JP4122513B2 - データ処理装置,データ処理方法,およびプログラム - Google Patents

データ処理装置,データ処理方法,およびプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データの符号化を行うデータ処理装置に関する。例えば、1つの画像内で圧縮処理を切り換えるデータ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データの圧縮方式には可逆符号化方式と非可逆符号化方式とがある。可逆符号化方式は、圧縮伸長を繰り返しても画質は劣化しないが、階調変化が多様なスキャン画像などを十分に圧縮することができない。一方、非可逆符号化方式は、このようなスキャン画像を高い圧縮率で圧縮できるが圧縮伸長を繰り返すと画質が劣化する。そこで、効率のよい圧縮を行うために、これらの圧縮方式を適宜切り換える方法が提案されている。
例えば、特許文献1は、非可逆圧縮符号化方式であるJPEG(Baseline System)と、可逆圧縮符号化方式であるJPEGロスレス方式(Independent Function)との中から圧縮率の高い方を選択することを開示する。
また、特許文献2および特許文献3は、符号化済みのデータの発生符号量を監視し、この発生符号量に応じて可逆符号化または非可逆符号化を選択することを開示する。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−075370号公報
【特許文献2】
特開平9−149260号公報
【特許文献3】
特開平10−207645号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、高画質かつ高圧縮を実現するために効果的に符号化処理を切り換えるデータ処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[データ処理装置]
上記目的を達成するために,本発明にかかるデータ処理装置は,入力された画像データの画素値を変換する画素値変換手段と,前記画素値変換手段により少なくとも一部の画素値が変換された画像データを,異なる位置にある複数の画素値を注目画素の予測値とする予測手法を用いて注目画素の画素値を予測することにより可逆符号化する符号化手段と,入力された画像データの画素群毎に,画素値のパターンに基づいて,前記符号化手段による可逆符号化と同一の予測手法を用いて,前記符号化手段による可逆符号化に対する適合度合いを解析する解析手段と,前記解析手段により解析された適合度合いに基づいて,前記画素群について,前記画素値変換手段による画素値の変換量を変化させる制御手段とを有する。
【0006】
好適には,前記制御手段は,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より小さい場合,当該適合度合いが既定値より大きい場合よりも画素値の変換量を多くする
【0007】
好適には,前記画素値変換手段は,画像データに対して複数のフィルタ処理のいずれかを施し,前記制御手段は,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より小さい場合,前記画素値変換手段により施されるフィルタ処理が,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より大きい場合に施されるフィルタ処理とは異なるように制御する。
【0008】
好適には,前記制御手段は,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より小さい場合,前記画素値変換手段が画像データに対してスキャン画像に適したフィルタ処理を施すように制御し,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より大きい場合,前記画素値変換手段が画像データに対してクリエイション画像に適したフィルタ処理を施すように制御する。
【0009】
好適には,前記制御手段は,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より小さい場合,前記画素値変換手段による画素値の変換を許可し,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より大きい場合,前記画素値変換手段による画素値の変換を禁止する。
【0012】
好適には、前記符号化手段により符号化された符号データの符号量が基準値以下になるように、前記画素値変換手段による画素値の変換量を制御する符号量制御手段をさらに有する。
【0014】
好適には、前記符号化手段は、注目画素の近傍に位置する参照画素の画素値を参照して、注目画素の画素値を符号化し、前記画素値変換手段は、前記注目画素の画素値が前記参照画素の画素値と一致する確率を高くするように、前記注目画素の画素値を変換する。
【0015】
好適には、前記画素値変換手段は、前記画素値の変換処理として、前記画像データに含まれる注目画素の画素値を変更し、画素値の変更により生じた変更量を周辺画素に分配する。
【0016】
好適には、前記符号化手段により符号化された符号データを、前記符号化処理に対応する伸張処理で伸長する伸長手段と、前記伸長手段により伸長された画像データに基づいて画像をシートに形成する画像形成手段とをさらに有する。
【0018】
[データ処理方法]
また,本発明にかかるデータ処理方法は,入力された画像データの画素群毎に,画素値のパターンに基づいて,異なる位置にある複数の画素値を注目画素の予測値とする予測手法を用いて,可逆符号化に対する適合度合いを解析し,前記解析された適合度合いに基づいて,前記画素群について,画素値の変換量を制御し,前記制御された変換量に基づいて,入力された画像データの画素値を変換し,前記変換により少なくとも一部の画素値が変換された画像データを,前記解析と同一の予測手法を用いて注目画素の画素値を予測することにより可逆符号化する。
