JP4121698B2 - 自動化平行キャピラリー電気泳動システム - Google Patents
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Description
本発明は、電気泳動を行うための装置に関する。より具体的には、本発明は、市販の標準サイズのマイクロタイタートレイを使用し得るように形成されたキャピラリーカートリッジを使用した自動化電気泳動システムに関するもので、この電気泳動システムは、積層されたデュアルカルーセル装置と、多波長ビーム発生器と、ゲル移送システムと、サンプルの相互汚染を回避し、システムの能力を改善し、スループット(処理量)を増加させるようにしたオフライン再生装置とを具備してなる。
【0001】
〔発明の背景〕
電気泳動は巨大分子を分離するための手法として周知である。電気泳動の適用においては、分析されるべきサンプルの分子は、或る電圧が印加された媒体中を移動する。しばしば、サンプルは、分子が移動する際、個々の分子を遅延させたり、分離させたりするのを助ける篩別マトリックス(sieving matrix)として作用するゲルを介して伝搬される。
【0002】
ゲル電気泳動の1つの適用例として、DNA塩基配列決定への適用がある。電気泳動分析に先だって、DNAサンプルが周知の手法により用意される。その結果得られるのは、同一の総配列順序に対応する可能なあらゆる長さのDNA断片の溶液であり、各断片は或る末端塩基の識別に対応する標識で終わっている。
【0003】
この分離法は導電性ゲルで満されたキャピラリーが用いられる。サンプルを導入するため、このキャピラリーの一端はDNA反応ビン中に挿入される。少量のサンプルをこのキャピラリーの端部に導入させたのち、このキャピラリーの両端が別の緩衝溶液内に配置される。ついで、或る電圧がこのキャピラリーの両端に印加される。この時の電圧降下によりDNAサンプルはキャピラリーの一端から他端に向けて移動されることになる。このDNA断片の移動速度の差異により、類似長さの断片のバンドに分離されることになる。これらのバンドがキャピラリーチューブを横切るとき、バンドは典型的にはキャピラリーに沿う任意の点で幾つかの検知手法の1つを用いて読み取られる。
【0004】
DNAサンプルを標識付けするための最も広く使用されている蛍光染料は490−580nmの範囲に最大吸収波長を有する。基本的検知技法は、広角レンズを備えたCCDカメラと、このカメラレンズの下方に配置されたキャピラリーチューブアレイであって、その平面がCCD画像化チップに平行に配置されたものと、上記キャピラリーアレイを横切るように照射されるレーザービームとから構成されている。しかし、この基本的検知技法で用いられる単一レーザーラインは全ての標識を同時に都合よく受入れることはできない。従って、この欠点を補償するため多重レーザー又は光学フィルターが使用される。
【0005】
通常、多重DNA調整反応は市販のマイクロタイタートレイを使用して行われ、このマイクロタイタートレイは200〜1,000マイクロリットルのオーダーの試料をそれぞれ保持し得る多数の小容積ウェルを有する。このマイクロタイタートレイはサイズが標準化されている。生物工学工業において、現在、好んで使用されているマイクロタイタートレイは8列×12行のウェルからなる矩形配列を有する。単一列において隣接するウェル相互のセンター間間隔は約0.9cmであるが、この数値は1/10ないし2/10ミリ変化することもある。これは単一行において隣接するウェル相互間の間隔についても同様である。この96ウェルの矩形配列は7.5×11cm未満の所定領域(フットプリント)内に納まるようになっている。
【0006】
縮小化により同一フットプリントのマイクロタイタートレイにより多くの数のウェルを納めることが可能になっている。新しいトレイとして、同一の所定フットプリント内にウェルを従来の4倍の密度で配置したものが既に導入されており、これが急速に業界標準になりつつある。すなわち、この新規なトレイは16列×24行のウェルからなり、ウェル間間隔は約0.45cmである。
【0007】
或るDNA塩基配列決定プロジェクトにおいて、数千のDNAサンプルを分析することは異例のことではない。言うまでもなく、1本のキャピラリーを用いて数千回の実験を行うことは時間のかかることとなる。
【0008】
従来の装置では、多数のキャピラリーにおけるDNAバンドを同時に分析するための手段が提案されている。そのような装置はYeungらの米国特許No.5,498,324に開示されており、この特許の内容の全ては参照によってここに取り入れられる。この米国特許は、互いに平行に配置された多数のキャピラリーチューブに分離されたDNAバンドを検知するための手段を教示している。しかし、このような方式においては、各キャピラリーチューブをゲルで満し、サンプルを各キャピラリーチューブに導入する必要がある。
【0009】
従って、各キャピラリーチューブをゲルで満すために可なりの時間を要することになる。更に、各チューブの一端に再現性よく、かつ確実に反応サンプルを導入するために、可なりの努力が必要となる。
【0010】
また、同一キャピラリーを用いて幾つかの連続的なサンプル分析を行うことも珍しいことではない。しかし、これは明らかにサンプルの相互汚染の危険性を伴い、これも従来の方式における不利な点ということができる。
〔発明の概要〕
本発明の1つの目的は、標準サイズのマイクロタイタートレイからサンプルを直接、複数のキャピラリーチューブに同時に導入することが可能な装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、積層デュアルカルーセル装置を提供し、これによりシステムの能力を損なうことなく、DNAサンプルの相互汚染を回避することである。
【0012】
本発明の他の目的は、ゲル移送モジュールを提供し、これによりキャピラリーチューブ中にゲルを均一、かつ急速に分配させることである。
【0013】
本発明の他の目的は、オフラインキャピラリー再生装置を提供し、これによりキャピラリーカートリッジオフラインを完全に清浄し、コストの上昇を最小限に抑えつつ、システムのスループットを改善させることである。
【0014】
本発明の他の目的は、多波長ビームを発生させることができる装置を提供することである。この多波長ビーム装置は異なる蛍光標識化染料を以て標識化された複数のDNAサンプルの同時検知を可能にする。
【0015】
これらの目的は、電気泳動分析の間に清浄化可能な使い捨て型キャピラリーカートリッジであって、複数のキャピラリーチューブを有するものを提供することにより達成される。この場合、各キャピラリーチューブの第1の端部はマウンティングプレートに保持され、これら第1の端部は一緒になって1つの配列を上記マウンティングプレート内に形成している。これら第1の端部間の間隔は、標準サイズのマイクロタイタートレイのウェルのセンター間の間隔に相当する。従って、これらキャピラリーの第1の端部をマイクロタイタートレイのウェル内のサンプルに同時に浸漬させることができる。このカートリッジには第2のマウンティングプレートが設けられ、これに上記キャピラリーの第2の端部が保持されている。他の態様においては、この第2のマウンティングプレートを用いる代りに、上記キャピラリーチューブの第2の端部が一緒に束ねられ、液体移送チャンバー、好ましくは高圧T字型取付け部材により受け入れられるようになっている。
【0016】
各マウンティングプレートに複数のプレート孔を設け、これらにキャピラリーチューブを挿入するようにしてもよい。このような場合、プレート孔は気密に封止され、露出されているキャピラリー端部を有するマウンティングプレートの側を加圧できるようにする。このマウンティングプレートのキャピラリー開口部の近傍に陽圧を適用することにより、電気泳動操作の間、空気及び流体の導入が可能となり、更に、この陽圧の適用を再生の間、キャピラリーチューブからゲル及び他の物質を押出すのに使用することもできる。これらキャピラリーチューブをこれらのプレート孔に挿入するとき、カニューレ及び/又はプラスチックチューブからなるニードル(針)を用いることによりこれらキャピラリーチューブが損傷されるのを防止することができる。また、金属製カニューレなどが使用される場合は、これらを電気泳動の間の電流のための電気接点として役立てることもできる。
【0017】
好ましい態様において、積層デュアルカルーセル装置は、システムの能力を損なうことなく、DNAサンプルの相互汚染の問題を回避することができる。このシステムはゲルと共に、緩衝液を使用し、これにより電気泳動の間、DNAをキャピラリーチューブの一端から他端へ移動させるための媒体が提供される。この緩衝液も電気泳動の間、キャピラリーチューブを通って移動するので、キャピラリーチューブの一端は緩衝液中に浸漬した状態にし、キャピラリーチューブ中に緩衝液が連続的に補充されるようにする必要がある。従って、この緩衝液は電気泳動の間においてDNAサンプルで汚染されてしまう虞れがある。次に、緩衝液中のこのDNAは、もし同一の緩衝液を用いて電気泳動を連続的に行った場合は、電気泳動の後の実行の間にキャピラリーチューブ中に移動することがあり得る。上記積層デュアルカルーセル装置は、各DNAサンプルトレイについて緩衝トレイを提供し、同一の緩衝トレイを再使用することを回避することにより、DNAサンプルの相互汚染の問題を回避している。また、上記積層デュアルカルーセル装置は、緩衝トレイを保持するための付加的カルーセルを有するので、この付加的緩衝トレイのための空間を提供することを目的としてサンプルトレイを置換する必要性も生じない。従って、このデュアルカルーセル装置は、システムの能力を損なうことなく、上記汚染の問題を回避することができる。
【0018】
本発明の他の好ましい態様において、検知システムは多波長ビーム発生器及び多波長検知器の双方を使用し、これによりレーザー又は光学的フィルターを切り換えることなく、同一機器中で異なる標識染料で標識された複数のDNA塩基配列サンプルを同時に検知することを可能にしている。
【0019】
多波長ビーム発生器は、457nm、476nm、488nm、496nm、502nm、514nmの波長の多波長ビームを発生し得るアルゴンイオンレーザーにより提供される。この多波長ビーム発生器は、異なる標識染料の中の異なる吸収スペクトルを補償し、DNA断片中でのピーク検知信号の一様性を改善し、検知信号の信号/ノイズ比を向上させる。
【0020】
本発明の他の好ましい態様において、ゲル移送モジュールはゲルを急速、かつ均一にキャピラリーを通って移動させる。ゲルはポンプにより移動させるには粘度が高過ぎるため、このゲル移送モジュールは、ゲルを移動させるのにゲルシリンジを使用する。このゲル移送モジュールは、使い捨て型ゲルカートリッジを保持するためのゲルキャリッジを具備する。ステッパーモータ・リニアーアクチュエータは可動アクチュエータシャフトを具備し、この可動アクチュエータシャフトはゲルシリンジの一端に位置するテフロンプランジャーを駆動させるべく配置され、これによりゲル物質がゲルシリンジの他端に設けられた高圧部材を介して急速に流れるようになっている。更にゲル移送モジュールは、電気泳動で用いたものと同一の部材を使用してキャピラリーチューブ中のゲルを弛緩させ、ゲルの均一な分布を達成させる。
【0021】
ゲル移送モジュールの他の態様において、圧迫可能なゲルバッグが利用される。この態様において、ゲルバッグは高圧チャンバーの内部に配置され、この高圧チャンバーは頂部が開口し底部が閉塞した中空シリンダーと、このシリンダーの頂部に着脱自在に取着されたキャップとを具備してなる。上記ゲルバッグに着脱自在に取着された内側端部と上記T字型取付け部材に接続された外側端部とを具備する流出口アッセンブリーが上記高圧チャンバーに取着されている。この高圧チャンバーも又、その内部圧力を増大又は減少させることのできる圧調整アッセンブリーに接続されている。上記高圧チャンバー内部の圧力が増加したとき、ゲルは上記流出口アッセンブリーを介して外部に絞り出され、上記T字型取付け部材へと送り出される。
【0022】
本発明の他の好ましい態様において、簡素化されたオフラインキャピラリー再生器がキャピラリーオフラインを完全に清浄化し、システムのコストの増大を抑制させつつ、システムのスループットの増大を達成し得るようになっている。作業者は先に使用したキャピラリーカートリッジをオフラインキャピラリー再生器で清浄化させながら電気泳動を実行することができる。完全に清浄化するためには一般的に約20分を要するから、電気泳動の連続的実行の間において、キャピラリーカートリッジ909の完全な清浄化のためにシステムを待たせる必要がなくなり、従って、このオフラインキャピラリー再生器はシステムのスループットを改善させることができる。
【0023】
このオフラインキャピラリー再生器は、清浄化流体を保持するための溶媒容器、清浄化流体を選択するためのマニホルド、及び洗浄を管理するための簡単なコントローラを含む少数の低コスト部材を具備してなる。このオフラインキャピラリー再生器の簡素化により、システムのコストの増大を抑制させつつ、システムのスループットの増大を達成し得るという利益が得られる。
〔好ましい態様の詳細な説明〕
図1は、本発明の装置の使用形態を模式的に説明するものである。本発明のカートリッジ30は、実質的に同一長さの複数のキャピラリーチューブ32を具備してなる。これらキャピラリーチューブ32はサンプル側接続アレイ(配列)34とゲル側接続アレイ36との間に延在している。キャピラリーチューブ32はサンプル側では第1のキャピラリー端部38のアレイで終わり、ゲル側では第2のキャピラリー端部40のアレイで終わっている。
【0024】
すなわち、図1のキャピラリーチューブ32のそれぞれの両端はベース部材42中の個々のプレート孔を貫通して延びている。このベース部材42は好ましくはポリカーボネート又はアクリル樹脂などから作られている。その他、キャピラリー端部の各アレイをプレート孔を有する別のマウンティングプレートに保持させ、ついで各マウンティングプレートをベース部材に固定してもよい。更に、各キャピラリーを個々のプレート孔に貫通させる代りに、1又はそれ以上のキャピラリーチューブを一緒にし、共通孔を貫通させてもよいし、孔を全く無くしてもよい。
【0025】
これら2つのアレイの間において、キャピラリーチューブ32はベース部材42上に装着された熱電部材44を貫通させている。この熱電部材44は窓領域46の両側に配置されている。この熱電部材はキャピラリーチューブを所定の範囲の温度に制御するために用いられている。この熱電部材44は当業者にとって明らかなように2以上の部材から構成されていてもよい。更に、流体循環システムあるいは空気対流などの別の温度制御手段を用いて温度を制御するようにしてもよい。
【0026】
キャピラリーチューブ32は窓領域46内において互いに隣接して平行に配置されている。第1のキャピラリー端部から窓領域46に至るまでの各キャピラリーチューブの長さは全てのキャピラリーチューブ32において実質的に同一である。この長さはサンプルの分析時間の最適化(すなわち、最小許容時間)及び分離されたサンプルの最小許容分析能を考慮して決定される。名目上、この長さはほぼ50〜70cmの範囲である。窓領域46は入射励起光が平行なキャピラリーチューブへアクセスできる領域を表すと共に、このキャピラリーチューブから出射される蛍光へのアクセスが可能な領域である。すなわち、この窓領域46は種々のキャピラリーチューブ内のバンド50の検知を可能にする。
【0027】
図1に示すように、励起光源はレーザー52を具備し、プリズム54は光ビーム56を窓領域46を通ってキャピラリーチューブ32に焦点を合わすために用いられる。ついで蛍光ビーム58がCCDカメラ60により感知され、バンド50が捕捉されるようになっている。なお、当業者にとって公知のように、他の照明及び検知手段を用いることも可能である。
【0028】
図1に示す構成により、全てのキャピラリーチューブ32の第1のキャピラリー端部38中にサンプルを実質的に同時に導入させることができる。特に、この構成によれば、第1のキャピラリー端部38のアレイを上述のような標準サイズのマイクロタイタートレイ64の複数のウェル62中に同時に浸漬することにより種々のサンプルを導入させることができる。
