などの各種方法が開発されている。
【0003】
酵素免疫測定法は、酵素標識した抗体(または抗原)を利用し、被検物質となる抗原(または抗体)を測定する方法であり、被検物質に抗原抗体反応により結合した酵素標識抗体(または酵素標識抗原)の量を、酵素活性の測定により行う方法である。このような酵素免疫測定法は放射性標識物を使用しないので安全であり、また定量性に優れているなどの理由で広く利用されている。
【0004】
また、近年ますます高感度の免疫学的測定法が要望されており、酵素免疫測定法においても改善が行われている。例えば、固定化抗体に検体を加えた後に洗浄し、次にビオチン標識抗体を加えた後に洗浄し、次に1)アビチン標識酵素を加えた後に洗浄し、次に酵素の基質を加える方法や、2)アビチンを加えた後に洗浄し、次にビオチン標識酵素を加えた後に洗浄し、次に酵素の基質を加える方法などが知られている{「酵素免疫測定法」、編集;石川栄治・河合忠・宮井潔、1987年発行;(株)医学書院}。しかしながら、これらの方法は、酵素標識抗体を用いる通常の酵素免疫測定方法と比較すると測定感度は高くなるが、より微量の免疫学的活性物質を含む検体の測定を行うにはまだ感度が十分でないなどの問題がある。
【0005】
更に、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2’−トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(((以下MPCと略記する)=2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)重合体と蛋白質を共存させた場合は、蛋白質の二次構造および、三次構造に変化を与えないが、ポリエチレングリコール(PEG)と蛋白質と共存させた場合を比較すると、PEGの場合は、短時間で二次構造および、三次構造に変化を与えることが既に知られている(医用器材研究所報告、Vol.31、1997年、東京医科歯科大学発行)。即ち、化学結合可能なる官能基を有する既存のPEGのような水溶性高分子を酵素に修飾したとしても、その溶解性が低いこと、容器などへの非特異的な吸着が起きることや、酵素の構造を変化させてしまうこと(酵素活性を低下させてしまうこと)等が問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、酵素免疫測定法において、高感度の測定を行うための高分子/酵素結合体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、酵素免疫測定法において、高感度の測定を行うための高分子/酵素結合体/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体を提供することにある。
本発明の第3の目的は、酵素免疫測定法において、高分子/酵素結合体/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体に対応する免疫学的活性物質測定試薬を提供することにある。
本発明の第4の目的は、この免疫学的活性物質の測定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を検討した結果特定の基を有する親水性単量体と、酵素が化学結合可能な官能基を含む単量体組成物を重合してなる酵素化学結合可能なる高分子と、酵素とを化学結合して高分子/酵素結合体が得られることを見出だし、さらに、生物学的に特異的な結合を有する物質を化学結合して得られる高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体が得られることを見出だし、それが優れた酵素免疫測定法用標識物として有用であることの知見を得て、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、以下の(1)〜(9)の発明が提供される。
(1) ホスホリルコリン類似基と化学結合可能な基を有する重合体と酵素を化学結合して得られる高分子/酵素結合体。
(2)次の一般式[I]
【0008】
【化6】
【0009】
(ただし、式中のR1、R2およびR3は、水素原子または炭素原子1〜4のアルキル基を示し、同一または異なる基であってもよい。nは2〜4の整数である。)
で示される基を有する親水性単量体(a1)と、酵素が化学結合可能な官能基 −R4を含む単量体(a2)を含む単量体組成物を重合してなる酵素化学結合可能なる高分子と、酵素とを化学結合して得られる
一般式[II]
【0010】
【化7】
【0011】
(ただし、式中のEは酵素の残基、Y1は酵素中の官能基と前記R4の官能基とから形成された基、aは0または1、bは1以上の数である。)
で示される基を有する高分子/酵素結合体。
(3)親水性単量体(a1)が、下記一般式[III]
【0012】
【化8】
【0013】
で示される親水性単量体であり、
蛋白質が化学結合可能な官能基−R4を有する単量体(a2)であって、−R4がカルボキシル基、アミノ基、水酸基のいずれかの官能基を有する単量体である前記の高分子/酵素結合体。
(4)化学結合可能な官能基−R4を含む単量体が、メタクリル酸または2−アミノメチルメタクリレートである前記の高分子/酵素結合体。
(5)高分子/酵素結合体の酵素が、免疫学的活性物質測定用の酵素である前記の高分子/酵素結合体。
(6)高分子/酵素結合体の未反応の生物学的に特異的な結合を有する物質が化学結合可能な官能基−R4または高分子/酵素結合体の酵素の化学結合が可能な官能基−R5に、更に生物学的に特異的な結合を有する物質を化学結合して得られる一般式[IV]
【0014】
【化9】
【0015】
(ただし、式中のAは生物学的に特異的な結合を有する物質の残基、Y2は生物学的に特異的な結合を有する物質中の官能基と前記−R4または−R5の官能基とから形成された基、cは0または1、dは1以上の数である。)
で示される基を有する高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体。
(7)前記の高分子/酵素結合体に、生物学的に特異的な結合を有する物質が、未反応の化学結合可能な官能基−R4および高分子/酵素結合体の酵素の化学結合が可能な官能基−R5に、更に化学結合して得られる一般式[IV]
【0016】
【化10】
【0017】
(ただし、式中のAは生物学的に特異的な結合を有する物質の残基、Y2は生物学的に特異的な結合を有する物質中の官能基と前記−R4または−R5の官能基とから形成された基、cは0または1、dは1以上の数である。)
で示される基を有する高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体。
