JP4123748B2 - 焼入れ後の衝撃特性に優れる薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の構造部品等に使用される薄鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ドアインパクトビームやセンターピラー等の自動車構造部品として、軽量かつ高耐久性の観点から980MPa以上の高強度の鋼板が使用されている。しかし、これらの部品は成形性が厳しいため、上記高強度の鋼板を使用した場合、割れや形状不良の問題が多く、また、素材コストも高い。
【0003】
近年では、このような問題を背景に440MPaレベルの低強度の薄鋼板を用いて成形を行い、高周波焼入れ等により高強度化が図られている。このような例として、「まてりあ、第37巻、第6号(1998)」では、センターピラーリンフォースメントやフロントクロスメンバー等において、それぞれ、440MPa、390MPaの鋼板を用いて高周波焼入れにより高強度化している。そして、表面が3次元形状をしている部品に対し、高周波焼入れを行うに際して焼入れコイルをロボットに支持させ、これを部品形状に沿って精密に移動させながら焼入れを行う方法を新規に開発している。
【0004】
また、後熱処理により高強度化する技術としては、特開昭60−238424号公報において、レーザー照射による部分強化の方法が開示されている。
【0005】
特開平7−126807号公報では、高エネルギー密度ビーム照射により強化する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、「まてりあ、第37巻、第6号(1998)」に記載の技術は、焼入れ条件の変動を小さくするため、莫大な設備投資が必要となっている。
【0007】
特開昭60−238424号公報に記載の技術は、レーザ照射部は極く僅かであり、部材の強度上昇には長時間を要する。また、設備投資も莫大となりコスト増を招く。
【0008】
特開平7−126807号公報に記載の技術は、局所的な強化を行うだけであるため、得られる強度レベルも710MPa程度に過ぎない。
【0009】
このように、焼入れ安定性に優れ、かつ焼入れ後の衝撃特性に優れる鋼板は未だ提案されてないのが現状である。
【0010】
よって、本発明は、焼入れ条件による変動が小さく、焼入れ後の衝撃特性に優れる薄鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、以下のことを見出した。
【0012】
▲1▼加熱温度が1000℃以下、特に950℃以下での焼入れ性に対しては、成分組成が大きく影響し、C、Bの添加が必須である。
【0013】
▲2▼焼入れ後の衝撃特性に対しては、析出物の粒径、ミクロ組織の影響が大きく、Ti含有鋼において、TiNの形態が加熱時のオーステナイト粒径を大きく変化させ、TiNが微細に析出している場合、著しくオーステナイト粒径が微細化するため、冷却時にフェライトが部分的に生成してしまいフェライトとオーステナイト界面で亀裂が伸展しやすくなり衝撃特性が低下する。
【0014】
▲3▼さらに、高周波加熱後の冷却までの時間の変動といった焼入れ条件の変動に対しては、B−(10.8/14)N*の影響が大きく、B−(10.8/14)N*が小さい場合、高周波加熱後の冷却時にフェライトが生成し、オーステナイト粒径が細粒化した場合と同じくフェライトとオーステナイトとの界面で亀裂が伸展しやすくなり衝撃特性が低下する。
【0015】
本発明はかかる知見に基づきなされたもので、鋼成分としてmass%で、C:0.10〜0.37%、Si:1%以下、Mn:2.5%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0050%を含有し、あるいはさらにNi、Cr、Moの1種以上を、合計で1%以下含有し、B−(10.8/14)N*≧0.0005%、N*=N−(14/48)Ti、但し、右辺≦0の場合、N*=0を満足する鋼成分を有する鋼を、巻取温度720℃以下で熱間圧延し、酸洗した後、640℃以上Ac 1 変態点以下で球状化焼鈍することにより、鋼中析出物であるTiNの平均粒径が0.06〜0.30μmであり、かつ焼入れ後の旧オーステナイト粒径が2〜25μmである薄鋼板を得ることを特徴とする焼入れ後の衝撃特性に優れる薄鋼板の製造方法である。
