JP4140515B2 - 調味料及びその製造法 - Google Patents

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Description

本発明はアミノ酸組成物、より詳細には大豆タンパクを主原料とするタンパク性麹を加水分解し、タンパクに含まれるアミノ酸の65%以上を遊離して得られるアミノ酸組成物、該組成物を製造する方法に関するものである。
従来より、加工食品やつゆ・たれ類、漬物液などの各種調味料にうま味やコク味などの呈味を付与する際に、グルタミン酸などのアミノ酸やペプチドを含有する調味素材が用いられてきた。このような素材のなかでも、大豆などの植物性タンパクや牛、豚、鶏肉などの動物性タンパクを酸や酵素で分解ししたものがよく用いられる。特に植物性タンパクを酸分解して得られるアミノ酸液(HVP:Hydrolyzed Vegetable Protein)や日本の伝統的な発酵調味料である醤油はその代表である。
HVPは、大豆などのタンパクを豊富に含有する穀物を高温下、塩酸で加水分解することで製造されているため、タンパク質のほぼ100%がアミノ酸にまで分解され、グルタミン酸などのうまみを呈するアミノ酸を多量に含む。また、酸性高温条件下での分解反応のため、糖、アミノ酸、有機酸、脂質から化学反応によって、HVP独特のフレーバー、呈味を発現する物質が生成する。例えば、フレーバー成分としてソトロン、呈味成分として蟻酸やレブリン酸が生成することが知られている。
また醤油は、伝統的な製造方法においては、まず原料の脱脂大豆を蒸煮後、これにほぼ等量の炒割小麦を混合し、これに種麹を接種して製麹する。得られた麹を食塩水に仕込み、諸味とし、長期間発酵及び熟成して製造されるものである。その呈味はアミノ酸とペプチドによるものであるが、タンパクの分解が50%くらいしか進んでいないため、HVPに比べてアミノ酸、特にグルタミン酸含有量が低く、呈味力価にかける。また、醤油は半年以上の熟成を行う中で、酵母、乳酸菌の働きによって各種アルコール類、エステル類、酢酸などの有機酸を生成するため、独特の醤油香を有している。
このように、HVP、醤油は各種加工食品や調味料にうま味やコク味といった呈味、独特のフレーバーを付与する機能を有する優れた基本調味素材として洋の東西を問わず使用されてきたが、液体で10〜20%の食塩を含有しているため、多量に使用すると塩味が強くなりすぎて、求める強さのうま味、コク味を発揮させられないという問題点がある。また、使用する加工食品によっては、含有している食塩が加工食品の物性や味に影響を与えるため、使用量が限定されてしまい、その結果、求める強さのうま味、コク味を付与できないといった問題もある。例えば、かまぼこなどの水産練り物は、食塩を多く加えると固形化する、いわゆる‘すわり’が悪くなることが知られているため、多くのHVP、醤油を添加することは出来ない。従って、うま味、コク味を付与する基本調味素材としては、食塩を多量に含有していないものが望ましい。
多量の食塩を含有しておらず、うま味、コク味は元のまま持っているHVPや醤油を作ることができれば、食塩の濃度は任意に調整することが可能になり、今まで以上に食品メーカーが使用できる機会が増えるだけでなく、うま味、コク味を加工食品、各種調味料に広く加えることができるようになる。また、不必要な食塩を結果として食品中に入れることがなくなるので、消費者の食塩摂取量も減らすことができるメリットがある。食塩の摂取量を減らすために、本醸造の醤油を脱塩して製造した減塩醤油があるが、食塩と一緒に醤油のもつうま味、コク味も減少してしまう問題があり、前記の目的にかなうものではない。
HVP、醤油のもつ食塩の問題に加え、上述したように、HVP、醤油とも独特強いフレーバーを有しているため、食品、調味料に多量に使用すると添加する加工食品や調味料の風味バランスを壊してしまう問題点がある。特に、他の食品素材、調味素材がもつ風味をマスクしてしまうため、消費者が求める食品の複雑な風味がなくなり、例えば醤油風味だけが強い薄っぺらい風味になってしまう問題点がある。このような例としてめんつゆが挙げられる。めんつゆは主に鰹節からとる‘だし’と醤油である‘かえし’を混合したものであるが、醤油の香気成分、例えばイソブチルアルコール(iba)、ノルマルブチルアルコール(nba)、イソアミルアルコール(iaa)などが鰹のだし風味をマスクしてしまい、風味が悪くなるといった問題がある(特許文献1)。
従って、うま味、コク味などの呈味を付与する基本調味素材としては、フレーバーがあまり強くないものが望ましい。このようなフレーバーが少ない調味料が得られれば、HVPフレーバーや醤油フレーバーが必要であれば、HVP、醤油を一部混合して用いることもできる。また、他の食品素材、調味素材の風味をマスクしない適当な量のフレーバーを任意に付与することも可能である。
