JP4140317B2 - ジカルボン酸類の製造方法とその触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジカルボン酸類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジカルボン酸類は、各種化学製品およびその合成中間体等として重要な化合物であり、その製造方法としては、例えば対応するジオール類を過マンガン酸カリウムや重クロム酸カリウム等の金属酸化物を用いて酸化する方法が知られているが、廃棄物処理が煩雑な金属酸化物を化学量論量以上用いており、環境負荷が大きく、工業的な製造方法としては、満足し得るものではなかった。
【0003】
一方、ジオールに代わる原料として、ラクトン類を用いるジカルボン酸類の製造方法も種々報告されている。かかる方法として、例えば白金やパラジウムを触媒とし、水の存在下に、β−メチル−δ−バレロラクトンと酸素を反応させる方法(特開平7−258148号公報)、ロジウム触媒の存在下に、γ−バレロラクトンを一酸化炭素および水と反応させる方法(特許第2876550号)等が知られているが、高価な触媒を用いており、しかも高圧条件で反応を実施する必要があるため、工業的に有利な方法とは必ずしも言えなかった。また、硝酸酸化による方法(特開昭53−12807号公報)も知られているが、反応装置の腐食やNOxの副生等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、ラクトン類からジカルボン酸類を工業的に有利に製造する方法について鋭意検討したところ、入手が容易なタングステン金属やホウ化タングステンやタングステン酸や酸化タングステン等のタングステン化合物、モリブデン金属やホウ化モリブデンやモリブデン酸や酸化モリブデン等のモリブデン化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物を触媒とし、水の存在下に、クリーンで、取扱いが容易な過酸化水素でラクトン類を酸化することにより、ジカルボン酸類が得られることを見いだし、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒および水の存在下に、五員環、六員環または七員環ラクトン類と過酸化水素とを反応させることを特徴とするジカルボン酸類の製造方法とその触媒を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず最初に、五員環、六員環または七員環ラクトン類と過酸化水素とを反応させる際に用いる金属酸化物触媒について説明する。触媒としては、タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、金属化合物と略記する。)と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物が用いられる。
【0007】
タングステンと第IIIb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えばホウ化タングステン等が、タングステンと第IVb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えば炭化タングステン、ケイ化タングステン等が、タングステンと第Vb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えばチッ化タングステン、リン化タングステン等が、タングステンと第VIb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えば酸化タングステン、タングステン酸、硫化タングステン等が挙げられる。
【0008】
モリブデンと第IIIb族元素とからなるモリブデン化合物としては、例えばホウ化モリブデン等が、モリブデンと第IVb族元素とからなるモリブデン化合物としては、例えば炭化モリブデン、ケイ化モリブデン等が、モリブデンと第Vb族元素とからなるモリブデン化合物としては、例えばチッ化モリブデン、リン化モリブデン等が、モリブデンと第VIb族元素とからなるモリブデン化合物としては、例えば酸化モリブデン、モリブデン酸、硫化モリブデン等が挙げられる。
【0009】
かかる金属化合物の中でも、タングステン金属、ホウ化タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、タングステン酸、硫化タングステンが好ましい。また、これら金属化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、粒径の小さい金属化合物を用いることが、触媒である金属酸化物の調製をより容易にするという点で好ましい。
【0010】
かかる金属化合物と反応せしめる過酸化水素としては、通常水溶液が用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取り扱いが容易という点で、過酸化水素水を用いることが好ましい。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水を用いる場合は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて、希釈、濃縮等により濃度調整を行なったものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液を用いる場合は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製したものを用いればよい。
【0011】
金属化合物と反応せしめる過酸化水素の使用量は、金属化合物に対して、通常3モル倍以上、好ましくは5モル倍以上であり、その上限は特にない。
【0012】
金属化合物と過酸化水素との反応は、通常水溶液中で実施される。もちろん例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばtert−ブタノール等の第三級アルコール系溶媒、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等の有機溶媒中または該有機溶媒と水との混合溶媒中で実施してもよい。
【0013】
