JP4135398B2 - 高圧放電灯点灯装置 - Google Patents

高圧放電灯点灯装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4135398B2
JP4135398B2 JP2002140222A JP2002140222A JP4135398B2 JP 4135398 B2 JP4135398 B2 JP 4135398B2 JP 2002140222 A JP2002140222 A JP 2002140222A JP 2002140222 A JP2002140222 A JP 2002140222A JP 4135398 B2 JP4135398 B2 JP 4135398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge lamp
pressure discharge
lighting device
lighting
high pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002140222A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003229296A (ja
Inventor
正徳 三嶋
武志 鴨井
稔 前原
孝弘 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2002140222A priority Critical patent/JP4135398B2/ja
Publication of JP2003229296A publication Critical patent/JP2003229296A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4135398B2 publication Critical patent/JP4135398B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps

Landscapes

  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)
  • Discharge-Lamp Control Circuits And Pulse- Feed Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高輝度放電灯(高圧放電灯、HIDランプ)の電子点灯装置に係る高圧放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(第1従来技術)
図40は従来の高圧放電灯点灯装置のブロック図、図41は同高圧放電灯点灯装置の具体回路図、図42は図41中のイグナイタの構成図、図43は同イグナイタの動作説明図、図44は図41の高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【0003】
図40に示す高圧放電灯点灯装置は、高圧放電灯DLを備えるとともに、整流器1と、電源部2と、制御部3と、電力変換部4と、制御部5と、極性反転部6PAと、駆動部7PAと、イグナイタ8とにより構成される電子点灯装置を備え、この電子点灯装置によって高圧放電灯DLを始動してこれを点灯するものである。
【0004】
整流器1は、図41に示すように、ダイオードブリッジDBにより構成され、商用交流電源Vsからの交流電力を直流電力に整流するものである。
【0005】
電源部2は、インダクタンスL1と、このインダクタンスL1を介して整流器1の出力に接続されるスイッチング素子Q1(図41ではFET)と、ダイオードD1と、このダイオードD1を介してスイッチング素子Q1の両端(ドレイン・ソース間)に接続される平滑用のコンデンサC1とにより構成されるいわゆる昇圧チョッパであり、制御部3により制御される。
【0006】
この制御部3は、コンデンサC1の両端電圧を監視しながら、数十〜百kHzの範囲内のスイッチング周波数でスイッチング素子Q1をオン,オフすることにより、整流器1からの直流電圧を昇圧する制御を行うものである。
【0007】
電力変換部4は、スイッチング素子Q2(図41ではFET)と、このスイッチング素子Q2を介してコンデンサC1の両端に接続されるダイオードD2と、インダクタンスL2と、このインダクタンスL2を介してダイオードD2の両端に接続されるコンデンサC2とにより構成されるいわゆる降圧チョッパであり、制御部5により制御される。
【0008】
この制御部5は、コンデンサC2の両端電圧を高圧放電灯DLのランプ電圧Vlaとして検出するVla検出回路51と、このVla検出回路51により検出されたランプ電圧Vlaを監視しながら、数十〜百kHzの範囲内のスイッチング周波数でスイッチング素子Q2をオン,オフすることにより、電源部2からの直流電圧を降圧する制御を行う制御回路50とにより構成されている。
【0009】
極性反転部6PAは、コンデンサC2の両端に接続されるフルブリッジ構成のスイッチング素子Q3〜Q6と、これらスイッチング素子Q3〜Q6のうち、直列に接続された一方のスイッチング素子Q3,Q4の接続点と、他方のスイッチング素子Q5,Q6の接続点との間に接続されるとともに、高圧放電灯DLと並列に接続されるコンデンサC3とにより構成され、駆動部7PAにより制御される。
【0010】
この駆動部7PAは、スイッチング素子Q3,Q6とスイッチング素子Q4,Q5とをそれぞれ数10〜数100Hzの範囲内のスイッチング周波数で交互にオン,オフすることにより、電力変換部4からの直流電圧を低周波の矩形波電圧に変換し、この矩形波電圧を高圧放電灯DLに印加してこれを点灯する制御を行うものである。
【0011】
イグナイタ8は、図42に示すように、2次側がコンデンサC3と並列に接続され且つ高圧放電灯DLと直列に接続されるパルストランスPTと、このパルストランスPTの1次側に接続されるコンデンサC4と、電圧応答型のスイッチング素子SW1と、これらコンデンサC4およびスイッチング素子SW1を直列に介して、スイッチング素子Q3,Q4の接続点とスイッチング素子Q5,Q6の接続点との間に接続されるコンデンサC5と、スイッチング素子SW1と並列に接続される抵抗R1とにより構成され、高圧放電灯DLの始動に際してこれに高電圧を印加するものである。
【0012】
このように構成される高圧放電灯点灯装置では、電源を投入すると、制御部3が図44の“Q1”に示すようにスイッチング素子Q1のスイッチング制御を開始することにより、整流器1からの直流電圧を昇圧した電圧V2が電源部2から出力される。
【0013】
制御部5も図44の“Q2”に示すようにスイッチング素子Q2のスイッチング制御を開始することにより、電源部2からの電圧V2を降圧した電圧V4(0<V4<V2)が電力変換部4から出力される。
【0014】
また、駆動部7PAも図44の“Q3”〜“Q6”に示すようにスイッチング素子Q3〜Q6のスイッチング制御を開始することにより、電力変換部4からの電圧V4を変換して得られる低周波の矩形波電圧が極性反転部6PAから高圧放電灯DLに出力される。
【0015】
このとき、高圧放電灯DLは非点灯であって実質的に無負荷状態にあるので、電圧V4が電圧V2とほぼ等しいレベルで極性反転部6PAに入力することになり、極性反転部6PAから高圧放電灯DLに出力される矩形波電圧の振幅値が大きなものとなる。この±V4(≒V2)の電圧は、図43の“VC3”に示すようにコンデンサC3の両端に印加するとともに、イグナイタ8にも印加する。
【0016】
ここで、イグナイタ8において、上記電圧により、コンデンサC5がパルストランスPTの1次巻線N1および抵抗R1を介して充電され、スイッチング素子SW1の両端電圧が徐々に上昇する(図43の“VSW1 ”参照)。そして、矩形波電圧の極性が反転すると、コンデンサC5の充電電圧VC5と矩形波電圧の一の極性の電圧とを足し合わせた電圧がスイッチング素子SW1に印加することになる。従って、その足し合わせた電圧よりも低くかつ電圧VC5よりも高くスイッチング素子SW1のスイッチング電圧を設定すれば、そのとき、スイッチング素子SW1がオンになる。
【0017】
スイッチング素子SW1がオンになると、コンデンサC5の電荷が、スイッチング素子SW1およびパルストランスPTの1次巻線N1を介して放電し、これにより、パルストランスPTの2次側の2次巻線N2の両端に高電圧のパルスが発生する。このパルス電圧は、図43の“Vla”に示すように、矩形波電圧に重畳して、高圧放電灯DLに印加することになる。
【0018】
これにより、高圧放電灯DLが始動すると、電力変換部4の出力電圧V4が下がり、これを監視している制御部5が高圧放電灯DLを安定点灯させるための電力を供給するように、スイッチング素子Q2のスイッチング制御を切り替える。これにより、高圧放電灯DLに所定の電圧および電流が供給され、低周波の矩形波制御で安定に点灯する。
【0019】
高圧放電灯DLの安定点灯後は、高圧放電灯DLの両端電圧が非点灯時に比べて十分に低いので、スイッチング素子SW1がオフに保持され、イグナイタ8から高電圧のパルスが発生することがない。
【0020】
(第2従来技術)
図45は別の従来の高圧放電灯点灯装置のブロック図、図46は同高圧放電灯点灯装置から高圧放電灯への出力波形図である(特開平6−231895号)。
【0021】
図45に示す回路装置は、通常構造の高圧ナトリウムランプである高圧放電灯DLと、制御部130と、これによって駆動される発生器110と、この出力と高圧放電灯DLとの間に介設される受動LC回路網120とにより構成され、各種色温度を発生させるための機能を有している。所望の色温度は、制御部130において適当に調整をすることによって得られる。受動LC回路網120は、公称70Wの高圧ナトリウムランプの場合、115μHのインダクタンスと470nFのコンデンサとの直列回路から構成される。
【0022】
回路装置から高圧放電灯に与えられるパルス電力Pは、図46に示すように、100〜600Hzの繰り返し周波数と100〜500μsのパルス幅とを有する電力パルスの密に連続するパルス列から構成されている。電力パルス間では、消灯しないように高圧放電灯に保持電力が与えられる。電力パルスは、図46における下側の時間軸方向に拡大した波形図から分かるように、kHz範囲の基本周波数として受動LC回路網を介して高圧放電灯に供給される。
【0023】
この構成では、高圧放電灯から発せられた放射の色温度は、実際上他のランプ特性に依存することなく、瞬時パルス電力を適当に調整することによって調整することができ、また高圧放電灯の総電力はパルス繰返し数およびパルス幅を適切に決定することによって固持される。このような回路装置によれば、演色評価数および光束を維持しながら、色温度を問題なく2500Kと3000K以上の値との間に変えることができる。
【0024】
(第3従来技術)
図47は放電灯の放電アークをストレートにするためのランプ電流の波形例を示す図、図48は同ランプ電流を放電灯に供給するための従来の高圧放電灯点灯装置の構成図である(特許3246407号)。
【0025】
放電空間を画定するガラスエンベロープ内に充填物として水銀およびハロゲン化金属が密封された放電灯DLの放電空間媒体中の音速と、放電アークに交差する放電空間の長さとで決定される放電アークをストレートにするモードでは、図47に示すように、音響的共鳴周波数の周波数成分f2に着目した波形のランプ電流が使用される。周波数成分f2は、十分長く取った消灯時間後に放電灯を再点灯する条件下で決められる。周波数成分f2で瞬時値が周期的に変動する波形は、音響的共鳴周波数の周波数成分f2より低い変調周波数f1で極性が変化するように、変調した波形で用いられる。
