JP4137325B2 - 通気筐体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用電子制御装置等の筐体に関するもので、筐体の内外間を通気可能として筐体に内圧調整等の機能を持たせるとともに筐体内部を防水および防油可能ならびに防塵可能とする通気筐体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車用ヘッドランプ,リアランプ,フォグランプ,ターンランプ,モーター,各種圧力センサー,および圧力スイッチ等の自動車用電装部品、携帯電話、カメラ、電気剃刀、電動歯ブラシならびに屋外用途のランプ等、各種の機器筐体がある。
【0003】
最近では、自動車の室内空間の確保が大きな課題になっており、従来は車室内に設置されていたECU(electronic control unit)と呼ばれる自動車用電子制御装置,CPU(central processing unit),電装品等を収納する機器筐体がエンジンルームやドアパネル内部等の自動車の車室外に移されてきている。車室内と異なり車室外に設置される上記機器筐体は、風雨,泥水,オイル類等の影響を受けないよう密閉状態になっていた。これを図7に示す。図において、51は機器筐体である。
【0004】
しかしながら、自動車用電子制御装置等では、それ自体の発熱や車室外設置にもとづく温度差による圧力変動等の影響を小さくする目的で上記機器筐体51に通気キャップを設けることが行なわれつつある。これは、つぎのように構成されている。すなわち、上記機器筐体51にその内外間を連通する開口部を設け、この開口部に通気キャップを取り付けるという構成になっている。これにより、機器筐体内部に水や塵埃等が侵入するのを防止した状態で、温度変化による機器筐体内の圧力の変化の緩和や、機器筐体内部に発生したガスの放出が可能となる。
【0005】
その一例を図8に示す。この例は、自動車用電装部品等を収納する機器筐体であり、筐体61に首状の開口部62が形成され、この開口部62にL字状通気キャップ63の一端が嵌合されている。これにより、開口部62の防水性等が確保されたうえで、機器筐体内外の通気性が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造体にはつぎのような問題がある。すなわち、上記図8に示すものにおいて、防塵性や防水性等を確保するためには、通気キャップ63を長くしたり、通気キャップ63の内部を迷路構造にしたりする必要がある。通気キャップ63を長くすると、通気キャップ63の取り付けスペースが大きくなるとともに通気キャップ63の価格が高くなる。その結果、機器筐体が大きくなるとともに機器筐体の価格が高くなるという問題がある。また、通気キャップ63の内部を迷路構造にすると、通気キャップ63が複雑化するため、通気キャップ63の価格が高くなる。その結果、機器筐体の価格が高くなるという問題がある。さらに、上記通気キャップ63を嵌着した機器筐体では、微細な腐食性塵埃の侵入を防ぐことができないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、コンパクトかつ低価格であるとともに防塵性,防水性および防油性が高い通気筐体の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の通気筐体は、筐体の周壁に開口部が設けられ、この開口部に、呼吸部材と補強材とが、開口部を被覆した状態で取り付けられている通気筐体であって、上記補強材の周縁部が上記開口部の周囲部に熱融着または超音波溶着され、この状態の補強材に、上記呼吸部材が、その補強材を介して、上記開口部を被覆した状態で積層され、上記補強材に部分的な接着または融着により一体化しており、上記呼吸部材の表面全体が、筐体の外部の大気中に露出しているという構成をとる。
【0009】
すなわち、本発明の通気筐体は、筐体の周壁に開口部が設けられ、この開口部に、呼吸部材が、補強材を介して、開口部を被覆した状態で熱融着または超音波溶着されて取り付けられているため、通気筐体がコンパクトになるとともに、通気筐体の防塵性,防水性および防油性を容易に高めることができる。したがって、通気筐体の低価格化が容易となる。なお、本発明において、「呼吸部材」とは、通気筐体の内外に圧力差が生じた場合に、通気および透湿が可能となる部材を意味するものである。
【0010】
つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0011】
