JP4128424B2 - 耐酸化性および焼結性に優れた導電ペースト用銅粉の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電ペーストの導電フィラーに用いる耐酸化性および焼結性に優れた銅粉の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種基板の表面や内部あるいは外部に電気回路や電極を形成する手段として導電ペーストが多く使用されている。導電ペーストは,樹脂系バインダーと溶媒からなるビヒクル中に,導電フィラーを分散させた流動性のある流体であり,導電フィラーとしては,銅粉と銀粉の使用が一般的である。このような導電ペーストを各種基板の回路や電子部品の電極として塗布し,適当な温度に昇温すると,ビヒクルが蒸発・分解し,導電フィラーとしての金属粉が互いに焼結して電気の良導体が形成される。最近では,銅粉を導電フィラーとした導電ペースト(銅系ペースト)は,銀粉を導電フィラーとした導電ペースト(銀系ペースト)と比較し,マイグレーションが生じにくい,耐ハンダ性に優れる,低コスト化が可能である等の理由により,一層汎用化されつつある。
【0003】
同じ銅系ペーストでも,積層セラミックコンデンサーの外部電極に用いるものや,基板に各種の回路を形成するものでは,電極や回路の形態,その形成方法,基板材料の違い等によって,導電ペーストに要求される物理的および化学的性質が異なる。
【0004】
例えば積層セラミックコンデンサー等のチップ部品に銅系ペーストを塗布し,加熱することによって該ペースト中の銅粉を焼結して電極等の導体を形成する場合には,当該銅粉は特に耐酸化性と焼結性が良好であることが要求される。すなわち,前記の加熱処理では,銅粉の酸化を防止するために不活性ガス(一般的に窒素ガス)雰囲気が採用されるが,実際には,ペースト中の樹脂や溶媒の分解生成物である炭素質成分が残留してしまうと,焼結性に悪影響を及ぼすことがあるため,窒素ガスに若干の酸素を混入させてペースト中の樹脂や溶媒の気化(脱バインダーと呼ぶ)を促進させており,この場合には銅粉表面が酸化されてしまうことがある。
【0005】
銅粉表面が酸化されてしまうと,粒子表面が酸化銅で覆われてしまうこととなり,焼結性が悪くなり,形成される導体の導電性にも悪い影響を与える。他方,銅粉に耐酸化性を付与する手段を採用すると,例えば耐酸化性被膜などを銅粒子表面に施すと,前記加熱時の酸化は防止できるが,一般に焼結性が悪くなり,焼結温度も高くしなければならない。したがって,加熱時の酸化が防止されると同時に焼結性も良好な導電ペースト用銅粉が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は,このような要求を満たすことにあり,耐酸化性と焼結性が同時に優れた導電ペースト用銅粉を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,導電ペーストの導電フイラーに用いる銅粉において,5重量%以下のSiを含有し,そのSiの実質上全てがSiO2系ゲルコーティング膜として銅粒子表面に被着しており,このSiO2系ゲルコーティング膜が少なくとも1種のガラス形成性成分を含有していることを特徴とする耐酸化性および焼結性に優れた導電ペースト用銅粉を提供する。この銅粉はSiO2系ゲルコーティング膜が優れた耐酸化性を示す。またこの銅粉はガラスフリットと混合して導電ペーストとしたさいに,焼結時においてSiO2系ゲルコーティング膜中のガラス形成性成分がガラスフリットとの融和を促進し,低い焼結温度で良好な焼結体を形成することができる。ここで,ガラス形成性成分は,アルカリ金属(M1という),アルカリ土類金属(M2という),両性金属(M3という)または酸素・水素と結合してオキソ酸を形成する元素(M4という)であることができ,M1/Siの原子比,M2/Siの原子比,M3/Siの原子比,M4/Siの原子比がいずれも0.5以下であるのがよい。
【0008】
このような銅粉は,水溶性の有機溶媒中で,銅粉,オルガノシラン化合物および水を反応させてオルガノシランの加水分解生成物を生成させ,得られた懸濁液にゲル化剤を添加して銅粉の粒子表面にSiO2系ゲルコーティング膜を形成させ,次いで,固液分離してSiO2系ゲルコーティング膜を有する銅粒子を採取する方法において,前記のオルガノシランの加水分解生成物が生成した懸濁液若しくは生成途中または前の液に,ガラス形成性成分を溶解した水溶液を添加することによって,有利に製造できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
