JP4129952B2 - 非水電解液電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液電池に関し、さらに詳しくは、中負荷以下の用途に適した高容量かつ安全で信頼性の高い円筒形の非水電解液電池に関する。
筒形の非水電池には、メモリーバックアップなどの高容量ではあるが軽負荷用のボビンタイプの電池と、カメラの電源など重負荷対応の捲回式電池とが広く知られている。前者のボビンタイプの電池は、リチウムマンガン電池やリチウム塩化チオニル電池が製品化されているが、構造が簡単で低コストでの製造が可能であり、多くの活物質を充填することができる反面、電極面積が小さく負荷特性に劣ることから、大きな電流での放電を行おうとすると、容量が低下する不利がある。
後者の重負荷特性の捲回式電池は、リチウムマンガン電池やリチウムフッ化黒鉛電池として製品化されている。この種の電池は、薄い長尺の電極を捲回してなる渦巻電極体を電池要素とするため、大きな電極面積を確保でき、大電流で放電した場合でも大きな放電容量を取り出すことができる利点がある。但し、電池特性向上に直接的に寄与しないセパレータや集電体を電極体内に多く備えるため、活物質の充填量が低くならざるを得ず、電池容量が低下することは避けられない。また、大電流が取り出せる反面、短絡等の異常が起こった場合には発熱が激しく、発火の危険性があり、種々の安全対策が必要で、電池構造が複雑で製造コストの上昇を招く不利もある。
最近の応用機器の多様化により、メモリーバックアップなどの軽負荷用途、カメラ用などの重負荷用途だけでなく、データの発信、受信など中負荷での用途が増加しつつあり、中負荷で特徴を発揮する電池の開発が要望されていた。そこで特許文献1および2には、厚い電極を数回巻いた電極捲回体を電池要素とする電池が提案されている。かかる電極捲回体を電池要素とする電池によれば、厚い電極を用いることで、従来の重負荷特性の電池に比べて、セパレータや集電体などの使用量を減らして活物質の充填性の向上を図ることができ、従って高容量な電池を得ることができる。また、極端な大電流を流せなくすることで、安全性、信頼性に優れ、中負荷特性に優れた電池を得ることができる。
特開平6−267583号公報(段落番号0017、図1、図3) 特開平9−190836号公報(段落番号0019、図1)
但し、特許文献1および特許文献2に記載の電池の正極は、ニッケル発泡体からなる集電体の空隙に活物質合剤を充填してなる形態を採るため、可撓性や柔軟性に劣る。このため正極の厚み寸法を、例えば0.7mm以上と大きくすると、捲回時に正極にクラックができたり、活物質が脱落することが避けられず、導電不良や短絡を引き起こすおそれがある。
薄い長尺の電極を捲回してなる渦巻電極体を電池要素とする電池においては、集電網に活物質合剤を圧着したり、金属箔に活物質合剤を塗布するなどして正極を作成している。しかし、かかる正極形態においても、正極の厚み寸法を大きくしていくと、捲回時に正極にクラックができたり、活物質が脱落することが避けられない。
そこで本発明者等は、本発明の図1および図3(c)に示すごとく、正極合剤をシート状に成形してなる2枚の正極シート20・21と、これら正極シート20・21の間に介在された集電体22とで正極3を構成することを見い出した。これによれば、従来形態のニッケル発泡体からなる集電体の空隙に活物質合剤が充填された一枚物の正極などと比べて、正極3の可撓性や柔軟性を良好に担保できる。すなわち、正極3を独立別個の2枚の正極シート20・21と集電体22とに3分割したので、一枚あたりの正極シート20・21の厚み寸法は小さくて済み、従って正極3の可撓性や柔軟性の向上が期待できる。
但し、以上のような正極構成を採った場合でも、正極シート20・21の厚み寸法を0.7mm以上と大きくしていくと、正極シート20・21を構成する正極合剤の組成条件や密度条件等を最適化しなければ、正極シート20・21の可撓性や柔軟性が不良となり、所望の捲回径(捲回径4mm以下)での捲回が困難となることがわかった。このように正極シート20・21の可撓性・柔軟性が低下して捲回可能径が大きくなると、捲回中心部(C:図1参照)が増大するため、外装缶2内に電極捲回体6を挿入するためには、正極シート20・21の長さ寸法を小さくせざるを得ず、その結果、外装缶2内における活物質の充填量が減少して放電容量の低下を招く。また、正極シート20・21の密度が過少であると、正極活物質の充填量が少なくなって放電容量の低下を招き、逆に密度が過大であると、正極シートの可撓制・柔軟性が不良となる。