本発明の通気筐体は、筐体の周壁に設けられた開口部に、呼吸部材が補強材を介して熱融着または超音波溶着されて取り付けられているものである。
【0012】
上記呼吸部材の構成材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂製多孔体,ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン,ポリプロピレン等)製多孔体があげられる。これらの材料を用い呼吸部材を構成する場合には、全体を上記多孔体で構成してもよいし、その一部を上記多孔体で構成してもよい。後者の場合は、通常、他の合成樹脂材料等との複合体となる。
【0013】
上記呼吸部材に上記多孔体を用いた場合には、その気孔率が50〜99%の範囲であることが好ましい。上記気孔率が50%を下回ると、筐体内外の差圧を調整する際に圧力損失が大きくなるからである。
【0014】
また、上記多孔体の各孔径は、0.01〜10μmの範囲であることが好ましい。上記孔径が0.01μmを下回ると、上記圧力損失が大きくなり易く、10μmを上回ると、防塵性が低下するおそれがあるからである。
【0015】
また、上記多孔体の厚みは、2μm以上であることが好ましい。上記厚みが2μmを下回ると、呼吸部材の強度が弱くなり、筐体に圧接しにくくなるからである。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0017】
図1および図2は、本発明の通気筐体の第1の実施の形態を示している。この実施の形態では、通気筐体は、中空円柱状の筐体1の頂面に円形の開口部2を設け、この開口部2に、補強材4を介して呼吸部材3を取着して構成されている。なお、図示を省略したが、筐体1の内部にはECU,CPU等が収納されている。
【0018】
より詳しく説明すると、上記呼吸部材3は合成樹脂製の多孔体からなる膜材であり、通気性を有している。また、必要に応じて、上記呼吸部材3には、撥水処理および/または撥油処理が施される。この撥水処理,撥油処理は、表面張力の小さな物質を塗布し、乾燥後、キュアすることにより行なわれる。
【0019】
上記補強材4は、織布,不織布,混紡不織布,フェルト,ネット,粉末燒結多孔質体または発泡体等の通気性材料からなる。そして、この補強材4は、呼吸部材3の片面に積層されて呼吸部材3を補強している。補強材4の材質は、天然素材あるいは合成素材のいずれでもよいが、耐熱性を望む場合は、ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,アラミド樹脂,ポリイミド樹脂,フッ素樹脂,超高分子量ポリエチレン樹脂,金属等から形成するのが好ましい。
【0020】
上記通気筐体は、例えば、つぎのようにして作製される。すなわち、まず、上記呼吸部材3と補強材4とを接着,融着等の適宜の手段により積層し、シート状の積層体5を形成する。この呼吸部材3と補強材4との積層は、得られる積層体5の通気性を確保するように行なう。例えば、積層手段として接着を採用するときは、呼吸部材3と補強材4とを点状,筋状,網目状等の形状に部分接着し、また、融着を採用するときは、加熱温度や加圧時間を調整する。このようにして、通気性を有する積層体5を得たのち、筐体1の頂面の開口部2を被覆するように積層体5を取り付ける。この積層体5の筐体1の開口部2への取り付けは、熱融着等を採用できる。
【0021】
このように、上記実施の形態の通気筐体によれば、シート状の積層体5が筐体1の開口部2を被覆した状態で被覆されているため、積層体5の取り付けスペースが大きくならない。したがって、通気筐体を筐体1と殆ど変わらないコンパクトな大きさとすることができる。
【0022】
また、上記通気筐体は、筐体1の開口部2が上記呼吸部材(多孔体からなる膜材)3で被覆されているため、防塵性,防水性および防油性が高い。さらに、上記呼吸部材3も補強材4も通気性を有しているため、上記通気筐体内のECU等の発熱等により通気筐体内外で圧力差が生じても、通気筐体は、その内部圧力の変化を緩和することができる。しかも、上記呼吸部材3に撥水処理,撥油処理が施されていると、上記通気筐体は、防水性,防油性が一層向上する。
【0023】
さらに、上記通気筐体は、容易な構造により防塵性,防水性および防油性を高めることができるため、通気筐体の低価格化が容易となる。
【0024】
