JP4134600B2 - ガス処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス処理装置に係り、特に、車両に搭載される内燃機関から排出される排気ガス中のNOx濃度を検出するうえで好適なガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平11−14593号公報に開示されるように、排気ガス中に含まれるNOx濃度を検出するための装置が知られている。上記従来の装置は、排気ガスが導かれるガス室を備えている。ガス室には、ガスの流れに対して直列に配置された2つの素子が配置されている。上流側の素子は、所定の電圧が印加されることにより、ガス室内部の酸素をポンピングして排出する機能を有している。この素子によれば、排気ガス中に含まれる酸素をガス室から排出して、その下流側に、酸素を含まない排気ガスを流通させることができる。
【0003】
ガス室に配置された下流側の素子は、排気ガス中に含まれるNOxを窒素と酸素に分解すると共に、ガス室内の酸素をポンピングして排出する機能を有している。ガス室内の酸素がポンピングされる際に、下流側の素子には、そのポンピング量に応じた電流が流通する。従って、その電流値を検出すれば、下流側の素子によりポンピングされている酸素量を検知することができる。
【0004】
上記従来の装置において、下流側の素子の周辺には、酸素を含まない排気ガスが到達する。従って、この素子がポンピングする酸素は、NOxの分解により生じた酸素だけである。このため、上記従来の装置によれば、下流側の素子を流れる電流を検知することで、ガス室中のNOx濃度、すなわち、排気ガス中のNOx濃度を検知することができる。以上説明した通り、上述した従来の装置によれば、酸素とNOxとが混在している排気ガスを対象として、その内部に含まれているNOx濃度を検出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の装置において、ガス室に配置される上流側の素子は、適切な電圧印加を受けている場合に限り、ガス室内に存在する酸素を適正に排出する。すなわち、その印加電圧が不足している場合は、ガス室中の酸素の一部がポンピングされずに残存し、下流側の素子の周辺に酸素を含むガスが到達する事態が生ずる。この場合、下流側の素子を流れる電流がNOx濃度に対応した値とならないため、NOx濃度を精度良く検出することができなくなる。
【0006】
一方、上流側の素子に印加される電圧が過剰である場合は、上流側の素子により排気ガス中のNOxが分解され、排気ガス中のNOxの一部が下流側の素子の周辺まで到達しない事態が生ずる。この場合も、下流側の素子を流れる電流が排気ガス中のNOx濃度に対応しない値となるため、NOx濃度を精度良く検出することができない。
【0007】
従って、上記従来の装置において、排気ガス中のNOx濃度を精度良く検出するためには、上流側の素子に対して、適正な電圧を印加することが必要である。しかしながら、そのような適正な電圧は、上流側の素子の経時変化に伴って変化する。このため、上記従来の装置においては、時間の経過と共に、上流側の素子に印加される電圧が適正な値でなくなり、その結果、NOxの検出精度が悪化するという事態が生じ得る。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、経時的な変化に影響されることなく、長期に渡って正常な機能を維持することのできるガス処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ガス処理装置であって、
処理対象のガスが導かれるガス処理室と、
所定の電圧印加を受けた場合に、前記ガス処理室から酸素を排出しながらその排出量に応じた電流を発するポンプセルと、
アイドル運転時に前記ポンプセルに対して所定の範囲に渡る検査電圧を印加する検査電圧印加手段と、
前記検査電圧に対応して前記ポンプセルを流れる検査電流を検出する検査電流検出手段と、
前記検査電圧の増加に対して、前記検査電流の値がほぼ一定の限界電流値に維持される最初の電圧領域を検出する電圧領域検出手段と、
前記最初の電圧領域に属する所定の電圧を最適印加電圧として特定する印加電圧特定手段と、
補正前最適印加電圧と空燃比との関係を記憶した記憶手段と、
アイドル時の空燃比に対応する値として前記記憶手段に記憶されている補正前最適印加電圧と前記最適印加電圧との差を最適印加電圧変化として算出する最適印加電圧変化算出手段と、