【0019】
[プログラム]
また,本発明にかかるプログラムは,コンピュータを含むデータ処理装置において,入力された画像データの画素値を変換する画素値変換機能と,入力された画像データの画素群毎に,画素値のパターンに基づいて,異なる位置にある複数の画素値を注目画素の予測値とする予測手法を用いて,可逆符号化に対する適合度合いを解析する解析機能と,前記解析機能により解析された適合度合いに基づいて,前記画素群について,前記画素値変換機能による画素値の変換量を変化させる制御機能と,前記画素値変換機能により少なくとも一部の画素値が変換された画像データを,前記解析と同一の予測手法を用いて注目画素の画素値を予測することにより可逆符号化する符号化機能とを前記データ処理装置のコンピュータに実現させる。
【0020】
[フィルタ処理および符号化処理]
次に、上記フィルタ処理(画素値変換処理)および符号化処理の具体例を説明する。なお、以下に示す例は、本発明を具体化して、その理解を助けることを意図したものであって、本発明の技術的範囲の限定を意図するものではない。
フィルタ処理手段は、画像データにおける注目画素の画素値を変更する画素値変更手段と、画素値変更手段にて生じた誤差値を周辺画素に分配する誤差分配手段とを有し、符号化処理手段は、画素値変更手段により変更された画素値を符号化する。画素値変更手段は、画像符号化手段における符号量を減少させるように画素値を変更する。
前記画像符号化手段は、例えば可逆符号化であり、より具体的には予測符号化である。
【0021】
また、前記画素値変更手段は、前記画像符号化手段の予測が外れた場合にのみ画素値を変更してもよい。
誤差分配手段は、例えば誤差拡散法により誤差値を分配する。なお、前記誤差分配手段は、平均誤差最小法により誤差を分配してもよい。
画素値変更手段は、既定値以上の誤差値が生じる変更を実施しない。
また、画素値変更手段は、前記画像符号化手段の予測部と同一の予測部を用いて注目画素の画素値を予測し、注目画素の画素値を予測された画素値に変更する。なお、画像符号化手段は、画像データ全体に対する画素値の変更が行なわれた後に符号化を実施してもよいし、画像の一部に対する画素値の変更が行なわれるごとに符号化を実施してもよい。
より具体的には、画像符号化手段は、画像を入力する画像入力手段と、上記画像入力手段により入力した画像内の符号化対象である注目画素の画素値を、それぞれ異なる予測手法で予測する複数の画素値予測手段と、上記画像入力手段により入力した画像内の注目画素の画素値と所定の予測手法で予測された予測値との誤差を算出する予測誤差算出手段と、上記複数の画素値予測手段により予測した画素値と注目画素の画素値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、上記一致判断手段の判断出力に基づいて、上記一致判断手段により一致すると判断された画素値予測手段を識別する識別情報と、上記予測誤差算出手段により算出された誤差とを、択一的に出力する選択手段と、上記選択手段により出力された識別情報及び誤差を符号化する誤差符号化手段と、上記符号化手段により符号化された符号を出力する出力手段とを具備する。
なお、上記注目画素は、画像に含まれる1以上の画素、すなわち、処理対象として注目される画素の単位を意味する。
【0022】
【発明の実施の形態】
[背景]
まず、本発明の理解を助けるために、本発明がなされるに至った背景を説明する。
プリンタなどにおいて、印刷のプロセススピードを維持したままラスタデータを供給するためには、画像データのデータ量を制御する必要がある。データ量を制御する方法としては、各種圧縮処理により画素データを符号化する方法がある。例えば、写真など不均一な光の下で光学的に読み取られた画像(以下、スキャン画像)は、階調変化が多様で画素値のパターン(画素値の変化)が一定しないため、JPEGなどの非可逆な圧縮処理でなければ十分な圧縮率が得られない。また、フォント画像やCG(Computer Graphics)画像などは、コンピュータにより生成された画像(以下、クリエイション画像)であるため画素値パターンに規則性があり、予測符号化などの可逆な圧縮処理を施すことにより符号量を十分に低減させることができる。
また、クリエイション画像は、スキャン画像に比べてエッジ領域が多いため、高周波成分が失われると画質が劣化する。そのため、クリエイション画像については、非可逆圧縮処理を適用するよりも、可逆圧縮処理を適用する方が望ましい。
【0023】
近年、画像編集などにより、スキャン画像とクリエイション画像とを画像要素として混在させた画像が多く作成され印刷等されるようになってきた。しかしながら、このような混在画像に関しても、通信網や記録媒体などの帯域に適合させるために画像データ全体のデータ量に着目して圧縮されることはあったが、それぞれの画像要素の特性に応じた圧縮処理はなされていない状況であった。ここで、画像要素とは、画像としての特性(画素値の繰返しの頻度、または、エッジ量など)により区別される画像の構成部分であり、例えば、スキャン画像、フォント画像、CG画像、、または余白などである。
つまり、画像全体の圧縮率を制御するために可逆圧縮処理と非可逆圧縮処理とを切り換える技術は提案されているが、これは局所的な画像要素の特性に応じて圧縮方式を切り換えるわけではないので、それぞれの画像要素に適合しない圧縮処理が施され、画質が劣化するという問題があった。
【0024】
そこで、本発明にかかるデータ処理装置は、画像の局所的な特性に応じて圧縮方式を切り換えて、画質を保持しつつ画像データの高圧縮を可能にする。
【0025】
また、1枚の画像中で単に可逆圧縮/非可逆圧縮を切り換えると、生成された符号データを伸長する時に、伸長処理の方式を同一画像内で切り換える必要がある。また、その切換えのためには、何らかの切換え情報を符号データに埋め込む必要がでてくる。