(8)生物学的に特異的な結合を有する物質が、抗体、ビオチン、アビジンあるいは抗原のいずれかの物質である前記の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体。
(9)前記の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体とを含むことを特徴とする免疫学的活性物質測定試薬。
(10)被検物質となる免疫学的活性物質を含む検体と、前記の免疫学的活性物質測定試薬とを接触させ、検体中の被検物質と生物学的に特異的な結合を有する物質とを反応させた後に、得られる反応生成物を酵素反応を利用して測定することを特徴とする免疫学的活性物質測定方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる化学結合可能な基を有する高分子は、前記の一般式[I]のホスホリルコリン類似基を有する単量体と、前記化学結合可能な官能基−R4基を有する単量体との組成物を重合して得られる高分子である。この高分子は、−R4基を介して酵素と化学的に結合が可能であるとともに、抗原等の蛋白質や生物学的に特異的な結合を有する物質と化学的に結合が可能であることを意味する。
前記の高分子を構成する親水性単量体(a1)は、分子中に重合性の二重結合を有し、さらに一般式[I]で示される基を有する単量体である。
具体的には、このような化合物としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリルオイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(スチリルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルオキシカルボニル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリルオキシカルボニル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アクリロイルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルカルボニルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ブテロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(クロトノイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、エチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート等が挙げられる。
好ましくは、入手性などから、前記の式[III]で示される、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2’−トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(((以下MPCと略す)=2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)が挙げられる。
【0019】
本発明の前記の高分子の構成成分として用いられる単量体の、酵素が化学結合可能な官能基−R4としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、アルデヒド基、メルカプト基、スクシニミジルオキシカルボニル基、イミドエステル基、ハロゲノニトリル基、ハロゲノスルホニル基、ニトロアジドフェニル基、ジアゾトリフルオロアセチル基、イソシアネート基などが挙られる。これらの中では、酵素中のアミノ基あるいは、酵素中の糖鎖を開環させて生じたアルデヒド基との反応が容易である、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、イソシアネート基などがより好ましい。
【0020】
酵素が化学結合可能な官能基−R4を有する単量体(a2)は、分子中に重合性の二重結合を有し、側鎖に酵素が化学結合可能な基(−R4)を有する単量体である。このような化合物としては、具体的には例えば、スチレンカルボン酸、(メタ)アクリル酸、3−ペンテン酸、4−ペンテン酸、3−アリロキシプロピオン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリオイルオキシエチルフタル酸等のカルボキシル基を有する単量体、あるいは、アリルアミン(塩酸塩)、アミノエチル(メタ)アクリレート(塩酸塩)、2−メチルアリルアミン、4−アミノスチレンなどのアミノ基を有する単量体、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどの酵素と反応性を有する基を有する単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどの水酸基を有する単量体などが挙げられる。
【0021】
なかでも、親水性単量体(a1)との組み合わせとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート(塩酸塩)と前記MPCとの組み合わせが好ましく挙げられる。
【0022】
前記親水性単量体(a1)の単量体組成物中の含有割合は、単量体組成物中の全単量体中に5〜95重量%、特に10〜90重量%の範囲が好ましい。5重量%未満では得られた高分子/酵素結合体の各種緩衝溶液、各種生理食塩水、あるいは各種培養液などの水溶性溶媒中での溶解性が低くなり好ましくない。一方、酵素が化学結合可能な官能基−R4を有する単量体(a2)を含む単量体組成物中の含有割合は、全単量体中、5〜95重量%、特に10〜90重量%の範囲が好ましい。5重量%未満では、化学結合される酵素量が少なくなり、免疫学的活性物質測定感度があまり高感度にならず好ましくない。
【0023】
本発明において、酵素化学結合可能な高分子は、前記単量体組成物を重合してなる高分子である。この高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは、1,000〜5,000,000、より好ましくは、10,000〜500,000である。
【0024】
