JP4121924B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は感熱転写記録用受像シートに関し、特に昇華転写記録に使用される、安定した帯電防止性能に優れ、かつ受像面の白色度が高く、製造上の加工適性に優れた熱転写受像シートに関するものである。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、それらの中でも、近年、昇華性の染料を含有する熱転写層をポリエステルフィルム等の支持体上に形成した熱転写シートを、サーマルヘッドやレーザー等の加熱媒体によって加熱することにより、熱転写受像シート上に画像を形成する昇華転写記録方式が注目され、種々の分野において、情報記録手段として利用されている。このような昇華転写記録方式によれば、極めて短時間でフルカラー画像を形成することができ、中間色の再現性や階調性に優れた、フルカラー写真画像にも匹敵する高品質な画像を得ることができる。
受像面には、熱転写シートから移行してくる昇華性の染料を受容し、形成された画像を保持するために、熱可塑性樹脂、例えば、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート系樹脂等からなる受容層と、必要に応じて、基材シートと受容層との間に中間層が設けられている。中間層の機能として、例えば、PETのような剛性の高い基材シートを用いるときにクッション性を付与する層や、帯電防止性を付与する層を設ける場合がある。裏面には、カール防止やスリップ性向上のために、アクリル樹脂等のバインダーに、アクリル樹脂やフッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂等からなる有機フィラーや、シリカ等の無機フィラーを添加した組成物をコーティングしてなる裏面層が必要に応じて設けられている。
いわゆる、スタンダードタイプの熱転写受像シートといわれる場合は、その受像シートを透過光ではなく反射光で鑑賞したりして、使用するものであり、この場合でも、基材シートに不透明な、例えば、白色のPET、発泡PET、その他プラスチックシート、天然紙、合成紙、またはこれらを貼り合わせたもの等が使用される。また、基材シートの一方の面に受容層を設け、基材シートの他方の面に粘着剤などを用いた接着剤層と剥離紙を順に設けた、いわゆる、シールタイプの熱転写受像シートも様々な用途で使用されている。このシールタイプは、熱転写により受容層に画像形成し、剥離紙を剥がして任意の物に貼付して使用されるものである。
このように多くの分野において、熱転写受像シートが使用される中で、熱転写プリンターでの給紙時やプリント時等で、帯電防止性能が要求され、また高画質の印画物を得るために、画像受像面の白色度が高いものが要求されている。それに対して、従来の熱転写受像シートにおいて、基材シートと受容層との間に、アニオン性のエマルジョンの樹脂と酸化スズ等の金属酸化物導電剤およびカチオン性の蛍光増白剤を使用した中間層を設けている。この場合、酸化スズ等の導電剤は、導電性を得る為に、添加量を多くする必要があるが、酸化スズは比較的濃い色調を持つ材料の為、それを含有する中間層の白色性が低下してしまう。また、酸化スズ等の金属酸化物は非常に高価であることもあり、酸化スズの代わりに導電性を有する酸化チタンを用いると、本来白色の酸化チタンではあるが、導電処理後は、灰青色の色調となり、受像紙の白色度を低下させてしまう。
上記の熱転写受像シートの中間層を構成する親水性樹脂は、その大部分が、アニオン性であり、カチオン性の蛍光増白剤(PH4程度)を使用すると、イオン的に不安定になり、インキが凝集し、コーティング時に不具合が発生していた。それに対して、例えば、特許文献1、2には、この問題を解決するために、イオン的にニュウトラルなポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を添加して、イオン的に安定した状態にし、コーティングの不具合を解決している。しかし、これでは白色度が減少してしまい、蛍光増白剤の効果も十分に得ることができないものである。
特開平8−118824号公報 特開平10‐44628号公報
したがって、本発明の課題は、安定した帯電防止性能に優れ、かつ受像面の白色度が高く安定し、塗工液が凝集することなく、コーティング適性に優れた熱転写受像シートを提供することである。
