JP4132219B2 - Piston member and manufacturing method thereof - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車用自動変速機の変速切換装置のクラッチの切換作動させるためのピストン部材及びその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、この種のピストン部材は、例えば、自動車用自動変速機の変速切換装置のクラッチの切換作動させるためのピストン部材として適用されている。
【０００３】
図３は自動車等に用いられる従来の自動変速機の動力接続部（クラッチ部）１００の要部を示す概略構成図である。
【０００４】
図において、スリーブ１０１は、内燃機関側からの駆動力が伝達される入力側軸（不図示）に装着される。
【０００５】
スリーブ１０１には、有底円筒形状を呈したハウジング１０２の径方向部１０２ａの内端が固定されている。
【０００６】
ハウジング１０２の軸方向部１０２ｂの内周には径方向部１０２ａ側より、ピストン部材となる圧力プレート１０３、キャンセルプレート１０４、多板クラッチ１０５が配置されている。
【０００７】
圧力プレート１０３は、スリーブ１０１の外周とハウジング１０２の軸方向部１０２ｂの内周との間の環状穴に嵌め込まれ、その環状領域ＫＲを密封分割しながら軸方向に摺動自在となる構成となっている。
【０００８】
従って、圧力プレート１０３には、内径端部１０３ａの内側にスリーブ１０１の外周に当接して摺動可能にシールするオイルシールＯ１が配置され、外径端部１０３ｂの外側にハウジング１０２の軸方向部１０２ｂの内周に当接して摺動可能にシールするオイルシールＯ２が配置される。
【０００９】
キャンセルプレート１０４は、圧力プレート１０３と対向して配置され、スリーブ１０１に係止されるストッパ部材１０６により、軸方向の移動が規制されている。
【００１０】
圧力プレート１０３とキャンセルプレート１０４との間には、スプリング１０７が介在し、圧力プレート１０３を多板クラッチ１０５とは反対方向に押し戻すように付勢している。
【００１１】
多板クラッチ１０５は、複数枚数のクラッチ板により構成され、圧力室ＡＲに導入される制御油圧により圧力プレート１０３が移動することにより、圧力プレート１０３の外径端部１０３ｃに押圧されてクラッチ板が圧着し、駆動力の伝達がなされる。
【００１２】
このように、図３に示した構成においては、圧力プレート１０３をアルミの切削加工により形成して、この圧力プレート１０３と２つのオイルシールＯ１，Ｏ２によってピストン機能を発揮させていた。
【００１３】
ここで、近年、構成や加工の簡略化等を目的として、図４に示したように金属環（上述の圧力プレートに相当）をプレス成形によって形成し、その金属環にゴムリップ（上述のオイルシールに相当）を焼きつけたものが使用されている。
【００１４】
図４は従来技術に係るピストン部材の概略構成図である。
【００１５】
図４に示したように、プレス成形によって形成した金属環１１０にゴムリップ１２０を焼き付けることによって、ピストン部材を構成させている。
【００１６】
金属環１１０は、図に示したように、プレス成形によって、概略、軸方向に延びる円筒部１１０ａと、円筒部１１０ａの軸方向端部の端面部１１０ｂと、環状領域ＫＲを密封分割する外周側径方向壁面部１１０ｃと、内周側径方向壁面部１１０ｄと、が形成される。
【００１７】
ここで、円筒部１１０ａはハウジング内周（上述の図３に示した構成におけるハウジング１０２の軸方向部１０２ｂの内周に相当）との摺動部として機能するものであり、端面部１１０ｂはクラッチ板を押圧する機能を有し、外周側径方向壁面部１１０ｃと内周側径方向壁面部１１０ｄは領域を分割する機能を有するものである。
【００１８】
なお、密封機能については、ゴムリップ１２０やその他のシール部材によりその機能が発揮されるものである。
【００１９】
以上のように、図４に示したピストン部材は、プレス加工によって金属環１１０を構成できるので加工性に優れるものである。
【００２０】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような図４に示した従来技術に係るピストン部材の場合には、加工性に優れるものの下記のような問題が生じていた。
【００２１】
上述したピストン部材の場合には、クラッチ板を押す面の寸法精度が機能的に重要なものとなる。
【００２２】
したがって、外周側径方向壁面部１１０ｃの端面から端面部１１０ｂまでの距離Ｌ２と、端面部１１０ｂの軸芯Ｃに対する振れが機能性に影響する寸法精度性の要因となる。
【００２３】
しかし、金属環をプレス加工する場合には加工する面にうねりが生じてしまい、アルミ等を切削加工する場合に比べて寸法精度が劣ってしまう。
【００２４】
そこで、所望の寸法精度を得るためには、プレスによるつぶしによってうねりを除去しなければならないが、上述した構成の場合には、寸法基準面である外周側径方向壁面部１１０ｃの全面をプレスしてうねりを除去しなければならず、プレスの負荷が大きいため、十分にうねりを除去するのが困難であった。
【００２５】
そのため、確実に所望の寸法を出すために、プレス成形後に、さらに、外周側径方向壁面部１１０ｃや端面部１１０ｂを切削しなければならず、加工工程を増加させる結果となってしまうこともあった。
【００２６】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、加工性の容易化を図りつつ寸法精度の向上を図ったピストン部材及びその製造方法を提供することにある。