前記の課題を解決すべく,本発明者らはゾル・ゲル法に着目して銅粉表面に金属酸化物をコーテングすることを種々試みた。その結果,オルガノシラン化合物由来の加水分解生成物の極薄層を銅粒子表面にシロキサン結合で被着させたあと触媒などによって縮合反応を行わせると,銅粒子表面に均一な極薄のSiO2系ゲルコーティング膜が湿式法で生成できることを知った。そして,このようにして得られたSiO2系ゲルコーティング膜をもつ銅粉は,当該皮膜なしの銅粉に比べて,酸化開始温度を120〜200℃程度高くすることが可能となり,焼結開始温度も変化することがわかった。また,このSiO2系ゲルコーティング膜に適切なガラス形成性成分を含有させることによって,ガラス形成性成分含有のSiO2系ゲルコーティング膜付きの銅粉とし,このものをガラスフリット共にビヒクル中に分散させて導電ペーストを作成すると,その焼結性を著しく改善できることが判明した。
【0010】
まず,ゾル・ゲル法の適用について説明すると,平均粒径が好ましくは10μm以下の銅粉に対して,その銅粒子表面でオルガノシラン化合物の加水分解・縮合のゾル・ゲル反応を有機溶媒中で進行させると,膜厚が薄くて均一なSiO2系ゲルコーティング膜が形成できる。具体的には,まずゾルの加水分解を行うために,水溶性の有機溶媒例えばイソプロピルアルコール中で銅粉,オルガノシラン化合物および水を反応させる。
【0011】
有機溶媒としては,加水分解を進行させるゾル媒体として機能するために,水を溶解するものが好ましく,例えば20℃での水の溶解度が10重量%以上のものがよい。このような有機溶媒としては,メチルアルコール,エチルアルコール,イソプロピルアルコール,アセトン,メチルエチルケトン,テトラヒドロフラン,ジオキソラン,ジオキサンなどが使用可能である。
【0012】
オルガノシランとしては,例えば一般式R1 4-aSi( OR2) aで表されるアルコキシシラン(R1は1価の炭化水素基,R2は炭素数1〜4の1価の炭化水素基,aは3〜4)が好適であり,代表的なものとして,テトラエトキシシラン,メチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0013】
アルコキシシランの加水分解反応を,該有機溶媒中の銅粉表面で行わせるために,先ず銅粉を有機溶媒に入れて攪拌し懸濁させておき,そのなかにアルコキシシランを添加し,ついで加水分解に供される水(純水)を添加する(或いは純水添加したあとでアルコキシシランを添加する)という操作順序を経てから,加水分解・縮合反応を促進させるアルカリ触媒,例えばアンモニア水を添加するのがよい。これによって,まず,銅粉表面にはシロキサン結合によってアルコキシシランが付着し,そのアルコキシシランが銅粉表面で加水分解し,縮合反応して(ゲル化して)SiO2系の均一な皮膜が銅粒子表面に形成される。
【0014】
一般にゾル・ゲル反応の触媒には酸またはアルカリが用いられるが,銅粉表面にSiO2系ゲルコーティング膜を形成する場合には,アンモニアが触媒として最も適していることを本発明者らは知った。塩酸,硫酸または燐酸などの酸では耐酸化性が十分なゲルコーティング膜が得られない。これに対し,アンモニアを用いた場合には,良好な耐酸化特性をもつゲルコーティング膜が得られるとともに,入手しやすく低コストで揮発除去が簡単で不純物の残留がないなどのメリットがある。
【0015】
該縮合反応はアンモニア水を添加したあと,所定温度で所定時間熟成することによって進行させるのが望ましく,例えば液温を20〜60℃に所定の時間保持するのがよい。SiO2系ゲルコーティング膜の膜厚は一般にアルコキシシラン量,液温,保持時間などに依存するので,これらを調整することによって,均一厚みのSiO2系ゲルコーティング膜の薄膜を銅粒子表面に形成させることができる。そのさい,銅粉の粒子形状は膜厚に影響することは殆んどなく,球状,板状,フレーク状(箔片状),角形状などあらゆる形状の銅粒子でも均一な膜厚のSiO2系ゲルコーティング膜が形成できることが確認された。またアンモニア触媒の使用にあたっては,連続的に反応系に添加することによって,SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉の凝集を防止できることがわかった。仮に凝集したとしても,反応系に超音波を付与すると良好に分散して少なくとも原料銅粉と同等程度にまでは分散させることができる。
