JP4133594B2 - 保水性舗装構造及びその施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保水性舗装構造及びその施工方法に関するものである。
【0002】
真夏の炎天下におけるアスファルト舗装の路面温度は、アスファルトの色調が黒であるため太陽光を吸収しやすく、60℃以上に上昇することもある。特に舗装比率の高い市街地では、このような路面温度の上昇に起因して、市街地全体が高温となるヒートアイランド現象が問題となっている。
【0003】
そこで、降雨時における雨水を保水する保水機能を有し、晴天時に保水された水が蒸発することにより路面温度の上昇を抑制する種々の保水性舗装が提案されている。例えば、本願出願人による「シルト系充填材を充填した路面温度の上昇抑制機能を備える舗装体の有孔表層」(特許文献1参照)が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特許第3156151号公報(第3−14頁、第1−3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、保水性を有するシルト系充填材(保水性グラウト)が充填された有孔表層の下部に、砕石路盤材料や透水性アスファルト混合物からなる水分貯溜層を設け、さらにこの水分貯留層に水を給水する給水用配管を配設した技術であるが、晴天時等の温度上昇時に、水分貯留層からシルト系充填材に水を好適に供給できにくく保水性を持続できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、保水機能を好適に持続可能な保水性舗装構造及びその施工方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、内部に連続空隙を有する開粒度混合物層と、前記連続空隙の上部に層状で充填された保水性を有する保水性グラウトと、当該保水性グラウトの下方に連続した状態で、前記連続空隙の下部の少なくとも一部に充填された保水性及び透水性を有する給水材料と、前記給水材料に水を供給する給水手段を備え、前記給水材料を介して前記保水性グラウトに水が供給可能であることを特徴とする保水性舗装構造である。
【0008】
ここで、開粒度混合物層は、内部に連続空隙を有すれば、混合物の種類、態様は特に限定されず、例えば、開粒度アスファルト混合物層、開粒度コンクリート混合物層、開粒度樹脂混合物層等が挙げられる。
また、開粒度混合物層が、開粒度アスファルト混合物層である場合、骨材、アスファルトバインダ量等の配合比、空隙率、密度等はどのようであってもよい。また、開粒度アスファルト混合物層は、一回で施工されたものであってよいし、複数回で施工されたものであってもよい。さらに、複数回で施工された開粒度アスファルト混合物層の場合、この開粒度アスファルト混合物層を形成する各開粒度アスファルト混合物の種類は異なってもよい。
【0009】
このような保水性舗装構造によれば、給水手段から給水材料に水を適宜供給することにより、水は給水材料に吸水されると共に、給水材料の内部を通水し保水される。給水材料は、保水性グラウトに連続して充填されていることにより、蒸発により保水性グラウトに保水された水が減少した場合には、給水材料に保水された水が、保水性グラウトに移動する。したがって、保水性グラウトには水が連続的に保水され、保水機能は好適に持続可能となり、保水性グラウトに保水された水が蒸発するときに奏する温度上昇抑制効果を持続させることができる。
【0010】
また、本発明は、内部に連続空隙を有する開粒度混合物層の表面から、乾燥状態の給水材料を充填させる給水材料充填工程を備えたことを特徴とする保水性舗装構造の施工方法である。
【0011】
このような保水性舗装構造の施工方法によれば、乾燥状態の給水材料を開粒度混合物層の表面から充填させるため、開粒度混合物層の連続空隙の下部から、給水材料を充填させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照して、詳細に説明する。参照する図面において、図1は、本実施形態に係る保水性舗装構造を模式的に示す側断面図である。図2は、本実施形態に係る保水性舗装構造における水の移動状況を模式的に示す側断面図である。図3は、本実施形態に係る保水性舗装構造について、時間と路面温度の関係を示したグラフである。図4は、本実施形態に係る保水性舗装構造を基層と表層に分けて施工する施工方法を示す側断面図である。