【0016】
この発明において、さらに、鋼成分としてmass%で、C:0.10〜0.37%、Si:1%以下、Mn:2.5%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0050%を含有し、あるいはさらにNi、Cr、Moの1種以上を、合計で1%以下含有し、B−(10.8/14)N * ≧0.0005%、N * =N−(14/48)Ti、但し、右辺≦0の場合、N * =0を満足する鋼成分を有する鋼を、巻取温度720℃以下で熱間圧延し、酸洗した後、640℃以上Ac 1 変態点以下で球状化焼鈍して、冷延率30%以上で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac 1 変態点以下で焼鈍することにより、鋼中析出物であるTiNの平均粒径が0.06〜0.30μmであり、かつ焼入れ後の旧オーステナイト粒径が2〜25μmである薄鋼板を得ることを特徴とする焼入れ後の衝撃特性に優れる薄鋼板の製造方法とすることもできる。
【0020】
まず、鋼板の鋼成分について限定理由を説明する。
【0021】
C: 0.10〜0.37%
Cは、焼入れ後の強度を得るための重要な元素であり、980MPa以上を得るには少なくとも0.10%以上が必要である。しかし、0.37%を超えて添加すると強度は得られるものの衝撃特性が著しく低下する。従って、本発明においてCの添加範囲は0.10%〜0.37%とする。優れた衝撃特性を得るには0.30%以下が好ましい。
【0022】
Si: 1%以下
Siは焼入れ性を向上させるとともに固溶強化により強度を上昇させる元素である。しかし、1%を超えて添加すると、熱延板において偏析帯であるバンド組織が著しくなるため衝撃特性が劣化する。従って、本発明においてはSiの添加範囲は1%以下とする。また、優れた衝撃特性を得るには0.5%以下が好ましい。また、優れた衝撃特性を得るには0.5%以下が好ましい。
【0023】
Mn: 2.5%以下
Mnは焼入れ性を向上させるとともに固溶強化により強度を上昇させる元素である。しかし、2.5%を超える添加は、偏析帯であるマンガンバンドの生成が顕著となり衝撃特性が劣化する。従って、本発明においてMnの添加範囲は2.5%以下とする。また、優れた衝撃特性を得るには1.5%以下が好ましい。
【0024】
P: 0.1%以下
Pは焼入れ性を向上させるとともに固溶強化により強度を上昇させる元素である。しかし、Pは粒界に偏析し衝撃特性を低下させる元素でもある。B添加により粒界偏析は抑制されるが、それでもPの0.1%を超える添加は粒界脆化を招き衝撃特性が劣化する。よって、本発明においてはPの添加範囲は0.1%以下とする。また、優れた衝撃特性を得るには0.05%以下が好ましい。
【0025】
S: 0.03%以下
Sは、硫化物を形成し衝撃特性を低下させるため、低減しなければならない元素である。含有量が0.03%を超える場合、衝撃特性が著しく劣化するため、0.03%以下に抑制しなければならない。よって、本発明においてSの添加範囲は0.03%以下とする。なお、優れた衝撃特性を得るには0.02%以下が好ましい。
【0026】
sol.Al: 0.01〜0.1%
sol.Alは脱酸剤として用い鋼の清浄度を向上させる元素である。0.01%未満の添加は、清浄度が低下し介在物が増大し、衝撃特性を低下させる。一方、0.1%を越える添加はAlNの形成が顕著となり、焼入れ時のオーステナイトが微細化し冷却時にフェライトが生成してしまい衝撃特性が劣化する。よって、本発明においてsol.Alの添加範囲は0.01%〜0.1%とする。なお、優れた衝撃特性を得るには0.03%〜0.07%が好ましい。
【0027】
N: 0.0005〜0.0050%