【0016】
このようにして銅粉表面に均一な膜厚のSiO2系ゲルコーティング膜が形成できるが,この皮膜の量については,銅に対してSiO2量が10重量%を超えるような量では導電性にも影響が大きくなるので,それ以下であるのがよく,Si量で言えば5重量%以下であるのがよい。すなわち,5重量%以下のSiを含有した銅粉であって,そのSiの実質上全てがSiO2系ゲルコーティング膜として銅粒子表面に被着しているのがよい。ここで,Siの「実質上」全てとは,SiO2以外にも少量のSiが皮膜中に不可避的に残存してもよいという意味であり,例えば製造上の理由によりSiの一部がアルコキシシランの残留物として皮膜中に不可避的に残存したり,SiO2以外のSi酸化物として少量存在しても,その量が僅かであれば特に悪影響を与えることはない。
【0017】
このようにして,ゾル・ゲル法により銅粉表面にSiO2系ゲルコーティング膜を施すことができ,これによって銅粉と耐酸化性と焼結性を向上させることがてきるが,このゾル・ゲル法によるSiO2系ゲルコーティング膜を施す過程で適切なガラス形成性成分を当該ゲルコーティング膜に含有させるようにすると,良好な耐酸化性を維持しながら,さらに焼結性を向上させることができる。
【0018】
以下に,当該ゲルコーティング膜へのガラス形成性成分の添加について説明するが,その要旨とするところは,前記のように水溶性の有機溶媒中で,銅粉,オルガノシラン化合物および水を反応させてオルガノシランの加水分解生成物を生成させ,得られた懸濁液にゲル化剤を添加して銅粉の粒子表面にSiO2系ゲルコーティング膜を形成させ,次いで,固液分離してSiO2系ゲルコーティング膜を有する銅粒子を採取する銅粉の製造法において,当該オルガノシランの加水分解生成物が生成した懸濁液若しくは生成途中または生成前の液に「ガラス形成性成分を溶解した水溶液」を添加することによって,生成するSiO2系ゲルコーティング膜中にガラス形成性成分を含有させるものである。
【0019】
すなわち,オルガノシランの加水分解生成物(ゾル)が生成した懸濁液,若しくはゾルの生成途中またはゾルの生成前の液に,ガラス形成性成分を溶解した水溶液を添加する点に特徴がある。そのさい,該ゾルが形成した懸濁液に対して添加する場合には,ゲル化剤の添加前にガラス形成性成分を溶解した水溶液を添加してもよいが,ゲル化剤と同時にガラス形成性成分を添加してもよい。後者の場合には,ゲル化剤にガラス形成性成分を含有させた状態で添加することもできる。ガラス形成性成分を水溶液の形態で添加してゲル化剤(アンモニア)でゲル化を進行させると,生成するゲル中にガラス形成性成分の酸化物が取り込まれ,ガラス形成性成分を一様に含有したSiO2系ゲルコーティング膜が銅粒子の表面に形成される。
【0020】
このガラス形成性成分の添加は,当該成分の水酸化物,酸化物,無機酸塩,オキソ酸またはオキソ酸塩を溶解した溶液を使用して行うのがよい。本発明で使用するガラス形成性成分はアルカリ金属(M1),アルカリ土類金属(M2),両性金属元素(M3)または酸素・水素と結合してオキソ酸を形成する元素(M4)であることができる。このようなガラス形成性成分は,銅粉をフイラーとした導電ペーストを焼成するさいにガラス化し易い成分であり,実際には,当該導電ペースト中にガラスフリットを共存させる場合に,そのガラスフリットとなじみがよく,したがって,SiO2系ゲルコーティング膜のガラスフリットに対する濡れ性を改善する性質のある成分を意味している。
【0021】
アルカリ金属元素(M1)としては,NaまたはKが挙げらる。アルカリ土類金属(M2)としてはCa,SrまたはBa があるが,SiO2とBaOとのガラス化範囲が,SiO2とCaOまたはSrOとのガラス化範囲よりも広いために,Baでは焼成時にガラスの結晶化が起こりにくくなるので,これらのうちでもBa を使用するのが好ましい。M2の添加量としてはM2/Siの原子比(モル比)で,0.1以上,0.5以下以下とするのが好ましい。M2/Siが0.1未満であは,ガラスとの濡れ性が不十分で,0.7より大きくなるとガラスの結晶化が起こりやすくなるので,好ましくは0.5以下とするのがよい。
【0022】