前記酵素化学結合可能な高分子は、前記単量体組成物を、公知の溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の方法を用いて、必要に応じて重合系を不活性ガス、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウムで置換ないし雰囲気下にし、重合温度0〜100℃、重合時間10分〜48時間の条件でラジカル重合させる方法等により調製することができる。重合に際しては、ラジカル重合開始剤を用いることができる。該重合開始剤としは、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロピル)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート{日本油脂(株)社製、商品名「パーロイル−SA」、以下PR−SAと略す)、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート等が挙げられる。またさらには、これらのラジカル重合開始剤は1種または2種以上の混合物が使用できる。
また、前記重合開始剤は、各種レドックス系の促進剤を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、単量体組成物100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましい。
【0025】
重合体の精製は、再沈殿法、透析法、限外濾過法など一般的な精製方法により行うことができる。
【0026】
本発明に用いられる酵素としては、従来から酵素免疫測定法において使用されている酵素が使用できる。例えば、アセチルコリンエステラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ペニシリナーゼ、ペルオキシダーゼ、リゾチームなどが挙られる。この中で、酵素免疫測定法において汎用的に用いられるアルカリ性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼなどが望ましく挙げられる。
また、これらの酵素は、酵素が結合可能な高分子中の−R4が反応する、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、各種糖鎖を開環させたアルデヒド基等の反応性の基を有している。
【0027】
前記のような酵素と、前記一般式[I]で表わされる基を有する親水性単量体(a1)と、酵素が化学結合可能な官能基−R4を有する単量体(a2)とを含む単量体組成物を重合してなる酵素化学結合可能な高分子とを反応させること、即ち、酵素中の前記官能基と高分子中の−R4を反応させることにより、前記一般式[II]で表される基を有する高分子/酵素結合体が得られる。
【0028】
ここで、前記一般式[II]においてY1は、前記酵素中の官能基と酵素化学結合可能なる高分子中の−R4とから形成される基(結合)であり、具体的には、例えば、アミド基、ジカルバミド基、ウレア結合、ジスルフィド結合、イミド酸アミド結合、3−チオスクシンイミド結合(マレイミド基にチオール基が反応して形成された結合)、開環した糖鎖により形成されたアルデヒド基にアミノ基が反応したものを還元して生じる結合基などが挙られる。
【0029】
前記一般式[II]においてbは、1以上の数、好ましくは酵素の種類にもよるが1〜100、さらに好ましくは1〜50である。bが100を越えると、酵素の種類にもよるが、酵素活性が低下する場合がある。
【0030】
本発明で用いられる高分子/酵素結合体は、酵素と化学結合可能な高分子と、酵素とを、重量比で1:0.0001〜500の割合で含むものである。酵素の重量比が0.0001未満では免疫学的活性物質測定時に高感度化があまり起きず効率的ではなく、500を越えると溶解性が低下する、あるいは酵素活性の安定性が低下するので好ましくない。
【0031】
本発明で用いられる高分子/酵素結合体の製造方法は、次の3とおりがある。高分子/酵素結合体は、前記酵素結合可能なる高分子溶液に、前記酵素を化学反応させることにより得られる。具体的には例えば、
▲1▼高分子中のカルボキシル基と酵素中のアミノ基を反応させる際は、高分子と酵素が溶解している水溶液の中に、水溶性縮合剤である1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC)を反応させる方法。▲2▼高分子中のアミノ基と酵素中の糖鎖を反応させる際は、まず酵素中の糖鎖を過ヨウ素酸により開環させ、生じたアルデヒド基と高分子中のアミノ基を反応させ、その結合を水素化ホウ素ナトリウムで還元させる方法。
▲3▼高分子中のイソシアネート基と酵素中のアミノ基を反応させる際は、酵素溶液の中に高分子溶液を添加する方法。
上記の▲1▼〜▲3▼の反応の際は、かき混ぜ、加熱、超音波処理等により溶解を容易にすることが望ましい。また、透析、希釈、PH制御、有機溶剤の添加、乾燥、凍結乾燥等の操作を適宜選択して用いることができる。
【0032】
前記酵素結合可能な高分子溶液と、前記酵素溶液を混合させる際の、高分子および酵素の溶媒としては、同一または異なっていてもよい。例えば、水、各種緩衝溶液、各種生理食塩水、各種培養液、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ニトロメタンなどが挙げられ、混合溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、アセトニトリル、ジオキサン、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、n−ヘキサン、イソプロピルエーテル、四塩化炭素、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤と水との混合物等が挙げられる。好ましくは酵素活性の低下が起きにくい、各種緩衝溶液、各種生理食塩水、各種培養液が挙げられる。
【0033】
本発明に示される、生物学的に特異的な結合を有する物質としては、従来から酵素免疫測定法などにおいて使用されている物質が使用でき、例えば抗体、抗原、アビジン、ビオチン、プロテインA、プロテインG、レクチンなどが挙られる。これらの中で、酵素免疫測定法において汎用的に用いられる、抗体、アビジン、ビオチンなどが好ましい。
また、これら生物学的に特異的な結合を有する物質は、高分子/酵素結合体に、生物学的に特異的な結合を有する物質が、未反応の化学結合可能な官能基−R4または、高分子/酵素結合体の酵素の生物学的に特異的な結合を有する物質が化学結合可能な官能基−R5が反応する水酸基、カルボキシル基、カルボキシル基から誘導したスクシンイミドエステル基、アミノ基、各種糖鎖を開環させたアルデヒド基などの反応性の基を有している。また、前記の結合は−R4基に単独でもよいし、酵素中の−R5基に単独でもよいし、あるいは、−R4基および酵素中の−R5基の両方に結合していてもよい。
【0034】
高分子/酵素結合体の酵素の化学結合が可能な官能基−R5としては、酵素の種類にもよるが、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、糖鎖などがあげられ、生物学的に特異的な結合を有する物質が容易に化学結合可能な、カルボキシル基、アミノ基などが好ましくあげられる。