【0026】
この従来技術では、図47に示す波形のランプ電流が放電灯に供給されるが、この場合、変調深度(αを変調された信号波形の実効値βで割った値)をある値に設定すれば、放電灯の消灯時間が十分長いとき、定格点灯で放電アークを安定なストレートにすることができる。
【0027】
図48において、制御回路210は、ランプ電力が定格値になるようにトランジスタQ210のオンオフ比を制御するようになっている。この場合、変調信号の実効値を変化させる実効値可変手段を持つ構成にすれば、ランプ電力を変化させることができ、特に、点灯初期の光出力を補うため、点灯初期に定格値以上の電力を供給したり、調光制御などに有効となる。
【0028】
このような高圧放電灯点灯装置によれば、放電アークの変形などの不安定な現象を防止し、放電灯の消灯時間に関係なく安定なストレートの放電アークを形成することができる。
【0029】
(第4従来技術)
高圧放電灯を調光点灯させる機能を具備した高圧放電灯点灯装置において、高圧放電灯を調光点灯した場合、その色温度および黒体軌跡からのずれ(DUV)が大きくなって、実際に見える色が変化することが知られている。なお、DUVとは、黒体軌跡からのずれを表す値であるΔuvの1000倍の値であり、x−y色度座標において黒体軌跡上にある場合は0、黒体軌跡よりも上側にずれる場合はプラスの値、下側にずれる場合はマイナスの値をとる。
【0030】
調光点灯時における色の変化を抑制する高圧放電灯点灯装置は、例えば特開平3−156896号公報や特開平3−156897号公報に記載されている。
【0031】
図49に前者にて開示されている高圧放電灯点灯装置の構成図を示す。この高圧放電灯点灯装置は、フィルタ回路300を介して、整流用のダイオードD310,D311および平滑用のコンデンサC310,C311からなる直流電源部310に商用交流電源Vsからの電源電圧を入力して、直流電圧に整流および平滑し、その直流電圧をスイッチング素子Q320,Q321からなるハーフブリッジ型のインバータ回路320により矩形波電圧に変換して、高圧放電灯DLに供給する構成になっている。
【0032】
図50(b)は上記高圧放電灯点灯装置による高圧放電灯DLの点灯時のランプ電流Ilaを示しており、定格点灯時および調光点灯時のランプ電流Ilaは直流成分IDCに高周波リップルILP1 ,ILP2 が重畳したような波形となる。この高圧放電灯点灯装置の特徴は、高周波リップルの含有率を増加させると照度が低下するという現象に着目し、調光点灯時に定格点灯時よりも高周波リップルの含有率を増加させることで、調光点灯時における色の変化を抑制することにある。
【0033】
ここで、高周波リップルの含有率は、ランプ電流Ilaの直流成分をIDC、高周波リップルをILPとすると、
高周波リップルの含有率=ILP/IDC
で示される。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高圧放電灯DLを調光点灯する場合、一般に、高圧放電灯DLに流れる電流値を制御し、高圧放電灯DLに供給される電力を低減することにより、調光することが行われている。
【0035】
図51に上記一般的な調光機能を有する高圧放電灯点灯装置の具体回路例を示す。この高圧放電灯点灯装置は、調光器9PAをさらに備える以外は図41の高圧放電灯点灯装置と同様に構成されている。
【0036】
このような構成の高圧放電灯点灯装置では、外部から目標とする調光電力を設定する調光信号を調光器9PAに与えると、制御部5は、調光器9PAの指示に従って、上記の如く電力変換部4の出力電力を低減するように、スイッチング素子Q2のスイッチング制御を行う。これにより、高圧放電灯DLが調光点灯することになる。
【0037】
しかしながら、出力電流を調節して調光を行うと、調光量に応じて、高圧放電灯DLから放出される光の色温度が上昇することが知られている。
【0038】
例えば、近年良く用いられる、沃化ジスプロシウム(DyI)−沃化タリウム(TlI)−沃化ナトリウム(NaI)が配合された高演色のメタルハライドランプでは、調光時に光が緑色っぽく変化する。これは、調光により、ランプに供給される電力が減少すると、発光管の温度が低下し、発光管内の圧力が低下して、全点灯時に適正な圧力比になるように配合された、発光管内の封入物の比率が崩れるためである。ジスプロシウム(Dy)−タリウム(Tl)−ナトリウム(Na)が配合された高演色のメタルハライドランプでは、発光管温度の低下に伴い、図52に示すように、発光管内の各封入物の圧力が変化し、調光時においては、沃化タリウム(TlI)の圧力が他の物質よりも低下しにくく、調光時の発光に多く寄与するため、放出される光は、タリウムの影響が多く出た緑色っぽい光となり、光の色温度およびDUVが増加する。
【0039】
このように色温度およびDUVが変化すると、物の見え方や受ける感覚に変化が生じ、使用用途によっては違和感が生じるという問題があり、調光範囲を大きく取れないという課題がある。
【0040】
第2従来技術では、3000Kの場合、瞬時パルス電力は1.35kW、保持電力は22Wである。電力パルスは160Hzの繰返し周波数と250μsのパルス幅とを有し、その場合、電力パルスの基本周波数は24kHzであり、ランプは、純粋なナトリウムおよびキセノンからなる150mbarの充填物と、76Wの平均電力とでもって動作する。ランプから発せられた放射は80の演色評価数Raおよび4200lmの光束を有する。
【0041】
色温度を2600Kへ低下させるために、電力パルスの基本周波数は47kHzへ変えられる。パルス電力は、0.36kWへ低下し、演色評価数Ra=80を変えることなく保持するために、繰返し周波数およびパルス幅は210Hzおよび340μsにそれぞれ調整される。この調整により、ランプは平均して79Wの電力を与えられ、その光束は4500lmへ僅かに増大する。
【0042】
従って、色温度を3000Kから2600Kに変化させることができるが、それに伴い光束が4200lmから4500lmに増大しており、本制御を用いての調光はできないという課題がある。
【0043】
第3従来技術の図(d)において、トランジスタ17のオンオフ比を制御することにより、変調信号の実効値、すなわちβを変化させて調光した場合、調光が深くなるにつれて、変調深度α/βの値がどんどん上昇し、やがて放電アークの不安定現象を招くことになる。
【0044】
上記現象を抑制するために変調度α/βに制限をつけた場合、調光の深さが制限を受けることにより、より深い調光を達成することができない。また、調光時の色変化に関する開示がなく、調光時に色温度の変化を抑制するようなことは基本的にできない。
【0045】
第4従来技術では、調光点灯時において高周波リップルの含有率を定格点灯よりも増加させることで調光点灯しているが、調光範囲は音響共鳴しない範囲に限られるため、高周波リップルの含有率は約70%まで、照度比(調光範囲)は約80%までに制限される。
【0046】
さらに深く調光する場合、ランプ電流Ilaの振幅を絞ることで調光を行うが、高周波リップルの振幅を固定して、ランプ電流Ilaの振幅を絞ると(例えば図50(b)に示すランプ電流Ilaにおいて、高周波リップルの振幅ILP2 を固定し、ランプ電流の振幅IDCを絞ると)、結果的に高周波リップルの含有率が上昇するため、音響的共鳴現象が発生しやすくなるという課題がある。
【0047】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、色温度変化を抑え、調光範囲を広げることができる高圧放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、高圧放電灯と、電子点灯装置とを備え、この電子点灯装置は、直流電源と、少なくとも1つのスイッチング素子およびインダクタンス要素とにより構成され、前記直流電源からの電力を利用して全点灯用または調光用の電力を前記高圧放電灯に供給してこれを全点灯または調光点灯するものであり、少なくとも調光点灯時に前記高圧放電灯を、ある調光比に対して一定となる周波数の高周波で点灯する高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、全点灯時および調光比の低い側での調光時に前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯し、前記電子点灯装置に、前記高圧放電灯の光の色温度を計測する計測手段を設け、全点灯時の光の色温度により、前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯する範囲を可変とすることを特徴とする。
【0049】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記高圧放電灯は、ナトリウム、タリウムおよび希土類のうち少なくともナトリウムを含むことを特徴とする。
【0050】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の高圧放電灯点灯装置において、前記高圧放電灯の調光点灯の下限における色温度の変化幅が200K以下であることを特徴とする。
【0051】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、前記高圧放電灯に対する調光比が深くなるにつれ、その高圧放電灯に対する点灯周波数を高くしていくことを特徴とする。
【0054】
請求項記載の発明は、請求項記載の高圧放電灯点灯装置において、前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯する範囲は、調光率の下限が80%以上であることを特徴とする。
【0056】
請求項記載の発明は、請求項記載の高圧放電灯点灯装置において、前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯する調光率の範囲は、3500K、3000K、4300Kの定格色温度の順で下限値が大きくなることを特徴とする。
【0057】
請求項記載の発明は、請求項記載の高圧放電灯点灯装置において、前記調光率の範囲は、3500Kの定格色温度で60%以上、3000Kの定格色温度で65%以上、4300Kの定格色温度で80%以上であることを特徴とする。
【0058】
請求項記載の発明は、請求項記載の高圧放電灯点灯装置において、前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯する調光率の範囲は、調光時の色温度が全点灯時の色温度から所定量の変化内となる範囲であることを特徴とする。
【0062】
請求項記載の発明は、請求項1乃至4記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、矩形波点灯と高周波点灯とを時分割的に切り替える機能を有し、調光比が深くなるにつれ、矩形波点灯に対する高周波点灯の割合と高周波点灯の周波数のうち、少なくとも一方を大きくすることを特徴とする。
【0063】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至4記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、矩形波点灯と高周波点灯とを時分割的に切り替える機能を有し、調光比が深くなるにつれ、矩形波点灯に対する高周波点灯の割合と高周波点灯の周波数のうち、所定の調光比まではいずれか一方を大きくした後にもう一方を大きくすることを特徴とする。