【００２７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、環状穴内に軸方向に往復動自在に配置される金属環を備えたピストン部材であって、該金属環によって隔てられた２つの領域には、それぞれ他方の領域側へ前記金属環を押圧する押圧手段が配置されて、少なくとも一方の押圧手段の押圧力の調整によって金属環の位置が調整されるピストン部材において、前記金属環はプレス成形によって、前記２つの領域を隔てる径方向壁面部と、軸方向に延びる略円筒部と、が形成されると共に、前記径方向壁面部に前記一方の押圧手段であるスプリングが嵌め込まれる嵌め込み部を前記略円筒部の延び方向に突出するように形成し、かつ、該径方向壁面部のうち前記嵌め込み部が形成される位置とは径方向の異なる位置であって前記略円筒部に隣接する位置に、該略円筒部の延び方向とは反対側に突出する突起を形成して、該突起の部分のみにプレスによるつぶしによってうねりが除去されて寸法調整が行われるべく、該突起の先端面を該先端面から前記略円筒部の軸方向端面までの寸法基準面とすることを特徴とする。
【００３０】
したがって、突起の加工調整によって、突起の先端面から略円筒部の軸方向端面までの寸法が調整される。
【００３１】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【００３２】
図１および図２を参照して、本発明の実施の形態に係るピストン部材について説明する。
【００３３】
図１は本発明の実施の形態に係るピストン部材の概略構成図であり、図２は本発明の実施の形態に係るピストン部材の使用状態を示す概略構成図である。
【００３４】
なお、図２は、本発明の実施の形態に係るピストン部材を自動車用自動変速機の変速切換装置のクラッチの切換作動させるためのピストン部材として適用させた場合の状態を示すものであるが、各部の基本的な構成や機能については、上述の従来技術の説明の中で図３及び図４を参照して説明したものと同様であるので、その詳細な説明は省略して、以下、簡単に説明する。
【００３５】
図２中、１０は自動変速機の動力接続部（クラッチ部）の全体を示すものであり、１はプレス成形によって形成されると共に、環状穴内に往復動自在に配置される金属環であり、２０はハウジングであり、３０は多板クラッチであり、４０は押圧手段としてのスプリングである。
【００３６】
そして、金属環１は圧力室ＡＲに導入される制御油圧（押圧手段）により軸方向に移動し、これによってクラッチ板が圧着し、駆動力の伝達がなされるものである。
【００３７】
次に、図１を参照して、ピストン部材について詳細に説明する。
【００３８】
図１に示したように、プレス成形によって形成した金属環１にゴムリップ３を焼き付けることによって、ピストン部材を構成させている。
【００３９】
金属環１は、図に示したように、プレス成形によって、概略、軸方向に延びる円筒部１ａと、円筒部１ａの軸方向端部の端面部１ｂと、２つの領域（圧力室ＡＲと環状領域ＫＲ）を隔てて密封分割する、外周側径方向壁面部１ｃ及び内周側径方向壁面部１ｄと、が形成される。
【００４０】
ここで、円筒部１ａはハウジング内周との摺動部として機能するものであり、端面部１ｂはクラッチ板を押圧する機能を有し、外周側径方向壁面部１ｃと内周側径方向壁面部１ｄは主に２つの領域を分割する機能を有するものである。
【００４１】
なお、密封機能については、ゴムリップ３と図２中ＯリングＯにより特にその機能が発揮されるものである。
【００４２】
また、図１中、２は図２で示したスプリング４０を嵌め込ませるためのスプリング嵌め込み部である。
【００４３】
そして、本実施の形態においては、外周側径方向壁面部１ｃに突起４を設けたことを特徴としている。
【００４４】
なお、突起４の配置位置や個数及び大きさ等は、使用環境や素材等によって適宜設定すれば良いが、例えば、円周方向に等配に複数個設けれれば良い。
【００４５】
そして、この突起４の先端面を金属環１自体の寸法基準面としている。
【００４６】
すなわち、上述したように、自動車用自動変速機の変速切換装置のクラッチの切換作動させるためのピストン部材として適用させるような場合には、クラッチ板を押す面の寸法精度が機能的に重要なものとなる。
【００４７】
したがって、外周側径方向壁面部１ｃに設けた突起４の先端面から、クラッチ板を押圧する端面部１ｂまでの距離Ｌ１と、端面部１ｂの軸芯Ｃに対する振れが機能性に影響する寸法精度性の要因となる。
【００４８】
そこで、本実施の形態においては、プレス加工によるうねりが生じてしまい、上記の距離Ｌ１や振れについて寸法調整しなければならない場合には、突起４の部分にプレスによるつぶしによってうねりを除去して寸法調整することが可能となる。
【００４９】
したがって、従来技術のように、外周側径方向壁面部の全体をプレスによるつぶしを行う必要はなく、突起４の部分のみにプレスによるつぶしを行えば良いので、容易に寸法調整ができ、切削加工等の追加加工を必要とすることなく、加工性の容易化が図られて寸法精度が向上する。
【００５０】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、金属環をプレス成形によって成形すると共に、この金属環に突起を設けて、この突起の先端面を、この先端面から略円筒部の軸方向端面までの寸法基準面とすることで、突起の加工調整によって、突起の先端面から略円筒部の軸方向端面までの寸法を容易に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の実施の形態に係るピストン部材の概略構成図である。