【0035】
上記の高分子/酵素結合体に存在する、未反応の−R4または、高分子/酵素結合体の酵素の化学結合可能な官能基−R5に前記生物学的に特異的な結合を有する物質を化学反応することにより、前記一般式[IV]で表される高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質の結合体が得られる。
【0036】
前記一般式[IV]においてY2は、前記生物学的に特異的な結合を有する物質の官能基と高分子/酵素結合体の未反応の−R4または、高分子/酵素結合体の酵素の化学結合可能な官能基−R5とから形成される基(結合)であり、具体的なものとしては、アミド基、ジカルバミド基、ウレア結合、ジスルフィド結合、イミド酸アミド結合、3−チオスクシンイミド結合(マレイミド基にチオール基が反応して形成された結合)、開環した糖鎖により形成されたアルデヒド基にアミノ基が反応したものを還元して結合などが挙られる。
【0037】
前記一般式[IV]においてdは、1以上の数、好ましくは酵素の種類にもよるが1〜100、さらに好ましくは1〜50である。dが100を越えると、酵素の種類にもよるが、酵素活性が低下する場合がある。
【0038】
本発明に示される、高分子/酵素結合体に対する生物学的に特異的な結合を有する物質の割合は、(高分子/酵素結合体):生物学的に特異的な結合を有する物質が重量比で1:0.0001〜500の割合で含む物である。生物学的に特異的な結合を有する物質の重量比が0.0001未満では免疫学的活性物質測定時に高感度化があまり起きず効率的ではなく、500を越えると溶解性が低下する、あるいは生物学的に特異的な結合を有する物質の安定性が低下するなどの点から好ましくない。
【0039】
本発明に示される、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体は、前記高分子/酵素溶液に、前記生物学的に特異的な結合を有する物質を化学反応させることにより得られる。
例えば前記の高分子/酵素結合体の調製例▲1▼〜▲3▼に更に、抗体を反応させる際は▲1▼’高分子/酵素結合体の高分子の未反応のカルボキシル基または酵素中のカルボキシル基と抗体中のアミノ基を反応させる際は、高分子/酵素結合体と生物学的に特異的な結合を有する物質が溶解している水溶液の中に、水溶性縮合剤である1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC)を反応させることにより高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体が得られる。
▲2▼’高分子/酵素結合体の高分子の未反応のアミノ基あるいは、酵素中のアミノ基と抗体中の糖鎖を反応させる際は、未反応のアミノ基とまたは酵素中のアミノ基と生物学的に特異的な結合を有する物質中の糖鎖を反応させる際は、まず生物学的に特異的な結合を有する物質中の糖鎖を過ヨウ素酸により開環させ、生じたアルデヒド基と前記のアミノ基を反応させ、その結合を水素化ホウ素ナトリウムで還元させることにより高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体が得られる。
▲3▼’高分子/酵素結合体中の未反応のイソシアネート基と生物学的に特異的な結合を有する物質中のアミノ基を反応させる際は、高分子/酵素結合体溶液の中に生物学的に特異的な結合を有する物質溶液を添加するだけで高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体が得られる。
上記の▲1▼’〜▲3▼’の反応の際は、かき混ぜ、加熱、超音波処理等により溶解を容易にすることが望ましい。また、透析、希釈、PH制御、有機溶剤の添加、乾燥、凍結乾燥等の操作を適宜に付加することができる。
【0040】
前記高分子/酵素結合体溶液と、前記生物学的に特異的な結合を有する物質溶液を混合させる際の溶媒としては、前記の酵素結合可能な高分子溶液と、前記酵素溶液を混合させる際に用いた溶媒と同一のものが使用できる。
【0041】
本発明の免疫学的活性物質測定試薬は、前記のようにして得られる高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体を含むものであり、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体だけでなっていても、他の添加剤が配合されていてもよい。また本発明の測定試薬は、個体ないし粉末のような乾燥状態で保管し、使用時に適当な媒体に溶解して使用することもできるし、はじめから液体の形態で試薬とすることもできる。後者の場合、試薬中の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体の濃度は、蛋白質量として1×10-5〜10mg/mL、好ましくは1×10-3〜1mg/mLとするのが望ましい。
【0042】
前記の添加剤としては、従来から抗原抗体反応を利用した測定試薬に用いられる添加剤が制限なく使用できる。具体的なものとしては、ウシ血清アルブミン、卵白アルブミン等の蛋白質、ドデシル硫酸ナトリウム、Tween20(ICI社製、商標)等の界面活性剤、メタノール、エタノール、アセトン、N,N’−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の有機溶媒等が挙げられる。
【0043】
また高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体を溶解する媒体としては、酵素活性、生物学的に特異的な結合を有する物質の活性を低下させないで溶解することができる液であれば制限なく使用することができる。具体的には、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス/塩酸緩衝液、水、これらの緩衝液または水と、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ベンゼン、アセトン、N,N’−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランとの混合液が挙げられる。例えば有機溶媒が0.1〜40体積%の混合液などが挙られる。
【0044】