図3および図4は、本発明の通気筐体の第2の実施の形態を示している。この実施の形態では、通気筐体は、中空円柱状の筐体21の頂面に断面円形の首状の開口部22を設け、この開口部22に、呼吸部材23と補強材24との積層体25が上端(一端)開口部に被覆された有天筒状体(略筒状体)26を嵌合して構成されている。そして、上記有天筒状体26の弾性率は、筐体21の弾性率よりも小さくなっている。なお、上記呼吸部材23および補強材24は、上記第1の実施の形態のものと同様の作用を有するものである。
【0025】
上記通気筐体は、例えばつぎのようにして作製される。すなわち、まず、熱可塑性樹脂製の筒状体27を準備する。ついで、第1の実施の形態と同様にして、呼吸部材23と補強材24とからなるシート状の積層体25を熱融着等により形成する。つぎに、上記積層体25の補強材24を上記筒状体27の上端開口部に当接させて積層体25と筒状体27とを熱融着等することにより、有天筒状体26を形成する。そののち、上記有天筒状体26を上記筐体21の開口部22に嵌合する。このようにして、上記通気筐体が作製される。
【0026】
このような第2の実施の形態の通気筐体によっても、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0027】
また、上記有天筒状体26の弾性率が筐体21の弾性率よりも小さいため、筐体21からの有天筒状体26の引き抜き強度が大きく、有天筒状体26の脱落という不都合を生じ難い。ただし、引き抜き強度の多少の低下が許容される場合は、有天筒状体26の弾性率を筐体21の弾性率よりも大きくすることができる。なお、弾性率の小さい材料としては、ゴム系樹脂,エラストマー系樹脂等が好ましい。
【0028】
図5および図6は、本発明の通気筐体の第3の実施の形態を示している。この実施の形態では、通気筐体は、中空円柱状の筐体31の頂面に段部32aを有する円形の開口部32を設け、この開口部32に、呼吸部材33と補強材34との積層体35が底部貫通孔(開口部)36に被覆された略筒状体37を熱融着して構成されている。なお、上記呼吸部材33および補強材34は、上記第1の実施の形態のものと同様の作用を有するものである。
【0029】
より詳しく説明すると、上記筐体31の開口部32は、2段に形成されており、下側部分(筐体の内側部分)が上記略筒状体37よりも小径の段部32aに形成され、上側部分(筐体の外側部分)が上記略筒状体37と同径に形成されている。
【0030】
上記略筒状体37は、底部に貫通孔36が形成された熱可塑性樹脂製の有底筒状体38と、この有底筒状体38の底面に熱融着させた上記積層体35とからなり、胴部の内径が上記積層体35と同径に形成されている。
【0031】
上記通気筐体は、例えばつぎのようにして作製される。すなわち、まず、第1の実施の形態と同様にして、呼吸部材33と補強材34とからなるシート状の積層体35を熱融着等により形成する。ついで、上記積層体35の補強材34を下側(上記有底筒状体の底側)にして積層体35を有底筒状体38の上端開口部から挿入する。つぎに、上記有底筒状体38の底面に積層体35の補強材34を当接させて積層体35と有底筒状体38とを熱融着等することにより、略筒状体37を形成する。つぎに、上記略筒状体37を底部から上記筐体31の開口部32の上側部分に挿入して上記段部32aで支受する。そののち、略筒状体37と筐体31の開口部32とを熱融着等する。このようにして、上記通気筐体が作製される。
【0032】
このような第3の実施の形態の通気筐体によっても、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0033】
なお、上記各実施の形態では、呼吸部材3,23,33を筐体1,21,31の頂面に1箇所設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、筐体1,21,31の他の面や内側の面に設けてもよいし、複数箇所設けてもよい。
【0034】
また、上記各実施の形態では、呼吸部材3,23,33と補強材4,24,34とを熱融着させたが、超音波溶着でもよい。また、上記第3の実施の形態における略筒状体37と筐体31との熱融着も超音波溶着で行なってもよい。
【0035】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0036】
【実施例1】
