JP4141063B2 - 転回機構を備えた四輪車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、小さな回転半径で転回することができる四輪車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
四輪車両には回転半径という車両性能を示すパラメータがあり、この回転半径が小さいほどUターン等の転回運転の際にいわゆる小回りが利くことになる。
回転半径の改善を図ることができる従来の四輪車両としては、4WS(四輪操舵)を採用した車両が知られている。この4WSとはステアリングホイールの操作に連動して前輪だけでなく後輪の操舵角度(舵角)を制御するシステムであり、後輪に舵角が付くことにより回転半径を減少させることができる。
【0003】
また、回転半径の改善としては第5輪方式が知られている。これは四輪の他に第5輪を床下に格納し、転回時に第5輪を他の車輪より若干突出させて車体を持ち上げ、第5輪を駆動することにより車両を転回させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、4WSは回転半径の減少には効果的であるものの、特有の振り出し現象を実用上支障がない範囲に抑えるためには舵角が制限されるので、回転半径の減少にも限界があるという問題点があった。第5輪方式の場合には、高い効果が期待できるものの、転回運転中には三輪状態となり、車両が不安定となるという問題点があった。
【0005】
また、回転半径を減少させるような車両転回時には直進や後退の通常走行時に使用することができない転回機構を作動させる必要があるので、車両を安定に転回させ得る運転状態は限られているという別の問題点もあった。
そこで、本発明の目的は、比較的小さな回転半径で車両を安定に転回させることができる四輪車両を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明の転回機構を備えた四輪車両は、前後の左右輪のうちの駆動源による走行トルクが伝達されない一方の左右輪を地面に垂直な軸を中心に回転自在とする回転支持手段と、操作に応じてターンモード指令を発生する指令手段と、ターンモード指令が発生されたとき車両の運転状態が所定条件を充足するか否かを判別する判別手段と、判別手段によって所定条件を充足すると判別されたとき一方の左右輪を車両走行時の直進位置から前後の左右輪のうちの他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として一方の左右輪の地面に垂直な軸を通る円弧の接線方向に沿った角度位置まで回転させる回転駆動手段と、接線方向に沿った角度位置にて一方の左右輪に回転トルクを与えて車体を他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として転回させる転回駆動手段と、を備え、所定条件は、少なくとも車両の停止と、前輪の操舵角度がほぼ0度にあることと、であることを特徴としている。
【0007】
かかる本発明の四輪車両によれば、前後の左右輪のうちの駆動源による走行トルクが伝達されない一方の左右輪を地面に垂直な軸を中心に回転自在とし、一方の左右輪を車両走行時の直進位置から前後の左右輪のうちの他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として一方の左右輪の地面に垂直な軸を通る円弧の接線方向に沿った角度位置まで回転させるので、比較的簡単かつ小さな回転機構を得ることができる。また、ターンモード指令が発生された場合に車両の運転状態が転回に適した所定条件を充足しなければ、転回運転のために一方の左右輪が車両走行時の直進位置から接線方向に沿った角度位置まで回転されることはないので、車両が安定した状態にあるときに転回運転を行うことができる。更に、接線方向に沿った角度位置にて一方の左右輪に回転トルクを与えて車体を他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として転回させるので、車両転回時の回転半径は極めて小さいものとなる。上記の所定条件は、少なくとも車両の停止と、前輪の操舵角度がほぼ0度にあることとである。このように所定条件を定めることにより、車体の転回運転のために一方の左右輪の回転駆動に問題なく移行できる車両の状態をを確認することができる。
【0008】
請求項2に記載した構成では、四輪車両は、操作に応じて左転回指令を発生する左転回指令手段と、操作に応じて右転回指令を発生する右転回指令手段と、を含み、転回駆動手段は、左転回指令に応じて車体を左転回させ、右転回指令に応じて車体を右転回させる。この構成によれば、車体を左右のいずれの方向にも簡単な操作で転回させることができる。
【0009】
請求項3に記載した構成では、上記の左転回指令手段及び右転回指令手段はステアリングホイールに設けられている。この構成によれば、運転者はステアリングホイールを握った状態で左転回及び右転回の操作を容易に行うことができる。
請求項4に記載した構成では、四輪車両は、変速用のシフト位置の他に左転回シフト位置及び右転回シフト位置が形成された変速機を有し、左転回指令手段は変速機のシフトレバーが左転回シフト位置に移動されたとき左転回指令を発生し、右転回指令手段は変速機のシフトレバーが右転回シフト位置に移動されたとき右転回指令を発生する。この構成によれば、運転者は変速機のシフトレバーを操作することにより、左転回及び右転回の操作を容易に行うことができる。
【0010】
請求項5に記載した構成では、上記の指令手段は、操作に応じてターンモード停止指令を発生し、回転駆動手段は、ターンモード停止指令に応答して一方の左右輪を接線方向に沿った角度位置から直進位置まで回転させる。この構成によれば、車体を転回させた後、運転者の操作によって一方の左右輪を元の直進位置まで回転させることができる。
【0011】
請求項に記載した構成では、車両の停止としては、車両の変速機のシフト位置がPレンジ又はNレンジにあること、若しくはサイドブレーキが作動していることが検出される。この検出構成よれば、車両の単なる一時的な停止ではないことを検出することができるので、転回時の車両の前進又は後退走行を防止することができる。
【0012】
請求項に記載した構成では、上記の転回駆動手段は、左転回指令と右転回指令とが同時に発生されているときには車体の転回を停止する。この構成によれば、左転回指令手段及び右転回指令手段の各々の操作だけで車体の左転回、右転回及び転回停止を選択的に指令することができる。請求項に記載した構成では、上記の回転駆動手段は、一方の左右輪が直進位置から接線方向に沿った角度位置まで回転されたことを検出してターン位置信号を発生するターン位置検出手段を有し、ターン位置信号に応じて回転駆動を終了する。この構成によれば、一方の左右輪を車体の転回のための角度位置まで回転駆動させた場合には、その回転駆動が直ちに停止するので、運転者は車体の転回運転に移行することができる。
【0013】
請求項に記載した構成では、上記の回転駆動手段は、一方の左右輪が接線方向に沿った角度位置から直進位置まで回転されたことを検出して直進位置信号を発生する直進位置検出手段を有し、直進位置信号に応じて回転駆動を終了する。この構成によれば、一方の左右輪を車体の転回の終了ための元の直進位置まで回転駆動させた場合には、その回転駆動が直ちに停止するので、運転者は通常の運転に戻ることができる。
【0014】