本発明の目的は、厚み寸法が大きく且つ短いシート状の正極を、負極およびセパレータとともに捲回してなる電極捲回体を電池要素とする非水電解液電池において、正極合剤に含まれる導電助剤の配合割合と、正極シート密度の最適値範囲を求めることにより、中負荷での放電特性に優れた非水電解液電池を提供することにある。
本発明は、図2に示すごとく、上方開口部を有する有底円筒状の外装缶2内に、シート状の正極3と負極4とをセパレータ5を介して捲回してなる電極捲回体6と、非水電解液とを収容してなる円筒形の非水電解液電池である。図1に示すごとく、電極捲回体6は、正極の捲回始端部と捲回末端部とで規定される捲回数が1.5周以上、4周以下となるように正負極3・4およびセパレータ5を捲回してなるものであって、全体として略円柱形状に成形されている。正極3は、正極活物質と導電助剤とバインダとを含む正極合剤を0.7mm以上、2mm以下の厚み寸法のシート状に成形してなる2枚の正極シート20・21と、これら正極シート20・21の間に介在された集電体22とからなり、かつ、前記2枚の正極シートと前記集電体とが分割されているか、または、前記2枚の正極シートと前記集電体とが、捲回始端部に相当する箇所でのみ固定され、他の箇所では分割されている。
そのうえで本発明においては、比表面積400m2 /g以上、2000m2 /g以下のカーボンブラックを導電助剤とする。正極合剤中におけるカーボンブラックの配合割合は、2.0wt%以上、4.0wt%以下とする。正極シート20・21の密度は、2.2g/cm3 以上、2.7g/cm3 以下とする。
具体的には、リチウムマンガン電池の場合、正極活物質は二酸化マンガンであり、負極4は金属リチウムとすることが好ましい。
また、カーボンブラックは、ケッチェンブラックであることが好ましい。
本発明の非水電解液電池では、正極シート20・21を構成する正極合剤に含まれる導電助剤として、400m2 /g以上2000m2 /g以下の比表面積を有するカーボンブラックを採用するとともに、該正極合剤中におけるカーボンブラックの最適な配合割合を2.0wt%以上、4.0wt%以下とした。加えて正極シート20・21の最適な密度を2.2g/cm3 以上、2.7g/cm3 以下とした。
ここで導電助剤として400m2 /g以上の比表面積を有するカーボンブラックを採用したのは、黒鉛、あるいは比表面積が400m2 /g未満のカーボンブラックを用いると、正極シートの柔軟性が良好に得られないことによる。カーボンブラックの比表面積が2000m2 /gを超えると、電池放電中に負極の液枯れが生じやすくなる。また、比表面積が2000m2 /g以上のカーボンブラックは嵩高く、正極のシート密度が上がらず、充填性が低下する不利もある。
正極合剤中におけるカーボンブラックの配合割合が、2.0wt%を下回ると、先に述べたようなカーボンブラックを採用したことによる、正極シート20・21の可撓性・柔軟性の向上効果が良好に得られない。配合割合が4.0wt%を超えると、正極活物質が少なくなるため、放電容量の低下を招く。正極シート20・21の密度が、2.2g/cm3 を下回ると、正極シート20・21の可撓性・柔軟性は良好に担保できるものの、正極活物質の充填量が少なくなって、電池の放電容量の低下を招く。正極シート20・21の密度が2.7g/cm3 を上回ると、正極シート20・21の可撓性・柔軟性が不良となり、捲回可能径が大きくなるため、捲回中心部Cが大きくなる。このため、正極シート20・21の長さ寸法を小さくせざるを得ず、正極活物質の充填量が少なくなって、放電容量が低下する。
上記カーボンブラックとしては、ケッチェンブラックが最も好適であり、これにより、前述の目的を容易に達することができる。