【図２】図２は本発明の実施の形態に係るピストン部材の使用状態を示す概略構成図である。
【図３】図３は自動車等に用いられる従来の自動変速機の動力接続部（クラッチ部）の要部を示す概略構成図である。
【図４】図４は従来技術に係るピストン部材の概略構成図である。
【符号の説明】
１ 金属環
１ａ 円筒部
１ｂ 端面部
１ｃ 外周側径方向壁面部
１ｄ 内周側径方向壁面部
２ スプリング嵌め込み部
３ ゴムリップ
４ 突起
１０ 動力接続部（クラッチ部）
２０ ハウジング
３０ 多板クラッチ
４０ スプリング[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to, for example, a piston member for switching a clutch of a shift switching device of an automatic transmission for an automobile, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, this type of piston member has been applied as a piston member for switching the clutch of a shift switching device of an automatic transmission for an automobile, for example.
[0003]
FIG. 3 is a schematic configuration diagram showing a main part of a power connection part (clutch part) 100 of a conventional automatic transmission used in an automobile or the like.
[0004]
In the figure, a sleeve 101 is attached to an input side shaft (not shown) to which a driving force from the internal combustion engine side is transmitted.
[0005]
To the sleeve 101, the inner end of the radial portion 102a of the housing 102 having a bottomed cylindrical shape is fixed.
[0006]
A pressure plate 103, a cancel plate 104, and a multi-plate clutch 105, which are piston members, are arranged on the inner periphery of the axial direction portion 102b of the housing 102 from the radial direction portion 102a side.
[0007]
The pressure plate 103 is fitted in an annular hole between the outer periphery of the sleeve 101 and the inner periphery of the axial portion 102b of the housing 102, and is configured to be slidable in the axial direction while hermetically dividing the annular region KR. ing.
[0008]
Therefore, the pressure plate 103 is provided with an oil seal O1 that contacts the outer periphery of the sleeve 101 and slidably seals on the inner side of the inner diameter end portion 103a, and the axial direction portion of the housing 102 on the outer side of the outer diameter end portion 103b. An oil seal O2 that contacts the inner periphery of 102b and slidably seals is disposed.
[0009]
The cancel plate 104 is disposed so as to face the pressure plate 103, and movement in the axial direction is restricted by a stopper member 106 that is locked to the sleeve 101.
[0010]
A spring 107 is interposed between the pressure plate 103 and the cancel plate 104 and urges the pressure plate 103 to push it back in the opposite direction to the multi-plate clutch 105.