これまでに、フレーバーの少ない醤油としては、醤油に窒素ガスを吹き込むことによりiba、nba、iaaなどの醤油の香気成分を減少させた脱臭醤油(特許文献1)や、固体麹を食塩非存在下で高温短時間分解することによって作製した醤油(特許文献2)が開発されている。
これまで述べてきたように、うま味やコク味などの呈味を付与する基本調味素材としては、食塩を含まず、強いフレーバー成分を含まないものが望ましいが、呈味力価の点では、原料タンパクに含まれるアミノ酸が少なくとも醤油以上、できればHVP並みにほぼ100%遊離されているものが望ましい。HVPの高アミノ酸化率は、その製造方法、すなわち酸分解によるものである。しかしながら酸分解の過程で生じる3−MCPDについて、欧州で上限が設定されるなど、規制は強まっており、今後新しく開発する基本調味素材の製造方法は酸分解ではなく、醤油と同じ伝統的な固体麹法を採用することが望ましい。
以上のような状況をまとめると、うま味、コク味を付与する基本調味素材として、伝統的な固体麹法で製造され、食塩を含まず、窒素あたりのアミノ酸含有率がHVP並に高く、強いフレーバー成分を含まないものが望まれている。
固体麹法による醤油の製造において、アミノ酸含量を高める方法として、麹の加水分解を食塩を含ませずに2〜25℃で行う方法が開発されている(特許文献3)。しかし、この方法では、アミノ酸含量は高くなるものの、加水分解後に発酵麹に食塩を添加して、得られた諸味を発酵させるため、塩分を含むという問題がある。また、麹と酵母の混合物を、食塩の非存在下、2〜25℃で加水分解する方法が開示されている(特許文献4)。しかし、この方法は酵母を用いているため、必然的にフレーバー成分を含んでいる。
また、アスペルギルス・オリゼの野生株よりも、エンドペプチダーゼ及びエキソヌクレアーゼ活性が2倍以上高い麹菌を用いて、醤油や矯味剤を製造する技術が開示されている(特許文献5)が、やはり食塩を含むという問題がある。
ところで、タンパク質含有材料と炭水化物から発酵タンパク質麹を調製し、15℃〜60℃の温度と4.5〜10のpHで6時間〜28日間発酵タンパク質麹を加水分解する際に、発酵タンパク質麹g当り103〜107cfuの乳酸菌を、発酵タンパク質麹段階又は加水分解段階のいずれかにおいて接種する方法が開示されている(特許文献6)。食塩の不存在下での低温における加水分解では、望ましくない微生物が生育する危険があるため
に、この方法では乳酸菌の培養物を摂取することにより、前記微生物の生育から麹を保護するというものである。しかし、上記接種菌体量では製麹中、分解中に増殖がおこることから、特に分解中に遊離したアミノ酸を資化してしまい、アミノ酸収率が落ちるという問題がある。
尚、発酵調味料の製造において、原料を乳酸発酵させたものを用いて製麹する方法(特許文献7)が知られているが、この方法では、麹は食塩水を用いて仕込まれる。
特許2862719号公報 特願2002−103013号 米国特許第5,523,100号公報 米国特許第5,888,561号公報 米国特許第6,090,607号公報 米国特許第5,965,178号公報 特許第3027352号
本発明は、植物タンパクを醤油と同じ固体麹法で分解して得られる調味料であって、食塩を含まないか、又は食塩含量が低く、アミノ酸化率が高く、かつ、強いフレーバー成分をほとんど含まない調味料、ならびにその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、醤油に含まれるイソブチルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソアミルアルコールなどの香気成分に加えて酢酸が、他の調味料や食品素材の呈味や風味をマスクすること、及び、これらの含量を低減することによって、優れた調味料が得られることを見出した。そして、醤油の製造において、製麹及び麹の加水分解(発酵)工程の両方で適当量の乳酸菌を存在させることにより、食塩を添加することなく、上記香気成分が低減した調味料を得ることに成功した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)植物タンパク質を含む原料にタンパク質を加水分解する能力を有する微生物を作用させて得られる調味料であって、アミノ酸化率が65%以上、イソブチルアルコール濃度が0.1mg/g・窒素以下、ノルマルブチルアルコール濃度が0.25mg/g・窒素以下、イソアミルアルコール濃度が0.5mg/g・窒素以下、かつ、酢酸濃度が100mg/g・窒素以下であることを特徴とする調味料。
(2)前記植物タンパク質を含む原料は脱脂大豆である(1)の調味料。
