JP4143170B2 - ズームレンズ及びそれを用いた投影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズ及びそれを用いた投影装置に関し、例えば画像(物体)を固定した有限距離にて、物体像をスクリーンに拡大投射するプロジェクション装置に用いられる、大口径かつ画像側での良好なテレセントリック性能を有し、低歪曲・低色収差の高い光学性能を有したレトロフォーカス型のズームレンズ及びそれを用いた投影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、負の屈折力のレンズ群が先行する、所謂ネガティブリード型のズームレンズは広画角化が容易で焦点距離に比して長いバックフォーカスを容易に確保することができ、かつ近接撮影距離での光学性能が良好に維持できる等の特長を有している。一方、ネガティブリード型のズームレンズは変倍の際のレンズ群の移動量が増大し、又、高変倍化が難しい等の欠点を有している。
【0003】
例えば、第1共役点側より順に負、正、負、正の屈折力の4つのレンズ群、もしくは負、正、正、負の屈折力の4つのレンズ群より構成し、このうち所定のレンズ群を移動させて変倍を行う、所謂4群ズームタイプのズームレンズが数多く提案されている。又、第1共役点側から負、正、正、正の屈折力のレンズ構成より成る4群ズームタイプのズームレンズもいくつか提案されている。
【0004】
その中で例えば、主に一眼レフカメラ用途向けのものが特開昭60-31110号公報で提案されている。同公報では、負正正の屈折力の3つのレンズ群より成る3群ズームタイプに独立した正の屈折力を有する第4レンズ群を像面近傍に付加した構成より成り、第1から第3レンズ群までの正の屈折力の合成屈折力を弱める作用をし、高画角化および大口径化に有利な構成となっている。
【0005】
また、液晶プロジェクション用のズームレンズとして本出願人は特願平9-272245号公報において、負、正、正、正の屈折力の4つのレンズ群より成る4群タイプのテレセントリックなズームレンズを提案している。そこでは、各レンズ群の動きは広角端から望遠端への変倍に関して第1〜3レンズ群は大きな共役(物体)側へ、また第4レンズ群は小さな共役(像面)側に移動することを特徴としており、XGA パネルに対応する歪曲・色収差を良好に補正したテレセントリックなズームレンズを提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
液晶素子のような表示画像をスクリーンにコンパクトなレンズ系にて拡大投射する液晶表示装置では、
(ア-1) スクリーン上での高い輝度を確保するために、液晶表示装置で用いる投射レンズの瞳径は大きい方が商品性を考えると好ましい。また、一眼カメラ用の広角ズームレンズのような用途でも、F値を小さく、すなわち瞳径を大きくした明るい撮影レンズに対するニーズ、期待は大きい。
【0007】
(ア-2) 液晶素子の配光特性、または複数の色光を合成する時の色合成ダイクロイック膜の角度依存の影響を排除する為、および照明系との良好なマッチングをはかり良好な周辺での照度を確保する為に射出瞳が無限遠にある所謂テレセントリック光学系であることが望ましい。
【0008】
(ア-3) 通常、表示画像をスクリーン上に上方投射する為に、投射レンズの光軸に対し、液晶表示装置はその中心位置がシフトした状態で用いられ、結果として前玉付近は使用する有効領域が光軸対称ではなく、上方に偏り、前玉径が大きくなるので改善手段が必要である。
【0009】
(ア-4) 液晶表示装置の画像をスクリーンに投射したとき、特にレトロフォーカスタイプの投影レンズを用いると、その投影レンズの特有の糸巻き型歪みを目立たなくするために、歪曲収差は多くとも絶対値2%以内におさえる必要がある。また、歪曲収差の出し方も、特に液晶プロジェクション用の投影レンズのような場合は、レンズ光軸を上記のようにシフトして使っている都合上、比較的低い像高から最大像高まで歪曲収差をゆるやかに出す手法が好ましい。
【0010】
(ア-5) また、3LCD方式の液晶表示装置の画像をスクリーンに投射したとき、各色の画素を中心から周辺まで一致させるために投射レンズにて発生する色ずれ(倍率色収差)を低減することが望まれる。
【0011】
上記、各事項に対し、例えば前記特開昭60-31110号公報では広画角ではあるといっても、瞳径は小さく、また射出瞳位置は有限であり、特に歪曲や色収差に関しては十分な補正がなされているとは言い難かった。
【0012】
又、カラー液晶プロジェクターにおける投影光学系では投影レンズと液晶素子との間に偏光ビームスプリッターや色分解プリズムを配置している。この為、投影レンズには長いバックフォーカスが必要となってくる。
【0013】
又、スクリーン面上での色ムラの発生を防止する為には色分解プリズムのダイクロイック面の入射角を投影像原画の任意の位置で一定にする必要がある。この為、投影レンズをテレセントリック系で構成することが必要となっている。
【0014】
一般に長いバックフォーカスを有するにはレンズ系全体をスクリーン側に負の屈折力のレンズ群を、投影像原画側に正の屈折力のレンズ群を配置した、所謂レトロ型にする必要がある。
【0015】
しかしながらレトロ型にするとレンズ系が非対称となってくる為に諸収差の発生が多くなり、良好なる光学性能を得るのが難しくなってくる。又、レンズ枚数が増加し、レンズ系全体が複雑化及び大型化してくるという問題点が生じてくる。
【0016】
又、投影レンズのテレセントリック性を良くしようとすると、レンズ系全体が大型化してくるという問題が生じてくる。又、軸外光束の入射高が高くなり高次の収差が多く発生してくるという問題点が生じてくる。