そこで、上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明として、基材シートの少なくとも一方の面に中間層と染料受容層とをこの順序で積層している熱転写受像シートにおいて、該中間層がエマルジョン可能な親水性樹脂及び蛍光増白剤と導電剤を含有しており、該導電剤が合成層状珪酸塩であり、かつ該蛍光増白剤が塩基性の水溶性蛍光増白剤であることを特徴とした。
本発明の熱転写受像シートにおいては、基材シートの少なくとも一方の面に中間層と染料受容層とをこの順序で積層し、該中間層にエマルジョン可能な親水性樹脂及び蛍光増白剤と導電剤を含有させ、該導電剤が合成層状珪酸塩であり、かつ該蛍光増白剤が塩基性の水溶性蛍光増白剤であることにより、安定した帯電防止性能に優れる熱転写受像シートが得られる。また蛍光増白剤として、塩基性の水溶性蛍光増白剤を使用することにより導電剤の合成層状珪酸塩が塩基性の中間層の溶液中で安定し、液が凝集することなく、コーティング適性に優れたものとなる。従来は、中間層のコーティング時での不具合を解決するために、水溶性樹脂を添加していたが、その必要性がなくなり、中間層を形成する樹脂として、エマルジョン可能な親水性樹脂の選択が広がり、白色度の高い熱転写受像シートを容易に得ることができる。
以下、本発明について、実施の形態を詳述する。本発明の熱転写受像シートを構成する各層毎に説明する。
(基材シート)
基材シートは、受容層、中間層を保持するという役割を有するとともに、画像形成時に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材シートの材料は、例えば、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートが使用できる。
特に、本発明の熱転写受像シートでは、受像面における白色性を高めるために、基材シートも、受容層を設ける側の面は少なくとも白色性を有するものが好ましく用いられる。したがって、上記に挙げたプラスチックフィルムを構成する樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色フィルム、あるいは発泡させた発泡シート、他にコンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を用いることができる。また、上記基材シートの任意の組合わせによる積層体も使用できる。代表的な例とて、セルロース繊維紙と合成紙、セルロース繊維紙とプラスチックフィルムとの積層体が挙げられる。
また、上記の基材シートの表面及び又は裏面に易接着処理した基材シートも使用できる。本発明においては、上記の基材シートの中から、もしくは上記の基材シートに帯電防止処理を行って、温度20℃、相対湿度50%の環境下で1.0×1012Ω/□以下の表面電気抵抗率を有する基材シートを用いることが好ましい。このような基材シートを用いることで、熱転写受像シートの製造時に静電気によるトラブルの発生を未然に防止できる。これらの基材シートの厚みは、通常30〜300μm程度であり、本発明においては、機械的適性等を考慮し、75〜175μmの基材シートを用いるのが好ましい。また、基材シートとその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、その表面にプライマー処理、コロナ放電処理、あるいはプラズマ処理等の易接着処理を施すのが好ましい。
(中間層)
本発明の熱転写受像シートにおける基材シートと染料受容層との間に設ける中間層は、エマルジョン可能な親水性樹脂及び蛍光増白剤と導電剤を含有しており、該導電剤が合成層状珪酸塩であることを特徴とするものである。
中間層に使用する親水性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル(メタ)アクリル共重合体、酢酸ビニルベオバ共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等ビニル系樹脂、またメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、等が挙げられる。
本発明で規定する親水性樹脂とは、水を主体とする溶媒に、完全溶解(粒径0.01μm以下)、またはコロイダルディスパージョン(0.01〜0.1μm)、またはエマルジョン(0.1〜1μm)、またはスラリー(1μm以上)の状態になる樹脂のことである。これら、親水性樹脂の中で特に好ましいのは、ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、メタノール、エタノール、IPA等のアルコール類等の汎用溶剤により、溶解はもとより、膨潤さえしない樹脂である。