【0029】
これを可能にするため、個々のキャピラリー端部は互いに離間されており、その間隔配列は標準サイズのマイクロタイタートレイ64の複数のウェルのアレイのものと実質的に同一となっている。すなわち、隣接する第1のキャピラリー端部間の間隔は約0.9cmであり、この第1のキャピラリー端部のアレイ全体のフットプリントは7.5cm×11cm未満であり、従って標準サイズのマイクロタイタートレイに対応している。
【0030】
第2のキャピラリー端部40のアレイは第2のマイクロタイタートレイ68のウェル66中に挿入され、そこで当業者に公知のように緩衝液70と接触するようになっている。この第2のマイクロタイタートレイ68のウェル66は互いに離間しているので、第2のキャピラリー端40間での相互汚染の虞れは少ない。
【0031】
電圧源72が2つのキャピラリー端部アレイ間に電位差を与えるのに用いられる。図1に示すように、1つの電圧レベルが個々のリード74を介して第1のマイクロタイタートレイ64の各ウェル62に適用され、第2の電圧レベルが個々のリード76を介してほぼ同様に第2のマイクロタイタートレイ68の各ウェル66に適用される。すなわち、電流はリード74を介して個々のサンプルに通電され、第1のキャピラリー端部38、キャピラリーチューブ32及び第2のキャピラリー端部40を介して第2のマイクロタイタートレイ68のウェル66中の緩衝液70に通電され、最後にリード76を通ることになる。
【0032】
図2A及び2Bは本発明のカートリッジ80の1例の平面図及び側面図をそれぞれ示している。このカートリッジ80は例えばポリカーボネート又はアクリル等からなるベース部材82を具備する。このベース部材82には第1及び第2のマウンティングプレート84、86がそれぞれ装着されている。これらプレートは電気的絶縁物質から形成することが好ましい。
【0033】
第1のキャピラリー端部88のアレイは、第1のマウンティングプレート84の底面90から突出し、第2のキャピラリー端部92のアレイは、第2のマウンティングプレート86の底面94から突出している。キャピラリーチューブ96はこれらマウンティングプレート84、86に形成されたプレート孔を貫通、固定されていて、これらマウンティングプレート84、86の上面から突出している。好ましくは、各キャピラリーチューブ96はこれらマウンティングプレート84、86に対する貫通部において、これらマウンティングプレートのプレート孔に固定されたチューブ組立て体(アッセンブリー)102により保護されるようにする。
【0034】
図2Aに明示するように、これらチューブ組立て体は、関係するキャピラリーチューブと共にそれぞれ8行、12列の矩形アレイを形成するようにしてこれらマウンティングプレート84、86から突出している。これらチューブ組立て体102が固定されているプレート孔の隣接相互間の間隔及び隣接するキャピラリー端部88、92相互間の間隔は、いずれも標準サイズのマイクロタイタートレイ64の隣接するウェル相互間の間隔と対応させてある。好ましい例として、隣接するキャピラリー端部間の間隔は約0.9cmであり、キャピラリー端部のアレイ全体、従ってキャピラリー96が貫通するプレート孔のアレイのフットプリントは約7.5cm×11cm以下である。
【0035】
各マウンティングプレート84、86の上面98、100には、それぞれ104、106として示す第1及び第2の囲いが設けられている。好ましい態様において、これら囲いのそれぞれには入口108及び出口110が設けられている。第1の囲いの出口110はプラスチックチューブ112を介して第2の囲いの入口108に接続されている。第1の囲いの入口108は第1のプラスチック閉止弁114に接続され、第2の囲いの出口110は第2のプラスチック閉止弁116に接続されている。逆に、これらのプラスチック閉止弁114、116はそれぞれ第1及び第2のクイック切断部118、120に接続されている。
【0036】
操作の間、カートリッジ80をポンプアッセンブリー122に接続することができる。このポンプアッセンブリー122は、囲い104、106を通って温度制御された液状冷媒を循環し得るように構成されている。この場合、カートリッジの第1のクイック切断部118はポンプアッセンブリー122の出力部124に接続されおり、第2のクイック切断部120はポンプアッセンブリー122の入力部126に接続されている。この構成により、マウンティングプレートの上面98、100から突出し、囲い104、106中に位置するキャピラリーチューブ96の部分の温度を維持させることができる。これを行うため、マウンティングプレート84、86はベース部材82に対し液密に封止されていることが必要である。この液密封止はプレート孔とチューブアッセンブリー102並びにキャピラリーチューブ96との間、あるいはキャピラリーチューブ96自体にも形成されている必要がある。
【0037】
キャピラリーチューブ96は、囲い104、106により覆われていないカートリッジの区域においてチューブアッセンブリー102の2つのアレイ間に通じている。上述のように、熱電温度制御手段128又はそれに類する物がキャピラリーチューブ96の窓区域130の両側に配置され、囲い104、106内にないキャピラリーチューブの温度を制御するようになっている。
【0038】
窓区域130の少なくとも1部内にてキャピラリー96が互いに平行に配置されていて、検知手段により読取り可能にしている。好ましくは、ベース部材82には開口部132が設けられていて、その上に窓区域130が配置されている。これにより、照射手段又は検知手段の少なくとも1部をベース部材の下に配置させることが可能となり、そこから露出したキャピラリーチューブ96を直線的に見えるようにしている。
【0039】
図3Aはチューブアッセンブリー160を形成するのに使用されるニードル140を示し、これは図3Bに示すようにマウンティングプレート162内に直接、挿入させることができる。このニードル140は金属製カニューレ142を具備する。好ましい態様において、カニューレ142は内径が0.064インチ、外径が0.072インチのステンレススチールチューブからなっている。このカニューレ142にはウェルに浸漬される端部にベベル144が設けられている。
【0040】
カニューレ142内には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリマーチューブ146が同軸的に配置され、これはスリーブとして作用する。このポリマーチューブ146は内径が約0.006インチ、外径が0.0625インチである。従って、このポリマーチューブ146はカニューレ142内に難なく挿入させることができる。
【0041】
ニードル140の長手軸に沿ってポリマーチューブ146の中央を、ニードル140に付随するキャピラリーチューブ148が通っている。このキャピラリーチューブ148は溶融シリカから形成されており、内径が約0.003インチ、外径が約0.006インチのものである。すなわち、キャピラリーチューブ148はポリマーチューブ146内部と嵌合している。このキャピラリーチューブ148はカニューレ142の先端部152と実質的に面一となる端部150で終っている。すなわち、2つの端部150、152間の間隙は約0.035インチとなっている。
【0042】
UV硬化、医療グレードのエポキシ封止剤154がポリマーチューブ146の両端に用いられ、ポリマーチューブ146及びキャピラリーチューブ148をカニューレ142に対し固定している。好ましくは、エポキシ封止剤154がカニューレ142を介して気密及び液密シールを形成している。このエポキシ封止剤はポリマーチューブ146が外囲気に露出させないようにすると共に、キャピラリーチューブ148がカニューレ142と直接、接触することがないようにしている。
【0043】
なお、ニードルは図3Aに描いたもの以外の形で形成させることもできる。例えば、チューブ状カニューレの代りに、ニードルを単にキャピラリーチューブからなり、注入又は共押出しされたプラスチック材料で覆い、この覆いを金属ストリップに固定させたものでもよい。また、その他の構成も可能である。
【0044】
図3Bはナイロンからなる中空の高圧圧縮取付け部材164を示しており、これにニードル140が挿入され、チューブアッセンブリー160を完成させている。このニードル140はエポキシ封止剤を用いて上記圧縮取付け部材の円筒状内壁に固定させることもできる。各チューブアッセンブリー160は、ついでマウンティングプレート162に穿孔されたプレート孔166内に挿入され、プレート孔166もエポキシ封止剤を用いて封止させることができる。これにより、マウンティングプレート162の底面168と表面170との間に気密及び液密シールが形成され、チューブアッセンブリーを固定するプレート孔が設けられた区域の底面に陽圧が適用されても、これにマウンティングプレートが耐え得るようになっている。
【0045】
なお、この圧縮取付け部材164を完全になしで済まし、マウンティングプレート162に、ニードル140の外径とサイズが対応するプレート孔を穿設してもよい。その場合、ニードルをマウンティングプレート162の各プレート孔中に直接、挿入し、エポキシ樹脂を用いてそこに固定させる。このような取付け部材なしのアプローチは、プレート孔の減少されたサイズによりマウンティングプレート162の構造的一体性を改善させることができる。更に、エポキシ封止剤が用いられる界面が少なくなるから気密及び液密シールの向上を図ることができる。更に、キャピラリーチューブ148又はポリマーチューブ146に包んだキャピラリー148を、マウンティングプレート162に形成された適当なサイズのプレート孔に直接、保持させることもできることを理解されるべきである。
【0046】
圧縮取付け部材を使用するか否か、カニューレ及び/又はポリマーチューブを使用するか否かに拘らず、好ましい態様においては、各プレート孔には1つのキャピラリーチューブが保持されることを理解されるべきである。プレート孔のアレイの間隔的配置は、好ましくは標準サイズのマイクロタイタートレイのウェルのものと対応している。しかし、プレート孔をオフセンター(中心ずれ)に形成し、キャピラリー端部を傾けることもできる。
【0047】
更に、マウンティングプレート162に孔を穿設することなしに、キャピラリー端部のアレイを所望の形状にて固定させることもできることを理解されるべきである。例えば、個々のキャピラリー端部を接着又は締付けによりマウンティングプレート162に所望の形状にて配列、固定させることもできる。その他、複数のキャピラリーを一緒にし、アクリルなどで所望の形状に保ったまま、それらの端部を保持させることもできる。重要なことは、標準サイズのマイクロタイタートレイのウェルの間隔に対応してキャピラリー端部の間隔をアレイに持たせることである。
【0048】
導電性プレート172はネジ、接着剤、その他の公知の手段でマウンティングプレート162に固定する。この導電性プレート172には、マウンティングプレート中のプレート孔166に対応する導電性孔174のアレイが形成されている。各導電性孔174はH型のスリットにより形成されていて、このHの脚部間に一対のタブ176、178が形成されている。ニードル140がこの導電性孔174に挿入されたとき、これらのタブ176、178は後退し、ニードル140の両側と接触することになる。
【0049】
この導電性プレート172は全体が導電性であるから、アレイ中の全てのニードル140は共通の電気的接続を共有することになる。導電性プレート172に印加された電圧はアレイ中の各ニードル140の外部に現れる。電気泳動の適用の間、この電圧はキャピラリー端部150が挿入されている各ウェル内の緩衝液中に現れる。
【0050】
当業者に公知のように電圧差は他の手段によっても同様に第1のキャピラリー端部に印加させることができる。例えば、ニードルが接続されている共通プレートに接触させる代りに、電圧リードを各ニードルに直接、接続させてもよい。その他、各リードを各ウェル内の液中に浸漬させてもよい。他の別の方法としては、電圧を金属被覆、例えば金を介して印加させることである。この場合、金属被覆はウェル内の液に接触する各キャピラリーの末端部外面にのみ堆積させる。更に、電圧を前述のように、1又はそれ以上のリードを介してウェルに直接、印加させてもよい。当業者に自明のように、この第1のキャピラリー端部に電圧を印加させるため、その他の任意のアプローチを選択することができる。
【0051】
図4は、図2A、2Bに例示するカートリッジと共に使用されるモニタープレート190を示している。本発明のカートリッジにおいては、上述のように少なくとも第1のマウンティングプレート84のニードルには導電性プレート172が備えられている。第2のマウンティングプレート86にはモニタープレート190を具備させることができる。
【0052】
このモニタープレートはモニター孔192のアレイを有する。このモニター孔192のアレイは第2のマウンティングプレート86中に形成されたプレート孔の第2のアレイと整合している。各モニター孔192は分離された電気接点194を具備してなり、この電気接点194は個々のリード198を介してモニタープレートコネクター196に電気的に接続されている。第2のマウンティングプレート86中の各ニードルはモニタープレート中の対応する電気接点194に接触している。
【0053】
このモニタープレートの目的は、第2のマウンティングプレート86中の任意のニードルと第1のマウンティングプレート84中のニードルとの間の電気的導通性の存在を測るための手段を提供することである。このために、モニタープレート190を導電性プレート172とほぼ同様にしてマウンティングプレート86に固定し得ることが理解されるであろう。重要なことは各電気接点194が第2のマウンティングプレート中の1個のニードルとのみ接続していることである。
【0054】
図5は、第1のカルーセル206及び第2のカルーセル208上に、第1のアレイ202及び第2のアレイ204がそれぞれ部分的に配置されたカートリッジ200を示している。CCDカメラ210は、これらアレイ202、204間のカートリッジ部分の上に配置され、キャピラリー内のバンド(図5には示されていない)を検知するようになっている。各カルーセル206、208はそれぞれ8個のプラットホーム212を有し、それらの上に標準サイズのマイクロタイタートレイが載置されるようになっている。
【0055】
各タイタートレイ内のウェルは、サンプル、ゲル、緩衝液、酸性溶液、塩基性溶液などの1又はそれ以上の液体を保持する。図5に示すように、第1のカルーセルは6個のサンプルトレイ214、1個の緩衝液トレイ、及び1個の廃液トレイを保持し、サンプルトレイの1個が第1のニードルアレイ202の下方に位置されている。更に図5に示すように、第2のカルーセルは一対の酸性溶液トレイ220、一対の塩基性溶液トレイ222、一対の廃液トレイ224(その内の1個は第2のニードルアレイ204の下方に位置している)、1個の緩衝液トレイ226、1個のゲルトレイ228を保持している。すなわち、第1のカルーセル206はサンプル側カルーセルであり、第2のカルーセル208はゲル側カルーセルである。
【0056】
カートリッジは自動電気泳動装置に着脱自在に装着されている。操作の間、昇降手段により2つのニードルアレイ202、204のいずれかの下にあるプラットホームが上下動される。マイクロタイタートレイがニードルアレイ202、204の1つに近付けられたとき、これらのアレイのニードル及び付随するキャピラリー端部がそのマイクロタイタートレイの各ウェルの内容物中に浸漬される。これらのニードルアレイのいずれかの下にあるプラットホームが降下されたとき、このプラットホームに関係するカルーセルが回転されて異なるマイクロタイタートレイを保持する異なるプラットホーム212が上昇し得るようにする。
【0057】