金属化合物と過酸化水素との反応は、通常その両者を混合、接触させることにより行われ、金属化合物と過酸化水素の接触効率を向上させるため、金属酸化物調製液中で金属化合物が十分分散するよう攪拌しながら反応を行うことが好ましい。また金属化合物と過酸化水素の接触効率を高め、金属酸化物調製時の制御をより容易にするという点で、例えば粉末状の金属化合物等粒径の小さな金属化合物を用いることが好ましい。
【0014】
金属酸化物の調製時の調製温度は、通常−10〜100℃である。
【0015】
金属化合物と過酸化水素とを水中、有機溶媒中もしくは水と有機溶媒の混合溶媒中で反応させることにより、金属化合物の全部もしくは一部が溶解し、金属酸化物を含む均一溶液もしくは懸濁液を調製することができるが、該金属酸化物を、例えば濃縮処理等により調製液から取り出して、触媒として用いてもよいし、該調製液をそのまま触媒として用いてもよい。
【0016】
次に、上記金属酸化物を触媒とするラクトン類と過酸化水素との反応について説明する。
【0017】
本発明に用いられるラクトン類としては、五員環、六員環または七員環ラクトン類(以下、ラクトン類と略記する。)であり、ラクトン環を構成する炭素原子のうち、酸素原子に隣接する炭素原子以外の炭素原子は、例えば直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基、ハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。
【0018】
アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、例えばメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
【0019】
かかる置換基は、互いに結合して環構造の一部を形成していてもよく、かかる環構造としては、例えばシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロドデカン環等が挙げられ、かかる環は、前記アルキル基、前記ハロゲン原子、前記アルコキシ基等で置換されていてもよい。
【0020】
かかるラクトン類としては、例えばγ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、α−メチル−δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、β−メチル−ε−カプロラクトン、γ−メチル−ε−カプロラクトン、δ−メチル−ε−カプロラクトン等が挙げられる。
【0021】
本反応は、前記した金属酸化物触媒および水の存在下に、ラクトン類を反応させるものであり、該ラクトン類が開環し、酸化されたジカルボン酸類が生成する。
【0022】
金属酸化物触媒の使用量は、金属として、ラクトン類に対して、通常0.001〜0.95モル倍、好ましくは0.005〜0.1モル倍である。
【0023】
過酸化水素は、通常水溶液として用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、本反応は水の存在下に行うことが重要であるため、過酸化水素水を用いることが実用上好ましい。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水を用いる場合は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて、希釈、濃縮等により濃度調整を行なったものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液を用いる場合は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製したものを用いればよい。
【0024】
過酸化水素の使用量は、ラクトン類に対して、通常1.5モル倍以上、好ましくは2モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると経済的に不利になりやすいため、実用的には10モル倍以下である。なお、触媒として、金属酸化物を含む調製液を用いる場合は、該調製液中の過酸化水素量を含めて、過酸化水素の使用量を設定してもよい。
【0025】
水の使用量は、ラクトン類に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特にない。例えば過酸化水素水を用いて金属酸化物を調製し、得られた調製液をそのまま触媒として用いる場合やラクトン類との反応に過酸化水素水を用いる場合等反応系に水が存在する場合であって、当該水の量が十分である場合には、あらためて反応系に水を加える必要はない。
【0026】
ラクトン類と過酸化水素との反応は、無溶媒で行ってもよいし、水溶媒中、有機溶媒中もしくは水と有機溶媒との混合溶媒中で行ってもよい。有機溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばtert−ブタノール等の第三級アルコール系溶媒、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。
【0027】
本反応は、通常金属酸化物触媒、ラクトン類、水および過酸化水素を接触、混合させることにより行われるが、例えば金属化合物、過酸化水素、水およびラクトン類を接触、混合させて、金属酸化物触媒の調製操作と、ラクトン類と過酸化水素との反応を、同時並行的に行ってもよい。
【0028】
反応温度は、通常50〜130℃であり、通常常圧条件下で実施されるが、減圧あるいは加圧条件下で実施してもよい。
【0029】
反応の進行と共に、ジカルボン酸類が生成するが、かかる反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
【0030】
反応終了後、反応液をそのままもしくは必要に応じて残存する過酸化水素を、例えば亜硫酸ナトリウム等の還元剤で分解した後、濃縮処理、晶析処理等することにより、目的とするジカルボン酸類を取り出すことができる。また、反応液に、必要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、ジカルボン酸類を取り出すこともできる。取り出したジカルボン酸類は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ、再結晶等通常の精製方法によりさらに精製してもよい。