【0017】
本発明は、全体として4つのレンズ群より成り、又、レンズ型としてネガティブリード型を採用し、各レンズ群を適切に構成することにより、レンズ系全体の小型化を図りつつ、変倍範囲全体に渡りテレセントリック条件を良好に維持し、画面全体に渡り良好なる光学性能を有した液晶プロジェクター用に好適なズームレンズ及びそれを用いた投影装置の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のズームレンズは第1共役点側より順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群そして正の屈折力の第4レンズ群の4つのレンズ群より構成されるズームレンズであって、
ズーミングに際して、該4つのレンズ群を全て独立に移動又は、該第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群をそれぞれ独立に移動させ、前記第4レンズ群を固定とし、
前記第2レンズ群の最も第2共役点側の負レンズの近傍には絞りが設けられており、
該絞りは変倍の際、該第2レンズ群と一体で動き、
該ズームレンズの広角端の焦点距離および前記第1レンズ群の焦点距離をそれぞれfwおよびf1とし、
該絞りから広角端および望遠端における、第3および第4レンズ群の合成系の第1共役点側主平面位置までの距離をそれぞれ o1w o1t 、広角端と望遠端における該第3および第4レンズ群の合成焦点距離をそれぞれ fw34,ft34 としたとき、
0.30 < -fw / f1 < 0.65 ・・・・(1)
0.7 < o1w/fw34 < 1.0 ・・・・(5)
0.7 < o1t/ft34 < 1.2 ・・・・(6)
なる条件を満足することを特徴としている。
【0019】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記第1レンズ群は、広角端から望遠端へのズーミングに際して第2共役点側に移動し、第1レンズ群と第2レンズ群は望遠端のズーム位置にて最も接近し、第3レンズ群は広角端のズーム位置で第4レンズ群に最も接近していることを特徴としている。
【0020】
請求項3の発明は請求項1の発明において、前記第1レンズ群は第1共役点側より順に第1共役点側に凸面を向けた少なくとも1枚のメニスカス状の負レンズ、第1共役点側に小さな曲率半径の凸面を向けた正レンズにより構成されていることを特徴としている。
【0021】
請求項4の発明は請求項1の発明において、前記第1レンズ群は第1共役点側より順に第1共役点側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズと第1共役点側に凸面を向けた少なくとも1枚のメニスカス状の負レンズにより構成されていることを特徴としている。
【0022】
請求項5の発明は請求項1乃至4のいずれか1項の発明において、前記第1レンズ群中の正レンズの材質の平均屈折率および平均アッベ数を各々ndp 、νdpとしたとき、
1.90 > ndp > 1.70
52 > νdp > 35
なる条件を満足することを特徴としている。
【0023】
請求項6の発明は請求項1乃至5のいずれか1項の発明において、前記第1および第2レンズ群の屈折力を各々Φ1 、Φ2 、第1レンズ群と第2レンズ群の広角端および望遠端での主点間隔を各々ew12、et12としたとき、
0.015 < -(ew12/et12)Φ1× Φ2/( Φ1+Φ2) < 0.30
なる条件を満足することを特徴としている。
【0024】
請求項7の発明は請求項1乃至6のいずれか1項の発明において、前記第2レンズ群の最も第2共役点側には第2共役点側に強い曲率を有する負レンズが設けられていることを特徴としている。
請求項8の発明は請求項1乃至7のいずれか1項の発明において、前記第3レンズ群の焦点距離および該第3レンズ群中の正レンズの合成焦点距離をそれぞれf3、f3p としたとき、
2.5 < f3/f3p < 10.0
なる条件を満足することを特徴としている。
請求項9の発明は請求項1乃至8のいずれか1項の発明において、広角端での全系の焦点距離をfw、第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、
2.5 < f4 / fw < 5.0
なる条件を満足することを特徴としている。
請求項10の発明の投影装置は、請求項1乃至9いずれかに記載のズームレンズを用いて投影像原画をスクリーン面上に投影していることを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1〜図7は各々本発明の後述する数値実施例1〜7のズームレンズを用いた投影装置(液晶ビデオプロジェクター)の要部概略図である。図8〜図21は本発明の後述する数値実施例1〜7の広角端、望遠端の収差図である。
【0026】
図1〜図7のレンズ断面図において、PLはズームレンズである。L1は負の屈折力の第1群(第1レンズ群)、L2は正の屈折力の第2群(第2レンズ群)、L3は正の屈折力の弱い第3群(第3レンズ群)、L4は正の屈折力の第4群(第4レンズ群)である。
【0027】
SPは絞り、Sはスクリーン面(投影面)、LCDは液晶パネル(液晶表示素子)等の原画像(被投影面)である。スクリーン面Sと原画像LCDとは共役関係にあり、一般には、スクリーン面Sは距離の長い方の共役点(第1共役点)に、原画像LCDは距離の短い方の共役点(第2共役点)に相当している。GBは色合成プリズムや偏光フィルター、そしてカラーフィルター等のガラスブロックである。