【0013】
図1に示すように、保水性舗装構造1は、路盤51の上に積層した密粒度アスファルト混合物からなる遮水層52の上に構築されており、母体となる開粒度アスファルト混合物層5(開粒度混合物層)と、開粒度アスファルト混合物層5の連続空隙6(図4参照)の上部に層状に充填され固化した固化状態の保水性グラウト7と、保水性グラウト7の直下に連続すると共に連続空隙6の下部に層状で充填され固化した固化状態のドライモルタル8(給水材料)と、ドライモルタル8に水を供給する給水パイプ15(給水手段)を備えて構成されており、給水パイプ15が接続された給水池等の給水設備(図示しない)から、ドライモルタル8を介して保水性グラウト7に、水を適宜供給可能となっている。
【0014】
ここで、本実施形態に係る開粒度アスファルト混合物層5は、後記するように、基層と表層の2回に分けて施工されたものであり(図4参照)、基層開粒度アスファルト混合物層5aと表層開粒度アスファルト混合物層5bとが、界面に散布されたアスファルト乳剤により一体化して形成されたものである。したがって、連続空隙6は、基層開粒度アスファルト混合物層5aの連続空隙6aと、表層開粒度アスファルト混合物層5bの連続空隙6bとの和で形成されることとなる。なお、基層開粒度アスファルト混合物層5a及び表層開粒度アスファルト混合物層5bの厚さは、施工箇所に応じて適宜変更してよい。
【0015】
また、ドライモルタル8は、本実施形態では、連続空隙6aの下方より、基層開粒度アスファルト混合物層5aの施工厚さの略中間高さ位置まで充填されている。この層状のドライモルタル8の上面に連続して、すなわち、ドライモルタル8が充填されていない連続空隙6aの部分と連続空隙6bに保水性グラウト7は充填されている。よって、図1に示すように、本実施形態に係る保水性舗装構造1は、見かけ上、保水性グラウト7が充填された保水層とその直下でドライモルタル8が充填された給水層とを備えた二層式構造となっている。なお、保水性グラウト7及びドライモルタル8充填高さは、施工箇所の横断・縦断勾配、開粒度アスファルト混合物層5の施工厚さ、気候などに応じて適宜変更してよい。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0016】
開粒度アスファルト混合物層5は、骨格となる粗骨材、細骨材及び石粉(以下、「骨材」とする)と、これらを結合したアスファルトバインダを含んで形成されている。骨材の配合及び合成粒度、アスファルトバインダの添加量は、締め固め後の開粒度アスファルト混合物層5が、内部に連続する連続空隙6及び施工箇所に応じた耐流動性等を有すれば、どのような配合であってもよい。
【0017】
骨材の合成粒度は、例えば、使用する骨材の最大粒径が13mm(つまり、使用する最大粒径の骨材が6号砕石)の場合、表1に示す粒度範囲であると設定空隙率が15〜35%となり、保水性グラウト7及びドライモルタル8を十分に充填可能となるので好ましい。
【0018】
【表1】
Figure 0004133594
【0019】
アスファルトバインダは、水に対する剥離抵抗性等を考慮し、アミン等の剥離防止剤が添加された高粘度改質アスファルトバインダであることが好ましい。
【0020】
保水性グラウト7は、透水性及び保水性を有し、前記した本願出願人による特許第3156151号公報(特許文献1)に記載された「シルト系充填材」と同義である。すなわち、保水性グラウト7は、シルト系粉末、セメント系固化材、水、添加剤として減水剤または凝結遅延剤を所定配合で混合し、硬化・乾燥させたものであり、多数の保水可能な微細空隙(図示しない)を有している。
【0021】
ここで、シルト系粉末とは、岩石を集塵したものである。
また、セメント系固化材としては、超速硬性セメント、普通ポルトランドセメント、超早強セメント、早強セメント、高炉セメント等から、施工条件等を考慮し適宜選択して使用してよい。
