JP4127749B2 - 内壁材又は天井材用珪酸カルシウム材料及びその製造方法 - Google Patents

内壁材又は天井材用珪酸カルシウム材料及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トバモライト系珪酸カルシウムを主成分としつつ少量のゾノトライト系珪酸カルシウムを含有する珪酸カルシウム材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
珪酸カルシウム材料は、各種建築材料用、保温材料用などとして多量に使用されている。該珪酸カルシウム材料には、主としてトバモライト(5CaO・6SiO2 ・5H2 O)系材料とゾノトライト(6CaO・6SiO2 ・H2 O)系材料とがあるが、このうち、建築材料用には主としてトバモライト系の珪酸カルシウム材料が、保温材料用には主としてゾノトライト系の珪酸カルシウムが使用されている。
【0003】
上記珪酸カルシウム材料は、使用後は多量の廃材となり埋め立て等により廃棄されている。しかし、近年の環境問題等を考慮すれば多量に排出される廃材をこのまま廃棄することは好ましくない。また、たとえ廃棄するとしても一般に珪酸カルシウム材料は比重が小さく嵩高なために減容処理のコストがかかる等の問題がある。このため、上記珪酸カルシウム材料の廃材は再利用されることが好ましい。
【0004】
珪酸カルシウム材料の廃材をリサイクルする発明としては、例えば、特開平7−278532号公報に、珪酸質原料とカルシウム質原料とを水熱合成して得られる珪酸カルシウムの水スラリーと固形珪酸カルシウム廃材とを混合し、該混合物を脱水成形後、乾燥する再生珪酸カルシウム保温材の製造方法が開示されており、該方法によれば保温材廃材を有効に利用でき、得られた再生保温材はJISに定める強度を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、該方法により得られる再生珪酸カルシウム保温材は、保温材用途のため曲げ強度が通常2kg/ cm2 以上、例えば実施例において3.0〜4.9kg/ cm2 程度と低いため、曲げ強度が90kg/ cm2 以上であることが要求される建築材料用としては強度が低すぎて使用できなかった。また、該発明では、廃材を含まない材料で形成されたものの曲げ強度が15kg/ cm2 であるのに対して廃材を含むものでは曲げ強度が上記のように3.0〜4.9kg/ cm2 程度にすぎず、廃材を配合したリサイクル材は曲げ強度等の特性が極端に低下したものしか得られないという問題もあった。さらに、建築材料用材料としては見栄えが重要な性能の一つであり、このため材料自体の色調が白色に近いこと、すなわち、明度が高いことが要求されるが、従来のトバモライト系珪酸カルシウム材料の廃材を配合したリサイクル材料では、明度が低下し易いため該リサイクル材料を建築材料用に用いることが困難であるという問題もあった。
【0006】
また、ゾノトライト系珪酸カルシウム材料とトバモライト系珪酸カルシウム材料はそれぞれ需要が略一定しており、例えばゾノトライト系珪酸カルシウム材料の廃材をトバモライト系珪酸カルシウム材料用に再利用するような、ゾノトライト系材料−トバモライト系材料相互間のリサイクルは行われていない。また、珪酸カルシウム材料の廃材におけるトバモライト系珪酸カルシウム材料とゾノトライト系珪酸カルシウムとの排出割合は、トバモライト系珪酸カルシウム材料100に対しゾノトライト系珪酸カルシウム材料が2程度であるが、両者ともリサイクルされていない。上記公報記載の方法によればゾノトライト系珪酸カルシウム材料の廃材をリサイクルできると記載されているが、現実には廃材を少量配合するだけで曲げ強度が大幅に低下してしまうことからリサイクルされることはほとんどない。
【0007】
従って、本発明の目的は、ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材をリサイクルするためにこれを配合しても、廃材を含有しない珪酸カルシウム材料に比べて曲げ強度等の特性をあまり低下させず、しかも、十分な曲げ強度や明度等を有するために建築材料用に用いることができる珪酸カルシウム材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材等のゾノトライト系珪酸カルシウムを所定量含むトバモライト系珪酸カルシウム系の珪酸カルシウム材料であれば、建築材料用として十分な曲げ強度等を有し、しかも明度が向上し、保温性も向上する等の効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、珪酸原料と石灰原料からなるトバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウム100重量部、補強繊維10〜50重量部、前記トバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウムと該補強繊維との合計量100重量部に対しゾノトライト系珪酸カルシウム1〜10重量部、及び水を含み、前記ゾノトライト系珪酸カルシウムが、水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム及びゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材であり、前記水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム及び前記ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材の配合割合が、前記水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム100重量部に対して前記ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材が200重量部以下となる配合割合であるスラリーを抄造法により成形した後、水熱合成して得られ、且つ曲げ強度が90kgf/cm2 