JP4140133B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は家庭や事務所などで飲料用の湯を保温し、供給する電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気湯沸かし器は水を入れ、電源をつなげると湯が沸くが、このお湯を長時間、略一定温度で保温しておく必要がある。そのため一般に、電気湯沸かし器内の貯水用容器の周囲を様々な断熱材で覆っている。その断熱材としては、ガラスウールなどの無機系の断熱材、そして金属の反射板を使用した断熱材がある。さらには、ガスバリアー層としてアルミニウム箔や、ポリエチレンテレフタレート(以下PETという)を蒸着基材としてアルミニウム蒸着を施した蒸着層を用いた積層フィルムからなる包装材に断熱芯材を封入し、包装材内部を真空排気した真空断熱材がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガラスウール等の断熱材は熱的な耐久性能は優れるが、断熱性能は低いという問題がある。また、包装材内部を真空排気した真空断熱材において、ガスバリアー層としてアルミニウム箔などの金属箔を使用したものは、包装材内部の断熱性能は良いが、ガスバリアー層である金属箔を伝わる熱量が非常に大きく、真空断熱材全体としての断熱性は十分に良いとはいえない。この金属箔を伝わる熱量を抑えるために、ガスバリアー層としてアルミニウム蒸着などの蒸着層を用いた真空断熱材がある。これは、蒸着基材または蒸着面側に張り合わせたフィルム(保護層)にPETが用いられているが、PETは熱的寸法安定性が悪く、蒸着層の厚さは非常に薄いため、PETの熱的な収縮膨張により蒸着層が破壊され、ガスバリアー性が低下し、真空を保持できず断熱性能が悪化し、電気湯沸かし器の保温電力が大きくなってしまうという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、貯水用容器と、前記貯水用容器内の水を加熱するヒータと、水を流出させる出湯経路と、前記貯水用容器の周囲に設けられた真空断熱材とを有し、前記真空断熱材は樹脂フィルム基材に蒸着を施した蒸着層と前記蒸着層に積層された金属箔とで構成されるガスバリアー層と、前記ガスバリアー層の蒸着面側に蒸着層および金属箔を保護する保護層と、シール層とからなる積層フィルムで構成される袋に、断熱芯材を真空封入した外郭にヒートシール部分を有するもので構成され、前記保護層は樹脂フィルム基材と熱収縮率が同一である物質で、前記貯水用容器に接している面のガスバリアー層に積層された金属箔の一部は切り欠いており、かつ前記ヒ ートシール部を前記貯水用容器の反対側に折り曲げた電気湯沸かし器とする。
【0005】
上記発明によれば、ガスバリアー層が破壊されることなく、真空状態を保持することができるため、断熱性が長期間落ちることがない。また、ガスバリアー層として金属箔に代わり、蒸着層を用いたことで高温部からガスバリアー層自身を伝って流れ込む熱を抑えることができ、真空断熱材全体の断熱性能を向上させ、電気湯沸かし器の保温電力を小さくすることができる。さらに、ガスバリアー層に金属箔の部分があるため、全面蒸着層を用いた真空断熱材を配置した電気湯沸かし器に比べて、熱的耐久性を向上させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、貯水用容器と、前記貯水用容器内の水を加熱するヒータと、水を流出させる出湯経路と、前記貯水用容器の周囲に設けられた真空断熱材とを有し、前記真空断熱材は樹脂フィルム基材に蒸着を施した蒸着層と前記蒸着層に積層された金属箔とで構成されるガスバリアー層と、前記ガスバリアー層の蒸着面側に蒸着層および金属箔を保護する保護層と、シール層とからなる積層フィルムで構成される袋に、断熱芯材を真空封入した外郭にヒートシール部分を有するもので構成され、前記保護層は樹脂フィルム基材と熱収縮率が同一である物質で、前記貯水用容器に接している面のガスバリアー層に積層された金属箔の一部は切り欠いており、かつ前記ヒートシール部を前記貯水用容器の反対側に折り曲げた電気湯沸かし器としたもので、断熱材として、熱伝導率が25℃で約0.035(kcal/m・h・℃)のガラスウールを用いた電気湯沸かし器よりも、25℃で約0.006(kcal/m・h・℃)の真空断熱材を用いた電気湯沸かし器の方が保温電力を低く抑えることができる。