(3)前記微生物はアスペルギルス属に属する糸状菌である(1)又は(2)の調味料。(4)前記微生物はアスペルギルス・オリゼ及び/又はアスペルギルス・ソヤである(3)の調味料。
(5)以下の工程:
(i)植物タンパク質を含む原料にタンパク質を加水分解する能力を有する微生物を接種して固体麹を作製する工程、及び、
(ii)得られた固体麹に、前記タンパク質の加水分解反応が阻害されない程度の食塩濃度となるように仕込み液を加えて諸味を形成し、この諸味を発酵させて前記タンパク質を加水分解させる工程、
を含む調味料の製造方法であって、
前記工程(i)において108〜1011個/g・原料の乳酸菌を前記原料に添加し、かつ、必要により、前記工程(ii)において108〜1011個/g・諸味の乳酸菌を前記諸味に添加し、
前記調味料が、アミノ酸化率が65%以上、イソブチルアルコール濃度が0.1mg/g・窒素以下、ノルマルブチルアルコール濃度が0.25mg/g・窒素以下、イソアミルアルコール濃度が0.5mg/g・窒素以下、かつ、酢酸濃度が100mg/g・窒素以下であることを特徴とする方法。
(6)前記工程(ii)の諸味の食塩濃度が5重量%以下のものである(5)の方法。
(7)前記植物タンパク質を含む原料は脱脂大豆である(5)又は(6)の方法。
(8)前記脱脂大豆は、エクストルーダー処理により水溶性窒素指数(NSI)8〜20まで加熱変性膨化を行ったものである(7)の方法。
(9)前記工程(ii)を、5〜45℃で40〜144時間行う(5)〜(8)のいずれかの方法。
(10)前記工程(ii)の諸味のpHが4〜10である(5)〜(9)のいずれかの方法。
(11)前記工程(ii)において、諸味のヘッドスペースをヘッドスペース容積の2〜10倍の窒素で置換することを特徴とする(5)〜(10)のいずれかの方法。
(12)前記窒素置換量をヘッドスペース容積の5〜8倍で行う(11)の方法。
(13)前記タンパク質を加水分解する能力を有する微生物はアスペルギルス属に属する糸状菌である(5)〜(12)のいずれかの方法。
(14)前記タンパク質を加水分解する能力を有する微生物はアスペルギルス・オリゼ及び/又はアスペルギルス・ソヤである(13)の方法。
(15)前記乳酸菌はラクトコッカス・ラクティスである(5)〜(14)のいずれかの方法。
本発明により、食塩を含まないか、又は食塩含量が低く、アミノ酸化率が高く、かつ、イソブチルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソアミルアルコール、及び酢酸が低減された調味料を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の調味料は、植物タンパク質を含む原料にタンパク質を加水分解する能力を有する微生物を作用させて得られる調味料であって、アミノ酸化率が65%以上、イソブチルアルコール濃度が0.1mg/g・窒素以下、ノルマルブチルアルコール濃度が0.25mg/g・窒素以下、イソアミルアルコール濃度が0.5mg/g・窒素以下、かつ、酢酸濃度が100mg/g・窒素以下であることを特徴とする調味料である。
上記アミノ酸化率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。上記イソブチルアルコール濃度は、好ましくは0.08mg/g・窒素以下、より好ましくは0.06mg/g・窒素以下である。ノルマルブチルアルコール濃度は、好ましくは0.1mg/g・窒素以下、より好ましくは0.05mg/g・窒素以下である。また、イソアミルアルコール濃度は、好ましくは0.4mg/g・窒素以下、より好ましくは0.3mg/g・窒素以下である。さらに、酢酸濃度は、好ましくは60mg/g・窒素以下、より好ましくは30mg/g・窒素以下である。
窒素量は、例えばケールダール法により測定することができる。また、アミノ酸量はアミノ酸アナライザーにより、酢酸は有機酸アナライザーにより、香気成分はガスクロマトグラフィーにより、それぞれ測定することができる。
本発明において「アミノ酸化率」とは、分解液中に含まれる総アミノ酸量に対する遊離アミノ酸の割合である。
上記植物タンパク質を含む原料としては、食品に適し、かつ、タンパク質を加水分解する能力を有する微生物により効率よくアミノ酸に分解されるものであれば特に制限されないが、例えば、穀類、豆類が挙げられる。より具体的には、大豆、特に脱脂大豆が挙げられる。本発明においては、原料は1種でもよく、2種以上の混合物であってもよい。原料として特に好適なのは脱脂大豆であるが、脱脂大豆に適当量の小麦粉などを混合してもよい。