そこで、本発明にかかるデータ処理装置は、圧縮処理の前段で非可逆なフィルタ処理を行い、その後段で可逆な符号化処理を行うよう構成され、フィルタ処理の採否により可逆/非可逆を切り換える。この場合のフィルタ処理は、符号化処理の効率化を目的とするものであるが、視認性を損なわない程度に画素値を変換するものである。そのため、フィルタ処理および符号化処理の組合せにより非可逆圧縮された画像データは、この符号化処理に対応する伸長処理が施されるだけで、視認可能な画像データに伸長される。したがって、本発明のデータ処理装置は、可逆圧縮処理および非可逆圧縮処理のいずれを適用した場合であっても、同一の伸長処理により画像データを復号化することができる。
【0026】
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明にかかるプリンタ装置2(データ処理装置)のハードウェア構成を、制御装置20を中心に例示する図である。
図1に示すように、プリンタ装置2は、制御装置20およびプリンタ本体26から構成される。制御装置20は、CPU212およびメモリ214などを含む制御装置本体210、通信装置220、LCD表示装置あるいはCRT表示装置およびキーボード・タッチパネルなどを含むユーザインターフェース装置(UI装置)250、および、HDD・CD装置などの記録装置240から構成される。
【0027】
[画像処理プログラム]
図2は、第1の画像処理プログラム5の機能構成を説明する図である。
図2に示すように、画像処理プログラム5は、PDLデコンポーザ500、フィルタ処理部510、属性取得部520、制御部530、データ選択部540、可逆圧縮部550、画像蓄積部560、伸長部570、および印刷部580を有する。
画像処理プログラム5は、例えば記録媒体242(図1)を介して制御装置20に供給され、メモリ214にロードされて実行される。なお、画像処理プログラム5は、その一部がドライバソフトとしてクライアント端末にインストールされ、互いに協働して本実施形態で説明する機能を実現してもよい。
【0028】
画像処理プログラム5において、PDLデコンポーザ500は、他のアプリケーションソフト(画像編集ソフトなど)からPDLファイルを取得し、ラスタライズしてフィルタ処理部510およびデータ選択部540に対して出力する。
【0029】
フィルタ処理部510は、PDLデコンポーザ500から入力された画像データ(ラスタデータ)に対して、非可逆なフィルタ処理を施し、データ選択部540に対して出力する。例えば、フィルタ処理部510は、可逆圧縮部550による符号化処理の符号量を小さくすべく画素値を変更する。すなわち、可逆圧縮部550が所定の予測方法を用いた予測符号化(JPEG independent、gzip、LZ符号化、JPEG−LSなど)を行う場合には、フィルタ処理部510は、上記予測方法による予測確率が向上するように各画素の画素値を変更する。また、可逆圧縮部550がLZなどのユニバーサル符号化を行う場合には、フィルタ処理部510は、参照する符号化辞書の長いデータに一致するよう各画素の画素値を変更し、可逆圧縮部550が連長符号化を行う場合には、フィルタ処理部510は、同一画素値が連続するように画素値を変更する。また、可逆圧縮部550が算術符号化を行う場合には、フィルタ処理部510は、算術符号化で優勢(出現確率が高い)シンボルが得られるように各画素の画素値を変更する。
この場合に、フィルタ処理部510は、画像データに含まれる画素群の画素値を、画像として視認できる程度に変更する。
【0030】
属性取得部520は、PDLデコンポーザ500から画像要素の属性データを取得して、制御部530に対して出力する。ここで、画像要素の属性データとは、PDLファイルなどの画像データに含まれる画像要素の種類(フォント、CG画像、スキャン画像など)、または、この画像要素に対して施された拡縮処理に関する情報(拡大倍率、補間方法など)などを示すデータである。属性取得部520は、取得された属性データを、対応する画像要素のラスタデータに対応付けて制御部530に対して出力する。
【0031】
制御部530は、属性取得部520から入力された属性データに基づいて、それぞれの画像要素に対して適用する符号化方式を決定し、データ選択部540に対して指示する。本例では、制御部530は、入力された属性データがフォント画像またはCG画像であることを示す場合に、PDLデコンポーザ500から直接入力された画像データ(フィルタ処理が施されていない画像データ)を選択するようデータ選択部540を制御し、入力された属性データがスキャン画像であることを示す場合に、フィルタ処理部510から入力された画像データ(フィルタ処理が施された画像データ)を選択するようデータ選択部540を制御する。
【0032】
データ選択部540は、制御部530の制御に応じて、PDLデコンポーザ500から入力された画像データ(フィルタ処理が施されていない画像データ)、または、フィルタ処理部510から入力された画像データ(フィルタ処理が施された画像データ)を選択し、可逆圧縮部550に対して出力する。なお、フィルタ処理部510およびデータ選択部540の組合せは、画素値変換手段の一例である。
【0033】
可逆圧縮部550は、データ選択部540から入力された画像データに対して、可逆な符号化処理を施し、符号データを生成する。すなわち、可逆圧縮部550は、フィルタ処理部510によりフィルタ処理が施された画像データを可逆圧縮し、画像蓄積部560に格納する。
【0034】
伸長部570は、画像蓄積部560から符号データを読み出し、可逆圧縮部550による符号化方式に対応する伸長処理を施して印刷部580に対して出力する。
印刷部580は、伸長部570から入力された画像データを、プリンタ本体26(図1)のプリントエンジン(不図示)を制御して用紙上に印刷する。
【0035】
図3は、フィルタ処理部510の機能構成をより詳細に説明する図である。
図3に示すように、フィルタ処理部510は、第1予測部512a、第2予測部512b、画素値変更処理部514、および誤差分配処理部516を有する。なお、本実施形態では、2つの予測部512(第1予測部512aおよび第2予測部512b)を有する形態を説明するが、予測部512は1つ以上あればよく、例えば、5つの予測部512により構成されてもよい。