【0007】
また、ガスバリアー層に蒸着層を用いた電気湯沸かし器は、ガスバリアー層自身を伝って端面から漏れる熱量が小さいため、ガスバリアー層として金属箔を用いた真空断熱材を配置した電気湯沸かし器に比べて、より保温電力を低く抑えることができる。
【0008】
また、保護層と蒸着基材が同一物質でなかった場合、ガスバリアー層の基材と蒸着面側の保護層の熱収縮率が異なるため、蒸着層に不均一な応力が働き破壊されてしまう。しかしながら、蒸着基材と保護層を同一物質にすることにより、蒸着層が破壊されるのを防ぐことができるため、従来の真空断熱材を配置した電気湯沸かし器に比べて、より熱的耐久性を向上させることができる。
【0009】
さらに、ガスバリアー層に金属箔の部分があるため、全面蒸着層を用いた真空断熱材を配置した電気湯沸かし器に比べて、熱的耐久性を向上させることができる。
【0010】
また、請求項記載の発明は、樹脂フィルム基材は、ポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1記載の電気湯沸かし器としたものであり、蒸着基材に熱的寸法性の良いポリエチレンナフタレートを用いたことで、蒸着層が破壊されるのを防ぐことができるため、より熱的耐久性を向上させることができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0012】
(実施例1)
以下、本発明の第一の実施例を図に基づいて説明する。図1において、1は電気湯沸かし器本体の本体(以下単に本体と称する)で、内部に貯水する内径184mm、深さ200mmの貯水用容器2(以下単に容器2と称する)を有している。3は容器2の口部を封じるようにした中栓である。また、4は本体1の上部を開閉可能に覆った上蓋である。5は上蓋に設けられた蒸気通路であり、一端は中栓3を貫通して容器2内と連通しており、他端は大気と連通している。6は水漏れ防止弁であり、蒸気通路5内に配置されており、転倒時等には蒸気通路5を遮断するようになっている。ここで、蒸気通路5は複雑に曲げられている。これにより容器2の水が沸騰したときなど大気に比べ、容器2の内側の圧力が高くなったときは、蒸気が蒸気通路5を通じて本体外に排出されるが、容易には外気と容器2内の水面と上蓋4の間の空気(以下内気と称する)が混合しない構成となっている。7は本体1と容器2との間の底部に設けたモータ、8はモータ7によって駆動されるポンプで、その吸い込み口9は容器2の底部と連通している。10はポンプ8の吐出口で、出湯管11に連通している。12は出湯口であり、ここより電気湯沸かし器外に出湯する。したがって、出湯経路は容器2から吸い込み口9、ポンプ8、ポンプ8の吐出口、出湯管11を通り、出湯口12となる。13は加熱用のヒーターであり、ドーナツ状に中央部が抜けており、容器2の下部に装着されている。15はモータ7を駆動する起動スイッチであり、可変抵抗体を有しており、押しボタン16の押し動作スイッチによりロッド17を介して動作する。18は圧縮形のスプリングで、このスプリング18は、常時ロッド17を上方に押し上げるように付勢している。19は制御装置であり、14の温度検知器からの信号を取り込み、ヒーター13等を制御する。20は容器2の側面に巻いた真空断熱材であり、容器2の熱が本体1の側面から逃げることを抑える役割をしている。
【0013】
ここで、使用した真空断熱材20を図で説明する。図2は真空断熱材20の断面図を示している。22は真空断熱材の芯材である。芯材22は内袋23に納められている。芯材22を納めた内袋23はさらに積層フィルム24と31とを張り合わせた袋の中に真空状態で納められており、図3に示すように平板で長方形状をしている。38は芯材22の入っている部分で真空断熱材として断熱性を有する部分である。39はヒートシール部分で、シール層25と36が溶着している部分39を有するため、芯材が入っていない部分である。
【0014】
真空断熱材は図4に示すように貯水用容器2に巻き付ける。したがって、直接容器に触れる側は、反対側より熱的耐久性が高く、ガスバリアー性の高い材料が求められる。
【0015】