タンパク質を加水分解する能力を有する微生物としては、植物タンパク質を、アミノ酸化率が65%以上となるように加水分解することができ、食品の製造に適し、かつ、プロテアーゼ、ペプチダーゼなどのタンパク質分解酵素を細胞外に分泌する微生物が好ましい。このような微生物としては、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属、ムコール(Mucor)属、モナスカス(Monascus)属等に属する微生物が挙げられる。これらの中では、アスペルギルス属が好ましく、具体的には、アスペルギルス・オリゼ(A. oryzae)、アスペルギルス・ソーヤ(A. sojae)、アスペルギルス・アワモリ(A. awamori)、アスペルギルス・ニジュランス(A. nidulans)、アスペルギルス・ニガー(niger)等が挙げられる。これらの微生物の中でも特にアスペルギルス・オリゼ及びアスペルギルス・ソーヤが好ましい。
上記のような本発明の調味料は、アミノ酸化率が65%以上あるため、アミノ酸の呈味力価が醤油より高い。また、醤油の香気成分であるイソブチルアルコール、ノルマルブチルアルコール及びイソアミルアルコールの濃度が従来の醤油よりも低い。さらに、酢酸濃度が低いため、本発明の調味料は、従来の醤油や、窒素ガスを吹き込むことにより香気成分を減少させた脱臭醤油(特許第2862719号)に比べて、他の調味料や食品素材の呈味や風味をマスクすることがなく、うま味やコク味を与えることができる。また、食塩を含まないか、又はその含有量が少ないため、食塩の使用量が制限される食品に好適に使用することができる。さらに、必要に応じて、本発明の調味料又はそれを用いた食品に、適当な量の食塩を添加し、所望の食塩濃度とすることもできる。
次に、本発明の調味料の製造方法について説明する。本発明の調味料は、例えば、以下の工程により製造される。
(i)植物タンパク質を含む原料にタンパク質を加水分解する能力を有する微生物を接種して麹を作製する工程(製麹工程)。
(ii)得られた麹に、前記タンパク質の加水分解反応が阻害されない程度の食塩濃度となるように仕込み液を加えて諸味を形成し、この諸味を発酵させて大豆タンパク質を加水分解させる工程(発酵工程とも言う)。
まず、製麹工程について説明する。
上記植物タンパク質を含む原料としては、食品に適し、かつ、タンパク質を加水分解する能力を有する微生物により効率よくアミノ酸に分解されるものであれば特に制限されないが、例えば、穀類、豆類が挙げられる。より具体的には、大豆、特に脱脂大豆が挙げられる。本発明においては、原料は1種でもよく、2種以上の混合物であってもよい。原料として特に好適なのは脱脂大豆であるが、脱脂大豆に適当量の小麦粉などを混合してもよ
い。
尚、脱脂大豆は、エクストルーダーで加熱変性膨化させた後、乾燥させて乾燥パフ豆とすることが好ましい。そうすることによって、タンパク質を加水分解する能力を有する微生物が大豆の内部に入り込みやすくなり、また、原料の水分含量を、麹菌の生育に適した35〜45%に調整しやすくなる。さらに、多量の乳酸菌の接種が可能となる。加熱変性膨化は、水溶性窒素指数(NSI)が8〜20となるように行うことが好ましい。
上記のような原料に、タンパク質を加水分解する能力を有する微生物を接種して、麹を作製する。本発明においては、麹は固体麹及び液体麹のいずれも適用することができるが、固体麹の方が前記微生物から産生されるプロテアーゼ、ペプチダーゼなどのタンパク質分解酵素の種類、量ともに多く、アミノ酸化率が高いと考えられることから、固体麹が好ましい。
本発明においては、前記製麹工程及び発酵工程のうち、少なくとも製麹工程において、108 〜1011個/g・原料の乳酸菌を前記原料に添加する。後述するように、本発明では、固体麹の加水分解を、麹菌による加水分解反応が阻害されない程度の食塩濃度、例えば食塩濃度が5重量%以下で行う。「加水分解反応が阻害されない程度」とは、実質的に加水分解反応が阻害されないことに加えて、その阻害が本願発明の効果を損なわない程度に小さい場合を含む。具体的には、アミノ酸化率が65%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上であれば、加水分解反応が阻害されないといえる。従来の醤油麹においては、出麹の段階で106〜1010個/g・麹のバクテリアが存在しており、このような麹を低塩濃度で仕込み液と混合すれば、数時間で腐敗してしまう。特に脱脂大豆のみを原料に用いた場合は、蒸煮後の水分含量が50〜60%と非常に高くなるため、乾燥した小麦を等量混合して作る醤油麹よりも納豆菌を始めとする微生物汚染が起こりやすくなる。そこで、本発明においては、原料及び麹に乳酸菌を接種することにより、汚染菌の生育を抑制し、汚染菌の増殖により生じる異常発酵、及び腐敗から麹を保護することとした。