両性金属元素(M3)としては,Al,Zn,Sn,Bi,Pb,As,Sbなどが挙げられるが,毒性や環境負荷の低いAl,ZnまたはSnがより好ましい。オキソ酸形成可能な元素(M4)としては,P ,B ,Al,SまたはClなどが挙げられるが,特にPとBはSiO2と混ざりあってガラスを形成し易い性質があり,ガラスと金属の濡れ性を向上させることができるので,より好ましい。
【0023】
このようにして,M1M2M3またはM4をSiO2系ゲルコーティング膜に適量含有させることにより,後記の実施例に示すように,これらの元素を含有しないSiO2系ゲルコーティング膜のものに比べて,これをフイラーとした導電ペーストでは,ガラスへの濡れ性の向上,軟化点の低下などによって,ボイド数が低下して焼結性が向上し,高品質の導電体とすることができる。
【0024】
具体的には,M1またはM2をSiO2系ゲルコーティング膜に適量含有させると導電ペーストの焼成時において,ガラス相へのSiO2系ゲルコーティング膜溶解時の粘度が変化し,より低い温度で焼結を促進させることができるようになる。M3またはM4をSiO2系ゲルコーティング膜に適量含有させると,焼結時にガラス相と銅粉との濡れ性が向上し,より緻密な焼結体を得ることができるようになる。さらにM1M2M3またはM4を組合せて含有させることにより一層焼結性を向上させることができる。
【0025】
導電フイラーに共存させるガラスフリットについては,その成分は特に限定されないが,SiO2,Na2O,B2O3,PbO等の金属酸化物成分を含有したガラスフリットを使用するのがよい。ガラスフリットの配合量についてはあまり多くなると導電体としての導電性質に影響を与えるようになるので,本発明に従う銅粉100重量部に対し,ガラスフリットが10重量部以下,好ましくは7重量部の範囲であるのがよい。
するのがよい。
【0026】
本発明に従ってSiO2系ゲルコーティング膜をその表面に形成させるための銅粉(被処理銅粉)としては,湿式還元法で製造された銅粉でもアトマイズ法で製造されたものでもよい。すなわち銅粉の製造法には限定されず,あらゆる製造法で得られた銅粉が適用可能であるが,水酸化銅→酸化銅→金属銅と変化させる湿式還元法によって製造された銅粉の場合には各種の粒度分布のものが比較的容易に得られ,また球状粉または板状粉も比較的容易に得られる。
【0027】
なお,銅粉表面のSiO2系ゲルコーティング膜はこれをガラス化するための処理は必要ではない。SiO2系ゲルコーティング膜はこれを200℃を超える或る温度に加熱するとガラス化することができるが,このようなガラス化のための熱処理を行わなくても,ゲルコーティングのままにおいて導電ペーストに要求されるに十分な耐酸化性を具備する。ガラス化のための熱処理を行うと,コーティング膜に亀裂が発生したりゲルコーティングが収縮して銅粒子の表面が露出したりして,かえって耐酸化性を阻害したり焼結特性に悪影響を与えることになるので,本発明にとっては好ましいことではない。
【0028】
【実施例】
〔実施例1〕
平均粒径が3μmの銅粉200gをイソプロピルアルコール500gに添加し,スラリー濃度が28.6重量%のスラリーとし,窒素雰囲気中で攪拌を行って酸素濃度がゼロになることを確認した。その後, 40℃に昇温し,テトラエトキシシラン6.3gを添加し5分間熟成した。次いで, Ba濃度が3.0%となるようにBa(OH)2を抜気済みの純水に溶解したバリウム水溶液72.6gを一括添加し,再び5分間熟成した。最後に, NH3(20.73 %) 69.5gのアンモニア水を連続添加したのち,60分間熟成する。反応終了後は空気中で吸引濾過し,窒素雰囲気中 120℃で11時間乾燥する。
【0029】
得られた粉体を化学分析し,また酸化開始温度および焼結開始温度の測定を行った。それらの結果を表1および図1に示した。表1および図1には,比較のために,バリウム水溶液を添加しなかった以外は実施例1を繰り返して得た粉体についても同様の測定を行い,それらを〔比較例1〕として示した。
【0030】
酸化開始温度の測定は空気中での示差熱分析計(TG)で行った。酸化開始温度とは「示唆熱分析計において,サンプル銅粉の重量が初期値から0.5%増加したときの温度」と定義する。また焼結開始温度の測定は次のようにして行った。すなわち,銅粉と有機ビヒクルを混合して円柱状に成形する。この成形体を,鉛直方向にして且つ軸方向に加重を付与した状態で昇温炉に装填し,窒素雰囲気中で昇温速度10℃/ 分,測定範囲:常温〜1000℃に連続的に昇温してゆき,成形体の高さ変化(収縮・膨張の変化)を自動記録する。そして,成形体の高さ変化(収縮)が始まり,その収縮率が0.5%に達したところの温度を「焼結開始温度」とする。