積層フィルム24はシール層25と蒸着基材26とガスバリアー層27と保護層28とアルミニウム箔29より構成されており、積層フィルム31は保護層32とガスバリアー層35とシール層36から構成されている。芯材22は芯材自身の熱伝導率が小さく、孔や隙間は外部と連通している必要がある。芯材22としては有機、無機材料等が使用できるが、電気湯沸かし器などの高温下で使用するときは、ガス発生のしない材料が要求される。ガス発生のしない材料としてパーライトやシラスバルーン等もあるが、本実施例では芯材22として合成シリカを使用した。合成シリカは粒子が非常に細かいため、粒子の熱伝導率が非常に小さい。さらに、10torr以下の圧力であれば圧力によらず非常に小さな熱伝導率を示すので、高温下での空気分子運動の大きな条件下では、非常にふさわしい材料である。
【0016】
シール層25と36は積層フィルム24と31を張り合わせ内部の真空を保持する役割を持つ。シール層としては容易にヒートシールできる必要があるが、電気湯沸かし器では100℃程度の温度となるために100℃では劣化しない必要がある。そこで本実施例ではシール層25と36には無延伸のポリプロピレンを使用し、37の位置でヒートシールしている。このポリプロピレンは耐熱性が必要であるのでホモポリマーで結晶度を上げたものである。
【0017】
積層フィルム24のガスバリアー層27はアルミニウム箔29とアルミニウム蒸着層30からなり、アルミニウム箔29は芯材22を覆える程度の幅を持っている。また、積層フィルム31のガスバリアー層35はアルミニウム箔からなる。ガスバリアー層は積層フィルムの樹脂を透過する気体を遮断する役割を持つ。気体の遮断性が悪いと真空断熱材20の内圧が上昇し、真空断熱材20の内圧が10torrをこえ出したあたりから、真空断熱材20の熱伝導率も上昇していき、さらに内圧が上昇すると初期の真空断熱材のもつ断熱性能と比較できないほど大きく劣化してしまう。したがって、100℃程度の温度で長期間気体を遮断できるものが必要である。また、気体の透過を遮断する遮断材は、厚いほど信頼性は高い。しかし、真空断熱材のガスバリアー層として使用するには、薄いほどそれ自身を伝う熱量が小さいので断熱性は向上する。
【0018】
そこで、本実施例ではガスバリアー層27として、5〜6μmのアルミニウム箔29と厚さ300〜1000Åのアルミニウム蒸着層30を張り合わせたものを使用し、ガスバリアー層35として5〜6μmのアルミニウム箔を使用した。ここで300〜1000Åという厚さは通常の蒸着層の厚さであり、これ以外の厚さの場合も本発明の範疇に入るものである。
【0019】
積層フィルム24において、保護層28はシール層25とガスバリアー層29を保護する役割をもち、積層フィルム31において、保護層32はガスバリアー層35とシール層36を保護する役割をもつ。蒸着基材26と保護層28としては、熱収縮率が同一である物質を用いると良いのだが、特に同一物質であることが好ましい。なぜならば、ガスバリアー層の両面に配置した保護層の熱収縮率が異なると、蒸着層に不均一な応力が働き、破壊されてしまうのだが、保護層を同一物質にすることにより、蒸着層が破壊されるのを防ぐことができるからである。
【0020】
本実施例では、蒸着基材26と保護層28として、ポリエチレンナフタレート(以下PENという)を用いた。電気湯沸かし器における最高温度である100℃において、PENの熱収縮率は0.4%以下であり、PETと比較すると非常に小さな値であり、この程度の熱収縮率では蒸着層を破壊しない。また、積層フィルム31において、保護層32のガスバリアー層に直接接する位置にポリエステル層33を配置した。本実施例ではポリエステル層33としてPETを使用した。
【0021】
PETはPENと比較すると、耐熱性はやや劣るが、積層フィルム31側は直接貯水用容器2に触れることがなく、40℃程度の温度にしかならないため、保護層としては十分ふさわしい材料である。さらに保護層32の最外層にナイロン層34を配置している。電気湯沸かし器では装着時や取り外し時には他の部品などと多く接触し、傷が付く可能性が高い。しかし、ナイロンは滑り性能が高いため、傷つくことが少ない。また、最外層に滑りやすいナイロンを配置することにより、装着がスムースに行え、組立性能が向上する。
【0022】
さらに、貯水用容器2に巻き付ける際はヒートシール部を折る。このとき図4に示すように円筒形の外側にヒートシール部分がくるようにして、貯水用容器2に巻き付ける。このようにすると、貯水用容器2の端面部分はアルミニウム蒸着のみであるため、アルミニウム自身を伝って流れ込む熱を抑えることができ、真空断熱材全体の断熱性能を向上させることができる。
【0023】