【0028】
ズームレンズPLは接続部材(不図示)を介して液晶ビデオプロジェクター本体PBに着装されている。ガラスブロックGB以降の液晶表示素子LCD側はプロジェクター本体PBに含まれている。
【0029】
本実施形態では広角端から望遠端への変倍に際して矢印のように、図1の数値実施例1では第1群L1を非直線的に第2共役点(原画像)LCD側へ移動させ、第2群L2と第3群L3を第1共役点(スクリーンS側)へ移動させると共に第4群L4は第2共役点(原画像)LCD側に移動させている。又、第1群を光軸上移動させてフォーカスを行っている。
【0030】
図2〜図7の数値実施例2〜7では、第1群L1を非直線的に第2共役点(原画像)LCD側へ移動させ、第2群L2と第3群L3を第1共役点(スクリーンS側)へ移動させている。又、第1群を光軸上移動させてフォーカスを行っている。
【0031】
本発明のズームレンズでは、以下のレンズ構成を特徴としている。
【0032】
レンズの構成上、絞りSPから最も遠い位置に配置される第1レンズ群の屈折力が大きくなると歪曲・倍率色収差の補正が困難になったり、フォーカス時の収差変動が大きくなる。また第2レンズ群の屈折力が大きくなると変倍の際の収差変動が大きくなる傾向を示すため、好ましくない。そのため本発明では、第1および第2レンズ群の屈折力を所望のバックフォーカスを稼ぐ範囲内で小さく設定する系を実現している。
【0033】
例えば、液晶表示装置(以後像面とよぶ)の画像をスクリーンに拡大投射するズームレンズにおいて、スクリーン側(以後第1共役点側とよぶ)から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有し、広角端の焦点距離時に対し、望遠端の焦点距離時には、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔は減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間隔は増大する様に各レンズ群を適切に移動し、又、レンズ構成の簡易化の為に、数値実施例2〜7では前記第4レンズ群を固定とし、残る前記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群を移動して変倍している。
【0034】
この広角端から望遠端への変倍に関して、前記第1レンズ群を第2レンズ群に近づくように(第2共役点側に)移動させるように変倍することで、第1、第2レンズ群の屈折力を小さく設定でき、大きな変倍比を稼ぐとともに望遠端でレンズ系全体が大きくならずコンパクトなズームレンズを達成している。
【0035】
さらに、第1レンズ群のレンズ構成として第1共役点側から順にスクリーン側に凸面を向けた少なくとも1枚のメニスカス状の負レンズ、および第1共役点側に小さな曲率半径の凸面を向けた正レンズを配置している。この負レンズを第1共役点側よりに配置するレンズ構成によれば、又は、複数のレンズより成るレンズ群としたとき、全体として負の屈折力配置となるレンズ構成によれば、第1レンズ群の屈折力を小さく設定することが可能であり、軸外収差量およびフォーカス時の収差変動等を小さく抑えることが可能である。さらなる効果として、レンズ全長を短縮すると共に、入射瞳位置から前玉までの距離を短くし、軸外斜光束で決まる前玉径の小型化を可能としている。
【0036】
また、第1レンズ群内に配置される前記負レンズは少なくとも2枚にて構成し、その形状は第1共役点側に凸面を向けたメニスカス形状と両レンズ面が凹面の負レンズ、又は2つとも第1共役点側に凸面を向けたメニスカス形状であることにより、主に軸外主光線をゆるやかに屈曲させることができ非点・歪曲・倍率色収差等の発生を抑える効果がある。
【0037】
なお、条件式(1)は広角端の焦点距離fwおよび第1レンズ群の焦点距離f1の比を特定したものである。
【0038】
この条件式(1)の下限値をこえると第1レンズ群の屈折力が小さくなりすぎ、フォーカス時の移動量が大きくなりレンズ系構成上十分なスペースを確保するのが困難になったり、機構設計上の制約になるため好ましくない。また、逆に上限値を越えると、第1レンズ群の屈折力が大きくなり、軸外収差補正が困難になるばかりでなく、望遠端への変倍に関して系が大きくなる、バックフォーカスが大きくなりすぎコンパクト化の障害となる、およびフォーカス時の収差変動が大きい等の多くの問題点が発生するため好ましくない。
【0039】
もしくは、別の第1レンズ群のレンズ構成として図5の数値実施例5では、第1共役点側から順にスクリーン側に凸面を向けた1枚のメニスカス状の正レンズ、および第1共役点側に凸面を向けた少なくとも1枚のメニスカス状の負レンズにより構成することにより、第1レンズ群にて発生する主に歪曲・倍率色収差を最も第1共役点側に配置したメニスカス状の正レンズにより良好に補正することができる。ただし、前記メニスカス状の正レンズの屈折力を大きくしすぎると前玉径が大きくなったり、歪曲収差を高次領域にて強引に補正する形となり前述の歪曲補正方法としては好ましくない。前記正レンズの焦点距離および第1レンズ群の広角端での焦点距離をf1p 、f1w としたとき
1.0 > -f1w / f1p > 0.4
の条件を満たすことが望ましい。
【0040】
また、絞り位置から最も遠い位置に配置される、前記第1レンズ群に、非球面レンズを採用することにより、効率よく特に歪曲収差を補正することを可能としている。また、前記非球面レンズは特に硝子材に限らない。例えば、PMMAのようなプラスチック材であれば、安価で、軽い高性能レンズを実現できる。