請求項10に記載した構成では、四輪車両は、少なくとも一方の左右輪が直進位置以外の位置にあるときには変速機のシフト動作を禁止するシフトロック機構を有する。この構成によれば、車体の転回のために一方の左右輪が直進位置から回転した角度位置にあるときにはシフトロック機構によって直進運転が禁止されるので、運転者による誤操作を防止することができる。
【0015】
請求項11に記載した構成では、転回駆動手段は、駆動源とは異なる駆動源によって一方の左右輪に回転トルクを与えて車体を転回させる。この構成によれば、通常の走行用駆動源とは異なり、必要最小限の駆動力を得られるものであれば、十分であるので、省スペース化のために小型の駆動源を転回駆動用として用いることができる。
【0016】
請求項12に記載した構成では、回転支持手段は、一方の左右輪の地面に垂直な軸において一方の左右輪をナックルを介して回転自在に支持するトレーリングアームを有する。この構成によれば、回転支持手段を既存のサスペンション部材を用いて形成するので、専用の部位や部材を用いないで済み、コスト低減を図ることができる。
【0017】
請求項13に記載した構成では、転回駆動手段は、ステアリングホイールに設けられたスイッチの操作に応じて一方の左右輪の回転に対して制動力を与える制動手段を有する。この構成によれば、運転者はステアリングホイールを握った状態で操作して車体の転回を停止させることができる。請求項14に記載した構成では、転回駆動手段は、ブレーキペダルの踏込に応じて一方の左右輪の回転に対して制動力を与える制動手段を有する。この構成により、運転者は通常の運転時と同様にブレーキペダルの操作により車体の転回を停止させることができ、車体転回を所望の位置で停止させることが容易にできる。
【0018】
また、本願の請求項15に係る発明の転回機構を備えた四輪車両は、前後の左右輪のうちの駆動源による走行トルクが伝達されない一方の左右輪を地面に垂直な軸を中心に回転自在とする回転支持手段と、操作に応じてターンモード指令を発生する指令手段と、ターンモード指令が発生されたとき車両の運転状態が所定条件を充足するか否かを判別する判別手段と、判別手段によって所定条件を充足すると判別されたとき一方の左右輪を車両走行時の直進位置から前後の左右輪のうちの他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として一方の左右輪の地面に垂直な軸を通る円弧の接線方向に沿った角度位置まで回転させる回転駆動手段と、接線方向に沿った角度位置にて他方の左右輪に互いに異なる回転方向の回転トルクを与えて車体を他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として転回させる転回駆動手段と、を備え、所定条件は、少なくとも車両の停止と、前輪の操舵角度がほぼ0度にあることと、であることを特徴としている。
【0019】
かかる本発明の四輪車両によれば、前後の左右輪のうちの駆動源による走行トルクが伝達されない一方の左右輪を地面に垂直な軸を中心に回転自在とし、一方の左右輪を車両走行時の直進位置から前後の左右輪のうちの他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として一方の左右輪の地面に垂直な軸を通る円弧の接線方向に沿った角度位置まで回転させるので、比較的簡単かつ小さな回転機構を得ることができる。また、ターンモード指令が発生された場合に車両の運転状態が転回に適した所定条件を充足しなければ、転回運転のために一方の左右輪が車両走行時の直進位置から接線方向に沿った角度位置まで回転されることはないので、車両が安定した状態にあるときに転回運転を行うことができる。更に、接線方向に沿った角度位置にて他方の左右輪に回転トルクを与えて車体を他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として転回させるので、車両転回時の回転半径は極めて小さいものとなる。上記の所定条件は、少なくとも車両の停止と、前輪の操舵角度がほぼ0度にあることとである。このように所定条件を定めることにより、車体の転回運転のために一方の左右輪の回転駆動に問題なく移行できる車両の状態をを確認することができる。
【0020】
請求項16に記載した構成では、請求項15の転回駆動手段は、駆動源とは異なる駆動源によって他方の左右輪各々に互いに異なる回転方向の回転トルクを与えて車体を転回させる。この構成によれば、上記の請求項11の場合と同様に、通常の走行用駆動源とは異なり、必要最小限の駆動力を得られるものであれば、十分であるので、省スペース化のために小型の駆動源を転回駆動用として用いることができる。
【0021】
請求項17に記載した構成では、請求項15又は16の転回駆動手段は、車体の転回時にデファレンシャル内の2つのピニオンを回転自在に支持するケースを固定させる手段と、デファレンシャル内の一方のサイドギアを回転駆動するモータとを有する。この構成によれば、デファレンシャルのケースを固定させて一方の駆動軸を回転させると、他方の駆動軸が逆回転するというデファレンシャル機能を有効活用することができるので、最小限の機能を追加するだけで車体の転回駆動力を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明による転回機構を備えた四輪車両の概略的構造を示し、車両の前後の4つのタイヤ11〜14の断面を含む水平面から見たものである。この車両はFF(前輪駆動)の車両であり、車体1の前部に配置されたエンジン本体2が駆動軸3を介して左右の前ホイール4,5を回転駆動するようになっている。左右の前タイヤ11,12の内側の前ホイール4,5はナックル6,7、ナックルアーム8,9及びタイロッド10からなるステアリング機構と結合している。
【0023】
一方、左右の後タイヤ13,14の内側の左右の後ホイール15,16は回転自在にされている。また、後ホイール15,16各々にはモータ17,18が結合しており、各モータ17,18によって後ホイール15,16が回転駆動されるようになっている。モータ17,18は車体1を転回させるための駆動源であり、車体1の左転回の場合に正回転し、右転回の場合に逆回転する。
【0024】
後ホイール15の中心にはフランジ状のハブ21が設けられており、そのハブ21は図2及び図3に具体的に示すようにベアリング22によって回転自在に支持されている。ハブ21の中心軸孔にはモータ17の回転軸17aが内側から嵌入され、ボルト23がハブ21の外側から回転軸17a内に螺合することによってハブ21とモータ17の回転軸17aとが結合されている。モータ17は回転軸17aの突出面においてリング形状のナックル24にボルト25,26よって締結されている。なお、ナックル24の下部のリング形状の欠けた部分は支持部24cであり、トレーリングアーム30のねじ部30aに対して回動自在に結合している。すなわち、支持部24cの貫通孔24dにはトレーリングアーム30のねじ部30aが下方から挿入され、そのねじ部30aにはナット30bが螺合している。このナックル24とトレーリングアーム30との回動自在な結合により後ホイール15は地面に垂直な軸を中心にして回動できるようになっている。
【0025】
また、ナックル24にはベアリング22がワッシャー27を介してボルト28,29よって締結されている。ナックル24には2つのナックルアーム24a,24bが外周部から伸長しており、ナックルアーム24aの先端にはショックアブソーバ31が結合している。ナックルアーム24bはL字形状であり、ナックルアーム24bには転回機構の接続アーム32の一端が結合している。接続アーム32はその結合点を中心にして平面的に回動自在にされている。
【0026】