以下、本実施例の動作を説明する。容器2に水を入れた後通電すると、容器2内の水温は温度検知器14により計測されその信号が制御装置19に送られ、制御装置はヒーター13の通電を開始し始める。容器2内の水が沸騰すると、ヒーター13への通電が終了する。その後、温度検知器14からの信号を受けて、制御装置19はヒーター13を容器2の温度が略一定温度になるように制御する。出湯する際は押しボタン16を押す。モーター7が動作し、容器2内の水はポンプ8により、11の出湯管を通り出湯口12より電気湯沸かし器外に排出され利用される。以下、各種真空断熱材の断熱性および熱的耐久性の実験例を示す。
【0024】
〈実験例1〉
真空断熱材において、ガスバリアー層が両面ともアルミニウム箔であるもの(本実験例では両面箔と言う)、ガスバリアー層が両面とも蒸着アルミニウムであり、蒸着基材がPETで、保護層がPENであるもの(本実験例では両面蒸着PETと言う)、ガスバリアー層が両面とも蒸着アルミニウムで、その蒸着基材がPENで、保護層がPENであるもの(本実験例では両面蒸着PENと言う)を用意した。両面箔、両面蒸着PET、両面蒸着PENをそれぞれ図4に示すように円筒形の外側にヒートシール部分がくるようにして、容器2に巻き付けた。これらを有する電気湯沸かし器を用意し、これらの電気湯沸かし器に水を入れ、それぞれの保温電力を測定した。なお、保温水温は96.5℃、雰囲気温度は20℃とした。測定は十分平衡状態に達した後に行った。以上の実験結果を真空断熱材の構成と保温電力を(表1)に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004140133
【0026】
このように、真空断熱材のガスバリアー層として、蒸着アルミニウムを使用したものはアルミニウム箔を使用したものに比べ、保温電力を低くおさえることができる。このことより、ガスバリアー層としてアルミ箔より薄い、蒸着アルミニウムを使用することによりガスバリアー層自身を伝って流れ込む熱量を抑えることができ、真空断熱材の断熱性能を向上させることができたことが分かる。したがって、このような真空断熱材を使用することにより、保温電力の少ない電気湯沸かし器が実現できる。
【0027】
〈実験例2〉
100℃の恒温漕、および両面箔、両面蒸着PET、両面蒸着PENの真空断熱材を用意した。予め、真空断熱材の内圧を測定しておき、その後それらすべての真空断熱材を100℃の恒温漕へ入れることで耐熱試験を行った。そして、両面蒸着PETを3日後、12日後に恒温漕から取り出し、内圧を測定した。両面箔は3日後、12日後、1825日後、3650日後に恒温漕から取り出し、内圧を測定した。また、両面蒸着PENは3日後、224日後、336日後に内圧を測定した。ここで100℃という温度は、電気湯沸かし器の断熱材が受ける最高の温度(円筒形とした真空断熱材を容器2に巻き付けたとき、容器2に接している部分の温度)である。これら真空断熱材の耐熱試験結果を(表2)に示す。
【0028】
【表2】
Figure 0004140133
【0029】
(表2)より、約100℃の温度では、ガスバリアー層として蒸着アルミニウムを使用し、蒸着基材としてPET、保護層にPEN使用すると、長期間の耐熱性は得られないことが分かる。しかしながら、蒸着基材をPENに代え、保護層も蒸着基材と同物質であるPENにすると、大幅に耐熱性を改善することが可能である。
【0030】
したがってガスバリアー層として蒸着アルミニウムを使用し、蒸着基材にPENを使用し、保護層も蒸着基材と同物質であるPENを使用することにより、長期間断熱性能が劣化しない保温電力の少ない電気湯沸かし器が実現できる。
【0031】
〈実験例3〉
100℃の恒温漕、および両面箔、両面蒸着PENを用意した。また、片面にガスバリアー層としてアルミニウム箔を用い、もう一方の面を図5に示すように、ガスバリアー層としてPENを蒸着基材としてアルミニウム蒸着を施し、さらに芯材に当たる部分38にアルミニウム箔29を張った真空断熱材を2つ用意した(本実験例では、片面箔という)。
【0032】
両面箔、両面蒸着PENをそれぞれ図4に示すように円筒形の外側にヒートシール部分がくるようにして、容器2に巻き付けた(本実験例では、それぞれ両面箔外折り、両面蒸着外折りという)。また、片面箔のうち1つをガスバリアー層がアルミニウム箔のみの面が円筒形の外側となるように、そして図4に示すように円筒形の外側にヒートシール部分がくるようにして、容器2に巻き付けた(本実験例では片面箔外折りという)。もう1つをガスバリアー層がアルミニウム箔のみの面が円筒形の内側となるように、そして図6に示すように円筒形の内側にヒートシール部分がくるようにして、容器2に巻き付けた(本実験例では片面箔内折りという)。