プラットホーム212が上昇したとき、このプラットホームの周囲の表面が対向する表面に接触し、これによりニードルアレイの底面の下の圧力チャンバーを封止する。この圧力チャンバー内に加圧不活性ガス、例えばヘリウムをほぼ30psiの圧力で導入すると、プラットホームに保持されているマイクロタイタートレイのウェル内のサンプルに均一な力が加えられる。これにより、各サンプルの一部が第1のキャピラリー端部の対応するアレイ中に導入される。
【0058】
加圧ヘリウムを適用してサンプルを第1のキャピラリー端部へ導入するとともに、又は導入する代りに、高電圧を短時間、20〜40秒のオーダー、印加してサンプルを第1のキャピラリー端部へ移動させることもできる。この目的のための高電圧の使用は、しかしながら、サイズ−選択的なものとなる虞れがある。すなわち、分子が大きいほど、第1のキャピラリー端部に導入され易く、後の電気泳動分析において潜在的に歪みを生じさせる。
【0059】
次に、図5に示す自動電気泳動装置の動作について説明する。最初に、種々のマイクロタイタートレイに、指定された緩衝液、ゲル、サンプルなどが充填される。次に、カルーセル208上のゲルトレイ228が上昇し第2のニードルアレイ204に付随する第2のキャピラリー端部(図5では隠れている)を介してキャピラリーチューブ(図5には示されていない)内に導入される。その後、このゲルトレイ228が降下される。カルーセル206上のサンプルトレイ214がついで上昇し、第1のニードルアレイ202に付随する第1のキャピラリー端部(図5では隠れている)を介してサンプルが導入される。ついで、サンプルトレイ214が降下される。カルーセル206、208がついで回転し、緩衝液トレイ216、226を、対応するニードルアレイ202、204の下方に位置させる。ついで、電位差がこれら2つのニードルアレイ間に亘って適用され、電気泳動分析が行われる。
【0060】
この電気泳動分析が完了したとき、カートリッジは再生される。これは前回の分析からのゲル及びサンプルを加圧下で流出させ、酸性液220及び/又は塩基性液222を用いてキャピラリーチューブを清浄化することにより行われる。カートリッジはそれにより再使用のための準備が整い、他の1つのサンプルトレイ214内のサンプルの分析が可能となる。
【0061】
勿論、カルーセル204、206に形成されるプラットホームの数は任意に選択し得る。更に、このプラットホームを線状、四角形状などの配置で構成させることも可能である。必要なことは、任意の第1のマイクロタイタートレイを第1のニードルアレイ206に移動させ、また、任意の第2のマイクロタイタートレイを第2のニードルアレイ208の下に移動させ得る貯蔵及び位置決めシステムであることである。
【0062】
図6A、6Bは第1のマウンティングプレート282を有するカートリッジ280の側面及び平面をそれぞれ示し、この場合、第1のマウンティングプレート282中のプレート孔のアレイは90度回転されている。その他については、すなわちキャピラリーチューブを第1のマウンティングプレートに接続する配置は前述の例のものと実質的に同一である。所望の間隙を有するアレイに形成された第1のキャピラリー端部は第1のマウンティングプレート282の底面から突出し、この第1のマウンティングプレート内に形成されたプレート孔中にて保持されている。
【0063】
第2のマウンティングプレート284は、しかし、前述のカートリッジの例と同じではない。カートリッジ280においては、第2のマウンティングプレート282は、実質的に筒状の外壁面を有する圧力セル286の加圧保持部材として作用する。簡明を期すため、図6Aでは、第1のマウンティングプレート上のキャピラリーチューブはその一部が省略して示されている。更に、第2のマウンティングプレート284上のキャピラリーチューブについては全く省略されている。しかし、実際には、このキャピラリーチューブは全て存在するものである。
【0064】
第2のマウンティングプレートは半径方向に対称なベベル面(斜面)288を有し、それに複数のプレート孔290が形成されている。これらのプレート孔290のそれぞれはPEEKポリマーチューブ292と嵌合し、このPEEKポリマーチューブ292の中にキャピラリーが前述のようにUV硬化エポキシ樹脂を用いて嵌挿、固定されプレート孔290内にて気密、かつ液密シールを形成している。キャピラリーチューブがPEEKポリマーチューブ内を通って挿入され、各キャピラリーチューブの第2の端部が加圧セルの内部キャビティと連通している。このカートリッジの好ましい例において、第2のマウンティングプレートにPEEKポリマーチューブ及びキャピラリーチューブを設けたものについて説明したが、前述と同様のニードルを使用することもできる。更に、エポキシで固定したキャピラリーチューブ単独のものを同様に使用することができる。重要なことは、各キャピラリーチューブ294がプレート孔290内に気密、かつ液密に保持されていること、このキャピラリーチューブの第2の端部が圧力セル286の内部キャビティと連通していることである。
【0065】
図2A、2Bのカートリッジ80と同様に、このカートリッジ280には熱電気制御手段298及び囲い300、302が設けられ、そのキャピラリーチューブは窓領域304の少なくとも1部に沿って平行に配置されている。図6A、6Bに示していないが、これら囲い300、302には、他のカートリッジ80と同様に、冷媒を循環させるための入口及び出口を設けることもできる。
【0066】
図6Aに示すように、第2のマウンティングプレート284は切頭円錐状の上部を有し、その頂部は平坦頂部310となっている。多数のプレート孔290が設けられている湾曲した円錐面288は、第2のマウンティングプレートの下から陽圧が加えられた場合の構造的一体性の点で有利である。更に、このような表面にプレート孔290を設けることにより、プレート孔290相互をより大きく離して設けることができ、このことも圧力セル286の構造的一体性を向上させることになる。
【0067】
圧力セル286はカートリッジ280のベース部材に固定されていて、このベース部材の底部を介して突出している。このような構成により、圧力セル286はその筒状外壁の両側に入口312及び出口314をそれぞれ備えることができる。なお、この入口を第2マウンティングプレート284の平坦頂部310に設け、出口を圧力セル286の下部316の底面に設けることも容易に可能である。このような場合、圧力セルは、ベース部材の底部を介して突出させるのでなく、ベース部材上に載置させることができ、パイプ取付け部材はベース部材に形成された孔を介して出口に接続され、その後、孔は封止される。
【0068】
図7は、頂部表面324に入口322を有する圧力セル320についての弁配置を示している。その他の点については、前記圧力セル286と実質的に同一である。この入口322の他に、圧力セル320には出口326が設けられていて、この出口326は廃液弁328に接続されている。この廃液弁328は、圧力セル320の内部キャビティの内容物を排出するために開口される。
【0069】
この入口322へのアクセスは閉止弁330により制御される。液体はポンプ332を使用し、入口322を介して圧力セル320内に導入される。好ましくは、このポンプは高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)ポンプであり、ポンプ能力は、約2000psiの圧力で毎分4〜40ミリリットルである。このポンプ332は多重弁マニホールド334に接続され、この多重弁マニホールド334により4つの液体の内の1つが圧力セルに選択的に送り込まれるようになっている。この4つの液体、すなわちゲル、緩衝液、酸性液及び塩基性液がそれぞれ別々の容器336、338、340、342に保持されている。同様の液体を保持する付加的容器が予備のために保持され、あるいは上記容器に直列的に接続されていて総供給量を増大し得るようになっている。
【0070】
廃液弁328、閉止弁330、ポンプ332及び多重弁マニホールド334は全てコントローラ、好ましくはマイクロコンピュータなどの指令下にある。すなわち、圧力セルの内部キャビティの内容物はこのコントローラにより規制されている。このようなコントローラは、種々の圧力及び温度モニター及び他のセンサーからの入力を受理し、圧力セル320への損傷を防止し得るようになっている。
【0071】
操作の間において、圧力セル320の内部キャビティはポンプ332により充填される。これにより送り込まれた液体が、圧力セル320の内部キャビティと連通する第2のキャピラリー端部へと強制的に送られる。第1のキャピラリー端部のアレイ及び圧力セル320が適当な流体が適当なシーケンスで満されることにより、図5の装置に関して述べた前記説明の電気泳動操作を行うことができる。
【0072】
分析の後、圧力セル及びキャピラリーチューブを再生し、次の分析のための準備が行われる。これは全てのキャピラリーチューブからゲル及びサンプルを同時に流し出すことにより達成される。しかし、圧力セル320を用いて数千psiのオーダーの圧力が適用される。これらの増大した圧力により粘性のゲルをキャピラリーチューブからより急速に排出させることができる。これにより、分析相互間のサイクル時間が、再生操作を含めて、約1ないし2時間に減少させることができる。
【0073】
図8は、カートリッジ280の圧力セル286と同様の圧力セル350の分解断面図を示している。他の圧力セルと同様に、この圧力セル350は好ましくはアルミニウム又はステンレス鋼から作られている。この圧力セル350にはネジ付き入口352が備えられ、このネジ付き入口352は上部356の頂部表面354に形成されている。この上部は第2のマウンティングプレートを含む。この圧力セル350には更に、その下部362の底面360にネジ付き出口358が備えられている。高圧パイプ取付け部材をこれらネジ付き入口352及びネジ付き出口358に螺合させることができる。
【0074】
これら上部356及び下部362は複数のボルト(図示しない)により一緒に保持される。これらボルトは下部362の底面360の周囲に沿って形成されたボルト孔368を介して挿入される。ついで、これらのボルトは、上部356の底面372に形成された対応するネジ付き孔370中に螺合される。Oリング364が、第2のマウンティングプレート356中に形成された角形溝366中に部分的に嵌挿される。Oリング364は上部356と下部362との間のシールとして作用する。Oリングの代りに、ガスケットなどを使用し、シールとして作用させることもできる。
【0075】
この圧力セル350の上部356と下部362との間に形成された中央部には、内部キャビティ374が形成されている。また、複数のプレート孔376が上部(第2のマウンティングプレート)に形成されている。簡明のため、図8においては、複数のプレート孔376が上部356の一側にのみ示されている。しかし、当然、上部356の他の側にも存在することを理解されるべきである。プレート孔376は上部356に形成された斜面378から内部キャビティ374へと延びている。
【0076】
キャピラリーチューブ380はこれらのプレート孔376中に保持され、その第2の端部382は内部キャビティ374と連通している。各キャピラリーはPEEKポリマーチューブ内に嵌挿されており、このPEEKポリマーチューブは、内部キャビティ374に近い各プレート孔内の点から斜面378の可なり外側に延びている。しかし、簡明のため、図8においてはこのPEEKポリマーチューブは示されていない。なお、キャピラリーチューブのみ、あるいはキャピラリーチューブ、PEEKチューブ及びカニューレからなるニードルをその寸法を適合させて各プレート孔376へ挿入するようにしてもよい。
【0077】
上述のように、UV硬化性エポキシ封止剤を用いてプレート孔376の両端部をシール(封止)し、プレート孔376の気密、液密性を維持させる。圧力セルについては、内部キャビティ374に近い各プレート孔の末端部384はタッピング又は粗面化する。これにより組立て時にエポキシ封止剤が容易に接着する表面が提供される。
【0078】
内部キャビティ374内に保持されている液体は内部キャビティを形成する材料と接触している。この液体が更に第2のキャピラリー端部382に接触した時、圧力セル350の内部キャビティ374と第1マウンティングプレートに固定された第1のキャピラリー端部との間の電気的接続が完了する。すなわち、圧力セル350をそれに設けた接触子を介してアースすることにより、内部キャビティ374への接地がなされ、電気泳動を行うために必要な回路が完成する。あるいは、圧力セル350が、それが載置されたベース部材から電気的に絶縁されているため、圧力セル350の電位をフロート(float)させてもよい。これにより、高電圧を第1のキャピラリー端部に関係するニードルでなく、圧力セル350に対し適用することが可能となる。
【0079】
図9は、頂部表面394と入口396とを有する第2のマウンティングプレート392におけるプレート孔390についての別の配置を示している。3つのプレート孔の各セット398は頂部表面394の中央との関連で或る角度を以て片寄っている。これにより、プレート孔相互間の最大の間隔が得られる。構造上の一体性の観点からすると、このような配置は、図6Bに示すように、プレート孔を放射状にスポーク様に配置させたものよりも好ましい。
【0080】
図10は図6〜図9に示すように形成されたキャピラリーカートリッジと共に使用し得るよう設計された電気泳動装置400を示している。この装置は、ユーザーインターフェース402(ビデオディスプレイ端末及びキーボードとして示されている)を具備し、これはコントローラ404(好ましくは、マイクロプロセッサーをベースとするコンピュータなど)と導通している。ユーザーインターフェース402は、ユーザーが指令を入力したり、状態情報を受理したり、収集したデータを観察したりすることを可能とする。
【0081】
この装置400は更にデータ演算コンピュータ406を具備し、このコンピュータ406はCCDカメラ408からのビデオ信号を受理したり、記憶したり、処理したりする。このデータ演算コンピュータ406には光学読取り/書込みデータ記憶手段410及び/又は磁気読取り/書込みデータ記憶手段412が備えられている。このデータ演算コンピュータ406内部には、信号及び画像処理ソフトウエアが設けられ、CCDカメラ408からの信号データを分析し得るようになっている。また、このデータ演算コンピュータ406はコントローラ404に接続されていて、コントローラ404からの要求に応答したり、必要に応じてデータ及び制御情報を交換したりする。
【0082】
この装置400は更に高電圧電気供給部414を具備し、この高電圧電気供給部414はキャピラリーチューブの端部相互間を横切って必要な電圧を付与し得るようになっている。この高電圧電気供給部の操作はコントローラ404によって指示される。
【0083】
このコントローラ404は、更に多数の電子スイッチを具備するポンプインターフェース416の操作を指示する。このポンプインターフェース416はソレノイド弁418の操作を規制する。このソレノイド弁418は、加圧ヘリウムタンクのような不活性ガス源に接続されたガス入口420をチャンバー422に接続している。このポンプインターフェース416は更に高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)ポンプ426の操作を規制する。HPLCポンプ426は上記コントローラの指示のもとで、容器428、430、432、434中の液体、すなわちゲル、緩衝液、酸及び塩基を、多重弁マニホールド440を介してカートリッジ438の圧力セル436へ選択的に供給するようになっている。
【0084】
複数のプラットホームを有するカルーセル442はロータ444により回転される。油圧ポンプなどからなる昇降手段446により第1のマウンティングプレートの下方に位置するプラットホーム448が上下動するようになっている。これにより、プラットホーム448上のマイクロタイタートレイ450が前述のように、キャピラリー端部のアレイへ向けて、又はキャピラリー端部のアレイから離れて移動される。これらロータ444及び昇降手段446はコントローラ404に接続され、又、コントローラ404により駆動されるようになっている。
