JP4142179B2 - 多層膜ミラー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光のパルス圧縮等に用いることが可能な多層膜ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
フェムト秒(fs)オーダのパルス幅を有する超短パルス光は、種々の計測技術や加工技術への応用が期待されている。また、超短パルス光の帯域が広ければ、その応用範囲も広くなる。
【0003】
広帯域の光は光非線形媒質に高強度の光を入射させることによって生成することができる。すなわち、光非線形媒質の屈折率は光強度によって変化する。光非線形媒質に高強度の光が入射すると、自己位相変調(SPM)、すなわち媒質の屈折率変化に伴う光の位相速度変化が生じ、非線形媒質からの出射光は複数の波長成分を有する白色光となる。このようにして得られた白色光を増幅させる手段として光パラメトリック増幅(OPA)がある。OPAにおいて信号光と励起光を非線形光学結晶中で非平行に位相整合させる非平行光パラメトリック増幅では、例えばチタンサファイアレーザーの2倍波を励起光とすれば、可視域に4000cm-1から最大6000cm-1もの広帯域な超短パルス光を発生させることができる。
【0004】
このような白色光の超短パルス光は、個々の波長成分を有する単一波長パルス光の重ね合わせと捉えることができる。この白色光の超短パルス光は、群速度分散(GVD)、すなわち波長成分毎の群速度の相違のために、非線形光学結晶や空気などの分散媒質により周波数チャープを受け、光が進行するに従ってパルス幅が広がってしまう。広がったパルス幅を圧縮するためには、低速の波長成分を進ませ、高速の波長成分を遅らせればよい。これにより、個々の波長成分を有するパルスが同一時間内に重複する比率が高くなり、結果的にパルス幅が狭くなる。
【0005】
上述の群速度分散補償、換言すれば周波数チャープ補償を行う光学系は種々考えられているが、その中で誘電体多層膜ミラーを用いたものは損失や寸法の観点から見れば他のものよりも優れている。このような誘電体多層膜ミラーは、特許第2754214号及び米国特許5734503号に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許第2754214号に記載のミラーは反射帯域に比して周波数チャープ補償に用いられる帯域が狭く、米国特許5734503号に記載のミラーは波長720nm〜890nmの周波数チャープ補償を行うことができるが、その周波数帯域は2700cm-1程度と狭い。すなわち、いずれのミラーもその性能は未だ十分ではなく、これらのミラーでは、OPAの4000cm-1を超える周波数帯域を有する光パルスを高反射効率で数〜数十fsオーダのパルス幅に圧縮することは困難である。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、可視域、特に500nm〜770nmの波長帯域を有する光パルスの幅を数〜数十fsオーダに圧縮可能な多層膜ミラーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る多層膜ミラーは、屈折率の異なる複数の誘電体膜を基板上に積層してなる多層膜ミラーにおいて、可視光帯域における反射率が95%以上であって、その露出面を構成する最外膜の屈折率がこの最外膜直下の膜の屈折率よりも低く、最外膜直下の膜の光学膜厚は、最外膜の光学膜厚よりも薄く、且つ、前記帯域内の長波長成分の群遅延が短波長成分の群遅延よりも大きくなるように、前記誘電体膜各膜の光学膜厚が前記最外膜側からの前記誘電体膜の層数に対して二次関数で増加する曲線に沿って前記最外膜側から前記基板側へ向かう方向に増加し、且つ、波長に対する群遅延が、少なくとも波長500nm〜750nmにおいて、傾き0.05〜0.15(fs/nm)で単調に増加する、又は、波長500nm〜770nmにおいて、傾き0.15〜0.19(fs/nm)で単調に増加するように設定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の多層膜ミラーによれば、最外膜が低屈折率であるため、高強度のレーザ光がこれに照射された場合においても、照射による最外膜の電界集中を減少させて、その破壊を抑制することができる。この場合、前記帯域内の長波長成分の群遅延が短波長成分の群遅延よりも大きくなるように設定するためには、少なくとも最外膜直下の膜の屈折率がこれよりも高く、且つ、光学膜厚がこれよりも薄いことが好ましい。そして、光学膜厚が上記の如く設定されているため、多層膜ミラーは、反射光波長帯域500nm〜770nm、換言すれば、最大で7000cm-1超の反射光周波数帯域を有することができる。この帯域は、従来の多層膜ミラーのものよりも著しく広いため、広帯域光のチャープ補償を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に係る多層膜ミラー及び広帯域レーザについて説明する。同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る多層膜ミラーの断面構成図である。この多層膜ミラーは、ガラス基板SBと基板SB上に形成された多層膜MLとからなる。多層膜MLは、屈折率の異なる2種類の誘電体膜を交互に積層してなる。本実施の形態においては、多層膜MLの層数N=40である。基板SB側から奇数番目の誘電体膜1,3,5,7・・・39は高屈折率膜(H)であり、偶数番目の誘電体膜2,4,6,8・・・40は、低屈折率膜(L)である。高屈折率膜(H)は、TiO2であり、低屈折率膜(L)はSiO2である。上記ガラス基板SB、TiO2、及びSiO2の屈折率n0、n1、n2は、それぞれ、1.52、2.35、1.46である。最外膜40は空気に露出しており、その露出表面は屈折率nAIR=1.0の空気と最外膜40との間の界面を構成する。