【0041】
前記第1レンズ群中の正レンズに関しては、その材質の平均屈折率および平均アッベ数を各々ndp 、νdpとしたとき以下の式を満足することが好ましい。
【0042】
1.90 > ndp > 1.70 (2)
52 >νdp > 35 (3)
条件式(2)は、フォーカス群である第1レンズ群内の正レンズの材質の屈折率を規定するものであり、ペッツヴァール和を小さくための条件式である。この下限値および上限値をこえると像面がアンダーまたはオーバーに倒れる傾向をしめすため好ましくない。
【0043】
条件式(3)は正レンズの材質のアッベ数に関する規定であり、この下限値、又は上限値をこえると特に倍率色収差の補正が困難になる。また、望ましくはこの正レンズの材質に関して、ランタン系列の高屈折率異常分散硝子を採用することによりズーミングおよびフォーカス時での特に倍率色収差の変動を良好に補正することができる。
【0044】
また、第1および第2レンズ群の屈折力をΦ1 、Φ2 、また第1および第2レンズ群間の広角端および望遠端での主点間隔をew12、et12としたとき以下の条件式を満足している。
【0045】
0.015 < -(ew12/et12)Φ1× Φ2/( Φ1+Φ2) < 0.30 (4)
この条件式(4) は変倍に関する条件式であり、下限値を越えてしまうとレンズ系にて十分な変倍比が取れなくなる。逆に上限値をこえると第1レンズ群の屈折力が大きくなり、つれて絞りから後ろの第3、第4レンズ群の屈折力が大きくなるため主に歪曲・倍率色収差および非点収差等の軸外収差補正が困難になる、またはズームストロークが大きくなるなどの不都合が生じる。
【0046】
また、負、正、正、正の屈折力のレンズ群より成る4群ズームレンズのように、正レンズ群が多いことによるペッツヴァール和の増大は絞り面近傍である、第2レンズ群の最も第2共役点側および第3レンズ群の最も第1共役点側といった、軸上近軸追跡光線がレンズ面と交わる高さが小さくなるような位置に大きな屈折力を有する負レンズを配置している。絞りは、第2レンズ群中の最も第2共役点側の凹レンズ近傍に配置され、変倍の際に第2レンズ群と一体で動くことが、前玉径の拡大、変倍時の軸外収差変動を防ぐ意味において望ましい。
【0047】
また、前記絞りから広角および望遠端に関して、第3および第4レンズ群の合成系に関する前側主点位置までの距離をそれぞれo1w 、o1t 、広角端と望遠端における前記合成焦点距離をそれぞれfw34,ft34 としたとき以下の条件式を満足している。
【0048】
0.7 < o1w/fw34 < 1.0 (5)
0.7 < o1t/ft34 < 1.2 (6)
このレンズ構成により、液晶表示装置側の瞳位置を広角端から望遠端の全領域にて略無限遠方向に配置することが可能となり、例えば液晶プロジェクターのような装置を考えた場合、スクリーン上にて周辺まで高い輝度を維持することが可能となる。この条件式(5)、(6)の上限値および下限値を越えると瞳が近くなり、画面周辺での照度が落ちたり、ダイクロイック膜の角度特性(帯域シフト)によりスクリーン上での色むらの原因となってしまう。特に広角端に関して、条件式(5)の上限値をこえると絞りから後ろのレンズ群の屈折力が大きくなるため歪曲等の軸外収差の補正が困難になり好ましくない。
【0049】
第3レンズ群に関しては、その合成焦点距離およびレンズ群内の正レンズの合成焦点距離をそれぞれf3、f3p としたとき、以下の条件式(7)を満足することにより第3レンズ群に関して主平面位置を大きく第2共役点側に移すことが可能となり、第2共役点側でのテレセントリック性能および所望のバックフォーカスを確保する目的に対して有利に作用する。
【0050】
3 < f3/f3p < 10 (7)
本条件式(7)の下限値を越えると、十分なバックフォーカスが得られない、瞳位置が近くなる等の問題が生じる。また逆に上限値をこえると第3レンズ群内正レンズの屈折力が大きくなるため、軸外収差の補正が困難になるため好ましくない。
【0051】
さらに、前記第3レンズ群に関して、前記絞り近傍の大きな負の屈折力に対して瞳を無限遠方向に位置させるために大きな正の屈折力が必要となるため、収差補正上少なくとも2枚以上で構成することが望ましい。また、この正レンズは軸外収差の発生を抑える意味においても絞り面に対してコンセントリックな形状、つまり像側に凸面を向けたメニスカス レンズであることが好ましい。
【0052】
また、レンズ構成上主たる変倍に用いる第2レンズ群の屈折力は第1から第4レンズ群中最も大きいが、本発明のような大口径化を実現するために、各第1から第3レンズ群(特に第2レンズ群)の屈折力を小さくする目的にて第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、以下の条件式を満足するように設定することが望ましい。
【0053】
2.5 < f4 / fw < 5.0 (8)
条件式(8)の下限値をこえると第4レンズ群の屈折力が大きくなり第4レンズ群のレンズ構成を、例えば1枚のレンズにて構成するといった、単純な構成にすることが困難になりレンズ系が大きくなってしまう。また逆に上限値をこえると第4レンズ群の屈折力が小さくなりすぎ、第1から第3レンズ群の屈折力を弱める効果が少なくなり、高性能化の効果がうすれてくる。
【0054】
また、前記第4レンズ群に、非球面レンズを採用することにより、効率よく特に歪曲収差を補正することが可能となる。また、前記非球面レンズは特に硝子材に限らない。例えば、PMMAのようなプラスチック材であれば、安価で、軽い高性能レンズを実現できる。