以上であることを特徴とする内壁材又は天井材用珪酸カルシウム材料を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、珪酸原料と石灰原料からなるトバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウム100重量部、補強繊維10〜50重量部、前記トバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウムと該補強繊維との合計量100重量部に対しゾノトライト系珪酸カルシウム1〜10重量部、及び水を含み、前記ゾノトライト系珪酸カルシウムが、水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム及びゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材であり、前記水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム及び前記ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材の配合割合が、前記水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム100重量部に対して前記ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材が200重量部以下となる配合割合であるスラリーを抄造法により成形した後、水熱合成することを特徴とする内壁材又は天井材用珪酸カルシウム材料の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係る珪酸カルシウム材料について説明する。本発明に係る珪酸カルシウム材料に含まれるトバモライト系珪酸カルシウムは、トバモライト(5CaO・6SiO2 ・5H2 O)を主として含む珪酸カルシウムであればよく特に限定されない。該トバモライト系珪酸カルシウムとしては、例えば、CaO成分を供給する石灰原料とSiO2 成分を供給する珪酸原料とを混合してオートクレーブ等で水熱合成することにより得られたもの、又はこれとトバモライト系珪酸カルシウム建築材料等の廃材とを併用して生成されたものが挙げられる。本発明に係る材料中のトバモライト系珪酸カルシウムは、CaO/SiO2 のモル比(以下、「C/S比」ともいう。)が0.6〜1.2、好ましくは0.8〜0.9である。
【0012】
本発明に係る珪酸カルシウム材料に含まれるゾノトライト系珪酸カルシウムは、ゾノトライト(6CaO・6SiO2 ・H2 O)を主として含む珪酸カルシウム材料であればよく特に限定されない。該ゾノトライト系珪酸カルシウムとしては、上記石灰原料と上記珪酸原料とを混合してオートクレーブ等で水熱合成することにより得られたもの、ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材、又はこれらの両方が挙げられる。
【0013】
本発明に係る珪酸カルシウム材料は、ゾノトライト系珪酸カルシウムがこれらのいずれであっても密度、曲げ強度、加熱線収縮率、吸水寸法変化率、明度等は後述する範囲内にあり物性の上では問題ない。しかし、珪酸カルシウム系材料の抄造法による板材の成形の際における成形性の上では、ゾノトライト系珪酸カルシウムが保温材の廃材のみで形成されたものであると成形性が悪くなり易いため、水熱合成で得られたゾノトライトと保温材の廃材との両方を含むものであることが好ましい。
【0014】
水熱合成により得られたゾノトライトは、C/S比が0.9以上、好ましくは1.0〜1.1である。また、本発明に係る珪酸カルシウム材料中のゾノトライト系珪酸カルシウムの形態としては、特に限定されないが、通常、粒径20〜200μm 、好ましくは粒径50〜100μm の粒状物である。
【0015】
ゾノトライト系珪酸カルシウムが、水熱合成で得られたゾノトライトと保温材の廃材との両方を含む場合、これらの含有割合は、水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム100重量部に対して、ゾノトライト系珪酸カルシウムの廃材が通常200重量部以下、好ましくは50〜150重量部である。ゾノトライト系珪酸カルシウムの廃材の割合が200重量部を越えると、抄造法による板材の成形の際における成形性が低下し、製品の歩留りが低下するためコストが高くなり好ましくない。
【0016】
本発明に係る珪酸カルシウム材料に含まれる補強繊維としては、繊維状ワラストナイト、パルプ、ガラス繊維等が挙げられる。
【0017】
本発明に係る珪酸カルシウム材料は、上記トバモライト系珪酸カルシウム、ゾノトライト系珪酸カルシウム及び補強繊維からなる。ゾノトライト系珪酸カルシウムは、トバモライト系珪酸カルシウムや補強繊維と実質的に反応することなく、これらの形成するマトリクス中に原料の形態を実質的に保持して取り込まれているものである。
【0018】
本発明に係る珪酸カルシウム材料中におけるトバモライト系珪酸カルシウムの含有量は、通常60〜80重量%、好ましくは70〜75重量%である。該含有量が該範囲内にあると、強度等の物性と抄造法による板材の成形性とのバランスが優れるため好ましい。また、トバモライト系珪酸カルシウムがトバモライト系珪酸カルシウム建築材料等の廃材を含むものである場合、該廃材の含有量は、本発明に係る珪酸カルシウム材料中、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。該含有量が20重量%を越えると抄造法による板材の成形性が悪くなるため好ましくない。
