JP4144969B2 - 締結用弾性ワッシャ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば地下構造物であるトンネルを構成する鉄筋コンクリート製あるいはスチール製セグメントの継手板同士をボルトとナットにより締結するような場合に使用される締結用弾性ワッシャに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の締結用弾性ワッシャとして、従来、図6に示すように、すだれ状あるいはメッシュ状に編織してなる補強用コードにゴムをトッピングした複数枚のシート状トッピングコードを単独もしくはゴムシートと交互に積層してドーナツ形状に形成された積層補強ゴム部11と、鋼板を打ち抜いて作られ上記積層補強ゴム部11の最上層及び最下層それぞれに積層配置された上部フランジ12及び下部フランジ13とを加硫接着により一体化した構成のものが知られている。
【0003】
上記構成の従来の締結用弾性ワッシャは、積層補強ゴム部11の最上層及び最下層それぞれに鋼板製の上部フランジ12及び下部フランジ13が加硫接着により一体化されているために、積層補強ゴム部11の軸方向両端の受圧面がフランジ12,13で拘束され、縦剛性、すなわち、軸方向の圧縮弾性を金属ワッシャとゴムワッシャの中間の大きさとすることが可能であり、その結果、締結時に他の金属ワッシャを併用しなくても、ボルト頭やナットと積層補強ゴム部11を構成するトッピングコードとの接触に伴う傷の発生を防ぐことが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の締結用弾性ワッシャでは、既述したように、鋼板製フランジ12,13の存在によって積層補強ゴム部11の受圧面が拘束を受けるために、使用状態で地震や沈下などが発生したときに締結部に働く変位の吸収性能を確保する上で非常に重要な横剛性、すなわち、径方向のばね定数が大きくなり、地震や沈下などの発生に伴いボルトやトンネルセグメントの継手板等の被締結部材の破損を生じやすいという問題があり、また、そのような破損を防ぐために、大径のボルトを使用すると、それだけ適用範囲が制約されるという問題があった。
【0005】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、縦剛性を十分に確保して他の金属ワッシャとの併用を不要としながらも、径方向のばね定数を柔らかくして優れた変位吸収性能を発揮させることができる締結用弾性ワッシャを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る締結用弾性ワッシャは、補強用コードにゴムをトッピングした複数枚のシート状トッピングコードを単独もしくはゴムシートと交互に積層してなる積層補強ゴム部(1)と、この積層補強ゴム部(1)の最上層及び最下層にそれぞれ積層された上部フランジ(2)及び下部フランジ(3)とを加硫接着により一体化して構成される締結用弾性ワッシャにおいて、上記上部フランジ(2)及び下部フランジ(3)が、集合状態で撚られた多数本の細い硬鋼線の外周にゴムをトッピングしてなる撚線ワイヤー(4)を径方向に渦巻き状に巻回した構造から構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
上記構成の本発明によれば、積層補強ゴム部の軸方向両端に積層され加硫接着により積層補強ゴム部に一体化される上部及び下部フランジが、金属及びゴムの中間的な剛性を持つ撚線ワイヤーの渦巻き構造から構成されているので、従来品とほとんど変わらないだけの縦剛性を確保しつつ、径方向のばね定数を柔らかくして締結使用状態で地震や沈下などが発生したときに締結部に働く変位に対する撓み量が大きくなり、つまり、吸収変位量を大きくとれる。これによって、小径のボルトを用いながら、そのボルトや被締結部材の破損を防止することが可能となる。
【0008】