【0064】
請求項11記載の発明は、請求項1乃至10記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、少なくとも調光時の高周波点灯時に、前記高圧放電灯に印加する電圧、電流の波高率を、1.4よりも大きくすることを特徴とする。
【0065】
請求項12記載の発明は、請求項1乃至11記載の高圧放電灯点灯装置において、前記高圧放電灯の点灯位置は垂直であることを特徴とする。
【0066】
請求項13記載の発明は、請求項1乃至12記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、前記高圧放電灯をグランド電位以下で点灯することを特徴とする。
【0067】
請求項14記載の発明は、請求項1乃至13記載の高圧放電灯点灯装置において、前記高周波の点灯周波数は、実質的に前記高圧放電灯の音響的共鳴現象の発生する最高周波数以上であることを特徴とする。
【0068】
請求項15記載の発明は、請求項1乃至14記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、前記直流電源の直流出力を可変にする機能を有するとともに、前記少なくとも1つのスイッチング素子およびインダクタンス要素により構成され、前記直流電源からの直流出力を交流出力に変換して前記高圧放電灯に供給する変換手段とを有し、調光時、前記直流電源の直流出力の電圧を低減することを特徴とする。
【0069】
請求項16記載の発明は、請求項1乃至15記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、前記高圧放電灯の始動後の一定期間、前記高圧放電灯に供給する電力を、前記高圧放電灯の定格電力の2倍程度に大きくすることを特徴とする。
【0070】
請求項17記載の発明は、請求項1乃至15記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電子点灯装置は、前記高圧放電灯の始動後の一定期間、前記高圧放電灯に供給する電流を、前記高圧放電灯の定格電流の6倍程度に大きくすることを特徴とする。
【0071】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図2は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図、図3は少なくとも調光時に高圧放電灯を高周波で点灯する原理の説明図、図4は高周波点灯による効果を示す図であり、これらの図を参照しながら第1実施形態について説明する。
【0072】
第1実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図1に示すように、高圧放電灯DLと、整流器1と、電源部2と、制御部3と、イグナイタ8とを図36に示した高圧放電灯点灯装置と同様に備えているほか、それとの相違点として、極性反転部6と、駆動部7と、調光器9と、制御部10とを備えている。
【0073】
極性反転部6は、コンデンサC1の両端に接続されるフルブリッジ構成のスイッチング素子Q3〜Q6と、インダクタンスL3と、このインダクタンスL3を介して、スイッチング素子Q3〜Q6のうち、直列に接続された一方のスイッチング素子Q3,Q4の接続点と、他方のスイッチング素子Q5,Q6の接続点との間に接続されるとともに、高圧放電灯DLと並列に接続されるコンデンサC3とにより構成され、駆動部7により駆動される。
【0074】
また、極性反転部6は、電力変換部4の機能を兼ねる能力を有している(後述の第6実施形態などを参照)。ここで、極性反転部6が電力変換部4の機能を兼ねる能力を持っているので、極性反転部6を電力変換部4としてもよいが、図36の極性反転部6PAに対してインダクタンスL3を付加した違いであるので、各実施形態では、極性反転部とする。
【0075】
なお、イグナイタ8は、図36に示した高圧放電灯点灯装置と同様に、パルストランスPTの2次側をコンデンサC3と並列に接続し且つ高圧放電灯DLと直列に接続して設けられる。
【0076】
駆動部7は、制御部10の制御指令に従ってスイッチング素子Q3〜Q6をオン,オフするものである。調光器9は、調光信号を制御部3に供給するものであり、制御部3は、調光器9から調光信号を受信すると、その調光信号に従って、例えばスイッチング素子Q1のオンデューティを変更して電源部2の出力を変化させる。
【0077】
制御部10は、高圧放電灯DLの状態(例えば電圧レベル)を監視しながら、駆動部7を通じて、スイッチング素子Q3,Q6とスイッチング素子Q4,Q5とをそれぞれ数10〜数100kHzの範囲内のスイッチング周波数で交互にオン,オフ制御するものであり、少なくとも調光点灯時(図2の動作例では全点灯(定格出力点灯)時および調光点灯時)に高圧放電灯DLを高周波で点灯するように制御する。
【0078】
このように構成される高圧放電灯点灯装置では、電源投入後の全点灯モードにおいて、スイッチング素子Q1は、調光器9からの調光信号を受けて制御を実行する制御部3からのスイッチング制御に従って、図2の“Q1”に示すように、数十〜百kHzの範囲内のスイッチング周波数でオン,オフする。これにより、整流器1からの直流電圧を昇圧した電圧V2が電源部2から出力される。
【0079】
スイッチング素子Q3,Q6およびスイッチング素子Q4,Q5は、制御部10の制御下の駆動部7により、図2の“Q3”〜“Q6”に示すように交互にオン,オフする。これにより、電源部2の出力電圧V2が極性反転部6で正弦波状の電圧に変換されて、高圧放電灯DLに正弦波状の電圧Vlaが印加し、高圧放電灯DLに正弦波状の電流Ilaが流れる。
【0080】
この後、調光信号が全点灯モードから調光点灯モードに切り替わると、スイッチング素子Q1は、調光器9からの調光信号を受けて出力を低減する制御を実行する制御部3からのスイッチング制御に従って、図2の“Q1”に示すようにオン,オフする(同図ではスイッチング素子Q1のオン期間が短くなっている)。これにより、電源部2の出力電圧V2が下がり、この電圧V2を受けて動作する極性反転部6の出力電圧も、図2の“Vla”に示すように低下する。
【0081】
この調光点灯時、制御部10の制御により高圧放電灯DLは高周波で点灯するが、このように、少なくとも調光時に高圧放電灯DLを高周波で点灯する原理について説明する。
【0082】
高圧放電灯DLが、例えば、上述した沃化ジスプロシウム(DyI)−沃化タリウム(TlI)−沃化ナトリウム(NaI)が配合された高演色のメタルハライドランプである場合に、高周波で点灯されると、その発光スペクトルは、図3に示すように、矩形波点灯に比べ、ナトリウムの蒸気圧が上昇した時に見られるスペクトルのブロードが現れ、全体的に発光の比率が増加し、その代わりに、タリウムやジスプロシウムの発光の比率が減少する。
【0083】
これは、電極が陽極として動作する時にエネルギーを持った電子が電極に衝突してその温度が上昇し、陰極として動作する時に温度が低下するが、高周波点灯では、電極の熱容量から電極の温度変化がなくなり(または小さくなり)、矩形波点灯に比べて電極の温度が上昇すること、高周波点灯の波形が正弦波状であり、矩形波に比べて電子の持つエネルギーのピーク値も高く、電極の温度がより上昇することによる。この結果、高演色のメタルハライドランプの発光管の最冷点温度が上昇し、発光管全体の温度が上昇する。上記各封入物は、図41の温度に対する蒸気圧特性を示すから、温度上昇により相対的にナトリウムの分圧比が上昇する。
【0084】
従って、高周波点灯で調光を行えば、図40に示した従来の高圧放電灯点灯装置に比べ、同一電力においても発光管の温度を高く保つことができ、ナトリウムの蒸気圧を高く保つことが可能であり、相対的にタリウムの発光を抑えることができる。これにより、図4の例に示す“HF227[kHz]”のように、227kHzの高周波で調光を行えば、調光時の色の変化を抑えることが可能となり、調光範囲の拡大が可能となる。
【0085】
なお、上記原理は、上記高演色のメタルハライドランプに限定されるのではなく、少なくともナトリウムを含んだ高圧放電灯でもよい。この場合でも、高周波点灯による発光管の温度上昇に伴ってナトリウムの蒸気圧が上昇するので、調光時のナトリウムの蒸気圧の低下を抑制することができ、有効である。
【0086】
また、いわゆる点灯位置は垂直であるのがより望ましい。ここで、図5に示す垂直の点灯位置では、発光管内の対流の影響によりA点付近が最冷点となるのに対し、図6に示す水平の点灯位置では、対流および放電アークの浮力による浮きから、B点付近が最冷点となる。従って、垂直の点灯位置の方が、水平の点灯位置よりも最冷点の位置が電極に近いために、高周波点灯による電極の温度上昇の影響をより強く受け、これにより、垂直の点灯位置の方が水平の点灯位置よりも色変化の抑制効果がより大きくなる。
【0087】
さらに、透光性アルミナセラミクスからなる発光管を備える高圧放電灯を使用するのが望ましい。透光性アルミナセラミクスは、従来良く用いられている石英ガラスに比べ、耐熱性があるため、同一ワットに対し、発光管形状が小さく、電極形状も小さい。このため、電極の熱容量が小さく、高周波点灯による電極の温度上昇が、石英発光管に比べて大きくなり、高周波点灯による色変化の抑制効果が大きくなる。
【0088】
(第2実施形態)
図7は本発明に係る第2実施形態の高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、この図を参照しながら第2実施形態について説明する。
【0089】
第2実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図7に示すように、高圧放電灯DLに正弦波状の電圧を印加する代わりに、三角波状の電圧を印加するように構成される以外は、第1実施形態の高圧放電灯点灯装置と同様に構成される。
【0090】
すなわち、第1実施形態では、正弦波状の電圧および電流が高圧放電灯DLに出力されるが、第2実施形態では、図7に示すように、点灯周波数が、極性反転部6のインダクタンスL3およびコンデンサC3の共振周波数に対して遅相となるように値が設定され、これにより、三角波状の電圧が高圧放電灯DLに印加する構成になっているのである。
【0091】
このように波形の形状が三角波状になると、実行値に対するピーク値である波高率が、約1.4の正弦波に対し、約1.7と上昇するから、ピーク値が正弦波のそれよりも上昇する。そして、ピーク値が上昇すると、電極が陽極時にそれに衝突する電子のエネルギーが上昇するため、電極の温度が上昇し、高周波による色変化の抑制効果をさらに高めることができる。
【0092】
(第3実施形態)
図8は本発明に係る第3実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図9は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第3実施形態について説明する。
【0093】
第3実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図8に示すように、高圧放電灯DLと、整流器1と、電源部2と、制御部3と、極性反転部6と、駆動部7と、イグナイタ8とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、調光器9Aと、制御部10Aと、センサ11と、切替設定部12とを備えている。