NはTiNを形成し加熱時のオーステナイトの粒成長を抑制し衝撃特性を向上させる重要な元素であり、少なくとも0.0005%以上が必要である。一方、0.0050%を越える添加はTiNのみならずBN、AlNの形成も顕著となり、焼入れ時のオーステナイトが微細化し冷却時にフェライトが生成してしまい衝撃特性が劣化する。よって、本発明においてNの添加範囲は0.0005%〜0.0050%とする。
【0028】
Ti: 0.005〜0.05%
Tiは、NとTiNを形成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制し、衝撃特性を向上させる重要な元素である。しかし、添加量が0.005%未満の場合、十分な効果が得られず、0.05%を超える過剰な添加はTiCの形成が顕著となり、低温短時間焼入れ時のオーステナイト粒成長を著しく抑制し、加熱後の冷却時にフェライトが生成し衝撃特性が劣化する。よって、本発明においてTiの添加範囲は、0.005%〜0.05%とする。
【0029】
B: 0.0003〜0.0050%
Bは焼入れ性を高めるとともに、加熱後冷却時のフェライト生成を抑制し衝撃特性を向上させる重要な元素である。しかし、添加量が0.0003%未満の場合、十分な効果が得られない。一方、0.0050%を超える添加は熱間圧延の負荷が高くなり操業性が低下するととともに、加工性が低下する。よって、本発明においてBの添加範囲は、0.0003%〜0.0050%とする。なお、極めて優れた効果を得るには0.0005%〜0.0020%が好ましい。
【0030】
有効B: B−(10.8/14)N*≧0.0005%
有効Bは、焼入れ条件の変動に対して大きな影響を及ぼす比率である。
【0031】
有効B=B−(10.8/14)N*
ここで、N*=N−(14/48)Ti (但し、右辺≦0の場合、N*=0)
そこで、焼入れ後の衝撃特性に及ぼす有効B:B−(10.8/14)N*の影響について調査した。
【0032】
ベース成分として、C:0.15%、Si:0.02%、Mn:0.90%、P:0.020%、S:0.015%、sol.Al:0.035%、Ti:0.01%とし、N:0.0018〜0.0030%、B:0〜0.0031%、B−(10.8/14)N*:0〜0.0017%の化学成分を有する鋼を溶製し、次いで、加熱温度:1200℃、熱延仕上温度:870℃、中間温度:700℃、巻取温度:620℃で熱延し、酸洗後、冷圧率:50%、焼鈍温度:720℃で1.2mmtの冷延板を製造した。
【0033】
次いで、得られたサンプルについて高周波焼入後の衝撃特性を評価した。
高周波焼入れは、平板(幅35mm×長さ300mm)に対し高周波コイルを移動させながら加熱・焼入れを実施した。図1に高周波焼入れの実施態様を示す。この時の加熱温度は、900℃の低温とし、加熱時間は、900℃までの通電時間を4秒とした。
【0034】
冷却開始時間は、通常行われる即冷却として0.5秒と、焼入れ安定性を評価するために1.5秒、3秒の3パターンを実施した。
【0035】
高周波焼入れ後の評価としては、シャルピー衝撃試験を実施した。シャルピー衝撃試験は、図2に示すような試験片形状にて、試験温度:−50℃、n=3で行った。
【0036】
得られた結果を図3に示す。図3より、B−(10.8/14)N*が0.0005%以上で冷却開始時間が3秒においても安定して高いシャルピー衝撃吸収エネルギーが得られることがわかる。
【0037】
また、B−(10.8/14)N*が0.0005%未満の場合、焼入れ加熱時の固溶B量が十分確保されず、加熱後の冷却開始時間の遅れるような場合、フェライトが生成し衝撃特性の劣化を招く。
【0038】
よって、生産上のバラツキを低減し安定して高い衝撃特性を得るために、本発明において、B−(10.8/14)N*は0.0005%以上とする。ただし、N*=N−(14/48)Tiであり、右辺≦0の場合、N*=0である。
【0039】
Ni、Cr、Mo: 添加する場合1種以上を合計1%以下
Ni、Cr、Moは焼入れ性向上元素であり、1種以上を添加しても良い。しかし、過剰な添加はコスト増を招くため、Ni、Cr、Moの1種以上を合計で1%以下とする。