上記構成の締結用弾性ワッシャにおいて、上部フランジは、撚線ワイヤーの巻回構造を軸方向に二段重ねに配置した構成とし、かつ下部フランジは、撚線ワイヤーの巻回構造を一段だけ配置した構成を採用することによって、上部フランジ側が締結用ボルトの頭またはナットに接し、下部フランジ側が被締結部材に接するように使用した場合に局所的にボルトとナットの強力な締付け力を受けることになる上部フランジの湾曲や変形が著しく小さくなり、その分だけ縦剛性の向上を図ることができる。しかし、これに限定されるものでなく、上部フランジ及び下部フランジ共に撚線ワイヤーの巻回構造を一段または二段に配置した構成としてもよい。
【0009】
また、上記構成の締結用弾性ワッシャにおける補強用コードとしては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、アラミド繊維、ガラス、カーボンのフイメントもしくはその撚り糸の中から選択された一つであればよく、太さは0.1〜5mm、特に、0.2〜0.5mmが好ましい。
【0010】
なお、ゴムとしては、天然ゴムを使用しても、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ハロゲン化ゴム、クロロピレンゴム、エチレンプロピレンディエンゴム、ブタジエンゴム、ポリウレタンなどの合成ゴムを使用してもよい。さらに、撚線ワイヤーを構成する細い硬鋼線としては、鋼線、高抗張力線、ピアン線などが考えられるが、ピアノ線の使用が最も好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る締結用弾性ワッシャの縦断面図、図2はそれの平面図である。これら図に示されたように、該締結用弾性ワッシャWは、補強用コードにゴムをトッピングし、それを円形に打ち抜いて作製された複数枚のリング状かつシート状のトッピングコードとゴムシートを交互に積層してなる積層補強ゴム部1と、この積層補強ゴム部1の最上層及び最下層にそれぞれ積層された上部フランジ2及び下部フランジ3とを、加圧下で加硫接着することにより一体化し、それらの中心部にはボルト挿通孔5を形成して構成されている。
【0012】
上記構成の締結用弾性ワッシャWにおいて、上記上部フランジ2は、直径が1mm程度のピアノ線など多数本の細い硬鋼線を集合させて撚るとともに、その外周にゴムをトッピングしてなる撚線ワイヤー4を図2に示すように、ワッシャWの径方向に渦巻き状に巻回した構造体6を使用し、その渦巻き状の巻回構造体6を図1のように、軸方向に二段重ねに配置した構成としている。
【0013】
また、上記下部フランジ3は、上記と同様な撚線ワイヤー4による渦巻き状の巻回構造体6を軸方向に一段だけ配置した構成としており、これら各撚線ワイヤー4のトッピングゴム同士の加硫接着により渦巻き状巻回構造体6の特に巻始め端及び巻終り端の離脱が防止されている。
【0014】
上記のように構成された締結用弾性ワッシャWは、撚線ワイヤー4による渦巻き状の巻回構造体6から構成された上部フランジ2及び下部フランジ3の存在により、金属ワッシャを併用しなくても十分に高い縦剛性を確保しつつ、径方向のばね定数を柔らかくすることが可能である。したがって、例えば図3に示すように、トンネルセグメントの継手板7,8同士をボルト9及びナット10で締結するにあたり、ナット10に上部フランジ2が接し、下部フランジ3が継手板7に接するように配置した状態でナット10を回して締付けることによって、継手板7,8同士を強力に締結することができる。
【0015】
そして、上記の使用態様において、地震や沈下などの発生に伴いその締結部に初期締付力Faよりも大きい軸力(変位力)Fbが作用したときは、初期締付状態で上部フランジ2及び下部フランジ3に拘束されていた積層補強ゴム部1を図4の実線に示すように大きく撓ませることが可能であり、このような撓み特性の発揮によって、地震や沈下などによって発生する広範囲の変位を十分に吸収して小径のボルト9を用いた場合でも、そのボルト9や継手板7,8の破損等を防止することができる。
【0016】
因みに、図6に示した従来の締結用弾性ワッシャの撓み特性は、図4の仮想線に示すようになり、地震や沈下などの発生に伴い締結部に同一の変位力Fbが作用した場合の撓み量Sbは本発明の締結用弾性ワッシャWの撓み量Saに比べて遥かに小さい。
【0017】