【0033】
これらを有する電気湯沸かし器を用意し、これらの電気湯沸かし器に水を入れ、それぞれの保温電力を測定した。なお、保温水温は96.5℃、雰囲気温度は20℃とした。測定は十分平衡状態に達した後に行った。以上の実験結果を真空断熱材の構成と保温電力を(表3)に示す。
【0034】
【表3】
Figure 0004140133
【0035】
(表3)より、片面箔外折りの端面部分のガスバリアー層をアルミニウム蒸着にすると、アルミニウム自身を伝って流れ込む熱を抑えることができ、真空断熱材全体の断熱性能を向上させることができる。したがって、このような真空断熱材を使用することにより、保温電力の少ない電気湯沸かし器が実現できる。
【0036】
〈実験例4〉
100℃の恒温漕、および両面箔、両面蒸着PEN、片面箔を用意した。予め、真空断熱材の内圧を測定しておき、その後それらすべての真空断熱材を100℃の恒温漕へ入れることで耐熱試験を行った。そして、両面箔と片面箔を1825日後、3650日後に恒温漕から取り出し、内圧を測定した。また、両面蒸着PENは224日後、336日後に内圧を測定した。これら真空断熱材の耐熱試験結果を(表4)に示す。
【0037】
【表4】
Figure 0004140133
【0038】
(表3)と(表4)より、100℃の温度では、片面箔外折りの端面部分のガスバリアー層をアルミニウム蒸着にすると、真空断熱材全体の断熱性能を向上させることができる上、大幅に耐熱性を改善することが可能である。
【0039】
したがって、容器側の端面部分のガスバリアー層にアルミニウム蒸着を用い、その他の部分のガスバリアー層に蒸着層とアルミニウム箔を用いることで、長期間断熱性能が劣化しない保温電力の少ない電気湯沸かし器が実現できる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によると、長期間断熱性能が劣化することがなく、また非常に保温電力の少ない電気湯沸かし器を得ることができる。
【0041】
さらに、ガスバリアー層に金属箔の部分があるため、全面蒸着層を用いた真空断熱材を配置した電気湯沸かし器に比べて、熱的耐久性を向上させることができる。
【0042】
また、請求項の発明によれば、蒸着基材に熱的寸法安定性の良いポリエチレンナフタレートを用いたことで、蒸着層が破壊されるのを防ぐことができるため、より熱的耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における電気湯沸かし器の縦断面図
【図2】 本発明の実施例における電気湯沸かし器の真空断熱材の断面図
【図3】 本発明の実施例における電気湯沸かし器の真空断熱材の平板図
【図4】 本発明の実施例における電気湯沸かし器の真空断熱材の斜視図
【図5】 本発明の実施例における電気湯沸かし器の真空断熱材の平板図
【図6】 本発明の実施例における電気湯沸かし器の真空断熱材の斜視図
【符号の説明】
2 貯水用容器
13 ヒーター
20 真空断熱材
22 芯材
25 シール層
26 蒸着基材
27 ガスバリアー層
29 アルミニウム箔

Claims (2)

  1. 貯水用容器と、前記貯水用容器内の水を加熱するヒータと、水を流出させる出湯経路と、前記貯水用容器の周囲に設けられた真空断熱材とを有し、前記真空断熱材は樹脂フィルム基材に蒸着を施した蒸着層と前記蒸着層に積層された金属箔とで構成されるガスバリアー層と、前記ガスバリアー層の蒸着面側に蒸着層および金属箔を保護する保護層と、シール層とからなる積層フィルムで構成される袋に、断熱芯材を真空封入した外郭にヒートシール部分を有するもので構成され、前記保護層は樹脂フィルム基材と熱収縮率が同一である物質で、前記貯水用容器に接している面のガスバリアー層に積層された金属箔の一部は切り欠いており、かつ前記ヒートシール部を前記貯水用容器の反対側に折り曲げた電気湯沸かし器。
  2. 樹脂フィルム基材は、ポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1に記載の電気湯沸かし器。
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