【0031】
表1および図1の結果に見られるように,本実施例1の銅粉は,Si量=0.42wt%,Ba量=0.71wt%,Ba/Siの原子比=0.35の,BaO含有SiO2系ゲルコーティング膜が形成されたものであり,その酸化開始温度は308℃であり,耐酸化性として好ましい300℃以上である。また焼結開始温度は,比較例1のBaを含まないSiO2系ゲルコーティング膜のものに比べて若干高めではあるが,図1に見られるように,約750℃以上において比較例1のものより収縮率が大きく,この点で導電ペーストの焼結性が改善するものと考えられる。
【0032】
実際に,本実施例1の銅粉と比較例1の銅粉を用いて導電ペーストを作成してその焼結性評価を行ったところ,次の結果が得られた。焼結性試験は次のとおりである。
【0033】
〔焼結性試験〕供試銅粉4.2g,希釈剤 0.2720g,ビヒクル0.8180g およびガラスフリット0.1600g を混合した後,この混合物を三本ロールで混錬して導電性ペーストを作成する。得られた導電性ペーストを積層セラミックコンデンサーの外部電極として塗布し,830℃の窒素雰囲気中で30分間焼成する。焼成後の表面を電子顕微鏡(FE-SEM)により観察し,ボイド数を数える。ボイド数の計測は,図2に示すように,形成された外部電極の角から横60μm,縦40μm離れた位置に,計測範囲(縦80μm,横100μmの長方形)の右上角がくるように固定し,この計測範囲に存在する径が6μm以上のボイド数と,径が12μm以上のボイド数を数える(図2の枠線にかかっているものについても数える)。
【0034】
〔焼結性の試験結果〕実施例1と比較例1の粉体を用いた導電ペーストの焼成試験の結果は,次のとおりである。
【0035】
すなわち,SiO2系ゲルコーティング膜にBaを含有する本例の銅粉は,Baを含有しない比較例1のものに比べて,大きいボイド数が減り,良好な焼成品が得られた。
【0036】
〔実施例2〕
Ba(OH)2の水溶液代えて,NaOHの水溶液を添加した以外は実施例1を繰り返して,Na2O含有SiO2系ゲルコーティング膜をもつ銅粉を得た。得られた銅粉を化学分析し,実施例1と同様にして酸化開始温度および焼結開始温度の測定を行った。その結果を表2および図3に示した。
【0037】
これらの結果に見られるように,本例のNa2O含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉は,酸化開始温度が267℃であり,SiO2単独の比較例1と比較して若干劣るが,SiO2系ゲルコーティング膜のない銅粉の酸化開始温度はほぼ180℃であり,これに比べると約80℃も高い。また,本例の銅粉は焼結開始温度が550℃であり,比較例1のものに比べて80℃低い。とくに,図3より,ペーストの焼成温度である830℃付近まで,比較例1より収縮率が大きいことがわかる。
【0038】
次に,得られた銅粉を用いた導電ペーストの焼結性評価を実施例1と同様にして行ったが,供試粉体を次のような配合のものとした。すなわち, 実施例1で使用した銅粉 4.2gに代えて, 実施例2の銅粉66%に対し,フレーク銅粉にSiO2系ゲルコーティング膜を施した銅粉33%とを混合した混合銅粉 4.2gを使用した以外は,実施例1で記載した焼結性試験を行った。比較例についても,比較例1の銅粉66%に対し,フレーク銅粉にSiO2系ゲルコーティング膜を施した銅粉33%とを混合した混合銅粉 4.2gを使用し,実施例1で記載した焼結性試験を行った。
【0039】
いずれの焼成電極についても,電子顕微鏡(FE-SEM)観察し,実施例1と同様にしてボイド数を数えた。その結果を下記に示すが,Naが添加されたSiO2系ゲルコーティング膜付きの本例の銅粉は,Baが添加されたものと同様に,大きなボイドの数が減り,焼結性が良好になっている。特に12μm以上のボイド数については,Naを含まないものに比べて1/6にまで減少していることがわかる。
【0040】
〔実施例3〕