【0094】
調光器9Aは、調光信号を制御部10Aに(図9の動作例では制御部3にも)供給するものである。制御部10Aは、高圧放電灯DLの状態を監視しながら、調光器9Aからの調光信号および切替設定部11の出力に従って、駆動部7を通じて、スイッチング素子Q3,Q6とスイッチング素子Q4,Q5とをそれぞれ数10〜数100kHzの範囲内のスイッチング周波数で交互にオン,オフ制御するものであり、少なくとも調光点灯時(図9の動作例では全点灯時および調光点灯時)に高圧放電灯DLを高周波で点灯するように制御する。
【0095】
センサ11は、高圧放電灯DLの色温度を計測するものである。切替設定部12は、高圧放電灯DLが点灯して全点灯状態で安定すると、センサ11により計測された高圧放電灯DLの色温度を制御部10Aに送り、色温度を記憶し、計測された色温度が所定値内に収まるように、センサ11により計測された高圧放電灯DLの色温度が安定状態の色温度から所定値(図9では200K)よりも変化しないようにするためのものである。
【0096】
このような構成の高圧放電灯点灯装置では、図9に示すように、全点灯モードにおいて、安定状態時の色温度がセンサ11により計測されて記憶される。この後、調光信号(同図では“調光器出力”)が調光点灯モードに切り替える信号になると、制御部3が電源部2の出力電圧V2を徐々に低下させるようにスイッチング素子Q1のオン,オフ制御を行うことにより、電源部2の出力電圧V2が徐々に低下する。
【0097】
この低下過程における色温度がセンサ11により計測され、先に記憶した色温度と比較され、変化量が上記所定値に達した時点で、制御部3が電源部2の出力電圧V2をそれ以上低下させないようにスイッチング素子Q1のオン,オフ制御を保持することにより、色温度の変化が上記所定値内に収まることになる。
【0098】
このように動作することにより、高圧放電灯DLのバラツキなどにより、調光時の色温度の変化量にバラツキが生じるとしても、調光時の色温度の変化を所定値内に収めることが可能となり、物の見え方や感覚に対する変化を抑えることができる。また、図9の例に示すように、所定値を200K程度に設定することにより、その変化が人の視覚では知覚されないので望ましい。
【0099】
(第4実施形態)
図10は本発明に係る第4実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図11は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第4実施形態について説明する。
【0100】
第4実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図10に示すように、高圧放電灯DLと、整流器1と、電源部2と、制御部3と、極性反転部6と、駆動部7と、イグナイタ8とを第3実施形態と同様に備えているほか、第3実施形態との相違点として、調光器9Bと、制御部10Bとを備えている。
【0101】
調光器9Bは、調光信号を制御部10Bに供給するものである。制御部10Bは、高圧放電灯DLの状態を監視しながら、調光器9Bからの調光信号に従って、駆動部7を通じて、スイッチング素子Q3,Q6とスイッチング素子Q4,Q5とをそれぞれ数10〜数100kHzの範囲内のスイッチング周波数で交互にオン,オフ制御するものであり、少なくとも調光点灯時に高圧放電灯DLを高周波で点灯するように制御する。
【0102】
このような構成の高圧放電灯点灯装置では、図11に示すように、全点灯モードにおいて、スイッチング素子Q1は、制御部3からのスイッチング制御に従って、数十〜百kHzの範囲内のスイッチング周波数でオン,オフする。これにより、整流器1からの直流電圧を昇圧した電圧V2が電源部2から出力される。
【0103】
スイッチング素子Q3,Q6およびスイッチング素子Q4,Q5は、全点灯モードの調光信号を受けた制御部10Bの制御下の駆動部7により、図11の“Q3”〜“Q6”に示すように交互にオン,オフする。これにより、電源部2の出力電圧V2が極性反転部6で正弦波状の電圧に変換されて、高圧放電灯DLに正弦波状の電圧Vlaが印加し、高圧放電灯DLに正弦波状の電流Ilaが流れる。
【0104】
この後、調光信号が全点灯モードから調光点灯モードに切り替わると、制御部10Bが、調光比が深い時に周波数が高くなるようにスイッチング素子Q3〜Q6に対するスイッチング周波数を変化させる。これにより、高圧放電灯DLへの電力供給制御が行われ、調光点灯が可能となる。
【0105】
このように、調光点灯時に、スイッチング素子Q3〜Q6に対するスイッチング周波数を高くすることにより電力を抑制するので、電力抑制による電極の温度低下を抑制することができ、色変化の抑制効果を高めることができる。
【0106】
(第5実施形態)
図12は本発明に係る第5実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図13は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第5実施形態について説明する。
【0107】
DC電源となる電源部2、放電灯DLに所定の電力を供給する第1の電力変換部4、電力変換部4の出力を低周波(数10〜数100Hz)に変換して、放電灯DLに印加する極性反転部6を備えると共に、放電灯DLに高周波のエネルギーを供給する第2の電力変換部13を備え、定常点灯時には、電力変換部4および極性反転部6により放電灯DLに矩形波エネルギーを供給していたものを、調光時には、第2の電力変換部13により、放電灯DLに高周波エネルギーを供給するよう切り替える。
【0108】
図14〜図16に種々の150Wのメタルハライドランプについて、矩形波点灯および高周波点灯において、ランプ電流の振幅を小さくし、調光した時の色温度の変化を示す。図14は3000Kのランプ、図15は3500Kのランプ、図16は4300Kのランプを用いた場合であり、調光率100%(全点灯時)に対する色温度変化率が105%となる調光率は、矩形波点灯では、それぞれ65%、61%、77%である。このように、放電灯の色温度によって、色温度の変化の様子は異なるが、調光時の色温度の変化は、矩形波点灯と比較し、高周波点灯の方が小さくすることが可能である。従って、本実施形態のように、調光時に、高周波点灯に切替えることにより、従来に比べ、色温度の変化を低く抑えることが可能であり、調光範囲の拡大が可能となる。
【0109】
図17に具体的な回路構成を示す。商用交流電源Vsと、商用交流電源Vsを整流するダイオードブリッジDBによりなる整流器1と、整流した電圧を所定の直流電圧に変換する昇圧チョッパによりなる電源部2と、電源部2のスイッチング素子Q1を制御する制御部3と、電源部2の出力V2を電源として、負荷に矩形波を供給する極性反転部6と、極性反転部6のスイッチング素子Q3〜Q6を制御する制御部10および駆動部7と、負荷としての高圧放電灯DLと、高圧放電灯DLを始動させる為の高電圧を発生するイグナイタ8と、制御部10に調光信号を与える調光器9Aとから構成される。極性反転部6は、直列に接続された2つのスイッチング素子Q3,Q4およびQ5,Q6の直列回路を、電源部2の出力に、各々並列に接続し、2つのスイッチング素子Q3,Q4およびQ5,Q6の接続部をインダクタンスL3とコンデンサC3の直列回路で接続される。放電灯DLは、イグナイタ8のパルストランスの2次巻線と直列に接続され、コンデンサC3と並列に接続される。
【0110】
次に、図17の回路の動作について図18をもとに説明する。電源が投入されると、制御部3からの制御信号により、電源部2のスイッチング素子Q1が数十〜百kHzでオン・オフ制御され、交流電源Vsの全波整流電圧を所定の電圧V2に昇圧する。この電圧V2を電源に、極性反転部6のスイッチング素子Q3が数10kHz〜百kHzでオン・オフし、かつスイッチング素子Q6がONする期間と、スイッチング素子Q5が数10kHz〜百kHzでオン・オフし、かつスイッチング素子Q4がONする期間を、数100Hz程度の周期で交互に繰り返す(図18の全点灯時)。
【0111】
ここで、スイッチング素子Q3が数10kHz〜百kHzでオン・オフし、かつスイッチング素子Q6がONする期間に着目すると、スイッチング素子Q6がオン状態を保持するため、電圧V2を電源に、スイッチング素子Q3、インダクタンスL3、スイッチング素子Q4の寄生ダイオードで降圧チョッパ回路が構成される。したがって、制御部10で負荷の電圧を検出し、所定の電流が流れるよう、スイッチング素子Q3を制御することで、所定の電力を供給することができ、スイッチング素子Q3,Q6がスイッチングする期間においては、インダクタンスL3には、図17の矢印の方向に、三角波の電流IL3が流れ、この三角波の電流IL3のうち、高周波成分がコンデンサC3へ流れるため、直流成分が負荷となる高圧放電灯DLへ流れる。
【0112】
次に、スイッチング素子Q4,Q5がスイッチングする期間においては、同様に、電圧V2を電源に、スイッチング素子Q5、インダクタンスL3、スイッチング素子Q6の寄生ダイオードで降圧チョッパ回路が構成され、スイッチング素子Q3,Q6がスイッチングする期間と逆方向に電流が流れ、この期間を交互に繰り返すことにより、放電灯DLの両端に矩形波を発生する。
【0113】
全点灯時には、上記の動作により、放電灯DLを矩形波で点灯するのに対し、調光点灯時(図18の調光点灯時)には、スイッチング素子Q3,Q6がオン、スイッチング素子Q4,Q5がオフする期間と、スイッチング素子Q4,Q5がオン、スイッチング素子Q3,Q6がオフする期間を数10〜数100kHzで交互に繰り返すことにより、放電灯DLには、略正弦波の電圧、電流を供給することができ、調光信号に応じ、交番する周波数を変化することで、放電灯DLに供給する電力を制御し、調光点灯することが可能となる。
【0114】
ここで、高圧放電灯DLを高周波で点灯する場合、蛍光灯などの低圧放電灯点灯装置でよく用いられている40〜50kHzの周波数で点灯すると、音響的共鳴現象を発生する恐れがある。
【0115】
数10kHzの点灯周波数においても、高圧放電灯DLの発光管形状および圧力などから、音響的共鳴現象の発生しない周波数を選択し、この周波数で高圧放電灯DLを点灯することにより、高周波点灯が可能であるが、高圧放電灯DLの個体のバラツキなどから、個々の高圧放電灯DLについて周波数を選択する必要がある。また、調光により発光管内の圧力が変化すると、音響的共鳴現象の発生する周波数も変化する。
【0116】
音響的共鳴現象は、理論的には無限大の周波数まで発生しうるが、実質的には減衰する要因が増えるため、数100kHz以上の周波数では観測されない。このため、安定して点灯するには、音響的共鳴現象の発生の恐れのない、数100kHzという非常に高い周波数で点灯する必要があるが、この場合、極性反転部6のスイッチング素子のロスが増加し、大きなストレスとなり、高価なスイッチング素子や放熱が必要となり、コストアップにつながる。
【0117】
本実施形態によれば、全点灯時および調光点灯時において、それぞれ矩形波点灯および高周波点灯に切り替えるので、全点灯時のスイッチング素子のロスを抑えることができる。調光点灯時には高周波点灯となるが、この場合、電源部2の出力が低下するので、全点灯時に比べてスイッチング素子のロスが低減して、大きなストレスが加わらないから、安価なスイッチング素子や放熱構造を用いることができる。
【0118】