接着性能を考慮すると、基材シートの種類やその表面処理により異なるが、ウレタン系樹脂、アクリル−ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂が一般的であり、好ましく用いられる。又、活性水素を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物のような硬化剤を併用すると良好な接着性が得られる。
中間層で使用する蛍光増白剤は、スチルベン系、ジスチルベンベン系、ベンゾオキサゾール系、スチリル−オキサゾール系、ピレン−オキサゾール系、ジスチリル−ビフェニル系、ピラゾリン系、ベンゾイミダゾール系等、公知のものが使用できるが、中性からアルカリ性の水溶性のものが望ましい。特に酸性(カチオン系)の蛍光増白剤を使用すると、導電剤の合成層状珪酸塩及び親水性樹脂が凝集してしまい、インキが不安定になってしまい、蛍光増白効果は得られないからである。特にスルホン酸基等の親水基を有する蛍光増白剤は、受容層に移行しにくくなることからも、特に好ましい。
蛍光増白剤の添加方法としては、添加するバインダー樹脂の溶解特性に合わせて、水等に溶解させて添加する方法、ボールミル、コロイドミルによって粉砕分散して添加する方法、高沸点溶媒に溶解して親水性コロイド溶液と混合し、水中油滴型分散物として添加する方法、高分子ラテックス中に含浸させて添加する方法等が挙げられる。蛍光増白剤の添加量は、固形分で中間層の全樹脂分の0.01〜10質量%であることが好ましい。
本発明で使用する導電剤の合成層状珪酸塩はナトリウム、マグネシウム、リチウムの塩と珪酸ソーダを適正条件下で反応させた合成物である。粒径は30nm以下であることが好ましく、例えば日本シリカ工業(株)ラポナイトS,JSの商品名で入手して本発明に用いることができる。同様の構造を持つベントナイトやヘクトライトの様な天然鉱物由来の材料の場合、導電性が無く、粒径が300〜550nmであり得られる受像紙の光沢度も低下する。本発明で使用する合成層状珪酸塩は、酸性状態(PH6以下)で安定性が悪く、カチオン性のエマルジョンやカチオン系の蛍光増白剤を使用すると凝集してしまい、インキ安定性が悪くなり、コーティングの不具合が発生する。したがって、合成層状珪酸塩を含有する塗工液では、塗工するインキの状態で、PHを7以上にする必要がある。尚、大部分の樹脂エマルジョンは、アニオン性(PH7〜8.5)であり、合成層状珪酸塩と上記の中性又は塩基性蛍光増白剤の併用が可能となる。
導電性を左右する要因として、添加量が挙げられる。少量の添加量で充分な導電性が得られるが、分散性、安定性、コーティング適性から、合成層状珪酸塩の添加量としては、樹脂バインダーに対し1%〜500%(質量基準)程度まで添加することが可能であるが、少なすぎる場合には安定した導電性が得られず、また多すぎる場合にはインキ粘度が増大し、塗工適性が低下したり、基材シートを含む隣接する他の層との接着性が低下する問題が発生する場合がある。
したがって、合成層状珪酸塩の添加量としては、樹脂バインダーに対し20%〜200%(質量基準)が好ましく、さらには50%〜200%(質量基準)が最も好ましい。また、中間層の塗布量についても、やはり導電性を左右する要因の一つであり、乾燥状態で0.1g/m2〜10g/m2の範囲で塗布することが可能であるが、この場合も添加量と同じ問題が発生するため、好ましくは0.3g/m2〜5g/m2、さらには0.5g/m2〜3g/m2が最も好ましい。また中間層には、白色性や、導電性を損なわないレベルで、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等の各種帯電防止剤等を加えることが可能である。また、中間層には、上記の蛍光増白剤、合成層状珪酸塩、帯電防止剤の他に、より白色性を付与するために、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のフィラーを添加することが好ましい。
(染料受容層)
上記中間層の上に形成する染料受容層は、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容し、形成された熱転写画像を維持するためのものである。受容層に使用される樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル、ポリスチレン、ポリスチレン・アクリル共重合体などのビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールなどのアセタール系樹脂、飽和または不飽和の各種ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのポリアミド系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用したり、相溶する範囲内で任意にブレンドして用いることができる。