本発明の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体の生物学的に特異的な結合を有する物質が抗体の時は、本発明の測定試薬を用いて被検物質を測定するために、従来の酵素で標識した抗体または抗原の代わりに本発明の測定試薬を用いて、公知の酵素免疫測定法により行うことができる。すなわち、被検物質となる免疫学的活性物質を含む検体と、本発明の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体を接触させ、検体中の被検物質と本発明の測定試薬中の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体とを抗原抗体反応させた後、得られる抗原抗体反応生成物を酵素の活性を利用して測定する。これにより被検物質の定量または定性を行うことができる。
【0045】
抗原抗体反応を行う際の、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体の濃度は、0.01ng/mL〜100μg/mL、好ましくは0.11ng/mL〜10μg/mL、反応温度は0〜70℃、好ましくは免疫学的活性物質が失活しない4〜40℃、反応系のpHは2〜13、好ましくは4〜11とするのが望ましい。反応時間は0.1分間〜16時間、好ましくは1分間〜2時間とするのが望ましい。
【0046】
反応媒体としては、本発明の測定試薬を溶液状態の試薬にする場合に使用する媒体として例示した前記緩衝液、水またはこれらと有機溶媒との混合液と同様の物が使用できる。また反応系には、本発明の測定試薬に添加することができる添加剤と同様の添加剤を添加することができる。
【0047】
抗原抗体反応生成物を酵素の活性を利用して測定するには、従来の酵素免疫測定法と同様に、使用した酵素に応じた種々の方法を採用することができる。通常は、酵素の基質を加えて酵素基質反応を進行させ、生成した生成物を測定する方法が採用される。具体的な方法としては、例えば吸光度法、蛍光法、化学発光法などの方法が採用できる。酵素の基質としては、従来の酵素免疫測定法または酵素検出に用いることができる基質を使用することが可能であり、例えばペルオキシダーゼの基質としては1,2−フェニレンジアミン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジンなど、β−D−ガラクトシダーゼの基質としては、2−ニトロフェニル・β−D−ガラクトシド、4−ヒドロフェニル酢酸、4−メトキシ−4−(3−ガラクトジドフェニル)スピロ(1,2−ジオキセタン−3,2’−アダマンタン)二ナトリウム塩、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4−メチルウムベリフェリル・β−D−ガラクトシド、アルカリ性ホスファターゼの基質としては、4−ニトロフェニルホスフェート、4−メチルウムベリフェリル・ホスフェート、4−メトキシ−4−(3−フォスフェートフェニル)スピロ(1,2−ジオキセタン−3,2’−アダマンタン)二ナトリウム塩などを挙げることができる。
【0048】
本発明の免疫学的活性物質の測定方法を、従来の酵素免疫測定法において広く利用されているタイタープレートを用いた場合について図1に示した工程により具体的に説明する。
図1は本発明の測定方法を模式的に表したもので通常的に酵素免疫測定法で使用されるタイタープレート、例えば、市販されているポリスチレン製のMaxisorp F−96(NUNC社、商品名)タイタープレートを用いてS1〜S4の4段階の工程を経て行われる。
(1)まず、タイタープレートの各ウエルに抗(測定対照物)抗体を加え、タイタープレート上に抗(測定対照物)抗体を物理吸着により固定する。(S1)
(2)次に、比検物質となる測定対象物質を含む検体をそのまま、または適当な溶媒で希釈して加え、抗原抗体反応により抗原抗体複合体を形成させる。(S2)
(3)次に、抗(測定対照物)抗体と酵素からなる高分子/酵素/抗体結合体を含む本発明の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質を加え、抗原抗体複合体と高分子/酵素/抗体結合体を反応させる。これにより抗原抗体・高分子/酵素/抗体結合体の複合体を生成させる。(S3)
(4)次に、未反応の抗原抗体・高分子/酵素/抗体複合体を洗浄により除去した後、この酵素に対する基質を大過剰に加え、酵素より基質から生成物を生成ささせる。(S4)この酵素基質反応により生成物を、例えば、吸光度法、蛍光法、化学発光等の方法により測定する。
この場合、単位抗(測定対象物)抗体に対する酵素量は、酵素を高分子に結合させない従来の試薬を用いた場合に比べて、多くなり、このため生成物の量が増加する。したがって、例えば、測定吸光度が高くなり、高感度のの測定ができるようになる。なお、予め既知量の測定対象物を用いて前記手順と同様にして測定し、これにより作成した検量線と対比することにより検体中の測定対象物を定量することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の高分子/酵素結合体は、ホスホリルコリン類似基に由来するN+基とO−基の双極子を有するため、水溶液で安定である。
また、本発明の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体は、非特異的な吸着も低く安定な結合体である。その結合体は1分子中に含まれる酵素量が通常の酵素標識抗体に比較すると多いため、本発明の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体を含む測定試薬として医用関係等の検査において有用である。その測定試薬を用いる測定方法は、免疫学的活性物質の測定を行うことにより、短時間で高感度な測定が可能となる。
前記のように、本発明の免疫学的活性物質の測定方法は、単位比検物質に結合する酵素量が従来の方法に比べて多くなるため、単位時間当たりの基質から生成する生成物の量が多くなり、これにより測定吸光度が高くなって高感度で測定することができる。他の酵素活性測定法を採用した場合にも、同様に高感度で測定することができる。このため、本発明の免疫学的活性物質の測定方法は、従来の酵素免疫学的測定法では測定できなかった低濃度の被検物質を測定することもできる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例によって詳細に説明する。
尚、測定方法は以下に示した。
A−1.高分子の分子量測定−1;
得られた共重合体水溶液を0.5重量%になるよう蒸留水で希釈し、この溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、試験溶液とした。
GPC分析は、カラムとしてはG3000PWXL×2本(東ソー社製)を、溶出溶媒としては蒸留水を、標準物質としてはポリエチレングリコール(ポリマー・ラボラトリー社製)を、検出は視差屈折計を、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、東ソー社製インテグレーター内蔵分子量計算プログラム(SC−8020用GPCプログラム)を用いて、流速は1.0mL/分、試料溶液使用量は100μL、カラム温度40℃で求めた。