【0085】
この装置400は更に光源452(好ましくはレーザー)を具備し、コントローラ404の指示によりキャピラリーチューブ454を照射するようになっている。すなわち、光源452は前述のようにカートリッジ438のベース部材の開口部を介してキャピラリーチューブ454を下から照射するようになっている。キャピラリーバンドの検知が暗い所で行われるので、光囲い板456がカメラ408、光源452及び少なくともキャピラリーチューブ454の窓領域を覆うようになっている。
【0086】
操作の間、キャピラリーチューブ454が最初に清浄化され、ついでポンプ452を駆動することにより圧力セル436を介してゲルが充填される。このポンプ452はスイッチが切られる。次に、サンプルを保持するマイクロタイタートレイ450を支持するプラットホーム448は昇降手段446により上昇される。これによりプラットホーム448とチャンバー422の下面との間にシールが形成される。更に、これによりマイクロタイタートレイ450のウェル内に第1のキャピラリー端部が浸漬される。チャンバー422がシールされ、ソレノイド弁418が解放され、加圧ヘリウムガスを入口420を介して導入させる。これにより、30psiのオーダーの均一な正圧がマイクロタイタートレイ450の各ウェル内に加えられ、サンプルの少なくとも1部を第1のキャピラリー端部に圧入させる。上述のように、高電圧をこの目的のために短時間適用してもよい。プラットホーム448が降下され、カルーセル442が回転され、緩衝液で満されたマイクロタイタートレイ450が第1のキャピラリー端部の下に移動される。次に緩衝トレイが上昇し、第1のキャピラリー端部が緩衝液中に浸漬され、圧力セル436が緩衝液で満され、第2のキャピラリー端部が同様に緩衝液と接触させられる。その後、高電圧源414のスイッチが入れられ、電気泳動検査が行われる。光源452及びカメラ408が使用され、全てのキャピラリーチューブ454におけるバンドの検査が同時に行われる。カメラ408からのビデオ信号データが処理され、コンピュータ406に記憶される。この処理されたデータはついでユーザーインターフェース402に表示される。この検査の後、カートリッジ438の再生(すなわち、清浄化)が行われ、次の検査のための準備がなされる。
【0087】
図5に示すカルーセル装置の構成は緩衝液の汚染の問題を有する。図5に示すように、第1のカルーセル206上には6個のサンプルトレイ214と1個の緩衝液トレイ216が存在する。サンプルが第1のカルーセル206上のサンプルトレイ214から第1のキャピラリー端部(図5では隠れている)を介して導入された後、サンプルトレイ214は降下され、双方のカルーセル206、207が回転され、双方の緩衝液トレイ216、226をそれぞれ対応するニードルアレイ202、204の下に配置させ、電位差が2つのニードルアレイ202、204の間に亘って適用され、電気泳動が行われる。第1のキャピラリー端部(図5では隠れている)を緩衝液トレイ216と接触させながら、第1のキャピラリー端部からのDNAサンプルの幾つかが緩衝液トレイ216中に拡散され、緩衝液トレイ216を汚染させる。この汚染は、他のサンプルトレイ214からのDNAサンプルを用いた後の電気泳動検査の正確性に悪影響を及ぼす。なぜならば、この後の電気泳動検査では前回の検査のものと同一の緩衝トレイ216が使用されるからである。
【0088】
この汚染の問題は、第1のカルーセル206上のサンプルトレイ214のセットと緩衝液トレイ216のセットとの間に1対1の一致が得られるまで、サンプルトレイ214を緩衝トレイ216で置換することにより回避することができる。この配置をとることにより、各サンプルトレイ214は単一の対応する緩衝液トレイ216を有することになる。この配置により汚染の問題を回避することができるが、第1のカルーセルの能力に悪影響を及ぼす。仮に、第1のカルーセル206が8個のプラットホームを有するものと仮定すると、上記汚染の問題を回避するため、サンプルトレイ214のセットと緩衝液トレイ216のセットとの間に1対1の一致を得ようとすると、この第1のカルーセル206は最大、3個のサンプルトレイ214を持つことしかできない。
【0089】
図11はシーケンサーモジュール600における積層デュアルカルーセル装置を示すもので、これはシステムの能力を阻害させずに、サンプルトレイ214のセットと緩衝液トレイ216のセットとの間に1対1の一致を達成させ、汚染の問題を回避させるものである。この積層デュアルカルーセル装置は、上方カルーセル601と下方カルーセル602とを具備し、これらは共通の軸に沿って整合、離間している。
【0090】
好ましい例として、このカルーセル601、602の双方はマイクロタイタートレイ214、216を収容するため7個の部位618と、マイクロタイタートレイ214、216を通過させるための1個の大きい切欠き部620とを有する。上方カルーセル601における大きい切欠き部620は、最初に下方カルーセル602の部位618に配置されていたトレイが上方カルーセル601を介してニードルアレイ603へ通過するのを許容するようになっている。
【0091】
1つの例として、上方カルーセル601にサンプルトレイ214が保持され、下方カルーセル602にサンプルトレイ214に対応する緩衝液トレイ216が保持されている。図12Aは下方カルーセル602上のこのトレイの配置を示している。このトレイの配置において、下方カルーセル602は6個の緩衝液トレイ216と1個の廃液トレイ224とを保持することができる。また、上方カルーセル601は6個のサンプルトレイ214を保持することができる。好ましい例として、各カルーセルは6個のサンプルトレイと、6個の緩衝液トレイと、1個の排液トレイと、1個の水トレイとを具備することができる。この水トレイはキャピラリー及び電極の第1の端部を濯ぐために設けられている。しかし、カルーセル上に設けられるトレイの各型の数は市販のマイクロタイタートレイのサイズの違いに応じて変動する。
【0092】
積層デュアルカルーセル装置におけるカルーセル601、602のそれぞれには、選択された角度位置にカルーセル601、602を選択的に回転させるためのローター604及びモータ608が設けられている。具体的に述べると、モータ608はカルーセル601、602を選択的に回転させ、サンプルトレイ214、緩衝液トレイ216又は廃液トレイ224が収納された任意の部位618をニードルアレイ603の下に配置させる。このモータ608はコントローラ404により制御され、各カルーセル601、602を所定の角度位置に向けて選択的に回転させるようになっている。
【0093】
好ましい例として、この積層デュアルカルーセル装置には各カルーセル601、602のためのモータ608が設けられている。このモータ608はステッパーモータであって、Pacific Scientific社(ウイルミントン、MA)から入手することができる。他の例として、この積層デュアルカルーセル装置にはDCモータ608と、各カルーセル601、602を選択的に係合、回転させるためのクラッチ機構とが設けられている。
【0094】
この2つのカルーセルの角度位置は自動的に検知されるようになっている。このため、各カルーセル601、602には、更にローター604と操作的に係合するエンコーダー612が設けられている。このエンコーダー612はローター604の角度位置データを感知し、これをコントローラ404へ伝えるようになっている。好ましい例として、このエンコーダー612(例えば、モデル番号AG612XKRR;ステグマン・コーポレーション;バンダリア、オハイオ州)は光学センサーを具備し、2048パルス解像値を有する。
【0095】
この角度位置はホール(孔)613をカルーセルの周辺に沿って各部位に隣接させて線状に配列させることにより検知することができる。8個の部位を設けたカルーセルについては、1個の先導ホール、3個のコード化ホール及び末尾ホールが設けられる。この先導ホール及び末尾ホールは単にコード化ホールがそれらの間に存在するかも知れないことを示すに過ぎない。この3つのコード化ホールはそれぞれ存在しても、欠けていてもよい。これにより8=2x2x2部位についてコード化することができる。これらのホール(孔)は上方カルーセル601の上に配置されたLEDにより照射される。すなわち、LED光がこれらホールを通って通過し、下方カルーセル602の下に配置されたカルーセル位置検出器により検知される。カルーセル位置検出器は、LED可視光が透過する一連のホールからの角度位置データを発生し、このデータをコントローラ404に伝達する。
【0096】
コントローラ404は、上記のいずれかの例からの角度位置データを用い、各カルーセル601、602の回転位置を決定し、モータ608により各カルーセル601、602を選択的に回転させ、所定の角度位置に配置させる。より具体的に述べると、コントローラ404は位置データを用い、カルーセル601、602を最初に所定の角度位置を越えさせてしまうカルーセル601、602の回転運動量の補償を行う。
【0097】
上記積層デュアルカルーセル配列は更にDCモータ605を具備し、このDCモータ605は可動部材を有し、選択されたトレイ214、216、224を、必要に応じて共通軸に沿ってニードルアレイ603に対し進退自在に移動させる。また、コントローラ404は、DCモータ605を介して、選択されたトレイ214、216、224を共通軸に沿って移動させる。
【0098】
このDCモータ605は電流計を具備し、DCモータ605により引出される電流を測定する。DCモータが負荷に遭遇したとき、このモータにより引出される電流が増大し、その可動部材が連続して動くようにする。従って、トレイ214、216、224が上昇しながらニードルアレイ603に到達したとき、あるいはトレイ214、216、224が降下しながらカルーセル601、602に到達したとき、電流が急速に増大する。この電流の急激な増大を検知すると、トレイ214、216、224が正しい位置に到達したものとして、コントローラ404が作動して、DCモータを停止させる。
【0099】
図12a、12bに示す好ましい例において、各カルーセル601、602の直径及び厚みは、それぞれ23.5インチ及び3/8インチである。更に、各カルーセル601、602は中央に直径1.375インチの円形孔610を有し、ローター604を受理し得るようになっている。また、各カルーセル601、602には、直径5/16インチの4個のホール611が直径が4インチのカルーセル601、602の中央と同心の円の周辺に沿って等間隔で設けられている。これらカルーセル601、602は駆動軸に固定されたベアリング組立て体にこれら4つのホール611を介してボルト締めされ、制御された回転をなし得るようにこれらカルーセル601、602がベアリング組立て体上にてバランス化されている。
【0100】
好ましい例において、2つの矩形開口部613、614が各カルーセル601、602上に複数の部位618を形成している。このカルーセル601、602の上面613の開口部のサイズはトレイ214、216、224のサイズよりも若干、大きくなっている。この頂部開口部613の長さ及び幅は、例えばそれぞれ5.95インチ及び4.187インチである。このカルーセル601、602の底面614の開口部のサイズはトレイ214、216、224のサイズよりも若干、小さくなっている。このように、底面開口部614のサイズが若干小さくなっていることにより、トレイ214、216、224の周縁部が部位618に載るようになっている。この底面開口部614の長さ及び幅は、例えばそれぞれ5.45インチ及び3.687インチである。各カルーセル601、602上の各部位618には窪み615が形成され、トレイ214、216、224のタブ(耳部)と合致して正しい配向を確保するようにしている。
【0101】
好ましい例において、上記切欠き部620はカルーセル601、602により全体的に区切られた開口部である。この例において、モータ605の可動部材はカルーセル601、602の周縁以内で動き、カルーセル601、602と打ち当たるのを避けるようにする。なぜならば、この開口部はカルーセル601、602により全体的に区切られているからである。
【0102】
別の例において、上記切欠き部620はカルーセル601、602により部分的に区切られ、カルーセル601、602の周縁に沿っては区切られていない。この例において、モータ605の可動部材は、カルーセル601、602と打ち当たるのを避けるためにカルーセル601、602の周縁以内で動くようにする必要はない。なぜならば、この開口部はカルーセル601、602の周縁に沿っては区切られていないからである。従って、モータ605の可動部材は、この例ではカルーセル601、602の周縁の外側で動き得るものであってもよい。
【0103】
シーケンサーモジュール600(図11)も、電気泳動を行うため積層デュアルカルーセル装置との関連で作動される前述の種々の部材を具備する。これらの部材には、CCDカメラ408、レーザー452、高圧チャンバー422、キャピラリーチューブのアレイ454、光学窓領域130及び冷媒領域300を形成する囲いなどが含まれる。以下、図14A〜Cにて説明する溶媒/ゲル移送モジュール800は、溶媒又はゲルを溶媒/ゲル導入口606を介してシーケンスモジュール600へ送り込むものである。
【0104】
図13は図11、図12A及び図12Bで説明した積層デュアルカルーセル装置の操作を説明するものである。図14A〜Cで後に詳述するように、溶媒/ゲル移送モジュール800が工程705でキャピラリーアレイ454をゲルで満すようにした後、コントローラ404によりモータ608及びローター604が駆動され、これにより下方カルーセル602が回転し、工程700.1で切欠き部620をニードルアレイ603の下に配置させ、後の工程700.2において下方カルーセル602上のトレイ216、224が垂直に移動するのを防止している。コントローラ404は更にモータ608及びローター604に指令を送り、上方カルーセル601を回転させ、サンプルトレイ214を工程700.1でニードルアレイ603の下に配置させる。
【0105】
工程700.2において、コントローラ404によりモータ605が駆動し、上方カルーセル601のサンプルトレイ214を共通軸に沿ってニードルアレイ603に向けて移動させる。工程700.3において、コントローラ404により高圧領域422内のガス圧が増大され、あるいは電圧が適用されてサンプルがサンプルトレイ214からキャピラリーアレイ454へ転移することになる。工程700.4において、コントローラ404によりモータ605が駆動し、サンプルトレイ214を共通軸に沿ってニードルアレイ603から離れる方向に移動させる。
【0106】
図13に示すように、積層デュアルカルーセル装置からコントローラ404へフィードバックがなされ、コントローラ404が正しい時間にその指令を出すのを確実にしている。例えば、ローター604と操作上係合するエンコーダー612はカルーセル601、602の位置1を指示するフィードバックをコントローラ404へ送る。しかし、カルーセル位置フィードバック1が、上方カルーセル601上のサンプルトレイ214がニードルアレイ603の下方にあることを示すまでは、コントローラ404は工程700.2においてサンプルトレイ214をキャピラリー入口603へ移動させるための指令をモータ605に対し伝達しない。
【0107】
同様に、モータ605の電流計はサンプルトレイ2の垂直位置を示すフィードバックをコントローラ404へ送る。しかし、トレイ位置フィードバック2が、サンプルトレイ214がニードルアレイ603の下方に移動されていることを示すまでは、コントローラ404は工程700.3においてサンプルをキャピラリーアレイ454へ移動させるための指令を伝達しない。
【0108】