ハブ21には更にブレーキディスク33が固定され、ブレーキキャリパー35がナックル24に固定され、図示しないブレーキペダルの操作に応じてブレーキディスク33とブレーキキャリパー35とが接触して制動力が発生するように動作するようになっている。
図2及び図3には左の後ホイール15のモータ17との結合部分だけを示したが、右の後ホイール16のモータ18との結合部分側は左の後ホイール15の結合部分と対称に形成されている。
【0027】
転回機構は、図1に示したように、上記の左の接続アーム32の他、右の接続アーム40、2つの油圧シリンダ41,42、2つのロッド43,44及び2つのリム45,46を備えている。油圧シリンダ41,42は互いに平行な状態で車体1に固定され、後述の図4に示すように、内部のピストン47,48が車体1の前後方向に摺動するようにされている。ロッド43,44は対応する油圧シリンダ41,42内を通過している。リム45,46はストッパーをなす棒状のものである。リム45の一端には接続アーム32の他端が平面的に回動自在に結合し、一端には接続アーム40の他端が平面的に回動自在に結合している。リム45,46は互いに平行に配置され、その間にロッド43,44が位置している。ロッド43,44各々の一端はリム45に固着され、他端はリム46に固着されている。油圧シリンダ41,42内のピストン47,48にはロッド43,44が貫通して結合しており、ピストン47,48の移動と共にロッド43,44が連動するようになっている。
【0028】
油圧シリンダ41,42各々にはピストン47,48を境として両側に油室41a,41b,42a,42bが形成され、その油室各々に油入出口が形成されている。
通常モードではピストン47,48は後述の後輪操舵系によって油圧シリンダ41,42内で車両後方側に位置し、それに連動して後タイヤ13,14は直進状態となる。ターンモードではピストン47,48は後輪操舵系によって油圧シリンダ41,42内で車両前方側に位置し、それに連動して後タイヤ13,14は後述するが、ハの字状態となる。
【0029】
図4は油圧シリンダ41,42の油圧回路及び電気回路を含む後輪操舵系を示している。油圧回路は、油タンク51、油圧ポンプ52、モータ53及び電磁バルブ54を有している。モータ53は油圧ポンプ52を駆動するものである。油タンク51内の油は油圧ポンプ52によって吐出されて電磁バルブ54に供給される。電磁バルブ54は電磁バルブ54からの油入口と油タンク51への油出口とを有している。また、電磁バルブ54は油圧シリンダ41,42各々の油室41a,41b,42a,42bと個別に接続した4ポートを有している。電磁バルブ54のソレノイド54aの非励磁状態では油入口が油室41a,42aからの2ポートと内部で連通すると共に油出口が油室41b,42bからの2ポートと連通し、電磁バルブ54のソレノイド54aの励磁状態では油入口が油室41b,42bからの2ポートと内部で連通すると共に油出口が油室41a,42aからの2ポートと連通するように切り換え動作する。なお、油タンク51、油圧ポンプ52、電磁バルブ54及び油圧シリンダ41,42間の配管は図4には実線で示しているだけで、符号では示していない。
【0030】
モータ53の駆動と電磁バルブ54のソレノイド54aの励磁及び非励磁とは後輪舵角コントローラ60によって制御される。後輪舵角コントローラ60はマイクロコンピュータからなり、プログラムに従って動作する。後輪舵角コントローラ60にはターンモードを操作によって指令するモードスイッチ61及びリム45,46の位置を検出するリムセンサ62,63が接続されている。リムセンサ62はリム45が油圧シリンダ41,42と近接した位置にあるときターン位置信号を発生し、リムセンサ63はリム46が油圧シリンダ41,42と近接した位置にあるとき直進位置信号を発生する。また、後輪舵角コントローラ60にはランプ49及びブザー50が接続され、ランプ49はターンモード中に点滅又は点灯し、ブザー50はターンモード中に間欠又は連続の警報音を発生する。
【0031】
更に、後輪舵角コントローラ60には車両の変速機(図示せず)のシフト位置を検出するシフト位置センサ68と、前輪、すなわち前ホイール4,5の操舵角度を検出する操舵角度センサ69とが接続されている。シフト位置センサ68は車両の変速機のシフト位置がP(パーキング)レンジにあるときPレンジ信号を後輪舵角コントローラ60に供給する。操舵角度センサ69は例えば、ステアリングホイール(図6の符号92)の回転角度に基づいて操舵角度を検出する。
【0032】
かかる変速機にはシフトロック機構55が設けられている。シフトロック機構55はシフトレバーがPレンジにある時にそのPレンジからR(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、2(2速)及び1(1速)等の他のレンジへのシフトを禁止するものであり、例えば、電磁的にシフトレバーのシフトがロックされる。シフトロック機構55は後輪舵角コントローラ60によって制御される。
【0033】
上記したモータ17,18各々は、電源電圧、回転方向を指定する正逆回転信号、回転速度を指定するスピード信号、ブレーキを指示するブレーキ信号及び回転を禁止するリセット信号を入力するようにされ、これらの電源電圧及び信号はターンコントローラ70によって各々制御される。
図5はモータ17,18の駆動制御系を示している。この駆動制御系にはターンコントローラ70の他にリレーユニット71、スピード調整ボリューム72、ブレーキ調整ボリューム73、左右のターンスイッチ74,75及びブレーキスイッチ76が備えられている。ターンコントローラ70はマイクロコンピュータから構成されている。左右のターンスイッチ74,75及びブレーキスイッチ76は操作したときだけオンとなるスイッチである。
【0034】
リレーユニット71はリレーコイル81、リレースイッチ82、ダイオード83、抵抗84及びフューズ85からなる。リレーコイル81及び抵抗84は直列に接続され、ターンコントローラ70から出力されるモータメイン信号がリレーコイル81及び抵抗84に供給されると、リレーコイル81が励磁されるようになっている。リレースイッチ82とダイオード83とは並列に接続され、その並列回路の一端はフューズ85を介して電源であるバッテリー86の正端子に接続され、他端はモータ17,18の電源電圧の正入力端に接続されている。モータ17,18の電源電圧の負入力端はバッテリー86の負端子にアース接続されている。
【0035】
正逆回転信号、スピード信号、ブレーキ信号及びリセット信号はターンコントローラ70から発生される。正逆回転信号及びリセット信号はそのままモータ17,18に供給される。スピード信号はスピード調整ボリューム72を介してモータ17,18に供給され、ブレーキ信号はブレーキ調整ボリューム73を介してモータ17,18に供給される。スピード調整ボリューム72及びブレーキ調整ボリューム73各々は操作に応じてスピード信号のレベル及びブレーキ信号のレベルを調整する。
【0036】
左右のターンスイッチ74,75及びブレーキスイッチ76各々の一端には高レベルに対応する電圧Vccが印加され、左右のターンスイッチ74,75各々の他端はターンコントローラ70に接続されている。ブレーキスイッチ76の他端は左右のターンスイッチ74,75各々の他端と間にダイオード87,88が接続され、ダイオード87,88はブレーキスイッチ76のオン時には左右のターンスイッチ74,75各々の他端のレベルを高レベルにするように設けられている。
【0037】
ターンコントローラ70には上記のPレンジ信号が供給される他、後輪舵角コントローラ60から転回舵角制御の完了を示す操舵完了信号が供給される。