上記樹脂に混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、弗素系界面活性剤などが挙げられるが、シリコーンオイルが望ましい。該シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、弗素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性などの変性シリコーンオイルが望ましい。
離型剤は1種もしくは2種以上のものが使用される。また、ビニル変性シリコーンオイルとハイドロジェン変性シリコーンオイルとの反応物や、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルの反応硬化物などの、複数の変性シリコーンオイルを反応硬化させたり、活性水素を有する変性シリコーンオイルと活性水素と反応する硬化剤との反応硬化物も用いられる。また、この離型剤の添加量は染料受容層形成樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写フィルムと染料受容層の融着もしくは印字感度の低下などの問題が生じる場合がある。このような離型剤を染料受容層に添加することによって、転写後の受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。受容層は、前記の中間層の上面に、上記の如き樹脂に離型剤などの必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水に分散した分散体を、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの形成手段により塗布および乾燥することによって形成される。塗布量としては1.5〜15g/m2、好ましくは1.5〜5.0g/m2の範囲で設けられる。本発明の熱転写受像シートでは、中間層に特徴を有するものであり、受容層については特に限定するものではないが、受容層の形成にはできるだけ無色で透明度の高い樹脂を選択することが好ましい。
(導電層)
本発明の熱転写受像シートは、基材シートの受容層の設けてある側と反対側の少なくとも一層に導電性を有する層が形成され、該導電層に導電性合成層状珪酸塩が含有されていることが好ましい。この導電層は、上記の中間層と同様の材料、製造方法により形成することができる。この基材シートの受容層の設けてある側と反対側に形成する導電層は、基材シートの裏面側の最表面に設けたり、あるいは基材シートと、以下に説明する裏面層との間に設けることも可能である。但し、基材シートの裏面側の最表面に導電層を設ける場合は、前記の中間層で説明したものに、以下に説明する裏面層で使用する各種フィラーを加えることが好ましい。
(裏面層)
基材シートの受容層を設けた面と反対の面に、熱転写受像シートの搬送性の向上や、カール防止などのために、裏面層を設けることができる。このような機能をもつ裏面層として、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどの有機系フィラー、及び二酸化珪素や金属酸化物などの無機フィラーを加えたものが使用できる。
この裏面層として、上述の樹脂を硬化剤により硬化したものを使用することがさらに好ましい。硬化剤としては、一般的に公知のものが使用できるが、中でもイソシアネート化合物が好ましい。裏面層樹脂はイソシアネート化合物などと反応しウレタン結合を形成して硬化・立体化することにより、耐熱保存性、耐溶剤性が向上し、さらには、基材シートとの密着も良くなる。硬化剤の添加量は、樹脂1反応基当量に対して、1乃至2が好ましい。1未満であると、架橋が不十分であり、また、耐熱性、耐溶剤性が悪くなる。また、2より大きいと、成膜後に残留した硬化剤により、経時変化が起こったり、裏面層用塗工液の寿命が短いという不具合が生じる。