【0055】
次に本発明の各数値実施例に基づき、図を用いてさらに詳細に説明する。
【0056】
図1の数値実施例1では、広角端から望遠端にかけて第1レンズ群は第2共役点側に移動し、第1、第2レンズ群の間を狭めるように、また第2、第3レンズ群および第3、第4レンズ群間隔は広がるように、各レンズ群を移動することにより十分な変倍比を稼ぐとともに、系のコンパクト化の実現および第1レンズ群の屈折力を弱めて、歪曲・倍率色収差を良好に補正している。
【0057】
第1レンズ群内での屈折力配置に関しては、第1共役点側に負の屈折力を集中して主平面を前玉よりも第1共役点側に移すことにより第1レンズ群に関して、小さな屈折力配置を実現し、主にレトロフォーカスレンズに特有の樽型歪曲収差、倍率色収差等の軸外収差を良好に補正するとともに、F/2.0 、周辺照度比50% といった明るい系を実現しながら、前玉の径を小さく保つことに貢献している。ただし、これ以上に第1レンズ群の負の屈折力を小さくすると、性能上は有利になるが、フォーカス移動量が大きくなりすぎる等の機構面での制約があり好ましくない。ただし、リアプロジェクションテレビ用など所定の投射距離範囲でしか使用しないような場合ではこの限りではない。また、プロジェクションレンズユースを考えると、高輝度化のためにレンズ面は全面多層コートを施すことが望ましい。
【0058】
また、第3レンズ群の第1共役点側近傍に強い負の屈折力を与えるため負レンズを2枚に分割している。この強い負の屈折力により、効率よくペッツヴァール和を小さくすることができること、さらに瞳およびバックフォーカス確保のレンズ面にて有利に作用している。形状は第2および第3レンズ群全体でガウスタイプに近い形状を有することにより、主に歪曲、コマ等の収差補正には適当である。
【0059】
本実施例では第4レンズ群も広角端から望遠端に向かって第2共役点側に移動しており変倍に貢献している。ただし、機構設計面で負荷が大きくなる等固定の方が望ましいため、この限りではない。
【0060】
なお、本実施例のレトロフォーカス型のズームレンズの数値実施例をmm単位で表したとき(以下同じ)4mにフォーカスしたときの広角端および望遠端での収差図をそれぞれ図8,図9に示す。
【0061】
図2の数値実施例2では、広角端から望遠端にかけて第1、第2レンズ群の間を狭めるように、また第2、第3レンズ群および第3、第4レンズ群間隔は広がるように、第1,第2,第3レンズ群を移動することにより十分な変倍比を稼ぐとともに、第1レンズ群の屈折力を弱めて歪曲・倍率色収差を良好に補正している。
【0062】
数値実施例1と比較して、本実施例ではペッツヴァール和の補正のための第2レンズ群の第2共役点側に配置される負の屈折力を2枚の負レンズにて分担している。また、第1レンズ群内の正レンズに関して、特に倍率色収差を補正するため、およびフォーカス時の色収差の変動を抑える目的にてランタン系列の異常分散硝子を採用している。
【0063】
また、第4レンズ群は、レンズ系機構を簡易化するために固定している。その他の点に関しては数値実施例1と同じなので詳細な説明は省略する。
【0064】
なお、本実施例のレトロフォーカス型のズームレンズを4mにフォーカスしたときの広角端および望遠端での収差図をそれぞれ図10,図11に示す。
【0065】
図3の数値実施例3では、広角端から望遠端にかけて第1、第2レンズ群の間を狭めるように、また第2、第3レンズ群および第3、第4レンズ群間隔は広がるように、第1,第2,第3レンズ群を移動することにより十分な変倍比を稼ぐとともに、第1レンズ群の屈折力を弱めて歪曲・倍率色収差を良好に補正している。
【0066】
本実施例は、数値実施例2と比較して絞り近傍に配置されていた屈折力分担用の負レンズを省略した系にて構成される。その他の点に関しては数値実施例2と比較して少ない枚数にて構成されている点以外は同じなので詳細な説明は省略する。
【0067】
なお、本実施例のレトロフォーカス型のズームレンズを4mにフォーカスしたときの広角端および望遠端での収差図をそれぞれ図12,図13に示す。
【0068】
図4の数値実施例4では、広角端から望遠端にかけて第1、第2レンズ群の間を狭めるように、また第2、第3レンズ群および第3、第4レンズ群間隔は広がるように、第1,第2,第3レンズ群を移動することにより十分な変倍比を稼ぐとともに、第1レンズ群の屈折力を弱めて歪曲・倍率色収差を良好に補正している。
【0069】
本実施例では、フォーカス群である第1レンズ群に一枚のメニスカス状の負レンズを追加して屈折力分担し、歪曲等の軸外収差の発生を抑えるとともに、小さな屈折力による大きなフォーカス繰り出し時の収差変動(主に像面の倒れ)を防いでいる。またこの第1レンズ群内の負レンズに、低屈折率材の異常分散硝子および正レンズにランタン系列の高屈折率異常分散硝子を採用することにより、ペッツヴァール和および倍率色収差を小さくおさえること、またフォーカス時の像面および色収差変動低減に大きく貢献している。また、絞り近傍に配置される第2レンズ群の負レンズ、および第3レンズ群の負レンズの材質を屈折率1.7 以下の硝子を選択することで、さらにペッツヴァール和を良好に補正している。その他の点に関しては数値実施例2と同じなので詳細な説明は省略する。
【0070】
なお、本実施例のレトロフォーカスズームレンズを4mにフォーカスしたときの広角端および望遠端での収差図をそれぞれ図14,図15に示す。
【0071】