図6は車両内におけるモードスイッチ61、ターンスイッチ74,75及びブレーキスイッチ76の配置位置を示している。モードスイッチ61はフロントパネル91の中央部に設けられ、ターンスイッチ74,75及びブレーキスイッチ76はステアリングホイール92に一体に設けられている。また、モードスイッチ61の周囲にはランプ49による点灯又は点滅表示がされるようになっている。
【0038】
次に、上記した転回機構の動作について後輪操舵コントローラ60及びターンコントローラ70のプログラム処理動作に従って説明する。後輪舵角コントローラ60は後輪操舵ルーチンを実行し、ターンコントローラ70は転回制御ルーチンを実行する。
後輪舵角コントローラ60は、後輪操舵ルーチンにおいて図7に示すように先ず、モードスイッチ61がオンであるか否かを判別する(ステップS1)。モードスイッチ61がオンとなると、シフト位置センサ68からPレンジ信号が供給されたか否かを判別する(ステップS2)。このステップS2は車両が停止した状態であるか否かを判別するためのものである。Pレンジ信号が供給された場合には操舵角度センサ69から得られる前輪操舵角度が車両を直進させ得る所定舵角範囲内であるか否かを判別する(ステップS3)。ステップS3は前ホイール4,5が車両を直進させる直進位置にあることを判別するためのものである。
【0039】
ステップS2,S3の各判別を満足した場合には車両が停止した状態であり、前ホイール4,5が直進位置にあり、この場合には転回舵角制御を開始することができる状態にある。
ステップS3において前輪操舵角度が所定舵角範囲内ではないと判別した場合には、音声メッセージを発生させる(ステップS4)。この音声メッセージは「ハンドルを戻して下さい。」の如き注意を運転者に促すメッセージであり、音源77において音声信号として生成され、スピーカ78を介して出力される。ステップS4の後は、ステップS3に再び進むことになる。
【0040】
ステップS3において前輪操舵角度が所定舵角範囲内であると判別した場合には、シフトロック機構55を作動させる(ステップS5)。シフトロック機構55を作動させることにより、車体1の転回中に変速機のシフトレバーがロックされる。このシフトレバーのロックによって、R、N、D、2及び1等の他のレンジにシフトされることが防止されるので、車体1の転回動作が誤操作のため途中で停止されることがなくなる。
【0041】
ステップS5の実行後は、転回舵角制御の開始のために後輪舵角コントローラ60はモータ53を駆動して油圧ポンプ52を作動させ(ステップS6)、電磁バルブ54のソレノイド54aを励磁駆動する(ステップS7)。また、ランプ49を点滅駆動すると共にブザー50に間欠の警報音を発生させる(ステップS8)。ステップS6及びS7の実行により、油圧ポンプ52によって油タンク51内の油が吐出され、その吐出油が電磁バルブ54を介して油圧シリンダ41,42各々の油室41b,42bに供給される。一方、油圧シリンダ41,42各々の油室41a,42aは電磁バルブ54を介して油タンク51に連通し、油室41a,42a内の油が電磁バルブ54を介して油タンク51に戻る状態となる。よって、油圧ポンプ52による油タンク51内からの吐出油は油室41b,42bに供給されることにより油室41b,42bの容積を大きくするように作用し、ピストン47,48を油室41a,42a側に押圧する。ピストン47,48が油室41a,42a側に移動することにより、ロッド43,44及びリム45,46が連動して車両前方に移動する。
【0042】
リム45が車両前方に移動するに従って左右のナックルアーム24b,36bが左右の接続アーム32,40を介して車両前方に引っ張られるので、ナックル24,36の支持軸(図1の符号A)を中心にして左右の後ホイール15,16が矢印の方向に回動する。すなわち、後ホイール15,16だけでなく、後タイヤ13,14、モータ17,18、ナックル24,36及びモータ17,18の回転軸17a,18aに結合している部分が回動する。
【0043】
左右の後ホイール15,16の回動中にはランプ49が点滅駆動され、ブザー50が間欠の警報音を発生する。
後輪舵角コントローラ60はステップ5の実行後、ターン位置信号が発生したか否かを判別する(ステップS9)。リム45が油圧シリンダ41,42に近接した位置まで移動すると、リムセンサ62がターン位置信号を発生する。このターン位置信号が発生されるとき、左右の後ホイール15,16全体は図8に示すようにハの字状態となる。この状態では左右の後ホイール15,16は前ホイール4,5の回転軸の中央を中心点(図1の符号B)とした図1の符号Aを通る円弧の接線方向に沿った角度位置に定められている。図8の破線C,Dが接線位置である。符号Aで示す点は車両左側ではトレーリングアーム30のネジ部30aの位置であり、ナックル24とモータ17の軸17aとが交差する位置であり、車両右側でも同様でありナックル36とモータ18の軸とが交差する位置である。
【0044】
ターン位置信号が発生すると、後輪舵角コントローラ60はモータ53の駆動を停止して油圧ポンプ52の作動を停止させ(ステップS10)、ターンコントローラ70に対して後輪操舵完了信号を発生する(ステップS11)。また、ランプ49を点灯駆動すると共にブザー50に連続音を発生させ(ステップS12)、後輪操舵フラグFを1に等しくさせる(ステップS13)。後輪操舵フラグFの初期値は0である。
【0045】
ステップS1でモードスイッチ61がオフと判別した場合には後輪操舵フラグFが1であるか否かを判別する(ステップS14)。後輪操舵フラグFが0に等しい場合には本ルーチンの動作を終了する。一方、後輪操舵フラグFが1に等しい場合には、転回車速が0km/hであるか否かを判別する(ステップS15)。これは車速センサ79によって検出される。車速センサ79は後ホイール15,16の回転が停止していることを検出するものであれば良い。転回車速が0km/hではなく、車両が転回しているならば、車両の転回を停止させる停止制御を行う(ステップS16)。この停止制御ではモータ17,18にブレーキ信号を供給しても良いし、左後輪ではブレーキディスク33にブレーキキャリパー35を接触させ、右後輪でも図示していないブレーキディスクにブレーキキャリパーを接触させることにより後ホイール15,16の回転に制動を掛けても良い。
【0046】
転回速度が0km/hで車両が停止している状態ならば、ハの字状態に転回舵角制御された左右の後ホイール15,16を元の直進舵角に戻すためにモードスイッチ61がオフにされた場合であるので、転回停止指令信号をターンコントローラ70に対して発生し(ステップS17)、モータ53を駆動して油圧ポンプ52を作動させ(ステップS18)、電磁バルブ54のソレノイド54aの励磁駆動を停止する(ステップS19)。また、ランプ49を点滅駆動すると共にブザー50に間欠音を発生させる(ステップS20)。ステップS18及びS19の実行により、油圧ポンプ52によって油タンク51内の油が吐出され、電磁バルブ54内部の通路が切り換えられるので、その吐出油が電磁バルブ54を介して油圧シリンダ41,42各々の油室41a,42aに供給される。一方、油圧シリンダ41,42各々の油室41b,42bは電磁バルブ54を介して油タンク51に連通し、油室41b,42b内の油が電磁バルブ54を介して油タンク51に戻る状態となる。よって、油圧ポンプ52による油タンク51内からの吐出油は油室41a,42aに供給されることにより油室41a,42aの容積を大きくするように作用し、ピストン47,48を油室41b,42b側に押圧する。ピストン47,48が油室41b,42b側に移動することにより、ロッド43,44及びリム45,46が連動して車両後方に移動する。