【0019】
本発明に係る珪酸カルシウム材料中におけるゾノトライト系珪酸カルシウムの含有量は、通常1〜10重量%、好ましくは1.5〜3.0重量%である。該含有量が該範囲内にあると、曲げ強度が高く、ゾノトライト系珪酸カルシウムに由来する白い色調が強調されて珪酸カルシウム材料全体のL* * * 表色系の明度L* が高く、吸水変化率が低くなる。ゾノトライト系珪酸カルシウムの含有量が1重量%未満であると明度の向上、吸水変化率の低減及び保温性の向上に特に効果がないため好ましくない。また、該含有量が10重量%を越えると、曲げ強度の低下と加熱線収縮率の増加が顕著になり実用性が低下するため好ましくない。
【0020】
本発明に係る珪酸カルシウム材料中における補強繊維の含有量は、通常10〜30重量%、好ましくは15〜20重量%である。該含有量が該範囲内にあると珪酸カルシウム材料の曲げ強度と密度のバランスが優れるため好ましい。
【0021】
上記本発明に係る珪酸カルシウム材料は、密度が通常0.5〜1.0g/cm3 、好ましくは0.8〜1.0g/cm3 である。また、本発明に係る珪酸カルシウム材料は曲げ強度が通常90kgf/cm2 以上である。曲げ強度が90kgf/cm2 未満であると建築材料用として使用される際に強度が不足するため好ましくない。また、本発明に係る珪酸カルシウム材料は加熱線収縮率が通常3%以下である。加熱線収縮率が3%を越えると建築材料用として使用される場合に、火災の熱により該材料から形成した部材が脱落したり亀裂が入ることが顕著になるため好ましくない。また、本発明に係る珪酸カルシウム材料は吸水寸法変化率が通常0.080%以下である。吸水寸法変化率が0.080%を越えると建築材料用として使用された場合に、吸湿や吸水による寸法変化が顕著になるため好ましくない。また、本発明に係る珪酸カルシウム材料は明度が通常88.3%以上である。明度が該範囲内にあると材料の色が白に近いために建築材料用として使用される等の場合に意匠性が高く、さらに着色する場合にも珪酸カルシウム材料の色が着色塗料の色調を阻害し難いため好ましい。
【0022】
次に、本発明に係る珪酸カルシウム材料の製造方法について説明する。本発明に係る珪酸カルシウム材料の製造方法は、珪酸原料と石灰原料からなるトバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウム、補強繊維、ゾノトライト系珪酸カルシウム及び水を含むスラリーを抄造法により成形した後、水熱合成するものである。
【0023】
本発明に係る珪酸カルシウム材料の原料として用いられるトバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウムとしては、トバモライト生成原料、又はトバモライト生成原料とトバモライト系珪酸カルシウムとを組み合わせたものが挙げられる。
【0024】
トバモライト生成原料は、オートクレーブ等による水熱合成によりトバモライトを生成する原料であり、CaOを供給する石灰原料及びSiO2 を供給する珪酸原料からなる。該トバモライト生成原料としては、通常の珪酸カルシウム系建築材料の成形体の製造に用いられるものと同様のものが挙げられ、例えば、石灰原料としては、消石灰、生石灰、カーバイト滓等が挙げられ、珪酸原料としては、珪藻土、珪石、フェロシリコンダスト、珪華等が挙げられる。トバモライト生成原料は、石灰原料と珪酸原料とをC/S比が0.6〜1.2、好ましくは0.8〜1.1となるように含む。C/S比が上記範囲外であると水熱合成反応が起こり難いため好ましくない。
【0025】
トバモライト系珪酸カルシウムとしては、通常のトバモライト系珪酸カルシウム、又はトバモライト系珪酸カルシウムの建築材料の廃材等が挙げられる。このうち、建築材料等の廃材はリサイクルの観点から好ましい。トバモライト系珪酸カルシウムの形態としては、特に限定されないが、通常、粒径20〜200μm 、好ましくは粒径50〜100μm の粒状物である。
【0026】
本発明に係る珪酸カルシウム材料の原料として用いられるゾノトライト系珪酸カルシウムとしては、ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材等の廃材、石灰原料と珪酸原料とを水熱合成して得られたゾノトライト系珪酸カルシウム、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
水熱合成して得られるゾノトライト系珪酸カルシウムは、例えば、石灰原料と珪酸原料とをC/S比が0.9以上、好ましくは1.0〜1.1になるように混合し、得られた混合物に重量比で10〜30倍量の水を配合してスラリーを形成し、該スラリーを194〜214℃、14〜20kgf/cm2 の加圧水蒸気下で2〜8時間保持する方法により得られる。C/S比が上記範囲外であるとゾノトライト系の結晶構造が得られなくなるため好ましくない。ゾノトライト系珪酸カルシウムは、通常、粒径10〜200μm 、好ましくは粒径20〜100μm の粒状物である。該粒径が200μm を越えると製品の表面が粗くなるため好ましくない。
【0028】
本発明に係る珪酸カルシウム材料の原料として用いられる補強繊維としては、繊維状ワラストナイト、パルプ、ガラス繊維等が挙げられる。このうち、繊維状ワラストナイトは成形体と組成が類似することにより珪酸カルシウム材料と馴染みがよく材料全体としての一体性が高くなるため好ましく、パルプは抄造法による成形時の濾水性及び焼成前の成形体の強度を向上させるため好ましい。また、本発明に係る珪酸カルシウム材料の原料としては、上記以外にセメント、石膏等を含んでいてもよい。