実施例1品は、図1および図2に示す通気筐体である。そこで、筐体1を、テイジン社製CG7640(ポリブチレンテレフタレート樹脂:融点225℃)を用いて射出成形により作製した。得られた筐体1の開口部2の内径は6mmであった。また、呼吸部材3として、日東電工社製ミクロテックスNTF1131(ポリテトラフルオロエチレン樹脂製の多孔質膜:融点327℃)を準備し、撥水処理および撥油処理を施した。すなわち、まず、アルキルメタクリレート40モル%とパーフルオロアルキルメタクリレート60モル%とからなるコポリマー、およびトルエン100重量部にn−ヘプタン39重量部と酢酸メチル3.5重量部とを均一に混合した溶媒を準備した。ついで、この溶媒に上記コポリマーを溶解し、固形分5重量%の撥水撥油剤溶液を作製した。つぎに、この撥水撥油剤溶液を上記呼吸部材3に塗布し、80℃で10分間乾燥したのち、180℃で3分間キュアーした。このようにして呼吸部材3に撥水処理および撥油処理を施した。そして、得られた呼吸部材3の厚みは0.085mm,外径は10mmであった。また、補強材4として、厚み0.15mmの東レ社製アクスターG−2070−1S(不織布:表層融点260℃)を準備し、その片面に文字を印刷した。そして、上記呼吸部材3と補強材4とを、温度260℃,圧力4.9×105 Paで10秒間圧着して熱融着し、呼吸部材3と補強材4との積層体5を得た。つづいて、上記筐体1の開口部2を被覆するように、上記積層体5の補強材4を筐体1に当接させ、温度260℃,圧力4.9×105 Paで30秒間圧着して熱融着し、図1および図2に示す通気筐体を得た。
【0037】
このようにして得られた通気筐体について、耐水圧試験,防塵性試験および加熱・冷却試験を下記の方法に従って行なった。その結果、水の浸入,塵埃の侵入および通気筐体の破損はなかった。
【0038】
〔耐水圧試験〕
通気筐体を水の入った加圧容器中に入れ、水により9.8×104 Paの圧力を10分間かけたのち、常圧に戻し、加圧容器から取り出す。そして、通気筐体内への水の浸入を目視にて確認する。
【0039】
〔防塵性試験〕
10リットルの容器中に試験用ダスト8号(関東ローム社製)200gと通気筐体とを入れ、上記10リットルの容器を10回転/分の速度で10分間回転させたのち、上記10リットルの容器から通気筐体を取り出す。そして、通気筐体内へのダストの侵入を目視にて確認する。
【0040】
〔加熱・冷却試験〕
通気筐体を、25℃雰囲気中に24時間放置したのち、105℃の乾燥機中に30分間放置し、つづいて0℃の冷却機中に30分間放置するという1サイクルの操作を24サイクル行なったのち、通気筐体の破損および亀裂を目視にて確認する。
【0041】
【実施例2】
実施例2品は、図3および図4に示す通気筐体である。そこで、筐体21を、住友化学工業社製AW564(ポリプロピレン樹脂:曲げ弾性率1.35×109 N/m2 )を用いて射出成形により作製した。得られた筐体21の開口部22の首部の外径は8mm、内径は6mm、高さは15mmであった。また、呼吸部材23および補強材24は、実施例1と同様のものであり、実施例1と同様にして呼吸部材23と補強材24との積層体25を得た。また、筒状体27を、三井化学社製ミラストマー6030(熱可塑性エラストマー:曲げ弾性率4.41×108 N/m2 )を用いて射出成形により作製した。得られた筒状体27の外径は12mm、内径は7.5mm、高さは12mmであった。そして、上記筒状体27の上端開口部に積層体25の補強材24を当接させ、呼吸部材23側から温度150℃,圧力4.9×105 Paで10秒間圧着して熱融着し、有天筒状体26を得た。つづいて、上記有天筒状体26を底部から上記筐体21の開口部22の首部に嵌合させ、図3および図4に示す通気筐体を得た。
【0042】
このようにして得られた通気筐体について、実施例1と同様にして、耐水圧試験,防塵性試験および加熱・冷却試験を行なった。その結果、水の浸入,塵埃の侵入および通気筐体の破損はなかった。
【0043】
【実施例3】
実施例3品は、図5および図6に示す通気筐体である。そこで、筐体31を、住友化学工業社製AW564(ポリプロピレン樹脂:曲げ弾性率1.35×109 N/m2 :融点170℃)を用いて射出成形により作製した。得られた筐体31の開口部32の内径は、上側部分が14mm、下側部分が6mmであった。また、呼吸部材33および補強材34は、実施例1と同様のものであり、実施例1と同様にして呼吸部材33と補強材34との積層体35を得た。また、底部に貫通孔36が形成された有底筒状体38を、上記筐体31と同様の材料を用いて射出成形により作製した。得られた有底筒状体38の高さは5mm,胴部の内径は8mm、底部貫通孔36の内径は5mmであった。そして、上記積層体35の補強材34を下側(上記有底筒状体の底側)にして積層体35を有底筒状体38の上端開口部から挿入する。つぎに、上記有底筒状体38の底面に積層体35の補強材34を当接させ、呼吸部材33側から温度160℃,圧力4.9×105 Paで10秒間圧着して熱融着し、略筒状体37を得た。つづいて、上記略筒状体37を底部から上記筐体31の開口部32の上側部分に挿入したのち、温度170℃,圧力4.9×105 Paで10秒間圧着して熱融着し、図5および図6に示す通気筐体を得た。