前記最適印加電圧変化に基づいて、前記記憶手段に記憶されている関係を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された関係に基づいて、排気空燃比に対応する最適印加電圧を特定し、その最適印加電圧を前記ポンプセルに印加する電圧印加手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、第の発明は、第1の発明において、
前記ポンプセルの下流において前記ガス処理室の内部に配置され、当該ガス処理室中のNOxを窒素と酸素に分解すると共に、当該ガス処理室から酸素を排出しながらその排出量に応じた出力を発するセンサセルと、
前記センサセルの出力を検出するセンサ出力検出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1であるガス濃度測定装置10の構成を説明するための図である。
図1に示すガス濃度測定装置10は、内燃機関の排気通路に配置され、内燃機関から排出される排気ガス中のNOx濃度を測定するための装置である。ガス濃度測定装置10は、ジルコニア層12,14および絶縁層16を備えている。2つのジルコニア層12および14の間には、ガス処理室18が設けられている。また、ジルコニア層12および14に隣接する位置には、それらの層によりガス処理室18から隔絶された大気室20,22が形成されている。
【0015】
ガス濃度測定装置10には、ガス処理室18に通じる拡散孔24が設けられている。拡散孔24は、処理対象のガス、すなわち排気ガスを導くための通路であり、拡散抵抗層26を介して内燃機関の排気通路に連通している。拡散抵抗層26は、排気通路内の排気ガスが拡散する速度を律するための多孔質物質である。上記の構成によれば、排気通路内の排気ガスは、拡散孔24および拡散抵抗層26により律せられた速度でガス処理室18の内部に拡散する。
【0016】
拡散孔24から流入した排気ガスは、所定の流通経路に沿ってガス処理室18の内部を進行する。この流通経路には、ポンプセル28が設けられている。ポンプセル28は、ジルコニア層12と、その両側に配置されたポンプ電極30および大気電極32とで構成されている。ポンプ電極30は、Pt-Au合金で構成された電極であり、ガス処理室18に露出するように設けられている。また、大気電極32は、Ptで構成された電極であり、大気室20に露出するように設けられている。
【0017】
ポンプセル28の下流には、センサセル34が設けられている。センサセル34は、ジルコニア層14と、その両側に配置されたセンサ電極36および大気電極38とで構成されている。センサ電極36は、Pt-Rh合金で構成された電極でありガス処理室18に露出するように設けられている。一方、大気電極38は、Ptで構成された電極であり大気室22に露出するように設けられている。
【0018】
ポンプセル28のポンプ電極30および大気電極32、並びにセンサセル34のセンサ電極36および大気電極38は、所定の活性温度に達すると、それぞれ排気ガス中の酸素をイオン化したり、排気ガス中のNOをNOに分解したり、或いは、排気ガス中のNOを窒素と酸素イオンとに分解したりする特性を発揮する。ガス濃度測定装置10は、それらの電極を活性温度に昇温させるために、絶縁層16の内部にヒータ40を備えている。
【0019】
本実施形態のガス濃度測定装置10は、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50は、ポンプセル28の駆動回路52を備えている。この駆動回路52には、ポンプ電極30と大気電極32との間に大気電極32からポンプ電極30へ向かう電圧を印加するための可変電源54、およびそれらの電極間を流れる電流を計測するための電流計56が含まれている。
【0020】
ECU50は、更に、センサセル34の駆動回路58を備えている。この駆動回路58には、センサ電極36と大気電極38との間に、大気電極38からセンサ電極36へ向かう電圧を印加するための電源60、およびそれらの電極間を流れる電流を検出するための電流計62が含まれている。
【0021】
次に、ガス濃度測定装置10の動作について説明する。
ポンプ電極30は、上述した活性温度に加熱されると、ガス処理室18中のNOをNOと酸素とに分解する特性を示す。このため、ポンプ電極30が活性温度に達した状態では、ポンプ電極30の周辺に、排気ガス中に元来含まれていた酸素と、NOの分解に伴って生じた酸素とが必然的に存在することになる。