さらに、添加剤について、減水剤としては、カルボン酸系またはメラニン系等の減水剤が適しており、凝結遅延剤としては、SBR系、アクリル系、酢酸ビニル系のポリマーエマルジョンが好適に使用可能である。
【0022】
固化状態のドライモルタル8は、天然砂、人工砂、珪砂等の砂と、粉末ポリマー、セメント系材料等の粉末状の結合材とが、所定配合で混合され、連続空隙6に充填後、固化、乾燥したものであり、多数の微細空隙及び微細隙間(図示しない)を有し、透水性と吸水性を具えている。したがって、給水パイプ15から供給された水は、ドライモルタル8に吸水され、保水されると共に、ドライモルタル8が充填された給水層内部を移動自在となっている。
また、固化状態のドライモルタル8は、砂が結合材により結合した骨格構造を具えると共に、開粒度アスファルト混合物層5に固着している。結合材の添加量は、砂の質量に対して、2〜10質量%であることが好ましい。このような結合材の添加量であると、固化したドライモルタル8は、開粒度アスファルト混合物層5に対して、十分な固着力を有することになり、給水パイプ15からの給水にともなう水流により、ドライモルタル8が保水性舗装構造1の外部に流出することを防止できる。
【0023】
給水パイプ15は、壁体に所定間隔で給水孔(図示しない)を有しており、開粒度アスファルト混合物層5中の底部に沿って所定位置に埋設されている。また、給水パイプ15は、流量調節バルブ等を介して、外部の給水池等の給水設備(図示しない)に接続しており、ドライモルタル8に水を適宜供給可能となっている。
給水パイプ15としては、有孔塩ビ管、多孔質パイプ、ビニールホース等から適宜選択して使用可能であり、さらにスパイラルドレンパイプ等を使用して、給水パイプ15を保護してもよい。
【0024】
次に、保水性舗装構造1における水の移動状況について、図2を参照して説明する。
外部の給水設備から給水パイプ15に水が供給されると、この水はドライモルタル8を含む給水層に吸水されるとともに、その内部全域に亘って通水する(図2に示す矢印A1)。
そして、給水層の全域に亘った水は、保水性グラウト7内に十分に水が保水されていない場合、毛細管現象により、保水性グラウト7とドライモルタル8との界面を越えて、保水性グラウト7に吸水され(図2に示す矢印A2)、保水層の全域に亘って保水される(図2に示す矢印A3)。
そして、晴天等により外気温が上昇し、保水性舗装構造1が高温になると、表面から保水層に保水された水が蒸発する(図2に示す矢印A4)とともに、水の気化潜熱が保水性舗装構造1及び外気中から奪われるため、保水性舗装構造1の路面温度の上昇は抑制される。
【0025】
したがって、図3に示すように、本実施形態に係る保水性舗装構造1(図3において「給水付保水性(給水・有)」と示す)によれば、外気温等を考慮し適宜な間隔で、ドライモルタル8に給水することにより、保水性を有しない密粒度舗装構造(「密粒度」)、散水しない保水性舗装構造(「保水性(散水・無)」)、適宜な間隔で路面に散水し水を供給する保水性舗装構造(「保水性(散水・有)」)に比して、路面温度の上昇を抑制することが可能である。特に、本実施形態に係る舗装構造1は、舗装構造の内部から水を供給するため、路面から散水する保水性舗装(「保水性(散水・有)」)と比して、路面温度の上昇を抑制可能である。
なお、図3に示すデータは、各舗装構造を0.9m×0.9mのブロックに分割して路面温度の経時変化を測定したものであり、そのうち、給水または散水する舗装構造については、前記ブロックに7、10、13及び16時に、5Lの水を供給してすること条件として得られたデータである。また、図3に示す「気温」は外気温、「土」は土を樹脂等で固化した土系の舗装構造を示す。
【0026】
(保水性舗装構造の施工方法)
続いて、保水性舗装構造1を基層と表層に分けて施工する施工方法について、図4を参照して説明する。