さらに、上記裏面層中には、添加剤として、有機フィラーまたは無機フィラーを添加しても良い。これらのフィラーの働きで、プリンター内での熱転写受像シートの搬送性が向上し、また、ブロッキングを防ぐなど熱転写受像シートの保存性も向上する。有機フィラーとして、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどがあげられる。この中では、特にポリアミド系フィラーが好ましい。また、無機フィラーとして、二酸化珪素や金属酸化物などがあげられる。ポリアミド系フィラーとしては、分子量が10万乃至90万で、球状であり、平均粒子径が0.01乃至30μmが好ましく、特に分子量が10万乃至50万で、平均粒子径が0.01乃至10μmがより好ましい。また、ポリアミド系フィラーの種類では、ナイロン6やナイロン66と比較して、ナイロン12フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化がないためより好ましい。
ポリアミド系フィラーは、高融点で熱的にも安定であり、耐油性、耐薬品性なども良く、染料によって染着されにくい。また、分子量が10万乃至90万であると磨耗することもほとんどなく、自己潤滑性があり、摩擦係数も低く、擦れる相手を傷つけにくい。また、好ましい平均粒子径は、0.1乃至30μmである。粒子径が小さすぎると、フィラーが裏面層中に隠れてしまい、十分な滑り性の機能が発現され難くなる傾向がみられ、また、粒子径が大きすぎると、裏面層からの突出が大きくなり、結果的に摩擦係数を高めたり、フィラーの欠落を生じる傾向があるので、好ましくない。裏面層の樹脂に対するフィラーの配合比率は、0.01質量%乃至200質量%の範囲が好ましい。反射画像用熱転写受像シートの場合は、1質量%乃至100質量%がより好ましい。フィラーの配合比率が0.01質量%未満の場合には、滑り性が不十分であり、プリンターの給紙時などで紙詰まりなどの支障をきたす傾向が生じる。また、200質量%を越える場合には、滑りすぎて印字画像に色ずれなどが生じやすくなるため、好ましくない。
本発明の熱転写受像シートでは、帯電防止性を向上させるために、下記に示す帯電防止剤を受容層塗工液あるいは裏面層塗工液に、練り込むこともできる。但し、この受容層と裏面層は、それぞれ熱転写受像シートの最表面に位置する。
帯電防止剤;脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物など。帯電防止剤の添加量は、樹脂に対し、0.1〜2.0質量%が好ましい。
本発明の熱転写受像シートでは、帯電防止性能を高く維持させるため、基材シートと受容層との間に中間層を設け、また受容層表面に上記帯電防止処理を施したり、基材シートの裏面側の少なくとも一層に導電層を設けたり、裏面層表面に上記帯電防止処理を施したりする。受容層側または裏面層側のいずれにおいても、表面電気抵抗率を23℃/60%の環境下で1.0×105Ω/□〜1.0×1014Ω/□の範囲が好ましい。表面電気抵抗率が1.0×1014Ω/□より大きくなると、静電密着により熱転写受像シート同士が貼り付き、熱転写プリンターにおける給紙時や排紙時のトラブルの原因になる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、文中の部又は%とあるのは、特に断りのない限り、質量基準である。
基材シートとして、厚さ100μmの白PETフィルム(東レ株式会社製:商品名ルミラー)を用い、その一方の面に下記組成の中間層塗布液1を乾燥2.0g/m2になるようにグラビアコーターにより、塗布及び乾燥させて中間層を形成した。次に下記組成の受容層塗布液1を中間層表面に乾燥時4.0g/m2になるようにグラビアコーターで塗布乾燥させて、受容層を形成し、本発明の実施例1の熱転写受像シートを得た。
<中間層塗布液1>
ネオステッカー700(ウレタン樹脂:日華化学■) 100部

TCA−888(酸化チタン:石原産業■) 37部

ラポナイトJS(導電性合成層状珪酸塩:ウイルバー・エリス社製) 40部
ユビテックスNFW Liqid(塩基性蛍光増白剤:日本チバカイギ) 18部
水 10部
<受容層塗布液1>
#1000A(塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体:電気化学工業■製) 100部

X−22−3000T(シリコーン:信越化学工業(株)製) 10部
CAT−PL−50T(触媒:信越化学工業(株)製) 1部
メチルエチルケトン 200部
トルエン 200部
実施例1における中間層塗布液1に代えて、下記組成の中間層塗布液2を使用して中間層を形成し、他は実施例1と同様にして、本発明の実施例2の熱転写受像シートを得た。
<中間層塗布液2>
ポリエスターWR−905(ポリエステル樹脂:日本合成化学(株)) 100部
TCA−888(酸化チタン:石原産業(株)) 37部
ラポナイトJS(導電性合成層状珪酸塩:ウイルバー・エリス社製) 40部
ユビテックスNFW Liqid(塩基性蛍光増白剤:日本チバカイギ) 18部