図1ないし図3に、本発明の実施形態に係る非水電解液電池を示す。図2において、非水電解液電池1は、上方開口部を有する有底円筒状の外装缶2と、外装缶2内に装填された正極3および負極4と、外装缶2の上方開口部を封止する封口構造とからなる。正極3および負極4は、セパレータ5を介して捲回してなる電極捲回体6として、電解液とともに外装缶2内に収容されている。外装缶2は、鉄やステンレスを素材とする。
封口構造は、外装缶2の上方開口部の内周縁に固定された蓋板8と、蓋板8の中央部に開設された開口に、ゴム製の絶縁パッキン9を介して装着された端子体10と、蓋板8の下部に配置された絶縁板11とからなる。絶縁板11は、円盤状のベース部12の周縁に環状の側壁13を立設した上向きに開口する丸皿形状に形成されており、ベース部12の中央にはガス通口14が開設されている。蓋板8は、側壁13の上端部に受け止められた状態で、外装缶2の上方開口部の内周縁に、レーザ溶接若しくはパッキングを介したクリンプシールで固定されている。蓋板8もしくは外装缶2の缶底2aには薄肉部を設け、内圧が急激に上昇したときの対策としてのベントを設けることができる。正極3と端子体10の下面とは、正極リード体15で接続されており、負極4と外装缶2の内面とは負極リード体16で接続されている。
図1に示すごとく、電極捲回体6は、正極3の捲回始端部Sと捲回末端部Eとで規定される捲回数が、1.5周以上、4周以下となるように正・負極3・4およびセパレータ5を捲回してなるものであって、全体として略円柱形状に形成される。なお、図1には捲回数が1.6周程度の形態を示す。正極3は、同一の厚み寸法を有する2枚の正極シート20・21と、これら正極シート20・21の間に介在された集電体22とを含み、電極捲回体6の作成時においては、正極シート20・21と集電体22は、捲回始端部Sのみを固定した状態で捲回される(図3(c)参照)。
各正極シート20・21は、正極活物質、導電助剤、バインダからなる正極合剤を0.7mm以上、2mm以下の厚み寸法を有するシート状に成形してなる。正極活物質としては、例えば二酸化マンガン、フッ化カーボン、リチウムコバルト複合酸化物、スピネル形リチウムマンガン複合酸化物などを挙げることができる。
正極3のバインダとしては、ポリ4フッ化エチレンディスパージョンや、粉末のポリ4フッ化エチレン、ゴム系バインダなどを用いることができるが、ポリ4フッ化エチレンディスパージョンを用いることが好ましい。
集電体22としては、ステンレス316や、430、444などからなる平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、パンチングメタル、箔などを用いることができる。
負極4は、薄い板状(箔状)に形成されており、その材料としては、リチウム金属、リチウムとアルミニウムなどの合金、黒鉛などの炭素材料を挙げることができる。負極4は、図1および図3(b)に示すごとく、短尺と長尺の2枚の負極4a・4bを、貼り合わしてなるものであり、これらを正極3、セパレータ5とともに捲回して電極捲回体6を作製する。
電解液としては、溶質としてLiPF6 、LiClO4 、LiCF3 (CF3 SO22 NLiなどを0.3〜1.5M/l溶解した溶媒として、PC、ECなどの環状カルボネートにDMEなどの鎖状エーテル、ジメチルカルボネートなどの鎖状カルボネートを混合した電解液が用いられる。
セパレータ5としては、PP、PE、PET、PBT、PPSなどの不織布、微孔性フィルムなどを用いることができる。
電極捲回体は、図3に示すような手順で作製することができる。まず、図3(a)に示すごとく、セパレータ5を2つ割の巻芯25に挟んで1周巻く。次に、図3(b)に示すごとく、負極4を短尺4aのみの一層部分から巻芯25に向けて挿入して、セパレータ5とともに1周巻き込む(図3(c)参照)。続いて、図3(c)に示すごとく、正極3をセパレータ5を介して負極4上に載置して巻芯25で捲回する。正極3は、両正極シート20・21および集電体22を固定した巻始端Sの側から捲回されるようにしてあり、長尺の負極4b上にセパレータ5を介して載置された状態で捲回される。