【0012】
図2は、第1実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表である。なお、同表は下から順に1層目、2層目・・・N層目の膜を示す。また、光学膜厚とは、各膜の屈折率nと厚みdの積(n×d)である。
【0013】
図3は、図2に示した多層膜各膜の番号1,2・・・40と光学膜厚(nm)との関係を示すグラフである。なお、グラフ中の実線は膜厚近似曲線を示し、空気側から基板側へ向かう方向を正方向とすると、この曲線は概ね二次関数を示す。
【0014】
図4は、図2に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフである。本ミラーにおいては、波長500nm〜750nmにおいて、傾き0.05〜0.15(fs/nm)で群遅延が単調に増加している。また、波長500nmにおける群遅延は0〜5fsの範囲にあり、波長600nmにおける群遅延は10〜15fsの範囲にあり、波長700nmにおける群遅延は23〜28fsの範囲にある。
【0015】
本多層膜ミラーにおいては、入射した光の長波長成分の群速度を短波長成分の群速度に対して相対的に遅らせるので、分散媒質によってパルス幅が広がったレーザ光のパルス幅を圧縮することができる。
【0016】
図5は、第2実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表である。なお、同表は下から順に1層目、2層目・・・N層目の膜を示し、層数N=54である。
【0017】
図6は、図5に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフである。本ミラーにおいては、波長500nm〜800nmにおいて、傾き0.05〜0.15(fs/nm)で群遅延が単調に増加している。また、波長500nmにおける群遅延は0〜5fsの範囲にあり、波長600nmにおける群遅延は5〜10fsの範囲にあり、波長700nmにおける群遅延は20〜25fsの範囲にある。
【0018】
本多層膜ミラーにおいても、入射した光の長波長成分の群速度を短波長成分の群速度に対して相対的に遅らせるので、分散媒質によってパルス幅が広がったレーザ光のパルス幅を圧縮することができる。
【0019】
図7は、第3実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表である。なお、同表は下から順に1層目、2層目・・・N層目の膜を示し、層数N=56である。
【0020】
図8は、図7に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフである。本ミラーにおいては、波長500nm〜800nmにおいて、傾き0.05〜0.15(fs/nm)で群遅延が単調に増加している。また、波長500nmにおける群遅延は0〜5fsの範囲にあり、波長600nmにおける群遅延は13〜18fsの範囲にあり、波長700nmにおける群遅延は20〜25fsの範囲にある。
【0021】
本多層膜ミラーにおいても、入射した光の長波長成分の群速度を短波長成分の群速度に対して相対的に遅らせるので、分散媒質によってパルス幅が広がったレーザ光のパルス幅を圧縮することができる。
【0022】
図9は、第4実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表である。なお、同表は下から順に1層目、2層目・・・N層目の膜を示し、層数N=40である。
【0023】
図10は、図9に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフである。本ミラーにおいては、波長500nm〜770nmにおいて、傾き0.15〜0.19(fs/nm)で群遅延が単調に増加している。また、波長500nmにおける群遅延は0〜5fsの範囲にあり、波長600nmにおける群遅延は5〜10fsの範囲にあり、波長700nmにおける群遅延は23〜27fsの範囲にある。
【0024】
本多層膜ミラーにおいても、入射した光の長波長成分の群速度を短波長成分の群速度に対して相対的に遅らせるので、分散媒質によってパルス幅が広がったレーザ光のパルス幅を圧縮することができる。
【0025】
図11は、第5実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表である。なお、同表は下から順に1層目、2層目・・・N層目の膜を示し、層数N=40である。
【0026】