【0022】
図2は、ポンプセル28の大気電極32とポンプ電極30との間に印加される電圧Viと、ポンプセル28を流通する電流(以下、「ポンプセル電流I」と称す)との関係を、排気ガスの空燃比をパラメータとして表した図である。図2において、A/F16、またはA/F18の符号と共に描かれている曲線は、それぞれ、排気空燃比(A/F)が16、または18である場合の電圧電流特性を示す。また、図2中にAirの記号と共に描かれている曲線は、被測定ガスが純粋な空気である場合の電圧電流特性を示す。
【0023】
ポンプセル28は、可変電源52により電圧が印加されると、ガス処理室18の内部に存在する酸素をポンピングして、大気室20に排出する特性を示す。この際、ポンプセル28には、排出される酸素の量に応じた電流が流通する。ポンプセル28は、排出すべき酸素がガス処理室18内に残存している限りは、印加電圧の増加と共に排出酸素量を増加させる。このため、図2に示すように、印加電圧が小さい領域では、ポンプセル電流Iと印加電圧Viとが比例的な関係を示す。
【0024】
ポンプ電極30が活性温度に達している場合、ガス処理室18の内部、特にポンプ電極30の周辺には、既述した通り、排気ガス中に元来含まれていた酸素と、NOがNOと酸素に分解されることにより生じた酸素とが存在している。従って、ポンプセル電流Iは、それらの酸素の量と、ポンプセル28による酸素の排出量とが均衡するまでは、印加電圧Viの増加に対して比例的な増加傾向を示す。
【0025】
換言すると、ポンプセル電流Iは、印加電圧Viが小さな値から増大させられた場合、電流Iがポンプ電極30周辺における酸素量に対応する値になるまでは比例的に増大し、その後、ほぼ一定の値に維持される。そして、ポンプセル電流Iが、その一定の値に維持されている状態は、ポンプ電極30の周辺に存在する全ての酸素がガス処理室18から大気室20へと排出されている状態である。以下、その際のポンプセル電流Iを「限界電流」と称す。図2に示すI16、I18およびIAirは、それぞれ、A/F=16、A/F=18、A/F=Airの場合に対応する限界電流である。
【0026】
本実施形態において、ポンプ電極30の周辺に存在する全ての酸素が排出される状態とは、ポンプ電極30の下流に、酸素を含まず、かつ、NOを含まない排気ガスが流通する状態である。従って、本実施形態のガス濃度測定装置10によれば、ポンプセル電流Iが限界電流となるような印加電圧Viをポンプセル28に印加することにより、酸素が除去され、かつ、NOxがNOに単ガス化されている排気ガスをセンサ電極34の周辺に流通させることができる。
【0027】
図2において、Vi1は、ポンプセル28に限界電流I18を流通させる最小の印加電圧である。また、Vi2は、ポンプセル28に限界電流I18を流通させる最大の印加電圧である。更に、Vi0は、ポンプセル28に安定して限界電流I18を流通させるうえで好適な印加電圧である。以下、このような印加電圧Vi1、Vi2およびVi0を、それぞれ「限界電流の開始電圧Vi1」、「限界電流の終了電圧Vi2」、および「最適印加電圧Vi0」と称す。尚、図2において、開始電圧Vi1、終了電圧Vi2および最適印加電圧Vi0は、排気空燃比A/Fが18である場合について例示されているが、以下の記載において、それらの用語は、排気空燃比A/Fが18でない場合についても共通して用いることとする。
【0028】
ポンプセル28に対する印加電圧Viが、限界電流の終了電圧Vi2を超える領域では、ポンプ電極30の活性が高まり、その周辺において、NOのみならず、NOも窒素と酸素に分解され始める。このようにしてNOが分解されると、ポンプ電極30により排出できる酸素量が増加する。このため、図2に示すように、印加電圧Viが限界電流の終了電圧Vi2を超える領域(図2におけるNO分解領域)では、限界電流に比して大きなポンプセル電流Iが発生する。
【0029】
ポンプセル28に対する印加電圧Viが、NO分解領域より更に大きな値になると、今度は、ジルコニア層12に含まれる酸素がポンピングされ始める。印加電圧Viがこのように大きな値となる場合は、図2に示すように、ポンプセル電流Iは、再び印加電圧Viに対して比例的な増加傾向を示す。
【0030】