本発明において、製麹は、乳酸菌を接種する以外は、通常の醤油に製造における製麹と同様にして行うことができる。具体的には、タンパク質原料を、水、乳酸菌及び種麹と混合する。水は、混合物全量に対して35〜 45重量%、好ましくは37〜42重量%とるように添加することが好ましい。乳酸菌は、108〜1011個/g・原料、好ましくは109〜1010個/g・原料となるように接種される。特に、製麹の初期の段階で上記範囲で乳酸菌を接種することによって、麹中で優勢菌叢を保たせ、他の雑菌が増殖する余地を排除することが可能となる。
乳酸菌としては、タンパク質を加水分解する能力を有する微生物の活動を実質的に阻害しないものであって、好ましくない汚染菌の生育を抑制することができるものであれば特に制限されず、例えば、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、及びラクトコッカス(Lactococcus)属等に属する細菌が挙げられる。これらの中では、ラクトコッカス属が好ましく、より具体的にはラクトコッカス・ラクティス(L. lactis)が挙げられる。
水及び乳酸菌は、乳酸菌の培養液として原料と混合することができる。具体的には、例えば、加熱変性膨化させた原料に乳酸菌培養液を撒水する。乳酸菌の培養液は、108〜1011、できれば109〜1010個/mLの菌体を含むことが好ましい。乳酸菌の菌数は、顕微鏡下における計数、又は生育に適した寒天培地におけるcfu(colony forming unit)を計数することによって、測定することができる。
また、種麹は、通常、胞子数が106〜107個/g・原料となるように添加する。種麹
の胞子数は、乳酸菌の菌数と同様にして測定することができる。
製麹工程は、通常、22〜 40℃、好ましくは28〜35℃で、24〜72時間、好ましくは38〜60時間静置することにより行われる。製麹開始から18〜28時間後に、手入れ(混合)を行ってもよい。
次に、発酵工程について説明する。
上記のようにして作製された麹に仕込み液を加えて諸味を形成し、この諸味を発酵させて大豆タンパク質を加水分解させる。本発明においては、通常、仕込み液又は諸味には食塩を添加せず、食塩濃度は、諸味全量に対して、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下となるようにする。尚、諸味は乳酸菌培養液等に由来する塩分を少量含んでいてもよい。
発酵工程においては、諸味に乳酸菌を添加することは必須ではないが、添加することが好ましい。諸味に乳酸菌を添加する場合、乳酸菌は、108〜1011個/g・諸味、好ましくは109〜1010個/g・諸味となるように接種する。発酵工程の初期の段階から乳酸菌数を多くすることによって、乳酸菌がさらに増殖することにより加水分解で生じたアミノ酸が資化されることを抑制することができる。
仕込み液は、麹の重量に対して、通常1.5〜 5倍、好ましくは2〜4倍量加えることが望ましい。仕込み液及び乳酸菌は、乳酸菌の培養液として原料と混合することができる。そのような場合、乳酸菌の培養液は、109〜1010個/mLの菌体を含むことが好ましい。
発酵工程は、乳酸菌が生育可能な温度、具体的には通常5〜45℃、好ましくは30〜37℃で、40〜144時間、好ましくは48〜96時間行われる。また、諸味のpHは、好ましくは4〜10、より好ましくは5〜7に調整される。
また、発酵工程は、仕込み液諸味のヘッドスペースを窒素ガスで置換することが望ましい。このことによって、好気性汚染菌の繁殖を抑制することができる。窒素置換の度合いは例えば、諸味を入れたタンクのヘッドスペース容積の、2〜10倍量、好ましくは5〜8倍量の窒素ガスで置換し、タンクを密閉することによって行うことができる。
上記のようにして発酵工程を行うことにより、汚染菌の生育又は増殖を防ぐことができる。また、通常の醤油の製造に関与する酵母もほとんど生育しないために、醤油香が減少すると考えられる。
発酵工程の終了後は、通常の醤油と同様の処理を行うことができる。例えば、発酵が終了した諸味を濾過して固形物を除去した後、60℃〜120℃で殺菌する。あるいは、諸味を殺菌した後に濾過してもよい。また、得られた諸味を、他の発酵調味料又は発酵食品の原料とすることもできる。
本発明を以下の実施例によりさらに具体的に説明する。本発明はこの実施例により限定されるものではない。
尚、本実施例において、「TN」は窒素を、「gTN」はグラム・窒素を表す。
<実施例1>
膨化脱脂大豆(味の素(株)製 プロテインTY、NSI15)360gに、109〜1010個/mLの菌体を含み、pH6.3に調整した乳酸菌培養液(L. lactis NBRC12007)を180mL添加し、さらに麹菌(A. oryzae JCM2231)の胞子を2×106個/g・原料と