図12は、図11に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフである。本ミラーにおいては、波長500nm〜770nmにおいて、傾き0.15〜0.19(fs/nm)で群遅延が単調に増加している。また、波長500nmにおける群遅延は0〜5fsの範囲にあり、波長600nmにおける群遅延は5〜10fsの範囲にあり、波長700nmにおける群遅延は23〜27fsの範囲にある。
【0027】
本多層膜ミラーにおいても、入射した光の長波長成分の群速度を短波長成分の群速度に対して相対的に遅らせるので、分散媒質によってパルス幅が広がったレーザ光のパルス幅を圧縮することができる。
【0028】
上記第1〜第5実施形態に係る多層膜ミラーは、屈折率の異なる複数の誘電体膜をガラス基板SB上に積層してなる多層膜ミラーにおいて、可視光帯域、特に波長500nm〜750nmの帯域における反射率が95%以上であって、その露出面を構成する最外膜の屈折率がこの最外膜直下の膜の屈折率よりも低く、且つ、この帯域内の長波長成分の群遅延が短波長成分の群遅延よりも大きくなるように、最外膜を含む誘電体膜各膜の光学膜厚が設定されている。
【0029】
これらの多層膜ミラーによれば、最外膜が低屈折率であるため、高強度のレーザ光がこれに照射された場合においても、照射による最外膜の電界集中を減少させて、その破壊を抑制することができる。この場合、前記帯域内の長波長成分の群遅延が短波長成分の群遅延よりも大きくなるように設定するためには、少なくとも最外膜直下の膜の屈折率がこれよりも高く、且つ、光学膜厚がこれよりも薄いことが好ましい。そして、光学膜厚が上記の如く設定されているため、多層膜ミラーは、反射光波長帯域500nm〜770nm、換言すれば、最大で7000cm-1超の反射光周波数帯域を有することができる。この帯域は、従来の多層膜ミラーのものよりも著しく広いため、広帯域反射光のチャープ補償を行うことができる。
【0030】
なお、図14は、上記光学膜厚を設定するために用いるための式(1)〜(9)を示す表である。設定の手順は以下の通りである。
【0031】
式(8)に示される反射率Rが、波長帯域500nm〜770nm内のそれぞれの光に対して95%以上となるように設定される。
【0032】
式(9)に示されるΦは、その1階周波数微分が群遅延(GD)を、2階周波数微分が群遅延分散(GDD)を示す変数、換言すれば複素振幅反射率Rの偏角であり、上記波長帯域500nm〜750nmにおいて、この群遅延GDは波長に対して単調増加するように設定される。なお、R及びΦ(GD)は波長依存性を有するので、帯域内のそれぞれの波長毎に演算を行う。
【0033】
R及びΦは、k層目の複素振幅反射率γk+1 kが求められれば算出できる。第1層目の複素振幅反射率γ21、第2層目の複素振幅反射率γ32は、それぞれ式(4)及び(5)から算出される。なお、第k層目の複素振幅反射率γk+1 kは、式(6)から算出される。なお、これらの式におけるフレネル係数rは、j番目の膜の屈折率をnjとすると、屈折率の式(2)から算出され、式中のδはj番目の光の入射角をθj、j番目の膜の膜の厚みをdj、入射光波長をλとすると、式(1)で与えられる。なお、複素振幅反射率γ10は式(3)で与えられ、θjを与えるcosθjは式(7)で与えられる。なお、nairは入射媒体の屈折率であって、本例では空気であるためnair≒1.0であり、θairは入射界面の光の入射角度、すなわち、ミラーに対する光の入射角度である。以上の設定を満たすように計算を行うと、上記3つの実施形態に係る多層膜ミラーを得ることができる。
【0034】
図13は、上記いずれかの多層膜ミラーを用いた広帯域レーザのシステム構成図である。この広帯域レーザは、1対の上記多層膜ミラー100a,100bを備えており、チャープ補償を行っている。
【0035】
この広帯域レーザは、波長790nmのレーザ光を出射するチタンサファイアレーザからなるレーザ光源101を備えている。レーザ光源101から出射されるレーザ光は、パルス幅130fs、光強度400μJ、繰り返し周波数1kHzを有する。
【0036】
このレーザ光は、ビームスプリッタBSによって2つに分割され、分割された光の一方は可変NDフィルタ(アッテネータ)102、レンズ103、通過するレーザ光の波長帯域を少なくとも500nm〜800nmに広げるサファイア基板104、ミラー105、ミラー106、107、光学フィルタ108、ミラー109、ミラー111を介し、信号光として非線形光学結晶(BBO)112に入射される。なお、光学フィルタ108は、波長500nm〜800nmのレーザ光から波長750nm以下のレーザ光を選択する光学フィルタ108であり、非線形光学結晶112には500nm〜750nmの信号光が入射される。
【0037】
分割された光の他方は、ミラー201、レンズ202、非線形光学結晶(LiB3O4)203、レンズ204、第2高調波である波長395nmの光を反射し基本波である波長790nmの光を透過するハーモニックセパレータ205、プリズム206、レンズ207、208を介し、波長395nmの励起光として非線形光学結晶112に入射される。なお、信号光と励起光の偏光方位は直交している。
【0038】