保水性舗装構造の施工方法は、基層開粒度アスファルト混合物層5aを構築する基層開粒度アスファルト混合物層構築工程と、基層開粒度アスファルト混合物層5aの表面から、連続空隙6へ乾燥状態のドライモルタル8(給水材料)を充填するドライモルタル充填工程(給水材料充填工程)と、基層開粒度アスファルト混合物層5aの表面にアスファルト乳剤を散布するアスファルト乳剤散布工程と、基層開粒度アスファルト混合物層5aの上に表層開粒度アスファルト混合物層5bを構築する表層開粒度アスファルト混合物層構築工程と、表層開粒度アスファルト混合物層5bの表面から流動性を有する液状の保水性グラウト7を注入する保水性グラウト注入工程を備えて構成されている。
【0027】
(基層開粒度アスファルト混合物層構築工程)
図4(a)に示すように、遮水層52上に、例えば路肩に沿って給水パイプ15を配置した後、その上からアスファルトフィニッシャ等を使用して、所定配合の基層開粒度アスファルト混合物を敷き均し、ロードローラ、振動ローラ、タイヤローラ、振動プレート、タンパ等(以下、「締め固め機械」と総称する)で締め固め、所定密度、所定厚さ、所定空隙率の基層開粒度アスファルト混合物層5aを構築する。
また、遮水層52及び路肩等の周囲部が十分な遮水性を有さない場合には、基層開粒度アスファルト混合物を敷き均す前に、高濃度のゴム入りアスファルト乳剤を散布する等の止水処理を施すことが好ましい。
【0028】
(ドライモルタル充填工程)
そして、図4(b)に示すように、基層開粒度アスファルト混合物層5aの表面から、ドライモルタル8を適宜な手段(例えば、角型スコップなど)で散布し、レーキ21で敷き均す。その後、振動プレート22、振動ローラ(図示しない)等の振動付与手段により、基層開粒度アスファルト混合物層5aに振動を与え、ドライモルタル8を、基層開粒度アスファルト混合物層5aの連続空隙6aに下部から充填する。
ドライモルタル8の充填量は、施工箇所の横断勾配、縦断勾配等に応じて、適宜変更してよい。ただし、ドライモルタル8の充填量は、連続空隙6aの容積よりやや少なく、充填後に基層の表面に基層開粒度アスファルト混合物層5aが露出し、凹凸が形成され、後記するアスファルト乳剤が基層開粒度アスファルト混合物層5aのみに付着するようにすることが好ましい。
このように基層開粒度アスファルト混合物層5aを構築した後、すなわち、表層開粒度アスファルト混合物層5bを構築する前に、乾燥状態のドライモルタル8を散布・充填することにより、基層開粒度アスファルト混合物層5aの連続空隙6aの下部からドライモルタル8を隙間なく充填しやすくなる。
【0029】
その後、乾燥状態のドライモルタル8が充填された基層開粒度アスファルト混合物層5aの表面に、所定量の水を散水し、この水を乾燥状態のドライモルタル8に吸水させる。乾燥状態のドライモルタル8が吸水すると、ドライモルタル8に含まれた結合材が硬化する。そうすると、ドライモルタル8は、主に砂からなる骨格構造が形成され固化して固化状態になると共に、基層開粒度アスファルト混合物層5aに固着する。したがって、給水パイプ15よりの給水に伴う水流により、基層開粒度アスファルト混合物層5aに固着したドライモルタル8が、流出することを防止することができる。
【0030】
(アスファルト乳剤散布工程)
その後、図4(c)に示すように、基層開粒度アスファルト混合物層5aの表面に乳剤を散布する。アスファルト乳剤を散布するとき、ローラ刷毛23を使用したり、その他ディストリビュータ(図示しない)の散布量を減少させ複数回で散布したり、エンジンスプレーヤ(図示しない)の噴霧ノズルの吐出口を霧状で噴霧可能に変更したりして、基層開粒度アスファルト混合物層5aの上部の連続空隙6aにアスファルト乳剤が侵入せず、基層開粒度アスファルト混合物層5aの表面の骨材のみにアスファルト乳剤が散布され、アスファルト被膜を形成することが好ましい。
このように基層開粒度アスファルト混合物層5aの連続空隙6aにアスファルト乳剤が侵入しないようにすると、先に充填したドライモルタル8の表面にアスファルト乳剤が付着してアスファルト被膜を形成しない。したがって、ドライモルタル8は、この後充填する保水性グラウト7と、アスファルト被膜等の不透水層を介さず連続的に接触可能となる。すなわち、ドライモルタル8と保水性グラウト7が連続的に接触すると、ドライモルタル8と保水性グラウト7の間で、水は移動自在となる。