【0047】
リム45が車両後方に移動するに従って左右のナックルアーム24b,36bが左右の接続アーム32,40を介して車両後方に押圧されるので、ナックル24,36の支持軸を中心にして左右の後ホイール15,16が車両直進方向に向くように回動する。すなわち、後ホイール15,16だけでなく、後タイヤ13,14、モータ17,18、ナックル24,36及びモータ17,18の回転軸17a,18aに結合している部分が回動する。
【0048】
左右の後ホイール15,16の回動中にはランプ49が点滅駆動され、ブザー50が間欠の警報音を発生する。
後輪舵角コントローラ60はステップS20の実行後、直進位置信号が発生したか否かを判別する(ステップS21)。リム46が油圧シリンダ41,42に近接した位置まで移動すると、リムセンサ63が直進位置信号を発生する。この直進位置信号が発生されるとき、左右の後ホイール15,16全体は図1に示すように元の直進状態に戻る。
【0049】
直進位置信号が発生すると、後輪舵角コントローラ60は油圧ポンプ52の駆動を停止し(ステップS22)、シフトロック機構55の作動を停止させ(ステップS23)、ランプ49及びブザー50の駆動を停止し(ステップS24)、後輪操舵フラグFを0に等しくさせる(ステップS25)。
ターンコントローラ70は転回制御ルーチンにおいて、図9に示すように、先ず、操舵完了信号が発生したか否かを判別する(ステップS31)。後輪舵角コントローラ60が上記のステップS8で操舵完了信号を発生すると、その操舵完了信号がターンコントローラ70に供給される。
【0050】
ターンコントローラ70は操舵完了信号が供給されると、リセット信号を解除する(ステップS32)。モータ17,18には通常、ターンコントローラ70からリセット信号が供給されており、モータ17,18は回転禁止状態にあるので、リセット信号の供給を停止してモータ作動待機状態とする。
ターンコントローラ70はステップS32の実行後、ターンスイッチがオンであるか否かを判別する(ステップS33)。左右のターンスイッチ74,75の少なくとも一方がオンである場合には、いずれのターンスイッチがオンであるかを判別する(ステップS34)。左ターンスイッチ74のみがオンの場合には、モータ17,18を正回転駆動し(ステップS35)、右ターンスイッチ75のみがオンの場合には、モータ17,18を逆回転駆動し(ステップS36)、左右のターンスイッチ74,75が共にオンの場合にはモータ17,18へブレーキ信号を供給する(ステップS37)。左右のターンスイッチ74,75の両方がオフである場合にはブレーキスイッチ76がオンであるか否かを判別する(ステップS38)。ブレーキスイッチ76がオンである場合にはステップS37に進んでモータ17,18へブレーキ信号を供給する。モータ17,18へブレーキ信号が供給されることによりモータ17,18の回転に制動が掛かる。
【0051】
ステップS33〜S38の動作によって、左ターンスイッチ74がオン操作されると、ターンコントローラ70から正回転を指定する正逆回転信号がモータ17,18に供給され、その正逆回転信号に応じてモータ17,18が正回転して後ホイール15,16を回転駆動するので、車両は左転回する。一方、右ターンスイッチ75がオン操作されると、ターンコントローラ70から逆回転を指定する正逆回転信号がモータ17,18に供給され、その正逆回転信号に応じてモータ17,18が逆回転して後ホイール15,16を回転駆動するので、車両は右転回する。この車両転回の中心点は上記した前ホイール4,5の回転軸の中央を中心点(図1の符号B)である。ブレーキスイッチ76がオン操作されると、ターンコントローラ70からモータ17,18にブレーキ信号が供給され、モータ17,18の回転は制動される。また、左ターンスイッチ74及び右ターンスイッチ75が共にオン操作された場合にも同様に、モータ17,18にはブレーキ信号が供給され、モータ17,18は制動状態となる。
【0052】
上記したモータ17,18の正又は逆回転駆動の際にはターンコントローラ70からモータメイン信号がリレーユニット71に供給される。リレーユニット71においては、モータメイン信号に応じてリレーコイル81が励磁され、リレースイッチ83がオンとなる。リレースイッチ83のオンによってバッテリー86の正端子からフューズ85、リレースイッチ83、モータ17,18、そしてバッテリー86の負端子に電流が流れ込む。これにより、モータ17,18にはバッテリー86の出力電圧が印加され、モータ17,18は正回転又は逆回転するのである。
【0053】
ステップS36、S37又はS38の実行後、ターンコントローラ70は転回停止指令信号が供給されたか否かを判別する(ステップS39)。モードスイッチ61がオフに操作されたため後輪舵角コントローラ60が上記のステップS12で転回停止指令信号を発生すると、その転回停止指令信号がターンコントローラ70に供給される。転回停止指令信号が供給されないならば、ステップS33に戻って上記の動作を繰り返す。一方、転回停止指令信号が供給されたならば、車両の転回は終了であるので、リセット信号をモータ17,18に供給し(ステップS40)、そして、本ルーチンを終了する。リセット信号がモータ17,18に供給されることによりモータ17,18はいわゆるロックされて回転停止状態となる。
【0054】
運転者は転回するためには先ず、変速機をPレンジに操作することでターンモードが許可され、その後、モードスイッチ61をオン操作することになる。そうすると、ターンモードとなり、車両直進方向に向いていた左右の後ホイール15,16が上下方向を軸として回動を開始する。この回動中にはランプ49が点滅し、ブザー50が間欠の警報音を発生する。左右の後ホイール15,16が図8に示したようにハの字状態となると、ランプ49が点灯状態となり、ブザー50が連続の警報音を発生する。運転者はランプ49の点灯又はブザー50の連続の警報音によって転回操作できる状態になったことを認識する。
【0055】
そこで、運転者が左ターンスイッチ74をオン操作すると、モータ17,18が正回転して後ホイール15,16を正回転させて車両を左転回させることになる。右ターンスイッチ75をオン操作すると、モータ17,18が逆回転して後ホイール15,16を逆回転させて車両を右転回させることになる。運転者は転回を停止させるためにはブレーキスイッチ76又は左右のターンスイッチ74,75の両方をオン操作させる。これによりモータ17,18には制動が掛かり、モータ17,18の回転、すなわち後ホイール15,16の回転が停止される。
【0056】
運転者は車両が所望の転回をした場合にはモードスイッチ61をオフ操作させる。モードスイッチ61のオフによりランプ49が点滅し、ブザー50が間欠の警報音を発生する。そして、ハの字状になっている左右の後ホイール15,16が上下方向を軸として車両直進方向に向くように回動を開始する。左右の後ホイール15,16が元の車両直進方向に向くと、ランプ49が点灯を停止し、ブザー50が連続の警報音の発生を停止する。運転者はランプ49の点灯停止又はブザー50の連続の警報音の発生停止によってターンモードが終了し通常モードとなったことを認識することになる。
【0057】
なお、上記した実施例において、ナックル24とトレーリングアーム30との係合部分が一方の左右ホイールを地面に垂直な軸を中心に回転自在とする回転支持手段を構成し、モードスイッチ61が指令手段に相当する。後輪舵角コントローラ60がステップS2及びS3を実行することが、車両の運転状態が所定条件を充足するか否かを判別する判別手段に相当する。油圧シリンダ41,42、ロッド43,44、油タンク51、ポンプ52、モータ53、電磁バルブ54、リム45,46及び接続アーム32,40からなる部分が回転駆動手段を構成する。また、モータ17,18が一方の左右ホイールに回転トルクを与えて車体を転回させる転回駆動手段に相当する。