【0031】
ジカルボン酸類を晶析処理により取り出した後の濾液や反応液を抽出処理し、有機層を取り出した後の水層は、本反応の金属酸化物触媒を含んでおり、そのままもしくは必要に応じて濃縮処理等を行った後、再度本反応に使用することができる。
【0032】
かくして得られるジカルボン酸類としては、例えばコハク酸、2−メチルコハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸等が挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0034】
実施例1
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン金属0.074gおよび30重量%過酸化水素水1.1gを仕込み、内温50℃で15分攪拌し、触媒液を調製した。該触媒液に、ε−カプロラクトン4.6gおよび30重量%過酸化水素水4.7gを仕込み、内温90℃で4時間攪拌、保持した。得られた反応液を冷却し、エタノール50mLを加え、十分に振とうした後、液体クロマトグラフィにより分析し、アジピン酸の生成を確認した。アジピン酸の生成量:3.1g、収率:52%(ε−カプロラクトン基準)。
【0035】
実施例2
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン金属0.074gおよび30重量%過酸化水素水1.1gを仕込み、内温50℃で15分攪拌し、触媒液を調製した。該触媒液に、δ−バレロラクトン2gおよび30重量%過酸化水素水4.7gを仕込み、内温90℃で4時間攪拌、保持した。得られた反応液を冷却し、エタノール50mLを加え、十分に振とうした後、液体クロマトグラフィにより分析し、グルタル酸の生成を確認した。グルタル酸の生成量:1.8g、収率:79%(δ−バレロラクトン基準)。
【0036】
実施例3
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン金属0.074gおよび30重量%過酸化水素水1.1gを仕込み、内温50℃で15分攪拌し、触媒液を調製した。該触媒液に、γ−ブチロラクトン3.4gおよび30重量%過酸化水素水4.7gを仕込み、内温90℃で4時間攪拌、保持した。得られた反応液を冷却し、エタノール50mLを加え、十分に振とうした後、液体クロマトグラフィにより分析し、コハク酸の生成を確認した。コハク酸の生成量:0.8g、収率:17%(γ−ブチロラクトン基準)。
【0037】
実施例4
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン酸0.1gおよび30重量%過酸化水素水5.7g、ε−カプロラクトン4.6gを仕込み、内温90℃で4時間攪拌、保持した。得られた反応液を冷却し、エタノール50mLを加え、十分に振とうした後、液体クロマトグラフィにより分析し、アジピン酸の生成を確認した。アジピン酸の収率:44%(ε−カプロラクトン基準)。
【0038】
実施例5
実施例1において、タングステン金属に代えて、ホウ化タングステン(使用量はタングステン金属と等モル)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、アジピン酸を、収率49%で得た(ε−カプロラクトン基準)。
【0039】
実施例6
実施例1において、タングステン金属に代えて、炭化タングステン(使用量はタングステン金属と等モル)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、アジピン酸を、収率61%で得た(ε−カプロラクトン基準)。
【0040】
実施例7
実施例1において、タングステン金属に代えて、硫化タングステン(使用量はタングステン金属と等モル)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、アジピン酸を、収率45%で得た(ε−カプロラクトン基準)。
【0041】
実施例8
実施例4において、タングステン酸に代えて、酸化タングステン(使用量はタングステン酸と等モル)を用いた以外は実施例4と同様に実施して、アジピン酸を、収率58%で得た(ε−カプロラクトン基準)。
【0042】
実施例9
実施例1において、タングステン金属に代えて、モリブデン金属(使用量はタングステン金属と等モル)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、アジピン酸を、収率20%で得た(ε−カプロラクトン基準)。
【0043】
実施例10
実施例1において、タングステン金属に代えて、ホウ化モリブデン(使用量はタングステン金属と等モル)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、アジピン酸を、収率20%で得た(ε−カプロラクトン基準)。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、入手が容易タングステン金属、ホウ化タングステン等のタングステン化合物やモリブデン金属等のモリブデン化合物と過酸化水素とから、容易に調製できる金属酸化物触媒を用いることにより、五員環、六員環または七員環ラクトン類と過酸化水素とから、ジカルボン酸類が得られるため、工業的に有利である。
Claims (6)
- タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒および水の存在下に、五員環、六員環または七員環ラクトン類と過酸化水素とを反応させることを特徴とするジカルボン酸類の製造方法。
- 第IIIb族元素が、ホウ素である請求項1に記載のジカルボン酸類の製造方法。
- 第IVb族元素が、炭素である請求項1に記載のジカルボン酸類の製造方法。
- 第Vb族元素が、窒素またはリンである請求項1に記載のジカルボン酸類の製造方法。
- 第VIb族元素が、酸素または硫黄である請求項1に記載のジカルボン酸類の製造方法。
- タングステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる、五員環、六員環または七員環ラクトン類を水の存在下に酸化してジカルボン酸類を製造するための触媒。
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