【0031】
(表層開粒度アスファルト混合物層構築工程)
散布したアスファルト乳剤を所定時間養生した後、アスファルトフィニッシャ等で、所定配合の表層開粒度アスファルト混合物を敷き均し、基層開粒度アスファルト混合物層5aと同様に締め固め機械で、所定密度となるように締め固めて、表層開粒度アスファルト混合物層5bを構築する(図4(d)参照)。
【0032】
(保水性グラウト注入工程)
その後、図4(e)に示すように、表層開粒度アスファルト混合物層5bの表面から、基層開粒度アスファルト混合物層5a及び表層開粒度アスファルト混合物層5bの連続空隙6に、流動性を有する液状の保水性グラウト7を注入する。保水性グラウト7を注入する際には、保水性グラウト7が貯留されたグラウトタンク(図示しない)から保水性グラウト7が逐次供給されると共に、所定量の保水グラウト7を貯留しながら(例えば、注入ホッパ24内の保水性グラウト7の水頭高さを保持する)、下部の吐出孔(図示しない)から保水性グラウト7を吐出し、保水性グラウト7を注入する保水性グラウト注入ホッパ24(以下「注入ホッパ」と略称する)を使用する。このような注入ホッパ24を使用することにより、簡易な構成で、保水性グラウト7の注入速度が一定速度となり、良好に保水性グラウト7を注入可能となる。
また、保水性グラウト7を注入しながら、振動ローラ等で振動を開粒度アスファルト混合物層5に付与すると、連続空隙6に隙間を形成せずに保水性グラウト7は充填されるので好ましい。
【0033】
保水性グラウト7を注入後、所定時間養生した後、保水性グラウト7は固化状態となり、本実施形態に係る保水性舗装構造1が構築される(図4(f)参照)。
【0034】
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0035】
前記した実施形態では、母体となる開粒度アスファルト混合物層5を基層開粒度アスファルト混合物層5aと表層開粒度アスファルト混合物層5bに分けて、別々に敷き均し構築した後、一体化させ形成したが、その他に例えば、施工厚を確保できない現場等の場合には、別々に分けず、開粒度アスファルト混合物層を構築した後、その表面からドライモルタル8、保水性グラウト7の順に充填して、保水性舗装構造1を構築してもよい。
【0036】
前記した実施形態では、新規に開粒度アスファルト混合物層を構築した後、ドライモルタル8を充填するとしたが、既存の開粒度アスファルト混合物層について、連続空隙に堆積した埃・塵などを水、空気で清掃する空隙清掃処理等を適宜行った後に、ドライモルタル8、保水性グラウト7を充填して、保水性舗装構造1を構築してもよい。
【0037】
前記した実施形態では、給水手段として給水パイプ15を埋設したが、その他に例えば、遮水層15の表面に、通水可能な溝部を設けてもよい。
【0038】
前記した実施形態では、図1に示すように、保水性グラウト7の下方に、層状でドライモルタル8(吸水材料)が充填され、保水層と給水層とが二層状で形成された保水性保水性舗装構造1としたが、ドライモルタル8(給水材料)は層状でなく、保水性グラウトの下方で部分的に充填されていてもよい。すなわち、例えば、遮水層に15に溝部が形成されており、その溝部及び遮水層15の上面に、開粒度アスファルト混合物層が一体的に施工・構築されており、溝部にドライモルタルが充填されていてもよい。つまり、本発明における開粒度アスファルト混合物層(開粒度混合物層)は、このように下部に突出した部分を有していてもよい。
【0039】
前記した実施形態では、乾燥状態のドライモルタル8を充填後に散水し固化させるとしたが、散水を行わず、乾燥状態のドライモルタル8が、その後充填する液状の保水性グラウト7に含まれる水を吸収することにより固化するとしてもよい。
【0040】