【0036】
第1予測部512aおよび第2予測部512bは、それぞれ所定の手法で画像データに基づいて注目画素の画素値を予測し、予測値として画素値変更処理部514に対して出力する。例えば、第1予測部512aおよび第2予測部512bは、それぞれ異なる位置にある画素の画素値を、注目画素の予測値とする。
画素値変更処理部514は、注目画素の画素値と予測値とを比較し、その差が予め設定された変更許容値より小さい場合には予測値を、データ選択部540に対して出力し、さらに、注目画素の画素値と予測値との差分(以下、誤差値)を誤差分配処理部516に対して出力する。一方、画素値変更処理部514は、注目画素の画素値と予測値との差が変更許容値以上の場合には、注目画素の画素値をそのままデータ選択部540に対して出力し、誤差分配処理部516に対して0を出力する。すなわち、フィルタ処理部510は、誤差値が変更許容値以上の場合には、注目画素の画素値を変換せず、変更許容値以上の誤差値を誤差分配しない。
誤差分配処理部516は、画素値変更処理部514から入力された誤差値に基づいて、誤差分配値を生成し、画像データに含まれる所定の画素の画素値にこれを加算する。誤差分配値は、例えば、重み行列を用いた誤差拡散法や平均誤差最小法に従って、誤差値に重み行列の値を掛け合わせて算出される。
【0037】
このように本実施形態におけるフィルタ処理部510は、後述する可逆圧縮部550が画像データを圧縮しやすように画像データに含まれる画素値を変換する。その際に、フィルタ処理部510は、画素値の変更により生じた真の画素値との差分を、周辺画素に分配して、画素値の変更を巨視的に目立たなくする。
【0038】
図4は、可逆圧縮部550の機能構成をより詳細に説明する図である。
図4に示すように、可逆圧縮部550は、第1予測部552a、第2予測部552b、予測誤差算出部554、選択部556、ラン計数部558、および符号化部559を有する。
第1予測部552aおよび第2予測部552bは、図3に示した第1予測部512aおよび第2予測部512bとほぼ同様に、それぞれ所定の手法で画像データに基づいて注目画素の画素値を予測し、予測値として選択部556に対して出力する。
予測誤差算出部554は、所定の手法で画像データに基づいて注目画素の画素値を予測し、その予測値を注目画素の実際の画素値から減算し、予測誤差値として選択部556に対して出力する。
選択部556は、画像データと予測値から注目画素における予測の一致/不一致を検出する。選択部556は、その結果、予測が的中した予測部552があればその識別番号を、いずれも的中しなかった場合は予測誤差値を、ラン計数部558および符号化部559に対して出力する。
【0039】
ラン計数部558は、識別番号が第1予測部552aを指している場合には、内部カウンタを1だけ増やす。また識別番号が第1予測部552a以外を指している場合で、かつ内部カウンタが0でない場合には、内部カウンタの値をランデータとして符号化部559に対して出力する。
符号化部559は、ランデータおよび予測誤差値が同時に与えられた場合、まずランデータを符号化してから予測誤差値を符号化する。一方、符号化部559は、識別番号または予測誤差値のみが与えられた場合には、識別番号または予測誤差値を符号化する。
【0040】
なお、上記ラン計数部558および符号化部559による符号化処理は、第1予測部552aの的中確率が高いことを想定した形態であるが、他の符号化方法を用いてもよい。例えば、高速復号等の目的から固定長符号を与えた場合、符号化部559は、第1予測部552aが的中した旨を2進数「01」、第2予測部552bが的中した旨を2進数「10」、いずれの予測部も外れた旨を2進数「00」でそれぞれ符号化し、予測誤差を符号+8bitの2進数で符号化する。また、圧縮率を向上させたい場合には、符号化部559は、Huffman符号化、算術符号化等の可変長符号化を用いて符号化してもよい。例えば、発生確率の高そうな第1予測部552aに1bitの符号を与えたHuffman符号の場合、第1予測部552aが的中した旨を2進数「0」、第2予測部552bが的中した旨を2進数「10」、いずれの予測部552も予測が外れた旨を2進数「11」で符号化する。また、符号化部559は、算術符号化を用いて符号化してもよい。このように符号化の手法はいくつも考えられる。
【0041】
以下、プリンタ装置2の全体的な動作を説明する。
図5は、プリンタ装置2(画像処理プログラム5)の第1の動作(S10)を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップ100(S100)において、利用者が、編集した画像データの印刷を指示すると、PDLデコンポーザ500は、画像編集のアプリケーションプログラムからPDLファイルを受け取り、受け取ったPDLファイルをラスタデータに変換し、所定の処理単位毎にフィルタ処理部510およびデータ選択部540に対して出力する。処理単位は、例えば、画素、ライン、バンド、またはページなどである。
【0042】
ステップ110(S110)において、属性取得部520は、PDLデコンポーザ500から画像要素の属性データを取得し、この画像要素に対応するラスタデータに対応付けて制御部530に対して出力する。
制御部530は、属性取得部520から入力された属性データに基づいて、処理単位毎に画像要素の特性を判定し、処理単位のラスタデータに対して可逆符号化処理を適用するか非可逆符号化処理を適用するかを判定する。なお、処理単位の中に複数の画像要素が含まれている場合には、制御部530は、画像要素の種類および占有率などに基づいて、いずれの符号化処理を適用するか判定する。
【0043】