なるように混合後、常法に従い30〜32℃で48時間製麹を行った。麹の品温が32℃を上回った18及び25時間後に麹の混合を行った。混合物の水分含量は37%であった。
尚、前記NBRC12007株は、財団法人発酵研究所(IFO)にIFO12007として寄託されていたが、IFOの微生物保存業務が独立行政法人 製品評価技術基盤機構 生物遺伝資源部門(NBRC)(郵便番号292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に引き継がれ、NBRC12007株として保存されている。すなわち、NBRC12007株は、IFO12007株と同一菌株である。また、JCM2231株は、独立行政法人 理化学研究所 微生物系統保存施設(JCM)(郵便番号351-0198 埼玉県和光市広沢2-1)に保存されている。いずれの菌株も、NBRC又はJCMから分譲を受けることができる。
得られた麹500gを、109〜1010個/mLの菌体を含み、pH6.3に調整した乳酸菌培養液(L.lactis NBRC12007(旧IFO12007))2Lに添加し、ピンチコックを介して外気と容器内が遮断可能な耐圧瓶に投入した。容器のヘッドスペースに、常圧でヘッドスペースの5倍量に相当する量の窒素ガスを注入後、ピンチコックを閉めて容器内を密閉し、インキュベーター内で35℃で24時間、48時間、96時間、144時間、及び240時間静置することにより、麹による脱脂大豆タンパク質の加水分解を行った。
加水分解された混合物を圧搾して加水分解液を調製後、この液体を80℃で30分間処理することにより、殺菌を行った。これを一晩 4℃でインキュベート後、固形分をろ過で取り除いた。得られた清澄な液体2Lに20gの活性炭(活性炭BA:味の素ファインテクノ社製)を添加し、常時攪拌しながら50℃で30分間インキュベートし、脱臭及び脱色を行った。最後に、この溶液を濾過して活性炭を除去し、最終産物である調味液を得た。
以上の操作によって取得した調味液について、ケールダール法による窒素(TN)の分析、アミノ酸アナライザー(日立L−8000)法によるアミノ酸(総アミノ酸)の測定、有機酸アナライザー(日立L−7000)による各種有機酸濃度の測定、糖分析計(日立L−6000)による各種糖濃度の測定、ガスクロマトグラフィーによる香気成分の分析、pHの測定、及び10名からなる官能評価パネルによる単純溶液系による官能評価試験を実施した。
単純溶液系での官能評価の方法として、各試料を、窒素濃度(T−N)=0.1%、食塩濃度=1.0%になるように希釈、補塩し、室温の状態で官能評価を行った。
各分解時間における試作品の成分分析結果と、単純溶液系での官能評価結果を、及び市販の濃口醤油と比較し、表1に示した。
Figure 0004140515
その結果、48時間以上分解することで、アミノ酸化率が80%以上に達すると共に、醤油に特徴的なイソブチルアルコール(iba)、n−ブチルアルコール(nba)、イソアミルアルコール(iaa)、酢酸などの香気成分をほとんど含まないことがわかった。本発明で得られる調味液の呈味は、うま味、先味が強く、厚みがあることが特徴であり、醤油よりは酸分解アミノ酸液の特徴にはるかに近かった。中でも特に、分解時間が48時間から144時間の調味液で、うま味、先味、厚みが強く感じられた。48時間分解の場合はペプチドが少し残るので、「後味がひく」呈味となる。
また、臭いについては、酸分解アミノ酸や醤油に独特の強いフレーバーは感じられず、若干の穀物臭がするだけであった。分解時間による差はほとんどなかった。従って、以下の実施例では、分解時間は48時間から144時間で行うこととした。
<実施例2>
固体麹の加水分解における、加水分解温度と、製造の安定性、及び得られた調味液の呈味などとの関係について調べた。加水分解温度は30、35、及び37℃で行った。分解時間は96時間で行った。
実施例1記載の方法で得られた固体麹500gを、109〜1010個/mLの菌体を含み、pH6.3に調整した乳酸菌培養液(L.lactis NBRC12007(旧IFO12007))2Lに添加し、ピンチコックを介して外気と容器内が遮断可能な耐圧瓶に投入した。容器のヘッドスペースに、ヘッドスペース容積の5倍量の窒素ガスを注入後、ピンチコックを閉めて容器内を密閉し、インキュベーター内で上記の各温度にて96時間の加水分解を行った。その後、実施例1記載の方法で分解物の処理を行い、調味液を得た。
分解温度を振った試作品の成分分析結果、単純溶液系での官能評価結果、及び加水分解終了後の微生物分析の結果を比較し、表2に示した。
Figure 0004140515
その結果、アミノ酸化率は分解温度30〜37℃では大差がなかった。