[0011]
The multi-plate clutch 105 is composed of a plurality of clutch plates. When the pressure plate 103 is moved by the control hydraulic pressure introduced into the pressure chamber AR, the multi-plate clutch 105 is pressed against the outer diameter end portion 103c of the pressure plate 103, so that the clutch plate Crimping is performed to transmit the driving force.
[0012]
In this way, in the configuration shown in FIG. 3, the pressure plate 103 is formed by cutting aluminum, and the piston function is exhibited by the pressure plate 103 and the two oil seals O1 and O2.
[0013]
Here, in recent years, for the purpose of simplifying the configuration and processing, a metal ring (corresponding to the pressure plate described above) is formed by press molding as shown in FIG. 4, and a rubber lip (the oil seal described above) is formed on the metal ring. ) Is used.
[0014]
FIG. 4 is a schematic configuration diagram of a piston member according to the prior art.
[0015]
As shown in FIG. 4, the piston member is configured by baking a rubber lip 120 on a metal ring 110 formed by press molding.
[0016]
As shown in the figure, the metal ring 110 is formed by press forming, roughly the cylindrical portion 110a extending in the axial direction, the end surface portion 110b at the axial end of the cylindrical portion 110a, and the outer peripheral side for hermetically dividing the annular region KR. A radial wall surface portion 110c and an inner circumferential radial wall surface portion 110d are formed.
[0017]
Here, the cylindrical portion 110a functions as a sliding portion with the inner periphery of the housing (corresponding to the inner periphery of the axial portion 102b of the housing 102 in the configuration shown in FIG. 3), and the end surface portion 110b is a clutch. The outer peripheral side radial wall surface 110c and the inner peripheral radial wall surface 110d have a function of dividing the region.
[0018]
Note that the sealing function is exhibited by the rubber lip 120 and other sealing members.
[0019]
As described above, the piston member shown in FIG. 4 is excellent in workability because the metal ring 110 can be formed by press working.
[0020]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case of the piston member according to the prior art shown in FIG. 4 as described above, the following problems have occurred although it is excellent in workability.
[0021]
In the case of the piston member described above, the dimensional accuracy of the surface that pushes the clutch plate is functionally important.
[0022]
Therefore, the distance L2 from the end surface to the end surface portion 110b of the outer peripheral radial wall surface portion 110c and the deflection of the end surface portion 110b with respect to the shaft core C are factors of dimensional accuracy that affects the functionality.
[0023]
However, when the metal ring is pressed, waviness occurs on the surface to be processed, and the dimensional accuracy is inferior to that when aluminum or the like is cut.
[0024]
Therefore, in order to obtain a desired dimensional accuracy, the undulation must be removed by crushing with a press. In the case of the above-described configuration, the entire surface of the outer peripheral side radial wall surface 110c, which is a dimensional reference surface, is pressed. Therefore, it is difficult to remove the undulation sufficiently because the undulation has to be removed and the load on the press is large.
[0025]
Therefore, in order to reliably obtain a desired dimension, after press molding, the outer peripheral side radial wall surface portion 110c and the end surface portion 110b must be further cut, which may increase the number of processing steps. It was.
[0026]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems of the prior art, and an object of the present invention is to provide a piston member and a manufacturing method thereof that improve dimensional accuracy while facilitating workability. There is.
[0027]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the present invention, there is provided a piston member having a metal ring disposed in an annular hole so as to be reciprocally movable in an axial direction, and two regions separated by the metal ring are provided in two regions. In the piston member in which the pressing means for pressing the metal ring to the other region side is arranged and the position of the metal ring is adjusted by adjusting the pressing force of at least one pressing means, the metal ring is formed by press molding. A radial wall surface portion separating the two regions and a substantially cylindrical portion extending in the axial direction are formed, and a fitting portion into which a spring as the one pressing means is fitted to the radial wall surface portion A position that is formed so as to protrude in the extending direction of the cylindrical portion and that is adjacent to the substantially cylindrical portion in a radial direction different from the position where the fitting portion is formed in the radial wall surface portion. In, the extending direction of the symbolic cylindrical portion forms a projection projecting to the opposite side, so the size adjustment is performed is removed undulations only to a portion of the protrusion by crushing by a press, the distal end surface of該Tokki A dimensional reference surface from the tip surface to the axial end surface of the substantially cylindrical portion is used.