【0029】
本発明に係る珪酸カルシウム材料の製造方法では、まず、上記トバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウム、補強繊維及びゾノトライト系珪酸カルシウムに水を配合し攪拌機等を用いて混合しスラリーを形成する。
【0030】
スラリー中における補強繊維の配合量は、トバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウム100重量部に対して、通常10〜50重量部、好ましくは15〜20重量部である。該配合量が10重量部未満であると曲げ強度が不足し易いため好ましくなく、また、50重量部を越えると曲げ強度は高くなるものの抄造法による成形性が悪くなり易いと共に補強繊維が珪酸カルシウム材料から脱落し易くなるため好ましくない。
【0031】
スラリー中におけるゾノトライト系珪酸カルシウムの配合量は、トバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウムと補強繊維との合計量を100重量部として、通常1〜10重量部、好ましくは1.5〜3重量部である。該配合量が1重量部未満であると保温性が悪くなるため、また、10重量部を越えると強度が低下し、また抄造法による成形性が悪くなるため好ましくない。
【0032】
また、ゾノトライト系珪酸カルシウムが水熱合成したゾノトライトとゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材との両方を含む場合、原料として配合するゾノトライト系珪酸カルシウムの量全体に対する水熱合成したゾノトライトとゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材との配合割合は、水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム100重量部に対して、ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材が通常200重量部以下、好ましくは50〜150重量部である。ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材の配合割合が200重量部を越えると、抄造法による成形性が低下し、製品の歩留りが低下するためコストが高くなり好ましくない。
【0033】
スラリー中の水分量は、上記トバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウム、補強繊維及びゾノトライト系珪酸カルシウムの合計量に対して体積比で5〜20倍量である。
【0034】
次にスラリーを抄造法により成形する。成形は、最終製品の密度が0.5〜1.0g/cm3 程度になるように成形面圧及び抄造条件を調整することにより行う。次に、得られた成形体を、例えば通常164〜214℃、6〜20kgf/cm2 の加圧水蒸気下で8〜22時間保持、好ましくは180〜200℃、10〜15kgf/cm2 の加圧水蒸気下で12〜18時間保持する。
【0035】
この工程において、成形体中のトバモライト生成原料が水熱合成を行って単独で、又は予め原料として配合されたトバモライト系珪酸カルシウムを取り込んでトバモライトマトリクスを生成し、該トバモライトマトリクスとゾノトライト系珪酸カルシウムと補強繊維とを含むトバモライト系珪酸カルシウムを生成する。なお、原料として配合されたゾノトライト系珪酸カルシウムは、該工程において特に反応又は変質することなく、トバモライト系珪酸カルシウムマトリクス中に取り込まれる。水熱合成終了後、さらに、必要に応じ大気圧下105〜180℃の条件で乾燥処理を行い、本発明に係る珪酸カルシウム材料を得る。該乾燥工程は、製品を所定の含水率にするために行うものである。
【0036】
本発明の珪酸カルシウム材料は、内壁材、天井材等の建築材料に使用することができる。
【0037】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
実施例1〜7、比較例1、2
表1又は表2に示す原料の組成でトバモライト生成原料、補強繊維、及びゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材を配合し、得られた配合物に体積比で10倍の水を加えて混合し、スラリーを得た。
次に、該スラリーを抄造法により成形して密度0.9g/cm3 の成形体を得た後、該成形体を10kgf/cm2 の加圧水蒸気圧下で18時間保持する蒸気熱処理を行い、さらに、大気圧下150℃で5時間乾燥処理を行って1820mm×910mm×6mmの珪酸カルシウム材料を得た。
得られた珪酸カルシウム材料について、嵩密度、曲げ強度、吸水寸法変化率、加熱線収縮率及び明度を測定した。結果を表3又は表4に示す。
なお、吸水寸法変化率、加熱線収縮率及び明度は以下のようにして測定した。・吸水寸法変化率:300mm×300mm×6mmに切断した試験片を20℃の水中に10時間保持して浸漬させ、浸漬前の所定部分の長さl1 と浸漬後の所定部分の長さl2 とから、(l1 −l2 )/l1 により求めた。
・加熱線収縮率:300mm×300mm×6mmに切断した試験片を500℃の加熱炉中に4時間保持し、加熱前の所定部分の長さl3 と加熱後の所定部分の長さl4 とから、(l3 −l4 )/l3 により求めた。
・明度:ミノルタ株式会社製 色彩色差計CR−300を使用して明度L* を測定した。
【0039】
【表1】
Figure 0004127749
*1 「タルク等」としては、タルク、パーライト及び炭酸カルシウムの混合物を用いた。