正極3の捲回始端部Sと捲回末端部Eとで規定される捲回数が1.5周以上、4周以下となるように正負極3・4およびセパレータ5を捲回する。捲回終了後は、セパレータ5が最外周を覆う形となる。セパレータ5の捲回末端部Eを固定テープで固定する。以上より、図1に示すような形態の電極捲回体6を得ることができる。巻芯25は、全体として楕円形状を呈しており、従って電極捲回体6の中心には、図1に示すごとく正負極3・4のない略楕円形状の捲回中心部Cが形成される。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、この実施例においては、CR電池を例にして説明する。
《実施例1》
〈正極の製法〉
(配合) 導電助剤としてのケッチェンブラックを2重量%、正極活物質としての二酸化マンガン(東ソー社製:HC−9)を94重量%の比率でプラネタリーミキサーを用いて乾式で5分間混合したのち、バインダとしてポリ4フッ化エチレンディスパージョン(PTFE:D−1ダイキン工業社製)4重量%を水に希釈した状態で添加して、湿式で2分間混合した。配合剤中の水分は、固形分100に対し25〜30とした。このケッチェンブラックの比表面積は、1270m2 /gであった。
(シート化) 混合した配合剤を直径250mmの2本ロールを用い、ロール温度を130±5℃に調整し、プレス圧7トン/cm、ロール間隔0.4mm、回転速度10rpmで、ロールによる圧延、シート化を行った。ロールを通過した配合剤(予備シート)を105℃±5℃で残水分が2%以下になるまで乾燥した。次いで乾燥後の予備シートを、粉砕機を用いて50秒間粉砕した。
粉砕された材料に対して、再度ロールによるシート化を行った。ロールの間隔は0.6±0.05mmに調整し、ロール温度は120±10℃、プレス圧7トン/cm、回転速度10rpmでシート化を行い、厚さが1.0mmの正極シートを得た。
以上のようにして、内周用と外周用の2枚の正極シート20・21(図1参照)を作成した。内周用の正極シート20は、幅37mm、長さ51mmに切断した。外周用の正極シート21は、幅37mm、長さ62mmに切断した。
(集電体) ステンレス316からなるラス網(日建ラス社製)を集電体22として用いた。このラス網は、幅34mm、長さ56mmに切断し、その長さ方向の中央部に、厚さ0.3mm、幅3mmのステンレスリボン製の正極リード体15を抵抗溶接により取り付けた。集電体22にカーボンペースト(日本黒鉛社製)を網の目をつぶさない程度、具体的には集電体面積につき4mg/cm2 塗布したのち、105℃±5℃の加熱温度条件で2時間以上乾燥した。
次に、図3(c)に示すごとく、2枚の正極シート20・21を、その間に集電体22を介装した状態で長さ方向の一端部のみを固定して三者を一体化した。具体的には、内・外周用の2枚の正極シート20・21は、長さ方向の一端を揃えるとともに、集電体22の端部が正極シート20・21からはみ出さないようにセットし、その状態で長さ方向の端部から3〜10mmをプレスにより圧着することで、3者を一体化した。続いて、これら正極シート20・21および集電体22を250℃±10℃で6時間熱風乾燥して正極3を得た。尚、ここで正極シート20・21と集電体22とを一体化したのは、作業上の問題であり、独立した正極シート20・21と集電体22とを、捲回時に一体化しても特性上の問題はない。
〈負極の製法〉 負極4は、幅37mm、厚さ0.3mmのリチウム箔を46mmと96mmに切断し、短尺側の箔4aの一端から10mmを除き、36mmを長尺側の箔4bと重ねて圧着した。負極リード体16は、厚さ0.1mm、幅3mmのニッケルリボンの一端をエンボス加工してなるものとし、2枚の箔の間に挟んで圧着して固定した。
〈組立方法〉 幅44mm、厚さ0.025mmのPEからなる微孔性セパレータ(旭化成社製ハイポア)を220mmに切断し、図3(a)に示すごとく2つ割の巻芯25に挟んで1周巻いた。次いで、図3(b)・(c)に示すごとく、負極4のリチウム金属箔の一重長さが10mmの方を巻芯25側にして、セパレータ5と同時に1周巻き込んだのち、正極シート20・21を固定した方を巻芯25側に載置して捲回した。捲回終了後は、セパレータ5が最外周を覆う形となり、セパレータ5の巻き終わり部を固定テープで固定した。以上より、図1に示すような電極捲回体6を得た。