前記した実施形態では、開粒度混合物層は、開粒度アスファルト混合物が締め固められた開粒度アスファルト混合物層としたが、その他に例えば、開粒度コンクリート混合物層(ポーラスコンクリート)や、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂をバインダとして形成された開粒度樹脂混合物層であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、保水機能を好適に持続可能な保水性舗装構造及びその施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る保水性舗装構造を模式的に示す側断面図である。
【図2】本実施形態に係る保水性舗装構造における水の移動状況を模式的に示す側断面図である。
【図3】本実施形態に係る保水性舗装構造について、時間と路面温度の関係を示すグラフである。
【図4】(a)〜(f)ともに、本実施形態に係る保水性舗装構造を基層と表層に分けて施工する施工方法を模式的に示す側断面図である。
【符号の説明】
1 保水性舗装構造
5 開粒度アスファルト混合物層(開粒度混合物層)
5a 基層開粒度アスファルト混合物層
5b 表層開粒度アスファルト混合物層
6、6a、6b 連続空隙
7 保水性グラウト
8 ドライモルタル(給水材料)
15 給水パイプ(給水手段)
21 レーキ
22 振動プレート
23 ローラ刷毛
24 注入ホッパ

Claims (3)

  1. 内部に連続空隙を有する開粒度混合物層と、
    前記連続空隙の上部に層状で充填された保水性を有する保水性グラウトと、
    前記保水性グラウトに水を供給するため、前記保水性グラウトの下方に連続した状態で前記連続空隙の下部の少なくとも一部に充填され、結合材により砂が空隙及び隙間を形成しつつ結合することで構成され、保水性及び透水性を有すると共に水が移動自在である給水材料と、
    前記給水材料に水を供給する給水手段を備え、
    前記給水手段から前記給水材料を介して前記保水性グラウトに水が供給可能であることを特徴とする保水性舗装構造。
  2. 内部に連続空隙を有する開粒度混合物層と、
    前記連続空隙の上部に層状で充填された保水性を有する保水性グラウトと、
    前記保水性グラウトに水を供給するため、前記保水性グラウトの下方に連続した状態で前記連続空隙の下部の少なくとも一部に充填され、結合材により砂が空隙及び隙間を形成しつつ結合することで構成され、保水性及び透水性を有すると共に水が移動自在である給水材料と、
    前記給水材料に水を供給する給水パイプを備え、
    前記給水パイプから前記給水材料を介して前記保水性グラウトに水が供給可能である保水性舗装構造の施工方法であって、
    所定に配置された給水パイプの上に、前記開粒度混合物層を構築する開粒度混合物層構築工程と、
    前記開粒度混合物層の表面から、乾燥状態の給水材料を充填させる給水材料充填工程と、
    前記開粒度混合物層の表面から、保水性グラウトを充填する保水性グラウト充填工程と、
    を備えたことを特徴とする保水性舗装構造の施工方法。
  3. 基層開粒度混合物層及び表層開粒度混合物層を備え、内部に連続空隙を有する開粒度混合物層と、
    前記連続空隙の上部に層状で充填された保水性を有する保水性グラウトと、
    前記保水性グラウトに水を供給するため、前記保水性グラウトの下方に連続した状態で前記連続空隙の下部の少なくとも一部に充填され、結合材により砂が空隙及び隙間を形成しつつ結合することで構成され、保水性及び透水性を有すると共に水が移動自在である給水材料と、
    前記給水材料に水を供給する給水パイプを備え、
    前記給水パイプから前記給水材料を介して前記保水性グラウトに水が供給可能である保水性舗装構造の施工方法であって、
    所定に配置された給水パイプの上に、前記基層開粒度混合物層を構築する基層開粒度混合物層構築工程と、
    前記基層開粒度混合物層の表面から、乾燥状態の給水材料を充填させる給水材料充填工程と、
    前記基層開粒度混合物層の上に、前記表層開粒度混合物層を構築する表層開粒度混合物層構築工程と、
    前記開粒度混合物層の表面から、保水性グラウトを充填する保水性グラウト充填工程と、
    を備えたことを特徴とする保水性舗装構造の施工方法。
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