ステップ120(S120)において、制御部530がこの処理単位のラスタデータに対して可逆符号化処理を適用するよう判定した場合に、データ選択部540は、PDLデコンポーザ500から入力されたラスタデータ(すなわち、フィルタ処理が施されていないラスタデータ)を選択して可逆圧縮部550に出力し、S140の処理に移行する。また、制御部530がこの処理単位のラスタデータに対して非可逆符号化処理を適用するよう判定した場合に、画像処理プログラム5はS130の処理に移行する。
【0044】
ステップ130(S130)において、フィルタ処理部510は、PDLデコンポーザ500から入力されたラスタデータに対して非可逆なフィルタ処理を施し、データ選択部540に対して出力する。データ選択部540は、この処理単位についてフィルタ処理部510から入力されたラスタデータを選択し、可逆圧縮部550に対して出力する。
【0045】
ステップ140(S140)において、可逆圧縮部550は、データ選択部540から入力されたラスタデータに対して可逆な符号化処理を施して、符号データを生成し、画像蓄積部560に対して出力する。
ステップ150(S150)において、画像蓄積部560は、可逆圧縮部550から入力された符号データを格納する。
【0046】
ステップ160(S160)において、画像処理プログラム5は、全てのラスタデータについてS110からS150までの処理が完了したか否かを判断し、完了した場合にS170の処理に移行し、これ以外の場合にS110の処理に戻り、次の処理単位のラスタデータに対してS110からS150までの処理を行う。
【0047】
ステップ170(S170)において、伸長部570は、画像蓄積部560から符号データを読み出して、読み出された符号データを伸長してラスタデータに変換し、印刷部580に対して出力する。
ステップ180(S180)において、印刷部580は、プリンタ本体26(図1)のプリントエンジンを制御して、伸長部570から入力されたラスタデータに応じた画像を印刷させる。
【0048】
このように、プリンタ装置2は、画像の処理単位毎に可逆符号化を適用するか非可逆符号化を適用するかを各処理単位の画像属性に基づいて判定し、符号データに変換する。これにより、プリンタ装置2は、画像の局所的な特性に応じた符号化処理を適用することができる。
【0049】
図6は、図5のフローチャートにおける判定処理(110)をより詳細に説明するフローチャートである。
図6に示すように、ステップ112(S112)において、属性取得部520は、PDLデコンポーザ500から画像要素の属性データを取得し、この画像要素に対応するラスタデータに対応付けて制御部530に対して出力する。取得される属性データには、画像要素の種類(クリエイション画像またはスキャン画像)と、この画像要素に対して施された拡大処理の倍率とが含まれている。
【0050】
ステップ114(S114)において、制御部530は、属性取得部520から入力された属性データ(画像要素の種類)に基づいて、処理単位のラスタデータがクリエイション画像であるかスキャン画像であるか(すなわち、可逆符号化に適した画素値パターンであるか否か)を判定する。画像処理プログラム5は、処理単位のラスタデータがクリエイション画像である場合(すなわち、可逆符号化に適した画素値パターンである場合)にS119の処理に移行し、スキャン画像である場合(すなわち、非可逆符号化に適した画素値パターンである場合)にS116の処理に移行する。
【0051】
ステップ116(S116)において、制御部530は、属性取得部520から入力された属性データ(拡大倍率)に基づいて、処理単位のラスタデータに対して既定値以上の拡大処理が施されているか否かを判定する。画像処理プログラム5は、既定値以上の拡大処理が施されていると判定した場合にS119の処理に移行し、これ以外の場合にS118の処理に移行する。
すなわち、最近傍補間法などにより基準倍率以上の拡大処理が施されている場合には、たとえスキャン画像であっても略均一の画素値が連続する可能性が高いので、画像処理プロうグラム5は、可逆符号化を適用する。
【0052】
ステップ118(S118)において、制御部530は、非可逆符号化を適用することを決定し、フィルタ処理部510から入力されたラスタデータを選択するようデータ選択部540を制御する。
一方、ステップ119(S119)において、制御部530は、可逆符号化処理を適用することを決定し、PDLデコンポーザ500から直接入力されたラスタデータを選択するようデータ選択部540を制御する。
【0053】
図7は、図5のフローチャートにおけるフィルタ処理(S130)をより詳細に説明するフローチャートである。
図7に示すように、ステップ132(S132)において、フィルタ処理部510の第1予測部512aおよび第2予測部512bは、スキャンライン(画像の横方向または縦方向等)の順に、ラスタデータに含まれる画素の1つを注目画素に設定し、注目画素の周辺にある周辺画素の画素値を参照して、注目画素の画素値を予測し、予測値として画素値変更処理部514に対して出力する。
ステップ134(S134)において、画素値変更処理部514は、注目画素の画素値と予測値との差分が既定値以内であるか否かを判断する。画像処理プログラム5は、画素値と予測値との差分が既定値以内である場合に、S136の処理に移行し、これ以外の場合に、S139の処理に移行する。
ステップ136(S136)において、画素値変更処理部514は、注目画素の画素値と最も近い予測値を、この注目画素の画素値としてデータ選択部540に対して出力し、注目画素の実際の画素値と、最も近い予測値との差分を誤差分配処理部516に対して出力する。
ステップ138(S138)において、誤差分配処理部516は、注目画素の画素値と、最も近い予測値との差分を周辺画素に分配する。
ステップ139(S139)において、画像処理プログラム5は、処理単位に含まれる全ての画素についてS132からS138までの処理が完了したか否かを判断し、完了した場合にS130の処理を終了し、これ以外の場合にS132の処理に戻り次の画素について処理を行う。
【0054】