従って、以下の実施例では、加水分解温度の温度はアミノ酸化率、静菌性の両面を考慮し、30〜37℃とした。
<実施例3>
実施例1及び2では、加水分解時にタンク上部のヘッドスペースを窒素ガスで置換することで分解系全体を嫌気状態とし、バチルス・ズブチリスを始めとする偏性好気性菌の増殖を抑えたが、本実施例では加水分解中の静菌における必要性を調べた。
膨化脱脂大豆(味の素(株)製 プロテインTY、NSI 15)360gに109〜1010個/mLの菌体を含み、pH6.3に調整した乳酸菌培養液(L. lactis NBRC12007(旧IFO12007))を180mL添加し、さらに麹菌(A. oryzae JCM2231)の胞子を2×106個/g・原料となるよう混合後、常法に従い30〜32℃で48時間製麹を行った。混合物の水分含量は37%であった。次に、従来の醤油麹の製造法と同様に、麹を18及び25時間後に混合した。
得られた麹500gを、109個/mLの菌体を含み、pH6.3に調整した乳酸菌培養液(L. lactis IFO12007(旧IFO12007))2Lに添加し、ピンチコックを介して外気と容器内が遮断可能な耐圧瓶に投入した。なお、乳酸菌の菌体数の調製は、1010個/mLの乳酸菌体を含む乳酸菌培養液を滅菌水で希釈して行った。容器のヘッドスペースに窒素ガスを注入し、ヘッドスペース容積の5倍の窒素ガスで置換し、ピンチコックを閉めて容器内を密閉し、インキュベーター内で35℃、48時間の加水分解を行った。また、対照区として窒素ガス置換しないでインキュベータ内で35℃、96時間の加水分解を行った。その後、実施例1記載の方法で分解物の処理を行い、調味液を得た。
上記条件では、ヘッドスペースを窒素で置換しないと麹菌が諸味表面を覆い、その上に球菌、バチルス属などの汚染菌が増殖することがわかった。従って、諸味タンクのヘッドスペースは窒素で置換することが望ましいことがわかった。
<実施例4>
次に使用する乳酸菌種を変更して、調味料を製造した。
ラクトコッカス・ラクティス(L. lactis)AJ110212(FERM BP-08552)を、ジャーファンメーターを用いて、酵母エキス0.54%、グルコース3%、NaCl 0.5%からなる培
地で、NaOHにてpHを5.5に維持して、無通気、攪拌数100rpmの条件で、菌体濃度が109〜1010個/mLになるように約18時間培養した。同菌株は、2003年11月19日に、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)にブダペスト条約に基づいて国際寄託され、受託番号FERM BP-08552が付与されている。
膨化脱脂大豆(味の素(株)製 プロテインTY、NSI15)360gに、109〜1010個/mLの菌体を含む、pH6.3に調整した前記乳酸菌培養液(L. lactis AJ110212(FERM BP-08552))を180mL添加した。さらに、麹菌(A. oryzae JCM2231)の胞子を2×106個/g・原料となるよう混合後、常法に従い30〜32℃で48時間製麹を行った。混合物の水分含量は37%であった。次に、従来の醤油麹の製造法と同様に、麹を18及び25時間後に混合した。
得られた麹500gを、109個/mLの菌体を含み、pH6.3に調整した乳酸菌培養液(前記のL. lactis AJ110212(FERM BP-08552)の培養液)2Lに添加し、ピンチコックを介して外気と容器内が遮断可能な耐圧瓶に投入した。なお、乳酸菌の菌体数の調製は、1010個/mLの乳酸菌体を含む乳酸菌培養液を滅菌水で希釈して行った。容器のヘッドスペースに窒素ガスを注入し、ヘッドスペース容積の5倍の窒素ガスで置換し、ピンチコックを閉めて容器内を密閉し、インキュベーター内で35℃、96時間の加水分解を行った。その後、実施例1記載の方法で分解物の処理を行い、調味液を得た。
調味液の成分分析結果、単純溶液系での官能評価結果、及び微生物分析の結果を表3に示す。
Figure 0004140515
その結果、乳酸菌種をL. lactis AJ110212(FERM BP-08552)を用いた場合でも、分解液の静菌性は確保されるとともに、官能評価、分析値とも実施例1の結果とほぼ同様であった。このように、本発明で得られた調味液は、乳酸菌種を変更しても製造可能であった。
<実施例5>
本発明の調味液は、イソブチルアルコール(iba)、n−ブチルアルコール(nba)、イソアミルアルコール(iaa)を少量しか含まないため、だしと混合したときに、だし風味をマスクせず良好な風味を持つめんつゆを作製できると考えた。そこで、醤油区分を本発明の調味液で置き換えためんつゆを作製し、その官能評価を行った。