【0058】
上記した実施例においては、ターンスイッチ74,75がステアリングホイール92に設けられているが、図10に示すように変速機のシフトレバー80に連動してオンオフするようにターンスイッチ74,75を設けても良い。すなわち、図10に示すように、シフトレバー80は直線的に並んだ変速用シフト位置「P」、「R」、「N」、「D」、「2」及び「1」の他に「左転回」及び「右転回」の転回シフト位置(図10の破線)にガイド孔80aに従って操作可能にされている。シフト位置「左転回」はシフト位置「P」の左側に位置し、シフト位置「右転回」はシフト位置「P」の右側に位置する。シフトレバー80がシフト位置「P」に一旦操作された後でなければ、シフト位置「左転回」及び「右転回」への操作をすることができないようにシフト位置「左転回」及び「右転回」は配置されている。シフトレバー80がシフト位置「左転回」に操作された状態でターンスイッチ74がオンとなり、シフトレバー80がシフト位置「右転回」に操作された状態でターンスイッチ75がオンとなる。シフトレバー80がそれ以外の位置にあるときにはターンスイッチ74,75はオフである。
【0059】
このようにシフトレバー80の操作に連動してターンスイッチ74,75がオンオフするように構成された場合には、モードスイッチ61を設けなくても良い。 図11はかかるシフトレバー80を有する場合の後輪操舵ルーチンを示している。この後輪操舵ルーチンにおいては、図7の後輪操舵ルーチンのステップS1に代わって、ターンスイッチ74,75のいずれか1がオンであるか否か判別される(ステップS1a)。シフトレバー80がシフト位置「P」からシフト位置「左転回」又は「右転回」に操作されたことがステップS1aでは検出される。ターンスイッチ74又は75がオンであるならば、ステップS2に進み、シフトレバー80がシフト位置「P」に操作されたことにより、ターンスイッチ74,75が共にオフであるならば、ステップS13に進む。その他の各ステップは図7の後輪操舵ルーチンのステップと同一である。
【0060】
上記した実施例においては、自動変速機を搭載した車両について説明したため、ステップS2では変速機のシフト位置がPレンジであることが判別されるが、手動変速機の場合にはニュートラルレンジであること、或いはサイドブレーキが作動されたことを判別すれば良い。また、ステップS2ではシフト位置がPレンジ又はニュートラルレンジにあり、かつサイドブレーキが作動していることを判別しても良い。このように車両の停止として、車両の変速機のシフト位置がPレンジ又はNレンジにあること、若しくはサイドブレーキが作動していることを検出することにより、車両の単なる一時的な停止ではないことを検出することができるので、転回時の車両の前進又は後退走行を防止することができる。
【0061】
更に、上記した実施例においては、前輪駆動の車両のためターンモード時に後車輪をハの字状に回動したが、後輪駆動の車両の場合には前ホイールをハの字状に回動することになる。その場合には後ホイールの回転軸上であってその後ホイール間の中央を中心点とした円弧の接線方向に沿った角度位置に前ホイールは固定される。
【0062】
また、上記した実施例においては、各後ホイールに単体のモータ17,18を設けたが、各後ホイール内にモータを形成しても良い。
なお、上記した転回制御ルーチンにおいては、手操作のブレーキスイッチ76を設けた場合について説明したが、ブレーキスイッチ76を設けないで、図12に示すように、ステップS33で左右のターンスイッチ74,75が共にオフの場合、又はステップS34で左右のターンスイッチ74,75が共にオンの場合にはターンコントローラ70はステップS37aに進んでモータ17,18の駆動を停止することによりモータ17,18への電流供給を停止させても良い。すなわち、モータ17,18の駆動を停止して走行抵抗により車両が停止されるのである。更に、このときに所望の位置に車両を停止させるために上記したブレーキペダルの操作に応じて転回時の制動を掛けるようにしても良い。
【0063】
また、ブレーキスイッチ76をブレーキペダルの操作に連動してオンするものとしても良い。この場合にはブレーキペダルの操作に応じてブレーキスイッチ76がオンし、これにより図9に示したようにステップS37に進んでモータ17,18の回転に制動が掛けられる。
更に、上記したように転回停止のためのブレーキペダルの操作中にはモータ17,18に微弱電流を流しても良い。これは、自動変速機のクリープトルクの如きトルクを転回停止制御中に掛けることによりブレーキペダルによる微妙な制動を行うものである。
【0064】
また、上記した実施例においては、所定条件として車両の停止と、前輪の操舵角度がほぼ0度にあることと定めているが、この他、ブレーキペダルが操作されていることも所定条件の1つとしても良い。
更に、上記した実施例においては、モータ17,18を駆動源として後ホイール15,16を回転駆動して車体1の転回を行っているが、通常モード時にエンジン本体2によって走行トルクが与えられる前ホイール4,5にターンモード時には互いに異なる回転方向の回転トルクを与えて車体1の転回を行うこともできる。次に、前ホイール4,5各々に互いに異なる回転方向の回転トルクを与えて車体1の転回を行う四輪車両について説明する。
【0065】
図13に示すように、上記の駆動軸3は駆動軸3a,3bからなり、その駆動軸3a,3bにはデファレンシャル95が設けられている。デファレンシャル95のケース95aに固定されたリングギア96は駆動ギア97と噛合し、駆動ギア97はエンジン本体2によって回転駆動される。リングギア96の歯部には図示しない機構によってストッパ101が係合可能にされており、リングギア96にストッパ101が係合したときにはリングギア96の回転が強制的に停止されるようになっている。ストッパ101は後述の図14に示すストッパ駆動装置102によって駆動されることによりリングギア96との係合を行う。
【0066】
また、駆動軸3aにはギア98が駆動軸3aと共に回転するように取り付けられている。ギア98には駆動ギア99が噛合している。駆動ギア99はモータ100によって回転駆動される。モータ100は車体1を転回させるための駆動源であり、車体1の左転回の場合に正回転し、右転回の場合に逆回転する。
また、ターンモード時に後ホイール15,16各々には回転トルクをを与えないので、図1に示したモータ17,18は設けられていない。
【0067】
ターンコントローラ70は転回制御ルーチンを実行するが、この転回制御ルーチンでは図9の転回制御ルーチンとは違ってモータ100の駆動を制御すると共にストッパ101の制御が行われる。ターンコントローラ70には図14に示すようにストッパ駆動装置102を介してストッパ101が接続されている。
ターンコントローラ70は転回制御ルーチンにおいて、図15に示すように、先ず、操舵完了信号が発生したか否かを判別する(ステップS51)。図9のステップS31と同一である。ターンコントローラ70は操舵完了信号が供給されると、リセット信号を解除し(ステップS52)、ストッパ駆動装置102を介してストッパ101を作動させる(ステップS53)。モータ100には通常、ターンコントローラ70からリセット信号が供給されており、モータ100は回転禁止状態にあるので、リセット信号の供給を停止してモータ作動待機状態とする。また、ストッパ101の作動によりストッパ101がリングギア96と係合してリングギア96が回転しないようにケース95aと共に固定される。