【0040】
なお、本発明において、加熱時のオ−ステナイト粒の粗大化抑制のためにNbを0.1%以下、Vを0.1%以下添加しても良い。
【0041】
また、本発明において、上記元素以外は実質的にFeであり、本発明の作用効果を無くさない限り、不可避不純物を含有するものが本発明の範囲に含まれ得ることを意味する。
【0042】
次に、析出物について限定理由を説明する。
【0043】
TiN平均粒径: 0.06〜0.30μm
TiNは、焼入れ加熱時のオーステナイト粒の粗大化を抑制する析出物である。TiN平均粒径が0.06μm未満の場合、オーステナイト粒が極めて微細となり、加熱後の冷却時にフェライトが生成し、衝撃特性が劣化する。一方、0.30μmを超える粗大な析出物の場合、オーステナイトの粒成長を抑制することができない。よって、本発明においてTiN平均粒径は、0.06μm〜0.30μmとする。
【0044】
次に、ミクロ組織について限定理由を説明する。
【0045】
焼入れ後の旧オーステナイト粒径: 2〜25μm
焼入れ後の旧オーステナイト粒径、即ち焼入れ後に測定される変態前の旧オーステナイト粒径は、衝撃特性に大きな影響を及ぼす。旧オーステナイト粒径が2μm未満の場合、加熱後冷却時に一部フェライトが生成しフェライトとオーステナイト界面の応力集中に起因して衝撃特性が低下する。一方、25μmを越えるような粗大粒の場合、粒界脆化が顕著となり従来のJSC980Y(鉄連規格)より衝撃特性が低下する。よって、本発明において焼入れ後の旧オーステナイト粒径は、2〜25μmとする。
【0046】
次に製造方法の限定理由について説明する。
【0047】
巻取温度: 720℃以下
熱間圧延での巻取温度については、720℃を超えるとパーライトのラメラ間隔が大きくなり、焼入性が低下するとともに、焼入時にセメンタイトが溶け残り衝撃特性が低下する。よって、本発明において、熱間圧延での巻取温度は720℃以下とする。
【0048】
熱延後の球状化焼鈍温度: 640℃以上Ac1変態点以下
熱延鋼板を酸洗した後、セメンタイトを球状化し、優れた加工性と焼入性を得るため球状化焼鈍を行うことができる。焼鈍温度が640℃未満の場合、セメンタイトの球状化が不十分となり、効果が得られない。一方、焼鈍温度がAc1変態点を超える場合、部分的にオーステナイト化して冷却中に粗大なパーライトを生成し、加工性が低下するとともに、焼入性も低下する。また、焼入れ時にセメンタイトが溶け残り衝撃特性が低下する。よって、本発明において熱延後に球状化焼鈍を行う場合は、焼鈍温度を640℃以上Ac1変態点以下とする。
【0049】
冷間圧延時の圧下率: 30%以上
冷間圧延を行う場合の圧下率(冷圧率)は、30%未満であると焼鈍後に未再結晶部が残るとともに、セメンタイトの球状化が不十分となり、軟質化が得られず加工性が劣化する。よって、冷間圧延を行う場合の冷圧率は、30%以上とする。冷圧率の上限は、特に規定しないが、圧延機への負荷が大きくならないように、80%以下とするのが好ましい。
【0050】
冷間圧延後の焼鈍温度: 640℃以上又は600℃以上Ac1変態点以下
冷間圧延後の焼鈍については、熱延後の球状化焼鈍を省略した場合は、ここで球状化焼鈍を行う。冷間圧延後の球状化焼鈍の焼鈍温度は、前述の熱延後の球状化焼鈍と同様、640℃以上Ac1変態点以下とする。
【0051】
熱延後の球状化焼鈍を行った場合は、ここで再結晶焼鈍を行う。冷間圧延後の再結晶焼鈍の焼鈍温度は、600℃未満では未再結晶部が残り加工性が低下する。一方、焼鈍温度がAc1変態点を超える場合、部分的にオーステナイト化して冷却中に粗大なパーライトを生成し、加工性が低下するとともに、焼入性も低下する。また、焼入れ時にセメンタイトが溶け残り衝撃特性が低下する。よって、本発明において冷間圧延後の再結晶焼鈍を行う場合は、焼鈍温度を600℃以上Ac1変態点以下とする。
【0052】
【発明の実施の形態】