ニッケルメッキした鉄缶からなる外装缶2(内径16.5mm)の底に、厚さ0.2mmのPP製絶縁板を挿入し、その上に電極捲回体6を正負極のリード体15・16が上側に向く姿勢で挿入した。負極リード体16は、外装缶2の上部内面に抵抗溶接した。正極リード体15は、絶縁板11を挿入したのち、端子体10の下面に抵抗溶接した。この時点で絶縁抵抗を測定し、短絡がないことを確認した。
電解液は、0.5M LiClO4 /(PC+DME=1:2)を、外装缶2内に3.3±0.1ml注入した。注入は3度に分け、最終工程で減圧にして全量を注入した。電解液の注入後、蓋板8を嵌合・レーザ溶接により封口した。以上により、実施例1に係る非水電解液電池を得た。
(後処理:予備放電、エージング)
封口した電池は、1Ωの抵抗で30秒間予備放電し、45℃で24時間保管した後、1Aの低電流で3分間2次予備放電を行った。予備放電後の電池を、室温で7日間エージングし、開路電圧を測定した。
《実施例2、比較例1ないし4》
正極合剤を構成する正極活物質、導電助剤およびバインダの配合割合を、以下の表1のごとくとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2および比較例1ないし4に係る正極シートを得た。
Figure 0004129952
上記実施例1、2および比較例1ないし4に係る厚さ1mmの正極シートをφ3〜φ9mmまで1mm間隔のSUS棒に巻き付けて、何φmmで割れるかを調べた。すなわち、各正極シートの捲回可能径を調べた。この捲回可能径で、先の第1実施例と同じ外装缶2(内径16.5mm)内に挿入し得る可及的に大きな電極捲回体6を作成し、これを用いて実施例2および比較例1ないし4に係る電池を作成した。なお、捲回可能径が大きくなると捲回中心部Cが大きくなるため、正極シート20・21の長さ寸法を小さくせざるを得ない。
上記実施例1、2および比較例1ないし4に係る電池を、20℃、5mAで2.0Vまで放電させて、放電容量を測定した。また、1Aで3秒間放電/27秒OFFの条件で、放電圧が2.0Vとなるまでの放電容量を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004129952
表2より、捲回可能径が5mm以上となると、電気量損失が大きくなることがわかる。より詳しくは、実施例1と比較例1との比較より、正極合剤に含まれるケッチェンブラックの配合割合が2重量%を下回ると、捲回可能径が大きくなって、捲回中心部が大きくならざるを得ず、その結果容量不足を引き起こすことがわかる。実施例2と比較例2との比較より、ケッチェンブラックの配合割合が4重量%を超えると、ケッチェンブラックが嵩張るために、その分だけ正極活物質量が少なくなり、充填電気量が少なくなることがわかる。比較例3および4より、導電助剤として比表面積の小さなカーボンブラックや黒鉛を用いた場合には、正極シートが割れやすく、捲回可能径が6mmと大きくなるために、充填電気量が小さくなることがわかる。以上より、本発明のごとく、正極合剤を0.7mm以上のシート状に成形してなる正極シート20・21を構成要素とする正極3を用いる場合には、正極合剤に含まれる導電助剤としては、比表面積が大きなケッチェンブラックを用いることが好適であり、また、正極合剤中のケッチェンブラックの配合割合は、2〜4重量%の範囲が好適であることがわかる。
次いで、正極シート20・21のシート密度を表3に示すごとくとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3ないし5および比較例5、6に係る正極シート20・21を得た。各正極シートのシート密度および空隙率を表3に示す。
Figure 0004129952