※表中の単位は、「(A) のC/S比」及び「(E).(F).(G).」の欄以外は「重量部」である。
【0040】
【表2】
Figure 0004127749
*1 「タルク等」としては、タルク、パーライト及び炭酸カルシウムの混合物を用いた。
※表中の単位は、「(A) のC/S比」及び「(E).(F).(G).」の欄以外は「重量部」である。
【0041】
【表3】
Figure 0004127749
【0042】
【表4】
Figure 0004127749
【0043】
表1〜表4より、原料として配合されるトバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウムと補強繊維との合計量に対するゾノトライト系珪酸カルシウムの配合量が多くなると、嵩密度が低下することにより保温性が向上すると共に、曲げ強度が低下する。ゾノトライト系珪酸カルシウムの含有量が10重量%を越えると曲げ強度が90kg/ cm2 未満になり建築材料としては強度不足であることが分かる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ゾノトライト系珪酸カルシウムの廃材をリサイクルしても、建築材料用として十分な曲げ強度、明度、保温性等を有する珪酸カルシウム材料が得られ、ゾノトライト系珪酸カルシウムの含有量を所定量以下の範囲内で用いることにより、曲げ強度及び加熱線収縮率が建築材料用として十分な範囲内であると共に、吸水変化率が小さく、さらに明度が高く意匠性に優れた珪酸カルシウム材料を得ることができる。また、ゾノトライト系珪酸カルシウムの配合量を調整することにより、珪酸カルシウム材料の嵩密度を容易に調整することができる。
【0045】
また、本発明に係る珪酸カルシウム材料は、トバモライト系珪酸カルシウムに対するゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材の配合割合を、トバモライト系珪酸カルシウムの生産量(廃棄量)に対するゾノトライト系珪酸カルシウムの生産量(廃棄量)に近い値とできるため、計算上はゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材を添加物として略100%再利用でき、従来はほとんどリサイクルされていなかったゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材のリサイクル率を飛躍的に高めることができる。

Claims (4)

  1. 珪酸原料と石灰原料からなるトバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウム100重量部、補強繊維10〜50重量部、前記トバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウムと該補強繊維との合計量100重量部に対しゾノトライト系珪酸カルシウム1〜10重量部、及び水を含み、前記ゾノトライト系珪酸カルシウムが、水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム及びゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材であり、前記水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム及び前記ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材の配合割合が、前記水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム100重量部に対して前記ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材が200重量部以下となる配合割合であるスラリーを抄造法により成形した後、水熱合成して得られ、
    且つ曲げ強度が90kgf/cm2 以上であること
    を特徴とする内壁材又は天井材用珪酸カルシウム材料。
  2. 明度が88.3%以上であることを特徴とする請求項記載の内壁材又は天井材用珪酸カルシウム材料。
  3. 吸水寸法変化率が0.080%以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の内壁材又は天井材用珪酸カルシウム材料。
  4. 珪酸原料と石灰原料からなるトバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウム100重量部、補強繊維10〜50重量部、前記トバモライト生成原料又はトバモライト系珪酸カルシウムと該補強繊維との合計量100重量部に対しゾノトライト系珪酸カルシウム1〜10重量部、及び水を含み、前記ゾノトライト系珪酸カルシウムが、水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム及びゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材であり、前記水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム及び前記ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材の配合割合が、前記水熱合成したゾノトライト系珪酸カルシウム100重量部に対して前記ゾノトライト系珪酸カルシウム保温材の廃材が200重量部以下となる配合割合であるスラリーを抄造法により成形した後、水熱合成することを特徴とする内壁材又は天井材用珪酸カルシウム材料の製造方法。
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