高圧領域422の圧力トランスジューサはこの領域(弁状態3)の圧力値をコントローラ404へ伝達する。しかし、弁状態フィードバック3が、高圧領域422の弁が正しい位置にあることを示すまでは、コントローラ404は工程700.4においてモータ605を介してサンプルトレイ214をキャピラリーチューブ入口603から離れる方向へ移動させるための指令を伝達しない。最後に、モータ605の電流計により判定されるトレイ位置フィードバック2が、サンプルトレイ214が上方カルーセル601へ戻っていることを示すまでは、コントローラ404は工程701において緩衝液をキャピラリーアレイ454へ導入させるための指令を伝達しない。
【0109】
トレイ位置フィードバック2により指示される工程700の完了に続いて、シーケンスモジュール600は緩衝液を工程701でキャピラリーアレイ454へ導入させる。工程701.5において、コントローラ404によりモータ608及びローター604を駆動させて、上方カルーセル601を回転させ、その切欠き部620がニードルアレイ603の下に配置されるようにする。又、工程701.5において、コントローラ404によりモータ608及びローター604を駆動させて、下方カルーセル602を回転させ、緩衝液トレイ216がニードルアレイ603の下に配置されるようにする。
【0110】
工程701.6において、コントローラ404によりモータ605を駆動させて、緩衝液トレイ216を下方カルーセル602から上方カルーセル601の切欠き部620を介してニードルアレイ603へ移動させる。工程701.7において、コントローラ404により超音波トランスジューサを作動させてキャピラリーチューブ入口603の濯ぎを行う。
【0111】
工程701において、積層デュアルカルーセル装置からコントローラ404へフィードバックがなされ、コントローラ404が正しい時間にその指令を出すのを確実にしている。すなわち、エンコーダー612は下方カルーセル602の位置5、上方カルーセル601の位置5を示すフィードバックをコントローラ404へ送る。しかし、カルーセル位置フィードバック5が、上方カルーセル601の切欠き部620及び下方カルーセル602の緩衝液トレイ216がニードルアレイ603の下方にあることを示すまでは、コントローラ404は工程701.6において緩衝液トレイ216をキャピラリーチューブ入口603へ移動させるための指令をモータ605に対し伝達しない。
【0112】
同様に、モータ605の電流計は緩衝液トレイ216の垂直位置を示すフィードバックをコントローラ404へ送る。しかし、トレイ位置フィードバック6が、緩衝液トレイ216がニードルアレイ603の下方に移動されていることを示すまでは、コントローラ404は工程701.7において超音波トランスジューサを作動させるための指令を伝達しない。最後に、超音波トランスジューサは、その状態を示すフィードバックをコントローラ404へ送る。トランスジューサ状態7が、キャピラリー入口603の濯ぎがなされたことを示すまでは、コントローラ404は工程702において電気泳動を開始させない。
【0113】
積層デュアルカルーセル装置は、図14A〜Cの溶媒/ゲル移送モジュールについての記載で以下に説明するように工程704においてキャピラリーアレイ454の再生を行う。工程704.15において、コントローラ404によりモータ608及びローター604を駆動させて、上方カルーセル601を回転させ、その切欠き部620がニードルアレイ603の下に配置されるようにする。更に、工程704.15において、コントローラ404によりモータ608及びローター604を駆動させて、下方カルーセル602を回転させ、廃液トレイ224がニードルアレイ603の下に配置されるようにする。工程704.16において、コントローラ404によりモータ605を駆動させて、廃液トレイ224を下方カルーセル602から上方カルーセル601の切欠き部620を介してニードルアレイ603へ移動させる。
【0114】
好ましい例において、積層デュアルカルーセル装置の説明で先に述べたように、コントローラ404は電気泳動装置の部材に指令を発し、電気泳動及びDNA分析を操作する。従って、コントローラ404は図13の左欄に列挙した作業を操作する。データ処理コンピュータ406はDNA分析(工程703)の実行から得られたデータを処理するのにもっぱら用いられる。なぜならば、DNAデータ処理は典型的な計算機的集約性のものであるからである。従って、データ処理コンピュータ406は図13の右欄に列挙した作業を操作する。コントローラ404及びデータ処理コンピュータ406はローカルエリアネットワークに接続されていて、データ処理ユーザー機器インターフェース706を介してつながっている。
【0115】
図14A〜Cは溶媒/ゲル移送モジュール800を説明するもので、これはDNA分析の後、キャピラリーアレイ454を再生するため、及びキャピラリーアレイ454をゲルで再充填するために用いられる。すなわち、図14Aは溶媒/ゲル移送モジュール800の前面図、図14Bは同じくその側面図、図14Cは同じくその背面図を示す。DNA分析の間、サンプルは図11のキャピラリー入口603からキャピラリーアレイ454を介して右から左へ移動される。
【0116】
キャピラリーの再生の間、溶媒は図14Aに示す溶媒容器801〜803から図11の溶媒/ゲル導入口606を介し、更に図11のシーケンスモジュール600のキャピラリーアレイ454を介して左から右へ移動される。同様に、キャピラリーアレイ454をゲルで再充填する間、ゲルは図14Bに示すゲルシリンジ804から図11の溶媒/ゲル導入口606を介し、更に図11のシーケンスモジュール600のキャピラリーアレイ454を介して左から右へ移動される。
【0117】
溶媒容器801、802、803には、それぞれメタノール、水及び石鹸水が収容されている。各溶媒容器801〜803におけるフィーダーチューブ806は溶媒をHPLCポンプ及び洗浄溶媒システム807に向けて移送させる。前記の例と同様に、この洗浄溶媒システム807は、キャピラリーアレイ454のより急速な再生を行うための圧増加を生じさせる高圧セル(HPセル)を具備する。
【0118】
支持レール808は溶媒/ゲル移送モジュール800の部材を保持するのに必要な構造を提供する。この部材には溶媒容器801〜803、ゲルシリンジ804、HPLCポンプ、洗浄溶媒システム807及びコントローラ404が含まれる。コントローラ404は溶媒/ゲル移送モジュール800の他の部材を介して、キャピラリーアレイ454を再生させ、キャピラリーアレイ454をゲル物質で再充填させる。
【0119】
図15A〜Cは図14Bに示すゲルシリンジ804を更に詳細に説明するものである。溶媒容器801〜803における溶媒とは対照的に、ゲルはポンプで移送するには粘度が高過ぎる。従って、電気泳動装置ではゲルの移送のためにゲルシリンジ804が使用される。このゲルシリンジ804はゲルチューブキャリッジ891を具備し、これにゲル物質892を収容するゲルカートリッジが保持される。このゲルカートリッジは使い捨てタイプのものであるから、キャピラリーアレイ454をゲル物質で再充填させたのち、ゲルチューブキャリッジ891から除去することができ、そして後の電気泳動及びDNA分析の実行で使用される新たなゲルカートリッジで置換される。
【0120】
ステッパーモータ・リニア・アクチュエータ893は押圧部材898を備えた可動アクチュエータシャフト897を有する。この押圧部材898はその前面がゲルシリンジ804の一端に配置されたテフロンプランジャー894と接していて、ゲルシリンジ804の他端に設けられたシリンジキャップ899及び高圧取付け部材895を介してゲル物質を流通させるようになっている。図14Cに示すコントローラ404は、ステッパーモータ・リニア・アクチュエータ893を選択的に駆動させゲル移送を制御する。筒状チューブ896はゲルシリンジ804の外側構造を形成する。Oリングはゲル物質892が、高圧取付け部材895に向けて移動する際、テフロンプランジャー894の周りから漏れるのを防止している。
【0121】
好ましい例において、ステッパーモータ・リニア・アクチュエータ(A.M.S.Iコーポレーション、スミスタウン、NYにより入手可能)は140ポンドの直線力を出力させることができ、6,000パルスで10mLのゲルを排出させることができる。筒状チューブ896は標準のアクリル樹脂からなり、シリンジキャップ899はステンレス鋼からなっている。この高圧取付け部材895はSwagelock社から入手可能である。
【0122】
図16は、ゲルシリンジ804及びHPLC洗浄溶媒システム807を溶媒/ゲル移送モジュール800に合体させたものを示している。溶媒マニホールド850は溶媒容器801〜803のフィーダチューブ806からの3つの入口を出口に接続させている。溶媒容器801〜803からのフィーダチューブ806はチューブ860により溶媒マニホールド850の入口に接続されている。図14Cに示したコントローラ404は溶媒マニホールド850を制御し、3つの溶媒容器801〜803から1つの溶媒を選択する。HPLCポンプ807の入口はチューブ861を介して溶媒マニホールド850の出口に接続され、HPLCポンプ807の出口はチューブ862を介して弁マニホールド851の入口に接続されている。
【0123】
弁マニホールド851は2つの入口及び出口を接続している。弁マニホールド851の1方の入口はチューブ863を介してゲルシリンジ804に接続され、弁マニホールド851の他方の入口はHPLCポンプ807の出口に接続されている。弁マニホールド851の出口はチューブ864を介して溶媒/ゲル導入口606に接続されている。図14Cに示したコントローラ404は弁マニホールド851を介して、ゲルシリンジ804に接続された入口又はHPLCポンプ807に接続された入口のいずれかを選択させるようになっている。
【0124】
好ましい例において、溶媒容器801〜803のフィーダーチューブ806を溶媒マニホールド850の入口に接続させているチューブ860は直径1/8インチの標準テフロンチューブからなる。また、溶媒マニホールド850の出口をHPLCポンプ807の入口に接続させているチューブ861は直径1/16インチのPEEKチューブからなる。更に、溶媒マニホールド850の出口をHPLCポンプ807の入口に接続させているチューブ861、HPLCポンプ807の出口を弁マニホールド851の入口に接続させているチューブ862、ゲルシリンジ804を弁マニホールド851の入口に接続させているチューブ863、並びに弁マニホールド851の出口を溶媒/ゲル導入口に接続させているチューブ864は直径1/16インチのPEEKチューブからなる。
【0125】
好ましい例において、オールテク(Alltech)・コーポレーションから入手可能な(モデルNo.301300)このHPLCポンプ807は非金属ポンプヘッドを有する。また、オールテク・コーポレーションから入手可能な(モデルNo.97500)この弁マニホールド851は非金属弁である。
【0126】
図13は、図14A及び図16に示した溶媒/ゲル移送モジュール800の動作を説明するものである。工程703におけるDNA分析、工程704.15におけるカルーセル601、602の正確な回転位置、工程704.16における廃液トレイの正確な移動に続いて、工程704.17においてコントローラ404により溶媒/ゲル移送モジュール800が駆動され、使用済みのゲルがHPセルを介してキャピラリーアレイ454から排出される。
【0127】
使用済みのゲルを排出させるため、図16に示すように、コントローラ404により、溶媒マニホールド850を介して、水容器802から入口が選択され、また、弁マニホールド851を介して、HPLCポンプ807から入口が選択される。このHPLCポンプ807は水を溶媒マニホールド850から弁マニホールド851を介してHPセルに移送させ、前述のようにキャピラリーアレイ454のより急速な再生のための圧増加を生じさせる。工程704.16において正しく移動された廃液トレイ852はキャピラリーアレイ454から使用済みのゲルを収集する。
【0128】
キャピラリーアレイ454からゲルが除去された後、工程704.18においてコントローラ404により溶媒/ゲル移送モジュール800が駆動され、HPセルを介して濯ぎ液がキャピラリーアレイ454内に通される。この濯ぎを行うため、図16に示すように、コントローラ404により、溶媒マニホールド850を介して、メタノール容器801から入口が選択され、また、弁マニホールド851を介して、HPLCポンプ807から入口が選択される。このHPLCポンプ807はメタノールを溶媒マニホールド850から弁マニホールド851を介してHPセルに移送させ、前述のようにキャピラリーアレイ454のより急速な濯ぎのための圧増加を生じさせる。工程704.16において正しく移動された廃液トレイ852はキャピラリーアレイ454から使用済みの溶媒を収集する。
【0129】
キャピラリーアレイ454に対しメタノールによる濯ぎが行われた後、コントローラ404により溶媒/ゲル移送モジュール800が駆動され、容器803からの石鹸液によりキャピラリーアレイ454の濯ぎが行われる。この濯ぎを行うため、図16に示すように、コントローラ404により、溶媒マニホールド850を介して、石鹸容器803から入口が選択され、また、弁マニホールド851を介して、HPLCポンプ807から入口が選択される。このHPLCポンプ807は石鹸液を溶媒マニホールド850から弁マニホールド851を介してHPセルに移送させ、前述のようにキャピラリーアレイ454のより急速な濯ぎのための圧増加を生じさせる。工程704.16において正しく移動された廃液トレイ852はキャピラリーアレイ454から使用済みの溶媒を収集する。更に、コントローラ404により溶媒/ゲル移送モジュール800が駆動され、キャピラリーアレイ454の清浄化が完了するまで、3つの溶媒容器801〜803からの溶媒による再生処理が継続される。
【0130】
図13に示すように、溶媒/ゲル移送モジュールからコントローラ404へフィードバックがなされ、コントローラ404が正しい時間にその指令を出すのを確実にしている。例えば、コントローラ404は、HPポンプ状態フィードバック17が、ゲルがキャピラリーアレイ454から排出されたことを示すまでは、溶媒/ゲル移送モジュール800を駆動させて濯ぎ液をキャピラリーアレイ454に通過させたりはしない。同様に、コントローラ404は、HPポンプ状態フィードバック18が、キャピラリーアレイ454がメタノール及び石鹸水で濯がれたことを示すまでは、工程705においてキャピラリーアレイ454にゲル物質を再充填させる指令を発することはない。
【0131】
好ましい態様において、コントローラ404はHPポンプ状態フィードバック17を判定する。コントローラ404は、製造メーカーにより特定されたHPポンプの流量からキャピラリーアレイ454を介して通過する溶液の量を計算すると共に、ポンプが始動してからの経過時間を計算することにより、HPポンプ状態フィードバック17を判定する。
【0132】
工程704におけるキャピラリーの再生に続いて、工程705.19においてコントローラ404により溶媒/ゲル移送モジュール800を駆動させ、HPセルを介してキャピラリーアレイ454に新規なゲルを再充填させる。キャピラリーアレイ454に新規なゲルを再充填させるため、図16に示すように、コントローラ404により、弁マニホールド851を介して、ゲルシリンジ804から入口が選択される。このゲルシリンジ804は弁マニホールド851を介してゲルをHPセルに移送させ、前述のようにキャピラリーアレイ454のより急速な再充填のための圧増加を生じさせる。工程704.16において正しく移動された廃液トレイ852は工程705.19においてキャピラリーアレイ454から排出される全ての溶媒又はゲルを収集する。
【0133】
工程704.18においてHPセル及びキャピラリーアレイ454をゲルで充填させたのち、このプロセスを1又は2通りで継続させることができる。1例として、HPセル中のゲルは工程702の後の電気泳動において緩衝液として使用することができる。この場合、このプロセスは工程705.20により継続される。別の例として、工程705.20の前に、コントローラ404により溶媒/ゲル移送モジュール800を駆動させ、HPセルからゲルを移送させ、工程704と同様のプロセスを用いてHPセルに緩衝液を充填させる。