これら実施例3ないし5および比較例5、6に係る厚さ1mmの正極シート20・21をφ3〜φ9mmまで1mm間隔のSUS棒に巻き付けて、各正極シート20・21の捲回可能径を調べた。この捲回可能径で、先の第1実施例と同じ外装缶2(内径16.5mm)内に挿入し得る可及的に大きな電極捲回体6を作成し、これを用いて実施例3ないし5および比較例5、6に係る電池を作成した。なお、捲回可能径が大きくなると捲回中心部Cが大きくなるため、正極シート20・21の長さ寸法を小さくせざるを得ない。
実施例3ないし5および比較例5、6に係る非水電解液電池を、20℃、5mAで2.0Vまで放電させて、放電容量を測定した。また、1Aで3秒間放電/27秒OFFの条件で、放電圧が2.0Vとなるまでの放電容量を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0004129952
比較例6より、シート密度が2.7g/cm3 を超えると、正極シート20・21の可撓性・柔軟性が損なわれて捲回可能径が大きくなるため、捲回中心部Cが大きくなり、その結果、放電容量が著しく低下することがわかる。比較例5より、シート密度が2.2g/cm3 を下回ると、正極活物質の充填量が少なくなって、放電容量の低下を引き起こす不具合が生じることがわかる。正極シート20・21の密度が2.7g/cm3 を上回ると、その可能性・柔軟性が不良となり、捲回可能径が大きくなるため、捲回中心部Cが大きくなることが避けられず、その結果、正極シート20・21の長さ寸法を短くせざるを得ず、正極活物質の充填量が少なくなって、放電容量の低下を招く。以上より、本発明のような正極構成を採る場合には、ケッチェンブラックの配合割合は、2〜4重量%であり、しかも正極シート20・21の密度は2.2〜2.7g/cm3 の範囲が好適であることがわかる。
次に、正極シート20・21の厚み寸法を表5のように、0.6〜3.5mmに変化させて、実施例6ないし8および比較例7ないし9に係る電池を作成した。
Figure 0004129952
表5より、正極シート20・21の厚み寸法が0.7mmを下回ると、巻ずれが生じることがわかる。また、正極シート20・21の厚み寸法が2mmを超えると、捲回径を大きくしないと捲回できず、結果的に充填伝記量が小さくなることがわかる。
本発明の第1実施形態に係る非水電解液電池の横断平面図である。 本発明の非水電解液電池の縦断正面図である。 電極捲回体の作製方法を説明するための図である。
符号の説明
1 非水電解液電池
2 外装缶
3 正極
4 負極
5 セパレータ
6 電極捲回体
20 内周側に位置する正極シート
21 外周側に位置する正極シート
22 集電体
C 捲回中心部
E 正極の捲回末端部
S 正極の捲回始端部

Claims (3)

  1. 上方開口部を有する有底円筒状の外装缶内に、シート状の正極と負極とをセパレータを介して捲回してなる電極捲回体と、非水電解液とを収容してなる円筒形の非水電解液電池であって、
    前記電極捲回体は、前記正極の捲回始端部と捲回末端部とで規定される捲回数が1.5周以上、4周以下となるように正負極およびセパレータを捲回してなるものであって、全体として略円柱形状に成形されており、
    前記正極は、正極活物質と導電助剤とバインダとを含む正極合剤を0.7mm以上、2mm以下の厚み寸法のシート状に成形してなる2枚の正極シートと、これら正極シートの間に介在された集電体とからなり、かつ、前記2枚の正極シートと前記集電体とが分割されているか、または、前記2枚の正極シートと前記集電体とが、捲回始端部に相当する箇所でのみ固定され、他の箇所では分割されており、
    前記導電助剤は、比表面積400m/g以上、2000m/g以下のカーボンブラックであって、前記正極合剤中におけるカーボンブラックの配合割合は、2.0wt%以上、4.0wt%以下であり、
    前記正極シートの密度が、2.2g/cm以上、2.7g/cm以下であることを特徴とする非水電解液電池。
  2. 前記正極活物質は、二酸化マンガンであり、前記負極が金属リチウムである請求項1記載の非水電解液電池。
  3. 前記カーボンブラックが、ケッチェンブラックである請求項1記載の非水電解液電池。
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