図8は、図5のフローチャートにおける可逆圧縮処理(S140)をより詳細に説明するフローチャートである。
図8に示すように、ステップ142(S142)において、可逆圧縮部550における第1予測部552aおよび第2予測部552bは、データ選択部540から入力された画素値を予測する。また、予測誤差算出部554は、所定の予測部552による予測値と、実際の画素値との差分を算出し、予測誤差値として選択部556に対して出力する。
なお、図7に示したフィルタ処理部510において、画素値変更処理部514が、注目画素の画素値を、第1予測部512aによる予測値に変更した場合には、第1予測部552aの予測が的中し、第2予測部512bによる予測値に変更した場合には、第2予測部552bによる予測が的中する。すなわち、フィルタ処理部510によるフィルタ処理により、可逆圧縮部550による予測の的中率が向上する。したがって、可逆圧縮部550による符号化処理の圧縮率を高めることができる。
【0055】
選択部556は、いずれの予測部552が的中したかを判断する。第1予測部552aが的中した場合(S143:Yes)、選択部556は、第1予測部552aの識別情報をラン計数部558に対して出力する(S145)。また、第2予測部552bが的中した場合(S143:NoかつS144:Yes)、選択部556は、第2予測部552bの識別情報をラン計数部558および符号化部559に対して出力する(S145)。また、いずれの予測部552も的中しなかった場合(S143:NoかつS144:No)、選択部556は、予測誤差算出部554が算出した予測誤差値をラン計数部558および符号化部559に対して出力する(S146)。
ステップ147(S147)において、符号化部559は、第1予測部552aのラン情報、第2予測部552bの識別情報、または予測誤差値を符号化して画像蓄積部560に対して出力する。
ステップ148(S148)において、画像処理プログラム5は、処理単位に含まれる全ての画素に対して処理が完了したか否かを判断し、全ての画素に対して処理が完了したと判断した場合にS140の処理を完了し、これ以外の場合にS142の処理に移行し、次の画素に対して上記と同様にS142からS147までの処理を行う。
なお、本例では、それぞれの画素毎にフィルタ処理および可逆符号化処理を行う形態を説明したが、複数の画素から構成される画素単位毎に、フィルタ処理および可逆符号化処理が行われてもよい。また、本例のように、処理単位に含まれる全ての画素についてフィルタ処理が完了した後に可逆符号化処理に移行する必要はなく、フィルタ処理が完了した画素について順に可逆符号化処理を施してもよい。
【0056】
以上説明したように、本実施形態におけるプリンタ装置2は、画像を構成する画像要素の属性情報を取得し、この属性情報に基づいて画像の局所的な特性に応じた符号化処理を適用することができるので、画像全体の画質を保持すると共に高い圧縮率を実現できる
【0057】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態におけるプリンタ装置2は、PDLファイルに含まれている画像要素の属性データに基づいて、局所的な画像特性を特定したが、本実施形態では、ラスタデータに含まれる画素値パターンを解析して局所的な画像特性を特定し、画像特性に適合した符号化処理を適用する。また、本実施形態のプリンタ装置2は、符号量の監視を行う共に、局所的な画像特性および符号量の監視結果に応じてフィルタ処理を動的に切り換える。
【0058】
図9は、第2の画像処理プログラム52のの機能構成を説明する図である。
図9に示すように、第2の画像処理プログラム52は、第1の画像処理プログラム5(図2)における属性取得部520を解析部525に置換し、フィルタ処理部510を2つに増やすと共に、符号量制御部565を追加した構成をとる。なお、図9に示す各構成のうち、図2に示された構成と実質的に同一なものには同一の符号が付されている。
【0059】
画像処理プログラム52において、解析部525は、PDLデコンポーザ500から入力されたラスタデータに基づいて、画像の一部(処理単位)に相当する画素群の画素パターンを解析し、後段の可逆圧縮に対する適合度合いを制御部530に対して出力する。本例の解析部525は、図4に示した第1予測部552aおよび第2予測部552bと略同一の予測処理を処理単位毎に施し、予測の的中率を制御部530に対して出力する。すなわち、解析部525は、画像の一部について、その画素値のパターンに基づいて画像特性を解析する。
【0060】
符号量制御部565は、可逆圧縮部550から入力された符号データの符号量を監視し、符号量が基準値よりも大きい場合に、符号量が基準値以下になるようフィルタ処理部510aを制御する。本例の符号量制御部565は、フィルタ処理部510aに設定されている変更許容値を変更することにより、フィルタ処理における画素値変換量を増減させて符号量を制御する。なお、符号量制御部565は、フィルタ処理部510aおよびフィルタ処理部510bの両方を制御して、画素値の変換量を増減させてもよい。
【0061】
フィルタ処理部510aおよびフィルタ処理部510bは、PDLデコンポーザ500から入力されたラスタデータに対して、互いに異なるフィルタ処理を施し、データ選択部540に対して出力する。例えば、フィルタ処理部510aは、スキャン画像に適したフィルタ処理を施し、フィルタ処理部510bは、クリエイション画像に適したフィルタ処理を施す。本例では、2つのフィルタ処理部510が設けられた形態を具体例とするが、これに限定されるものではなく、3以上のフィルタ処理部510が設けられていてもよい。なお、本例のフィルタ処理部510は、物理的に区別できるフィルタ処理ユニットであるが、論理的に区別されたフィルタ処理部(つまり、フィルタのパラメータのみが異なる)であってもよい。
【0062】
図10は、フィルタ処理部510aの構成をより詳細に説明する図である。