【0134】
積層デュアルカルーセルを工程705の残りの作業に参加させる。工程705.20において、コントローラ404によりローター604を介して上方カルーセル602を回転させ、その切欠き部620をニードルアレイ603の下方へ移動させる。更に、工程705.20において、コントローラ404によりローター604を介して下方カルーセル604を回転させ、緩衝液トレイ216をニードルアレイ603の下方へ移動させる。また、工程705.21において、コントローラ404によりモータ605を介して下方カルーセル602から緩衝液トレイ216を上方カルーセル601の大きい開口部を通ってニードルアレイ603へ移動させる。
【0135】
工程705はキャピラリーアレイ454を平衡させ、キャピラリーアレイ454を介して緩衝液を循環させる工程(工程705.22)で完了する。キャピラリーアレイ454を介しての引きの差により、気泡及び圧力差が工程705.19におけるゲル移送の間にキャピラリーアレイ454中のゲル内に発生する。工程705.22はこの圧力差及び気泡を除去するもので、これはキャピラリーアレイ454を平衡化させ、キャピラリーアレイ454を介して緩衝液を循環させることにより行われる。この手法は工程702における電気泳動と似ているが、但し、工程702の電気泳動ではDNAは明らかに存在するのに対し、工程705.22ではキャピラリーアレイ454にはDNAは存在しない点で相違する。具体的には、電圧がキャピラリーアレイ454を横切って適用され、ゲルの弛緩とキャピラリーアレイ454を通る緩衝液の動きを誘起させる。工程705.22でキャピラリーアレイ454中に緩衝液を循環させた後、工程700でサンプルを導入することから始まる次のDNA分析のためのプロセスが繰り返される。
【0136】
図13に示すように、工程704の場合と同様に、工程705において溶媒/ゲル移送モジュールからコントローラ404へのフィードバックが継続してなされる。コントローラ404はこのフィードバックを処理し、正しい時間に指令を出すのを確実にしている。例えば、コントローラ404は、ゲルシリンジフィードバック19が、キャピラリーアレイ454が新たなゲルで充填されたことを示すまでは、工程705.19を越えたいかなる指令も発することはしない。同様に、コントローラ404は、HPポンプ状態フィードバック19が、ゲルがキャピラリーアレイ454へ送り込まれたことを示すまでは、工程705.20において上方カルーセル601及び下方カルーセル602を回転させる指令を発することはしない。
【0137】
好ましい態様において、コントローラ404はゲルシリンジフィードバック19を判定する。すなわち、ゲルシリンジの置換速度からキャピラリーチューブアレイ454を介して通過する溶液の量を計算すると共に、ゲルシリンジが始動してからの経過時間を計算することにより、ゲルシリンジフィードバック19を判定する。
【0138】
同様に、工程705において、ローター604と操作上係合するエンコーダーはカルーセル20の位置を指示するフィードバックをコントローラ404へ送る。しかし、カルーセル位置フィードバック20が、上方カルーセル601の大きい開口部及び下方カルーセル602の緩衝液トレイ216がニードルアレイ603の下方に位置していることを示すまでは、コントローラ404は工程705.21において緩衝液トレイ216を移動させるための指令を発しない。
【0139】
また、モータ605の電流計も緩衝液トレイ216の垂直位置を示すフィードバックをコントローラ404へ送る。しかし、トレイ位置フィードバック21が、緩衝液トレイ216がニードルアレイ603に移動されていることを示すまでは、コントローラ404は工程705.22において緩衝液をキャピラリーアレイ454に循環させるための指令を伝達しない。最後に、コントローラ404はキャピラリーチューブ電流22の高電圧状態についてのフィードバックを受理する。なお、この高電圧状態22が、緩衝液がキャピラリーアレイ454を通って循環していることを示すまでは、コントローラ404は次のDNAサンプルを導入させるための工程700へ進むことはしない。
【0140】
図17はオフラインキャピラリー再生器900を示し、これはキャピラリーカートリッジ909を定期的に完全に清浄化するのに使用される。このキャピラリーカートリッジ909を完全に清浄化するために、オペレータは自動電気泳動システムからこれを取り外し、これをオフラインキャピラリー再生器900に装着させる。従って、オペレータは別の清浄なキャピラリーカートリッジ909を自動電気泳動システムに装着し、DNA分析をこのキャピラリーカートリッジを用いて実行することができ、その間、先に使用されたキャピラリーカートリッジ909をオフラインキャピラリー再生器900で完全に清浄化させる。キャピラリーカートリッジの完全な清浄化に20ないし30分間を要するが、DNA分析の連続的実行の間にキャピラリーカートリッジ909の完全な清浄化が終わるまで待つ必要がなくなるから、オフラインキャピラリー再生器は自動電気泳動システムのスループットを改善することになる。
【0141】
このオフラインキャピラリー再生器900は、図11で先に説明した溶媒/ゲル移送モジュール600を低コストかつ簡易化したものである。なぜならば、これは溶媒/ゲル移送モジュール600に含まれる全ての品目を含むものでないからである。例えば、このオフラインキャピラリー再生器900は、カメラ、レーザー又はゲルシリンジを有していない。また、このオフラインキャピラリー再生器900はゲル移送のためのゲルシリンジを含まない。なぜならば、もし、キャピラリーカートリッジの移動の前にゲルをオフラインで送り出すとすると、キャピラリーカートリッジをオフラインキャピラリー再生器900から自動電気泳動システムへ移動させる間にゲルの好ましくない硬化がキャピラリーアレイ454の端部に発生し得るからである。このオフラインキャピラリー再生器900の簡易性は低コストでシステムのスループットを増大させるという利点をもたらす。
【0142】
溶媒容器901、902、903には、それぞれメタノール、水及び石鹸水が収容されている。各溶媒容器901〜903におけるフィーダーチューブ906は溶媒を溶媒マニホールド905に向けて移送させる。この溶媒マニホールド905は3つの入口を1つの出口に接続させる。この溶媒マニホールドの3つの入口は溶媒容器901〜903のフィーダーチューブ906と接続され、入口のセットとフィーダーチューブ906のセットとの間に1対1の対応を確立する。
【0143】
HPLCポンプ906は1つの入口を有し、この入口は溶媒マニホールドの出口に接続され、更にHPLCポンプ906は1つの出口を有し、この出口はキャピラリーカートリッジ909の一端で溶媒導入口907に接続されている。オフラインキャピラリー再生器900も図14Aで記載した溶媒/ゲル移送モジュール600と同様に、HPセルを有し、キャピラリーカートリッジ909のより急速な再生のための圧増加を生じさせる。また、コントローラが溶媒マニホールド905とHPLCポンプ906の操作を制御する。廃液容器904はキャピラリーカートリッジ909の他端でのキャピラリー再生の間に廃液を収集する。
【0144】
好ましい例において、このコントローラは単純な低コストのデジタル信号処理システムであり、これは状態フィードバックを受理し、HPLCポンプ906及び溶媒マニホールド905に対し、後述のように所定の順序で指令を発する。あるいは、パーソナルコンピュータのような汎用コンピュータを使用して簡単なコントロールプログラムを実行してオフラインキャピラリー再生器を管理するようにしてもよい。
【0145】
オペレータがキャピラリーカートリッジ909をオフラインキャピラリー再生器900に装着した後、内部コントローラにより溶媒マニホールドを介して水容器901からの入口が選択され、また、HPLCポンプ906が作動される。HPLCポンプ807は水を溶媒マニホールド850からHPセルへ移送させ、前述同様にキャピラリーカートリッジ909のより急速な再生のための圧増加を生じさせる。予め正しく移動させた廃液容器904はキャピラリーカートリッジ909からの使用済みゲルを収集する。
【0146】
このゲルがキャピラリーカートリッジ909から除去された後、オフラインキャピラリー再生器900によりHPセルを介してキャピラリーカートリッジ909の濯ぎがメタノールを用いて行われる。第1に、コントローラにより、溶媒マニホールド905を介してメタノール容器902からの入口の選択が行われる。HPLCポンプ906はメタノールを溶媒マニホールド905からHPセルに移送させ、キャピラリーカートリッジ909のより急速な再生のための圧増加を生じさせる。予め正しく移動させた廃液容器904はキャピラリーカートリッジ909からの使用済み溶媒を収集する。
【0147】
次に、オフラインキャピラリー再生器900によりHPセルを介してキャピラリーカートリッジ909の濯ぎが容器903からの石鹸水を用いて行われる。第1に、コントローラにより、溶媒マニホールド905を介して石鹸容器903からの入口の選択が行われる。HPLCポンプ906は石鹸水を溶媒マニホールド905からHPセルに移送させ、キャピラリーカートリッジ909のより急速な濯ぎのための圧増加を生じさせる。予め正しく移動させた廃液容器904はキャピラリーカートリッジ909からの使用済み溶媒を収集する。コントローラ404により、オフラインキャピラリー再生器900が駆動され、3つの溶媒容器801〜803からの溶媒を用いた再生プロセスが、キャピラリーアレイ454の洗浄が完了するまで繰り返される。
【0148】
図18はキャピラリーカートリッジ1180の他の好ましい例を説明するものである。この例において、キャピラリーチューブが電極/キャピラリーアレイ1181内に配置された第1の端部1188から延出している。これらキャピラリーチューブはついで多重ルーメンチューブ1183の内側を通っている。この多重ルーメンチューブについては、米国特許出願第08/866,308号(引用により本明細書に含まれるものとする)に詳述されている。この多重ルーメンチューブ1183はチューブホルダー1185により所定位置に保持されている。また、これらキャピラリーチューブは多重ルーメンチューブによる保護なしに光学検知領域1187を通過している。この光学検知領域1187を越えたところで、これらキャピラリーチューブは共通の端部を有し、一緒に束ねられ、導電性材料からなる高圧T型取付け部材1182中に固着されている。なお、この取付け部材1182は電気泳動の間、接地されている。
【0149】
このチューブホルダー1185及びT型取付け部材1182はカートリッジベース1186に固定されている。カートリッジベース1186は電気的絶縁性のため、ポリカーボネートから作られている。また、このベース1186はシャトル1179に着脱自在に取着されている。このシャトル1179はその底から突出したレールカップリング1184のセットを具備している。これらレールカップリング1184は図10にシーケンサーモジュール400又は図11にシーケンサーモジュール600のレールシステム(図18には示されていない)に嵌着されるよう配置されている。このレールシステムはシャトル1179が所定位置内外に可動し得るようにしている。また、このベース1186はシャトル1179から外され、カートリッジ1180を廃棄したり(又は洗浄)、新規(又は清浄化した)キャピラリーカートリッジを、シャトル1179が所定位置から外されているとき、取着し得るようにしている。このレールシステムとシャトル1179との組合せによって、新たに取着されたキャピラリーカートリッジを、シャトル1179が所定位置にあるときカメラ及びレーザー(図18には示されていない)との関連で、廃棄されたキャピラリーカートリッジと同じ位置に繰り返し配置させることを可能する。
【0150】
好ましい例において、シャトル1179は、電極/キャピラリーアレイ1181を収容する開口部を備えたベース1186の長さを延長させる。すなわち、このシャトル1179は複数の着脱自在なファスナー1178によりベース1186に取着されている。
【0151】
電極/キャピラリーアレイ1181は、図19に記載された電流供給/モニターボード1190により所定位置に保持されている。このボード1190は高電圧供給のためのプリント回路基板であることが好ましい。
【0152】
このボード1190は好ましくは、複数の大きい孔1193を具備し、ファスナーのセットを用いてボード1190をベース1186に取着し得るようになっている。しかし、任意の他の手段、例えば接着を利用してボード1190をベース1186に取着することもできる。
【0153】
このボード1190は、更にベース1186に設けられた孔と整合するように配置された複数のチューブ孔1194を具備する。これにより、ボード1190をベース1186に取着したとき、キャピラリーチューブの第1の端部がチューブ孔1194を貫通して突出するようにすることができる。複数のピン1195(好ましくは金メッキしたもの)が更にボード1190上に配設されている。少なくとも1つのピンを各チューブ孔に近付けて配置させ、ピンと孔との対1192が形成されている。各ピンと孔との対1192はサンプルマイクロタイタートレイのサンプルウェル中に浸漬される。
【0154】
このボード1190には、更に高電圧リード線1198が設けられている。このリード線1198は、各ピン1195をボード1190の周辺に形成された対応するコネクター端子1196に接続している。各コネクター端子1196は好ましくは約50個の電気接続部を具備する高電圧コネクターを受理し得るよう形成されている。この高電圧コネクターはリード線1198を高電圧電力供給部(好ましくはBertan社製)(図19に示されていない)からの電力供給ラインに接続している。これにより、キャピラリーチューブがゲルで満されたとき、ピン1195から高圧T型取付け部材1182に接続された第2の電極への閉鎖電気回路が形成される。この第2の電極は好ましくはシステムの接地部に接続されている。
【0155】
更に、高電圧コネクターも電流をモニターする電流モニターに接続されている。電流モニターにおいて、各電力供給ラインを流れる電流は好ましくは多重電力供給ライン中に同時に、又は連続的にモニターされる。これにより、この電流モニターにより一体化された電流測定を行うことが可能となる。
【0156】
図20は多波長ビーム発生器を示している。この波長ビーム発生器は、レーザーヘッド1200、好ましくは、457nm、476nm、488nm、496nm、502nm、514nmの波長で多波長レーザービームを発生し得るアルゴンイオンレーザーを具備する。このビーム発生器は更にレーザーエミッターチューブ1207を有する。このレーザーエミッターチューブ1207は光学カップリングアッセンブリー1202によりアルゴンイオンレーザー1200に接続されている。
【0157】
この光学カップリングアッセンブリー1202は、レーザーヘッド1200に接続されたファイバーカップラー1201と、ファイバーカップラー1201をレーザーエミッターチューブ1207と接続する光学ファイバーケーブル1203とを具備している。このファイバーカップラー1201はレーザーヘッド1200を無色の光学ファイバーケーブル1203と整合させている。光学カップリングアッセンブリー1202は、レーザーエミッターチューブ1207をレーザーヘッド1200から遠く離れて位置させることを可能にし、かつ、レーザーエミッターチューブ1207でレーザービーム、すなわちコヒーレント光を発生させる。更にこれにより、熱を発生するレーザーヘッド1200を上記シーケンサーの感応性の小さい領域に位置させることを可能とする。
【0158】