図5の数値実施例5では、広角端から望遠端にかけて第1、第2レンズ群の間を狭めるように、また第2、第3レンズ群および第3、第4レンズ群間隔は広がるように、第1,第2,第3レンズ群を移動することにより十分な変倍比を稼ぐとともに、第1レンズ群の屈折率を弱めて歪曲・倍率色収差を良好に補正している。
【0072】
第1レンズ群内での屈折力配置に関しては、第1共役点側から順に第1共役点側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、第1共役点側に凸面を向けた絞り面に対してコンセントリック形状を有した2枚のメニスカス状の負レンズおよび全体として小さな負の屈折力を有する色消し目的の貼り合わせレンズにて構成されている。また、最も第1共役点側に配置されたメニスカス状の正レンズの焦点距離と第1レンズ群の焦点距離との比は0.56(好ましくは0.5〜0.6 )と小さな値におさえている。
【0073】
また、絞り面は第2レンズ群の最も第2共役点側に配置しており、第3レンズ群の最も第1共役点側といった軸上光束高さが低くなるところに大きな負の屈折力を配置してペッツヴァール和の低減およびバックフォーカスを稼いでいる。
【0074】
第3レンズ群の負レンズの材質に関しては、平均屈折率が1.7 以下になるように選択することでペッツヴァール和の低減を図っている。なお、第4レンズ群は機構簡易化のため固定群となっている。
【0075】
なお、本実施例のレトロフォーカスズームレンズを4mにフォーカスしたときの広角端および望遠端での収差図をそれぞれ図16,図17に示す。
【0076】
図6の数値実施例6では、広角端から望遠端にかけて第1、第2レンズ群の間を狭めるように、また第2、第3レンズ群および第3、第4レンズ群間隔は広がるように、第1,第2,第3レンズ群を移動することにより十分な変倍比を稼ぐとともに、第1レンズ群の屈折力を弱めて歪曲・倍率色収差を良好に補正している。
【0077】
本実施例では、フォーカス群である第1レンズ群の第1共役点側からの2番目の第2メニスカス状の負レンズの第2共役点側のレンズ面に非球面を採用している。これにより、主に歪曲収差を効率よく低減することができ、より高性能化を実現できる。また、この効果により少ないレンズ構成枚数にて系を実現することが可能となり、セットの軽量化が可能である。また、負の屈折力を有した非球面レンズの材質をPMMAのようなプラスチック材とすることで、ペッツヴァール和を低減することができ、より安価に実現可能である。
【0078】
本実施例では第2メニスカス状の負レンズに非球面を採用したが、この限りでなく歪曲補正目的であるならば第1レンズの第1共役点側のレンズ面等に採用してもよい。この非球面レンズの屈折力は、製造上の誤差、温度等の環境変化に対しても適応性を考えると、本実施例のように全系の屈折力と比して弱く( 屈折力比にて30% 以下) 設定することが好ましい。本プラスチックレンズ面には透過率改善のためソフトコート(低温コート)を施している。その他の点に関しては数値実施例4と同じなので詳細な説明は省略する。
【0079】
なお、本実施例のレトロフォーカス型のズームレンズを4mにフォーカスしたときの広角端および望遠端での収差図をそれぞれ図18,図19に示す。
【0080】
図7の数値実施例7では、広角端から望遠端にかけて第1、第2レンズ群の間を狭めるように、また第2、第3レンズ群および第3、第4レンズ群間隔は広がるように、レンズ群を移動することにより十分な変倍比を稼ぐとともに、第1レンズ群の屈折力を弱めて歪曲・倍率色収差を良好に補正している。
【0081】
本実施例では、第4レンズ群の正レンズの第1共役点側のレンズ面に非球面を採用している。これにより、先の数値実施例6と同様に主に歪曲収差を効率よく低減することができ、より高性能化を実現できる。また、この効果により少ないレンズ構成枚数にて系を実現することが可能となり、セットの軽量化が可能である。また、正の屈折力を有した本非球面レンズの材質をPMMAのようなプラスチック材とすることで、より安価に実現可能である。ただしPMMA材にしたことにより例えば、ペッツヴァール和の増加等により性能面で制約がでる場合はこの限りでなく硝子切削非球面等を採用することも可能である。
【0082】
この非球面レンズの屈折力も、数値実施例6と同様に製造上の誤差、温度等の環境変化に対しても適応性を考えると、本実施例のように全系の屈折力と比して弱く( 屈折力比にて30% 以下) 設定することが好ましい。本プラスチックレンズ面には透過率改善のためソフトコート(低温コート)を施している。その他の点に関しては数値実施例4と同じなので詳細な説明は省略する。
【0083】
なお、本実施例のレトロフォーカスズームレンズを4mにフォーカスしたときの広角端および望遠端での収差図をそれぞれ図20,図21に示す。
【0084】
図22は、本発明のテレセントリック系より成るズームレンズとそれを用いた液晶プロジェクター(投影装置)の構成を機能的に表現したもので、該液晶プロジェクター本体を上面からみた概略図である。
【0085】
同図において、51は、本発明のズームレンズ(投射レンズ)、52は該ズームレンズを本体に接続するレンズホルダー、53は液晶プロジェクター本体の外装部、54は種々の前記光学部品が入っている光学エンジンボックス、55はランプリフレクター、56は色合成プリズムやカラーフィルターのガラスブロック、57〜59はR、G、B各色に対応した画像を表示する液晶表示素子、60〜62は該液晶表示素子に入射する光を成形する為のコンデンサーレンズ、63,65,68はダイクロイックミラー(色分解ミラー)又は全反射ミラー、64,66はコンデンサーレンズ、67,69はダイクロイックミラー、70,72は画面上の光量を略均一にするフライアイレンズや光源からの光を有効に使い画面上の光量を増やす為に光の偏光方向をそろえる働きをする偏光変換素子、71は全反射ミラー、73は光源である。