【0051】
A−2.高分子の分子量測定−2;
プロピオン酸0.369gに、 ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)に溶解した0.2g/mLのプロピオン酸コハク酸イミドエステルをN,N’−カルボニルジイミダゾール溶液4845μLを加え、室温で1時間インキュベートした。インキュベート終了後、DMFに溶解した0.2g/mLのN−ヒドロキシコハク酸イミド溶液34405μLを加え室温で3時間インキュベートすることにより、プロピオン酸コハク酸イミド溶液を調製した。1重量%の各重合体水溶液1.0mLに、先に調製したプロピオン酸コハク酸イミド溶液1200μLを加え、4℃で一晩インキュベートした。インキュベート終了後、この溶液を透析膜(スペクトラム・メディカル・インダストリーズ社製、商品名「Spectrum/por.membrans Mw CO,6000〜8000」)に挿入し、溶液の10倍の体積の蒸留水を用いて透析操作を行い、1日1回の蒸留水交換を3日間続けることによって精製を行い、精製終了後、各溶液を凍結乾燥した。このプロピル化した各重合体粉末を0.5重量%の塩化リチウムを含むクロロホルム:メタノール=6:4(V/V)に溶解させて、0.5重量%の重量体溶液を調製した。更に、この溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、試験溶液とした。
GPC分析は、MIXED−C(2本)(ポリマーラボラトリーズ社製)を、溶出溶媒としては0.5重量%の塩化リチウムを含むクロロホルム:メタノール=6:4(V/V)を、標準物質としてはポリメチルメタクリレート(ポリマー・ラボラトリー社製)を、検出は視差屈折計を、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量測定(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は東ソー社製インテグレーター内蔵分子量計算プログラム(SC−8020用GPCプログラム)を用いて、流速は1.0mL/分、試料溶液使用量は100μL、カラム温度40℃で求めた。
【0052】
B.共重合体組成比の測定;
得られた重合体溶液を凍結乾燥し重合体粉末を得た。得られた粉末20mgを重水(D2O)1.5mLに溶解させた。得られた重水溶液を日本電子(株)製JNM−EX270を用いて1H−NMR分析を行い、親水性単量体、と酵素が化学結合可能な官能基を有する単量体とのモル比を求めた。
【0053】
C.高分子/酵素結合体および、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体の溶解性および、分子量測定;
得られた高分子/酵素結合体溶液あるいは、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体溶液を、室温にて16時間放置後、目視にて沈殿の有無を確認した。
また、得られた高分子/酵素結合体溶液あるいは、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過した後に、2mg/mLになるようダルベッコウのリン酸生理的緩衝溶液(以下、PBSと略記する)で希釈し試験溶液とした。
GPC分析は、カラムとしてはG4000SWXL×1本(東ソー社製)を、溶出溶媒としては0.3M NaClを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を、標準物質としてはチログロブリン(分子量=66.9万)、フェリチン(分子量=44万)、マウスIgG(分子量16万)、西洋ワサビ過酸化酵素(分子量=4万)、キモトリプシノーゲンA(分子量=2.5万)を、検出はUV検出(280nm)を、流速は0.5mL/分、試料溶液使用量は400μL、カラム温度35℃で求めた。
【0054】
D.高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体の酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質の結合割合;
酵素が西洋ワサビ過酸化酵素で、生物学的に特異的な結合を有する物質が抗(4−ヒドロキシノネナール)マウス抗体である時は、測定波長が403nmで行う以外は、前記Cの分子量測定と同様に分析を行い。280nmのピーク面積(A280)と403nmのピーク面積(A403)を求め、下記式より西洋ワサビ過酸化酵素/抗(4−ヒドロキシノネナール)マウス抗体(mol/mol)を求めた。
西洋ワサビ過酸化酵素/抗(4−ヒドロキシノネナール)マウス抗体(mol/mol)=2.46×A403/(A280−0.31×A403)
【0055】
E.高分子/酵素/抗体結合体の精製および抗原の測定;
前記Cの分子量分析時に、溶出時間10分〜15分の溶出液を分取することにより、高分子/酵素/抗体結合体を精製した。
1mmolを4−ヒドロキシノネナール(カイマンケミカル社製)、1mg/mL卵白アルブミンのPBS溶液に添加して37℃、2時間反応させた。この反応液をPBSにて100倍に希釈したものをタイタープレート(Maxisorp F96、NUNC社製、商標)に100μL/well添加して、25℃、2時間インキュベートした。インキュベート終了後、PBS で5回洗浄した後に、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を250μL/well添加して、25℃、2時間インキュベートした。インキュベート終了後、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を除去することにより、4−ヒドロキシノネナール固定化タイタープレート(固定化プレート)を調製した。タイタープレートに、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を250μL/well添加して、25℃、2時間インキュベートし、インキュベート終了後、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を除去することにより、未固定化タイタープレート(ブランクプレート)を調製した。
前記の方法で精製した高分子/酵素/抗体結合体溶液を、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液にて100倍に希釈したものを、前記固定化プレートおよび、前記ブランクプレートに100μL/well添加して、25℃、2時間インキュベートした。インキュベート終了後、PBS で5回洗浄した後に、ペルオキシダーゼ発色キットSUMILON−T(住友ベークライト社製、商標)を用いて発色させ(酵素−基質反応は、25℃、20分間で行い)、