本実施形態において、センサセル34が有するセンサ電極36は、ポンプセル28のポンプ電極30に比して高い活性力を有している。このため、センサ電極36は、活性温度に達すると、排気ガス中のNOを窒素と酸素に分解することができる。そして、センサセル34は、電源60による電圧印加の下では、ガス処理室18内の酸素をポンピングして大気室22へと排出する。この際、センサセル34が有する2つの電極36,38間には、酸素の排出量に応じた電流が流通する。
【0031】
既述した通り、ポンプセル28を流れる電流が限界電流である場合、つまり、ポンプセル28に対する印加電圧Viが、限界電流の開始電圧Vi1より大きく、かつ、限界電流の終了電圧Vi2より小さな値である場合は、センサセル34の周囲に、酸素を含まず、かつ、その中のNOxがNOに単ガス化されている排気ガスが流通する。この場合、センサセル34を流れる電流は、ガス処理室18中のNO濃度に応じた値、つまり、排気ガス中のNOx濃度に応じた値となる。このため、本実施形態のガス濃度測定装置10によれば、ポンプセル28に対する印加電圧Viを最適印加電圧Vi0に制御することにより、センサセル34を流れる電流に基づいて、排気ガス中のNOx濃度を精度良く検出することができる。
【0032】
最適印加電圧Vi0は、図2に示すように、排気空燃比A/Fに応じて変化させるべき値である。その値Vi0は、ポンプセル28の特性が変化しない限りは、排気空燃比A/Fに対して一義的に決定することができる。このため、このような前提の下では、例えば、最適印加電圧Vi0と排気空燃比A/Fとの関係を予め定めておき、かつ、排気空燃比A/Fを実測することにより、現実のA/Fに対応する適切な最適印加電圧Vi0を定めることが可能である。
【0033】
しかしながら、ポンプセル28の特性は経時的な変化を示し、限界電流の開始電圧Vi1と終了電圧Vi2とで挟まれた領域は、時間の経過と共に狭まる傾向を示す。このため、最適印加電圧Vi0と排気空燃比A/Fとについて初期の段階で定めていた関係は、時間の経過に伴って、現実のポンプセル28には当てはまらない関係となることがある。このような変化が生じた後に、初期の段階で定めた関係に基づいて最適印加電圧Vi0が決定されると、ポンプセル28がガス処理室18内の酸素の全て排出できない事態、或いは、ポンプセル28がNOのみならずNOをも分解してしまう事態が生ずる。この場合、センサセル34を流れる電流に基づいて精度良くNOx濃度を検出することはできない。
【0034】
本実施形態のガス濃度測定装置10は、このような検出精度の悪化を防ぐために、所定のタイミングで、ポンプセル28の電圧電流特性を適宜検出し、検出された最新の電圧電流特性に基づいて、経時変化後の現実の状況に対応した適正な最適印加電圧Vi0を決定することとしている。
【0035】
図3は、上記の機能を実現すべくECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。
図3に示すルーチンでは、先ず、内燃機関がアイドル状態であるか否かが判別される(ステップ100)。
ポンプセル28の電圧電流特性は、排気ガスの流量や、排気空燃比A/Fなどが安定している環境下で行う必要がある。内燃機関のアイドル運転時は、一般に排気ガス流量が安定しており、また、排気空燃比A/Fも所定の目標値(例えば18)に制御されている。このため、本実施形態では、内燃機関がアイドル状態である場合にのみポンプセル28の電圧電流特性を実測することとしている。
【0036】
図3に示すルーチンにおいて、上記ステップ100の条件が成立しないと判別された場合は、その後速やかに今回の処理が終了される。一方、上記の条件が成立すると判別された場合は、次に、ポンプセル28に対する印加電圧Viをスイープする処理が実行される(ステップ102)。
本ステップ102では、具体的には、0.1Vから0.8Vまで1mVの幅で印加電圧Viを変化させる処理が行われる。印加電圧の変更は、電圧電流特性の検出に要する時間との関係で、例えば4msec毎に行われる。印加電圧Viをスイープさせる際に、その変化の幅が不当に大きいと、ポンプセル電流には、印加電圧Viの変更時にパルス状のノイズが生ずる。本実施形態において採用した1mVの幅は、そのようなパルス状のノイズの発生を抑制する観点より定められた値である。但し、その変更幅は1mVに限定されるものではなく、最大で10mV程度までは変更幅として実用が可能である。
【0037】
図3に示すルーチンでは、次に、印加電圧Viのスイープに対応して発生したポンプセル電流Iの記憶処理が行われる(ステップ104)。