レーザーエミッターチューブ1207は一次元集束器1208を具備する。この一次元集束器1208は好ましくは焦点距離が10cmのポジティブな筒状光学レンズでレーザーエミッターチューブ1207の出力端1204に配置される。このレーザーエミッターチューブ1207は更に、光学ファイバーケーブル1203を受理するファイバーエミッターチューブ1205と、好ましくは焦点距離が1.9cmのネガティブな筒状光学レンズであってファイバーエミッターチューブ1205と一次元集束器1208との間に配置されたビームイクスパンダー1209とを具備する。このレーザーエミッターチューブ1207は好ましくは1インチの内径と、6インチの長さのチューブ内に収納される。
【0159】
図22はこのレーザーエミッターチューブ1207により行われる光学的処理を模式的に示すものである。ファイバーエミッターチューブ1230により発生するレーザー光はビームイクスパンダー1231により拡張される。このレーザー光はついで、一次元集束器1233により1方向にのみ集束される。その結果得られたビームはキャピラリーアレイ1235方向に向けられる。この得られたレーザビームは1方向に狭められ、他の方向において長くなっている。図22A〜Cは各プロセス工程でのレーザビームのフットプリントを示すものである。
【0160】
図21は多波長ビーム発生器の他の例を示すもので、2つのレーザーヘッド1211、1215が設けられている。第1のレーザーヘッド1211はレーザーヘッド1200と同様のものであり、第2のレーザーヘッド1217は異なる波長のレーザビームを発生するものである。この第2のレーザーヘッド1217は好ましくは、波長が532nmを超えるレーザビームを発生させる固体レーザーである。他の例として、第2のレーザーヘッド1217は、第1のレーザーヘッド1211により発生するビームと異なる波長の多波長レーザービームを発生させるものである。
【0161】
この例においては、ファイバーカップラー1213、1217及び光学ファイバーケーブル1225、1221を有する2つの光学カップリングアッセンブリーが設けられている。この2つの光学カップリングアッセンブリーは図20の光学カップリングアッセンブリー1202と同様に機能する。2つのレーザーヘッド1211、1215により発生し、この光学カップリングアッセンブリーにより移送されるレーザビームは、2つのレーザー源からのレーザビームを受理し得るよう設計されたレーザーエミッターチューブ1224内で結合される。
【0162】
このレーザーエミッターチューブ1224は2つの入力端子1210、1212と、1つの出力端子を有する。すなわち、第1のレーザーヘッド1211からレーザビームを受理する第1のファイバーエミッターチューブ1227は第1の入力端子1210の部位に位置し;第2のレーザーヘッド1215からレーザビームを受理する第2のファイバーエミッターチューブ1223は第2の入力端子1212の部位に位置し;一次元集束器1226(好ましくは焦点距離が10cmのポジティブな筒状光学レンズで、結合したレーザービームを出力するもの)は出力端子1214の部位に位置している。
【0163】
第1及び第2のファイバーエミッターチューブ1227、1223により受理されるレーザビームは2色性フィルター1229により結合される。この2色性フィルター1229は第1のファイバーエミッターチューブ1227からのレーザビームを透過させ、第2のファイバーエミッターチューブ1223からのレーザビームを反射させ、これにより第1及び第2のファイバーエミッターチューブ1227、1223からのレーザビームを結合させる。
【0164】
好ましくは焦点距離が1.5cmのネガティブな筒状光学レンズであるビームイクスパンダー1222は、上記2色性フィルター1229と一次元集束器1226との間に配置される。このビームイクスパンダー1222と集束器1226との組合わせは、図22及び図22A〜Cで記載した光学プロセスと実質的に同様に光学的に機能する。
【0165】
好ましい例において、レーザーヘッド1200、1211、1215における偏光を除去し、レーザー出力を最大にする。図21に記載した例では、マルチライン及び非偏光発光の組合わせにより、偏光単一ラインレーザーと比較してレーザー出力は4倍を超えて増大している。
【0166】
図22では角度を持たせずにキャピラリーアレイ1235に当てられたレーザービームを示しているが、図23に示すような小角度入射励起配置(entrance excitation configuration)は検知窓での励起レーザー光結合効率を向上させる。これは更に、96(又はそれ以上)キャピラリーアレイを励起させるのに必要なレーザー出力を減少させ、DNAシーケンサー機器において携帯可能な空冷アルゴンイオンレーザーの使用を可能にする。言い換えると、図20又は21に記載した多波長レーザーエミッタチューブは、広範のキャピラリーアレイに亘ってレーザービームの集束性を保持させながら、多数のキャピラリーアレイ(例えば、1000本のキャピラリーチューブ)を照射すべく整合されている。
【0167】
図24、25はCCDカメラ1257をレーザーエミッターチューブ1243と合体させたものを示している。好ましい例として、このレーザーエミッターチューブ1243は小さな傾斜角を以て図25の表面に垂直に配置されており、従って、レーザーエミッターチューブ1243からのレーザービームは図23に示すようにキャピラリーアレイ1200に当たることになる。
【0168】
レーザーエミッターチューブ1207はキャピラリー検知窓と同一レベルに配置され、レーザーエミッターチューブ1207のビーム発光端部はオペレータとは反対方向に向いている。好ましい例として、レーザーエミッターチューブ1207はアームマウント1265に回転自在に接続されているチューブ制御アーム1267の下端に固定されている。このアームマウント1265は可撓性回転子1261の下端に取着されている。この回転子1261の上端はシーケンサーの外部からアクセス可能なダイヤルに接続されている。アームマウント1265は更にレーザーエミッター位置決めレール1255上に装着されていて、アーム取付け位置コントローラ1253により移動し得るようになっている。このようなダイヤル及びコントローラ1253を用いることにより、レーザーエミッターチューブ1207を出力レーザービームをキャピラリーアレイへ照射させるのに最適に配置させることができる。
【0169】
CCDカメラ1257はカメラマウント(図25では示していない)に装着され、このカメラマウントはレーザーエミッター位置決めレール1255上に装着されている。カメラ回転ケーブル(図25では示していない)により、CCDカメラプレートがレール1255上を水平方向に移動する。カメラ焦点ギア1271がギア制御ケーブル1254に接続され、CCDカメラレンズアッセンブリ1269の動きを制御するようにしている。先行するカメラコントローラによりCCDカメラ1257の焦点が、レーザーエミッターチューブ1243からのレーザービームにより照射されたキャピラリーアレイの部分に当てられる。
【0170】
高粘度液移送システムの他の好ましい例が図26に示されている。この移送システムは、水のような低粘度液1413を保持する高圧チャンバー1401と、ゲルのような高粘度液を収容する圧迫可能な使い捨て型バッグ1411とを具備する。
【0171】
この高圧チャンバー1401は、好ましくは2000psiまでの内圧に耐えるようにアルミニウム又はステンレス鋼などの金属からなるシリンダー(筒体)1402を具備している。すなわち、底面が閉じ、頂部が開口した実質的な中空体を具備している。このシリンダー1402の頂部にはキャップ1404が着脱自在に装着されている。このシリンダー1402とキャップ1404とにより高圧チャンバー1401が形成され、液体1413及び使い捨て型バッグ1411が収容されている。
【0172】
このゲル容器1411は出口アッセンブリー1410に着脱自在に取着されている(好ましくは、Swagelock1409により)。このチャンバー内の圧力が増加したとき、粘性の液体が出口アッセンブリー1410を介して押し出されるようになっている。この出口アッセンブリー1410は液密取付け部材(Swagelock社から入手可能)を用いてキャップ1404に嵌着されている。この出口アッセンブリー1410は更にゲル放出チューブ1403を具備する。この圧迫可能なゲルバッグ1411の周りの圧力が液体1413により均一に適用されているから、ゲル容器の耐圧要求度が最小に抑えられる。従って、ゲルバッグ1411は、ゲルの複数のランに対して十分な容量を有する使い捨て型バッグから経済的に作製することができる。
【0173】
高圧チャンバー1401内の圧力は圧力コントロールアッセンブリー1406により増減することができる。圧力コントロールアッセンブリー1406によりチャンバー1401内により多くの液体が供給されると、チャンバー1401内の圧力は増大する。過剰量の液体によりこの内部圧が増大したとき、又はキャップ1404を開けてバッグ1411を交換するとき、チャンバー1401内の液体が圧力コントロールアッセンブリー1406により解放され、その内部圧を減少させる。
【0174】
この圧力コントロールアッセンブリー1406はコントローラ1404により制御される高圧ポンプ1423を具備する。好ましい例として、この高圧ポンプ1423はもう一つのHPLCポンプから構成される。この圧力コントロールアッセンブリー1406は更に、ポンプ1423に接続された入口チューブ1421を含み、これは液密取付け部材1419により上記シリンダーの底部に嵌着されている。
【0175】
出口チューブ1427が更に圧力コントロールアッセンブリー1406に設けられている。この出口チューブ1427は好ましくは第2の液密取付け部材1417により上記シリンダー1402の底部に嵌着されている。この出口チューブ1427には解放弁1425と、フィードバック信号(好ましくは6ボルト未満)を発生させるための圧力トランスジューサー1429が設けられ、この圧力トランスジューサー1429はコントローラ1404と導通している。解放弁1425はコントローラ1404により制御されるようになっている。
【0176】
このコントローラ1404は、好ましくは、図10に示す中央コンピュータコントローラ404の一部として構成させ、省スペース化を図ってもよい。しかし、他の例として、中央コンピュータコントローラ404は、もう一つのコンピュータ、マイクロプロセッサー又は水ポンプ及び弁を制御可能なその他の電子装置などの他の型のコントローラで置き換えてもよい。
【0177】
チャンバー1401内の圧力を示すフィードバック信号をモニターすることにより、コントローラ1404は以下のように機能する:(1)チャンバー1401内の圧力を或る程度、増大させる必要があるとき、コントローラ1404はHPLCポンプ1423を駆動させ入口チューブ1421を介して液体をチャンバー1401内に導入させる;又は(2)チャンバー1401内の圧力を或る程度、減少させる必要があるとき、コントローラ1404は解放弁1425を開き、チャンバー1401内から液体を解放させる。一旦、十分な量のゲルが押し出されたとき、ポンプが停止し、チャンバー内の圧力が減少し、元の平衡状態に圧力を戻す。好ましいゲル充填圧は500psiである。
【0178】
図27は、DNA分析の後、キャピラリーチューブアレイを再生させ、キャピラリーアレイにゲルを再充填させるのに用いられる溶媒/ゲル移送モジュール1800の好ましい例を示している。図28はこの溶媒/ゲル移送モジュール1800の背面図である。この溶媒/ゲル移送モジュール1800は好ましくは、上記シーケンサーに隣接して配置される。この溶媒/ゲル移送モジュール1800の目的は、継続的かつ自動的なゲルの移送及びキャピラリーチューブの再生を行うことである。
【0179】
図29は高圧ゲル移送システム1805(図16のゲル移送シリンジ804又は図26の高圧チャンバー1401)を図27の溶媒/ゲル移送モジュール1800に合体させたものを示している。この好ましい例において、溶媒マニホールド1850は溶媒容器1801〜1804のフィーダーチューブ1806からの4つの入口を1つの出口に接続させる。溶媒容器1801〜1804からのフィーダーチューブ1806、メタノールで満された2つのびん、ポリビニルピロリドン(PVP)で満された1つのビン(好ましくは2%のPVP)、及び緩衝液で満された1つのビンは溶媒マニホールド1850の入口に接続されている。HPLCポンプ1807の入口はポンプ接続チューブ1861により溶媒マニホールド1850の出口に接続されている。HPLCポンプ1807の出口はポンプ出口チューブ1862により溶媒マニホールド1850の入口に接続されている。HPLCポンプ1807からの出口(図29に示されていない)は前述のように高圧チャンバー1805に接続されている。
【0180】
弁マニホールド1851は2つの入口を1つの出口に接続させる。この弁マニホールド1851の1つの入口はゲル出口チューブ1863によりゲル移送システム1805に接続されている。弁マニホールドの他の入口はHPLCポンプ1807の出口に接続されている。弁マニホールド1851の出口は液体移送チャンバー1810(好ましくは、図18の高圧T型取付け部材1182)にマニホールド出口チューブ1864を介して接続されている。この液体移送チャンバー1810はその中の廃液を廃液容器1865へ排出させるためのパージ弁1867を具備する。
【0181】
図10に示すコントローラ404は、溶媒マニホールド1850、HPLCポンプ1807、ゲル移送システム1805のための圧力制御アッセンブリー、弁マニホールド1851、及び接続された部材を制御するための排液弁1867への接続部をそれぞれ有する。
【0182】
例えば、コントローラ404は、溶媒マニホールド1850を制御し、4つの溶媒容器1801〜1804から溶媒を選択し、あるいは弁マニホールド1851を駆動させて、ゲルを受け取るためチャンバー1804に接続された入口又は溶媒を受け取るためのHPLCポンプ1807に接続された入口を選択する。
【0183】
好ましい例として、ポンプ接続チューブ1861、ポンプ出口チューブ1862及びマニホールド出口チューブ1864の長さを最小に抑え、ゲル及び溶媒の無駄を減少させる。特に、ポンプ接続チューブ1861及びポンプ出口チューブ1862は新規な溶媒を弁マニホールド1851へ供給する必要があるとき、古い溶媒を保持しており、これによりこの古い溶媒が無駄になる。同様の無駄がマニホールド出口チューブ1864内の溶媒とゲルとの間にも発生する。従って、このマニホールド出口チューブ1864の長さは50cm未満、好ましくは25cm未満、より好ましくは10cm未満とする。
【0184】
図28に示すように、溶媒/ゲル移送モジュール1800はシーケンサー内に位置するレーザーヘッドのためのブロアー1801を有する。このレーザーヘッドはシーケンサーモジュールの底面に収納されている。冷却ブロアーはシーケンサーモジュールから空気を吸い出し、洗浄機モジュール1800の排気部へ吹き出すように設計されている。その結果、冷たい空気はレーザーを横切って移動し、シーケンサーモジュールに大きな混乱を生じさせる虞れは無い。5インチ径の可撓性ホースがレーザーの後方からブロアー取入れ部に向けて接続されている。熱い排気ガスが別の5インチ径ホース(天井ダクトに接続されている)を介して運び出され、外部に放出される(図28には示されていない)。
【0185】
図13の工程700〜703と同様に、図31の工程1901、1903、1905は図11及び図12Aで説明された積層デュアルカルーセル装置の動作を説明している。これらの工程は互いに実質的に同じであり、これらの間の相違は自明のものであるから、工程1901、1903、1905の詳細な説明は省略する。
【0186】
更に、図31の工程1907、1909、1911、1912は図28〜30で説明した溶媒/ゲル移送モジュール1800の動作を示している。この溶媒/ゲル移送モジュール1800の動作も溶媒/ゲル移送モジュール800のものと実質的に同一であるから重複する説明は省略する。しかし、以下に示す相違について説明する。
【0187】
工程1907.17において、濯ぎ工程は、キャピラリーチューブをメタノールで24分間濯ぎ、ついでPVPで8分間濯ぐことにより行われる。工程1911.23において、電流/モニターボードと電力供給部との間に取着された電流モニターが駆動される。工程1912.25及び1912.26において、すすぎトレイがキャピラリーチューブの第1の端部及び電流供給部/モニターボードから突出するピンの濯ぎのために利用される。