本発明において、対象とする薄鋼板は、熱延鋼板あるいは冷延鋼板のいずれでも良い。本発明鋼板を製造する場合、素材鋼は、例えば転炉、電気炉等により溶製される。鋼片の製造は造塊−分塊圧延法、連続鋳造法、薄スラブ鋳造法、ストリップ鋳造法のいずれでも構わない。
【0053】
熱延プロセスはスラブ加熱後圧延する方法、連続鋳造後短時間の加熱処理を施してあるいは前記加熱工程を省略して直ちに圧延する方法のいずれでもよいが、優れた表面品質を付与するためには、一次スケールのみならず熱間圧延時に生成する二次スケールについても十分に除去するのが好ましい。なお、熱間圧延中においては、バーヒーターにより加熱を行ってもよい。
【0054】
仕上圧延終了温度は、組織の均一性からAr3点以上とすることが好ましい。また、組織の均一化を目的として、仕上圧延後1秒以内に200℃/秒以上の急速冷却を行ってもよい。巻取温度は材質安定性の観点から500℃以上とするのが好ましく、一方、上限はスケール生成増大による酸洗性の低下から700℃以下が好ましい。
【0055】
冷延鋼板を本発明の薄鋼板として用いる場合、冷間圧延時の圧延率(冷圧率)は80%以下とするのが好ましい。冷圧率が80%を超えるような高い冷圧率の場合、圧延負荷が高くなりすぎるため生産性を低下させる。このときの冷間圧延はタンデム圧延、リバース圧延のいずれでも良い。
【0056】
なお、再結晶焼鈍を行う方法としては、連続焼鈍、箱焼鈍、または溶融亜鉛めっき処理に先行する連続熱処理のいずれでもよい。
【0057】
本発明に係る熱延鋼板、冷延鋼板は、適宜、表面処理(化成処理、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき)が施されて使用されてもよい。
【0058】
【実施例】
〔実施例1〕
表1に示す鋼番1から13の化学成分組成を有する鋼を溶製し、次いで表2に示す製造条件に従って熱間圧延−焼鈍を行い、2.4mmtの熱延板を製造した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
このようにして製造した熱延板について引張試験(JIS5号、C方向(圧延方向に垂直))、TiNの平均粒径測定および高周波焼入れ特性を調査した。
【0062】
TiN平均粒径は、レプリカ法によりTiNを抽出し、透過電子顕微鏡により析出物を撮影し、サンプル数:500個をマイクロアナライザーを用いて測定した。
【0063】
高周波焼入れは、平板(幅35mm×長さ300mm)に対し高周波コイルを移動させながら加熱・焼入れを実施した。図1に高周波焼入れの実施態様を示す。この時の加熱温度は900℃の低温とし、加熱時間は900℃までの通電時間を4秒とした。
【0064】
冷却開始時間は、通常行われる即冷却として0.5秒と、焼入れ安定性を評価するために3秒の2パターンを実施した。
【0065】
高周波焼入れ後の評価として、引張試験(JIS5号、C方向(圧延方向に垂直))、シャルピー衝撃試験、旧オーステナイト粒径測定を実施した。シャルピー衝撃試験は、図2に示すような試験片形状にて、試験温度:−50℃、n=3で行った。また、熱延板の板厚を1.2mmtに研削加工し、後述の冷延板と同一形状とした。なお、シャルピー衝撃試験値は、同一条件で試験を実施したJSC980Yレベルの0.4kgm以上を合格とした。
【0066】
旧オーステナイト粒径は、サンプルの板厚断面を研磨・腐食後、光学顕微鏡にてミクロ組織を撮影し、マイクロアナライザーを用いて平均粒径を測定した。
【0067】
上記より得られた結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
表3より、成分、B−(10.8/14)N*、TiN平均粒径、旧オーステナイト粒径が本範囲内であるNo.A、B、C、E、Gは、焼入れ後の特性として980MPa以上の強度を有し、焼入れ後の冷却開始時間にかかわらず安定してJSC980Y以上(0.4kgm以上)のシャルピー衝撃吸収エネルギーが得られ、優れた衝撃特性が得られていることが明らかとなった。
【0070】