励起光の照射によって非線形光学結晶112が励起されている間に、信号光がこれに入射すると、この信号光は光パラメトリック効果によって増幅される。なお、増幅された信号光が波長550nm〜700nmの波長帯域を有するように、光路長調整用ミラー107の位置決めが行われている。増幅された信号光は、ミラー113aにより反射され、再び非線形光学結晶112に入射する。この時、非線形光学結晶112を通過した励起光もミラー113bにより反射され再び非線形光学結晶112に入射する。これにより信号光は再び増幅され、ミラー111で反射されてミラー110に入射する。この時ミラー113aは縦方向に若干傾いているため光路が空間的に分離され、ミラー110は、増幅された信号光を反射し、反射された信号光はミラー114、115、ペリスコープPS、ミラー117を介してプリズム対300a,300bに入射する。
【0039】
増幅された信号光(波長550nm〜700nm)は、この時点までの経路の通過によって、群遅延分散を有している。プリズム対300a,300bは、この分散を若干補償し、補償された信号光はミラー117を介することなくその側部を通過して多層膜ミラー対100a,100bに入射する。ここで、入射するレーザ光の帯域(波長550nm〜700nm)は、多層膜ミラー100a,100bの反射帯域(波長500nm〜770nm)よりも狭いため、反射光は効率的にチャープ補償される。
【0040】
多層膜ミラー100a,100bは、互いに平行に配置されており、多層膜ミラー100aのへの光の入射角は45度以内に設定されている。信号光は多層膜ミラー対100a,100bによって数回反射された後、これから出射される。なお、出射光の波長は550nm〜700nmであって、パルス幅5fs以上、光強度5μJ以上である。
【0041】
以上、説明したように、本実施の形態に係る広帯域レーザは、レーザ光源101から出力された所定波長(790nm)のレーザ光から、多層膜ミラー100a,100bによる反射光帯域(500nm〜770nm)よりも狭帯域(波長550nm〜700nm)のレーザ光を生成し多層膜ミラーに入射させる光学系BS,102〜116,201〜208,300a,300b,300cを備えている。この光学系によるレーザ光の帯域は多層膜ミラー100a,100bの反射帯域よりも狭いため、反射光は効率的にチャープ補償される。
【0042】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る多層膜ミラーは、上述の設定を行うことにより、500nm〜770nmの波長帯域を有する光パルスの幅を数〜数十fsオーダに圧縮することができる。このミラーを用いた広帯域レーザは、超短パルスの広帯域レーザ光を出射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態に係る多層膜ミラーの断面構成図。
【図2】第1実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表。
【図3】図2に示した多層膜各膜の番号1,2・・・40と光学膜厚(nm)との関係を示すグラフ。
【図4】図2に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフ。
【図5】第2実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表。
【図6】図5に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフ。
【図7】第3実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表。
【図8】図7に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフ。
【図9】第4実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表。
【図10】図9に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフ。
【図11】第5実施形態に係る各膜の光学膜厚(nm)及びその好適範囲(nm)を示す表。
【図12】図11に示した多層膜ミラーによる反射光波長(nm)と群遅延(fs)との関係を示すグラフ。
【図13】多層膜ミラーを用いた広帯域レーザのシステム構成図。
【図14】光学膜厚を設定するために用いるための式(1)〜(9)をまとめて示す表。
【符号の説明】
SB…ガラス基板、ML…多層膜。
Claims (2)
- 屈折率の異なる複数の誘電体膜を基板上に積層してなる多層膜ミラーにおいて、
可視光帯域における反射率が95%以上であって、
その露出面を構成する最外膜の屈折率がこの最外膜直下の膜の屈折率よりも低く、
前記最外膜直下の膜の光学膜厚は、前記最外膜の光学膜厚よりも薄く、且つ、
前記帯域内の長波長成分の群遅延が短波長成分の群遅延よりも大きくなるように、前記誘電体膜各膜の光学膜厚が前記最外膜側からの前記誘電体膜の層数に対して二次関数で増加する曲線に沿って前記最外膜側から前記基板側へ向かう方向に増加し、且つ、波長に対する群遅延が、少なくとも波長500nm〜750nmにおいて、傾き0.05〜0.15(fs/nm)で単調に増加する、又は、波長500nm〜770nmにおいて、傾き0.15〜0.19(fs/nm)で単調に増加するように設定されていることを特徴とする多層膜ミラー。 - 前記可視光帯域は波長500nm〜770nmであることを特徴とする請求項1に記載の多層膜ミラー。
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