このように構成・動作することにより、矩形波を供給する第1の電力変換部と、高周波を供給する第2の電力変換部の大部分を共用することが可能であり、回路の大型化やコストアップを抑えつつ、調光時の色温度変化を抑制することが可能な高圧放電灯点灯装置を実現することが可能である。
【0119】
(第6実施形態)
高圧放電灯を高周波で点灯する場合、蛍光灯などの低圧放電灯点灯装置でよく用いられている40〜50kHzの周波数で点灯すると、音響的共鳴現象の発生する恐れがある。そのため、音響的共鳴現象の発生の恐れのない、数100kHzという、非常に高い周波数で点灯する必要があり、このことから、電力変換部のスイッチング素子のロスが増加し、大きなストレスとなり、高価なスイッチング素子や放熱が必要となり、コストアップにつながる。
【0120】
矩形波点灯時の調光時の色温度変化をみると、浅い調光時においては、色温度の変化はあまり見られず、調光を深くするにつれ、色温度の変化が大きくなっている。また、高圧放電灯の定格色温度に対し、約5%程度のバラツキを持っており、若干の色温度の変化は、実用上、大きな問題とならない。従って、色温度の変化が小さい、調光率が高い範囲においては、矩形波点灯で点灯し、調光率が低くなり、色温度変化が大きくなった時に、矩形波点灯から高周波点灯に切替えるようにする。
【0121】
調光率が低くなった場合、電力変換部の出力は低下しており、高周波点灯をしても、全点灯時に比べ、スイッチングロスは低下し、大きなストレスはかからず、安価なスイッチング素子の使用が可能となる。
【0122】
ここで、種々の150Wのメタルハライドランプについて、矩形波点灯において、色温度を略一定化可能な範囲は、図14〜図16より約80%程度であり、矩形波点灯と高周波点灯の切替えを、図19のように調光率が80%で行なうことにより、各素子に対するス卜レスを低減しつつ、調光範囲を拡大することが可能である。
【0123】
(第7実施形態)
図20は本発明に係る第7実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図であり、この図を参照しながら第7実施形態について説明する。
【0124】
第5,第6実施形態と異なる点は、高圧放電灯の色温度を計測するセンサ11を具備している点であり、その他の構成、動作は、同一である。本実施形態の特徴となる動作を説明すると、高圧放電灯DLが点灯し、全点灯状態で安定すると、センサ11により、高圧放電灯DLの色温度を計測し、切替設定部12に信号を送る。切替設定部12において、センサ11からの信号により、調光時の矩形波点灯と高周波点灯の切替わる点を、図21のように、高圧放電灯の色温度に応じた値に設定する。これにより、高圧放電灯の各色温度に応じて、よりストレスを低減しつつ、調光範囲の拡大を図ることが可能である。150Wのメタルハライドランプの場合、色温度3000Kの高圧放電灯では65%、3500Kの高圧放電灯では60%、4300Kの高圧放電灯では80%に切替点を設定する。
【0125】
(第8実施形態)
図22は本発明に係る第8実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図23は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第8実施形態について説明する。
【0126】
第8実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図22に示すように、高圧放電灯DLと、整流器1と、電源部2と、制御部3と、極性反転部6と、駆動部7と、イグナイタ8と、調光器9Aと、センサ11と、切替設定部12とを第3実施形態と同様に備えているほか、第3実施形態との相違点として制御部10Dを備えている。
【0127】
すなわち、第8実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図23に示すように、全点灯モードの矩形波点灯時に高圧放電灯DLが全点灯状態で安定すると、切替設定部12がセンサ11により計測された高圧放電灯DLの色温度を制御部10Dに送り、色温度を記憶し、この後、矩形波点灯のまま全点灯モードから調光点灯モードに切り替わったとき(図23では調光比のより深い側にスイープしており、そのスイープ過程において)、センサ11により計測された色温度と先に記憶した色温度とを比較し、その変化量が所定値に達したとき、矩形波点灯を高周波点灯に切り替える構成になっている。
【0128】
このような構成によれば、高圧放電灯DLのバラツキや寿命などにより、全点灯時の色温度にズレが生じた場合でも、色温度の所定の誤差で、矩形波点灯から高周波点灯に切り替えることができ、色温度の一定化をより確実に図ることができる。
【0129】
また、高周波点灯時には、図24に示す高周波点灯の特性曲線のように色の変化が矩形波点灯のそれよりも低く抑えられているから、より低い電力比に下げても、100%の電力比に対する変化を好適に抑制することができる。
【0130】
さらに、図24の例に示すように、調光時の色温度の変化幅が、100%の電力比の色温度に対して200K程度の範囲に収まるように、矩形波点灯と高周波点灯とを切り替えるようにすれば、人間の視覚上、問題のない切替えが可能になる。
【0131】
(第9実施形態)
図25は本発明に係る第9実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図26は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第9実施形態について説明する。
【0132】
第9実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図25に示すように、高圧放電灯DLと、整流器1と、電源部2と、制御部3と、極性反転部6と、駆動部7と、イグナイタ8と、調光器9Aとを第3実施形態と同様に備えているほか、第3実施形態との相違点として制御部10Eを備えている。
【0133】
この制御部10Eは、図26に示すように、全点灯および調光点灯の両モードにおいて、高圧放電灯DLの状態を監視しながら、駆動部7を通じて、スイッチング素子Q3〜Q6に対し矩形波点灯用および高周波点灯用のスイッチング制御を時分割的に切り替えて行い、調光比が深くなるにつれ、矩形波点灯用のスイッチング制御期間に対する高周波点灯用のスイッチング制御期間の割合を大きくしていく。
【0134】
ここで、高圧放電灯DLを高周波で点灯する場合、音響的共鳴現象が大きな問題となることは既に説明した通りである。このため、通常、数10kHzの周波数は用いず、音響的共鳴周波数を超えた数100kHzの周波数が用いられる。しかし、これではスイッチング時のロスが大きくなるという問題がある。
【0135】
そこで、矩形波点灯用および高周波点灯用のスイッチング制御を時分割的に切り替えることにより、数10kHzの点灯周波数においても、音響的共鳴現象の発生前に矩形波点灯に切替わるため、音響的共鳴現象を回避することができ、全点灯時のロスの低減が可能となる。
【0136】
また、調光点灯時に、矩形波点灯に対する高周波点灯の割合を大きくすることにより、電極の温度低下を抑制し、調光時の色変化を抑制することができる。
【0137】
(第10実施形態)
図27は本発明に係る第10実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図28は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第10実施形態について説明する。
【0138】
第10実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図27に示すように、高圧放電灯DLと、整流器1と、電源部2と、制御部3と、極性反転部6と、駆動部7と、イグナイタ8と、調光器9Aとを第9実施形態と同様に備えているほか、第9実施形態との相違点として制御部10Fを備えている。
【0139】
以下、この制御部10Fによる動作を全点灯時および調光点灯時の順番に説明する。
【0140】
全点灯時、制御部10Fは、図28に示すように、直流点灯となるように、スイッチング素子Q3〜Q6に対するスイッチング制御を行う。すなわち、電源部2の出力電圧V2を電源として、スイッチング素子Q4,Q5をオフにしたままスイッチング素子Q6をオンにして、スイッチング素子Q3を数10kHzの高周波でオン,オフする制御と、高周波点灯用のスイッチング制御とを時分割的に切り替える。
【0141】
このスイッチング制御によれば、スイッチング素子Q6がオン状態を保持するため、V2を電源に、スイッチング素子Q3、インダクタンスL3およびQ4の寄生ダイオードにより降圧チョッパが構成される。
【0142】
従って、制御部10Fで、高圧放電灯DLの電圧を検出し、所定の電流Ilaが流れるように、スイッチング素子Q3を制御することにより、所定の電力を高圧放電灯DLに供給することができる。このとき、インダクタンスL3には、図27の右方に図28の“IL3”に示すような三角波状の電流IL3が流れ、この電流IL3のうち、高周波成分がコンデンサC3に流れ、直流成分が高圧放電灯DLに流れるので、高圧放電灯DLが直流点灯することになる。
【0143】
調光点灯時、制御部10Fは、上記直流点灯用のスイッチング制御期間と高周波点灯用のスイッチング制御期間とを数100kHzのタイミングで交互に切り替える。このスイッチング制御によれば、正弦波状の電圧および電流を高圧放電灯DLに供給することができる。また、調光信号の調光比が深くなるにつれ、交番する周波数を高くすれば、高圧放電灯DLに供給する電力を制御し、調光点灯することができる。なお、全点灯時の制御については、必ずしも上記のように高周波点灯と直流点灯とを時分割的に切り替える必要はなく、直流点灯のみであってもよく、また直流点灯の範囲は全点灯および調光率の高い範囲での点灯であってもよいことは言うまでもない。
【0144】
第10実施形態では、全点灯時のスイッチング素子のロスを抑えることが可能であり、また、調光点灯時においては、高周波点灯を行っても、電源部2の出力が低下しており、全点灯時に比べ、スイッチング素子のロスが低下し、大きなストレスがかからず、安価なスイッチング素子や放熱構造を用いることができる。
【0145】
(第11実施形態)
図29は本発明に係る第11実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図30は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第11実施形態について説明する。
【0146】
第11実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図29,図30に示すように、高圧放電灯DLの始動直後の一定期間、高圧放電灯DLの定格電力の略2倍の電力を高圧放電灯DLに供給するように制御する以外は、第1実施形態の高圧放電灯点灯装置と同様に構成される。
【0147】
高圧放電灯DLは、始動直後、発光管の温度が低く、発光管内の圧力も低い状態であり、その後、発光管の温度上昇、管内圧力の上昇により、安定点灯状態に移行する。安定状態となるまでに要する時間は、高圧放電灯により異なるが、おおよそ10分から20分程度必要である。
【0148】
この始動から安定状態への道程中、発光管内の温度・圧力の上昇に伴い、発光管内の封入物の蒸気圧の割合が変化するため、光の色温度は、時間と共に大きく変化し、安定点灯状態に移行する時間が長いため、人に不快感を与えるなどの影響がある。
【0149】