[0030]
Therefore, the dimension from the tip end face of the protrusion to the axial end face of the substantially cylindrical portion is adjusted by adjusting the process of the protrusion.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Exemplary embodiments of the present invention will be described in detail below with reference to the drawings. However, the dimensions, materials, shapes, relative arrangements, etc. of the components described in this embodiment are not intended to limit the scope of the present invention only to those unless otherwise specified. Absent.
[0032]
With reference to FIG. 1 and FIG. 2, the piston member which concerns on embodiment of this invention is demonstrated.
[0033]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a piston member according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a schematic configuration diagram illustrating a use state of the piston member according to an embodiment of the present invention.
[0034]
FIG. 2 shows a state in which the piston member according to the embodiment of the present invention is applied as a piston member for switching the clutch of the shift switching device of the automatic transmission for an automobile. The basic configuration and function of each part are the same as those described with reference to FIGS. 3 and 4 in the above description of the prior art, and therefore detailed description thereof will be omitted. Explained.
[0035]
In FIG. 2, 10 shows the whole power connection part (clutch part) of the automatic transmission, 1 is a metal ring formed by press molding and reciprocally moved in the annular hole, Reference numeral 20 denotes a housing, 30 denotes a multi-plate clutch, and 40 denotes a spring as pressing means.
[0036]
The metal ring 1 is moved in the axial direction by a control oil pressure (pressing means) introduced into the pressure chamber AR, whereby the clutch plate is crimped and the driving force is transmitted.
[0037]
Next, the piston member will be described in detail with reference to FIG.
[0038]
As shown in FIG. 1, the piston member is constituted by baking a rubber lip 3 on a metal ring 1 formed by press molding.
[0039]
As shown in the drawing, the metal ring 1 is roughly formed by press forming, a cylindrical portion 1a extending in the axial direction, an end surface portion 1b at the axial end of the cylindrical portion 1a, and two regions (a pressure chamber AR and an annular shape). An outer peripheral side radial wall surface portion 1c and an inner peripheral side radial wall surface portion 1d that are hermetically divided with a region KR) therebetween are formed.
[0040]
Here, the cylindrical portion 1a functions as a sliding portion with the inner periphery of the housing, the end surface portion 1b has a function of pressing the clutch plate, and the outer peripheral side radial wall surface portion 1c and the inner peripheral side radial wall surface. The section 1d mainly has a function of dividing the two areas.
[0041]
The sealing function is particularly exerted by the rubber lip 3 and the O-ring O in FIG.
[0042]
Moreover, in FIG. 1, 2 is a spring fitting part for fitting the spring 40 shown in FIG.
[0043]
And in this Embodiment, the protrusion 4 was provided in the outer peripheral side radial direction wall surface part 1c, It is characterized by the above-mentioned.
[0044]
The arrangement position, the number, the size, and the like of the protrusions 4 may be set as appropriate depending on the use environment, the material, and the like.
[0045]
And the front end surface of this protrusion 4 is used as the dimension reference surface of the metal ring 1 itself.
[0046]
That is, as described above, when applied as a piston member for switching operation of a clutch of a shift switching device of an automatic transmission for an automobile, the dimensional accuracy of the surface that pushes the clutch plate is functionally important. It becomes.
[0047]
Therefore, the distance L1 from the front end surface of the protrusion 4 provided on the outer peripheral radial wall surface portion 1c to the end surface portion 1b that presses the clutch plate, and the dimensional accuracy in which the deflection of the end surface portion 1b relative to the axis C affects the functionality. It becomes a factor of sex.
[0048]
Therefore, in this embodiment, when the swell due to the press work is generated, and the dimension needs to be adjusted for the above-described distance L1 and runout, the swell is removed by crushing the portion of the protrusion 4 by pressing. It becomes possible to adjust.
[0049]
Therefore, unlike the prior art, it is not necessary to crush the entire outer peripheral radial wall surface by pressing, and it is only necessary to crush only the portion of the protrusion 4 by pressing. Therefore, the workability is facilitated and the dimensional accuracy is improved without requiring additional processing such as the above.