【0086】
同図において光源73から出た白色光はリフレクター55で前方に反射され、フライアイレンズ72や全反射ミラー71、偏光変換素子70を通過して略均一な光になり第1のダイクロイックミラー69に入射する。該第1のダイクロイックミラー69で例えば2つの色(R)と(G,B)に分解され、一方の光(R)は透過して第3のダイクロイックミラーまたは全反射ミラー68に反射されてコンデンサーレンズ60に入射する。
【0087】
もう一方の光(G,B)は第1のダイクロイックミラー69で反射されて第2のダイクロイックミラー67に入射する。該ダイクロイックミラー67でさらに2つの色GとBに分解され、一方の光Gは反射されてコンデンサーレンズ61に入射する。
【0088】
もう一方の光Bは透過して第1のコンデンサーレンズ66を透過し、さらに第4のダイクロイックミラーまたは全反射ミラー65で反射され、第2のコンデンサーレンズ64を透過して、第5のダイクロイックミラーまたは全反射ミラー63で反射されコンデンサーレンズ62に入射する。
【0089】
前記各コンデンサーレンズ60〜62に入射した光は、各色に対応した液晶表示素子57〜59を照射し、画像情報を有した光となって該液晶表示素子57〜59から射出する。それら3つの光は、色合成プリズム56によって1つの光に合成され、ズームレンズ51によってスクリーン上に投影される。
【0090】
また、場合によっては前記液晶表示素子とコンデンサーレンズの間に、偏光フィルターが配置されることがある。
【0091】
図23は該液晶プロジェクターを側面から見た図である。図において、81は該ズームレンズの光軸、82は該液晶表示素子の画面中心を垂直に通る軸である。同図において、81と82が一致せずにずれていることがわかる。これは、前記液晶表示素子に表示された画像を前記ズームレンズで不図示のスクリーンに投射する際に、該画像を該液晶プロジェクター本体より上側に投射する為である。これにより、スクリーンに対して該液晶プロジェクターより後方で該スクリーン上の画像を観察するとき、該液晶プロジェクター本体が該スクリーン上に投影された画像と重なる部分が少なくなり、観察しやすい画像を提供することが可能になる。
【0092】
次に本発明のズームレンズの数値実施例を記載する。数値実施例においてriは物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径、diは物体側より順に第i番目のレンズ厚及び空気間隔、niとνiは各々物体側より順に第i番目のレンズのガラスの屈折率とアッベ数である。又、数値実施例における最後の2つの面は、色分解プリズム、偏光フィルター、カラーフィルター等のガラスブロックを示す。fは焦点距離、fnoはFナンバー、ωは半画角である。
【0093】
非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、各非球面係数をK,B,C,D,Eとしたとき、
【0094】
【数1】
Figure 0004143170
なる式で表している。又、例えば「D−0X」の表示は「10-X」を意味する。
【0095】
又、前述の各条件式と数値実施例における諸数値との関係を表−1に示す。
【0096】
【外1】
Figure 0004143170
【0097】
【外2】
Figure 0004143170
【0098】
【外3】
Figure 0004143170
【0099】
【外4】
Figure 0004143170
【0100】
【外5】
Figure 0004143170
【0101】
【外6】
Figure 0004143170
【0102】
【外7】
Figure 0004143170
【0103】
【表1】
Figure 0004143170
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば大口径で、焦点距離に比してバックフォーカスが長く、第2共役点側にて良好なテレセントリック性能を有し、高解像性能を有する低歪曲および色にじみが少ないレトロフォーカス型のズームレンズ及びそれを用いた投射装置を実現することができる。
【0105】
特に、本発明によれば以上のように、全体として4つのレンズ群より成り、又、レンズ型としてネガティブリード型を採用し、各レンズ群を適切に構成することにより、レンズ系全体の小型化を図りつつ、変倍範囲全体に渡りテレセントリック条件を良好に維持し、画面全体に渡り良好なる光学性能を有した液晶プロジェクター用に好適なズームレンズ及びそれを用いた投影装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の数値実施例1のレンズの断面図
【図2】 本発明の数値実施例2のレンズの断面図
【図3】 本発明の数値実施例3のレンズの断面図
【図4】 本発明の数値実施例4のレンズの断面図
【図5】 本発明の数値実施例5のレンズの断面図
【図6】 本発明の数値実施例6のレンズの断面図
【図7】 本発明の数値実施例7のレンズの断面図
【図8】 本発明の数値実施例1のスクリーンまでの距離4mのときの広角端の収差図
【図9】 本発明の数値実施例1のスクリーンまでの距離4mのときの望遠端の収差図
【図10】 本発明の数値実施例2のスクリーンまでの距離4mのときの広角端の収差図
【図11】 本発明の数値実施例2のスクリーンまでの距離4mのときの望遠端の収差図