図10に示すように、フィルタ処理部510aは、図3に示したフィルタ処理部510に変更許容値設定部518を追加した構成をとる。なお、図10に示した各構成のうち、図3に示した構成と実質的に同一なものには同一の符号が付されている。
フィルタ処理部510aにおいて、変更許容値設定部518は、符号量制御部565からの指示に応じて、フィルタ処理における画素値の変更許容値を画素値変更処理部514に対して設定する。なお、画素値変更処理部514は、注目画素の画素値と予測値との差分が、設定された変更許容値より小さい場合には、画素値を予測値に変更すると共に、この差分を周辺画素に分配し、これ以外の場合には、画素値を変更しない。
したがって、大きい値の変更許容値が設定されるほど、画像の非可逆性は高くなるが、予測の的中率が向上するので符号量を低減させることができる。よって、符号量制御部565は、符号量をさらに低減させる場合には、より大きな値の変更許容値をフィルタ処理部510aに出力する。
【0063】
図11は、プリンタ装置2(画像処理プログラム52)の第2の動作(S12)を示すフローチャートである。なお、図11に示す各処理のうち、図5に示す処理と実質的に同一なものには同一の符号が付されている。
【0064】
図11に示すように、ステップ200(S200)において、解析部525は、PDLデコンポーザ500により変換(S100)されたラスタデータを取得し、取得されたラスタデータに基づいて処理単位毎に画素値パターンを解析する。
解析部525は、画素値パターンの解析として、可逆圧縮部550により適用される画素値の予測方法と同一の画素値予測を行い、予測の的中率を制御部530に対して出力する。
【0065】
ステップ210(S210)において、制御部530は、解析部525から入力された解析結果(的中率)に基づいて、各処理単位に対して適用する符号化処理を判定する。すなわち、制御部530は、解析部525から入力された的中率が既定値よりも高い場合に、変更許容値が既定値よりも低く設定されたフィルタ処理部510bからのラスタデータを選択するよう制御し、これ以外の場合に、変更許容値がフィルタ処理部510bよりも高く設定されたフィルタ処理部510aからのラスタデータを選択するよう制御する。
【0066】
ステップ130(S130)において、フィルタ処理部510aおよびフィルタ処理部510bは、それぞれPDLデコンポーザ500から入力されたラスタデータに対して、それぞれに設定された変更許容値に応じたフィルタ処理を行い、データ選択部540に対して出力する。
【0067】
ステップ220(S220)において、データ選択部540は、制御部530からの制御に応じて、フィルタ処理部510aまたはフィルタ処理部510bから入力されたラスタデータを選択し、可逆圧縮部550に対して出力する。
可逆圧縮部550に出力されたラスタデータは、可逆な符号化処理が施されて符号データとなり(S140)、画像蓄積部560に蓄積される(S150)。
【0068】
ステップ230(S230)において、符号量制御部565は、可逆圧縮部550から符号データおよびラスタデータ(符号化前)を取得して、その符号量が基準値以下であるか否かを判定する。
符号量が基準値よりも大きいと判定された場合に、符号量制御部565は、ラスタデータをフィルタ処理部510aに出力して再符号化を指示する。フィルタ処理部510aは、符号量制御部565からの指示に応じて、変更許容値をより大きい値に設定しフィルタ処理を再度行う。
一方、符号量が基準値以下と判定された場合に、画像処理プログラム52は、S160の処理に移行する。
画像処理プログラム52は、上記の処理をすべての処理単位について行い(S160)、符号データを伸長して印刷する(S170,S180)。
【0069】
このように、本実施形態における画像処理プログラム52は、複数のフィルタ処理部510を用いて互いに異なるフィルタ処理をラスタデータに対して施し、これら複数のラスタデータの中から、局所的な画素パターンに応じて符号化処理に用いるラスタデータを選択する。そのため、プリンタ装置2は、実際の画素値の配列に応じた符号化処理を処理単位毎に適用することができる。
また、画像処理プログラム52は、符号量に応じて、フィルタ部510aのパラメータ(変更許容値)を変更することにより、符号量を制御することができる。なお、本実施形態においても制御部530は、画像に施された拡大処理に応じて、符号化処理を切り換えてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるデータ処理装置によれば、高画質かつ高圧縮を実現するために効果的に符号化処理を切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプリンタ装置2(データ処理装置)のハードウェア構成を、制御装置20を中心に例示する図である。
【図2】第1の画像処理プログラム5の機能構成を説明する図である。
【図3】フィルタ処理部510の機能構成をより詳細に説明する図である。
【図4】可逆圧縮部550の機能構成をより詳細に説明する図である。
【図5】プリンタ装置2(画像処理プログラム5)の第1の動作(S10)を示すフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートにおける判定処理(110)をより詳細に説明するフローチャートである。
【図7】図5のフローチャートにおけるフィルタ処理(S130)をより詳細に説明するフローチャートである。
【図8】図5のフローチャートにおける可逆圧縮処理(S140)をより詳細に説明するフローチャートである。
【図9】第2の画像処理プログラム52のの機能構成を説明する図である。
【図10】フィルタ処理部510aの構成をより詳細に説明する図である。
【図11】プリンタ装置2(画像処理プログラム52)の第2の動作(S12)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2・・・プリンタ装置
5,52・・・画像処理プログラム
500・・・PDLデコンポーザ