特に、C、Si、Mn、P、Sが低く、sol.Alが0.03%〜0.07%、Bが0.0005%〜0.0020%であるNo.A、B、Cはシャルピー衝撃吸収エネルギーが0.5kgm以上であり、極めて優れた衝撃特性が得られていることがわかった。
【0071】
一方、Cが本発明範囲外で低いNo.Hは強度が低く、Cが本発明範囲外で高いNo.Iと、Si、Pが本発明範囲外で高いNo.Jと、Mn、Sが本発明範囲外で高いNo.Kは、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く、衝撃特性が劣化している。
【0072】
sol.Al、Nが本発明範囲外で高いNo.Lは、旧オーステナイト粒径が本発明範囲外で小さく、冷却開始時間が遅い場合、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く、衝撃特性が劣化している。
【0073】
Bが本発明範囲外で低く、かつ、B−(10.8/14)N*が本発明範囲外であるNo.Mは、冷却開始時間が遅い場合、フェライトが生成し衝撃特性が劣化している。
【0074】
Tiが本発明範囲外で低く、TiN平均粒径が本発明範囲外で小さく、かつ、B−(10.8/14)N*が本発明範囲外であるNo.Nは、TiNの量が少なくオーステナイト粒成長の抑制がなされず、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0075】
Tiが本発明範囲外で高く、かつ、TiN平均粒径が本発明範囲外で大きいNo.Oは、旧オーステナイト粒径が小さく、冷却開始時間が遅い場合、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0076】
巻取温度が本発明範囲外で高いNo.Dは、焼入時にセメンタイトが溶け残り、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0077】
焼鈍温度が本発明範囲外で高いNo.Fは、部分的にパーライトが生成し、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0078】
〔実施例2〕
表1に示す鋼番1から13の化学成分組成を有する鋼を溶製し、次いで表4に示す製造条件に従って熱間圧延−冷間圧延−焼鈍を行い、1.2mmtの冷延板を製造した。
【0079】
【表4】
【0080】
このようにして製造した冷延板について、実施例1と同様に、引張試験、TiNの平均粒径測定、および高周波焼入れ特性を調査した。結果を表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】
表5より、熱延鋼板の場合と同様に、成分、B−(10.8/14)N*、TiN平均粒径、旧オーステナイト粒径が本範囲内であるNo.a、c、d、e、hは、焼入れ後の特性として980MPa以上の強度を有し、焼入れ後の冷却開始時間にかかわらず安定してJSC980Y以上(0.4kgm以上)のシャルピー衝撃吸収エネルギーが得られ、優れた衝撃特性が得られていることが明らかとなった。
【0083】
特に、C、Si、Mn、P、Sが低く、sol.Alが0.03%〜0.07%、Bが0.0005%〜0.0020%であるNo.a、c、dはシャルピー衝撃吸収エネルギーが0.5kgm以上であり、極めて優れた衝撃特性が得られていることがわかった。
【0084】
一方、TiN平均粒径が本発明範囲外で小さいあるNo.bは旧オーステナイト粒径が小さく、冷却開始時間が遅い場合、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0085】
また、Cが本発明範囲外で低いNo.iは強度が低く、Cが本発明範囲外で高いNo.jと、Si、Pが本発明範囲外で高いNo.kと、Mn、Sが本発明範囲外で高いNo.l(Lの小文字)は、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く、衝撃特性が劣化している。
【0086】