【0068】
ターンコントローラ70はステップS53の実行後、ターンスイッチがオンであるか否かを判別する(ステップS54)。左右のターンスイッチ74,75の少なくとも一方がオンである場合には、いずれのターンスイッチがオンであるかを判別する(ステップS55)。ステップS54,S55は図9のステップS23,S24と同一である。左ターンスイッチ74のみがオンの場合には、モータ100を正回転駆動し(ステップS56)、右ターンスイッチ75のみがオンの場合には、モータ100を逆回転駆動し(ステップS57)、左右のターンスイッチ74,75が共にオンの場合にはモータ100へブレーキ信号を供給してモータ100の回転に制動を掛ける(ステップS58)。左右のターンスイッチ74,75の両方がオフである場合にはブレーキスイッチ76がオンであるか否かを判別する(ステップS59)。これは図9のステップS28と同一である。ブレーキスイッチ76がオンである場合にはステップS58に進んでモータ100へブレーキ信号を供給する。
【0069】
ステップS54〜S59の動作によって、左ターンスイッチ74がオン操作されると、ターンコントローラ70から正回転を指定する正逆回転信号がモータ100に供給され、その正逆回転信号に応じてモータ100が正回転する。モータ100の正回転は駆動ギア99、ギア98を介して駆動軸3aに伝達されるので、駆動軸3aが回転して左の前ホイール4を図16の矢印Xの如く回転させる。また、駆動軸3aの回転によりデファレンシャル95内の一方のサイドギア95bが回転し、その回転は2つのピニオン95c,95dによって他方のサイドギア95eに逆回転となって伝達される。よって、他方のサイドギア95eは駆動軸3bを介して右ホイール5を図16の矢印Yの如く左ホイール4の回転方向とは逆方向に回転させる。よって、左の前ホイール4は車両を前進させる方向に、右の前ホイール5は車両を後退させる方向に回転するので、前ホイール4,5の回転軸の中央を中心点(図1の符号B)として車体1は左転回し、回転自在な後ホイール15,16はそれに従って回転する。
【0070】
一方、右ターンスイッチ75がオン操作されると、ターンコントローラ70から逆回転を指定する正逆回転信号がモータ100に供給され、その正逆回転信号に応じてモータ100が逆回転する。モータ100の逆回転は駆動ギア99、ギア98を介して駆動軸3aに伝達されるので、駆動軸3aが回転して左の前ホイール4を図16の矢印Xの方向とは逆方向に回転させる。また、駆動軸3aの回転によりデファレンシャル95内の一方のサイドギア95bが回転し、その回転は2つのピニオン95c,95dによって他方のサイドギア95eに逆回転となって伝達される。よって、他方のサイドギア95eは駆動軸3bを介して右ホイール5を図16の矢印Yの方向とは逆方向に回転させる。よって、左の前ホイール4は車両を後退させる方向に、右の前ホイール5は車両を前進させる方向に回転するので、前ホイール4,5の回転軸の中央を中心点(図1の符号B)として車体1は右転回し、回転自在な後ホイール15,16はそれに従って回転する。
【0071】
ブレーキスイッチ76がオン操作されると、ターンコントローラ70からモータ100にブレーキ信号が供給され、モータ100の回転が制動される。また、左ターンスイッチ74及び右ターンスイッチ75が共にオン操作された場合にも同様に、モータ100にはブレーキ信号が供給され、モータ100は制動状態となる。
【0072】
上記したモータ100の正又は逆回転駆動の際にはターンコントローラ70からモータメイン信号がリレーユニット71に供給される。リレーユニット71においては、モータメイン信号に応じてリレーコイル81が励磁され、リレースイッチ83がオンとなる。リレースイッチ83のオンによってバッテリー86の正端子からフューズ85、リレースイッチ83、モータ100、そしてバッテリー86の負端子に電流が流れ込む。これにより、モータ100にはバッテリー86の出力電圧が印加され、モータ100は正回転又は逆回転するのである。
【0073】
ステップS57、S58又はS59の実行後、ターンコントローラ70は転回停止指令信号が供給されたか否かを判別する(ステップS60)。これは図9のステップS29と同一である。モードスイッチ61がオフに操作されたため後輪舵角コントローラ60が上記のステップS12で転回停止指令信号を発生すると、その転回停止指令信号がターンコントローラ70に供給される。転回停止指令信号が供給されないならば、ステップS54に戻って上記の動作を繰り返す。一方、転回停止指令信号が供給されたならば、車両の転回は終了であるので、リセット信号をモータ100に供給し(ステップS61)、ストッパ駆動装置102によるストッパ101の作動を停止させ(ステップS62)、そして、本ルーチンを終了する。リセット信号がモータ100に供給されることによりモータ100はいわゆるロックされて回転停止状態となる。また、ストッパ101の作動停止によりストッパ101とリングギア96との係合が解かれてリングギア96が駆動ギア97の回転によってケース95aと共に回転可能にされる。
【0074】
なお、上記した各実施例においては、左右輪を一対のシリンダ・ロッドの同時押しタイプとしたが、左右輪を個別に駆動するようにしても良いし、或いは車両横方向に駆動力を与えるものでも良い。例えば、左右のナックルアーム24b,36b各々をリム45やアーム32,40を介さずに直接押すものでも良い。また、差動ラックを用いる等の様々な方法によって駆動力を与えることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の四輪車両によれば、前後の左右輪のうちの駆動源による走行トルクが伝達されない一方の左右輪を地面に垂直な軸を中心に回転自在とし、一方の左右輪を車両走行時の直進位置から前後の左右輪のうちの他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として一方の左右輪の地面に垂直な軸を通る円弧の接線方向に沿った角度位置まで回転させるので、比較的簡単かつ小さな回転機構を得ることができる。また、ターンモード指令が発生された場合に車両の運転状態が転回に適した所定条件を充足しなければ、転回運転のために一方の左右輪が車両走行時の直進位置から接線方向に沿った角度位置まで回転されることはないので、車両が安定した状態にあるときに転回運転を行うことができる。
【0076】
また、接線方向に沿った角度位置にて一方の左右輪又は他方の左右輪に回転トルクを与えて車体を他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として転回させるので、車両転回時の回転半径は極めて小さいものとなる。よって、本願発明による四輪車両は小回りが利くので、縦列駐車、車庫入れ及びUターン等の車両の転回を要する運転が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として四輪車両の概略構造を示す図である。
【図2】後ホイール部分を具体的に示す断面図である。
【図3】図2の後ホイール部分の組立図である。
【図4】油圧回路及び電気回路を含む後輪操舵系を示す図である。
【図5】駆動制御系を示す回路図である。
【図6】スイッチ及びランプの配置を示す図である。
【図7】後輪操舵ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】ターンモード時の後輪の状態を示す図である。