なお、上記実施の形態では、下部フランジ3が撚線ワイヤー4による渦巻き状の巻回構造体6を軸方向に一段に配置し、上部フランジ2が撚線ワイヤー4による渦巻き状の巻回構造体6を軸方向に二段に配置した構成のもので説明したが、図5に示すように、下部フランジ3及び上部フランジ2共に、撚線ワイヤー4による渦巻き状の巻回構造体6を軸方向に一段だけ配置した構成としても、また、図示は省略するが、下部フランジ3及び上部フランジ2共に、撚線ワイヤー4による渦巻き状の巻回構造体6を軸方向に二段に配置した構成としてもよい。
【0018】
また、上記実施の形態では、積層補強ゴム部1が、複数枚のリング状かつシート状トッピングコードとゴムシートを交互に積層してなるもので説明したが、複数枚のトッピングコードを単独に積層してなるものであってもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、積層補強ゴム部の軸方向両端に積層され、かつ加硫接着により一体化される上部及び下部フランジを、金属及びゴムの中間的な剛性を持つ撚線ワイヤーの渦巻き構造から構成しているので、従来品とほとんど変わらないだけの十分な縦剛性を確保して締結作業性が悪くなる他の金属ワッシャとの併用を不要としながらも、径方向のばね定数を柔らかくして締結使用状態で地震や沈下などが発生したときに締結部に働く変位に対する撓み量を大きくし吸収変位量を大きくとることができる。したがって、適用範囲を拡大できるとともに、小径のボルトを用いた場合でも地震や沈下などの発生時にそのボルトや被締結部材が破損したり、変形することを防止できるという効果を奏する。
【0020】
特に、上部フランジは、撚線ワイヤーの巻回構造を軸方向に二段重ねに配置した構成とし、この上部フランジ側が締結用ボルトの頭またはナットに接し、下部フランジ側が被締結部材に接するように使用することにより、局所的にボルトとナットの強力な締付け力を受けることになる上部フランジの湾曲や変形を著しく減少し、その分だけ縦剛性を一層向上させて適用範囲をより拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る締結用弾性ワッシャの縦断面図である。
【図2】同締結用弾性ワッシャの平面図である。
【図3】同締結用弾性ワッシャの使用態様を説明する縦断面図である。
【図4】同締結用弾性ワッシャの撓み特性を説明する図である。
【図5】本発明の他の実施形態による締結用弾性ワッシャの縦断面図である。
【図6】従来の締結用弾性ワッシャの縦断面図である。
【符号の説明】
1 積層補強ゴム部
2 上部フランジ
3 下部フランジ
4 撚線ワイヤー
5 ボルト挿通孔
6 渦巻き状巻回構造体
W 締結用弾性ワッシャ
Claims (3)
- 補強用コードにゴムをトッピングした複数枚のシート状トッピングコードを単独もしくはゴムシートと交互に積層してなる積層補強ゴム部と、この積層補強ゴム部の最上層及び最下層にそれぞれ積層された上部フランジ及び下部フランジとを加硫接着により一体化して構成される締結用弾性ワッシャにおいて、
上記上部フランジ及び下部フランジが、集合状態で撚られた多数本の細い硬鋼線の外周にゴムをトッピングしてなる撚線ワイヤーを径方向に渦巻き状に巻回した構造から構成されていることを特徴とする締結用弾性ワッシャ。 - 上記上部フランジ及び下部フランジは、撚線ワイヤーの巻回構造を軸方向に一段または二段重ねに配置した構成としている請求項1に記載の締結用弾性ワッシャ。
- 上記補強用コードは、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、アラミド繊維、ガラス、カーボンのフイメントもしくはその撚り糸の中から選択された一つである請求項1または2に記載の締結用弾性ワッシャ。
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- 1999-05-17 JP JP13553999A patent/JP4144969B2/ja not_active Expired - Fee Related
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