そこで、本実施形態では、始動直後の一定期間、図30に示すように定格電力の略2倍の電力を高圧放電灯DLに供給することにより、安定点灯への移行時間を短縮し、色変化により人に不快感を与えないようにする。
【0150】
なお、上記の効果を得るために、放電灯への電流を、始動直後の一定期間、放電灯の定格電流の6倍程度にしてもよい。
【0151】
(第12実施形態)
図31は本発明に係る第12実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図であり、この図を参照しながら第12実施形態について説明する。
【0152】
第12実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図31に示すように、基準となるグランド電位が電源部2の出力の高電位側に設定されている以外は、第1実施形態の高圧放電灯点灯装置と同様に構成されている。
【0153】
基準となるグランド電位を電源部2の出力の低電位側に設定した場合、高圧放電灯DLの周囲の電位が高圧放電灯DLの電極電位に比べて低い電位となり、高圧放電灯DLの発光管内のナトリウムの陽イオンが発光管材料である石英と反応して、発光管内のナトリウムが減少する現象が発生し、光出力の低下、色の変化をもたらす。また、ナトリウムの減少により、調光時の高周波点灯による効果も薄れる。
【0154】
そこで、本実施形態では、基準となるグランド電位を電源部2の出力の高電位側に設定することにより、発光管周囲の電位が高圧放電灯DLの電極電位より高くなるため、発光管内のナトリウムの陽イオンとの発光管の石英との反応を抑えることができ、光出力の低下や色の変化を抑制し、かつ、高周波点灯により調光時の色変化を好適に抑制することができる。
【0155】
(第13実施形態)
図32は本発明に係る第13実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図33は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図、図34は調光率に対する色温度変化率について得た実験結果を示す図であり、これらの図を参照しながら第13実施形態について説明する。ただし、図34は、ある高圧放電灯をそれぞれ数100Hzの矩形波点灯、矩形波−高周波の時分割点灯を行った場合の実験結果であり、横軸は定格点灯時の光出力を100%としたときの調光率、縦軸は定格点灯時の色温度を100%としたときの変化率である。
【0156】
第13実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図32,図33に示すように、調光点灯時に高周波点灯の周波数を高くするように構成される以外は、第9実施形態の高圧放電灯点灯装置と同様に構成される。
【0157】
第9実施形態では、調光比が深くなるにつれ、矩形波点灯用のスイッチング制御期間に対する高周波点灯用のスイッチング制御期間の割合を大きくしていくのに対し、本実施形態では、調光時に高周波点灯の周波数を高くして色変化を抑制する。
【0158】
第9実施形態では、最も色変化を抑制するためには、高周波点灯の周波数が音響的共鳴が起こらない範囲でできる限り高い周波数を使用する必要があり、このため連続調光を行う場合には、定格点灯付近の比較的電力の大きいところで、スイッチング素子のロスが大きくなるという課題がある。
【0159】
これについて図34を用いて説明すると、図34の実験では、矩形波−高周波の時分割点灯について、高周波の周波数が20kHzと100kHzの2通りで行った。図中のプロット点近くに示す数値(%)は矩形波に対する高周波の割合を示している。なお、調光はランプ端に印加される電圧の振幅を小さくすることで実現している。
【0160】
この実験結果より、時分割点灯を行った場合、高周波点灯の周波数が20kHzで、高周波の割合を20,40,60%と大きくして調光を行うよりも、高周波点灯の周波数が100kHzで、高周波の割合を20,40,60%と大きくして調光を行った方がより調光下限時(調光率60%付近のプロット点)の色変化を抑制できるということを発見した。
【0161】
全点灯と調光点灯の段調光であれば、調光時においては、時分割点灯における高周波成分に比較的大きい値を用いても極性反転部6の出力が低下しており、全点灯時に比べ、スイッチング素子のロスが低下し、大きなストレスがかからないのであるが、例えば、全点灯状態から連続的に調光を行うような場合に定格付近での高周波の周波数が高いと、スイッチング素子のロスが大きくなり、回路効率の低下を招いてしまう。
【0162】
本実施形態ではこのような問題を解決するため、図33に示すスイッチング制御を行うのである。すなわち、図33に示すように、制御部10Gは、全点灯時には、低周波の矩形波状の電圧(Vla)および電流(Ila)を高圧放電灯DLに出力するように、スイッチング素子Q4,Q6を低周波で交互にオン,オフするとともに、スイッチング素子Q4がオンの期間にスイッチング素子Q3をオフにしたままスイッチング素子Q5を高周波でオン,オフし、スイッチング素子Q6がオンの期間にスイッチング素子Q5をオフにしたままスイッチング素子Q3を高周波でオン,オフする。
【0163】
そして、制御部10Gは、調光点灯時には、矩形波点灯用および高周波点灯用のスイッチング制御を時分割的に切り替え、調光信号の調光比が深くなるにつれて、高周波の周波数を高くするように制御する。なお、図33の例では、制御部3Aも、調光器9Aからの調光信号の調光比が深くなるにつれて、スイッチング素子Q1に対するスイッチング周波数を高くしていっている。
【0164】
このように制御することにより、第9実施形態に比べ、調光切替後の定格付近の高周波周波数を比較的低くできるため、スイッチングロスを小さくできるという効果がある。図34中の例えば調光率90%付近のプロット点において、矩形波に対する高周波の割合は20%のまま、高周波周波数を100kHzから20kHzにすることにより、色変化の抑制効果をあまり変化させずに、周波数を低くしたことによるスイッチングロスの低減効果が得られることになる。
【0165】
なお、第9実施形態と同様、音響的共鳴現象の発生前に、矩形波点灯に切り替わるため、音響的共鳴現象を回避することが可能であり、かつ電極の温度低下を抑制し、調光時の色変化を抑制する効果についても第9実施形態と同様である。
【0166】
(第14実施形態)
図35は本発明に係る第14実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図36は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第14実施形態について説明する。
【0167】
第14実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図35,図36に示すように、調光比の低い側での調光時に(図36のt1〜t2)、矩形波点灯用のスイッチング制御期間に対する高周波点灯用のスイッチング制御期間の割合を大きくしていく一方、調光比の深い側での調光時に(t2〜)、高周波点灯の周波数を高くするように制御部10Hが構成される以外は、第13実施形態の高圧放電灯点灯装置と同様に構成される。
【0168】
このように構成される高圧放電灯点灯装置では、全点灯の状態からt1〜t2の調光時に移行すると、時分割点灯の高周波の周波数は一定のままで、高周波点灯用のスイッチング制御期間の割合が大きくなる。なお、紙面の都合上、高周波の割合が連続的でないが、高周波の割合が0%から連続的に増加できることはいうまでもない。
【0169】
調光比の深い側での調光に進むと(t2〜)、第13実施形態と同様に高周波点灯の周波数が高くなって色変化を抑制する。
【0170】
第14実施形態によれば、第13実施形態と同様の効果を奏することができるほか、全点灯(矩形波)と調光(矩形波−高周波時分割点灯)の切替が滑らかに行えるため、全点灯から調光状態へと移行する際のちらつきや不自然さを低減することができる。
【0171】
(第15実施形態)
図37は本発明に係る第15実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図38は同高圧放電灯点灯装置の動作説明図であり、これらの図を参照しながら第15実施形態について説明する。
【0172】
第15実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図37,図38に示すように、調光信号(図38では調光器出力)の調光比が深くなるにつれて、矩形波点灯用のスイッチング制御期間に対する高周波点灯用のスイッチング制御期間の割合を大きくしていくとともに、高周波点灯の周波数を高くしていくように制御部10Iが構成される以外は、第13実施形態と同様に構成される。
【0173】
このように構成される高圧放電灯点灯装置では、図38に示すように、全点灯モードから調光点灯モードに移行すると、高周波点灯用のスイッチング制御期間の割合および高周波点灯の周波数の双方が調光比が深くなるにつれて連続的に大きくなっている。
【0174】
図39に本実施形態の制御に係る説明図を示す。横軸は時分割点灯における高周波成分の周波数、縦軸は時分割点灯における矩形波点灯に対する高周波点灯の割合を示している。横軸については、対数目盛で示している。
【0175】
図中のA1,A2,A3は全点灯状態から調光下限へと連続的に変化させる場合の一例である。いずれの制御の場合も時分割制御により音響的共鳴が起こらない範囲を示している。特に、A1,A2については、高周波のみで色変化を抑制する場合に比べ、より定格点灯付近でのスイッチング素子のオンロスを低減することができる。このことは、第13実施形態で述べた効果とほぼ同じである。
【0176】
また、A3については、図が対数目盛値で示しているため、下に凸になっているが、実際の数値としては、調光に応じた高周波の周波数と、高周波の割合の変化の割合が各々線形に近づくため、例えば、調光信号のDCレベルを高周波の周波数制御と高周波の割合の制御の両方に共通に使用できるため、特別な変換回路が不要となり、制御回路での実現が容易になる。
【0177】
このように制御することにより、全点灯状態から調光下限まで、色温度を略一定に制御することができる。このことは、図34において、20kHzと100kHzの2通りで時分割点灯を行った結果からも推測できる。すなわち、上述の2通りの変化は共に高周波の割合のみを変化させた制御であったが、各々の調光率のプロット点の中間のどこかに必ず色温度が全点灯時と変わらない100%の点が存在することがわかる。例えば、図34に三角で示した矩形波−高周波時分割点灯(100kHz)のうち、高周波の割合が40%の点においては、この点の状態から、周波数を小さくするか、高周波の割合を小さくするか、あるいは、両方を小さくするかの方法で、より色温度変化率100%へと近づけることができる。このような制御を全調光範囲で行うことにより、全ての範囲で色温度の略一定化が達成できる。
【0178】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明は、高圧放電灯の電極が陽極として動作する時にエネルギーを持った電子が電極に衝突してその温度が上昇し、陰極として動作する時には高周波による点灯(以下「高周波点灯」という)のために電極の熱容量から電極の温度変化が低減乃至なくなり、矩形波点灯に比べて電極の温度が上昇することにより、高圧放電灯の最冷点温度が上昇し、高圧放電灯全体の温度が上昇し、これが調光による色変化を抑えるように作用するから、色温度変化を抑え、物の見え方や感覚をほとんど変化させずに調光範囲を広げることができる。また、調光時の色変化を抑制することが可能であり、物の見え方や感覚をほとんど変化させずに調光することができる調光範囲を拡大できる。さらに、高圧放電灯の各色温度に応じて、よりストレスを低減しつつ、調光範囲の拡大を図ることが可能である。