【0044】
このようにして得られた通気筐体について、実施例1と同様にして、耐水圧試験,防塵性試験および加熱・冷却試験を行なった。その結果、水の浸入,塵埃の侵入および通気筐体の破損はなかった。
【0045】
【比較例1】
比較例1品は、図7に示す機器筐体51である。そこで、その機器筐体51を、テイジン社製CG7640(ポリブチレンテレフタレート樹脂:融点225℃)を用いて射出成形により作製した。
【0046】
このようにして得られた機器筐体51について、実施例1と同様にして、耐水圧試験,防塵性試験および加熱・冷却試験を行なった。その結果、水の浸入,塵埃の侵入はなかったが、機器筐体51の破損が確認された。
【0047】
【比較例2】
比較例2品は、図8に示す機器筐体である。そこで、その筐体61を、テイジン社製CG7640(ポリブチレンテレフタレート樹脂)を用いて射出成形により作製した。得られた筐体61の開口部62の内径は6mm、外径は8mm、高さは15mmであった。また、通気キャップ63を、三井化学社製ミラストマー6030(熱可塑性エラストマー)を用いて射出成形により作製した。得られた通気キャップ63の内径は7.5mm、外径は9mm、高さHは30mm、長さLは40mmであった。
【0048】
このようにして得られた機器筐体について、実施例1と同様にして、耐水圧試験,防塵性試験および加熱・冷却試験を行なった。その結果、水の浸入,塵埃の侵入が確認されたが、機器筐体の破損はなかった。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明の通気筐体によれば、筐体の周壁に開口部が設けられ、この開口部に、呼吸部材が開口部を被覆した状態で取り付けられているため、通気筐体がコンパクトになるとともに、通気筐体の防塵性,防水性および防油性を容易に高めることができる。したがって、通気筐体の低価格化が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の通気筐体の第1の実施の形態を示す説明図である。
【図2】 上記通気筐体を示す説明図である。
【図3】 本発明の通気筐体の第2の実施の形態を示す説明図である。
【図4】 上記通気筐体を示す説明図である。
【図5】 本発明の通気筐体の第3の実施の形態を示す説明図である。
【図6】 上記通気筐体を示す説明図である。
【図7】 従来の機器筐体を示す説明図である。
【図8】 従来の他の機器筐体を示す説明図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 開口部
3 呼吸部材
Claims (6)
- 筐体の周壁に開口部が設けられ、この開口部に、呼吸部材と補強材とが、開口部を被覆した状態で取り付けられている通気筐体であって、上記補強材の周縁部が上記開口部の周囲部に熱融着または超音波溶着され、この状態の補強材に、上記呼吸部材が、その補強材を介して、上記開口部を被覆した状態で積層され、上記補強材に部分的な接着または融着により一体化しており、上記呼吸部材の表面全体が、筐体の外部の大気中に露出していることを特徴とする通気筐体。
- 呼吸部材の少なくとも一部が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製多孔体およびポリオレフィン樹脂製多孔体のいずれかからなっている請求項1記載の通気筐体。
- 多孔体の気孔率が、50〜99%の範囲である請求項2記載の通気筐体。
- 呼吸部材に撥水処理および撥油処理の少なくとも一方を施こしている請求項1〜3のいずれか一項に記載の通気筐体。
- それ自体の開口部を補強材を介して呼吸部材で被覆した略筒状体が筐体の開口部に取り付けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の通気筐体。
- さらに呼吸部材の側面部が、筐体の外部の大気中に露出している請求項1〜5のいずれか一項に記載の通気筐体。
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