水 10部
実施例1における中間層塗布液1に代えて、下記組成の中間層塗布液3を使用して中間層を形成し、他は実施例1と同様にして、本発明の実施例3の熱転写受像シートを得た。
<中間層塗布液3>
ポリエスターWR−905(ポリエステル樹脂:日本合成化学(株)) 100部
TCA−888(酸化チタン:石原産業(株)) 37部
ラポナイトJS(導電性合成層状珪酸塩:ウイルバー・エリス社製) 40部
ユビテックスCF Liqid(蛍光増白剤:日本チバカイギ) 18部
水 10部
(比較例1)
実施例1における中間層塗布液1に代えて、下記組成の中間層塗布液4を使用して中間層を形成し、他は実施例1と同様にして、本発明の比較例1の熱転写受像シートを得た。
<中間層塗布液4>
ポリエスターWR−905(ポリエステル樹脂:日本合成化学(株)) 100部
TCA−888(酸化チタン:石原産業(株)) 37部
ラポナイトJS(導電性合成層状珪酸塩:ウイルバー・エリス社製) 40部
ユビテックスBAC(蛍光増白剤:日本チバカイギ) 10部
水 10部
(比較例2)
実施例1における中間層塗布液1に代えて、下記組成の中間層塗布液5を使用して中間層を形成し、他は実施例1と同様にして、本発明の比較例2の熱転写受像シートを得た。
<中間層塗布液5>
ネオステッカー400(ウレタン樹脂:日華化学■) 100部

TCA−888(酸化チタン:石原産業■) 37部

ラポナイトJS(導電性合成層状珪酸塩:ウイルバー・エリス社製) 40部
ユビテックスBAC(蛍光増白剤:日本チバカイギ) 9部
水 10部
(比較例3)
実施例1における中間層塗布液1に代えて、下記組成の中間層塗布液6を使用して中間層を形成し、他は実施例1と同様にして、本発明の比較例3の熱転写受像シートを得た。
<中間層塗布液6>
ポリエスターWR−905(ポリエステル樹脂:日本合成化学(株)) 100部
TCA−888(酸化チタン:石原産業(株)) 37部
ラポナイトJS(導電性合成層状珪酸塩:ウイルバー・エリス社製) 40部
ユビテックスAMS(蛍光増白剤:日本チバカイギ) 10部
水 10部
(比較例4)
実施例1における中間層塗布液1に代えて、下記組成の中間層塗布液7を使用して中間層を形成し、他は実施例1と同様にして、本発明の比較例4の熱転写受像シートを得た。
<中間層塗布液7>
ポリエスターWR−905(ポリエステル樹脂:日本合成化学(株)) 100部
TCA−888(酸化チタン:石原産業(株)) 37部
ラポナイトJS(導電性合成層状珪酸塩:ウイルバー・エリス社製) 40部
ハッコールHK(カチオン系蛍光増白剤:日本化薬(株)) 40部
水 10部
上記の本発明の実施例及び比較例の熱転写受像シートと、市販の昇華用熱転写シートを用いて、三菱電機製CP−2000プリンターで画像形成を行い、帯電防止性能を調べるために、搬送性を調べた。また、画像形成前の熱転写受像シートの受容層側の白色度を測定する。さらに、上記の実施例及び比較例の熱転写受像シートを製造する上で、中間層を基材シート上に塗布する際の加工適性(塗工適性)を調べた。
具体的な評価方法は下記の通りである。
(搬送性)
上記のプリンターに各熱転写受像シートを10枚ずつ連続して、搬送して、評価する。判断基準は以下の通りである。
○:異常なし。
×:プリンター中でジャムが発生した。(給紙部からの熱転写受像シート同士の貼り付きや、排紙部での熱転写受像シートの貼り付き等によるジャムである。)
(白色度)
上記の各熱転写受像シートの受容層が設けられた表面の反射特性を、日本電色工業製SPECTRO COLOR METER Model PF−10にて、測定した。判断基準は以下の通りである。
○:白色度80%以上
×:白色度80%未満
(加工適性)
中間層を基材シート上に、グラビアコーターにより塗布する際の加工適性を、下記の判断基準で評価した。
○:異常なし。
×:中間層塗布液が凝集し、基材シート上に安定した塗工量で塗布することができない、または塗工面が不均一で熱転写受像シートとして利用できる品質ではない。
(評価結果)
評価結果を下記の表1に示す。
Figure 0004121924

Claims (1)

  1. 基材シートの少なくとも一方の面に中間層と染料受容層とをこの順序で積層している熱転写受像シートにおいて、該中間層がエマルジョン可能な親水性樹脂及び蛍光増白剤と導電剤を含有しており、該導電剤が合成層状珪酸塩であり、かつ該蛍光増白剤が塩基性の水溶性蛍光増白剤であることを特徴とする熱転写受像シート。
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