[0050]
【The invention's effect】
As described above, the present invention is to mold the metal ring by press molding, provided with projections on the metal ring, the dimensions of the distal end surface of the projection, until the axial end face of the substantially cylindrical portion from the front end surface with reference plane, by the processing adjustment of the projection, it is possible to easily adjust the size of the distal end surface of the projection to the axial end face of the substantially cylindrical portion.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a piston member according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing a usage state of the piston member according to the embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a schematic configuration diagram showing a main part of a power connection part (clutch part) of a conventional automatic transmission used in an automobile or the like.
FIG. 4 is a schematic configuration diagram of a piston member according to the prior art.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Metal ring 1a Cylindrical part 1b End surface part 1c Outer peripheral side radial direction wall part 1d Inner peripheral side radial direction wall part 2 Spring fitting part 3 Rubber lip 4 Protrusion 10 Power connection part (clutch part)
20 Housing 30 Multi-plate clutch 40 Spring

Claims (2)

環状穴内に軸方向に往復動自在に配置される金属環を備えたピストン部材であって、
該金属環によって隔てられた２つの領域には、それぞれ他方の領域側へ前記金属環を押圧する押圧手段が配置されて、少なくとも一方の押圧手段の押圧力の調整によって金属環の位置が調整されるピストン部材において、
前記金属環はプレス成形によって、前記２つの領域を隔てる径方向壁面部と、軸方向に延びる略円筒部と、が形成されると共に、
前記径方向壁面部に前記一方の押圧手段であるスプリングが嵌め込まれる嵌め込み部を前記略円筒部の延び方向に突出するように形成し、かつ、該径方向壁面部のうち前記嵌め込み部が形成される位置とは径方向の異なる位置であって前記略円筒部に隣接する位置に、該略円筒部の延び方向とは反対側に突出する突起を形成して、該突起の部分のみにプレスによるつぶしによってうねりが除去されて寸法調整が行われるべく、該突起の先端面を該先端面から前記略円筒部の軸方向端面までの寸法基準面とすることを特徴とするピストン部材。A piston member provided with a metal ring disposed in an annular hole so as to be reciprocally movable in the axial direction,
In the two regions separated by the metal ring, a pressing unit that presses the metal ring toward the other region side is arranged, and the position of the metal ring is adjusted by adjusting the pressing force of at least one of the pressing units. In the piston member
The metal ring is formed by press forming a radial wall surface portion separating the two regions and a substantially cylindrical portion extending in the axial direction,
A fitting portion into which the spring as the one pressing means is fitted to the radial wall surface portion is formed so as to protrude in the extending direction of the substantially cylindrical portion, and the fitting portion is formed in the radial wall surface portion. A protrusion that protrudes in a direction opposite to the extending direction of the substantially cylindrical portion is formed at a position that is different in radial direction from the position that is adjacent to the substantially cylindrical portion, and only a portion of the protrusion is pressed by a press. A piston member, characterized in that the tip surface of the projection is used as a dimension reference surface from the tip surface to the axial end surface of the substantially cylindrical portion so that the swell is removed by crushing and the dimension adjustment is performed . 環状穴内に軸方向に往復動自在に配置される金属環を備えたピストン部材の製造方法であって、
該金属環によって隔てられた２つの領域には、それぞれ他方の領域側へ前記金属環を押圧する押圧手段が配置されて、少なくとも一方の押圧手段の押圧力の調整によって金属環の位置が調整されるピストン部材の製造方法において、
前記２つの領域を隔てる径方向壁面部と、軸方向に延びる略円筒部とを備え、かつ、前記径方向壁面部には、その先端面が前記略円筒部の軸方向端面までの寸法基準面となる突起が備えられた前記金属環を形成するプレス成形工程と、
前記突起の部分のみにプレスによるつぶしによってうねりを除去して寸法調整を行う工程と、を有することを特徴とするピストン部材の製造方法。A method of manufacturing a piston member including a metal ring that is disposed in an annular hole so as to be reciprocally movable in an axial direction,
In the two regions separated by the metal ring, a pressing unit that presses the metal ring toward the other region side is arranged, and the position of the metal ring is adjusted by adjusting the pressing force of at least one of the pressing units. In the manufacturing method of the piston member
A radial wall surface that separates the two regions, and a substantially cylindrical portion that extends in the axial direction, and the radial wall surface has a reference surface whose leading end surface extends to the axial end surface of the substantially cylindrical portion. A press molding step of forming the metal ring provided with a projection to be,
And a step of adjusting the dimensions by removing waviness by crushing the press only on the protrusions, and manufacturing the piston member.

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