【図12】 本発明の数値実施例3のスクリーンまでの距離4mのときの広角端の収差図
【図13】 本発明の数値実施例3のスクリーンまでの距離4mのときの望遠端の収差図
【図14】 本発明の数値実施例4のスクリーンまでの距離4mのときの広角端の収差図
【図15】 本発明の数値実施例4のスクリーンまでの距離4mのときの望遠端の収差図
【図16】 本発明の数値実施例5のスクリーンまでの距離4mのときの広角端の収差図
【図17】 本発明の数値実施例5のスクリーンまでの距離4mのときの望遠端の収差図
【図18】 本発明の数値実施例6のスクリーンまでの距離4mのときの広角端の収差図
【図19】 本発明の数値実施例6のスクリーンまでの距離4mのときの望遠端の収差図
【図20】 本発明の数値実施例7のスクリーンまでの距離4mのときの広角端の収差図
【図21】 本発明の数値実施例7のスクリーンまでの距離4mmのときの望遠端の収差図
【図22】 本発明のズームレンズを用いた液晶プロジェクターの要部上面図
【図23】 本発明のズームレンズを用いた液晶プロジェクターの要部側面図
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
SP 絞り
GB ガラスブロック
LCD 画像表示素子
S スクリーン
PL ズームレンズ

Claims (10)

  1. 第1共役点側より順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群そして正の屈折力の第4レンズ群の4つのレンズ群より構成されるズームレンズであって、
    ズーミングに際して、該4つのレンズ群を全て独立に移動又は、該第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群をそれぞれ独立に移動させ、前記第4レンズ群を固定とし、
    前記第2レンズ群の最も第2共役点側の負レンズの近傍には絞りが設けられており、
    該絞りは変倍の際、該第2レンズ群と一体で動き、
    該ズームレンズの広角端の焦点距離および前記第1レンズ群の焦点距離をそれぞれfwおよびf1とし、
    該絞りから広角端および望遠端における、第3および第4レンズ群の合成系の第1共役点側主平面位置までの距離をそれぞれ o1w o1t 、広角端と望遠端における該第3および第4レンズ群の合成焦点距離をそれぞれ fw34,ft34 としたとき、
    0.30 < -fw / f1 < 0.65
    0.7 < o1w/fw34 < 1.0
    0.7 < o1t/ft34 < 1.2
    なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第1レンズ群は、広角端から望遠端へのズーミングに際して第2共役点側に移動し、第1レンズ群と第2レンズ群は望遠端のズーム位置にて最も接近し、第3レンズ群は広角端のズーム位置で第4レンズ群に最も接近していることを特徴とする請求項1のズームレンズ。
  3. 前記第1レンズ群は第1共役点側より順に第1共役点側に凸面を向けた少なくとも1枚のメニスカス状の負レンズ、第1共役点側に小さな曲率半径の凸面を向けた正レンズにより構成されていることを特徴とする請求項1のズームレンズ。
  4. 前記第1レンズ群は第1共役点側より順に第1共役点側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズと第1共役点側に凸面を向けた少なくとも1枚のメニスカス状の負レンズにより構成されていることを特徴とする請求項1のズームレンズ。
  5. 前記第1レンズ群中の正レンズの材質の平均屈折率および平均アッベ数を各々ndp 、νdpとしたとき、
    1.90 > ndp > 1.70
    52 > νdp > 35
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のズームレンズ。
  6. 前記第1および第2レンズ群の屈折力を各々Φ1 、Φ2 、第1レンズ群と第2レンズ群の広角端および望遠端での主点間隔を各々ew12、et12としたとき、
    0.015 < -(ew12/et12)Φ1× Φ2/( Φ1+Φ2) < 0.30
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のズームレンズ。
  7. 前記第2レンズ群の最も第2共役点側には第2共役点側に強い曲率を有する負レンズが設けられていることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のズームレンズ。
  8. 前記第3レンズ群の焦点距離および該第3レンズ群中の正レンズの合成焦点距離をそれぞれf3、f3p としたとき、
    2.5 < f3/f3p < 10.0
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のズームレンズ。
  9. 広角端での全系の焦点距離をfw、第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、
    2.5 < f4 / fw < 5.0
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載のズームレンズ。
  10. 請求項1乃至9いずれかに記載のズームレンズを用いて投影像原画をスクリーン面上に投影していることを特徴とする投影装置。
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