醤油、かつお節(荒本節、枯れ節)、砂糖、みりん、食塩、L−グルタミン酸−ナトリウム塩及び乳酸を主成分とするめんつゆの配合において、醤油区分を以下の調味料で置き換えた。
(I) 本発明で得られた調味液(実施例1の35℃、96時間の条件で作製したもの。以下、同様)
(II) 市販濃口醤油
(III) 脱臭醤油(特許2872619号公報に記載の方法で作製したもの)
(IV) 本発明で得られた調味液に酢酸を、市販濃口醤油が含有する量と等量添加した調味液
上記の各調味料を使用しためんつゆを、以下に示す配合で混合してめんつゆを作製し、それぞれについて官能評価した。
各めんつゆに含まれるiba、nba、iaa、及び酢酸の含有濃度を表3に示した。
上記4種類のめんつゆについて、専門味覚パネル(n=4)による評価を行い、だし風味、燻臭が強いものから順位をつけ、順位法により総合評点をつけた。即ち、1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点とし、4名のパネルの点数の合計を総合評点とした。結果を表4に示した。
Figure 0004140515
その結果、本発明の調味液を醤油の代わりに使用しためんつゆが、最もだし風味・燻臭を強く感じることがわかった。また、めんつゆのだし感、燻臭をマスクする成分としては、特許2862719号公報に開示されているiaa、iba、nbaよりも酢酸の影響の方が大きいことがわかった。従って、本発明の調味液は、酢酸を含まないことで、素材の風味を生かす効果を有するものと推定される。

Claims (13)

  1. 植物タンパク質を含む原料にタンパク質を分解する能力を有する微生物を作用させて得られる調味料であって、アミノ酸化率が65%以上、イソブチルアルコール濃度が0.1mg/g・窒素以下、ノルマルブチルアルコール濃度が0.25mg/g・窒素以下、イソアミルアルコール濃度が0.5mg/g・窒素以下、かつ、酢酸濃度が100mg/g・窒素以下であることを特徴とする調味料。
  2. 前記植物タンパク質を含む原料は脱脂大豆である請求項1に記載の調味料。
  3. 前記微生物はアスペルギルス属に属する糸状菌である請求項1又は2に記載の調味料。
  4. 前記微生物はアスペルギルス・オリゼ及び/又はアスペルギルス・ソヤである請求項3に記載の調味料。
  5. 以下の工程:
    (i)植物タンパク質を含む原料にタンパク質を加水分解する能力を有する微生物を接種して固体麹を作製する工程、及び、
    (ii)得られた固体麹に、前記タンパク質の加水分解反応が阻害されない程度の食塩濃度となるように仕込み液を加えて食塩濃度が5重量%以下である諸味を形成し、諸味のヘッドスペースを該ヘッドスペース容積の2〜10倍の窒素で置換した後、この諸味を発酵させて前記タンパク質を加水分解させる工程、
    を含む調味料の製造方法であって、
    前記工程(i)において108〜1011個/g・原料の乳酸菌を前記原料に添加し、かつ、前記工程(ii)において108〜1011個/g・諸味の乳酸菌を前記諸味に添加し、
    前記調味料が、アミノ酸化率が65%以上、イソブチルアルコール濃度が0.1mg/g・窒素以下、ノルマルブチルアルコール濃度が0.25mg/g・窒素以下、イソアミルアルコール濃度が0.5mg/g・窒素以下、かつ、酢酸濃度が100mg/g・窒素以下であることを特徴とする方法。
  6. 前記窒素置換量をヘッドスペース容積の5〜8倍で行う請求項に記載の方法。
  7. 前記植物タンパク質を含む原料は脱脂大豆である請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記脱脂大豆は、エクストルーダー処理により水溶性窒素指数(NSI)8〜20まで加熱変性膨化を行ったものである請求項7に記載の方法。
  9. 前記工程(ii)を、5〜45℃で40〜144時間行う請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記工程(ii)の諸味のpHが4〜10である請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記タンパク質を加水分解する能力を有する微生物はアスペルギルス属に属する糸状菌である請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記タンパク質を加水分解する能力を有する微生物はアスペルギルス・オリゼ及び/又はアスペルギルス・ソヤである請求項11に記載の方法。
  13. 前記乳酸菌はラクトコッカス・ラクティスである請求項5〜12のいずれか一項に記載の方法。
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