[固定化プレートの吸光度]−[ブランクプレートの吸光度]=[差吸光度]を求めた。
【0056】
F.高分子/酵素/ビオチンの測定;
10μg/mLのアビジン標識抗マウス抗体のPBS溶液を100μL/well添加して、25℃、2時間インキュベートした。インキュベート終了後、PBS で5回洗浄した後に、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を250μL/well添加して、4℃、16時間インキュベートした。インキュベート終了後、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を除去することにより、アビジン標識抗体固定化プレート(固定化プレート)を調製した。タイタープレートに、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を250μL/well添加して、25℃、2時間インキュベートし、インキュベート終了後、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を除去することにより、未固定化タイタープレート(ブランクプレート)を調製した。
前記の方法で精製した高分子/酵素/ビオチン結合体溶液を、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液にて1000倍に希釈したものを、前記固定化プレートおよび、前記ブランクプレートに100μL/well添加して、25℃、2時間インキュベートした。インキュベート終了後、 PBS で5回洗浄した後に、ペルオキシダーゼ発色キットSUMILON−T(住友ベークライト社製、商標)を用いて発色させ(酵素−基質反応は、25℃、30分間で行い)、[固定化プレートの吸光度]−[ブランクプレートの吸光度]=[差吸光度]を求めた。
【0057】
合成例1;MPC/メタクリル酸共重合体(poly(MPC−co−MA))の合成−1;
モノマーとして、MPC 16.2gおよび、メタクリル酸(以下MAと略記する)0.53gを、開始剤として、PR−SA 0.351gを、重合溶媒として蒸留水 42.919gを重合管にとり、均一に溶解させた。この溶液にアルゴンを10分間吹き込み、封管した。封管終了後70℃で、6時間重合反応を行った。重合反応終了後、室温に冷却し、重合管を開封した後に、この溶液を透析膜(スペクトラム・メディカル・インダストリーズ社製、商品名「Spectrum/por.membrans Mw CO, 6000〜8000」)に挿入し、重合溶液の10倍の体積の蒸留水を用いて透析操作を行い、1日1回の蒸留水交換を7日間続けることによって透析を行って、未反応のモノマーおよび開始剤を除去することにより、共重合体を精製した。得られた共重合体の分子量測定は前記の分子量測定−1を用いた。分子量測定および、共重合体組成比の結果は表1に示した。
【0058】
合成例2〜5; poly(MPC−co−MA)の合成−2〜5
モノマー組成を表1に示したように変えた以外は合成例1と同様にして、重合し、精製して共重合体を得た。結果を表1に示した。
【0059】
合成例6;MPC/2−アミノエチルメタクリレート共重合体(poly(MPC−co−AEMA)の合成−1
モノマーとして、MPC、1.98gおよび、2−アミノエチルメタクリレート・塩酸塩(以下AEMAと略記する)、0.12gを、開始剤として、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル(以下V−50と略記する)、0.407gを、重合溶媒として蒸留水、12.493gを重合管にとり、均一に溶解させた。この溶液にアルゴンを10分間吹き込み、封管した。封管終了後60℃で、8時間重合反応を行った。重合反応終了後、室温に冷却し、重合管を開封した後に、この溶液を透析膜(スペクトラム・メディカル・インダストリーズ社製、商品名「Spectrum/por.membrans Mw CO, 6000〜8000」)に挿入し、重合溶液の10倍の体積の蒸留水を用いて透析操作を行い、1日1回の蒸留水交換を7日間続けることによって透析を行って、未反応のモノマーおよび開始剤を除去することにより、共重合体を精製した。得られた共重合体の分子量測定は前記の分子量測定−2を用いた。分子量および、共重合体組成比の結果は表2に示した。
【0060】
合成例7〜10; poly(MPC−co−AEMA)の合成−2〜5
モノマー組成を表2に示したように変えた以外は合成例6と同様にして、重合し、精製して共重合体を得た。結果を表2に示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
なお、表1および2中のMnは数平均分子量をMwは重量平均分子量を示す。
【0064】
実施例1〜5;poly(MPC−co−MA)/HRP結合体の調製;
1.0mg/mLの西洋ワサビ過酸化酵素{和光純薬工業(株)製、以下、HRPと略す。}と、17.5mg/mLの合成例1〜5で合成したpoly(MPC−co−MA)を溶解させた100mMリン酸緩衝液(pH6.9)溶液1000μLに、100mg/mLの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩{(株)同仁化学製、以下、WSCと略記する。}を溶解させた100mMリン酸緩衝液(pH6.9)溶液を480μL添加して、25℃で1時間反応させた。その後更に、100mg/mLのWSCを解させた100mMリン酸緩衝液(pH6.9)溶液を480μL添加して、25℃で6時間反応させた。反応終了後、1LのPBSに対する透析(4℃、6時間)を3回繰り返すことにより、未反応のWSCを除去した。前記測定法Cに従い溶解性および、分子量測定を行った。測定結果は表3に示した。
【0065】
実施例6〜10;poly(MPC−co−AEMA)/HRP結合体の調製
8.0mg/mLのHRPを溶解させた蒸留水23.8mLに、0.2Mの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を4760μL添加して、室温で20分間反応させた。反応終了後、反応液を2Lの1mM酢酸緩衝液(pH4.5)に対しての透析(4℃、12時間)を2回繰り返すことにより、未反応の過ヨウ素酸ナトリウムの除去を行った。透析終了後、0.2M炭酸緩衝液(pH9.5)を476μL添加した(HRP溶液−1)。添加後速やかに、3000μLのHRP溶液−1に、合成例6〜10で合成した6mg/mLのpoly(MPC−co−AEMA)を溶解させた10mM炭酸緩衝液(pH9.5)3000μLを添加して、室温で2時間反応させた。反応終了後、氷冷しながら4mg/mLの水素化ホウ素ナトリウム水溶液を300μL 添加して、4℃、2時間反応させた。反応終了後、1LのPBSに対する透析(4℃、6時間)を3回繰り返すことにより、未反応の水素化ホウ素ナトリウムを除去した。前記測定法Cに従い溶解性および、分子量測定を行った。測定結果は表3に示した。