sol.Al、Nが本発明範囲外で高いNo.mは、旧オーステナイト粒径が本発明範囲外で小さく、冷却開始時間が遅い場合、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く、衝撃特性が劣化している。
【0087】
Bが本発明範囲外で低く、かつ、B−(10.8/14)N*が本発明範囲外であるNo.nは、冷却開始時間が遅い場合、フェライトが生成し衝撃特性が劣化している。
【0088】
Tiが本発明範囲外で低く、TiN平均粒径が本発明範囲外で小さく、かつ、B−(10.8/14)N*が本発明範囲外であるNo.oは、TiNの量が少なくオーステナイト粒成長の抑制がなされず、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0089】
Tiが本発明範囲外で高く、かつ、TiN平均粒径が本発明範囲外で大きいNo.pは、旧オーステナイト粒径が小さく、冷却開始時間が遅い場合、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0090】
巻取温度が本発明範囲外で高いNo.fは、焼入時にセメンタイトが溶け残り、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0091】
冷間圧延後の焼鈍温度が本発明範囲外で高いNo.gは、部分的にパーライトが生成し、シャルピー衝撃吸収エネルギーが低く衝撃特性が劣化している。
【0092】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、低温短時間での焼入れ性に優れ、焼入れ条件による変動が小さい焼入れ後の衝撃特性に優れる薄鋼板を得ることができる。 さらに、上記薄鋼板が安定して低コストで得られるため、高強度部材として工業的に有用な効果をもたらし、例えば、自動車構造部品として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】高周波焼入れの一実施態様を示す図。
【図2】シャルピー衝撃試験における試験片形状の一実施態様を示す図。
【図3】シャルピー衝撃吸収エネルギーに及ぼす冷却開始時間とB−(10.8/14)N*の影響を示す図。
Claims (2)
- 鋼成分としてmass%で、C:0.10〜0.37%、Si:1%以下、Mn:2.5%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0050%を含有し、あるいはさらにNi、Cr、Moの1種以上を、合計で1%以下含有し、B−(10.8/14)N*≧0.0005%、N*=N−(14/48)Ti、但し、右辺≦0の場合、N*=0を満足する鋼成分を有する鋼を、巻取温度720℃以下で熱間圧延し、酸洗した後、640℃以上Ac1変態点以下で球状化焼鈍することにより、鋼中析出物であるTiNの平均粒径が0.06〜0.30μmであり、かつ焼入れ後の旧オーステナイト粒径が2〜25μmである薄鋼板を得ることを特徴とする焼入れ後の衝撃特性に優れる薄鋼板の製造方法。
- 鋼成分としてmass%で、C:0.10〜0.37%、Si:1%以下、Mn:2.5%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0050%を含有し、あるいはさらにNi、Cr、Moの1種以上を、合計で1%以下含有し、B−(10.8/14)N*≧0.0005%、N*=N−(14/48)Ti、但し、右辺≦0の場合、N*=0を満足する鋼成分を有する鋼を、巻取温度720℃以下で熱間圧延し、酸洗した後、640℃以上Ac1変態点以下で球状化焼鈍して、冷延率30%以上で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac1変態点以下で焼鈍することにより、鋼中析出物であるTiNの平均粒径が0.06〜0.30μmであり、かつ焼入れ後の旧オーステナイト粒径が2〜25μmである薄鋼板を得ることを特徴とする焼入れ後の衝撃特性に優れる薄鋼板の製造方法。
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