【0179】
請求項2記載の発明によれば、高周波点灯により調光時のナトリウムの蒸気圧の低下を抑制することができ、色温度の変化を抑制することができ、調光範囲を広げることができる。
【0180】
請求項3記載の発明によれば、色温度の変化が人の視覚では知覚されないので望ましい。
【0181】
請求項4記載の発明によれば、高圧放電灯の電極の温度低下を電力抑制で抑制することができ、色変化の抑制効果を高めることができる。
【0184】
請求項記載の発明によれば、各素子に対するストレスを低減しつつ、調光範囲を拡大することが可能である。
【0186】
請求項記載の発明によれば、色温度の変化を低く抑えることが可能であり、調光範囲の拡大が可能となる。
【0187】
請求項記載の発明によれば、高圧放電灯の各色温度に応じて、よりストレスを低減しつつ、調光範囲の拡大を図ることが可能である。
【0188】
請求項8記載の発明によれば、色温度の一定化をより確実に図ることが可能である。
【0192】
請求項記載の発明の構成でも、色温度変化を抑え、調光範囲を広げることができる。
【0193】
請求項10記載の発明の構成でも、色温度変化を抑え、調光範囲を広げることができる。
【0194】
請求項11記載の発明によれば、ピーク値が正弦波のそれよりも上昇し、高圧放電灯の電極が陽極時にそれに衝突する電子のエネルギーが上昇するため、電極の温度が上昇し、高周波点灯による色変化の抑制効果をさらに高めることができる。
【0195】
請求項12記載の発明によれば、最冷点の位置が点灯位置が水平であるときよりも電極に近いために、高周波点灯による電極の温度上昇の影響をより強く受け、これにより、色変化の抑制効果がより大きくなる。
【0196】
請求項13記載の発明によれば、高圧放電灯周囲の電位が高圧放電灯の電極電位より高くなるため、光出力の低下や色の変化を抑制し、かつ、高周波点灯により調光時の色変化を好適に抑制することができる。
【0197】
請求項14記載の発明によれば、音響的共鳴現象の発生を抑制することができる。
【0198】
請求項15記載の発明によれば、調光点灯が可能となる。
【0199】
請求項16記載の発明によれば、安定点灯への移行時間を短縮し、色変化により人に不快感を与えないようにすることができる。
【0200】
請求項17記載の発明によれば、安定点灯への移行時間を短縮し、色変化により人に不快感を与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図2】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図3】少なくとも調光時に高圧放電灯を高周波で点灯する原理の説明図である。
【図4】高周波点灯による効果を示す図である。
【図5】点灯位置が垂直である場合の最冷点の位置を示す図である。
【図6】点灯位置が水平である場合の最冷点の位置を示す図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態の高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図8】本発明に係る第3実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図9】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図10】本発明に係る第4実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図11】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図12】本発明に係る第5実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図13】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図14】特定の放電灯の調光時の色温度変化を示す特性図である。
【図15】別の放電灯の調光時の色温度変化を示す特性図である。
【図16】別の放電灯の調光時の色温度変化を示す特性図である。
【図17】第5実施形態の高圧放電灯点灯装置の具体回路構成図である。
【図18】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図19】本発明に係る第6実施形態の高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図20】本発明に係る第7実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図21】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図22】本発明に係る第8実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図23】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図24】同高圧放電灯点灯装置の色温度変化の特性図である。
【図25】本発明に係る第9実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図26】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図27】本発明に係る第10実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図28】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図29】本発明に係る第11実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図30】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図31】本発明に係る第12実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図32】本発明に係る第13実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図33】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図34】調光率に対する色温度変化率について得た実験結果を示す図である。
【図35】本発明に係る第14実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図36】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図37】本発明に係る第15実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図38】同高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図39】同実施形態の制御に係る説明図である。
【図40】従来の高圧放電灯点灯装置のブロック図である。
【図41】同高圧放電灯点灯装置の具体回路図である。
【図42】図41中のイグナイタの構成図である。
【図43】同イグナイタの動作説明図である。
【図44】図41の高圧放電灯点灯装置の動作説明図である。
【図45】別の従来の高圧放電灯点灯装置のブロック図である。
【図46】同高圧放電灯点灯装置から高圧放電灯への出力波形図である。
【図47】放電灯の放電アークをストレートにするためのランプ電流の波形例を示す図である。
【図48】同ランプ電流を放電灯に供給するための従来の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図49】別の従来の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図50】同高圧放電灯点灯装置の点灯時の動作説明図である。
【図51】従来の調光機能を有する高圧放電灯点灯装置の具体回路図である。
【図52】ジスプロシウム−タリウム−ナトリウムが配合された高演色のメタルハライドランプの発光管温度に対する各封入物による圧力変化を示す図である。
【符号の説明】
1 整流器
2 電源部
3,3A 制御部
6 極性反転部
7 駆動部
8 イグナイタ
9,9A,9B,9C 調光器
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I 制御部
11 センサ
12 切替設定部
13 電力変換部
DL 高圧放電灯
DB ダイオードブリッジ
L1,L2,L3 インダクタンス
Q1〜Q6 スイッチング素子
D1,D2 ダイオード
C1〜C5 コンデンサ
PT パルストランス
SW1 スイッチング素子
R1 抵抗

Claims (17)

  1. 高圧放電灯と、電子点灯装置とを備え、この電子点灯装置は、直流電源と、少なくとも1つのスイッチング素子およびインダクタンス要素とにより構成され、前記直流電源からの電力を利用して全点灯用または調光用の電力を前記高圧放電灯に供給してこれを全点灯または調光点灯するものであり、少なくとも調光点灯時に前記高圧放電灯を、ある調光比に対して一定となる周波数の高周波で点灯する高圧放電灯点灯装置において、
    前記電子点灯装置は、全点灯時および調光比の低い側での調光時に前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯し、
    前記電子点灯装置に、前記高圧放電灯の光の色温度を計測する計測手段を設け、全点灯時の光の色温度により、前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯する範囲を可変とする
    ことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
  2. 前記高圧放電灯は、ナトリウム、タリウムおよび希土類のうち少なくともナトリウムを含むことを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
  3. 前記高圧放電灯の調光点灯の下限における色温度の変化幅が200K以下であることを特徴とする請求項1または2記載の高圧放電灯点灯装置。
  4. 前記電子点灯装置は、前記高圧放電灯に対する調光比が深くなるにつれ、その高圧放電灯に対する点灯周波数を高くしていくことを特徴とする請求項1乃至3記載の高圧放電灯点灯装置。
  5. 前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯する範囲は、調光率の下限が80%以上であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
  6. 前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯する調光率の範囲は、3500K、3000K、4300Kの定格色温度の順で下限値が大きくなることを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