【0188】
以上、本発明を幾つかの好ましい例を参照して説明したが、本発明の範囲はこれらの例により制限されるものでないことを理解されるべきである。すなわち、当業者にとって、種々変更を加えることも容易であると思われるが、それらも本発明の範囲に含まれるものであり、その範囲は以下の請求の範囲によって規制されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の配列を示す側面図。
【図2A】 本発明のカートリッジの1例をそれぞれ示す平面図。
【図2B】 本発明のカートリッジの1例をそれぞれ示す側面図。
【図3A】 本発明のカートリッジのためのチューブアッセンブリーを示す側面図。
【図3B】 チューブアッセンブリーの装着配置を示す側面図。
【図4】 ニードル列と共に使用されるモニタープレートを示す平面図。
【図5】 図2A及び2Bに示すカートリッジと共に使用される装置の配置を示す平面図。
【図6A】 本発明のカートリッジの第2の例を示す側面図。
【図6B】 本発明のカートリッジの第2の例を示す平面図。
【図7】 図6A及び6Bに示されているものと同様の圧力セルのためのバルブ配置を示す側面図。
【図8】 圧力セルの分解縦断面図。
【図9】 プレート孔の交互配列を有する圧力セルの第2のマウンティングプレートの平面図。
【図10】 本発明の電気泳動装置を示す側面図。
【図11】 積層デュアルカルーセル装置を含むシーケンサーモジュールを示す側面図。
【図12】 積層二重配列に含まれるカルーセルを詳細に示す図。
【図13】 本発明の操作を説明するフロー図。
【図14A】 システム内の溶媒/ゲル移送モジュールの前面図。
【図14B】 システム内の溶媒/ゲル移送モジュールの側面図。
【図14C】 システム内の溶媒/ゲル移送モジュールの裏面図。
【図15A】 ゲル移送モジュールに含まれるゲルシリンジの詳細図。
【図15B】 ゲル移送モジュールに含まれるゲルシリンジの詳細図。
【図15C】 ゲル移送モジュールに含まれるゲルシリンジの詳細図。
【図16】 溶媒/ゲル移送モジュールを介してシーケンサーモジュールへのゲル及び溶媒の流れを示す図。
【図17】 オフラインキャピラリー再生器を示す図。
【図18】 本発明のキャピラリーカートリッジの側面図。
【図19】 電流供給/モニターボードを示す平面図。
【図20】 1個のレーザーヘッドを用いた多波長ビーム発生器を示す図。
【図21】 2個のレーザーヘッドを用いた多波長ビーム発生器を示す図。
【図22】 レーザーエミッターチューブの光学的処理機能を示す側面図。
【図22A】 レーザーエミッターの出力での光ビームのフットプリントを示す図。
【図22B】 ビームイクスパンダーを経た後の光ビームのフットプリントを示す図。
【図22C】 一次元焦点レンズを経た後の光ビームのフットプリントを示す図。
【図23】 レーザーエミッターからの光ビームがキャピラリー列に衝突する方向を示す図。
【図24】
【図25】 検出領域の周りの構造を示す側面図。
【図26】 高粘度ゲルを供給する高圧チャンバーを示す側面図。
【図27】 好ましい態様における溶媒/ゲル移送モジュールを示す図。
【図28】 溶媒/ゲル移送モジュールの背面を示す図。
【図29】 好ましい態様における溶媒/ゲル移送モジュールを介してのゲル及び溶媒の流れを示す図。
【図30】 好ましい態様における操作を説明するフロー図。
Claims (17)
- 複数のサンプルについてキャピラリー電気泳動を行うためのキャピラリー電気泳動システムであって、該システムが:
複数のキャピラリーチューブであって、各キャピラリーチューブが第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の端部は二次元アレイ状に配列され、その間隔がマイクロタイタートレイのウェルのアレイの間隔に対応し、前記第2の端部が共通の終端を有するものと;
それぞれ複数のマイクロタイタートレイを担持する上方及び下方カルーセルが積層されてなるデュアルカルーセルを具備する位置決め装置であって、該位置決め装置が、前記キャピラリー端部の二次元アレイが前記マイクロタイタートレイの対応するウェル中に挿入されるよう前記マイクロタイタートレイの1つを位置決めするように配置させているものと;
ゲル及び複数の液体の選択された1つを前記キャピラリーチューブの第2の端部へ選択的に移送させるよう配置された装置と;
前記サンプルを照射するよう配置された光源と;
前記サンプルにより発せられた光を検知するよう配置されたカメラ手段と;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、前記光源が: 光ビームを発生させるよう配置されたレーザーヘッドと;
前記レーザーヘッドから離して配置されたレーザーエミッターチューブと;
前記レーザーヘッドを前記レーザーエミッターチューブに接続させ、それにより光ビームを前記レーザーヘッドから前記レーザーエミッターチューブへ案内するようにした第1の光学カップリングアッセンブリーと;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項2記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、前記エミッターチューブの位置を調整する手段を更に具備してなるキャピラリー電気泳動システム。
- 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、
前記上方及び下方カルーセル相互が共通軸に沿って整合、離間し、前記上方カルーセルが切欠き部を有し、前記切欠き部の形及び寸法が、前記マイクロタイタートレイが前記下方カルーセルに載置された場合に、そのマイクロタイタートレイを通過させ得るよう形成され、
前記位置決め装置が、
前記カルーセルに作用するように結合された第1のモーターであって、前記第1のモーターは前記カルーセルのそれぞれを所定の角度位置に選択的に回転させるよう配置されたものと;
昇降部材に作用するように結合された第2のモーターであって、前記昇降部材が前記マイクロタイタートレイを、前記マイクロタイタートレイが前記下方カルーセル上に載置された第1の位置と、前記マイクロタイタートレイが前記上方カルーセルの面の上に上昇され、キャピラリー端部のアレイが前記マイクロタイタートレイ上に配置されたとき、前記キャピラリー端部のアレイが前記マイクロタイタートレイの対応するウェル中に挿入される第2の位置の間で、前記共通軸に沿って移動させるよう配置されたものと;
前記第1及び第2のモーターを制御するよう配置されたコントローラと;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、前記カルーセルのそれぞれの角度位置を判定するよう配置されたセンサーを更に具備してなるキャピラリー電気泳動システム。
- 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、
前記光源が、複数のキャピラリーを通って移動するサンプルを照射するための光源であって、
第1の波長で第1の光ビームを発生させる第1のレーザーヘッドと;
第1の入力端子と出力端子とを有するレーザーエミッターチューブであって、前記レーザーエミッターチューブが前記第1の入力端子で前記第1の光ビームを受理し、かつ、前記出力端子で集束された第1の光ビームを出力するよう配置され、更に第1のレーザーヘッドから離して配置されたものと;
第1の端部で前記第1のレーザーヘッドに接続され、第2の端部で前記レーザーエミッターチューブの第1の入力端子に接続された第1の光学カップリングアッセンブリーであって、前記第1のレーザーヘッドからの光ビームを前記レーザーエミッターチューブの第1の入力端子に案内するようにしたものと;
を具備してなり;
前記レーザーエミッターチューブの第1の入力端子からの照射ビームが前記サンプルに向けられるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項6記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、前記光源の前記レーザーエミッターチューブが;
前記第1の光学カップリングアッセンブリーの第2の端部を、前記第1の入力端子で受理するよう配置されたファイバーエミッターチューブと;
前記出力端子の近傍に配置された一次元集束器と;
前記ファイバーエミッターチューブと前記一次元集束器との間に配置されたビームイクスパンダーと;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項6記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、前記光源が、
第2の波長の第2の光ビームを発生させる第2のレーザーヘッドと;
前記レーザーエミッターチューブ上に形成された第2の入力端子であって、前記レーザーエミッターチューブが前記第2の入力端子で前記第2の光ビームを受理し、前記第2のレーザーヘッドから離して配置されたものと;
第1の端部で前記第2のレーザーヘッドに接続され、第2の端部で前記レーザーエミッターチューブの第2の入力端子に接続された第2の光学カップリングアッセンブリーと;
を更に具備してなり、
これにより、第1及び第2の光ビームが前記第1及び第2の光学カップリングアッセンブリーを介して前記レーザーエミッターチューブへ案内されるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項8記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、前記レーザーエミッターチューブが更に:
前記第1の光学カップリングアッセンブリーの第2の端部を受理するため前記第1の入力端子に配置された第1のファイバーエミッターチューブと;
前記第2の光学カップリングアッセンブリーの第2の端部を受理するため前記第2の入力端子に配置された第2のファイバーエミッターチューブと;
前記レーザーエミッターチューブ内に配置されたダイクロイックフィルターであって、前記第1及び第2のファイバーエミッターチューブからの光ビームと光学的にインターフェースするものと;
前記出力端子の近傍に配置された一次元集束器と;
前記ファイバーエミッターチューブと一次元集束器との間に配置されたビームイクスパンダーと;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、さらに、対応する複数のキャピラリーを通って移動する複数のサンプルに向けて光ビームを出力するよう配置されたエミッターチューブの位置を調整するための位置調整装置を備え、
前記位置調整装置が:
前記エミッターチューブの出力が前記サンプルに向かうよう前記エミッターチューブを保持するアームと;
前記アームを保持するアームマウントと;
第1の方向に沿って前記アームマウントを移動させるレール手段と;
前記アームマウントに接続され、前記レール手段に沿って前記アームマウントを移動させる第1の可撓性ローテータと;
前記アームマウントに接続され、前記第一の方向と交差する方向に前記アームマウントを移動させる第2の可撓性ローテータと;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムであって、
ゲル及び複数の液体の選択された1つを複数のキャピラリーへ選択的に移送させるための前記装置が:
複数の液体保持容器の1つを選択的に第1の供給ラインに接続させるよう配置された第1のマニホールドと;
ゲル供給ラインの1つ及び前記第1の供給ラインを選択的に第2の供給ラインに接続させるよう配置された第2のマニホールドと;
前記第2の供給ラインに接続された第1の端部と、キャピラリーの前記第2の端部に接続された第2の端部と、廃液容器に接続された第3の端部とを有する3方向コネクターであって、前記第3の端部が弁手段を具備したものと;を具備してなり、
前記第2の供給ラインの長さが50cm未満であるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項11記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、前記第2の供給ラインの長さが25cm未満であるキャピラリー電気泳動システム。
- 請求項12記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、前記第2の供給ラインの長さが10cm未満であるキャピラリー電気泳動システム。
- 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、
ゲル及び複数の液体の選択された1つを複数のキャピラリーへ選択的に移送させるための前記装置がゲル移送システムを備え、該ゲル移送システムが;
長手軸と、高圧取付け部を有する出口を備えた第1の端部と、前記長手軸に沿って第1の端部へ向けて移動可能な表面を備えた第2の端部とを有するチューブ状ゲル充填容器と;
前記移動可能な表面に接して設けられたプランジャーと;
前記プランジャーに操作上係合し前記プランジャーに力を加え、ゲルを前記容器の第1の端部から供給するようにしたステッパーモーターと;
前記モーターを介して前記プランジャーを選択的に移動させ、所定量のゲルを前記出口から排出させ前記キャピラリーチューブに接続された通路へ送り込み、これにより前記キャピラリーチューブにゲルを同時に充填するようにしたコントローラと;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、
ゲル及び複数の液体の選択された1つを複数のキャピラリーへ選択的に移送させるための前記装置がゲル移送システムを備え、該ゲル移送システムが;
出口を有する第1の端部と入口を有する第2の端部とを有する実質的に硬質のチャンバーであって、媒体で実質的に満されたものと;
前記チャンバー内に配置され、前記媒体により実質的に囲まれた易潰性ゲル充填容器であって、前記出口と連通する開口部を有するものと;
前記チャンバー入口に接続されたポンプ手段と;
前記ポンプ手段と接続し、前記ポンプ手段を介して追加の媒体を前記チャンバー内に送り込み、これにより前記ゲル充填容器を少なくとも部分的に潰し、ゲルの所定量を前記出口から押出し、キャピラリーチューブに接続された通路に送り込み、これによりキャピラリーチューブにゲルを同時に充填するようにしたコントローラと;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項15記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、
前記ゲル移送システムが、
前記媒体の圧力を感知するよう配置され、読取った圧力値を前記コントローラに供給する圧力トランスジューサーと;
前記チャンバーに接続された解放弁と;を更に具備してなり、
前記コントローラが上記圧力値に応答して解放弁を操作するように配置されているキャピラリー電気泳動システム。 - 請求項1記載のキャピラリー電気泳動システムにおいて、
さらに、第1及び第2の端部を有する複数のキャピラリーチューブを清浄化するための
清浄化装置を備え、該清浄化装置が;
それぞれ溶媒を保持する複数の容器と;
前記溶媒の1つを選択的にキャピラリーの第2の端部に供給するマニホールドと;
選択された溶媒を前記キャピラリーの第2の端部に圧送させるポンプ手段と;
前記ポンプ及びマニホールドに接続され、溶媒の前記キャピラリーチューブへの移送を所定の順序及び所定の時間で制御するようにしたコントローラと;
前記第1のキャピラリー端部から出る廃液を受容するための廃液容器と;
を具備してなるキャピラリー電気泳動システム。
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