【0066】
比較例1;poly(L−Lys)/HRP結合体の調製
実施例6のpoly(MPC−co−AEMA)の代わりに、ポリ−L−リジン・臭酸塩(重量平均分子量=19200)(以下、 poly(L−Lys)と略記する。)を用いた以外は実施例6と同様に行った。測定結果は表3に示した。
【0067】
【表3】
【0068】
なお表中、
*1;チログロブリンより高分子側で、排除体積付近に結合体のピークが確認された。
*2;排除体積付近からHRP付近までのなだらかな結合体のピークが確認された。
【0069】
実施例11〜20;高分子/HRP/IgG結合体
0.4mg/mLの抗(4−ヒドロキシノネナール)マウス抗体(以下IgGと略記する。)を溶解させた1mM酢酸緩衝液(pH4.5)1000μLに、0.01M過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を200μL添加して、室温で20分間反応させた。反応終了後、反応液を500mLの1mM酢酸緩衝液(pH4.5)に対しての透析(4℃、12時間)を2回繰り返すことにより、未反応の過ヨウ素酸ナトリウムの除去を行った。透析終了後、0.2M炭酸緩衝液(pH9.5)を20μL添加した(IgG溶液−1)。添加後速やかに、1000μLの実施例1〜10で調製したHRP濃度が2.0mg/mLの高分子/HRP結合体を溶解させた1mM酢酸緩衝液(pH4.5)を添加して、室温で2時間反応させた。反応終了後、氷冷しながら4mg/mLの水素化ホウ素ナトリウム水溶液を300μL 添加して、4℃、2時間反応させた。反応終了後、500mLのPBSに対する透析(4℃、6時間)を3回繰り返すことにより、未反応の水素化ホウ素ナトリウムを除去した。
前記測定法Cおよび、Dに従い溶解性および、分子量測定、HRP/IgG結合割合の分析を行った。測定結果は表4に示した。また、前記のEに従い、高分子/酵素/抗体結合体の精製および抗原の測定を行い結果を表4に示した。
【0070】
比較例2;HRP/IgG結合体
実施例11の実施例1で調製したHRP濃度が2.0mg/mLの高分子/HRP結合体を溶解させた1mM酢酸緩衝液(pH4.5)の代わりに、2.0 mg/mLのHRPを溶解させた1mM酢酸緩衝液(pH4.5)を用いた以外は実施例11と同様に行った。測定結果を表4に示した。
【0071】
【表4】
【0072】
なお表中
*1;チログロブリンより高分子側で、排除体積付近に結合体のピークが確認された。
*2;未反応のHRPとほぼ同じ位置にピークが確認された。
【0073】
実施例21〜30;高分子/HRP/ビオチン結合体
1000μLの実施例1〜10で調製したHRP濃度が2.0mg/mLの高分子/HRP結合体を溶解させたPBS溶液に1.0mg/mLのN−スクシンイミジル D−ビオチン((株)同仁化学製)をジメチルスルオキシド溶液を5μL添加し、4℃、16時間反応させた。反応終了後、500mLのPBSに対する透析(4℃、6時間)を3回繰り返すことにより、未反応のN−スクシンイミジル D−ビオチンを除去した。
前記測定法Fに従い測定を行い結果を表5に示した。
【0074】
比較例3;HRP/ビオチン結合体
実施例21の実施例1で調製したHRP濃度が2.0mg/mLの高分子/HRP結合体を溶解させたPBS溶液の代わりに、2.0 mg/mLのHRPを溶解させたPBS溶液を用いた以外は実施例21と同様に行った。測定結果を表5に示した。
【0075】
【表5】
【0076】
以上の結果から、表3より、poly(L−Lys)/HRP結合体は不溶性であり、可溶性各画の分子量分析を行うと、殆ど高分子化は起きていなかった。一方、poly(MPC−co−MA)−1〜poly(MPC−co−MA)−5および、poly(MPC−co−AEMA)−1〜poly(MPC−co−AEMA)−5を用いた高分子/HRP結合体は、可溶性であり巨大分子であることが確認された。
また、表4より、poly(MPC−co−MA)−1〜poly(MPC−co−MA)−5および、poly(MPC−co−AEMA)−1〜poly(MPC−co−AEMA)−5を用いた高分子/HRP/IgG結合体は、可溶性であり巨大分子であることが確認された。また、これら高分子/HRP/IgG結合体を用いることにより、高分子を用いないHRP/IgG結合体と比較すると、差吸光度が1.9倍〜35.5倍になり、高感度な測定が可能となったことが確認された。
さらに表5より、poly(MPC−co−MA)−1〜poly(MPC−co−MA)−5および、poly(MPC−co−AEMA)−1〜poly(MPC−co−AEMA)−5を用いた高分子/HRP/ビオチン結合体を用いることにより、高分子を用いないHRP/ビオチン結合体と比較すると、差吸光度が1.8倍〜35.8倍になり、高感度な測定が可能となったことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の免疫学的活性物質の高分子/酵素/生物化学的に特異的な結合を有する物質結合体を使用する場合の概要の工程図である。
【図2】図2は実施例1〜10(poly(MPC−co−MA)−1/HRP〜poly(MPC−co−MA)−5/HRPおよび(poly(MPC−co−AEMA)−1/HRP〜(poly(MPC−co−AEMA)−5/HRPのなかの実施例3(poly−co−MA)−3/HRPおよび実施例8(poly(MPC)−co−AEMA−3/HRPと、比較例1(poly(L−Lys)/HRPの分子量測定結果(GPCの溶出曲線)を示した。
【図3】図3は実施例11〜20(poly(MPC−co−MA)−1/HRP/IgG〜poly(MPC−co−MA)−5/HRP/IgGおよび(poly(MPC−co−AEMA)−1/HRP/IgG〜(poly(MPC−co−AEMA)−5/HRP/IgGと、比較例2、HRP/IgGの分子量測定結果(GPCの溶出曲線)を示した。
【符号の説明】
1.チログロブリン(分子量66.9万)
2.フェリチン (分子量44万)
3.マウスIgG (分子量16万)
4.HRP (分子量4万)
5.キモトリプシノーゲンA(分子量2.5万)
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