平均粒径が2.5μmの銅粉200gをイソプロピルアルコール500gに添加し,スラリー濃度が28.6%のスラリーとし,窒素雰囲気中で撹拌を行い,酸素濃度がゼロになることを確認した。次いで40℃に昇温後,テトラエトキシシラン7.8gを添加し5 分間熟成した。その後,1.7gのH3BO3を抜気済み純水61.9gに溶解したホウ酸水溶液を一括添加し,再び5分間熟成した。最後に NH3(19.87%) 72.5gのアンモニア水を連続添加したのち,60分間熟成した。反応終了後は空気中で吸引濾過し,窒素雰囲気中120℃で11時間乾燥した。
【0041】
得られた銅粉を化学分析し,実施例1と同様にして酸化開始温度および焼結開始温度の測定を行った。その結果を表3および図4に示した。比較のために,ホウ酸水溶液を添加しなかった以外は,実施例3を繰り返して得た銅粉を「比較例3」として,表3および表4に示した。
【0042】
これらの結果に見られるように,本例のB2O3含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉は,酸化開始温度が400℃と高く,SiO2単独の比較例3に比べて高い。また,焼結開始温度が613℃であり,図4に見られるように,比較例3のものに比べると収縮率が高く,焼結性が良好であると考えられる。
【0043】
事実,得られた粉体と比較例3の粉体を,実施例1と同様の焼結性試験に供したところ,下記の結果となり,大きなボイド数はゼロとなるまでに,焼結性が改善された。
【0044】
〔実施例4〕
平均粒径が3.0μmの銅粉200gをイソプロピルアルコール500g,純水70.6gに添加し,窒素雰囲気中で撹拌を行い酸素濃度がゼロになることを確認したあと,40℃に昇温し,テトラエトキシシラン5.85gを添加し5 分間熟成した。その後,NH3(22.58%) 191.4gのアンモニア水に酸化亜鉛2gを溶解した溶液63.8gを連続添加し,60分間熟成させた。反応終了後は空気中で吸引濾過し,窒素雰囲気中120℃で11時間乾燥した。
【0045】
得られたZnO含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉を実施例1と同様の焼結性試験に供した。その結果を前記の比較例1と対比して下記に示すが,両性金属Znが添加されたSiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉についても,前例のBa ,Na,Bなどが添加されたものと同様に大きいボイドの数が減り焼結性が良好になっていることがわかる。
【0046】
〔実施例5〕
実施例1と同様の方法で,Ba /Siの原子比(モル比)がおよそ 0.4,0.6,0.8 となるBaO含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉を作成した。得られた各銅粉(実施例5−1,同5−2,同5−3)の化学分析値と酸化開始温度の測定結果を表4に示した。表4の結果にみられるように,酸化開始温度はBa 添加によりBa添加しない比較例1のもの(酸化開始温度319℃)に比べ高くなり,耐酸化性が向上している。
【0047】
さらに,得られた各銅粉を実施例1と同様の焼結性試験に供した。その結果を前記の比較例1のものと対比した下記に示す。カッコ内の数値は,ボイド数が比較例1のものに対してどれだけの割合で減少したかを,%表示で表したものである。これを改善率と呼ぶ。
【0048】
【0049】
ボイドの改善率は, これらのうち,Ba /Siのモル比が最も大きい実施例5-3 の銅粉のもの高い値を示している。しかし,あまりBa/Siのモル比が高いものでは焼結体中でBa が結晶化するおそれがあるので,Ba/Siのモル比が0.5以下でも良好なボイド改善率が得られるのであれば,Ba/Siのモル比は0.5以下とするのがよい。
【0050】
〔実施例6〕
実施例3と同様の方法でB/Siの原子比(モル比)がおよそ 0.4, 0.5, 0.8となるB2O3含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉を作成した。得られた各銅粉(実施例6−1,同6−2,同6−3)の化学分析と酸化開始温度の測定結果を表5に示した。表5の結果にみられるように,酸化開始温度はB添加によりB添加しない比較例3のもの(酸化開始温度326℃)に比べ高くなり,耐酸化性が向上している。とくに,B/Siのモル比がが0.4 と0.5 のものでは酸化開始温度が400 ℃以上に達しており,耐酸化性の改善効果が大きい。
【0051】