【図9】転回制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】変速機のシフトレバーが移動可能なシフト位置を示す図である。
【図11】後輪操舵ルーチンの他の例を示すフローチャートである。
【図12】転回制御ルーチンの他の例を示すフローチャートである。
【図13】前輪駆動機構を概略的に示す図である。
【図14】駆動制御系を示す回路図である。
【図15】転回制御ルーチンの他の例を示すフローチャートである。
【図16】転回時の前輪駆動機構の状態を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 車体
2 エンジン本体
3 駆動軸
4,5 前ホイール
6,7,24,36 ナックル
11,12 前タイヤ
13,14 後タイヤ
15,16 後ホイール
17,18,53,100 モータ
21,34 ハブ
30 トレーリングアーム
31 ショックアブソーバ
32,40 接続アーム
33 ブレーキディスク
45,46 リム
47,48 ピストン
52 油圧ポンプ
54 電磁バルブ
74,75 ターンスイッチ
76 ブレーキスイッチ

Claims (17)

  1. 前後の左右輪のうちの駆動源による走行トルクが伝達されない一方の左右輪を地面に垂直な軸を中心に回転自在とする回転支持手段と、
    操作に応じてターンモード指令を発生する指令手段と、
    前記ターンモード指令が発生されたとき車両の運転状態が所定条件を充足するか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段によって前記所定条件を充足すると判別されたとき前記一方の左右輪を車両走行時の直進位置から前記前後の左右輪のうちの他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として前記一方の左右輪の地面に垂直な軸を通る円弧の接線方向に沿った角度位置まで回転させる回転駆動手段と、
    前記接線方向に沿った角度位置にて前記一方の左右輪に回転トルクを与えて車体を前記他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として転回させる転回駆動手段と、を備え
    前記所定条件は、少なくとも前記車両の停止と、前輪の操舵角度がほぼ0度にあることと、であることを特徴とする転回機構を備えた四輪車両。
  2. 操作に応じて左転回指令を発生する左転回指令手段と、操作に応じて右転回指令を発生する右転回指令手段と、を含み、前記転回駆動手段は、前記左転回指令に応じて前記車体を左転回させ、前記右転回指令に応じて前記車体を右転回させることを特徴とする請求項1記載の転回機構を備えた四輪車両。
  3. 前記左転回指令手段及び前記右転回指令手段はステアリングホイールに設けられていることを特徴とする請求項2記載の転回機構を備えた四輪車両。
  4. 変速用のシフト位置の他に左転回シフト位置及び右転回シフト位置が形成された変速機を有し、前記左転回指令手段は前記変速機のシフトレバーが前記左転回シフト位置に移動されたとき前記左転回指令を発生し、前記右転回指令手段は前記変速機のシフトレバーが前記右転回シフト位置に移動されたとき前記右転回指令を発生することを特徴とする請求項2記載の転回機構を備えた四輪車両。
  5. 前記指令手段は、操作に応じてターンモード停止指令を発生し、前記回転駆動手段は、前記ターンモード停止指令に応答して前記一方の左右輪を前記接線方向に沿った角度位置から前記直進位置まで回転させることを特徴とする請求項1記載の転回機構を備えた四輪車両。
  6. 前記車両の停止として、前記車両の変速機のシフト位置がP(パーキング)レンジ又はN(ニュートラル)レンジにあること、若しくはサイドブレーキが作動していることが検出されることを特徴とする請求項記載の転回機構を備えた四輪車両。
  7. 前記転回駆動手段は、前記左転回指令と前記右転回指令とが同時に発生されているときには前記車体の転回を停止することを特徴とする請求項2記載の転回機構を備えた四輪車両。
  8. 前記回転駆動手段は、前記一方の左右輪が前記直進位置から前記接線方向に沿った角度位置まで回転されたことを検出してターン位置信号を発生するターン位置検出手段を有し、前記ターン位置信号に応じて回転駆動を終了することを特徴とする請求項1記載の転回機構を備えた四輪車両。
  9. 前記回転駆動手段は、前記一方の左右輪が前記接線方向に沿った角度位置から前記直進位置まで回転されたことを検出して直進位置信号を発生する直進位置検出手段を有し、前記直進位置信号に応じて回転駆動を終了することを特徴とする請求項5記載の転回機構を備えた四輪車両。
  10. 少なくとも前記一方の左右輪が前記直進位置以外の位置にあるときには変速機のシフト動作を禁止するシフトロック機構を有することを特徴とする請求項1記載の転回機構を備えた四輪車両。
  11. 前記転回駆動手段は、前記駆動源とは異なる駆動源によって前記一方の左右輪に前記回転トルクを与えて車体を転回させることを特徴とする請求項1記載の転回機構を備えた四輪車両。
  12. 前記回転支持手段は、前記一方の左右輪の地面に垂直な軸において前記一方の左右輪をナックルを介して回転自在に支持するトレーリングアームを有することを特徴とする請求項1記載の転回機構を備えた四輪車両。
  13. 前記転回駆動手段は、ステアリングホイールに設けられたスイッチの操作に応じて前記一方の左右輪の回転に対して制動力を与える制動手段を有することを特徴とする請求項1記載の転回機構を備えた四輪車両。
  14. 前記転回駆動手段は、ブレーキペダルの踏込に応じて前記一方の左右輪の回転に対して制動力を与える制動手段を有することを特徴とする請求項1記載の転回機構を備えた四輪車両。
  15. 前後の左右輪のうちの駆動源による走行トルクが伝達されない一方の左右輪を地面に垂直な軸を中心に回転自在とする回転支持手段と、
    操作に応じてターンモード指令を発生する指令手段と、
    前記ターンモード指令が発生されたとき車両の運転状態が所定条件を充足するか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段によって前記所定条件を充足すると判別されたとき前記一方の左右輪を車両走行時の直進位置から前記前後の左右輪のうちの他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として前記一方の左右輪の地面に垂直な軸を通る円弧の接線方向に沿った角度位置まで回転させる回転駆動手段と、
    前記接線方向に沿った角度位置にて他方の左右輪に互いに異なる回転方向の回転トルクを与えて車体を前記他方の左右輪の車両走行用回転軸間の中央点付近を中心として転回させる転回駆動手段と、を備え
    前記所定条件は、少なくとも前記車両の停止と、前輪の操舵角度がほぼ0度にあることと、であることを特徴とする転回機構を備えた四輪車両。
  16. 前記転回駆動手段は、前記駆動源とは異なる駆動源によって前記他方の左右輪各々に前記互いに異なる回転方向の回転トルクを与えて車体を転回させることを特徴とする請求項15記載の転回機構を備えた四輪車両。
  17. 前記転回駆動手段は、前記車体の転回時にデファレンシャル内の2つのピニオンを回転自在に支持するケースを固定させる手段と、前記デファレンシャル内の一方のサイドギアを回転駆動するモータとを有することを特徴とする請求項15又は16記載の転回機構を備えた四輪車両。
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