次いで、スイープされた印加電圧Viと、記憶されたポンプセル電流Iとの対応に基づいて、ポンプセル28の電圧電流特性(V-I特性)が作成される(ステップ106)。
【0038】
上記ステップ106の処理により、現実のポンプセル28の状態に応じた電圧電流特性が作成されると、その特性に基づいて、現在の排気空燃比A/F(例えば18)下での限界電流の開始電圧Vi1および終了電圧Vi2が検出される(ステップ108,110)。
【0039】
次いで、検出された開始電圧Vi1および終了電圧Vi2が以下の式に代入されて、アイドル時の排気空燃比A/Fに対応する最適印加電圧Vi0が算出される(ステップ112)。
Vi0=(m・Vi1+n・Vi2)/(m+n)
但し、mおよびnは適合値であり、本実施形態では、それぞれ、m=2,n=1に設定されている。
【0040】
上記ステップ112の処理によれば、最適印加電圧Vi0を、開始電圧Vi1と終了電圧Vi2とで挟まれた領域内の適当な値に決定することができる。このような最適印加電圧Vi0によれば、ポンプセル28の下流に、適正に酸素が除去され、かつ、適正にNOxがNOに単ガス化された排気ガスを流通させることができる。このため、図3に示すルーチンによれば、ポンプセル28の現実の電圧電流特性に基づいて、アイドル時の排気空燃比A/Fの下で高精度なNOx濃度検出を可能とする印加電圧Vi0を特定することができる。
【0041】
ポンプセル28に対する最適印加電圧Vi0は、既述の通り排気空燃比A/Fに応じて変化させる必要がある。ECU50には、当初、最適印加電圧Vi0とA/Fとの標準的な関係を定めたマップが記憶されている。以下、このマップ上に定められている最適印加電圧を「補正前最適印加電圧Vi0old」と称す。また、上記ステップ112の処理により特定された最適印加電圧Vi0(アイドル時のA/Fに対応するもの)を「最新最適印加電圧Vi0new」と称す。
【0042】
ECU50は、最新最適印加電圧Vi0newが特定されると、その後、上記のマップを参照して、アイドル時のA/F(例えば18)に対応する補正前最適印加電圧Vi0oldを読み出す。そして、両者の差を、経時変化に伴う最適印加電圧変化ΔVi0として算出する。ECU50は、このようにして算出された最適印加電圧変化ΔVi0を加減することで、上記のマップ上に定められている他の全ての補正前印加電圧Vi0oldを補正する。以後、ECU50は、このようにして補正されたマップを参照して、排気空燃比A/Fに対応する最適印加電圧Vi0を特定する。
【0043】
尚、排気空燃比A/Fは、例えば、内燃機関の排気通路に空燃比センサを配置して、そのセンサにより検出することができる。また、ポンプセル28を流れる限界電流は、図2に示すように排気空燃比A/Fに対応していることから、排気空燃比A/Fは、ポンプセル28を流れる限界電流に基づいて検出することとしてもよい。
【0044】
ところで、上述した実施の形態1においては、ポンプセル28を、NOx濃度を検出するためのガス濃度検出装置10の構成要素として用いることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ポンプセル28は、処理対象のガスに含まれる酸素を除去する装置として使用されれば良く、必ずしもセンサセル34と組み合わせて用いる必要はない。
【0045】
また、上述した実施の形態1においては、ポンプセル28に対して、排気ガス中の酸素をポンピングする機能と、排気ガス中のNOをNO化させる機能とを付与することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ポンプセル28は、NOをNOに分解する機能を有しないものであり、処理対象のガス中から酸素を排出する機能のみを有するものであってもよい。
【0046】
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ112の処理により決定された最適印加電圧をポンプセル28に印加することにより前記請求項1記載の「電圧印加手段」が実現されている。
【0047】
また、上述した実施の形態1においては、電流計62が前記請求項記載の「センサ出力検出手段」に相当している。
【0048】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記請求項1記載の「検査電圧印加手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記請求項1記載の「検査電流検出手段」が、それぞれ実現されている。