510・・・フィルタ処理部
512・・・予測部
514・・・画素値変更処理部
516・・・誤差分配処理部
518・・・変更許容値設定部
520・・・属性取得部
525・・・解析部
530・・・制御部
540・・・データ選択部
550・・・可逆圧縮部
552・・・予測部
554・・・予測誤差算出部
556・・・選択部
558・・・ラン計数部
559・・・符号化部
560・・・画像蓄積部
565・・・符号量制御部
570・・・伸長部
580・・・印刷部

Claims (11)

  1. 入力された画像データの画素値を変換する画素値変換手段と,
    前記画素値変換手段により少なくとも一部の画素値が変換された画像データを,異なる位置にある複数の画素値を注目画素の予測値とする予測手法を用いて注目画素の画素値を予測することにより可逆符号化する符号化手段と,
    入力された画像データの画素群毎に,画素値のパターンに基づいて,前記符号化手段による可逆符号化と同一の予測手法を用いて,前記符号化手段による可逆符号化に対する適合度合いを解析する解析手段と,
    前記解析手段により解析された適合度合いに基づいて,前記画素群について,前記画素値変換手段による画素値の変換量を変化させる制御手段と
    を有するデータ処理装置。
  2. 前記制御手段は,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より小さい場合,当該適合度合いが既定値より大きい場合よりも画素値の変換量を多くする
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記画素値変換手段は,画像データに対して複数のフィルタ処理のいずれかを施し,
    前記制御手段は,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より小さい場合,前記画素値変換手段により施されるフィルタ処理が,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より大きい場合に施されるフィルタ処理とは異なるように制御する
    請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
  4. 前記制御手段は,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より小さい場合,前記画素値変換手段が画像データに対してスキャン画像に適したフィルタ処理を施すように制御し,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より大きい場合,前記画素値変換手段が画像データに対してクリエイション画像に適したフィルタ処理を施すように制御する
    請求項3に記載のデータ処理装置。
  5. 前記制御手段は,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より小さい場合,前記画素値変換手段による画素値の変換を許可し,前記解析手段により解析された適合度合いが既定値より大きい場合,前記画素値変換手段による画素値の変換を禁止する
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  6. 前記符号化手段により符号化された符号データの符号量が基準値以下になるように,前記画素値変換手段による画素値の変換量を制御する符号量制御手段
    をさらに有する
    請求項1〜5のいずれかに記載のデータ処理装置。
  7. 前記符号化手段は,注目画素の近傍に位置する参照画素の画素値を参照して,注目画素の画素値を符号化し,
    前記画素値変換手段は,前記注目画素の画素値が前記参照画素の画素値と一致する確率を高くするように,前記注目画素の画素値を変換する
    請求項1〜6のいずれかに記載のデータ処理装置。
  8. 前記画素値変換手段は,前記画素値の変換処理として,前記画像データに含まれる注目画素の画素値を変更し,画素値の変更により生じた変更量を周辺画素に分配する
    請求項7に記載のデータ処理装置。
  9. 前記符号化手段により符号化された符号データを,前記符号化処理に対応する伸張処理で伸長する伸長手段と,
    前記伸長手段により伸長された画像データに基づいて画像をシートに形成する画像形成手段と
    をさらに有する請求項1〜8のいずれかに記載のデータ処理装置。
  10. 入力された画像データの画素群毎に,画素値のパターンに基づいて,異なる位置にある複数の画素値を注目画素の予測値とする予測手法を用いて,可逆符号化に対する適合度合いを解析し,
    前記解析された適合度合いに基づいて,前記画素群について,画素値の変換量を制御し,
    前記制御された変換量に基づいて,入力された画像データの画素値を変換し,
    前記変換により少なくとも一部の画素値が変換された画像データを,前記解析と同一の予測手法を用いて注目画素の画素値を予測することにより可逆符号化する
    データ処理方法。
  11. コンピュータを含むデータ処理装置において,
    入力された画像データの画素値を変換する画素値変換機能と,
    入力された画像データの画素群毎に,画素値のパターンに基づいて,異なる位置にある複数の画素値を注目画素の予測値とする予測手法を用いて,可逆符号化に対する適合度合いを解析する解析機能と,
    前記解析機能により解析された適合度合いに基づいて,前記画素群について,前記画素値変換機能による画素値の変換量を変化させる制御機能と,
    前記画素値変換機能により少なくとも一部の画素値が変換された画像データを,前記解析と同一の予測手法を用いて注目画素の画素値を予測することにより可逆符号化する符号化機能と
    を前記データ処理装置のコンピュータに実現させるプログラム。
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