さらに,得られた各銅粉を実施例1と同様の焼結性試験に供した。その結果を前記の比較例1(元粉の粒径3μm)と比較例3(元粉の粒径2.5μm)のものと対比した下記に示す。カッコ内の数値は,元粉の粒径が同じ比較例のものに対するボイド数の改善率を表す。すなわち,実施例6-1 と6-2 の改善率は比較例3に対するものであり,実施例6-3 の改善率は比較例1に対するものである。これらの結果から,B/Siのモル比が0.5以下でもボイド数低減の効果が十分に現れることがわかる。
【0052】
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
〔実施例7〕
実施例1に従って製造したBa/Siモル比が0.35のBaO含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉と,実施例3に従って製造したB/Siモル比が0.499のB2O3含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉とを,重量比で1:3の割合で混合し,この混合粉について,実施例1と同様の焼結性試験に供した。その結果を,比較例1のものと対比して下記に示したが,6μm以上のボイド数および12μm以上のボイド数とも,比較例1のものに比べて減少しており,混合粉として使用すると,焼結性が一層向上することがわかる。
【0059】
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によると,耐酸化性を維持したまま焼結性を向上できる銅粉を得ることができた。その結果,導電ペーストのフィラーに使用した場合,焼成過程で発生するボイドを抑えることができ,焼結性の優れた導電ペーストを得ることができる。また,ボイド数が低減したことにより,焼成後の導電ペースト上にメッキを施す際,ボイド中にメッキ液が入り込んで腐食するという問題なども解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うBaO含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉の焼結開始温度(●印)を,BaOを含まないSiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉(○印)のそれと対比して示した図である。
【図2】本発明に従うBaO含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉を導電フイラーとした導電ペーストを焼結処理し,得られた焼結体の表面状態を,BaOを含まないSiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉(図中,比較例1と記したもの)のそれと対比して示した電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明に従うNa2O含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉の焼結開始温度(■印)を,Na2Oを含まないSiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉(□印)のそれと対比して示した図である。
【図4】本発明に従うB2O3含有SiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉の焼結開始温度(●印)を,B2O3を含まないSiO2系ゲルコーティング膜付き銅粉(○印)のそれと対比して示した図である。
Claims (2)
- 撹拌された水溶性の有機溶媒中で、銅粉、オルガノシラン化合物および水を反応させてオルガノシランの加水分解生成物を生成させ、得られた懸濁液にゲル化剤を連続添加して銅粉の粒子表面にSiO2系ゲルコーティング膜を形成させ、次いで、固液分離してSiO2系ゲルコーティング膜を有する銅粒子を採取する銅粉の製造法において、ガラス形成性成分を溶解した水溶液を当該オルガノシランの加水分解生成物が生成した懸濁液若しくは生成途中または生成前の液に添加することを特徴とする耐酸化性および焼結性に優れた導電ペースト用銅粉の製造法。
- ゲル化剤としてアンモニア水を用いる請求項1に記載の製造法。
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