【0049】
更に、上述した実施の形態1においては、限界電流の開始電圧Vi1と終了電圧Vi2とで挟まれた領域が前記請求項記載の「最初の電圧領域」に相当すると共に、ECU50が、上記ステップ108および110の処理を実行することにより前記請求項記載の「電圧領域検出手段」が、上記ステップ112の処理を実行することにより前記請求項記載の「印加電圧特定手段」が、それぞれ実現されている。
【0050】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明によれば、現実に検出されたポンプセルの出力特性に基づいて、ポンプセルに酸素を除去させるうえでの最適印加電圧を決定することができる。このため、本発明によれば、ポンプセルの経時変化に関わらず、常に、処理対象のガス中の酸素をポンプセルに適正に除去させることができる。また、この発明によれば、ポンプセルの電圧電流特性を、出力特性として検出することができる。ポンプセルの電圧電流特性には、ポンプセルによる酸素の排出状態が反映される。このため、本発明によれば、ポンプセルに適正に酸素を排出させるための最適印加電圧を精度良く決定することができる。また、この発明によれば、検査電流が限界電流値に維持される電圧領域の中で最適印加電圧を決定することができる。この電圧領域は、処理対象のガス中に必然的に存在する酸素の全てが排出され、かつ、ガス中に残しておくべき酸素含有分子を分解させない電圧の集合である。このため、本発明によれば、処理対象のガス中に必然的に存在する酸素だけを、かつ、その全てを排出させることのできる最適な印加電圧を決定することができる。
【0051】
の発明によれば、ポンプセルの下流に配置したセンサセルにより、処理対象のガス中のNOx濃度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のガス濃度測定装置の構成を説明するための図である。
【図2】 実施の形態1の装置が備えるポンプセルの電圧電流特性を説明するための図である。
【図3】 実施の形態1の装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【符号の説明】
10 ガス濃度測定装置
12,14 ジルコニア層
16 絶縁層
18 ガス処理室
20,22 大気室
28 ポンプセル
30 ポンプ電極
32,38 大気電極
34 センサセル
36 センサ電極
54 可変電源
56,62 電流計

Claims (2)

  1. 処理対象のガスが導かれるガス処理室と、
    所定の電圧印加を受けた場合に、前記ガス処理室から酸素を排出しながらその排出量に応じた電流を発するポンプセルと、
    アイドル運転時に前記ポンプセルに対して所定の範囲に渡る検査電圧を印加する検査電圧印加手段と、
    前記検査電圧に対応して前記ポンプセルを流れる検査電流を検出する検査電流検出手段と、
    前記検査電圧の増加に対して、前記検査電流の値がほぼ一定の限界電流値に維持される最初の電圧領域を検出する電圧領域検出手段と、
    前記最初の電圧領域に属する所定の電圧を最適印加電圧として特定する印加電圧特定手段と、
    補正前最適印加電圧と空燃比との関係を記憶した記憶手段と、
    アイドル時の空燃比に対応する値として前記記憶手段に記憶されている補正前最適印加電圧と前記最適印加電圧との差を最適印加電圧変化として算出する最適印加電圧変化算出手段と、
    前記最適印加電圧変化に基づいて、前記記憶手段に記憶されている関係を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された関係に基づいて、排気空燃比に対応する最適印加電圧を特定し、その最適印加電圧を前記ポンプセルに印加する電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とするガス処理装置。
  2. 前記ポンプセルの下流において前記ガス処理室の内部に配置され、当該ガス処理室中のNOxを窒素と酸素に分解すると共に、当該ガス処理室から酸素を排出しながらその排出量に応じた出力を発するセンサセルと、
    前記センサセルの出力を検出するセンサ出力検出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のガス処理装置。
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