  7. 前記調光率の範囲は、3500Kの定格色温度で60%以上、3000Kの定格色温度で65%以上、4300Kの定格色温度で80%以上であることを特徴とする請求項6記載の高圧放電灯点灯装置。
  8. 前記高圧放電灯を低周波矩形波で点灯する調光率の範囲は、調光時の色温度が全点灯時の色温度から所定量の変化内となる範囲であることを特徴とする請求項記載の高圧放電灯点灯装置。
  9. 前記電子点灯装置は、矩形波点灯と高周波点灯とを時分割的に切り替える機能を有し、調光比が深くなるにつれ、矩形波点灯に対する高周波点灯の割合と高周波点灯の周波数のうち、少なくとも一方を大きくすることを特徴とする請求項1乃至4記載の高圧放電灯点灯装置。
  10. 前記電子点灯装置は、矩形波点灯と高周波点灯とを時分割的に切り替える機能を有し、調光比が深くなるにつれ、矩形波点灯に対する高周波点灯の割合と高周波点灯の周波数のうち、所定の調光比まではいずれか一方を大きくした後にもう一方を大きくすることを特徴とする請求項1乃至4記載の高圧放電灯点灯装置。
  11. 前記電子点灯装置は、少なくとも調光時の高周波点灯時に、前記高圧放電灯に印加する電圧、電流の波高率を、1.4よりも大きくすることを特徴とする請求項1乃至10記載の高圧放電灯点灯装置。
  12. 前記高圧放電灯の点灯位置は垂直であることを特徴とする請求項1乃至11記載の高圧放電灯点灯装置。
  13. 前記電子点灯装置は、前記高圧放電灯をグランド電位以下で点灯することを特徴とする請求項1乃至12記載の高圧放電灯点灯装置。
  14. 前記高周波の点灯周波数は、実質的に前記高圧放電灯の音響的共鳴現象の発生する最高周波数以上であることを特徴とする請求項1乃至13記載の高圧放電灯点灯装置。
  15. 前記電子点灯装置は、前記直流電源の直流出力を可変にする機能を有するとともに、前記少なくとも1つのスイッチング素子およびインダクタンス要素によ り構成され、前記直流電源からの直流出力を交流出力に変換して前記高圧放電灯に供給する変換手段とを有し、調光時、前記直流電源の直流出力の電圧を低減することを特徴とする請求項1乃至14記載の高圧放電灯点灯装置。
  16. 前記電子点灯装置は、前記高圧放電灯の始動後の一定期間、前記高圧放電灯に供給する電力を、前記高圧放電灯の定格電力の2倍程度に大きくすることを特徴とする請求項1乃至15記載の高圧放電灯点灯装置。
  17. 前記電子点灯装置は、前記高圧放電灯の始動後の一定期間、前記高圧放電灯に供給する電流を、前記高圧放電灯の定格電流の6倍程度に大きくすることを特徴とする請求項1乃至15記載の高圧放電灯点灯装置
JP2002140222A 2001-05-25 2002-05-15 高圧放電灯点灯装置 Expired - Fee Related JP4135398B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002140222A JP4135398B2 (ja) 2001-05-25 2002-05-15 高圧放電灯点灯装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-157565 2001-05-25
JP2001157565 2001-05-25
JP2001365077 2001-11-29
JP2001-365077 2001-11-29
JP2002140222A JP4135398B2 (ja) 2001-05-25 2002-05-15 高圧放電灯点灯装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003229296A JP2003229296A (ja) 2003-08-15
JP4135398B2 true JP4135398B2 (ja) 2008-08-20

Family

ID=27761177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002140222A Expired - Fee Related JP4135398B2 (ja) 2001-05-25 2002-05-15 高圧放電灯点灯装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4135398B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7693289B2 (en) 2002-10-03 2010-04-06 Audio-Technica U.S., Inc. Method and apparatus for remote control of an audio source such as a wireless microphone system

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100521862C (zh) * 2002-12-20 2009-07-29 皇家飞利浦电子股份有限公司 双态hid运行
JP4494875B2 (ja) * 2004-06-10 2010-06-30 ハリソン東芝ライティング株式会社 放電灯点灯装置
US7667389B2 (en) 2004-12-06 2010-02-23 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting element, light emitting device, and electronic device
JP2009059645A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Harison Toshiba Lighting Corp 放電ランプ点灯装置
JP4666063B2 (ja) * 2008-11-21 2011-04-06 ウシオ電機株式会社 高圧放電ランプ点灯装置
JP6034312B2 (ja) * 2011-03-10 2016-11-30 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. ガス放電ランプを駆動する方法
JP5311296B2 (ja) * 2011-09-14 2013-10-09 岩崎電気株式会社 高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプ照明装置
US9971233B2 (en) 2015-03-17 2018-05-15 Seiko Epson Corporation Projector and method of controlling projector

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7693289B2 (en) 2002-10-03 2010-04-06 Audio-Technica U.S., Inc. Method and apparatus for remote control of an audio source such as a wireless microphone system

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003229296A (ja) 2003-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5193445B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置及び照明器具
US7015655B2 (en) Electronic ballast for a high intensity discharge lamp
US6975077B2 (en) High intensity discharge lamp ballast apparatus
US7023143B2 (en) Ballast apparatus and ballasting method of high intensity discharge lamp
US6005356A (en) Operating method and operating apparatus for a high pressure discharge lamp
EP1768468A2 (en) High intensity discharge lamp lighting device and illumination apparatus
CN101861037B (zh) 高压放电灯点灯装置
US6225754B1 (en) Operating method and operating apparatus for a high pressure discharge lamp
EP0825808B1 (en) Discharge lamp operating apparatus and method
JP4135398B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置
JP4023413B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置
GB2375444A (en) Improved lamp colour control for dimmed high intensity discharge lamps
JP3246407B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP3201981B2 (ja) 放電ランプ点灯装置及び方法
JP3189609B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP2006185663A (ja) 点灯装置
JP4406754B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP2010080137A (ja) 高圧放電灯点灯装置、照明器具
JP3189641B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP4096590B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置
KR101181142B1 (ko) 희가스 형광 램프 점등 장치
WO2004045257A1 (en) Improved lamp colour control for dimmed high intensity discharge lamps
JPH0745378A (ja) 放電灯点灯装置
KR20020030812A (ko) 고압 나트륨 램프 동작을 위한 방법 및 회로
JP2000113996A (ja) 放電ランプ点灯装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080313

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080513

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080526

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4135398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees